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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008984
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】カセット蓋開放デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
H01L21/68 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107014
(22)【出願日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】63/218,844
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】マールテン・ヘンドリクス・マリア・ラーマース
(72)【発明者】
【氏名】ニミト・コタリ
(72)【発明者】
【氏名】チャッガイ・シュミュエル・ガナニ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA37
5F131CA38
5F131CA39
5F131GA12
5F131HA04
5F131HA29
(57)【要約】
【課題】ハウジング、ドアアセンブリ、輸送機構、および少なくとも一つのサスペンションを備える、半導体基板処理装置用のカセット蓋開放デバイスを提供する。
【解決手段】ハウジングは、関連する壁開口部を有する、少なくとも一つの壁を有する。ドアアセンブリは、少なくとも一つの壁の関連する壁開口部を実質的に閉鎖するように構成された、少なくとも一つのドアプレートを備える。輸送機構は、ドアアセンブリに接続されたキャリッジであって、少なくとも一つの壁と平行にドアアセンブリを輸送するように構成された、キャリッジを含む。少なくとも一つのサスペンションは、少なくとも一つのドアプレートと輸送機構との間に配設される。少なくとも一つのサスペンションは、少なくとも一つの壁に対して垂直な方向に少なくとも一つのドアプレートが移動することを可能にする、サスペンションばねアセンブリを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板処理装置用のカセット蓋開放デバイス(10)であって、
壁開口部(32、36)を有する少なくとも一つの壁(30、34)を有するハウジング(12)と、
前記少なくとも一つの壁(30、34)の壁開口部(32、36)を閉鎖するように構成された少なくとも一つのドアプレート(40、42)を備えるドアアセンブリ(14)と、
前記ドアアセンブリ(14)に接続されたキャリッジ(18)であって、前記壁開口部(32、36)を通ってウエハが通過するように、前記壁開口部(32、36)の前の第一の位置と、前記壁開口部(32、36)から横方向に離れた第二の位置との間で、前記少なくとも一つの壁(30、34)と平行に前記ドアアセンブリ(14)を輸送するように構成されたキャリッジ(18)を含む輸送機構(16)と、
前記少なくとも一つのドアプレート(40、42)と前記輸送機構(16)との間に配設された少なくとも一つのサスペンション(22、44)であって、前記少なくとも一つのサスペンション(22、44)が、前記少なくとも一つの壁(30、34)に対して垂直な方向に前記少なくとも一つのドアプレート(40、42)が移動するようにするサスペンションばねアセンブリ(20)を備える少なくとも一つのサスペンション(22、44)と、を備えるカセット蓋開放デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも一つのサスペンション(22、44)がドアアセンブリサスペンション(22)を備え、前記ドアアセンブリサスペンション(22)のサスペンションばねアセンブリ(20)が二つの平行な板ばね(24)を備え、前記二つの平行な板ばね(24)の各々が第一の長手方向縁(26)で前記キャリッジ(18)に接続され、前記二つの平行な板ばね(24)の各々が第二の長手方向縁(28)によって前記ドアアセンブリ(14)に接続されている、請求項1に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項3】
前記ハウジング(12)の少なくとも一つの壁(30、34)が第一の壁(30)を備え、
前記少なくとも一つの壁開口部(32、36)が前記第一の壁(30)に第一の壁開口部(32)を備え、
前記少なくとも一つのドアプレート(40、42)が、前記第一の壁開口部(32)を閉鎖するように構成された第一のドアプレート(40)を備え、
周囲膨張式シール(62)が、前記ドアアセンブリ(14)と前記ハウジング(12)の第一の壁(30)との間に配置され、前記周囲膨張式シール(62)が前記第一の壁開口部(32)を囲み、
前記周囲膨張式シール(62)が、該周囲膨張式シール(62)が前記第一のドアプレート(40)および前記第一の壁(30)のうちの少なくとも一つと係合していない収縮状態と、該周囲膨張式シール(62)が前記第一の壁(30)および前記第一のドアプレート(40)をシールしてかつ前記ドアアセンブリ(14)を前記第一の壁(30)から離れるように前記ドアアセンブリサスペンション(22)のサスペンションばねアセンブリ(20)のばね力に抗して押す膨張状態と、を有する、請求項2に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項4】
前記ドアアセンブリ(14)が、前記第一の壁(30)から離れるように押されているときに前記周囲膨張式シール(62)によって誘発される前記ドアアセンブリ(14)の移動を制限するように、前記ハウジング(12)に対して固定されたストップ係合点に係合するための少なくとも一つのハードストップ(64)を備える、請求項3に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項5】
