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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088601
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】シート搬送装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 9/14 20060101AFI20230620BHJP
【FI】
B65H9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203437
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】志賀 雄基
【テーマコード(参考)】
3F102
【Fターム(参考)】
3F102AA11
3F102AB01
3F102BA02
3F102BB02
3F102DA08
3F102EA03
3F102FA02
3F102FA08
(57)【要約】
【課題】薄いシートであっても、ジャム等を解消する場合に、シートが破れるのを防ぐ。
【解決手段】シート搬送装置が、シートを突き当てて、前記シートにレジストループを形成するレジストローラ部と、前記レジストローラ部よりも上流に配置し、かつ、前記シートを搬送する搬送ローラ部と、前記搬送ローラ部が前記シートを挟むニップ圧を第1ニップ圧とするか、又は、前記第1ニップ圧よりも高い第2ニップ圧とするかを切り替える切替部と、前記シートが所定値よりも薄いと判断すると、前記ニップ圧を前記第2ニップ圧に切り替える制御を行って前記第2ニップ圧で前記シートを前記レジストローラ部に突き当て、かつ、前記シートを前記レジストローラ部に突き当てた後に前記レジストローラ部が前記シートの搬送を開始すると、前記ニップ圧を前記第1ニップ圧に切り替える制御を行う制御部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを突き当てて、前記シートにレジストループを形成するレジストローラ部と、
前記レジストローラ部よりも上流に配置し、かつ、前記シートを搬送する搬送ローラ部と、
前記搬送ローラ部が前記シートを挟むニップ圧を第1ニップ圧とするか、又は、前記第1ニップ圧よりも高い第2ニップ圧とするかを切り替える切替部と、
前記シートが所定値よりも薄いと判断すると、前記ニップ圧を前記第2ニップ圧に切り替える制御を行って前記第2ニップ圧で前記シートを前記レジストローラ部に突き当て、かつ、前記シートを前記レジストローラ部に突き当てた後に前記レジストローラ部が前記シートの搬送を開始すると、前記ニップ圧を前記第1ニップ圧に切り替える制御を行う制御部と
を備えるシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記レジストループを形成する前記ニップ圧を前記第2ニップ圧にする
請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記搬送ローラ部よりも上流に配置し、かつ、前記シートを前記搬送ローラ部に供給する供給ローラ部を更に備え、
前記制御部は、
前記シートの後端部分が前記供給ローラ部を抜ける前、かつ、前記供給ローラ部が停止状態になると、前記ニップ圧を前記第2ニップ圧に切り替える制御を行う
請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記後端部分が前記供給ローラ部を抜けると、前記ニップ圧を前記第1ニップ圧に切り替える
請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記シートは、用紙であり、
前記レジストループは、前記用紙を前記レジストローラ部に突き当てると形成される弛みであり、
前記レジストローラ部に前記用紙の先端部分が突き当てられ、かつ、前記レジストローラ部が停止状態であると、前記レジストループが形成され、
前記搬送ローラ部は、
下流から送られてくる前記用紙を前記ニップ圧で挟んで前記レジストローラ部に向かって搬送し、
前記切替部は、
前記第1ニップ圧、及び、前記第2ニップ圧を少なくとも含む複数のニップ圧のうち、いずれかのニップ圧に切り替え、
前記制御部は、
前記シートが前記所定値よりも薄くない厚紙であると判断すると、前記ニップ圧を前記第1ニップ圧に切り替える制御を行い、
前記用紙が前記所定値よりも薄い薄紙であると判断すると、
前記第2ニップ圧で前記用紙を挟んで前記先端部分を前記レジストローラ部に突き当てて、前記レジストループを形成して前記用紙の姿勢を補正する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート搬送装置を有し、
前記シートに画像形成を行う画像形成部を更に備える
