(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088650
(43)【公開日】2023-06-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230620BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20230620BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203515
(22)【出願日】2021-12-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】米津 翔平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049CC16
(57)【要約】
【課題】テナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する情報処理装置を提供すること。
【解決手段】ユーザをまとめたテナントごとにユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置であって、作業者からテナントの統合作業の開始依頼を受け付ける受付手段と、開始依頼を受け付けたテナントが同一の商品を契約している場合に、作業者が行う同一の商品のライセンスの統合作業を支援する統合支援手段と、を有することにより上記課題を解決する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザをまとめたテナントごとに前記ユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置であって、
作業者から前記テナントの統合作業の開始依頼を受け付ける受付手段と、
前記開始依頼を受け付けた前記テナントが同一の商品を契約している場合に、前記作業者が行う前記同一の商品のライセンスの統合作業を支援する統合支援手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記統合支援手段は、前記商品を提供する側の管理者である前記作業者が行う前記統合作業を支援する、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記統合支援手段は、前記開始依頼を受け付けた前記テナントに含まれる一のテナントの管理者である前記作業者が、前記開始依頼を受け付けた前記テナントに含まれる他のテナントの管理者に統合作業の許可及び前記統合作業の内容の合意を取るための支援を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記統合支援手段は、前記他のテナント管理者から前記統合作業の許可が取れなければ前記一のテナントの管理者である前記作業者による前記統合作業を許可しない
請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記統合支援手段は、前記他のテナント管理者から前記統合作業の内容の合意が取れた後で前記統合作業の内容に基づき前記ライセンスを更新する
請求項3又は4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記統合支援手段は、前記同一の商品のライセンスの統合作業の支援を、前記開始依頼を受け付けた前記テナントの何れかのライセンスの内容から前記作業者に選択させるか、前記作業者に再設定させることにより行う
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記統合支援手段は、前記ライセンスが示すライセンス数、契約期間、課金形態、及び契約プランの統合作業を支援する
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記統合支援手段は、前記ライセンスが示すライセンス数について、前記開始依頼を受け付けた前記テナントの前記ライセンスが示す前記ライセンス数を合算して前記作業者に選択させる
請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記統合支援手段は、前記ライセンスが示す契約期間について、前記開始依頼を受け付けた前記テナントの前記ライセンスが示す前記契約期間のうち長い方の前記契約期間を前記作業者に選択させる
請求項7又は8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記統合支援手段は、前記開始依頼を受け付けた前記テナントが複数組の同一の商品を契約している場合に、前記作業者が直前に行った前記商品の前記統合作業の内容に基づいて前記統合作業を支援する
請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記統合支援手段は、前記テナントの統合により発生する前記商品の請求金額の差分を算出して前記テナントの管理者に通知する
請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザをまとめたテナントごとに前記ユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置と、作業者が操作する端末装置と、が通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から前記テナントの統合作業の開始依頼を受け付ける統合受付手段と、
統合の依頼を受け付けた前記テナントが同一の商品を契約している場合に、前記作業者が行う前記同一の商品のライセンスの統合作業を支援する統合支援手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記作業者の操作に基づいて前記開始依頼を前記情報処理装置に対して行う開始依頼手段と、
前記情報処理装置から受信したデータに基づき、前記統合作業を支援する画面を表示する表示制御手段と、
前記作業者から受け付けた前記統合作業の内容を前記情報処理装置に送信する通信手段と、
を有する情報処理システム。
【請求項13】
ユーザをまとめたテナントごとに前記ユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置に、
作業者から前記テナントの統合作業の開始依頼を受け付ける手順、
前記開始依頼を受け付けた前記テナントが同一の商品を契約している場合に、前記作業者が行う前記同一の商品のライセンスの統合作業を支援する手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
ユーザをまとめたテナントごとに前記ユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置が、
作業者から前記テナントの統合作業の開始依頼を受け付ける手順、