前記周囲膨張式シール(62)が、前記第一の壁(30)に接続されている、請求項3または4に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項6】
前記ハウジング(12)の少なくとも一つの壁(30、34)が、互いに平行な第一の壁(30)および第二の壁(34)を備え、
前記少なくとも一つの壁開口部(32、36)が、前記第一の壁(30)に第一の壁開口部(32)と、前記第二の壁(34)に第二の壁開口部(36)とを備え、前記第一の壁開口部(32)が、前記第一の壁開口部(32)の中心を通って前記第一の壁(30)に垂直に延在する中心壁開口部軸(38)に沿った、前記第一の壁開口部(32)および前記第二の壁開口部(36)を通してウエハを通過させるように、前記第二の壁開口部(36)と位置合わせされ、
前記少なくとも一つのドアプレート(40、42)が、前記第一の壁開口部(32)を閉鎖するように構成された第一のドアプレート(40)と、前記第二の壁開口部(36)を閉鎖するように構成された第二のドアプレート(42)と、を備え、
前記少なくとも一つのサスペンション(22、44)が、前記第二のドアプレート(42)を支持する第二のドアプレートサスペンション(44)を備え、前記第二のドアプレートサスペンション(44)が、前記第二の壁(34)に向かったり離れたりする前記第二の壁(34)に垂直な方向における前記第一のドアプレート(40)に対する前記第二のドアプレート(42)の移動をもたらすように構成されたアクチュエータアセンブリ(46)を備え、前記第二のドアプレートサスペンション(44)のばねアセンブリ(20)が、前記アクチュエータアセンブリ(46)の一部を構成する、請求項1に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項7】
前記第二のドアプレートサスペンション(44)が、前記第二の壁に向かったり離れたりする前記第二の壁(34)に垂直な方向における前記第二のドアプレート(42)の移動をガイドするための少なくとも一つの第二のドアプレートガイド(45)を備え、前記アクチュエータアセンブリ(46)が、トグルレバーアセンブリモーター(50)と動作的に接続されたトグルレバーアセンブリ(48)として構成されている、請求項6に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項8】
前記トグルレバーアセンブリ(48)が、前記第一のドアプレート(40)と枢動可能に接続された少なくとも一つの第一のトグルレバー(52)と、前記ばねアセンブリ(20)にヒンジ式に接続された少なくとも一つの第二のトグルレバー(54)と、を含み、前記第二のドアプレート(42)が前記ばねアセンブリ(20)に接続されている、請求項7に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項9】
前記第二のドアプレートサスペンション(44)のばねアセンブリ(20)が、第一の位置(58)で前記トグルレバーアセンブリ(48)の第二のトグルレバー(54)と接続された少なくとも一つの板ばね(56)を含み、前記第二のドアプレート(42)が、前記第二のドアプレート(42)の閉鎖位置に対応する前記トグルレバーアセンブリ(48)の位置で前記少なくとも一つの板ばね(56)が前記第二のドアプレート(42)を前記第二の壁(34)に対して付勢するように、前記少なくとも一つの板ばね(56)の第二の位置(60)に接続されている、請求項8に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項10】
前記第二のドアプレートサスペンションが、前記第二の壁(34)に向かったり離れたりする前記第二の壁(34)に垂直な方向における前記第二のドアプレート(42)の移動をガイドするための少なくとも一つの第二のドアプレートガイド(45)を備え、前記アクチュエータアセンブリ(46)が、前記第一のドアプレート(40)を前記第二のドアプレート(42)と接続する一体形成された適合機構(90)として構成され、前記一体形成された適合機構(90)が、前記第二のドアプレートサスペンション(44)のばねアセンブリ(20)を組み込み、前記一体形成された適合機構(90)が、適合機構駆動モーター(92)と動作可能に接続されている、請求項6に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項11】
前記一体形成された適合機構(90)が、前記第一のドアプレート(40)が前記第二のドアプレート(42)から第一の距離にある第一の位置と、前記第一のドアプレート(40)が前記第二のドアプレート(42)から第二の距離にある第二の位置との二つの安定した位置を有する双安定な適合機構であり、前記第二の距離が前記第一の距離とは異なる、請求項10に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項12】
前記一体形成された適合機構(90)が、前記第一のドアプレート(40)を前記第二のドアプレート(42)と接続する可撓性ドアプレート接続リンク(94)を備え、前記可撓性ドアプレート接続リンク(94)が、一体形成されたリンケージアセンブリ(96、98、100、102)を介して前記適合機構駆動モーター(92)に一体的に接続されている、請求項10または11に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項13】
前記一体形成されたリンケージアセンブリ(96、98、100、102)が、前記可撓性ドアプレート接続リンク(94)のうちの関連する一つに接続された少なくとも一つの第一のリンク(96)を備え、前記リンケージアセンブリが、少なくとも一つの第二のリンク(98)を備え、前記少なくとも一つの第二のリンク(98)の第一の端(98a)が、前記カセット蓋開放デバイスの固定されたフレーム部分(108)にヒンジ式に接続され、前記少なくとも一つの第二のリンク(98)の第二の端(98b)が、一体形成されたヒンジ(100)を介して第三のリンク(102)の第一の端(102a)に接続され、前記第三のリンク(102)の第二の端(102b)が、可撓性ヒンジ(104)を介して前記一体形成された適合機構(90)のローターアーム(106)に接続され、前記ローターアームが、前記適合機構駆動モーター(92)の回転可能な駆動シャフト(108)に接続されている、請求項12に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項14】