画像形成装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、及び、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙等のシート(以下、シートを用紙とする例で説明する。)を搬送する上で、搬送したシートの斜行を補正する等の目的で、シート先端をローラに突き当てた状態送り込むことで、シートにループ(シートを突き当てると生じる弛みである。いわゆるレジストループである。以下「レジストループ」という。)を形成する技術が知られている。
【0003】
具体的には、ループローラ対と、ループローラ対より上流に搬送ローラとを備える画像形成装置において、画像形成装置は、ループローラ対のニップ圧を制御する。このようにして、ループローラ対のニップ圧をレジストローラ対のニップ圧よりも低くして、用紙がレジストニップ部を突き抜けるのを防止する技術が知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、シートの厚みが異なっても、シートを挟むニップ圧が調整されない。そのため、薄いシートの場合において、ジャム(jam、「紙詰まり」等ともいう。)が起きると、作業者はシートを引き出す。この場合に、ニップ圧が調整されていないと、シートが破れる課題がある。
【0005】
本発明は、薄いシートであっても、ジャム等を解消する場合に、シート破れを防ぐこと目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である、シート搬送装置は、
シートを突き当てて、前記シートにレジストループを形成するレジストローラ部と、
前記レジストローラ部よりも上流に配置し、かつ、前記シートを搬送する搬送ローラ部と、
前記搬送ローラ部が前記シートを挟むニップ圧を第1ニップ圧とするか、又は、前記第1ニップ圧よりも高い第2ニップ圧とするかを切り替える切替部と、
前記シートが所定値よりも薄いと判断すると、前記ニップ圧を前記第2ニップ圧に切り替える制御を行って前記第2ニップ圧で前記シートを前記レジストローラ部に突き当て、かつ、前記シートを前記レジストローラ部に突き当てた後に前記レジストローラ部が前記シートの搬送を開始すると、前記ニップ圧を前記第1ニップ圧に切り替える制御を行う制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薄いシートであっても、ジャム等を解消する場合に、シートが破れるのを防げる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像読取装置の全体構成例を示す図である。
図2】シート搬送装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】シート搬送装置の構成例を示す図である。
図4】ニップ圧を切り替える制御例を示す図である。
図5】全体処理例を示す図(その1)である。
図6】全体処理例を示す図(その2)である。
図7】薄紙を対象にした動作結果例を示す図である。
図8】レジストループの形成例を示す図である。
図9】レジストローラ対による用紙の搬送例を示す図である。
図10】コロ跡の例を示す図である。
図11】制御構成例を示す図である。
図12】機能構成例を示す図である。
図13】厚紙等を対象にした動作結果例を示す図である。
図14】比較例の全体処理例を示す図である。
図15】比較例の動作結果例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照し、具体例を説明する。なお、実施形態は、以下に説明する具体例に限られない。また、以下の説明は、シートが用紙である例とする。
【0010】
[全体構成例]
図1は、画像形成装置の例を示す図である。以下、図1に示す画像形成装置100を例に説明する。画像形成装置100は、電子写真方式、又は、インクジェット方式で用紙に画像形成を行う。以下、電子写真方式の例で説明する。
【0011】
画像形成装置100は、像担持体1、転写装置9、及び、露光装置等を使用して、画像形成を行う画像形成器2を備える。なお、画像形成器2は、他の装置を更に備えてもよい。
【0012】
画像形成装置100は、本体給紙トレイ3、手差給紙トレイ4、給紙ローラ5、及び、給紙ローラ6を備える。そして、画像形成器2に向けて、本体給紙トレイ3に蓄積する用紙束P1、又は、手差給紙トレイ4に蓄積する用紙束P2から用紙が1枚ずつ搬送される。また、給紙ローラ5、又は、給紙ローラ6が用紙を搬送する。
【0013】
画像形成装置100は、レジストセンサS、及び、レジストローラ対8を備える。レジストセンサSは、用紙の有無を検出する。レジストセンサSにより用紙が検出された後、レジストローラ対8は、用紙を転写装置9へ搬送する。そして、転写装置9は、画像を用紙に転写する。転写後、用紙は、定着装置10へ送られる。
【0014】
定着装置10は、画像を用紙に定着させる定着処理を行う。定着後、用紙は、画像形成装置100の装置外へ排出される。
【0015】
以下、シート搬送装置200を例に説明する。この例では、シート搬送装置200は、搬送ローラ対7、レジストローラ対8、及び、給紙ローラ5で構成する。また、シート搬送装置200は、以下のようなハードウェア資源を備える。
【0016】
図2は、シート搬送装置のハードウェア構成例を示す図である。具体的には、シート搬送装置200は、Central Processing Unit(以下「CPU201」という。)、記憶装置202、入力装置203、出力装置204、及び、インタフェース205を備える。
