(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090925
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームシステム及びゲームサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20230622BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20230622BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/69
A63F13/69 510
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077822
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2021164918の分割
【原出願日】2017-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】講元 大輔
(72)【発明者】
【氏名】清水 正太
(72)【発明者】
【氏名】田中 耀平
(72)【発明者】
【氏名】内藤 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】杉山 潤
(57)【要約】
【課題】プレーヤが時間経過に応じた自動回復の機会を得易くすることが可能なゲームシステム等を提供すること。
【解決手段】ゲームシステムは、ゲームの進行に応じて第1のパラメータを減少させるゲーム進行制御部と、時間経過に応じて所定の上限値を限度として第1のパラメータを増加させるとともに、所定の回復条件が満たされた場合に、回復条件に関連付けられた回復値に応じて上限値を限度として第1のパラメータを増加させる回復制御部とを含み、回復制御部は、第1のパラメータの現在値に回復値を加算した加算値が上限値を上回る場合に、加算値と上限値との差分に応じて第2のパラメータを更新し、第2のパラメータが所定の付与条件を満たした場合に、所定の報酬をプレーヤに付与する報酬付与部を更に含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するためのプログラムであって、
前記ゲームの進行に応じて第1のパラメータを減少させるゲーム進行制御部と、
時間経過に応じて所定の上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させるとともに、プレーヤの操作に応じて、前記第1のパラメータを回復させるための回復アイテムが消費された場合に、所定の回復条件が満たされたと判断して、前記回復条件に関連付けられた回復値に応じて前記上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させる回復制御部と、
前記第1のパラメータの現在値に前記回復値を加算した加算値が前記上限値を上回る場合に、前記加算値と前記上限値との差分に基づいて、前記回復アイテム以外のアイテムであって、前記第1のパラメータを回復させる以外の用途に使用することが可能なアイテムを、所定の報酬としてプレーヤに付与する報酬付与部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記報酬付与部は、
プレーヤに付与するアイテムを複数のアイテムの中から抽選により決定することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記ゲームの進行に応じて第1のパラメータを減少させるゲーム進行制御部と、
時間経過に応じて所定の上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させるとともに、プレーヤの操作に応じて、前記第1のパラメータを回復させるための回復アイテムが消費された場合に、所定の回復条件が満たされたと判断して、前記回復条件に関連付けられた回復値に応じて前記上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させる回復制御部と、
前記第1のパラメータの現在値に前記回復値を加算した加算値が前記上限値を上回る場合に、前記加算値と前記上限値との差分に基づいて、前記回復アイテム以外のアイテムであって、前記第1のパラメータを回復させる以外の用途に使用することが可能なアイテムを、所定の報酬としてプレーヤに付与する報酬付与部とを含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
ゲームを実行するサーバが、端末からの要求に応じてゲームサービスを提供するゲームサービス提供方法であって、
前記サーバが、
前記ゲームの進行に応じて第1のパラメータを減少させるゲーム進行制御部と、
時間経過に応じて所定の上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させるとともに、プレーヤの操作に応じて、前記第1のパラメータを回復させるための回復アイテムが消費された場合に、所定の回復条件が満たされたと判断して、前記回復条件に関連付けられた回復値に応じて前記上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させる回復制御部と、
