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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091347
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ペット用おむつ
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
A01K23/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206043
(22)【出願日】2021-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小松原 大介
(72)【発明者】
【氏名】小井戸 祐実
(72)【発明者】
【氏名】福元 大地
(57)【要約】
【課題】尿漏れを抑制することができるペット用おむつを提供する。
【解決手段】
一態様のペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向、及び、ペットの腹側から背側を繋ぐ長手方向を有し、且つ、吸水性を有する吸収性コアを含む吸収性本体と、吸収性本体の幅方向の両端縁から外側に延出する一対のファスニングタブと、を備える。吸収性本体には、ペットの尻尾を通す尻尾穴が形成される。吸収性本体は、吸収性コアが配置される中央部と、吸収性コアの端縁から幅方向の外側に張り出す一対の側部とを含む。吸収性コアの幅方向の最大幅は、一対の側部の各々の幅方向の最大幅よりも大きく、吸収性コアのうち一対のファスニングタブの間に位置する領域の少なくとも一部分の幅方向における幅は、尻尾穴に近づくにつれて狭められている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向、及び、前記ペットの腹側から背側を繋ぐ長手方向を有し、且つ、吸水性を有する吸収性コアを含む吸収性本体と、
前記吸収性本体の前記幅方向の両端縁から外側に延出する一対のファスニングタブと、
を備え、
前記吸収性本体には、前記ペットの尻尾を通す尻尾穴が形成され、
前記吸収性本体は、前記吸収性コアが配置される中央部と、前記吸収性コアの端縁から前記幅方向の外側に張り出す一対の側部とを含み、
前記吸収性コアの前記幅方向の最大幅は、前記一対の側部の各々の前記幅方向の最大幅よりも大きく、
前記吸収性コアのうち前記一対のファスニングタブの間に位置する領域の少なくとも一部分の前記幅方向における幅は、前記尻尾穴に近づくにつれて狭められている、ペット用おむつ。
【請求項2】
前記幅方向における前記吸収性本体の最大幅は、前記長手方向における前記吸収性本体の最大長の半分よりも大きい、請求項1に記載のペット用おむつ。
【請求項3】
前記吸収性コアは、前記腹側に配置された腹側端部と、前記背側に配置された背側端部と、前記腹側端部と前記背側端部との間に配置され、前記幅方向において前記腹側端部及び前記背側端部の幅よりも小さな幅を有する括れ部とを含み、
前記括れ部の前記長手方向の長さは、前記吸収性コアの前記長手方向の全長に対して80%以上90%以下である、請求項1又は2に記載のペット用おむつ。
【請求項4】
前記背側端部と前記括れ部との境界部は、前記吸収性本体の前記長手方向の中心線よりも前記背側に位置している、請求項3に記載のペット用おむつ。
【請求項5】
前記長手方向に伸長された状態で前記吸収性本体に固定され、前記長手方向に延在する一対の伸縮部材を更に備え、
前記幅方向における前記吸収性コアの前記領域の幅は、前記幅方向における前記一対の伸縮部材間の距離よりも大きく、
前記吸収性コアの最小幅は、前記幅方向における前記一対の伸縮部材間の距離と同じ、又は、前記一対の伸縮部材間の距離よりも大きい、請求項1~4の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項6】
前記吸収性コアを前記長手方向に三等分した各領域を前記尻尾穴に近い順から背側領域、中間領域及び腹側領域としたときに、前記ペットの肌面側から見た前記背側領域の面積は、前記肌面側から見た前記腹側領域の面積よりも大きい、請求項1~5の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項7】
前記肌面側から見て、前記中間領域の面積は、前記背側領域の面積及び前記腹側領域の面積の面積よりも小さい、請求項6に記載のペット用おむつ。