前記ハウジング(12)の少なくとも一つの壁(30、34)が、互いに平行な第一の壁(30)および第二の壁(34)を備え、
前記少なくとも一つの壁開口部(32、36)が、前記第一の壁(30)に第一の壁開口部(32)と、前記第二の壁(34)に第二の壁開口部(36)とを備え、前記第一の壁開口部(32)が、前記第一の壁開口部(32)の中心を通って前記第一の壁(30)に垂直に延在する中心壁開口部軸(38)に沿った、前記第一の壁開口部(32)および前記第二の壁開口部(36)を通してウエハを通過させるように、前記第二の壁開口部(36)と位置合わせされ、
前記少なくとも一つのドアプレート(40、42)が、前記第一の壁開口部(32)を閉鎖するように構成された第一のドアプレート(40)と、前記第二の壁開口部(36)を閉鎖するように構成された第二のドアプレート(42)と、を備え、
前記少なくとも一つのサスペンション(22、44)が、前記第二のドアプレート(42)を支持する第二のドアプレートサスペンション(44)を備え、前記第二のドアプレートサスペンション(44)が、前記第二の壁(34)に向かったり離れたりする前記第二の壁(34)に垂直な方向における前記第一のドアプレート(40)に対する前記第二のドアプレート(42)の移動をもたらすように構成されたアクチュエータアセンブリ(46)を備え、前記第二のドアプレートサスペンション(44)のばねアセンブリ(20)が、前記アクチュエータアセンブリ(46)の一部を構成する、請求項2から4のいずれか一項に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項15】
前記第二のドアプレート(42)が、カセットの蓋に係合するように構成されたカセット蓋係合器(66)を備え、前記カセットの蓋が、使用時において、前記第一のドアプレート(40)に向けて前記第二のドアプレート(42)を移動させ続いて前記ドアアセンブリ(14)を前記第一の位置から前記第二の位置へと前記第二の壁開口部(36)から横方向に離れるように輸送することによって、前記カセットから除去される、請求項6から11のいずれか一項に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項16】
第二の周囲シール(68)が、前記第二の壁(34)と前記第二のドアプレート(42)との間に配置されかつ前記第二の壁開口部(36)を囲み、前記第二のドアプレートサスペンション(44)のばねアセンブリ(20)がばね負荷をかけられるように前記第一のドアプレート(40)に対して前記第二のドアプレート(42)の移動をもたらすように構成された前記アクチュエータアセンブリ(46)が前記第二のドアプレート(42)を前記第二の壁(34)に向かって移動させるように作動させられたときに前記第二の周囲シール(68)が前記第二の壁開口部(36)を閉鎖する、請求項6から11のいずれか一項に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項17】
前記第二の周囲シール(68)が前記第二のドアプレート(42)に接続されている、請求項16に記載のカセット蓋開放デバイス。
【請求項18】
前記輸送機構(16)が、前記ハウジング(12)に固定されて接続されたガイドレール(70)を備え、前記キャリッジ(18)が、前記ガイドレール(70)に移動可能に接続されかつ前記ガイドレール(70)によって画定されたガイドレール軸(72)に沿って移動可能であり、前記ガイドレール軸(72)が前記少なくとも一つの壁(30、34)と平行である、請求項1から4のいずれか一項に記載のカセット蓋開放デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、半導体基板処理装置用のカセット蓋開放デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーンルーム環境では、典型的には、ウエハカセットは、垂直バッチ炉などの半導体基板処理装置を行き来するウエハを輸送するために使用される。ウエハカセットは、第一の環境、例えばカセットハンドリング空間と、第二の環境、例えば半導体処理装置のウエハハンドリング空間との間に配設され得る、カセット蓋開放デバイスに対して配置されてもよい。カセット蓋開放デバイスは、壁開口部であって、第一の環境と第二の環境との間で当該壁開口部を通してウエハを搬送するための、壁開口部を有する壁を備えてもよい。カセット蓋開放デバイスは、二つの機能を有してもよい。
【0003】
第一の機能は、カセットがカセット蓋開放デバイスに対して配置されていない時、さらにはカセットがカセット蓋開放デバイスに対して配置されている時の両方において、第一の環境を第二の環境からガスシール分離することであってもよい。その目的のために、カセット蓋開放デバイスは、ドアアセンブリを備えてもよい。ドアアセンブリは、壁開口部を通ってウエハが通過することを可能にするように、壁開口部の前の第一の位置と、壁開口部から横方向に離れた第二の位置との間で、輸送機構によって輸送可能であってもよい。
【0004】
カセット蓋開放デバイスの第二の機能は、カセットおよび壁開口部を開放し、壁開口部を通ってウエハが通過することを可能にするように、カセット蓋開放デバイスに対して配置され得るカセットのカセット蓋を係合すること、およびドアアセンブリを第二の位置に移動させながらカセット蓋を横方向に離れるように移動させることであってもよい。既知のカセット蓋開放デバイスでは、ドアアセンブリおよび/またはカセット蓋を輸送するための輸送機構は、壁開口部をガスシール閉鎖している間に及ぼされ得る大きな力に耐えることができることができるように、高精度のものでかつ堅牢であってもよい。
【発明の概要】
【0005】