前記第1のパラメータの現在値に前記回復値を加算した加算値が前記上限値を上回る場合に、前記加算値と前記上限値との差分に基づいて、前記回復アイテム以外のアイテムであって、前記第1のパラメータを回復させる以外の用途に使用することが可能なアイテムを、所定の報酬としてプレーヤに付与する報酬付与部とを含む場合において、
前記端末において受け付けられた前記ゲームを進行させるための入力情報を前記サーバに送信することを特徴とするゲームサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、「SNS」という。)と呼ばれる、コミュニティ型のサービスをユーザに提供するサーバシステムが知られている。このようなサーバシステムでは、オンラインゲーム(ソーシャルゲーム)がユーザに提供されている。
【0003】
このようなサーバシステムで提供されるソーシャルゲームには、ゲームパラメータとして「行動ポイント」と呼ばれるポイントをプレーヤに付与し、当該ポイントを消費しながらプレーヤキャラクタになんらかの行動をさせてゲームを進行するものが知られている。行動ポイントの残量がゲームの進行に必要な消費量未満になると、プレーヤキャラクタに行動させることができなくなるが、時間経過に応じて所定の上限値を限度として自動回復する機能がある。また、回復アイテムを使用(消費)して、所定の上限値を限度として行動ポイントを回復することもできる。また、このようなソーシャルゲームには、所定の上限値を超えて行動ポイントを回復することを許容するものがある(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所定の上限値を超えて行動ポイントを回復することが可能なソーシャルゲームでは、行動ポイントが上限値を超えている場合、時間経過に応じて行動ポイントが自動回復することはなく、行動ポイントが上限値未満となるまで、プレーヤは時間経過に応じた自動回復の機会を得ることができなかった。
【0006】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレーヤが時間経過に応じた自動回復の機会を得易くすることが可能なプログラム及びゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、ゲームを実行するためのプログラムであって、前記ゲームの進行に応じて第1のパラメータを減少させるゲーム進行制御部と、時間経過に応じて所定の上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させるとともに、所定の回復条件が満たされた場合に、前記回復条件に関連付けられた回復値に応じて前記上限値を限度として前記第1のパラメータを増加させる回復制御部としてコンピュータを機能させ、前記回復制御部は、前記第1のパラメータの現在値に前記回復値を加算した加算値が前記上限値を上回る場合に、前記加算値と前記上限値との差分に応じて第2のパラメータを更新し、前記第2のパラメータが所定の付与条件を満たした場合に、所定の報酬をプレーヤに付与する報酬付与部として更にコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また本発明は、上記各部を含むゲームシステムに関する。
【0008】
本発明によれば、第1のパラメータの現在値に回復値を加算した加算値が上限値を上回る場合であっても、第1のパラメータが上限値を超えることはなく、加算値と上限値との差分に応じて第2のパラメータが更新され、第2のパラメータが所定の付与条件を満たした場合に、所定の報酬がプレーヤに付与される。従って、本発明によれば、プレーヤが時間経過に応じた第1のパラメータの回復(自動回復)の機会を得易くすることができる。
【0009】
(2)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記回復制御部は、プレーヤの操作に応じて、前記第1のパラメータを回復させるための回復アイテムが消費された場合に、前記回復条件が満たされたと判断してもよい。
【0010】
本発明によれば、プレーヤが回復アイテムを消費した結果、加算値が上限値を上回る場合であっても、第1のパラメータが上限値を超えることはなく、加算値と上限値との差分に応じて第2のパラメータが更新されるため、プレーヤが時間経過に応じた第1のパラメータの回復の機会を得易くすることができる。
【0011】
(3)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記回復制御部は、プレーヤのレベルが上がった場合に、前記回復条件が満たされたと判断してもよい。
【0012】
本発明によれば、プレーヤのレベルが上がった結果、加算値が上限値を上回る場合であっても、第1のパラメータが上限値を超えることはなく、加算値と上限値との差分に応じて第2のパラメータが更新されるため、プレーヤが第1のパラメータの自動回復の機会を得易くすることができる。
【0013】