【0017】
CPU201は、演算装置、及び、制御装置の例である。以下、CPU201が画像形成装置100、及び、シート搬送装置200が備える各装置を制御する例で説明する。
【0018】
記憶装置202は、主記憶装置、及び、補助記憶装置等である。
【0019】
入力装置203は、外部から操作、及び、データ等を入力する。
【0020】
出力装置204は、処理結果等を出力する。
【0021】
インタフェース205は、外部装置とデータを送受信する。
【0022】
シート搬送装置200は、CPU201、及び、記憶装置202等をプログラム等に基づき協働して動作させて、処理を実行する。
【0023】
なお、ハードウェア構成は、上記に示す装置以外に内部、又は、外部に、補助装置、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、又は、出力装置が更にある構成でもよい。
【0024】
[シート搬送装置の構成例]
図3は、シート搬送装置の構成例を示す図である。本体給紙底板101は、給紙ローラ5に向けて上方へ付勢する。次に、給紙ローラ5は、用紙束P1のうちの最も上にある用紙に接する。
【0025】
用紙の搬送を開始する場合には、CPU201は、まず、イニシャル動作が完了しているかどうかを確認する。次に、イニシャル動作が完了していないと、CPU201は、イニシャル動作を開始する。
【0026】
イニシャル動作とは、手差し底板34を最下位置の状態にする動作である。そして、このイニシャル動作を完了した後、搬送ローラ対7が用紙を挟むニップ圧(以下単に「ニップ圧」という。)が設定される。
【0027】
以下、ニップ圧は、CPU201の制御に基づき、「第1ニップ圧」、又は、「第2ニップ圧」の2段階で切り替わる例とする。
【0028】
第1ニップ圧は、第2ニップ圧より低いニップ圧である。一方で、第2ニップ圧は、第1ニップ圧より高いニップ圧である。なお、ニップ圧は、3段階以上あってもよい。そして、複数段階のニップ圧のうち、第2ニップ圧は、第1ニップ圧より高いニップ圧であればよい。
【0029】
イニシャル動作の完了後、CPU201は、メインモータをONにする。そして、CPU201は、用紙が薄紙であるか否かを判断する。
【0030】
薄紙、及び、普通紙等(以下まとめて単に「薄紙」という。)は、所定値よりも厚みが薄い用紙である。厚紙は、所定値以上の厚みがある厚い用紙である。そのため、薄紙は強度が低く、厚紙と比較して破れやすい。なお、所定値は、事前に設定する値である。
【0031】
用紙は、操作パネルをユーザが操作して種類を選択する。用紙は、例えば、普通紙、薄紙、及び、厚紙等のように、複数の種類が用意される。また、各種類の厚み等は、事前に値を入力する。そして、ユーザは、この種類の中から、いずれかの種類を選択する。このような操作が行われると、記憶装置202は、選択結果を記憶する。以降、CPU201は、事前に記憶する選択結果を参照して、用紙が薄紙であるか、又は、厚紙であるか否かを判断する。
【0032】
なお、CPU201は、厚みをセンサで計測する等の処理を行い、用紙の種類を判断してもよい。また、CPU201は、例えば、用紙の材質、又は、大きさ等の特性で判断してもよい。
【0033】
CPU201は、例えば、以下のように機構等を制御対象とし、ニップ圧を切り替える。
【0034】
図4は、ニップ圧を切り替える制御例を示す図である。図4(a)は、イニシャル動作の状態を示す図である。そして、図4(b)は、図4(a)において、手差し底板カムクラッチをオンにして、手差し底板カム軸65を時計回りに回転させた状態を示す図である。
【0035】
搬送ローラ対7は、中継駆動ローラ42a、及び、中継従動ローラ42b等で構成する。中継従動ローラ42bは、ローラ軸66を軸受けする軸受部37aが、圧縮バネである加圧スプリング11によって付勢される。そして、加圧スプリング11による付勢力により、中継従動ローラ42bは、中継駆動ローラ42aに当接する。
【0036】
手差し底板カム軸65が停止した状態では、加圧スプリング11の縮み量が多くなる。ゆえに、ニップ圧は、高い状態、すなわち、第2ニップ圧に切り替えられる。
【0037】
用紙は給紙路R1に沿って搬送される。そして、中継駆動ローラ42aがメインモータからの駆動力によって回転駆動する。
【0038】
一方で、用紙の厚み等に基づく付勢する力で加圧スプリング11が軸受部37aを押すと、中継従動ローラ42bは、付勢力により中継駆動ローラ42aに当接する。このため、中継従動ローラ42bは、中継駆動ローラ42aに連動して回転する。そして、給紙路R1を搬送される用紙は、中継駆動ローラ42aと中継従動ローラ42bによるニップ圧で挟まれて搬送される。
【0039】
レジストセンサSは、用紙が到達したのを検出する。次に、CPU201は、給紙クラッチをオフ(OFF)にして用紙の搬送を一時中止する。これにより、用紙の先端部分が停止中のレジストローラ対8のニップに突き当たると、用紙の斜行等によるスキュー(skew)が補正される。
【0040】