前記開始依頼を受け付けた前記テナントが同一の商品を契約している場合に、前記作業者が行う前記同一の商品のライセンスの統合作業を支援する手順、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばサービス又は商品(以下、単に商品と呼ぶ)を提供する企業等は、商品を利用する企業、組織、部署などの単位でテナントを開設し、テナントごとに商品のライセンスを管理する。なお、テナントは商品を提供する企業等が商品を利用する企業、組織、部署などの単位で異なる契約、設定、及び運用を行うためにユーザをまとめた概念である。
【0003】
従来、画像処理装置の保守契約期間に関連付けてソフトウェアのライセンス期限を更新することにより、複数の契約手続を一本化し、画像処理装置の管理コストを軽減するライセンス移行システムが提供されている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
小さな企業等の場合、テナントは例えば企業の単位で開設される。また、大きな企業等の場合、テナントは例えば企業の中の部署などのグループの単位で開設される。大きな企業等では、部署毎に開設していたテナントを纏めたい(マージしたい)というケースが生じる可能性があった。
【0005】
しかしながら、テナントを纏める統合作業では、纏めるテナントで同一の商品を契約していた場合に、ライセンスを単純に統合することができず、ライセンスの統合作業に手間が掛かるという問題があった。なお、特許文献1は上記の問題について解決するものではない。
【0006】
本発明の一実施形態は、テナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、ユーザをまとめたテナントごとに前記ユーザに提供する商品のライセンスを管理する情報処理装置であって、作業者から前記テナントの統合作業の開始依頼を受け付ける受付手段と、前記開始依頼を受け付けた前記テナントが同一の商品を契約している場合に、前記作業者が行う前記同一の商品のライセンスの統合作業を支援する統合支援手段と、を有する情報処理装置であること特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、テナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理端末及び端末装置の一例の機能構成図である。
【
図9】作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図10】作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図11】作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図12】作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図13】ライセンス統合開始画面の一例のイメージ図である。
【
図14】ライセンス統合設定画面の一例のイメージ図である。
【
図15】ライセンス統合設定画面の一例のイメージ図である。
【
図16】契約内容の変更により発生した請求金額の差額を日割り計算で算出する処理の一例の説明図である。
【
図17】テナント管理者が統合したいテナントを検索し、テナントの統合を依頼する処理の一例のシーケンス図である。
【
図18】テナント管理者が統合したいテナントを検索し、テナントの統合を依頼する処理の一例のシーケンス図である。
【
図19】テナント管理者が他のテナントのテナント管理者に許可を得てテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図20】テナント管理者が他のテナントのテナント管理者に許可を得てテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図21】テナント管理者が他のテナントのテナント管理者に許可を得てテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図22】テナント管理者が他のテナントのテナント管理者に許可を得てテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
【
図23】テナント検索画面の一例のイメージ図である。
【
図24】テナント統合希望メール及び承認可否決定画面の一例のイメージ図である。
【
図25】テナントの統合作業が許可された場合に送信されるメールの一例のイメージ図である。
【
図26】ライセンスの統合内容確認画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1の情報処理システム1は、サービス提供システム2、端末装置12、及び機器14を有する。サービス提供システム2、端末装置12、及び機器14は、ネットワーク18を介して通信可能に接続されている。ネットワーク18は、公衆回線網、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0012】
サービス提供システム2は、1台以上の情報処理装置10で実現される。情報処理装置10は、ユーザに提供する商品のライセンス情報等をテナントごとに管理している。情報処理装置10は、後述するように、テナントを纏める統合作業において、作業者が行うライセンスの統合作業を支援する。また、サービス提供システム2は、ライセンスが割り当てられたユーザ及び機器14が商品を使用できるように制御を行ってもよい。
【0013】
端末装置12は、ユーザに商品を提供する側の管理者(システム管理者)が作業者として操作する情報処理端末である。また、端末装置12は、商品を利用する側の管理者(テナント管理者)が作業者として操作する情報処理端末である。端末装置12は、例えばPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC等である。
【0014】
機器14は、ユーザがライセンスに従って商品を利用可能なデバイスである。機器14は、MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)等であってもよい。MFPはファクス機能、プリンタ機能、スキャナ機能、及びコピー機能などの複数の機能を実現した複合機である。
【0015】
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば情報処理装置10の機能の少なくとも一部は、端末装置12又は機器14で実現する構成であってもよい。端末装置12又は機器14の機能の少なくとも一部は、1台以上の情報処理装置10で実現する構成であってもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1に示した情報処理装置10は、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、
図1に示した端末装置12はPCの場合、例えば
図2に示すハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0017】