(4)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記報酬付与部は、前記第2のパラメータが所定値に達した場合に、前記付与条件が満たされたと判断してもよい。
【0014】
本発明によれば、プレーヤは、第2のパラメータが所定値に達した場合に、所定の報酬を得ることができる。
【0015】
(5)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記報酬付与部は、前記第2のパラメータが所定値に達した後、所定の課金アイテムが消費された場合又は所定時間が経過した場合に、前記付与条件が満たされたと判断してもよい。
【0016】
本発明によれば、プレーヤは、第2のパラメータが所定値に達した後、所定の課金アイテムを消費するか所定時間が経過した場合に、所定の報酬を得ることができる。
【0017】
(6)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記報酬付与部は、前記第2のパラメータが複数の所定値のいずれかに達した後、プレーヤが所定の操作を行った場合に、前記付与条件が満たされたと判断してもよい。
【0018】
本発明によれば、所定の報酬を得るタイミングをプレーヤ自身が選択することができる。
【0019】
(7)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記所定の報酬は、前記第1のパラメータを回復させるための回復アイテムであってもよい。
【0020】
本発明によれば、第2のパラメータが所定の付与条件を満たすことで、第1のパラメータを回復させるための回復アイテムを得ることができる。
【0021】
(8)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記報酬付与部は、プレーヤに付与するアイテムを複数のアイテムの中から抽選により決定してもよい。
【0022】
(9)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記第1のパラメータを示す第1のゲージと前記第2のパラメータを示す第2のゲージとをゲーム画面に表示させる制御を行う表示制御部として更にコンピュータを機能させてもよい。
【0023】
本発明によれば、第1のパラメータと第2のパラメータをプレーヤに把握させることができる。
【0024】
(10)また本発明に係るプログラム、情報記憶媒体及びゲームシステムでは、前記表示制御部は、前記第1のゲージと前記第2のゲージとを並べて表示させてもよい。
【0025】
本発明によれば、第1のパラメータと第2のパラメータをプレーヤに把握させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態のゲームシステムを示す図である。
【
図2】本実施形態のサーバの機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図4】端末の表示部に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図5】第1のゲージと第2のゲージの一例を示す図である。
【
図6】第1のゲージと第2のゲージの他の例を示す図である。
【
図7】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0028】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0029】
サーバ20は、複数のユーザ(プレーヤ)間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であり、本実施形態ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるコミュニティ型のサービスを提供するサーバである。つまり、サーバ20は、ユーザの情報(ユーザ名、日記、掲示情報、ゲームフィールドの状況など)をログインしたユーザだけでなく、当該ユーザとフレンド関係にある他のユーザにも送信し、ユーザ間でコミュニケーションを図るようにしている。サーバ20は、会員登録を行ったユーザに限定してサービスを提供するようにしてもよい。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0030】
また、本実施形態のサーバ20は、端末10からの要求に応じて、オンラインゲームサービス(ソーシャルゲーム)を提供する。つまり、ユーザの端末10からの要求に応じて
端末10の入力情報(端末10に備わるタッチパネル、ボタン、キーボード、マウス等の入力部で入力された情報)をネットワークを介してサーバ20に送信し、サーバ20では受信した入力情報に基づいてゲーム演算処理を行う。そして、ゲーム演算処理結果(ゲーム画像の画像データ、ゲーム画像を生成するために用いる各種データ)をネットワークを介して端末10に送信し、端末10では受信したゲーム演算処理結果に基づきゲーム画像を端末10の表示部に表示させる処理を行う。
【0031】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0032】
