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特開2023-90432炭化珪素インゴット、炭化珪素インゴットの製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法
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  • 特開-炭化珪素インゴット、炭化珪素インゴットの製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法 図1
  • 特開-炭化珪素インゴット、炭化珪素インゴットの製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090432
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】炭化珪素インゴット、炭化珪素インゴットの製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C30B 29/36 20060101AFI20230622BHJP
   C30B 25/20 20060101ALI20230622BHJP
   C30B 23/06 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
C30B29/36 A
C30B25/20
C30B23/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205391
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 功穂
(72)【発明者】
【氏名】星乃 紀博
(72)【発明者】
【氏名】別役 潔
(72)【発明者】
【氏名】土田 秀一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 武志
(72)【発明者】
【氏名】堀合 慧祥
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077AA02
4G077AB01
4G077BE08
4G077DA02
4G077DA18
4G077DB30
4G077EC09
4G077ED01
4G077ED06
4G077EF03
4G077FG11
4G077HA12
4G077SA04
4G077TA04
4G077TJ05
4G077TK01
4G077TK08
4G077TK13
(57)【要約】
【課題】種結晶中のマイクロパイプを閉塞するとともに螺旋転位の凝集を低減した炭化珪素インゴット、その製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素単結晶からなり、中空欠陥であるマイクロパイプ5を有する種結晶2と、種結晶2に設けられた炭化珪素からなるバッファー層3と、バッファー層3に設けられた炭化珪素からなるバルク結晶成長層4と、を備え、バッファー層3及びバルク結晶成長層4は、バッファー層3によって閉塞されたマイクロパイプ5に継続する複数の螺旋転位6を有し、バルク結晶成長層4においてマイクロパイプ5を共通にする複数の螺旋転位6同士の間隔は150μm以上である炭化珪素インゴットとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素単結晶からなり、中空欠陥であるマイクロパイプを有する種結晶と、
前記種結晶に設けられた炭化珪素からなるバッファー層と、
前記バッファー層に設けられた炭化珪素からなるバルク結晶成長層と、を備え、
前記バッファー層及び前記バルク結晶成長層は、前記バッファー層によって閉塞された前記マイクロパイプに継続する複数の螺旋転位を有し、
前記バルク結晶成長層において前記マイクロパイプを共通にする複数の前記螺旋転位同士の間隔は150μm以上である
ことを特徴とする炭化珪素インゴット。
【請求項2】
請求項1に記載の炭化珪素インゴットであって、
前記バッファー層は、厚さが100μm以上である
ことを特徴とする炭化珪素インゴット。
【請求項3】
炭化珪素単結晶からなり、中空欠陥であるマイクロパイプを有する種結晶上に炭化珪素からなるバッファー層を形成する第1工程と、
前記バッファー層上に炭化珪素からなるバルク結晶成長層を形成する第2工程と、を備え、
前記第1工程では、炭素原子と珪素原子との原子数比(C/Si比)を0.5以上0.9以下にした原料ガスを用いたガス法により2400℃以上の温度で厚さが100μm以上の前記バッファー層を形成し、
前記第2工程では、ガス法又は昇華法により前記バルク結晶成長層を形成する
ことを特徴とする炭化珪素インゴットの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の炭化珪素インゴットの製造方法であって、