この発明の概要は、選択された概念を簡略化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の、発明を実施するための形態において、さらに詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0006】
目的は、ドアアセンブリおよび/またはカセット蓋の輸送機構に対する高精度および堅牢性に関する要件がより厳格でないのであり得る、カセット蓋開放デバイスを提供することであってもよい。
【0007】
その目的のために、請求項1に記載のカセット蓋開放デバイスが提供されてもよい。より具体的には、半導体基板処理装置用のカセット蓋開放デバイスが提供されてもよい。カセット蓋開放デバイスは、ハウジング、ドアアセンブリ、輸送機構、および少なくとも一つのサスペンションを備えてもよい。ハウジングは、関連する壁開口部を有する、少なくとも一つの壁を有してもよい。ドアアセンブリは、少なくとも一つの壁の関連する壁開口部を実質的に閉鎖するように構成された、少なくとも一つのドアプレートを備えてもよい。輸送機構は、ドアアセンブリに接続されたキャリッジであって、関連する壁開口部を通ってウエハが通過することを可能にするように、関連する壁開口部の前の第一の位置と、関連する壁開口部から横方向に離れた第二の位置との間で、少なくとも一つの壁と平行にドアアセンブリを輸送するように構成され得る、キャリッジを含んでもよい。少なくとも一つのサスペンションは、少なくとも一つのドアプレートと輸送機構との間に配設されてもよい。少なくとも一つのサスペンションは、少なくとも一つの壁に対して垂直な方向に少なくとも一つのドアプレートが移動することを可能にする、サスペンションばねアセンブリを備えてもよい。
【0008】
本発明と先行技術に対して達成される利点とを要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が本明細書において上記に説明されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らないことが理解されるべきである。それ故に、例えば、本明細書において教示または示唆され得る通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示または示唆される通りの一つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本発明が具現化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0009】
様々な実施形態が従属請求項において特許請求の範囲に記載されており、これは図に示される例を参照してさらに明らかにされる。実施形態は組み合わせられてもよく、または互いに別々に適用されてもよい。
【0010】
これらの実施形態のすべてが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図されている。これらの実施形態および他の実施形態は、以下の添付の図を参照するある特定の実施形態の以下の発明を実施するための形態から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されるいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0011】
本明細書は、本発明の実施形態と見なされるものを具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で結論付ける一方で、本開示の実施形態の利点は、添付の図面と併せて読むと、本開示の実施形態のある特定の例の説明から、より容易に確定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドアアセンブリが第一の位置、すなわち閉鎖位置にある、説明によるカセット蓋開放デバイスの例の斜視図である。
図2】ハウジングが除去された、図1の例を示す図である。
図3図2の例の別の斜視図であり、ドアアセンブリは、第二の位置、すなわち開放位置に移動させられている。
図4図1の例の上面図である。
図5図4のA-A線に沿った断面を示す図である。
図6図5の詳細部Bを示す図である。
図7図1の例の別の斜視図である。
図8】ハウジングの前壁が除去された、図7におけるのと同じ斜視図である。
図9】第二のドアプレートが除去された、図7および図8の例を示す図である。
図10図9の詳細部Cを示す図である。
図11】説明によるドアアセンブリの例の断面を示す図である。
図12】ドアアセンブリが第二の位置で壁開口部から横方向に離れた、図8の例の正面図である。
図13】第一のドアプレートに対して第二のドアプレートの移動をもたらすように構成されたアクチュエータアセンブリの実施形態であり得る、一体形成された適合機構の例の第一の視点からの斜視図である。
図14】第二の視点からの図13の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願において、類似のまたは対応する特徴は、類似のまたは対応する参照記号によって示される。様々な実施形態の説明は、図に示される例に限定されず、発明を実施するための形態および特許請求の範囲において使用される参照番号は、実施形態の説明を限定することを意図しておらず、実施形態を明瞭にするために含まれる。
【0014】
ある特定の実施形態および例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等なものを超えて本発明が拡張することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示される本発明の範囲は、以下に説明される特定の開示される実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示される図は、任意の特定の材料、構造またはデバイスの実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される単に理想化された表現にすぎない。