【請求項8】
前記幅方向における前記吸収性コアの幅は、前記背側領域において最小になっている、請求項6又は7に記載のペット用おむつ。
【請求項9】
前記幅方向における前記吸収性コアの幅は、前記吸収性コアの前記長手方向の中心線よりも前記尻尾穴側の位置において最小になっている、請求項1~8の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項10】
前記一対のファスニングタブよりも前記背側に配置され、前記一対のファスニングタブに係合するターゲット部を更に備え、
前記長手方向における前記一対のファスニングタブの幅は、前記長手方向における前記ターゲット部の幅の3/4以下である、請求項1~9の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項11】
前記一対のファスニングタブよりも前記背側に配置され、前記一対のファスニングタブに係合するターゲット部を更に備え、
前記長手方向における前記一対のファスニングタブの幅は、前記長手方向における前記ターゲット部の幅の1/2以下である、請求項1~9の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項12】
前記吸収性コアの前記背側の端縁は、前記尻尾穴よりも前記腹側に配置されている、請求項1~11の何れか一項に記載のペット用おむつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ペット用おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットに装着するペット用おむつが知られている。例えば、下記特許文献1及び2には、吸収性コアを含むおむつ本体と、おむつ本体の両側縁から幅方向の外方に延びる一対のファスニングタブと、当該一対のファスニングタブに係合するターゲット部とを備えるペット用おむつが開示されている。当該おむつ本体は、吸収性コアが配置された中央部と、吸収性コアの側端縁から幅方向の両側に張り出す一対の側部とを含んでいる。おむつ本体の吸収性コアとターゲット部との間の位置には、ペットの尻尾を通すための尻尾穴が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-85906号公報
【特許文献2】特許第4490080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、子犬、小型犬、猫といった小型動物用のおむつの需要が増加している。小型動物は胴回りが短いので、この種の小型動物用のおむつでは側部の幅が小さく形成されることが一般的である。ここで、側部の幅が吸収性コアの幅よりも小さく形成されている場合には、吸収性コアが側方に張り出すことになるので、歩行時にペットの脚が吸収性コアに対して接触することがある。ペットの脚が吸収性コアに接触すると、ペット用おむつにずれが生じて尿漏れを誘発することがある。一方、ペットの脚と吸収性コアとの干渉を避けるために吸収性コアの幅を小さくすると、尿の吸収性能が低下して尿漏れが発生しやすくなる。
【0005】
したがって、本開示は、尿漏れを抑制することができるペット用おむつを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様のペット用おむつは、ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向、及び、ペットの腹側から背側を繋ぐ長手方向を有し、且つ、吸水性を有する吸収性コアを含む吸収性本体と、吸収性本体の幅方向の両端縁から外側に延出する一対のファスニングタブと、を備える。吸収性本体には、ペットの尻尾を通す尻尾穴が形成される。吸収性本体は、吸収性コアが配置される中央部と、吸収性コアの端縁から幅方向の外側に張り出す一対の側部とを含む。吸収性コアの幅方向の最大幅は、一対の側部の各々の幅方向の最大幅よりも大きく、吸収性コアのうち一対のファスニングタブの間に位置する領域の少なくとも一部分の幅方向における幅は、尻尾穴に近づくにつれて狭められている。
【0007】
本態様のペット用おむつでは、吸収性コアの幅方向の最大幅が一対の側部の各々の幅方向の最大幅よりも大きく形成されているので、吸収性コアにおいて十分に尿を吸収することができる。さらに、吸収性コアのうち一対のファスニングタブの間に位置する領域の少なくとも一部分の幅方向における幅が尻尾穴に近づくにつれて狭められているので、歩行時にペットの脚が吸収性コアに対して接触しにくくなる。したがって、ペット用おむつのずれが起こりにくくなり、尿漏れを抑制することができる。