以下、給紙クラッチと同様に、給紙ローラ5、搬送ローラ対7、及び、レジストローラ対8は、メインモータを駆動源とし、かつ、各ローラをクラッチの「ON」及び「OFF」の切り替えにより、「駆動させる」、又は、「停止させる」という状態を切り替える制御を実現する例で説明する。ただし、ローラの駆動を切り替える制御は、クラッチ以外の装置で実現してもよい。
【0041】
CPU201は、感光体上に形成するトナー像に重ね合わせるタイミングで画像形成器2に用紙を搬送する。
【0042】
[全体処理例]
図5は、全体処理例を示す図(その1)である。なお、図5に示す全体処理のうち、ステップS0512以降の処理を図6に示す。
【0043】
図6は、全体処理例を示す図(その2)である。
【0044】
以下、図7に示すタイミングチャートと合わせて全体処理を説明する。
【0045】
図7は、薄紙を対象にした動作結果例を示す図である。以下、メインモータ信号SG1、給紙クラッチ信号SG2、ニップ圧信号SG3、レジストセンサ信号SG4、レジストループ検出信号SG5、及び、レジストクラッチ信号SG6で動作結果を説明する。
【0046】
メインモータ信号SG1は、メインモータの駆動状態を示す。具体的には、メインモータ信号SG1は、Highアクティブ信号(Highレベルで「ON」とする。以下同様に記載する。)である。ゆえに、メインモータ信号SG1が「ON」であると、メインモータは駆動している状態である。
【0047】
給紙クラッチ信号SG2は、Highアクティブ信号である。給紙クラッチ信号SG2が「ON」の場合は、メインモータの駆動が給紙ローラ5に伝わっている状態を示す。
【0048】
ニップ圧信号SG3は、ニップ圧を「第1ニップ圧」とするか、又は、ニップ圧を「第2ニップ圧」とするかを切り替えた結果を示す。以下、ニップ圧信号SG3が「ON」であると、ニップ圧が第2ニップ圧(すなわち、高いニップ圧とする制御結果である。)である例とする。
【0049】
レジストセンサ信号SG4は、Highアクティブ信号である。したがって、レジストセンサSの検出範囲に用紙がある、すなわち、用紙がレジストローラ対8の直前に存在すると、レジストセンサ信号SG4は、「ON」となる信号である。
【0050】
レジストループ検出信号SG5は、Highアクティブ信号である。したがって、レジストループ検出信号SG5は、用紙をレジストローラ対8に突き当てているか否かの検出結果を示す信号である。具体的には、レジストローラ対8が停止し、かつ、レジストローラ対8へ用紙が搬送された後、更に所定時間経過した後の状態は、用紙がレジストローラ対8に突き当たっている状態と推定できる。このような推定により、レジストローラ対8に突き当たっている状態であると、レジストループ検出信号SG5は、「ON」となる。なお、用紙がレジストローラ対8に突き当てているか否かは、レジストローラ対8にセンサを設置して検出した結果でもよい。
【0051】
レジストクラッチ信号SG6は、Highアクティブ信号である。レジストクラッチ信号SG6が「ON」の場合は、メインモータの駆動がレジストローラ対8に伝わっている状態を示す。そのため、レジストクラッチ信号SG6が「ON」であると、レジストローラ対8の箇所を用紙が通過する。一方で、レジストクラッチ信号SG6が「OFF」であると、レジストローラ対8の箇所を用紙ができないため、レジストローラ対8に用紙が突き当たる。
【0052】
ステップS0501では、シート搬送装置200は、プリンタ情報を取得する。したがって、CPU201は、以降、用紙の厚み、及び、種類等が判断できる。
【0053】
ステップS0502では、シート搬送装置200は、用紙が所定値より薄いか否かを判断する。具体的には、CPU201は、プリンタ情報を参照して用紙の厚み、すなわち、薄紙であるか否かを判断する。
【0054】
次に、用紙が所定値より薄いと判断すると(ステップS0502でYES)、シート搬送装置200は、ステップS0504に進む。一方で、用紙が所定値より薄くないと判断すると(ステップS0502でNO)、シート搬送装置200は、ステップS0503に進む。
【0055】
ステップS0503では、シート搬送装置200は、給紙ローラ5によって用紙の搬送を行う。具体的には、シート搬送装置200は、まずメインモータの駆動を開始する(図7における第1タイミングT1である)。次に、シート搬送装置200は、給紙クラッチを「ON」にする(図7における第2タイミングT2である)。このようにして、メインモータ信号SG1、及び、給紙クラッチ信号SG2がいずれも「ON」になると、シート搬送装置200は、搬送ローラ対7へ用紙を搬送する。
【0056】
ステップS0504では、シート搬送装置200は、給紙ローラ5によって用紙の搬送を行う。例えば、ステップS0504は、ステップS0503と同様の処理である。
【0057】
ステップS0505では、シート搬送装置200は、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える。したがって、シート搬送装置200は、用紙を高いニップ圧で挟む。
【0058】
ステップS0506では、シート搬送装置200は、用紙に画像形成等を行う。なお、ステップS0506では、シート搬送装置200は、画像形成以外の処理を更に行ってもよい。