前記第2工程では、前記第1工程よりもC/Si比が高い原料ガスを用いたガス法により前記バルク結晶成長層を形成する
ことを特徴とする炭化珪素インゴットの製造方法。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の炭化珪素インゴットの製造方法により炭化珪素インゴットを形成し、
前記バルク結晶成長層をスライスする
ことを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化珪素インゴット、炭化珪素インゴットの製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(以下、SiCとも記載する)は、Siと比べてバンドギャップが約3倍、飽和ドリフト速度が約2倍、絶縁破壊電界強度が約10倍と優れた物性値を有し、大きな熱伝導率を有する半導体であることから、現在用いられているSi単結晶半導体の性能を大きく凌駕する次世代の高電圧・低損失半導体素子を実現する材料として期待されている。
【0003】
このような半導体素子に用いられるSiCウェハの製造方法の一つとして昇華法が知られている。種結晶にマイクロパイプと呼ばれる中空欠陥が含まれる場合、昇華法によってSiCからなる単結晶層(以下、バルク結晶成長層)を種結晶上に形成すると、そのマイクロパイプがバルク結晶成長層にも継続してしまう。
【0004】
このようなマイクロパイプの問題を解決するために、特許文献1には、CとSiとを含む原料ガスをSiリッチとし、CVD法によるエピタキシャル成長を行うSiC単結晶膜の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、数十μm/hの成膜レートによって、100-150μm程度エピタキシャル膜を成長させると、マイクロパイプが複数の1c螺旋転位に分解されるので、種結晶からマイクロパイプが継続することを低減したSiC単結晶膜が得られる。しかしながら、マイクロパイプが閉塞して分解した後も、複数の1c螺旋転位同士が分散して十分空間的に広がっていない状態(10μm程度)では局所的に螺旋転位が凝集してしまい結晶性が低いものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4044053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、種結晶中のマイクロパイプを閉塞するとともに螺旋転位の凝集を低減した炭化珪素インゴット、その製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の態様は、炭化珪素単結晶からなり、中空欠陥であるマイクロパイプを有する種結晶と、前記種結晶に設けられた炭化珪素からなるバッファー層と、前記バッファー層に設けられた炭化珪素からなるバルク結晶成長層と、を備え、前記バッファー層及び前記バルク結晶成長層は、前記バッファー層によって閉塞された前記マイクロパイプに継続する複数の螺旋転位を有し、前記バルク結晶成長層において前記マイクロパイプを共通にする複数の前記螺旋転位同士の間隔は150μm以上であることを特徴とする炭化珪素インゴットにある。
【0008】
上記目的を達成するための本発明の他の態様は、炭化珪素単結晶からなり、中空欠陥であるマイクロパイプを有する種結晶上に炭化珪素からなるバッファー層を形成する第1工程と、前記バッファー層上に炭化珪素からなるバルク結晶成長層を形成する第2工程と、を備え、前記第1工程では、炭素原子と珪素原子との原子数比(C/Si比)を0.5以上0.9以下にした原料ガスを用いたガス法により2400℃以上の温度で厚さが100μm以上の前記バッファー層を形成し、前記第2工程では、ガス法又は昇華法により前記バルク結晶成長層を形成することを特徴とする炭化珪素インゴットの製造方法にある。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の他の態様は、上記炭化珪素インゴットの製造方法により炭化珪素インゴットを形成し、前記バルク結晶成長層をスライスすることを特徴とする炭化珪素ウェハの製造方法にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、種結晶中のマイクロパイプを閉塞するとともに螺旋転位の凝集を低減した炭化珪素インゴット、その製造方法及び炭化珪素ウェハの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】SiCインゴットの正面図、及びSiCウェハの平面図である。
図2】SiCインゴットの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1(a)は、本実施形態に係るSiCインゴットの正面図である。SiCインゴット1は、種結晶2、種結晶2の一方面側に設けられたバッファー層3、バッファー層3の一方面側(種結晶2とは反対側)に設けられたバルク結晶成長層4を備えている。