【0015】
本明細書で使用される「ウエハ」という用語は、使用されてもよい、またはその上にデバイス、回路もしくは膜が形成されてもよい、任意の下地材料(複数可)を指す場合がある。
【0016】
最も一般的な表現では、本開示は、カセット蓋開放デバイス10を提供してもよい。カセット蓋開放デバイス10は、半導体基板処理装置において使用するために構成されてもよい。カセット蓋開放デバイス10は、ハウジング12、ドアアセンブリ14、輸送機構16、および少なくとも一つのサスペンション22、44を備えてもよい。ハウジング12は、関連する壁開口部32、36を有する、少なくとも一つの壁30、34を有してもよい。ドアアセンブリ14は、少なくとも一つの壁30、34の関連する壁開口部32、36を実質的に閉鎖するように構成された、少なくとも一つのドアプレート40、42を備えてもよい。
【0017】
輸送機構16は、ドアアセンブリ14に接続されたキャリッジ18であって、関連する壁開口部32、36を通ってウエハが通過することを可能にするように、関連する壁開口部32、36の前の第一の位置と、関連する壁開口部32、36から横方向に離れてとの間で、少なくとも一つの壁30、34と平行にドアアセンブリ14を輸送するように構成され得る、キャリッジ18を含んでもよい。
【0018】
少なくとも一つのサスペンション22、44は、少なくとも一つのドアプレート40、42と輸送機構16との間に配設されてもよい。少なくとも一つのサスペンション22、44は、少なくとも一つの壁30、34に対して垂直な方向に少なくとも一つのドアプレート40、42が移動することを可能にする、サスペンションばねアセンブリ20を備えてもよい。
【0019】
一般的に、膨張式シール62(図1図5および図6を見られたい)は、ドアアセンブリ、特にその第一のドアプレート40と、ハウジングの第一の壁32との間に設けられてもよい。ガス密シールを確実にするために、膨張式シール62は、膨張させられてもよい。先行技術のカセット蓋オープナーでは、膨張式シールによってドアアセンブリに及ぼされる力は、ドアアセンブリ14の輸送機構16、特にキャリッジ18およびガイドレール70によって吸収された。膨張式シールによって及ぼされる大きな力を考慮すると、既知のカセット蓋開放デバイスの、キャリッジ18およびガイドレール70は、堅牢でかつまた高精度でなければならなかった。実質的に均等に分散された閉鎖圧力が膨張式シール62によってドアアセンブリ14の全周囲に沿ってドアアセンブリ14に及ぼされることを確実にするように、ドアアセンブリ14を少なくとも一つの壁30、34と平行に維持するための精度が必要とされた。
【0020】
説明によるカセット蓋開放デバイス10によって、少なくとも一つのサスペンション22、44は、輸送機構16が前述の高精度および堅牢性を有しない場合でも、少なくとも一つのドアプレート40、42と少なくとも一つの壁30、34との間の適切な係合を保証してもよい。サスペンションばねアセンブリ20が理由で、少なくとも一つのドアプレート40、42は、少なくとも一つの壁30、34に対して垂直な方向に輸送機構16に移動可能であってもよい。これは、輸送機構16が、少なくとも一つのドアプレート40、42を少なくとも一つのドアプレート40と平行な平面に配置することを必要とするのみであり得ることを意味する。少なくとも一つの壁30、34に対して垂直な方向での不正確さは、サスペンションばねアセンブリ20による少なくとも一つのドアプレート40、42の許容される移動によって吸収されてもよい。少なくとも一つの壁30、34に対して垂直な方向にドアアセンブリ14に及ぼされる力は、ばねアセンブリ20を備えるサスペンション22、44の存在に起因してこれら力が輸送機構16に完全には伝達されないため、制限され得る。
【0021】
一実施形態では、少なくとも一つのサスペンション22、44は、ドアアセンブリサスペンション22を備えてもよい。ドアアセンブリサスペンション22のサスペンションばねアセンブリ20は、二つの平行な板ばね24を備えてもよく、当該二つの平行な板ばね24は各々、第一の長手方向縁26によってキャリッジ18に接続され、かつ当該二つの平行な板ばね24は各々、第二の長手方向縁28によってドアアセンブリ14に接続される。
【0022】
二つの平行な板ばね24は、単一の方向での、すなわち少なくとも一つの壁30、34に対して垂直な、キャリッジ18に対するドアアセンブリ14の移動を可能にしてもよい。ドアアセンブリ14のこの移動中、ドアアセンブリ14は、平行な板ばね24アセンブリに起因して、少なくとも一つの壁と平行のままとなる。
【0023】
例が図に示される一実施形態では、ハウジング12の少なくとも一つの壁30、34は、第一の壁30を備えてもよく、少なくとも一つの壁開口部32、36は、第一の壁30に第一の壁開口部32を備えてもよい。少なくとも一つのドアプレート40、42は、第一の壁開口部32を実質的に閉鎖するように構成された第一のドアプレート40を備えてもよい。
【0024】
周囲膨張式シール62は、ドアアセンブリ14とハウジング12の第一の壁30との間に配置されてもよい。周囲膨張式シール62は、第一の壁開口部32を囲んでもよく、かつ周囲膨張式シール62は、シール62が第一のドアプレート40および第一の壁30のうちの少なくとも一つと係合していない、収縮状態を有してもよい。膨張状態では、周囲膨張式シール62は、第一の壁30および第一のドアプレート40とシール係合してもよく、かつドアアセンブリ14を、第一の壁30から離れるようにドアアセンブリサスペンション22のサスペンションばねアセンブリ20のばね力に抗して押す。
【0025】
この実施形態のさらなる詳述では、ドアアセンブリは、第一の壁30から離れるように押されているときに膨張式シール62によって誘発されるドアアセンブリ14の移動を制限するように、ハウジング12に対して固定されたストップ係合点に係合するための、少なくとも一つのハードストップ64を備えてもよい。
【0026】