図2に本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0033】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0034】
格納部272は、本実施形態のゲームシステムで実行されるオンラインゲームに参加する複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のプレーヤそれぞれのプレーヤの識別情報に対応づけて、プレーヤ名(プレーヤアカウント)、プレーヤパスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のプレーヤを特定するための情報を、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤの識別情報に対応づけて、プレーヤが保有するキャラクタに関する情報やアイテムに関する情報、プレーヤのゲームパラメータ(第1のパラメータ、第2のパラメータ)の情報、プレーヤのレベル(ゲームレベル、ランク)の情報を、プレーヤ情報として格納する。
【0035】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0036】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ(入力情報等)、プログラムなどに基づいて、プレーヤ情報(アカウント情報、プレーヤが保有するゲーム媒体の情報等)の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、ゲーム進行制御部210、回復制御部212、画像生成部220、音生成部230を含む。
【0037】
ゲーム進行制御部210は、ゲームを進行させるための操作入力(入力情報)を端末10から受信した場合に、当該端末10のプレーヤの第1のパラメータからゲーム進行に応じた消費値(ゲーム進行と引き換えに消費される消費値)を減算して当該ゲームを進行させる制御を行う。ゲームを進行させる制御とは、例えば、ゲーム空間においてプレーヤキャラクタに所与の行動を実行させる制御や、ゲーム空間に敵キャラクタやアイテムを出現させる制御、プレーヤが選択したゲームステージを当該プレーヤに対しプレイ可能にさせ
る制御等をいう。また、ゲーム進行制御部210は、第1のパラメータが所定値(ゲーム進行に応じた消費値)を下回った場合には、ゲームの進行を停止させる(ゲームの進行を許容しない)。
【0038】
回復制御部212は、時間経過に応じて第1のパラメータを所定の上限値を限度として増加させる。また、回復制御部212は、所定の回復条件が満たされた場合に、前記回復条件に関連付けられた回復値に応じて、第1のパラメータを前記上限値を限度として増加させる。より詳細には、回復制御部212は、プレーヤの操作に応じて所定の回復アイテム(第1のパラメータを回復するためのアイテム)が使用(消費)された場合に、前記回復条件が満たされたと判断して、当該回復アイテムに関連付けられた回復値に応じて第1のパラメータを増加させる。また、回復制御部212は、プレーヤのレベルが上がった場合に、前記回復条件が満たされたと判断して、当該レベルに関連付けられた回復値に応じて第1のパラメータを増加させる。
【0039】
また、回復制御部212は、第1のパラメータの現在値に前記回復値を加算した加算値が前記上限値を上回る場合には、前記加算値と前記上限値との差分に応じて第2のパラメータを更新(増加)させる。このとき、第1のパラメータは前記上限値まで増加する。
【0040】
報酬付与部214は、第2のパラメータが所定の付与条件を満たした場合に、所定の報酬(例えば、前記回復アイテム、仮想通貨として使用可能なアイテム)をプレーヤに付与する。例えば、第2のパラメータが所定値(例えば、第2のパラメータの上限値)に達した場合に、前記付与条件が満たされたと判断する。また、第2のパラメータが所定値に達した後、プレーヤによって所定の課金アイテムが消費された場合又は所定時間が経過した場合に、前記付与条件が満たされたと判断してもよい。また、第2のパラメータが複数(複数段階)の所定値のいずれに達した後、プレーヤが所定の操作を行った場合に、前記付与条件が満たされたと判断してもよい。また、報酬付与部214は、プレーヤに付与するアイテムを複数のアイテムの中から抽選により(ランダムに)決定してもよい。
【0041】
表示制御部216は、第1のパラメータの現在値及び上限値を示す第1のゲージと第2のパラメータの現在値及び上限値を示す第2のゲージとをゲーム画面(端末10の表示部に表示されるゲーム画面)に表示させる制御を行う。表示制御部216は、前記第1のゲージと前記第2のゲージとを並べて(隣接して)表示させてもよい。
【0042】
画像生成部220は、処理部200で行われる処理の結果に基づいて、ゲーム画像を生成するための画像生成用データを生成する。生成された画像生成用データは、処理部200によって、通信部296を介して各端末10に送信される。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各情報処理端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各情報処理端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。