【0013】
種結晶2は、マイクロパイプ5を有するSiC単結晶からなる。種結晶2は、特に製法に限定はないが、例えば、昇華法により形成されている。
【0014】
マイクロパイプ5は、径が数百nmから数μmの中空欠陥である。マイクロパイプ5は、バーガースベクトルがncであり、大型の螺旋転位と考えられている。一方、中空でない貫通螺旋転位は、バーガースベクトルが1cであり、SiC結晶のc軸方向に伝播しているものである。(ここでは、貫通螺旋転位として、バーガースベクトルbがb=1cのピュア螺旋転位に加え、a成分のバーガースベクトルも有するb=c+a/3<11-20>の貫通混合転位も含んで考えることとする。)
【0015】
バッファー層3は、SiCからなる層である。バッファー層3は、厚さが100μm以上であり、炭素原子と珪素原子との原子数比(以下、C/Si比)が0.5以上0.9以下のSiリッチな条件で形成される。
【0016】
バッファー層3では、種結晶2にあるマイクロパイプ5が閉塞され、閉塞されたマイクロパイプ5が複数の螺旋転位6に分解されている。具体的には、バーガースベクトルがncである一本のマイクロパイプ5は、n本の螺旋転位6に分解される。以下、マイクロパイプ5を共通とし、センス(螺旋転位の構造であって左巻き又は右巻きがある)が同じ複数の螺旋転位6を「同じセンスの螺旋転位6」と称する。図1(a)には、「マイクロパイプ5を共通とする同じセンスの螺旋転位6」が2つ示されている。全てのマイクロパイプ5はバッファー層3で閉塞される。
【0017】
また、バッファー層3では、同じセンスの螺旋転位6同士は互いに反発力が働くため間隔が広がり分散している。このような螺旋転位6の分散は、後述するガス法により所定厚さ、例えば100μm以上のバッファー層3を形成することにより実現される。
【0018】
バルク結晶成長層4は、バッファー層3にSiC単結晶からなる層であり、バルク成長により形成されたものである。また、バルク結晶成長層4には、バッファー層3から螺旋転位6が継続している。バルク結晶成長層4では、少なくとも同じセンスの螺旋転位6同士の間隔は150μm以上となっている。また、バルク結晶成長層4形成時のC/Si比は、少なくともバッファー層3のC/Si比よりも大きい。
【0019】
図1(b)は、SiCインゴット1のバルク結晶成長層4をスライスして得たSiC10ウェハの平面図である。図1(c)は比較例であるSiCウェハ100の平面図である。螺旋転位6を示す丸印の内部が「+」であるものは左巻き、「-」であるものは右巻きであることを示している。
【0020】
図1(b)に示すSiCウェハ10は、SiCインゴット1のバルク結晶成長層4をスライスしたものである。点線の丸に囲まれた「+」は、同じセンス「+」の螺旋転位6を表している。同じセンスの螺旋転位6同士の平面視における間隔は150μm以上となっている。つまり、同じセンスの複数の螺旋転位6において一本に着目したとき、他の全ての螺旋転位6との間隔が150μm以上となっている。
【0021】
図1(c)に示すSiCウェハ100は、CVDによって形成したエピタキシャル膜によってマイクロパイプを閉塞させたウェハである。CVD法は、数十μm/hの成膜レートであり、100-150μm程度エピタキシャル膜を成長させても、螺旋転位同士は10μm程度しか分散しない。点線の丸に囲まれた同じセンス「+」の螺旋転位6同士は、平面視における間隔が広がっておらず凝集している。このように従来のCVDによるSiCエピタキシャルウェハでは、種結晶2のマイクロパイプ5が閉塞されるものの、バルク結晶成長層4においては局所的に螺旋転位が凝集して結晶性が低い。
【0022】
一方、図1(b)に示した本発明のSiCインゴット1及びそのSiCウェハ10は、同じセンスの螺旋転位6同士は、お互いの反発力の働きによって、十分な間隔を保って分散し、均一性の高い良好な結晶となる。
【0023】
図2を用いて、上述したSiCインゴット1及びSiCウェハ10の製造方法について説明する。SiCインゴット1の製造方法は、第1工程と第2工程を備えている。
【0024】
第1工程では、図2(a)に示したマイクロパイプ5を有する種結晶2の一方面側に、ガス法(高温CVD法)により、図2(b)に示したバッファー層3を形成させる。バッファー層3の厚さとしては、少なくとも100μm以上、好ましくは1mm以上形成することが好ましい。ガス法は、数mm/hの成長レートがあるため、CVD法に比較して短時間に厚い結晶(バッファー層やバルク結晶)を形成することが可能である。
【0025】