【0008】
一実施形態では、幅方向における吸収性本体の最大幅は、長手方向における吸収性本体の最大長の半分よりも大きくてもよい。子犬等の小型動物は腹部が膨らんだ体型を有することが多いので、幅方向における吸収性本体の最大幅を相対的に大きくすることにより、小型動物に対するペット用おむつのフィット性を向上させることができる。
【0009】
一実施形態では、吸収性コアは、腹側に配置された腹側端部と、背側に配置された背側端部と、腹側端部と背側端部との間に配置され、幅方向において腹側端部及び背側端部の幅よりも小さな幅を有する括れ部とを含み、括れ部の長手方向の長さは、吸収性コアの長手方向の全長に対して80%以上90%以下であってもよい。本実施形態では、相対的に幅の小さい括れ部の長さが吸収性コアの全長に対して80%以上90%以下を占めているので、歩行時にペットの脚と吸収性コアとが干渉しにくくなる。一方、吸収性コアの腹側端部及び背側端部の幅が相対的に大きくなっているので、吸収性コアの長手方向の端部からの尿漏れを抑制することができる。
【0010】
一実施形態では、背側端部と括れ部との境界部は、吸収性本体の長手方向の中心線よりも背側に位置していてもよい。背側端部と括れ部との境界部を吸収性本体の長手方向の中心線よりも背側に配置することにより、ペットの股下に括れ部が配置されることとなり、ペット用おむつの装着を容易にすることができる。
【0011】
一実施形態では、長手方向に伸長された状態で吸収性本体に固定され、長手方向に延在する一対の伸縮部材を更に備え、幅方向における吸収性コアの領域の幅は、幅方向における一対の伸縮部材間の距離よりも大きく、吸収性コアの最小幅は、幅方向における一対の伸縮部材間の距離と同じ、又は、一対の伸縮部材間の距離よりも大きくてもよい。一対のファスニングタブの間に位置する領域の幅を大きくすることにより、吸収性コアの腹側の端部からの尿漏れを抑制することができる。一方、吸収性コアの最小幅を小さくすることにより、ペット用おむつをペットに装着しやすくなる。
【0012】
一実施形態では、吸収性コアを長手方向に三等分した各領域を尻尾穴に近い順から背側領域、中間領域及び腹側領域としたときに、ペットの肌面側から見た背側領域の面積は、肌面側から見た腹側領域の面積よりも大きくてもよい。背側領域の面積を大きくすることにより、背側領域において尿を効果的に吸収することができるので、尻尾穴からの尿漏れが発生しにくくなる。
【0013】
一実施形態では、肌面側から見て、中間領域の面積は、背側領域の面積及び腹側領域の面積よりも小さくてもよい。中間領域の面積を小さくすることにより、ペット用おむつをペットに装着しやすくなる。
【0014】
一実施形態では、幅方向における吸収性コアの幅は、背側領域において最小になっていてもよい。吸収性コアの背側領域はペットの股下付近に配置されるので、背側領域において吸収性コアの幅を最小にすることにより、ペット用おむつをペットに装着しやすくなる。
【0015】
一実施形態では、幅方向における吸収性コアの幅は、吸収性コアの長手方向の中心線よりも尻尾穴側の位置において最小になっていてもよい。吸収性コアの長手方向の中心線よりも尻尾穴側の位置において吸収性コアの幅を最小にすることにより、吸収性コアの最小幅の部分がペットの股下付近に配置されることとなるので、ペット用おむつをペットに装着しやすくなる。
【0016】
一実施形態では、一対のファスニングタブよりも背側に配置され、一対のファスニングタブに係合するターゲット部を更に備え、長手方向における一対のファスニングタブの幅は、長手方向におけるターゲット部の幅の3/4以下であってもよい。なお、長手方向における一対のファスニングタブの幅は、長手方向におけるターゲット部の幅の1/2以下であってもよい。一対のファスニングタブの幅をターゲット部の幅の3/4以下、又は、1/2以下にすることにより、一対のファスニングタブ同士をペットの胴回り方向に重ねた状態でターゲット部に結合することができる。これにより、ペット用おむつの胴回りの長さを短くすることができるので、胴回りの小さな小型動物にもペット用おむつをフィットさせることができる。
【0017】