コンピュータ500は、CPU501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0018】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0019】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。外部機器は、例えば、USBメモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510はCPU501等の各構成要素を電気的に接続するアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、機器14のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0021】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1の情報処理装置10及び端末装置12は例えば
図3に示す機能構成により実現される。
図3は本実施形態に係る情報処理端末及び端末装置の一例の機能構成図である。
図3の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0022】
情報処理装置10は、通信部30、認証管理部32、メール送信部34、Webサービス処理部36、記憶部38を有する。
図3の通信部30、認証管理部32、メール送信部34、Webサービス処理部36、記憶部38は、情報処理装置10のCPU501がプログラムを実行することにより実現される。
【0023】
通信部30は、端末装置12との通信を行う。認証管理部32は、端末装置12を操作する作業者のログイン及びアクセス制限を管理する。メール送信部34は、情報処理装置10がメールを送信する処理を行う。Webサービス処理部36は、受付部40及び統合支援部42を有する。受付部40は端末装置12を操作する作業者からテナントの統合作業の開始依頼を受け付ける。統合支援部42は作業者の操作に従い、テナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する。なお、テナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業の詳細は後述する。
【0024】
記憶部38は、テナント情報記憶部50、ユーザ情報記憶部52、ライセンス情報記憶部54、契約情報記憶部56、一時情報記憶部58、及びメール情報記憶部60を有する構成である。
【0025】
テナント情報記憶部50は例えば
図4に示すテナント情報を記憶する。
図4はテナント情報の一例の構成図である。
図4のテナント情報は項目として、テナントID、テナント名、ライセンスID、及び契約IDを有する。項目「テナントID」はテナントごとに割り振られる一意な情報である。項目「テナント名」はユーザ等がテナントを識別するための情報であって、例えば文字列で表される。項目「ライセンスID」はテナントが契約しているライセンスのライセンスIDの一覧である。項目「契約ID」はテナントが契約している契約IDの一覧である。
【0026】
ユーザ情報記憶部52は例えば
図5のユーザ情報を記憶する。
図5はユーザ情報の一例の構成図である。
図5のユーザ情報は項目として、ユーザID、テナントID、メールアドレス、及びライセンスIDを有する。項目「ユーザID」はユーザごとに割り振られる一意な情報である。項目「テナントID」はユーザが所属しているテナントのテナントIDの一覧である。項目「メールアドレス」はユーザに設定されているメールアドレスである。項目「ライセンスID」はユーザに割り当てられているライセンスのライセンスIDの一覧である。
【0027】
ライセンス情報記憶部54は例えば
図6のライセンス情報を記憶する。
図6はライセンス情報の一例の構成図である。
図6のライセンス情報は項目として、ライセンスID、ライセンス名、ライセンス数、ライセンス割り当て数、及び契約IDを有する。項目「ライセンスID」はライセンスごとに割り当てられる一意な情報である。
【0028】
項目「ライセンス名」は、ユーザ等がライセンスを識別するための情報であって、例えば「Scan to XXX」等で表される。項目「ライセンス数」はテナントが契約しているライセンスの数である。項目「ライセンス割り当て数」はテナントが契約しているライセンスの数のうち、実際にユーザ又はデバイスに割り当てられているライセンスの数である。項目「契約ID」はライセンスに対応する契約の契約IDである。
【0029】
契約情報記憶部56は例えば
図7に示す契約情報を記憶する。
図7は契約情報の一例の構成図である。
図7の契約情報は項目として、契約ID、テナントID、契約期間、課金形態、及び契約プランを有する。項目「契約ID」は契約ごとに割り当てられる一意な情報である。項目「テナントID」は契約しているテナントのテナントIDである。項目「契約期間」はライセンスの契約期間である。項目「課金形態」はライセンスの利用料を支払う形態であって、例えば月額、年額、又は従量課金などである。項目「契約プラン」はライセンスの契約プランであって、例えばスタンダードプラン、アドバンスドプラン、又はプロフェッショナルプランなどである。
【0030】
一時情報記憶部58は例えば
図8に示す一時情報を記憶する。
図8は一時情報の一例の構成図である。
図8の一時情報は項目として、統合内容、差額、テナント統合の認否を有する。項目「統合内容」はライセンスの統合作業の内容であって、統合されるライセンスの項目及び内容である。項目「差額」はライセンスの統合により発生する差額である。項目「テナント統合の認否」はテナント統合の許諾を得ているか否かの情報である。メール情報記憶部60はメール情報を記憶する。
【0031】
図3に戻り、端末装置12は、ブラウザ80、操作受付部82、及び通信部84を有している。ブラウザ80は情報処理装置10からJavaScript(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)などの形式でデータをダウンロードし、開始依頼部90及び表示制御部92を実現する。
【0032】
開始依頼部90は作業者の操作に基づいてテナントの統合作業の開始を情報処理装置10に依頼する。表示制御部92はテナントの統合作業を支援する後述の画面を表示する制御を行う。操作受付部82は作業者からテナントの統合作業の操作を受け付ける。通信部84は情報処理装置10との通信を行う。
【0033】
<処理>
以下、作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理について説明する。
【0034】
図9~
図12は作業者がテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を支援する処理の一例のシーケンス図である。
図9~
図12は作業者が商品を提供する側のシステム管理者である例を示している。また、
図9~
図12はシステム管理者が情報処理システム1にログイン後の処理を示している。
【0035】
