(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090557
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】取付広告具
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20230622BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230622BHJP
G09F 3/03 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G09F3/02 Z
G09F3/10 B
G09F3/03 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205579
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】鍋谷 太志
(57)【要約】
【課題】被接着体の形状により適応する取付広告具を提供する
【解決手段】収容部上面及び収容部側面を含む収容部を有する容器における、前記収容部側面の上部の少なくとも一部に接着可能な第1接着部と、前記第1接着部の一部から延在し、前記収容部上面に接着可能な第2接着部と、前記第1接着部の前記一部とは異なる部分から延在し、前記容器に接着しているときに前記収容部側面から前記収容部の中心軸線方向に向けて突出する表示部と、を備える取付広告具を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部上面及び収容部側面を含む収容部を有する容器における、前記収容部側面の上部の少なくとも一部に接着可能な第1接着部と、
前記第1接着部の一部から延在し、前記収容部上面に接着可能な第2接着部と、
前記第1接着部の前記一部とは異なる部分から延在し、前記容器に接着しているときに前記収容部側面から前記収容部の中心軸線方向に向けて突出する表示部と、
を備える
取付広告具。
【請求項2】
前記容器が、前記収容部上面に装着可能な装着部と、可動部と、を含むヘッド部を有し、
前記第2接着部が、前記ヘッド部の前記装着部のみに、更に接着可能である、請求項1に記載の取付広告具。
【請求項3】
前記容器の前記ヘッド部の前記装着部は円筒形状である、請求項2に記載の取付広告具。
【請求項4】
前記第2接着部に、前記第2接着部の少なくとも一部を横切る1つ以上のミシン目が形成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の取付広告具。
【請求項5】
前記ミシン目が複数形成され、前記ミシン目のうち、前記第1接着部からもっとも離れたミシン目の端部に、前記ミシン目の他の部分よりも長い切り目が形成される、請求項4に記載に記載の取付広告具。
【請求項6】
前記第1接着部の前記一部が、前記第1接着部の端部である、請求項1~5のいずれか一項に記載の取付広告具。
【請求項7】
前記第2接着部が細長形状である、請求項1~6のいずれか一項に記載の取付広告具。
【請求項8】
容器に接着可能な取付広告具であり、
前記容器に接着可能な第1接着部と、
前記第1接着部の一部から、平面視で前記第1接着部の一方側の外側へ延在し、前記容器に接着可能な第2接着部と、
前記第1接着部の前記一部とは異なる部分から、平面視で前記第1接着部の前記一方側の外側へ延在する表示部と、
を備える、取付広告具。
【請求項9】
前記表示部は矩形状である、請求項8に記載の取付広告具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取付広告具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるような、POP広告(購買時点広告)機能を有し、被接着体に接着される広告取付具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、被接着体の形状に対して、より適応した取付広告具が求められている。
【0005】
本発明は、被接着体の形状により適応する取付広告具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としての取付広告具は、収容部上面及び収容部側面を含む収容部を有する容器における、前記収容部側面の上部の少なくとも一部に接着可能な第1接着部と、前記第1接着部の一部から延在し、前記収容部上面に接着可能な第2接着部と、前記第1接着部の前記一部とは異なる部分から延在し、前記容器に接着しているときに前記収容部側面から前記収容部の中心軸線方向に向けて突出する表示部と、を備える。
【0007】
本発明の1つの実施形態として、前記容器が、前記収容部上面に装着可能な装着部と、可動部と、を含むヘッド部を有し、前記第2接着部が、前記ヘッド部の前記装着部のみに、更に接着可能である。