例が図に示される一実施形態では、少なくとも一つのハードストップ64は、ハウジング12の異なるストップ係合点上で係合する、三つ以上のハードストップ64を備えてもよい。ドアアセンブリ14が、そのハードストップ64によってハウジング12のストップ係合点に対して押され得るとき、ハウジングに対するドアアセンブリ14の位置は、明確に定義されてもよく、ドアアセンブリ14の第一のドアプレート40は、第一の壁30と平行に正確に位置付けられてもよい。さらに、膨張式シール62によってドアアセンブリ14に及ぼされる力は、ハードストップ64およびハウジング12のストップ係合点を介してハウジング12によって吸収されてもよい。それ故に、これらの力は、輸送機構16によって吸収される必要はない。実際、ドアアセンブリサスペンション22の平行な板ばね24は、膨張式シール62によってドアアセンブリ14に及ぼされる力の輸送機構16への伝達を制限してもよい。
【0027】
一実施形態では、周囲膨張式シール62は、第一の壁30に接続されてもよい。こうした構築は、膨張式シール62が移動可能である代わりに静止的に取り付けられてもよいことから有利であり得、膨張式シールがドアアセンブリ14の第一のドアプレート40に接続された場合に、この点があてはまる。静止的なシール62を膨張させることは、移動可能に取り付けられた膨張式シール62を膨張させるよりも好都合であり得る。
【0028】
一実施形態では、ハウジング12の少なくとも一つの壁30、34は、実質的に互いに平行であり得る第一の壁30および第二の壁34を備えてもよい。少なくとも一つの壁開口部32、36は、第一の壁30に第一の壁開口部32、および第二の壁34に第二の壁開口部36を備えてもよい。第一の壁開口部32は、第一の壁開口部32の中心を通って第一の壁30に対して実質的に垂直に延在する中心壁開口部軸38に沿った、第一の壁開口部32および第二の壁開口部36を通したウエハの通過を可能にするように、第二の壁開口部36と位置合わせされてもよい。少なくとも一つのドアプレート40、42は、第一の壁開口部32を実質的に閉鎖するように構成された第一のドアプレート40、および第二の壁開口部36を実質的に閉鎖するように構成された第二のドアプレート42を備えてもよい。
【0029】
少なくとも一つのサスペンション22、44は、第二のドアプレート42を支持する第二のドアプレートサスペンション44を備えてもよい。第二のドアプレートサスペンション44は、第二の壁34に向かったり離れたりする、第二の壁34に対して実質的に垂直な方向の第一のドアプレート40に対する第二のドアプレート42の移動をもたらすように構成された、アクチュエータアセンブリ46を備えてもよい。第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20は、アクチュエータアセンブリ46の一部を構成してもよい。
【0030】
カセット蓋開放デバイス10は、半導体基板処理装置の第一の環境および半導体基板処理装置の第二の環境のシールに使用されてもよい。アクチュエータアセンブリ46により、第二のドアプレートサスペンション44は、第二のドアプレート42を第二の壁34に対して実質的に垂直な方向に移動させることができ得る。第二のドアプレート42は、したがって、第二の壁開口部36を実質的に閉鎖することができてもよく、その結果、半導体基板処理装置の前述の第一および第二の環境は、互いから実質的に閉鎖される。
【0031】
さらに、第二のドアプレート42は、ウエハカセットの蓋に係合して、第二のドアプレート42の移動によって蓋をカセットから除去して、その後ドアアセンブリの移動によって蓋をカセットから横方向に離れるように輸送するために使用されてもよい。アクチュエータアセンブリの一部を構成し得るばねアセンブリ20を理由として、アクチュエータアセンブリ46の他の部分の正確さの要件は、厳格さがより低くてもよい。第二のドアプレート42の移動のオーバーシュートを引き起こす可能性がある、アクチュエータアセンブリ46の他の部分の不正確さは、第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20の圧縮によって補償されてもよい。
【0032】
一実施形態では、第二のドアプレートサスペンション44は、第二の壁34に向かったり離れたりする、第二の壁34に対して実質的に垂直な方向の第二のドアプレート42の移動をガイドするための、少なくとも一つの第二のドアプレートガイド45を備えてもよい。アクチュエータアセンブリ46は、例を図9および図10で見ることができるトグルレバーアセンブリモーター50と動作的に接続され得る、トグルレバーアセンブリ48として構成されてもよい。
【0033】
トグルレバーアセンブリモーター50を作動させることによって、トグルレバーアセンブリ48は、第二のドアプレート42が第一のドアプレート40に対して移動させられ得るように動作させられてもよい。
【0034】
一実施形態では、トグルレバーアセンブリ48は、第一のドアプレート40と枢動可能に接続され得る少なくとも一つの第一のトグルレバー52、およびばねアセンブリ20にヒンジ式に接続され得る少なくとも一つの第二のトグルレバー54を含んでもよい。その実施形態では、第二のドアプレート42は、ばねアセンブリ20に接続されてもよい。
【0035】
その実施形態のさらなる詳述では、第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20は、第一の位置58でトグルレバーアセンブリ48の第二のトグルレバー54と接続され得る、少なくとも一つの板ばね56を含んでもよい。第二のドアプレート42は、少なくとも一つの板ばね56が、第二のドアプレート42の閉鎖位置に対応するトグルレバーアセンブリ48の位置で、第二のドアプレート42を第二の壁34に対して付勢し得るように、少なくとも一つの板ばね56の第二の位置60に接続されてもよい。
【0036】
図5の例に示すように、第二のトグルレバー54が板ばね56と接続され得る第一の位置58は、少なくとも一つの板ばね56の自由端にあってもよい。第二の位置60は、少なくとも一つの板ばね56の中央のセクションにあってもよい。この例では、第二のドアプレート42は、第二の位置60で少なくとも一つの板ばね56のうちの関連する一つと接続され得る、ブラケット74に接続されてもよい。例では、第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20は、二つの板ばね56と、第二のドアプレート42の対向する端の近くに配置された二つのブラケットとを備えてもよい。