【0059】
ステップS0507では、シート搬送装置200は、用紙を排紙する。
【0060】
ステップS0508では、シート搬送装置200は、用紙の突き当てが開始されたか否かを判断する。具体的には、ステップS0504により、用紙は、搬送により、搬送ローラ対7に到着する。次に、用紙が搬送ローラ対7に到着すると、シート搬送装置200は、搬送ローラ対7で用紙をレジストローラ対8へ搬送する。
【0061】
図3に示すように、レジストセンサSがレジストローラ対8より上流に設置される。そのため、用紙の突き当てられる前、すなわち、レジストローラ対8の直前まで用紙が搬送されたのをレジストセンサSが検出する。
【0062】
以下、レジストセンサSに用紙が検出され始めたタイミング(図7における第3タイミングT3である。)から所定時間経過し、かつ、レジストローラ対8が停止状態であると、用紙がレジストローラ対8に突き当たり、レジストループが形成される。
【0063】
なお、所定時間は、事前に実験等で算出されて、設定される。
【0064】
次に、用紙の突き当てが開始されたと判断すると(ステップS0508でYES)、シート搬送装置200は、ステップS0509に進む。一方で、用紙の突き当てが開始されていないと判断すると(ステップS0508でNO)、シート搬送装置200は、ステップS0508を繰り返す。すなわち、所定時間が経過するまで、シート搬送装置200は、用紙を搬送し続ける。
【0065】
ステップS0509では、シート搬送装置200は、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える。例えば、ステップS0509は、ステップS0505と同様の処理である。図7に示す例は、第4タイミングT4で、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替わるものとする。
【0066】
ステップS0510では、シート搬送装置200は、用紙にレジストループを形成する。図7では、第5タイミングT5から、レジストループの形成が開始される。
【0067】
ステップS0511では、シート搬送装置200は、用紙の搬送を再開する。図7では、第6タイミングT6である。具体的には、第6タイミングT6から、レジストクラッチ信号SG6が「ON」となり、レジストローラ対8が停止状態から回転状態に変わると、用紙の搬送が開始される。
【0068】
また、レジストローラ対8が回転状態となると、レジストローラ対8が用紙を搬送するため、用紙にレジストループを形成する処理が完了する。したがって、第6タイミングT6から、レジストループ検出信号SG5が「OFF」となる。すなわち、図7では、第5タイミングT5から第6タイミングT6までの間にレジストループが形成される。
【0069】
ステップS0512では、シート搬送装置200は、用紙の搬送が開始されると、ニップ圧を第1ニップ圧に切り替える。図7では、レジストクラッチ信号SG6が「ON」となってから一定期間(モータの起動時間等で定まる。)が経過すると(すなわち、第6タイミングT6を基準に一定期間が経過した時点である第7タイミングT7である。)、シート搬送装置200は、用紙の搬送が開始されたと判断する。ゆえに、第7タイミングT7でニップ圧信号SG3が「OFF」になる。
【0070】
ステップS0513では、シート搬送装置200は、用紙の搬送を再開してから第1時間が経過したか否かを判断する。
【0071】
第1時間は、事前に設定する時間である。また、シート搬送装置200は、用紙の搬送再開(図7では第6タイミングT6の時点である。)からカウントした時間が第1時間に達したか否かでステップS0513の判断を行う。
【0072】
次に、用紙の搬送を再開してから第1時間が経過したと判断すると(ステップS0513でYES)、シート搬送装置200は、ステップS0514に進む。一方で、用紙の搬送を再開してから第1時間が経過していないと判断すると(ステップS0513でNO)、シート搬送装置200は、ステップS0513を繰り返す。
【0073】
ステップS0514では、シート搬送装置200は、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える。図7では、第8タイミングT8である。
【0074】
ステップS0515では、シート搬送装置200は、給紙ローラ5を停止する。図7では、第9タイミングT9である。具体的には、給紙クラッチ信号SG2が「OFF」となる。
【0075】
ステップS0516では、シート搬送装置200は、給紙ローラ5を停止してから第2時間が経過したか否かを判断する。
【0076】
第2時間は、事前に設定する時間である。また、シート搬送装置200は、給紙ローラ5を停止した時点(図7では第9タイミングT9の時点である。)からカウントした時間が第2時間に達したか否かでステップS0516の判断を行う。
【0077】
次に、給紙ローラ5を停止してから第2時間が経過したと判断すると(ステップS0516でYES)、シート搬送装置200は、ステップS0517に進む。一方で、給紙ローラ5を停止してから第2時間が経過していないと判断すると(ステップS0516でNO)、シート搬送装置200は、ステップS0516を繰り返す。