【0008】
本発明の1つの実施形態として、前記容器の前記ヘッド部の前記装着部は円筒形状である。
【0009】
本発明の1つの実施形態として、前記第2接着部に、前記第2接着部の少なくとも一部を横切る1つ以上のミシン目が形成される。
【0010】
本発明の1つの実施形態として、前記ミシン目が複数形成され、前記ミシン目のうち、前記第1接着部からもっとも離れたミシン目の端部に、前記ミシン目の他の部分よりも長い切り目が形成される。
【0011】
本発明の1つの実施形態として、前記第1接着部の前記一部が、前記第1接着部の端部である。
【0012】
本発明の1つの実施形態として、前記第2接着部が細長形状である。
【0013】
本発明の第2の態様としての取付広告具は、容器に接着可能な取付広告具であり、前記容器に接着可能な第1接着部と、前記第1接着部の一部から、平面視で前記第1接着部の一方側の外側へ延在し、前記容器に接着可能な第2接着部と、前記第1接着部の前記一部とは異なる部分から、平面視で前記第1接着部の前記一方側の外側へ延在する表示部と、を備える。
【0014】
本発明の1つの実施形態として、前記表示部は矩形状である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、被接着体の形状により適応する取付広告具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態としての取付広告具を、容器に接着した状態で示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す容器に取り付けられる前の取付広告具を示す平面図である。
【
図3】
図2に示す取付広告具において第1接着部及び第2接着部を示す平面図である。
【
図4】
図2において二点鎖線で囲まれた部分を示す拡大平面図である。
【
図5】
図1の容器を表示部の正面から見た図である。
【
図6】本発明に係る取付広告具の変形例としての取付広告具を、容器に接着した状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る取付広告具の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
【0018】
図1は、本発明に係る取付広告具の一実施形態としての取付広告具20が、例えば店頭において、容器10に接着されている状態で示す斜視図である。例えば、取付広告具20は、容器10内へ液体等の内容物が充填された後、容器10が出荷される前に、容器10に接着される。なお、接着された取付広告具20を、後に容器10から剥がすこともできる。
【0019】
容器10は、円筒形状の収容部11を有する。収容部11は、収容部上面11t及び収容部側面11sを含む。ただし、容器は円筒形状以外の形状でもよく、
図6に示すように直方体形状又は楕円筒形状でもよい。
【0020】
本実施形態において、容器10は、収容部上面11tの中心部上に、ヘッド部12を有する。ヘッド部12は、収容部上面11tに装着可能な(
図1では収容部上面11tに装着された)装着部12aと、装着部12aに接続される可動部12mと、を含む。ただし、ヘッド部は可動部を持たなくてもよい。ヘッド部の可動部が店頭等では動かないように固定されていてもよい。容器にヘッド部自体が設けられなくてもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において「装着」とは、後述するネジ留めのように着脱可能に取り付けることと、一体化することとを含む。
【0021】
本実施形態では装着部12aは円筒形状である。装着部12aの内周面はネジ切り加工される。装着部12aの内周面は、収容部上面11tの中央部に形成されネジ切り加工された突出部に、ネジ留めされる。なお、ネジ留め以外の方法で、例えばスナップフィットによって、装着部12aが収容部上面11tに装着されてもよい。
【0022】
本実施形態では、可動部12mは、管部12tを有するポンプヘッドである。可動部12mが押下げられることで、収容部11が収容する液体等の内容物が、ポンプによって吸い上げられ、可動部12mの管部12tの先端部から吐出される。管部12tは屈曲部を有する。
図1では、可動部12mと装着部12aとの間にストッパ13が挟み込まれ、ストッパ13は可動部12mが押下げられることを妨げる。
【0023】
可動部12mは、本実施形態では収容部11の中心軸線Lと一致する回転軸線周りに回転する。この構成により、可動部12mは、収容部11の内容物を所望の方向に吐出し得る。
【0024】
図2は、容器10に接着される前の取付広告具20を示す平面図である。取付広告具20は、例えば樹脂から構成される。取付広告具20は、第1接着部21と、第2接着部22と、表示部23と、を備える。第2接着部22と、表示部23との間には切込み24が形成される。切込み24が形成されているために、第2接着部22は、表示部23とは独立して折り曲げられ得る。