【0037】
このようにして、トグルレバーアセンブリ48は、第一のドアプレート40からおよび第一のドアプレート40に向かって、ばねアセンブリ20を移動させ得る。ばねアセンブリ20によって、第二のドアプレート42も、移動させられ得る。第二のドアプレート42が第二の壁34に達すると、トグルレバーアセンブリ48によるさらなる移動は、ばねアセンブリ20の圧縮をもたらし得る。トグルレバーアセンブリ48による第二の壁34に向かう第二のドアプレート42の移動は、したがって、非常に精密である必要はない。ばねアセンブリ20の圧縮によって、あらゆる不精密さが吸収され得る。
【0038】
図13および図14は、第二のドアプレートサスペンション44の代替的実施形態の例を示す。明確さのために述べると、第一のドアプレート40は、図13および図14に示さないが、この第一のドアプレート40は、例えば図5図6および図11に示す第一のドアプレート40と実質的に同じ構成を有してもよい。第一のドアプレート40は、図13および図14に示す接続固定具106に接続される。図5図6図9図10および図11に示す実施形態におけるように、図13および図14の例に示す実施形態においても、第二のドアプレートサスペンションは、第二の壁34に向かうおよび第二の壁34から離れる、第二の壁34に対して実質的に垂直な方向の第二のドアプレート42の移動をガイドするための、少なくとも一つの第二のドアプレートガイド45を備えてもよい。アクチュエータアセンブリ46は、第一のドアプレート40を第二のドアプレート42と接続し得る、一体形成された適合機構90として構成されてもよい。一体形成された適合機構90は、第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20を組み込んでいてもよい。一体形成された適合機構90は、適合機構駆動モーター92と動作的に接続されてもよい。
【0039】
適合機構は、移動を生み出すためにそれらの固有の弾性に頼り、複数の移動部分を必要としない。それ故に、金属接点上の金属の数は、最小化されてもよく、一体形成された適合機構から完全に存在しなくてもよい。一体形成された適合機構の利点は、ベアリングまたは別個の部品間の移動接触界面が一体形成された適合機構に存在しないから粒子の放出が最小化され得ることであり得る。実際、一体形成された適合機構は、プラスチック材料から射出成形され得る、単一片から成ってもよい。
【0040】
一実施形態では、一体形成された適合機構90は、二つの安定した位置を有する、双安定な適合機構であってもよい。第一の位置では、第一のドアプレート40は、第二のドアプレート42から第一の距離にあってもよい。第二の位置では、第一のドアプレート40は、第二のドアプレート42から第二の距離にあってもよく、第二の距離は、第一の距離とは異なる。
【0041】
双安定な一体形成された適合機構は、比較的単純であってもよく、それが第一の位置および第二の位置のうちの一つにあるときに力が双安定な機構に及ぼされる必要がないという利点を有してもよい。それ故に、適合機構駆動モーター92は、第一の位置についての一体形成された適合機構90を第二の位置に、およびその逆に運ぶために、非常に短い間、活性化される必要があるだけである。
【0042】
一実施形態では、一体形成された適合機構90は、第一のドアプレート40を第二のドアプレート42と接続する、可撓性ドアプレート接続リンク94を備えてもよい。可撓性ドアプレート接続リンク94は、図13および図14の例に明確に示されるように、一体形成されたリンケージアセンブリ96、98、100、102を介して適合機構駆動モーター92に一体的に接続されてもよい。
【0043】
一体形成されたリンケージアセンブリ96、98、100、102は、ドアプレート接続リンク94のうちの関連する一つに接続された、少なくとも一つの第一のリンク96を備えてもよい。さらに、リンケージアセンブリは、少なくとも一つの第二のリンク98を備えてもよく、第二のリンク98の第一の端98aは、カセット蓋開放デバイスの固定されたフレーム部分108にヒンジ式に接続されてもよい。第二のリンク98の第二の端98bは、一体形成されたヒンジ100を介して第三のリンク102の第一の端102aに接続されてもよい。第三のリンク102の第二の端102bは、可撓性ヒンジ104を介して一体形成された適合機構90のローターアーム106に接続されてもよい。ローターアームは、駆動モーター92の回転可能な駆動シャフト108に接続されてもよい。
【0044】
図13および図14に示す例は、一体形成された適合機構90が構成され得る数多くの可能性のうちの単に一つの例であることに留意すべきである。一体形成された適合機構のばね作用は、適合機構の可撓性構造に組み込まれ、かつ選択された材料の結果でもあり、適合機構90は当該選択された材料で製造されている。機構において摺動金属間接触点が存在しないことは、粒子の放出を最小化するが、これは、一体形成された適合機構の実施形態の重要な利点である。
【0045】
図12に示す一実施形態では、第二のドアプレート42は、カセットの蓋に係合するように構成された、カセット蓋係合器66を備えてもよい。使用において、カセットの蓋は、第一のドアプレート40に向かう第二のドアプレート42の移動、および続いてドアアセンブリ14を第一の位置から第二の位置へと、第二の壁開口部36から横方向に離れるように輸送することによって、カセットから除去されてもよい。
【0046】
カセットは、複数の積み重ねられたウエハを備えてもよい。カセット蓋開放デバイス10は、したがって、カセットの蓋を除去することによってカセットを開放するために使用されてもよい。ドアアセンブリ14が第二の壁開口部32から横方向に離れるように移動させられると、カセット内のウエハは、第一の壁開口部32および第二の壁開口部36を通して触れられてもよい。カセット蓋係合器66は、当該技術分野において周知のツイストロック、グリッパー、吸引カップ、または他の係合器として具現化されてもよい。