ステップS10において、システム管理者はテナント一覧画面を開く操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。ステップS12において、端末装置12に搭載されたブラウザ80はテナント一覧画面を開く命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS14において、認証管理部32にテナント情報一覧の取得を要求する。ステップS16~S18において、認証管理部32はシステム管理者がライセンスの統合作業を行うことのできるテナント情報一覧をテナント情報記憶部50から取得する。
【0036】
ステップS20において、Webサービス処理部36は認証管理部32からテナント情報一覧を取得する。ステップS22~S24において、Webサービス処理部36はテナント一覧画面を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80にテナント一覧画面を表示させる。
【0037】
ステップS26において、システム管理者はテナント一覧画面から統合するテナントを複数選択できる。ここでは、システム管理者が統合する2つのテナントを選択した例について説明する。システム管理者はテナント一覧画面から統合するテナントを2つ選択する操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。
【0038】
ステップS28において、ブラウザ80はシステム管理者が選択した2つのテナントの統合作業の支援の命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS30において、システム管理者が選択した2つのテナントのテナント情報の取得を認証管理部32に要求する。ステップS32~S34において、認証管理部32はシステム管理者が選択した2つのテナントのテナント情報をテナント情報記憶部50から取得する。ステップS36において、Webサービス処理部36はシステム管理者が選択した2つのテナントのテナント情報を認証管理部32から取得する。
【0039】
ステップS38において、Webサービス処理部36はステップS36で取得した2つのテナント情報を参照し、同じライセンスIDのライセンスを契約しているか否かを判定する処理を行う。
【0040】
同一ライセンスを契約していた場合、Webサービス処理部36はステップS40の処理に進む。また、同一ライセンスを契約していなかった場合、ステップS40~S92の処理は行われない。
【0041】
同一ライセンスを契約していた場合、Webサービス処理部36はステップS40において同一ライセンスに対応する契約情報の取得を認証管理部32に要求する。ステップS42~S44において、認証管理部32は同一ライセンスのライセンス情報をライセンス情報記憶部54から取得する。取得したライセンス情報には、同一ライセンスに対応する契約IDが含まれている。また、ステップS46~S48において、認証管理部32はシステム管理者がステップS26で選択したテナントのテナントIDとステップS44で取得したライセンス情報に含まれる契約IDとに対応する契約情報を契約情報記憶部56から取得する。ステップS40~S48の処理では、システム管理者がステップS26で選択したテナントの同一ライセンスについて、テナントごとの契約情報を取得している。
【0042】
ステップS50において、Webサービス処理部36は同一ライセンスに対応するテナントごとの契約情報を認証管理部32から取得する。そして、ステップS52~S54において、Webサービス処理部36は
図13に示すようなライセンス統合開始画面1000を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80にライセンス統合開始画面1000を表示させる。
【0043】
図13はライセンス統合開始画面の一例のイメージ図である。
図13のライセンス統合開始画面1000は、システム管理者がライセンス毎に統合作業を開始するか否かを判断する画面例である。
図13のライセンス統合開始画面1000は同一ライセンスが「ライセンスA」及び「ライセンスB」の例である。ライセンス統合開始画面1000は「ライセンスA」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容と「ライセンスB」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容とを表している。システム管理者は
図13のライセンス統合開始画面1000において「ライセンスA」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容と「ライセンスB」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容とを確認し、統合作業を開始する同一ライセンスを選択できる。
【0044】
例えばシステム管理者は
図13のライセンス統合開始画面1000の開始ボタン1002aを押下する操作により「ライセンスA」のライセンス統合設定画面1100を開く操作を端末装置12の操作受付部82に対して行うことで「ライセンスA」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容の統合作業を開始できる。なお、システム管理者は
図13のライセンス統合開始画面1000の開始ボタン1002bを押下する操作により「ライセンスB」のライセンス統合設定画面1100を開く操作を端末装置12の操作受付部82に対して行うことで「ライセンスB」における「テナントA」及び「テナントB」の契約内容の統合作業を開始することもできる。
【0045】
ここでは、システム管理者が開始ボタン1002aを押下する操作を行ったものとして説明を続ける。ステップS56において、システム管理者はライセンス統合設定画面1100を開く操作を操作受付部82に対して行う。ステップS58において、ブラウザ80はライセンス統合設定画面1100を開く命令をWebサービス処理部36に通知する。
【0046】
ステップS60~S62において、Webサービス処理部36は
図14に示すようなライセンス統合設定画面1100を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80にライセンス統合設定画面1100を表示させる。
【0047】
図14はライセンス統合設定画面の一例のイメージ図である。
図14(A)は、契約内容の各項目を新規で再設定(一から再設定)するライセンス統合設定画面1100の例である。
図14(B)は、テナントの契約内容の各項目から選択して引き継ぐ形で設定するライセンス統合設定画面1100の例である。
【0048】
図14(A)及び
図14(B)のライセンス統合設定画面1100に示すようにシステム管理者は、契約内容の項目ごとに統合方法を「各テナントの契約内容から設定する」又は「一から再設定する」から選択できる。
【0049】
例えば
図14(A)のライセンス統合設定画面1100では、これまで設定されていたテナントの契約内容を引き継がない形で、システム管理者がライセンス数、契約期間、課金形態、及び契約プランを再設定する。
【0050】