図2に示すように、切込み24の始点(
図2では下端)に湾曲部24cが形成されてもよい。湾曲部24cが設けられることで、第2接着部22が折り曲られる際に、切込み24に沿って取付広告具20が裂けることが妨げられる。
【0025】
取付広告具20の少なくとも一方側に、金属が被覆されてもよい。この構成により、取付広告具20の装飾性が向上され得る。
【0026】
図3を参照して、第1接着部21及び第2接着部22それぞれの一方側、本実施形態では底面側(
図3の裏面側)には、接着剤が塗布される。第1接着部21又は第2接着部22の一部のみに接着剤が塗布されてもよい。着色して図示される表示部23には、接着剤は塗布されない。1つ以上の取付広告具20は、容器10に接着されるまで、台紙等に付着されていてもよい。
【0027】
本実施形態では、第1接着部21は帯状(細長形状)である。
図1に示すように、第1接着部21は容器10の収容部側面11sの上部の少なくとも一部に、本実施形態では当該上部の収容部周方向の半周部分に、接着可能である。
【0028】
第2接着部22は、第1接着部21の一部(本実施形態では第1接着部21の端部)から、平面視(
図2及び
図3の視点)で第1接着部21の一方側(本実施形態では
図2及び
図3の上側)の外側へ延在する。第2接着部22は、先端部に大きな丸みが付けられた細長形状である。
【0029】
図1に示すように、第2接着部22は、収容部上面11tに接着可能である。
図1に示す実施形態では、取付広告具20が、第1接着部21と第2接着部22との間で、山折りに屈曲している。
【0030】
本実施形態では、第2接着部22は、収容部上面11tとヘッド部12の装着部12aとの境界付近で谷折りに屈曲している。本実施形態では、第2接着部22は、ヘッド部12では装着部12aのみに接着可能である。言い換えれば、第2接着部22は、ヘッド部12の可動部12mには接着しない。
【0031】
本実施形態では、収容部側面11sが円筒形状であるため、取付広告具20が収容部側面11sのどの周方向位置に接着されていても、第2接着部22の先端部は、ヘッド部12の装着部12aに接着可能である。そのため、取付広告具20を容器10に接着する作業が容易になり得る。
【0032】
ここで、例えば複数の容器10が並べられて輸送される間に、隣接する容器10の可動部12mの管部12tの先端部同士が衝突して、可動部12mが回転軸線周りに回転等の運動を行う場合がある。収容部側面11s及び可動部12mの両方に取付広告具が接着される構成では、可動部12mの回転等の運動により取付広告具に負荷がかかるおそれがある。これに対し、第2接着部22が可動部12mに接着していないときには、当該運動による取付広告具20への負荷が抑えられる。
【0033】
また、第2接着部22がヘッド部12の装着部12aに接着されていることで、装着部12aが収容部上面11tから外され容器10内に異物が混入される行為が抑制され得る。
【0034】
本実施形態では、第2接着部22がヘッド部12の可動部12mに接着される必要がないため、第2接着部22の長さを短くできる。そのため、コストが削減され、環境負荷が軽減される。
【0035】
1つ以上(本実施形態では3つ)のミシン目25が、第2接着部22に形成されてもよい。ミシン目25は、第2接着部22の幅方向に延びる。言い換えれば、ミシン目25は、第2接着部22の少なくとも一部を横切る。
【0036】
図1に示されるように屈曲する第2接着部22には、第2接着部22の弾性によって、屈曲する前の形状に戻ろうとする力が働くが、第2接着部22がミシン目25又はその近傍で屈曲することで、当該戻ろうとする力を弱め得る。その結果、第2接着部22は、収容部上面11t及びヘッド部12の装着部12aに沿って接着されやすくなり、接着後に剥がれにくくなる。この効果を高める観点から、取付広告具20が容器10に接着されている状態で、ミシン目25が収容部上面11tとヘッド部12の装着部12aとの境界付近に配置されるように、ミシン目25が形成されることが好ましい。
【0037】
また、ミシン目25が形成されている第2接着部22が、ヘッド部12の装着部12aに接着されている状態で、装着部12aを収容部上面11tから外そうとすると、ミシン目25に沿って第2接着部22が破れる。そのため、店員、購入者等は、ミシン目25が破れていないことを見て、装着部12aが収容部上面11tから不正に外されたことが無いことを確認し得る。言い換えれば、ミシン目25は不正開封防止機能を有する。
【0038】
第2接着部22に形成されるミシン目が1本である場合、ミシン目が収容部上面11tとヘッド部12の装着部12aとの境界から離れた状態で、第2接着部22が接着されるおそれがある。これに対し、