【0078】
なお、シート搬送装置200は、給紙ローラ5を用紙が抜けたか否かは、給紙ローラ5を停止してから第2時間の経過時間以外で判断してもよい。例えば、シート搬送装置200は、センサで給紙ローラ5を用紙が抜けたか否かを判断してもよい。
【0079】
ステップS0517では、シート搬送装置200は、ニップ圧を第1ニップ圧に切り替える。図7では第10タイミングT10である。
【0080】
以降、シート搬送装置200は、画像形成(図5におけるステップS0506である。)、及び、用紙の排紙(図5におけるステップS0507である。)等を行う。
【0081】
図8は、レジストループの形成例を示す図である。図8は、ステップS0510により、レジストループ300を形成する状態を示す。
【0082】
停止中のレジストローラ対8に対して、シート搬送装置200は、搬送ローラ対7が薄紙P10を搬送して薄紙P10を突き当てる。このように薄紙P10を突き当てると、レジストループ300が形成される。例えば、レジストループ300は、3mm程度形成する。なお、どの程度のレジストループ300にするかは事前に設定する。
【0083】
以上のようにレジストループ300が形成できると、斜行等で用紙の姿勢が傾斜しているのを補正できる。そして、姿勢が補正できると、用紙に画像形成する画像が斜めに形成されるのを防ぎ、画質を向上できる。このように、レジストループ300を形成して用紙の補正ができると、補正に特別な装置等が不要になり、シート搬送装置200は、容易に用紙の姿勢を補正できる。
【0084】
そして、レジストループ300を形成するのに、シート搬送装置200は、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える(ステップS0509)。このように、シート搬送装置200は、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える制御を行い、薄紙P10であっても、第2ニップ圧でレジストループ300を形成する。図7では、第5タイミングT5から第6タイミングT6の間、ニップ圧が第2ニップ圧(すなわち、ニップ圧信号SG3が「ON」である。)である。その後、レジストローラ対8が回転し、用紙が搬送されると、用紙は、以下のような状態となる。
【0085】
図9は、レジストローラ対による用紙の搬送例を示す図である。図8と比較すると、図9では、レジストローラ対8が回転している状態である点が異なる。このように、レジストローラ対8が回転すると、用紙が搬送されて、排紙等の処理がされる。
【0086】
シート搬送装置200は、搬送ローラ対7で用紙を挟んで搬送する。このように搬送する上で、ニップ圧が第2ニップ圧、すなわち、強い圧力である状態で用紙にジャムが発生すると、ジャムを起こしている用紙を引き出すのが難しい場合が多い。また、ジャムを起こしている用紙を無理に引き出そうとすると、薄い用紙は破れやすいため、破れる場合が多い。
【0087】
破れた用紙が装置内に残ると、ジャムからの復帰作業が難しくなる。一方で、ジャムが起きても破れるのを防ぐため、ニップ圧を第1ニップ圧、すなわち、弱い圧力にすると、シート搬送装置200は、厚い用紙が通紙できない場合がある。
【0088】
そこで、シート搬送装置200は、用紙の厚みに応じてニップ圧を切り替える。具体的には、シート搬送装置200は、薄い用紙を搬送するのに第1ニップ圧を用いる。このような切り替えにより、薄い用紙であっても、用紙が破れるのを少なくできる。一方で、シート搬送装置200は、厚い用紙を搬送するのに第2ニップ圧を用いる。このような切り替えにより、厚い用紙であっても、用紙を搬送できる。
【0089】
しかし、第1ニップ圧のように弱いニップ圧でレジストローラ対8に用紙を突き当てると、レジストループ300による反力により、搬送ローラ対7においてスリップが生じる場合がある。このようなスリップが起きると、以下のような現象が起きる。
【0090】
図10は、コロ跡の例を示す図である。レジストループ300を形成している間にスリップが起きると、用紙の先端部分にスリップした跡(以下「第1コロ跡50」という。)が発生しやすい。そこで、シート搬送装置200は、薄い用紙であっても、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替えて、用紙をレジストローラ対8に突き当てる。
【0091】
ニップ圧が第2ニップ圧のように強い圧力であれば、レジストループ300による反力があってもスリップが起きにくい。そのため、第1コロ跡50が発生するのを防げる。
【0092】
次に、シート搬送装置200は、レジストローラ対8に用紙を突き当てた後に用紙の搬送を再開すると(ステップS0511)、ニップ圧を第1ニップ圧に切り替える(ステップS0512)。このように、用紙の搬送が第1ニップ圧であれば、薄紙P10を搬送している間にジャムが起きても、ニップ圧が弱いため、用紙を引き出す作業をしても用紙が破れにくい。
【0093】