例えば
図14(B)のライセンス統合設定画面1100では、契約内容の項目「ライセンス数」の統合方法を「テナントAの設定値」「テナントBの設定値」又は「テナントA及びテナントBの合計値」から選択できる。なお、契約内容の項目「ライセンス数」は統合前のライセンス割り当て数よりも統合後の設定値が減ると、いままで商品を使用していたユーザがライセンスの統合後に商品を使用できなくなる場合がある。そこで、ライセンス統合設定画面1100は例えば
図14(C)に示すように、テナント統合後のライセンス数がテナント統合前のライセンス割り当て数を下回る場合に、警告1102が表示されるようにしてもよい。
【0051】
契約内容の項目「契約期間」「課金形態」及び「契約プラン」は、テナント統合による設定値の変更で、ユーザに影響を及ぼさない契約内容の項目例である。
図14(B)のライセンス統合設定画面1100は、契約内容の項目「契約期間」「課金形態」及び「契約プラン」の統合方法を、例えば「テナントAの設定値」又は「テナントBの設定値」から選択できる。契約内容の項目「契約期間」は、例えば「テナントAの設定値」又は「テナントBの設定値」から長い方の期間が選択されるようにしてもよい。
【0052】
図14のライセンス統合設定画面1100によれば、テナントの契約内容の項目ごとに新規で再設定するかテナントの契約内容を選択して引き継ぐかを、システム管理者が容易に選択できる。
【0053】
ステップS64において、システム管理者はライセンス統合設定画面1100から契約内容の項目を設定する。ステップS66において、ブラウザ80はライセンス統合設定画面1100から設定された契約内容をWebサービス処理部36に通知する。なお、ブラウザ80はライセンス統合設定画面1100から選択された契約内容の項目ごとの統合方法を保持しておき、2件目以降のライセンスのライセンス統合設定画面1100の作成に利用してもよい。2件目以降のライセンスのライセンス統合設定画面1100は
図15に示すように、1件目のライセンスのライセンス統合設定画面1100で設定された契約内容の項目ごとの設定値を引き継ぐ形で設定できる。
【0054】
例えば
図15の契約内容の項目「契約期間」の「2020/01-2020/12(ライセンスAでの設定値)」の選択肢は1件目のライセンスのライセンス統合設定画面1100で設定された設定値の例である。
図15の契約内容の項目「課金形態」の「年額(ライセンスAでの設定値)」の選択肢は1件目のライセンスのライセンス統合設定画面1100で設定された設定値の例である。
図15の契約内容の項目「契約プラン」の「アドバンスドプラン(ライセンスAでの設定値)」の選択肢は1件目のライセンスのライセンス統合設定画面1100で設定された設定値の例である。
図15のライセンス統合設定画面1100では、契約期間などのライセンスを問わずに統一したい契約内容の項目を、前回の契約内容の項目ごとの統合方法に従って容易に選択できる。
【0055】
ステップS68において、Webサービス処理部36は契約内容の項目ごとの統合作業の内容を決定する。統合後のライセンス数が統合前のライセンス割り当て数よりも少ない場合、ステップS70~S72において、Webサービス処理部36は
図14(C)に示したように警告1102を含むライセンス統合設定画面1100を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に警告1102を含むライセンス統合設定画面1100を表示させる。
【0056】
なお、ライセンス数、契約期間、課金形態、又は契約プランに変更が生じた場合、Webサービス処理部36は契約内容の変更により発生した請求金額の差額を日割り計算で算出してもよい。
【0057】
図16は契約内容の変更により発生した請求金額の差額を日割り計算で算出する処理の一例の説明図である。例えば
図13のライセンス統合開始画面1000に示した「ライセンスA」における契約内容を、契約期間「2020/06-2021/05」及び課金形態「年額」で「2020/09」にテナント統合した場合は、テナントAのライセンス数に応じた「2020/09-2021/05」までの請求金額を、契約プラン「アドバンスドプラン」の年額「¥20,000」で日割り計算する。
【0058】
ステップS74~S76において、Webサービス処理部36は各ライセンスの統合作業の内容と、その統合作業の内容により生じる請求金額の差額を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に表示させる。例えばシステム管理者は
図13のライセンス統合開始画面1000の決定ボタン1104を押下する操作により、契約内容の項目ごとの統合方法を、
図13に設定した契約内容に決定する。
【0059】
同一ライセンスに対応する契約情報の統合作業が終了すると、ステップS78においてシステム管理者は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額を表示させる操作を操作受付部82に対して行う。ステップS80において、ブラウザ80は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額などを表示させる命令をWebサービス処理部36に通知する。
【0060】
ステップS82において、Webサービス処理部36は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額の保持を認証管理部32に要求する。ステップS84~S86において、認証管理部32は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額を
図8に示したような一時情報記憶部58に記憶させる。
【0061】
ステップS88において、Webサービス処理部36は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額の一時情報記憶部58への記憶の処理の結果を認証管理部32から通知される。ステップS90~S92において、Webサービス処理部36は各ライセンスの統合内容と、その統合内容により各ライセンスで生じる請求金額の差額を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に表示させる。
【0062】
ステップS94において、システム管理者は、商品を利用する側の管理者(テナント管理者)に、各ライセンスの統合内容で統合を実施してよいかを確認するための確認メールを送信する操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。
【0063】
ステップS96において、ブラウザ80は確認メールを送信する命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS98において、統合するテナントのテナント管理者への確認メールの送信を認証管理部32に要求する。ステップS100において、認証管理部32は統合するテナントのテナント管理者への確認メールの送信をメール送信部34に要求する。
【0064】