第1工程のガス法で用いる原料ガスは、SiCを成長させる組成を有しており、一例としては、Si系の反応種としてSiH、炭素系の反応種としてC、キャリアガスとしてHやAr等の各種ガスが混合されたものを用いることができる。原料ガスに含まれるC/Si比としては、0.9以下とし、さらには0.5以上0.9以下とすることが好ましい。また、バッファー層3の形成中においてC/Si比は固定としてもよいし、変化させてもよい。
【0026】
第1工程のガス法における原料ガスの圧力は、1.013×10Pa以上1.013×10Pa以下とする。また原料ガスの温度は2400℃以上とし、さらには2400℃以上2600℃以下とすることが好ましい。
【0027】
このような第1工程によれば、Siリッチな原料ガスにより形成したバッファー層3により種結晶2のマイクロパイプが閉塞し、凝集した複数の螺旋転位6に分解される。そして、高温かつ速い結晶成長速度で成長させるガス法により形成されたバッファー層3では、同じセンスの螺旋転位6同士は、薄膜を形成するCVD法に比較して早く容易に分散する。このため、バッファー層3の厚さを数mm以上成長させると、次に形成するバルク結晶成長層4において、螺旋転位6同士は十分な間隔が保たれた分散具合となり、均一性の高い良好な結晶となる。
【0028】
図2(c)に示すように、第2工程では、バッファー層3の上にバルク結晶成長層4を形成する。バルク結晶成長層4の厚さは特に限定はない。本実施形態では、第1工程と同様にガス法を用いるが、製造条件は、SiC単結晶をバルク成長させるのに適したC/Si比(少なくとも第1工程のC/Si比より大きい)の原料ガスを用いる。圧力及び温度は、第1工程と同様であっても異なる条件でも構わないとする。これによりバルク結晶成長層4においては、同じセンスの螺旋転位6同士の間隔が十分に保たれ、均一性の高い良好な結晶が得られる。
【0029】
一般にガス法は結晶を成長させている最中においてもC/Si比を変更可能である。このため、第2工程では、第1工程と同じガス法を用いるので、原料ガスのC/Si比を変更するだけでよく、効率的にバルク結晶成長層4を形成することができる。なお、第2工程は、ガス法に限定されず、昇華法であってもよい。
このように形成されたSiCインゴット1のバルク結晶成長層4をスライスすることでSiCウェハ10が得られる。SiCウェハ10は螺旋転位6の分散が促進され、均一性の高い良好な結晶を有する。
【0030】
以上に説明したように、本発明のSiCインゴット1は、マイクロパイプ5を有する種結晶2と、バッファー層3と、バルク結晶成長層4と、を備え、バッファー層3及びバルク結晶成長層4は、バッファー層3によって閉塞されたマイクロパイプ5に継続する複数の螺旋転位6を有し、バルク結晶成長層4では同じセンスの複数の螺旋転位6同士の間隔が150μm以上である。このようなSiCインゴット1は、マイクロパイプ5が閉塞され、螺旋転位6が分散した高品質なものである。また、このようなSiCインゴット1から形成されたSiCウェハ10は、マイクロパイプ5が無く、かつ螺旋転位6の分散が促進され、均一性の高い良好な結晶を有するものとなる。
【0031】
また、SiCインゴット1は、バッファー層3の厚さが100μm以上であることが好ましい。これによれば、同じセンスの螺旋転位6同士の間隔が分散し、均一性の高い良好な結晶のSiCインゴット1となる。
【0032】
また、SiCインゴット1は、バッファー層3における炭素原子と珪素原子との原子数比(C/Si比)が0.5以上0.9以下であるSiリッチな条件で形成されたことが好ましい。これによれば、マイクロパイプ5がより確実に閉塞された良質なSiCインゴットとなる。
【0033】
本発明のSiCインゴット1の製造方法は、種結晶2上にバッファー層3を形成する第1工程と、バッファー層3上にバルク結晶成長層4を形成する第2工程とを備える。第1工程では、C/Si比をSiリッチにした原料ガスを用いたガス法により2400℃以上の温度で厚さが100μm以上のバッファー層を形成し、第2工程では、ガス法又は昇華法によりバルク結晶成長層4を形成する。これにより、マイクロパイプ5が閉塞され、螺旋転位6が分散した高品質なSiCインゴット1を製造することができる。また、このようなSiCインゴット1からSiCウェハ10を形成できる。これにより、マイクロパイプ5が無く、かつ螺旋転位6の分散が促進され、均一性の高い良好な結晶を有するSiCウェハ10を製造することができる。
【0034】
また、SiCインゴット1の製造方法は、第2工程において第1工程よりもC/Si比が高い原料ガスを用いたガス法によりバルク結晶成長層4を形成する。第2工程は第1工程と同じガス法である。したがって、C/Si比を変更するだけで連続してバルク結晶成長層4を形成することができるので、効率的にSiCインゴット1を製造することができる。
【符号の説明】
【0035】
1…SiCインゴット、2…種結晶、3…バッファー層、4…バルク結晶成長層、5…マイクロパイプ、6…螺旋転位、10…SiCウェハ
図1
図2