図1~
図4では、第2接着部22の長さ方向に離間する複数のミシン目25を設けている。この構成では、取付広告具20を容器10に接着する際の位置決め精度が高くなくても、いずれかのミシン目25が、当該境界付近に配置されてより有効に機能する可能性が高くなる。
【0039】
図4は、
図2において二点鎖線Sで囲まれた部分を示す拡大平面図である。本実施形態では、
図2~
図4に示すように、ミシン目25のうち、第1接着部21からもっとも離れたミシン目25dの両端部に、ミシン目25dの他の部分よりも長い切り目26が形成される。なお、他のミシン目に切り目が形成されてもよい。また、ミシン目のいずれか一方の端部のみに切り目が形成されてもよい。ミシン目は設けず切り目だけを第1接着部の幅方向端部に形成してもよい。
【0040】
ミシン目25dの端部に切り目26を設けることによって、第2接着部22が装着部12a及び収容部上面11tの表面に沿って接着されやすくなる。この効果は、装着部12aが円筒形状の場合に特に有効である。また、ミシン目25dの端部に切り目26を設けることによって、装着部12aが収容部上面11tから外されようとするときに、ミシン目25に沿って第2接着部22がより破れやすくなる。
【0041】
図2及び3に示されるように、表示部23は、第2接着部22の起点となる部分とは異なる、第1接着部21の一部から(第1接着部21の一方側の端部以外の部分から)、平面視(
図2及び
図3の視点)で第1接着部21の一方側(
図2及び
図3の上側)の外側へ延在する。本実施形態では、表示部23は角部に丸みが付けられた矩形状である。なお、表示部は当該外側に向けて幅狭となってもよい。
【0042】
図5は、
図1の容器10の表示部23の正面を見た図である。
図1及び
図5に示されるように、表示部23は、取付広告具20が容器10に接着されているときに、収容部側面11sの上部の収容部周方向の半周部分から、収容部11の中心軸線Lの方向(
図1及び
図5の上方)に向けて突出する。半周部分から突出する表示部23を設けることで、より多くの情報が表示され得る。また、ここでいう収容部11の中心軸線Lとは、収容部11の重心と収容部上面11tの中心とを結ぶ線をいう。また、「中心軸線方向に向けて突出する表示部」とは、表示部23が突出する方向が、中心軸線Lの方向に対して、完全に一致していなくてもよく、例えば30°以下の角度があってもよい。
【0043】
表示部23の上縁の高さは、取付広告具20が容器10に接着されているときに、表示部23が可動部12mの管部12tと接触しないように設計され得る。
【0044】
表示部23の特に外側の面には、容器10の内容物の説明、広告等の表示23dが設けられる。表示23dは、画像を含んでもよい。
【0045】
上述したように、表示部23には接着剤が塗布されていない。
【0046】
図6は、本発明に係る取付広告具の変形例としての取付広告具120が、例えば店頭において、
図1とは形状が一部異なる容器110に接着されている状態で示す斜視図である。以下、取付広告具20と同じ構成、又は容器10と同じ構成は再度説明されず、異なる構成が説明される。
【0047】
容器110は、直方体形状の収容部111を有する。収容部11は、収容部上面111t及び4つの収容部側面(
図6には2つの収容部側面111s1及び111s2が図示される)を含む。
【0048】
取付広告具120の第1接着部121には、ミシン目127が形成される。ミシン目127は、第1接着部121が接着しているときに、収容部側面111s1と111s2との境界上に位置するように形成される。このようなミシン目127が形成されることで、第1接着部121が容器110の収容部側面111s1及び111s2にわたって、屈曲され接着されるときに、第1接着部121の弾性によって屈曲する前の形状に戻ろうとする力を弱め得る。その結果、第1接着部121は、収容部側面111s1及び111s2に接着されやすくなる。ミシン目127に代えて、スリット等が取付広告具120に形成されてもよい。
【0049】
取付広告具120の第2接着部22は、接着時に、収容部側面111s1の幅方向中心上に位置する。第2接着部22の一部(本実施形態では先端部)は、ヘッド部12の装着部12aに接着可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は取付広告具に関する。
【符号の説明】
【0051】
10、110:容器
11、111:収容部
11s、111s1:収容部側面
11t、111t:収容部上面
12:ヘッド部
12a:装着部
12t:管部
12tc:屈曲部
13:ストッパ
20、120:取付広告具
21、121:第1接着部
22、122:第2接着部
23:表示部
23d:表示
24:切込み
24c:湾曲部
25、25d:ミシン目
26:切り目
127:ミシン目
L:中心軸線
S:二点鎖線