【0043】
音生成部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいてゲーム音を生成するための音生成用データを生成する。生成された音生成用データは、処理部200によって、通信部296を介して各端末10に送信される。
【0044】
図3に本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の端末は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0045】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現
することができる。
【0046】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0047】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはCRTなどのディスプレイにより実現できる。
【0048】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0049】
通信部196はサーバ20との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0050】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、通信制御処理、画像生成処理、音生成処理などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0051】
処理部100は、通信制御部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0052】
通信制御部110は、入力部150からの入力情報をサーバ20に送信し、サーバ20からの画像生成用データと音生成用データとを受信する処理を行う。画像生成部120は、サーバ20から受信した画像生成用データに基づきゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。また、音生成部130は、サーバ20から受信した音生成用データに基づきBGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0053】
なお、端末10の処理部100が、サーバ20から送信された(ダウンロードした)プログラムに基づき各種ゲーム処理(入力情報に基づきゲームを進行させる処理、ゲーム画像を生成する処理)を行い、サーバ20が、端末10から送信されたゲーム結果データに基づいて、所定のパラメータの減算、回復処理及び報酬付与処理等を行って、格納部272のプレーヤ情報において各プレーヤに対応付けられた各種データ(第1及び第2のパラメータ、使用或いは付与されたアイテム等に関するデータ)の更新処理を行うように構成してもよい。
【0054】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
【0055】
本実施形態のゲームシステムでは、プレーヤにはゲームパラメータとして第1のパラメータ(行動パラメータ)と第2のパラメータが設定されている。第1のパラメータと第2のパラメータにはそれぞれ上限値が設定されている。第1のパラメータの上限値VL1は、プレーヤのレベルに応じて決定され、プレーヤのレベルが高いほど上限値VL1も高くなる。第2のパラメータの上限値VL2は固定値であるが、上限値VL1と同様に、プレーヤのレベルに応じて決定してもよい。
【0056】
プレーヤがゲームを進行させるための操作入力を行うと、第1のパラメータからゲーム進行に応じた消費値が減算されて当該ゲームが進行する(ゲーム進行が許容される)。例
えば、ゲームステージに消費値が設定されている場合、プレーヤがゲームステージを選択する操作を行うと、第1のパラメータから当該ゲームステージに設定された消費値が減算されて当該ゲームステージがプレイ可能になる。また、第1のパラメータは、時間経過とともに上限値VL1を限度として自動的に回復(増加する)。
【0057】
また、プレーヤが所定の回復アイテムを使用(消費)した場合、第1のパラメータは、当該回復アイテムに関連付けられた回復値に応じて、上限値VL1を限度として回復する。また、プレーヤのレベルが上がった場合も、レベルアップ時のレベルに関連付けられた回復値に応じて、第1のパラメータは上限値VL1を限度として回復する。レベルに関連付けられた回復値は、当該レベルに応じて決定される上限値VL1である。
【0058】
ここで、第1のパラメータの現在値に回復値を加算した加算値VAが上限値VL1を上回る場合には、加算値VAと上限値VL1との差分(VL1-VA)だけ第2のパラメータが増加する。このとき、第1のパラメータは上限値VL1まで回復する(上限値VL1と現在値との差分だけ増加する)。
【0059】