一実施形態では、吸収性コアの背側の端縁は、尻尾穴よりも腹側に配置されていてもよい。吸収性コアの背側の端縁が尻尾穴よりも腹側に配置されることにより、尻尾穴の幅方向の両側及び背側には吸収性コアが配置されない領域が形成される。これらの領域は、剛性が低いのでペットの臀部に沿って柔軟に変形する。したがって、ペット用おむつのフィット性が向上し、尻尾穴の端縁とペットの臀部との間に隙間が生じにくくなり、当該隙間からの尿漏れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の種々の態様及び実施形態によれば、尿漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係るペット用おむつを示す平面図である。
図2図1のA-A線に沿った断面図である。
図3】ペット用おむつを装着した状態を示す図である。
図4】吸収性コアの平面図である。
図5】ファスニングタブの止着方法の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0021】
図1は、実施形態に係るペット用おむつを肌面側Z1からから見た平面図である。図2は、図1に示すA-A線に沿ったペット用おむつを模式的に示す断面図である。図1では、皺が形成されない状態までペット用おむつ1を伸長させた伸長状態のペット用おむつ1を示している。以下の説明では、特段の説明がない限り伸長状態における位置関係について説明する。また、図2に示す断面図では、説明の便宜上、各部材を厚み方向Zにおいて離間して示しているが、実際の製品においては厚み方向Zに接している。
【0022】
ペット用おむつ1は、ペットに使用されるおむつである。本明細書において、「ペット」は、脊椎動物や無脊椎動物を広く包含し、典型的には、犬、猫、ウサギ、ハムスターなどの愛玩動物を含む。一実施形態のペット用おむつ1は、子犬、小型犬、猫といった小型動物用のおむつとして特に好適に使用される。図1に示すように、ペット用おむつ1は、ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向X、及び、当該幅方向Xと直交する長手方向Yに延在している。長手方向Yは、ペットの腹側から背側を繋ぐ方向である。厚み方向Zは、幅方向X及び長手方向Yと直交する方向であり、着用状態のときにペットの肌面に向けられる肌面側Z1、及び、着用状態のときにペットの肌面とは反対側に向けられる非肌面側Z2とを含む。図3に示すように、ペット用おむつ1は、ペットの腹側から股下を通って背側まで覆うように装着される。
【0023】
ペット用おむつ1は、吸収性本体2を有している。吸収性本体2は、ペット用おむつ1を着用したペットが排泄した尿を吸収する。吸収性本体2は、表面シート10、裏面シート20及び吸収性コア30を含んでいる。表面シート10は、吸収性本体2においてペットに当てられる面を構成し、肌面側Z1に配置されている。表面シート10は、ペットの尿を吸収性コア30側に透過させる液透過性を有する。表面シート10は、幅方向Xの中央に位置し、吸収性コア30を覆うセンターシート11と、センターシート11の幅方向Xの両側部を覆うサイドシート12とを含んでいる。
【0024】
図2に示すように、幅方向Xにおけるサイドシート12の内側部分は非肌面側Z2に折り返されている。折り返されたサイドシート12の間には、長手方向Yに伸長された状態の伸縮部材13が配置されている。サイドシート12及び伸縮部材13は、防漏ギャザー80を構成する。防漏ギャザー80は、起立性の防漏用ギャザーであり、吸収性コア30よりも肌面側Z1に配置されている。防漏ギャザー80の詳細については、後述する。
【0025】
裏面シート20は、吸収性本体2において着用時に外側に位置する面を構成し、非肌面側Z2に配置されている。裏面シート20は、液不透過性の裏面フィルム21と、裏面フィルム21よりも非肌面側Z2に位置する裏面不織布22とを含んでいる。裏面フィルム21の幅方向Xの長さは、裏面不織布22の幅方向Xの長さよりも短く形成され、裏面不織布22が裏面フィルム21よりも幅方向Xの両側に延出していてもよい。
【0026】
吸収性コア30は、表面シート10と裏面シート20の間に配置されている。吸収性コア30は、例えば吸水性を有する植物由来のパルプ繊維及び高分子吸収剤(SAP)を含み、ペットの尿を吸収する。図2に示すように、吸収性コア30の上面及び下面は、コアラップ38によって覆われていてもよい。吸収性コア30は、吸収性本体2の幅方向Xの略中央に配置されている。幅方向Xにおける吸収性コア30の最大幅W1は、幅方向Xにおける吸収性本体2の最大幅W3よりも短い。
【0027】