ステップS102において、メール送信部34は統合するテナントのテナント管理者への確認メールを送信する。また、ステップS104において、メール送信部34は送信完了を認証管理部32に通知する。ステップS106において、Webサービス処理部36は確認メールの送信完了を認証管理部32から通知される。ステップS108~S110において、Webサービス処理部36はテナント管理者に確認メールを送信した旨を表示するためのデータを作成し、テナント管理者に確認メールを送信した旨をブラウザ80に表示させる。
【0065】
したがって、確認メールを受信したテナント管理者は、確認メールに記載されている各ライセンスの統合内容を確認した上で、ライセンスの統合の認否(承認又は否認)を決定できる。テナント管理者による承認後、システム管理者は情報処理システム1にログインする。
【0066】
ステップS112において、システム管理者は一時情報記憶部58に保持しておいた各ライセンスの統合内容のうち、テナント管理者から承認を得たライセンスの統合を実施する操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。ステップS114において端末装置12のブラウザ80は、テナント管理者から承認を得たライセンスの統合を実施する命令をWebサービス処理部36に通知する。
【0067】
Webサービス処理部36はステップS116において、認証管理部32にテナント管理者から承認を得たライセンスの統合を要求する。ステップS118~S120において認証管理部32はライセンスの統合を行う2つのテナントのテナントIDを指定し、一時情報記憶部58から保持しておいた各ライセンスの統合内容を取得する。
【0068】
ステップS122~S132の処理は、統合するライセンスごとに実施する。ステップS122~S124において認証管理部32は各ライセンスの統合内容に従い、契約情報記憶部56に記憶されている例えば
図7に示すような契約情報の契約内容を更新し、契約IDを新しい契約IDに更新する。
【0069】
ステップS126~S128において認証管理部32はライセンス情報記憶部54に記憶されている例えば
図6に示すようなライセンス情報の契約IDを、新しい契約IDに更新する。ステップS130~S132において認証管理部32はテナント情報記憶部50に記憶されている例えば
図4に示すようなテナント情報の契約IDを、新しい契約IDに更新する。
【0070】
ステップS134において、認証管理部32は統合したテナントのテナント管理者への完了メールの送信をメール送信部34に要求する。ステップS136において、メール送信部34は統合したテナントのテナント管理者へライセンスの統合が完了した旨を通知する完了メールを送信する。
【0071】
また、ステップS138において、メール送信部34は完了メールの送信完了を認証管理部32に通知する。ステップS140においてWebサービス処理部36はライセンスの統合の完了を認証管理部32から通知される。ステップS142~S144において、Webサービス処理部36はライセンスの統合が完了した旨を表示するためのデータを作成し、ライセンスの統合が完了した旨をブラウザ80に表示させる。
【0072】
本実施形態によれば、システム管理者が複数のテナントを統合する際に発生するライセンスの統合作業を簡単に行えるように支援できる。
【0073】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、作業者がシステム管理者の例を説明した。第2の実施形態は商品を利用する側の管理者(テナント管理者)が作業者の例を説明する。第2の実施形態はテナント管理者が他のテナントのテナント管理者の同意を得た上でライセンスの統合を実施する。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同一であるため、適宜説明を省略する。
【0074】
図17及び
図18は、テナント管理者が統合したいテナントを検索し、テナントの統合を依頼する処理の一例のシーケンス図である。以下では「テナントA」のテナント管理者を「テナントA管理者」と呼ぶ。また「テナントB」のテナント管理者を「テナントB管理者」と呼ぶ。
【0075】
「テナントA」及び「テナントB」は同一の組織に所属しており、統合が可能であるものとする。ステップS200において、テナントA管理者はテナント検索画面を開く操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。ステップS202において、ブラウザ80はテナント検索画面を開く命令をWebサービス処理部36に通知する。ステップS204~S206において、Webサービス処理部36は
図23に示すようなテナント検索画面1200を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80にテナント検索画面1200を表示させる。
【0076】
図23はテナント検索画面の一例のイメージ図である。
図23のテナント検索画面1200はテナントA管理者が「テナントA」と統合させたい「テナントB」を検索してテナントB管理者にテナントの統合作業の認否確認を行うために利用する。
【0077】
ステップS208においてテナントA管理者は
図23(A)のテナント検索画面1200の「統合を希望するテナントID」の入力欄に「テナントB」のテナントIDを入力すると共に「統合を希望するテナントの管理者ID」の入力欄にテナントB管理者のユーザIDを入力し、決定ボタン1202を押下する操作を行う。
【0078】
ステップS210においてブラウザ80は「テナントB」及びテナントB管理者の検索命令をWebサービス処理部36に通知する。ステップS212においてWebサービス処理部36はテナントID及びユーザIDを指定して「テナントB」及びテナントB管理者の検索を認証管理部32に要求する。ステップS214~S216において、認証管理部32は指定されたテナントID及びユーザIDでテナント情報記憶部50に記憶されているテナント情報を検索し、テナント検索画面1200に入力したテナントIDのテナント及びユーザIDのテナント管理者が存在するか否かを確認する。
【0079】
ステップS218において、Webサービス処理部36はテナント検索画面1200に入力したテナントIDのテナント及びユーザIDのテナント管理者が存在するか否かの確認結果を認証管理部32から取得する。ここでは、テナント検索画面1200に入力したテナントIDのテナント及びユーザIDのテナント管理者が存在したものとする。
【0080】
ステップS220~S222において、Webサービス処理部36はテナント検索画面1200に入力したテナントIDのテナント及びユーザIDのテナント管理者が存在することを表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に表示させる。なお、テナント検索画面1200に入力したテナントIDのテナント及びユーザIDのテナント管理者が存在していなければ、Webサービス処理部36は
図23(B)に示すようなメッセージを含むテナント検索画面1200を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に表示させるようにしてもよい。