図4に、端末10の表示部190(タッチパネル)に表示されるゲーム画面の一例を示す。ゲーム画面GIには、第1のパラメータを示す第1のゲージGA1と第2のパラメータを示す第2のゲージGA2が表示される。第1のゲージGA1と第2のゲージGA2は、ゲーム画面GIにおいて互いに隣接(ここでは、左右方向に隣接)して表示される。
【0060】
図5に、第1のゲージGA1と第2のゲージGA1の例を示す。
図5(A)に示す例では、第1のゲージGA1は、第1のパラメータの現在値が「80」であり上限値VL1が「100」であることを示しており、第2のゲージGA2は、第2のパラメータの現在値が「0」であり上限値VL2が「100」であることを示している。
【0061】
図5(A)に示す例において、例えば、プレーヤが回復値「50」の回復アイテムを使用した場合、第1のパラメータの現在値「80」に回復値「50」を加算した加算値「130」が上限値「100」を超える。そのため、
図5(B)に示すように、第1のパラメータが上限値「100」まで回復するとともに、第2のパラメータが、加算値「130」と上限値「100」との差分「30」だけ増加して「30」となる。
【0062】
その後、
図5(C)に示すように、ゲームの進行に応じて第1のパラメータが「70」まで減少したとする。なお、第2のパラメータはゲーム進行によって減少しないため「30」のままである。
図5(C)に示す例において、例えばプレーヤのレベルが上がった場合、第1のパラメータの現在値「70」に回復値「100」(レベルアップ時の上限値VL1に相当する回復値)を加算した加算値「170」が上限値「100」を超える。そのため、
図5(D)に示すように、第1のパラメータが上限値「100」まで回復するとともに、第2のパラメータが、加算値「170」と上限値「100」との差分「70」だけ増加して「100」となる。
【0063】
図5(D)に示すように、第2のパラメータが上限値VL2に達すると、所定の付与条件が満たされ、回復アイテムが付与される。このとき、第2のパラメータはリセットされる(「0」にセットされる)。プレーヤに付与される回復アイテムには、回復値として上限値VL2と同一の値(ここでは、「100」)が設定されている。なお、プレーヤに付与する回復アイテムの回復値は任意の値とすることができ、当該回復値を抽選で(ランダムに)決定してもよい。
【0064】
従来のゲームシステムでは、回復アイテムを使用することで行動パラメータを所定の上限値を限度として回復させるとき、行動パラメータの現在値に回復アイテムの回復値を加
算した加算値が上限値を上回る場合、加算値と上限値との差分が無駄になってしまうため、プレーヤは回復アイテムの使用を躊躇してしまう。この問題を解決するための手法として、上限値を超えて行動ポイントを回復することを許容する手法がある。しかし、この手法では、行動ポイントが上限値を超えてから上限値未満に減少するまでの間、プレーヤは時間経過に応じた行動ポイントの自動回復の機会を得ることができないといった問題があった。
【0065】
本実施形態のゲームシステムによれば、第1のパラメータの現在値に回復値を加算した加算値VAが上限値VL1を上回る場合であっても、加算値VAと上限値VL1との差分が無駄にならず、当該差分だけ第2のパラメータが増加し、第2のパラメータが上限値VL2に達すれば回復アイテムが付与されるため、プレーヤは躊躇せずに回復アイテムを使用することができる。また、第1のパラメータが上限値VL1を超えることはないため、プレーヤが時間経過に応じた第1のパラメータの回復(自動回復)の機会を得易くすることができる。また、本実施形態のゲームシステムでは、第1のゲージGA1と第2のゲージGA2がゲーム画面GIにおいて並べて表示されるため、プレーヤは第1のパラメータと第2のパラメータを容易に把握することができる。
【0066】
上記例では、第2のパラメータが上限値VL2(所定値の一例)に達した場合に所定の付与条件が満たされる場合について説明したが、第2のパラメータが上限値VL2に達した後、所定の課金アイテムが消費された場合に付与条件が満たされたと判断してもよいし、第2のパラメータが上限値VL2に達した後、所定時間が経過した場合に付与条件が満たされたと判断してもよい。また、第2のパラメータが複数段階の所定値のいずれかに達した後、プレーヤが所定の操作を行った場合に付与条件が満たされたと判断してもよい。例えば、第2のパラメータが「50」に達した後「80」に達するまでにプレーヤが所定の操作を行った場合には、回復値「50」の回復アイテムをプレーヤに付与し、第2のパラメータが「80」に達した後「100」に達するまでにプレーヤが所定の操作を行った場合には、回復値「80」の回復アイテムをプレーヤに付与し、第2のパラメータが上限値VL2である「100」に達した後にプレーヤが所定の操作を行った場合には、回復値「100」の回復アイテムをプレーヤに付与するようにしてもよい。このようにすると、回復アイテムを得るタイミングをプレーヤ自身が選択することができる。なお、第2のパラメータがいくつであっても、プレーヤが所定の操作を行った場合には、任意の回復値(そのときの第2のパラメータに応じた値でもよいし、ランダムな値でもよいし、固定値でもよい)の回復アイテムをプレーヤに付与するようにしてもよい。