また、シート搬送装置200は、用紙の後端部分が給紙ローラ6を抜ける前に給紙ローラ6を停止状態にする制御を行うのが望ましい(ステップS0515)。このように、用紙の後端部分が給紙ローラ6を抜ける前に給紙ローラ6を停止状態すると、次の用紙がつながって搬送されるのを防ぐことができる。
【0094】
用紙の後端部分は、例えば、搬送方向において用紙の中央(図10において中央線52で示す。)から後ろの部分(図10では中央線52より右側をいう。)等である。一方で、先端部分は、図10において、中央線52より左側である。ただし、どの範囲を先端部分、及び、後端部分とするかは事前に設定する。
【0095】
そして、給紙ローラ6が停止の状態において用紙が給紙ローラ6を抜けようとすると、給紙ローラ6が停止しているため、搬送における負荷になる。そのため、ニップ圧が弱いと、搬送ローラ対7においてスリップが生じる場合がある。
【0096】
薄紙P10の後端部分が給紙ローラ6を抜ける前に給紙ローラ6を停止状態している間にスリップが起きると、図10に示すように、用紙の後端部分にスリップした跡(以下「第2コロ跡51」という。)が発生しやすい。
【0097】
図7では、給紙ローラ6を停止状態となる第9タイミングT9より前の第8タイミングT8でニップ圧を第2ニップ圧に切り替える(ステップS0514)。なお、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替えるタイミング、すなわち、第8タイミングT8は、給紙ローラ6を停止と同時等でもよい。すなわち、給紙ローラ6が停止状態、かつ、用紙の後端部分が給紙ローラ6を抜けるタイミングにニップ圧が第2ニップ圧であれば、切り替えるタイミングは、第8タイミングT8に限定されない。
【0098】
このようなタイミングでニップ圧を第2ニップ圧に切り替えると、シート搬送装置200は、用紙の後端部分が給紙ローラ6を抜ける前、かつ、給紙ローラ6が停止状態に用紙を第2ニップ圧で搬送できる。
【0099】
ニップ圧が第2ニップ圧のように強い圧力であれば、用紙が給紙ローラ6を抜けようとする負荷があってもスリップが起きにくい。そのため、第2コロ跡51が発生するのを防げる。
【0100】
給紙ローラ6を用紙が抜けたと判断すると(ステップS0516でYES)、シート搬送装置200は、ニップ圧を第1ニップ圧に切り替える(ステップS0517)。図7では、第10タイミングT10である。このように、用紙の搬送が第1ニップ圧であれば、薄紙P10を搬送している間にジャムが起きても、ニップ圧が弱いため、用紙を引き出す作業をしても用紙が破れにくい。
【0101】
[制御構成例]
図11は、制御構成例を示す図である。CPU201は、メインモータ500、給紙クラッチ501、ニップ圧切替器502、及び、レジストクラッチ503等と接続する。
【0102】
そして、CPU201は、メインモータ信号SG1、給紙クラッチ信号SG2、ニップ圧信号SG3、及び、レジストクラッチ信号SG6を送信して、各装置を制御する。
【0103】
なお、シート搬送装置200は、図示する以外の装置を用いる構成でもよい。例えば、クラッチ以外の機構、又は、制御装置がCPU201以外である等でもよい。
【0104】
[機能構成例]
図12は、機能構成例を示す図である。具体的には、シート搬送装置200は、レジストローラ部200F1、搬送ローラ部200F2、切替部200F3、制御部200F4、及び、供給ローラ部200F5を備える。また、画像形成装置100は、シート搬送装置200を有し、かつ、画像形成部100F1を備える。
【0105】
レジストローラ部200F1は、シートを突き当てて、シートにレジストループを形成する。例えば、レジストローラ部200F1は、レジストローラ対8等で実現する。
【0106】
搬送ローラ部200F2は、レジストローラ部200F1より上流に配置する。また、搬送ローラ部200F2は、シートを搬送する。例えば、搬送ローラ対7等で実現する。
【0107】
切替部200F3は、ニップ圧を第1ニップ圧とするか、又は、第2ニップ圧とするかを切り替える切替手順を行う。例えば、切替部200F3は、CPU201等で実現する。
【0108】
制御部200F4は、シートが所定値よりも薄いと判断すると、ニップ圧を第2ニップ圧に切り替える制御を行って、第2ニップ圧でシートをレジストローラ部200F1に突き当て、かつ、シートをレジストローラ部200F1に突き当てた後にレジストローラ部200F1がシートの搬送を開始すると、ニップ圧を第1ニップ圧に切り替える制御手順を行う。例えば、制御部200F4は、CPU201等で実現する。
【0109】
供給ローラ部200F5は、搬送ローラ部200F2よりも上流に配置する。また、供給ローラ部200F5は、シートを搬送ローラ部に供給する。例えば、供給ローラ部200F5は、給紙ローラ5等で実現する。
【0110】
画像形成部100F1は、シートに画像を画像形成する画像形成手順を行う。例えば、画像形成部100F1は、画像形成器2等で実現する。
【0111】
以上のような構成であると、レジストローラ部200F1に突き当てた後、シート搬送装置200は、第1ニップ圧でシートを搬送する。そのため、薄いシートであっても、第1ニップ圧であるため、ジャム等でシートを引き出すような作業をする上でシートが破れるのを防ぐことができる。