【0081】
ここでは、検索した「テナントB」のテナントB管理者にテナント統合希望メールを送信する操作をテナントA管理者が行ったものとして説明を続ける。ステップS224においてテナントA管理者は、検索した「テナントB」のテナントB管理者にテナント統合希望メールを送信する操作を操作受付部82に対して行う。ステップS226においてブラウザ80は検索した「テナントB」のテナントB管理者にテナント統合希望メールを送信する命令をWebサービス処理部36に通知する。
【0082】
Webサービス処理部36はステップS228において、テナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信を認証管理部32に要求する。ステップS230において認証管理部32はテナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信をメール送信部34に要求する。
【0083】
ステップS232において、メール送信部34は例えば
図24(A)に示すようなテナント統合希望メール1300をテナントB管理者へ送信する。
図24はテナント統合希望メール及び承認可否決定画面の一例のイメージ図である。例えば
図24(A)のテナント統合希望メール1300は「テナントA」と「テナントB」とを統合したい旨が記載されている。また、
図24(A)のテナント統合希望メール1300は
図24(B)の承認可否決定画面1350を開くためのリンクが表示されている。
【0084】
また、ステップS234において、メール送信部34はテナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信完了を認証管理部32に通知する。ステップS236において、Webサービス処理部36はテナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信完了を認証管理部32から通知される。
【0085】
ステップS238~S240において、Webサービス処理部36はテナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信が完了した旨を表示するためのデータを作成し、テナントB管理者へのテナント統合希望メールの送信が完了した旨をブラウザ80に表示させる。
【0086】
テナント統合希望メールを受信したテナントB管理者は、情報処理システム1にログインする。ステップS242において、テナントB管理者は例えば
図24(B)の承認可否決定画面1350を開くために、
図24(A)のテナント統合希望メール1300のリンクを操作する。
【0087】
ステップS244において、ブラウザ80は承認可否決定画面1350を開く命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS246~S248において、
図24(B)の承認可否決定画面1350を表示するためのデータを作成し、ブラウザ80に承認可否決定画面1350を表示させる。
【0088】
テナントB管理者は承認可否決定画面1350の拒否ボタン1302を押下する操作により「テナントA」及び「テナントB」の統合を否認できる。また、テナントB管理者は承認可否決定画面1350の許可ボタン1304を押下する操作により「テナントA」及び「テナントB」の統合を承認できる。
【0089】
ステップS250において、テナントB管理者は承認可否決定画面1350の拒否ボタン1302又は許可ボタン1304を押下する操作を操作受付部82に対して行う。ブラウザ80はステップS252において「テナントA」及び「テナントB」の統合の否認又は承認をWebサービス処理部36に通知する。ステップS254においてWebサービス処理部36は「テナントA」及び「テナントB」の統合の否認又は承認を認証管理部32に通知する。
【0090】
「テナントA」及び「テナントB」の統合の否認が通知された場合、認証管理部32はステップS256において、テナントA管理者への否認の通知メールの送信をメール送信部34に要求する。ステップS258においてメール送信部34は否認の通知メールをテナントA管理者へ送信する。また、ステップS260において、認証管理部32は否認の通知メールの送信完了を認証管理部32に通知する。
【0091】
ステップS262~S264において、認証管理部32は一時情報記憶部58に記憶されている例えば
図8に示したような一時情報の項目「テナント統合の認否」を否認に更新する。
【0092】
「テナントA」及び「テナントB」の統合の承認が通知された場合、認証管理部32はステップS266において、テナントA管理者への承認の通知メールの送信をメール送信部34に要求する。ステップS268においてメール送信部34は承認の通知メールをテナントA管理者へ送信する。
【0093】
承認の通知メールは例えば
図25に示す内容のメールとなる。
図25はテナントの統合作業が許可された場合に送信されるメールの一例のイメージ図である。
図25のメールには「テナントA」及び「テナントB」のライセンスの統合作業に進むためのリンクが表示されている。また、ステップS270において、認証管理部32は承認の通知メールの送信完了を認証管理部32に通知する。
【0094】
ステップS272~S274において、認証管理部32は一時情報記憶部58に記憶されている例えば
図8に示したような一時情報の項目「テナント統合の認否」を承認に更新する。
【0095】
ステップS276において、Webサービス処理部36はテナントA管理者への承認または否認の通知メールの送信完了を認証管理部32から通知される。Webサービス処理部36はステップS278~S280において、テナントA管理者への通知メールの送信が完了した旨を表示するためのデータを作成し、テナントB管理者が操作する端末装置12のブラウザ80に表示させる。
【0096】
テナントB管理者が「テナントA」及び「テナントB」の統合を承認したあと、テナントA管理者は情報処理システム1にログインする。ステップS300において、テナントA管理者はライセンス統合開始画面1000を開くために、
図25のメール1400のリンクを操作する。
【0097】
ステップS302においてブラウザ80は、操作されたリンクに対応するテナントの統合作業を開始する命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS304において、操作されたリンクに対応するテナントの統合作業の一時情報の項目「テナント統合の認否」の取得を認証管理部32に要求する。ステップS306~S308において、認証管理部32は操作されたリンクに対応するテナントの統合作業の一時情報の項目「テナント統合の認否」を取得する。
【0098】
取得した一時情報の項目「テナント統合の認否」の値が「承認」でなければ、認証管理部32はステップS310において、操作されたリンクに対応するテナントの統合作業が承認されていない旨をWebサービス処理部36に通知する。
【0099】