【0047】
図8および図11の例に示すように、第二のドアプレート42は、使用において第二のドアプレート42とカセットの蓋をシール係合するために第二のドアプレート42とカセットの蓋との間に位置付けられる、周囲カセット蓋シール78を備えてもよい。カセット蓋シール78は、第二のドアプレート42とカセットの蓋との間の低圧チャンバを作り出すために使用されてもよく、当該低圧チャンバは、カセットの蓋を第二のドアプレート42に取り付けるために使用されてもよい。
【0048】
図7および図11に示す例で見ることができるように、第二の壁34は、使用において第二の壁34とカセットの本体をシール係合するために第二の壁34とカセットの本体との間に位置付けられる、カセット本体シール80を備えてもよい。
【0049】
一実施形態では、第二の周囲シール68は、第二の壁34と第二のドアプレート42との間に配置されてもよく、第二の壁開口部36を囲んでもよい。第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20がばね負荷をかけられるように、第一のドアプレート40に対して第二のドアプレート42の移動をもたらすように構成されたアクチュエータアセンブリ46が第二のドアプレート42を第二の壁34に向かって移動させるように作動させられたとき、第二の周囲シール68は、第二の壁開口部36を実質的に閉鎖してもよい。
【0050】
アクチュエータアセンブリ46は、したがって、第二のドアプレート42によって、第二の壁34に対して第二の周囲シール68を押してもよい。第二のドアプレートサスペンション44のばねアセンブリ20により、アクチュエータアセンブリ46は、あまりに激しくまたはあまりに遠くへ押すことを防止されてもよい。そのような試みは、ばねアセンブリ20を圧縮することを招き得、第二の壁34もしくはアクチュエータアセンブリ46またはカセット蓋開放デバイス10の他の部分への損傷は招かない場合があるためである。
【0051】
第二の周囲シール68は、第二のドアプレート42に接続されてもよい。あるいは、第二の周囲シール68はまた、第二の壁34に接続されてもよい。
【0052】
一実施形態では、輸送機構16は、ハウジング12に固定されて接続された、ガイドレール70を備えてもよい。キャリッジ18は、ガイドレール70に移動可能に接続されてもよく、ガイドレール70によって画定されたガイドレール軸72に沿って移動可能であってもよい。駆動モーター76に接続されたスピンドル82は、ガイドレール70に沿ったキャリッジの移動をもたらしてもよい。ガイドレール軸72は、少なくとも一つの壁30、34と実質的に平行であってもよい。
【0053】
ガイドレール70は、したがって、キャリッジ18の、かつしたがってドアアセンブリ14の、少なくとも一つの壁30、34に対して実質的に平行な移動を可能にすることができ得る。
【0054】
本発明の例示的な実施形態を、部分的に添付図面を参照しながら、上述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。開示される実施形態に対する変形は、特許請求の範囲に記載される発明を実施する当業者によって、図面、本開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解および達成することができる。
【0055】
本明細書全体を通して、「一つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この記載全体を通した様々な箇所での「一つの実施形態では」または「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0056】
さらに、上述の様々な実施形態のうちの一つ以上の、特定の特徴、構造、または特性は、互いに独立に実施されて使用されてもよく、新しい明示的に記載されていない実施形態を形成するために任意の適切な様態で組み合わせられてもよいことが、留意される。発明を実施するための形態および特許請求の範囲で使用される参照番号は、実施形態の記載を限定せず、特許請求の範囲も限定しない。参照番号は明確にするためにのみ使用される。
【符号の説明】
【0057】
10 カセット蓋開放デバイス
12 ハウジング
14 ドアアセンブリ
16 輸送機構
18 キャリッジ
20 サスペンションばねアセンブリ
22 ドアアセンブリサスペンション
24 (ドアアセンブリサスペンションの)板ばね
26 (板ばねの)第一の長手方向縁
28 (板ばねの)第二の長手方向縁
30 第一の壁
32 第一の壁開口部
34 第二の壁
36 第二の壁開口部
38 中心壁開口部軸
40 第一のドアプレート
42 第二のドアプレート
44 第二のドアプレートサスペンション
45 第二のドアプレートガイド
46 アクチュエータアセンブリ
48 トグルレバーアセンブリ
50 トグルレバーアセンブリモーター
52 第一のトグルレバー
54 第二のトグルレバー
56 (第二のドアプレートサスペンションの)板ばね
58 (第二のドアプレートサスペンションの板ばねの)第一の位置
60 (第二のドアプレートサスペンションの板ばねの)第二の位置
62 膨張式シール
64 ハードストップ
66 カセット蓋係合器
68 第二の周囲シール
70 ガイドレール
72 ガイドレール軸
74 ブラケット
76 駆動モーター
78 カセット蓋シール78
80 カセット本体シール
82 駆動スピンドル
90 一体形成された適合機構
92 適合機構駆動モーター
94 可撓性ドアプレート接続リンク
96 第一のリンク
98 第二のリンク
98a 第二のリンクの第一の端
98b 第二のリンクの第二の端
100 一体形成されたヒンジ
102 第三のリンク
102a 第三のリンクの第一の端
102b 第三のリンクの第二の端
104 可撓性ヒンジ
106 ローターアーム
108 駆動シャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】