【0112】
また、シート搬送装置200は、シートをレジストローラ部200F1に突き当てて、レジストループを形成してシートの姿勢を補正するのに、第2ニップ圧で行う。そのため、シートをレジストローラ部200F1に突き当てる際にスリップ等が生じるのを防ぐことができる。
【0113】
[厚紙等の処理例]
図13は、厚紙を対象にした動作結果例を示す図である。シート搬送装置200は、用紙が所定値より薄くない(すなわち、用紙が厚紙である。)と判断すると(ステップS0502でNO)、ステップS0503以降の処理を行う。このような処理の結果、すなわち、厚紙の場合には、動作結果は、図13に示す通りとなる。
【0114】
シート搬送装置200は、第20タイミングT20でニップ圧を第2ニップ圧とする(ステップS0505)。ゆえに、ニップ圧信号SG3は、第20タイミングT20で「ON」となる。
【0115】
薄紙の場合(すなわち、図7に示す制御による動作結果である。)と比較すると、厚紙の場合には、第20タイミングT20以降、ニップ圧は、基本的に第2ニップ圧である点が異なる。
【0116】
[比較例]
図14は、比較例の全体処理例を示す図である。図5、及び、図6と比較すると、比較例は、薄紙の場合(ステップS1402でYES)には、ニップ圧が一貫して第1ニップ圧である点が異なる。すなわち、比較例は、ステップS1408でニップ圧を第1ニップ圧に切り替えた後、ニップ圧を切り替える処理がない。
【0117】
図15は、比較例の動作結果例を示す図である。図7と比較すると、比較例は、一貫してニップ圧信号SG3が「OFF」である点が異なる。なお、図15に示す例は、ニップ圧の初期設定が第1ニップ圧であるため、ステップS1408によるニップ圧信号SG3の「ON」及び「OFF」の切り替えがない。
【0118】
このような全体処理であると、図10に示すような結果になりやすい。
【0119】
[その他の実施形態]
シートは、用紙(「普通紙」等ともいう。)以外でもよい。すなわち、シート搬送装置は、画像形成装置以外に適用されてもよい。例えば、シート搬送装置は、画像形成を行う前に前処理を行う前処理装置等でもよい。
【0120】
画像形成装置において、シートは、記録媒体である。例えば、記録媒体は、用紙、コート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、又は、可撓性を持つ薄板等である。すなわち、記録媒体の素材は、トナー、又は、インク滴が付着可能、一時的に付着可能、付着して固着、又は、付着して浸透する材質等であればよい。
【0121】
具体的には、記録媒体は、用紙、フィルム、若しくは、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子(「圧電部材」等ともいう。)等の電子部品、粉体層(「粉末層」等ともいう。)、臓器モデル、又は、検査用セル等である。このように、記録媒体の材質は、液体が付着可能であって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、又は、これらの組み合わせ等であればよい。
【0122】
各々の装置は、複数の装置であってもよい。すなわち、各装置は、複数の装置で分散、冗長、又は、並列に処理を行う構成等でもよい。一方で、各装置は、一体であってもよい。すなわち、上記に説明した複数の装置が1台の装置で実現されてもよい。
【0123】
上記のような画像読取方法は、画像読取プログラムによって実現されてもよい。すなわち、画像読取プログラムは、コンピュータが備える演算装置、制御装置、及び、記憶装置等の装置を協働して動作させて、画像読取方法を実現する。また、画像読取プログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体、又は、電気通信回線等を介して配布されてもよい。
【0124】
上記の実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
2 :画像形成器
5 :給紙ローラ
7 :搬送ローラ対
8 :レジストローラ対
50 :第1コロ跡
51 :第2コロ跡
52 :中央線
100 :画像形成装置
100F1 :画像形成部
200 :シート搬送装置
200F1 :レジストローラ部
200F2 :搬送ローラ部
200F3 :切替部
200F4 :制御部
200F5 :供給ローラ部
300 :レジストループ
SG1 :メインモータ信号
SG2 :給紙クラッチ信号
SG3 :ニップ圧信号
SG4 :レジストセンサ信号
SG5 :レジストループ検出信号
SG6 :レジストクラッチ信号
T1 :第1タイミング
T2 :第2タイミング
T3 :第3タイミング
T4 :第4タイミング
T5 :第5タイミング
T6 :第6タイミング
T7 :第7タイミング
T8 :第8タイミング
T9 :第9タイミング
T10 :第10タイミング
T20 :第20タイミング
【先行技術文献】
【特許文献】
【0126】
【特許文献1】特開2018-058682号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15