ステップS312~S314においてWebサービス処理部36は、テナントB管理者に承認されてからテナントの統合作業をテナントA管理者が開始するように促す表示のためのデータを作成し、テナントA管理者の端末装置12のブラウザ80に表示させる。
【0100】
取得した一時情報の項目「テナント統合の認否」の値が「承認」でなければ、認証管理部32はステップS316の処理に進む。なお、ステップS316~362の処理は
図9及び
図10に示したステップS32~S76と同様であり、説明を省略する。
【0101】
ステップS364において、テナントA管理者は、テナントB管理者に、各ライセンスの統合内容で統合を実施してよいかを確認するための確認メールを送信する操作を端末装置12の操作受付部82に対して行う。
【0102】
ステップS366において、ブラウザ80は確認メールを送信する命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS368において、テナントB管理者への確認メールの送信を認証管理部32に要求する。
【0103】
ステップS370~S372において、認証管理部32は各ライセンスの統合内容、それぞれのライセンスで生じる差額を
図8に示したような一時情報として一時情報記憶部58に記憶させる。ステップS374において、認証管理部32はテナントB管理者への確認メールの送信をメール送信部34に要求する。
【0104】
ステップS374において、メール送信部34はテナントB管理者への確認メールを送信する。また、ステップS378において、メール送信部34は送信完了を認証管理部32に通知する。ステップS380において、Webサービス処理部36は確認メールの送信完了を認証管理部32から通知される。ステップS382~S384において、Webサービス処理部36は確認メールを送信した旨を表示するためのデータを作成し、テナントB管理者に確認メールを送信した旨をテナントA管理者の端末装置12のブラウザ80に表示させる。
【0105】
したがって、確認メールを受信したテナントB管理者は、ライセンスの統合の認否(承認又は否認)が必要なことを認識できる。確認メールを受信したテナントB管理者は情報処理システム1にログインする。ステップS386において、テナントB管理者は例えば
図26のライセンスの統合内容確認画面1500を開くための操作を行う。
【0106】
図26はライセンスの統合内容確認画面の一例のイメージ図である。
図26のライセンスの統合内容確認画面1500は「拒否する」ボタン1502及び「許可する」ボタン1504が設けられている。テナントB管理者は「拒否する」ボタン1502を押下する操作により
図26のライセンスの統合内容確認画面1500に表示されているライセンスの統合内容を否認できる。また、テナントB管理者は「許可する」ボタン1504を押下する操作により
図26のライセンスの統合内容確認画面1500に表示されているライセンスの統合内容を承認できる。
【0107】
ステップS388において、ブラウザ80は統合内容確認画面1500を開く命令をWebサービス処理部36に通知する。Webサービス処理部36はステップS390~S396において「テナントA」及び「テナントB」のライセンス統合の一時情報を、認証管理部32を介して一時情報記憶部58から取得する。ステップS398~S400においてWebサービス処理部36は統合内容確認画面1500を表示するためのデータを作成し、テナントB管理者の端末装置12のブラウザ80に統合内容確認画面1500を表示させる。
【0108】
ステップS402において、テナントB管理者は統合内容確認画面1500の「拒否する」ボタン1502又は「許可する」ボタン1504を押下する操作を操作受付部82に対して行う。なお、
図26のライセンスの統合内容確認画面1500は拒否理由を記載できる例である。テナントB管理者は、拒否理由を入力する操作を操作受付部82に対して行ってもよい。
【0109】
ブラウザ80はステップS404において、ライセンスの統合内容のテナントB管理者による否認又は承認をWebサービス処理部36に通知する。ステップS406においてWebサービス処理部36はライセンスの統合内容の否認又は承認を認証管理部32に通知する。ライセンスの統合内容の否認が通知された場合、認証管理部32はステップS408において、テナントA管理者への否認の通知メールの送信をメール送信部34に要求する。ステップS410においてメール送信部34は否認の通知メールをテナントA管理者へ送信する。また、ステップS412において、認証管理部32は否認の通知メールの送信完了を認証管理部32に通知する。
【0110】
ライセンスの統合内容の承認が通知された場合は、ステップS414~S424の処理が統合するライセンスごとに実施される。ステップS414~S416において認証管理部32は各ライセンスの統合内容に従い、契約情報記憶部56に記憶されている例えば
図7に示すような契約情報の契約内容を更新し、契約IDを新しい契約IDに更新する。
【0111】
ステップS418~S420において認証管理部32はライセンス情報記憶部54に記憶されている例えば
図6に示すようなライセンス情報の契約IDを、新しい契約IDに更新する。ステップS422~S424において認証管理部32はテナント情報記憶部50に記憶されている例えば
図4に示すようなテナント情報の契約IDを、新しい契約IDに更新する。
【0112】
ステップS426において、認証管理部32はメール送信部34にテナントA管理者への完了メールの送信を要求する。ステップS428において、メール送信部34はテナントA管理者へライセンスの統合が完了した旨を通知する完了メールを送信する。
【0113】
また、ステップS430において、メール送信部34は完了メールの送信完了を認証管理部32に通知する。ステップS432においてWebサービス処理部36はライセンスの統合の完了を認証管理部32から通知される。ステップS434~S436において、Webサービス処理部36はライセンスの統合が完了した旨を表示するためのデータを作成し、ライセンスの統合が完了した旨をテナントB管理者の端末装置12のブラウザ80に表示させる。
【0114】
本実施形態によれば、一のテナント管理者が他のテナントのテナント管理者の同意を得た上で一のテナント管理者が複数のテナントを統合する場合のライセンス統合作業を簡単に行えるように支援できる。
【0115】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【符号の説明】
【0116】
1 情報処理システム
2 サービス提供システム
10 情報処理装置
12 端末装置
14 機器
18 ネットワーク
30 通信部
32 認証管理部
34 メール送信部
36 Webサービス処理部
38 記憶部
40 受付部
42 統合支援部
50 テナント情報記憶部
52 ユーザ情報記憶部
54 ライセンス情報記憶部
56 契約情報記憶部
58 一時情報記憶部
60 メール情報記憶部
80 ブラウザ
82 操作受付部
84 通信部
90 開始依頼部
92 表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】