【0067】
また上記例では、第2のパラメータが付与条件を満たした場合に、所定の報酬として回復アイテムをプレーヤに付与する場合について説明したが、プレーヤに付与する報酬は回復アイテムに限られず、第1のパラメータを回復する以外の用途に使用することが可能なアイテムや仮想通貨、所定のポイント等をプレーヤに付与してもよい。例えば、所定の報酬として、いわゆる「ガチャ」を実行するためのアイテム(ガチャチケット)や、仮想通貨として使用可能なアイテムをプレーヤに付与してもよい。また、プレーヤに付与する報酬(アイテム)の種類を抽選により決定してもよい。
【0068】
また、上記説明では、第1及び第2のゲージGA1、GA2として、左右方向に増減する態様のゲージを表示する場合について説明したが、第1及び第2のゲージの態様はこれに限られない。例えば、第1及び第2のゲージGA1、GA2として、
図6(A)に示すように、上下方向に増減する態様のゲージを表示してもよいし、
図6(B)に示すように、円周方向に増減する態様のゲージを表示してもよい。
【0069】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(サーバ20)の処理の一例について
図7のフロー
チャートを用いて説明する。
【0070】
まず、ゲーム進行制御部210は、端末10から、ゲームを進行させるための入力情報を受信したか否かを判断する(ステップS10)。当該入力情報を受信しなかった場合(ステップS10のN)には、ステップS18に移行する。
【0071】
当該入力情報を受信した場合(ステップS10のY)には、ゲーム進行制御部210は、格納部272に格納されたプレーヤ情報を参照して、プレーヤの第1のパラメータの現在値VC1がゲーム進行に応じた消費値以上であるか否かを判断し(ステップS12)、現在値VC1が当該消費値未満である場合(ステップS12のN)には、ステップS18に移行する。第1のパラメータの現在値VC1が消費値以上である場合(ステップS12のY)には、ゲーム進行制御部210は、第1のパラメータから消費値を減算して、プレーヤ情報として格納された第1のパラメータを更新し(ステップS14)、ゲームを進行させる制御を行う(ステップS16)。
【0072】
次に、回復制御部212は、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS18)、所定時間が経過した場合(ステップS18のY)には、第1のパラメータを上限値VL1を限度として所定量増加させ、プレーヤ情報として格納された第1のパラメータを更新する(ステップS20)。
【0073】
次に、回復制御部212は、所定の回復条件が満たされた(端末10から回復アイテムの使用を指示する入力情報を受信した、又は、プレーヤのレベルが上がった)か否かを判断し(ステップS22)、回復条件が満たされていない場合(ステップS22のN)には、ステップS38に移行する。回復条件が満たされた場合(ステップS22のY)には、回復制御部212は、第1のパラメータの現在値Vc1に回復条件に関連付けられた回復値を加算した加算値VAが上限値VL1より大きいか否かを判断し(ステップS24)、加算値VAが上限値VL1以下である場合(ステップS24のN)には、第1のパラメータを回復値だけ増加させ、プレーヤ情報として格納された第1のパラメータを更新し(ステップS26)、ステップS38に移行する。
【0074】
加算値VAが上限値VL1より大きい場合(ステップS24のY)には、回復制御部212は、第1のパラメータを上限値VL1まで増加させ、プレーヤ情報として格納された第1のパラメータを更新し(ステップS28)、第2のパラメータを加算値VAと上限値VL1の差分だけ増加させ、プレーヤ情報として格納された第2のパラメータを更新する(ステップS30)。
【0075】
次に、報酬付与部214は、プレーヤ情報を参照して第2のパラメータの現在値VC2が上限値VL2に達した(所定の付与条件が満たされた)か否かを判断し(ステップS32)、現在値VC2が上限値VL2に達していない場合(ステップS32のN)には、ステップS38に移行する。現在値VC2が上限値VL2に達した場合(ステップS32のY)には、報酬付与部214は、プレーヤに回復アイテムを付与して当該回復アイテムをプレーヤが保有するアイテムとして登録する(ステップS34)。次に、回復制御部212は、第2のパラメータをリセットする(ステップS36)。
【0076】
次に、処理部200は、ゲーム処理を継続するか否かを判断し(ステップS38)、ゲーム処理を継続する場合(ステップS38のY)には、ステップS10に移行する。
【0077】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0078】
10 端末、20 サーバ、100 処理部、110 通信制御部、120 画像生成部、130 音生成部、150 入力部、170 記憶部、190 表示部、192 音出力部、196 通信部、200 処理部、210 ゲーム進行制御部、212 回復制御部、214 報酬付与部、216 表示制御部、220 画像生成部、230 音生成部、270 記憶部、272 格納部、296 通信部