吸収性コア30の背側の端縁30Rは、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2よりも背側に配置されている。吸収性コア30の腹側の端縁30Fは、後述する腹側端縁2Fよりも背側に配置されている。すなわち、吸収性コア30の長手方向Yの長さは、吸収性本体2の長手方向Yの全長L1よりも短い。なお、中心線CL2は、後述する吸収性本体2の背側端縁2R及び腹側端縁2Fから等しい距離に位置し、幅方向Xに沿って延在する仮想線である。すなわち、中心線CL2は、ペット用おむつ1を長手方向Yに二つ折りしたときの折り目が形成される部分である。ペット用おむつ1をペットに装着したときに、ペットの排尿口は、吸収性本体2の中心線CL2よりも腹側の領域に当てられる。
【0028】
吸収性本体2は、長手方向Yの腹側に位置する腹側端縁2Fと、長手方向Yの背側に位置する背側端縁2Rとを有している。腹側端縁2Fは着用時に腹側においてペットの胴回り方向に配置され、背側端縁2Rは着用時に背側においてペットの胴回り方向に配置される。腹側端縁2Fと背側端縁2Rとの間の長手方向Yの距離は、吸収性本体2の全長(最大長)L1となる。一実施形態では、幅方向Xにおける吸収性本体2の最大幅W3は、長手方向における吸収性本体2の全長L1の半分よりも大きくてもよい。
【0029】
また、吸収性本体2は、腹側端縁2F側に位置する腹側域51と、背側端縁2R側に位置する背側域52と、長手方向Yにおいて腹側域51と背側域52との間に位置する中間域53とを有している。吸収性本体2の背側域52には、吸収性本体2から幅方向Xの外側に張り出す一対のフラップ部14が形成されている。吸収性本体2の腹側域51には、吸収性本体2から幅方向Xの外側に張り出す一対のフラップ部15が形成されている。一対のフラップ部15は、ペットの後脚を通すための一対の脚回り開口部15sを画成する。幅方向Xにおける一対のフラップ部15の側端縁間の幅は、吸収性本体2の最大幅W3に相当する。
【0030】
一対のフラップ部15には、一対のファスニングタブ90がそれぞれ設けられている。一対のファスニングタブ90は、肌面側Z1から見て幅方向Xに長い長方形状を有し、吸収性本体2の長手方向Yの腹側端縁2Fに近接して配置されている。一対のファスニングタブは、吸収性本体2の側端縁2Sから幅方向Xの外側に延出している。一対のファスニングタブ90の各々は、フラップ部15に接合された基材シート91と、基材シート91上に設けられた接合部92とを有している。接合部92は、ファスニングタブ90の肌面側Z1の面に配置されている。接合部92は、例えばメカニカルファスナであり、吸収性本体2の非肌面側Z2に形成されたターゲット部45に接合可能に構成されている。一実施形態では、吸収性コア30の腹側の端縁30Fは、一対のフラップ部15の間に配置されていてもよい。
【0031】
ターゲット部45は、吸収性本体2の背側域52の非肌面側Z2に設けられている。ターゲット部45は、一対のファスニングタブ90よりも背側端縁2R側に配置され、一対のファスニングタブ90に係合する。なお、吸収性本体2はターゲット部45を備えず、一対のファスニングタブ90の接合部92が裏面シート20の裏面不織布22に直接接合するように構成されてよい。
【0032】
図1に示すように、ターゲット部45は、幅方向Xに延在する帯状の形状を有している。一実施形態では、長手方向Yにおける一対のファスニングタブ90の幅L2は、長手方向Yにおけるターゲット部45の幅L3よりも小さい。例えば、一対のファスニングタブ90の幅L2は、ターゲット部45の幅L3の3/4以下であってもよいし、1/2以下であってもよい。なお、一対のファスニングタブ90の幅L2及びターゲット部45の幅L3とは、一対のファスニングタブ90の長手方向Yの最大幅及びターゲット部45の長手方向Yの最大幅をそれぞれ意味する。
【0033】
吸収性本体2には、尻尾穴70が形成されている。尻尾穴70は、例えば背側に開放された略U字状の切り込みを入れることで吸収性本体2に形成された略舌形状の開口部である。図3に示すように、尻尾穴70には、ペットの尻尾が通される。図1に示すように、尻尾穴70は、長手方向Yにおいて、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2とターゲット部45との間に配置されている。より詳細には、尻尾穴70は、吸収性コア30の背側の端縁30Rよりも背側に配置されている。したがって、幅方向Xにおける尻尾穴70の外側、及び、尻尾穴70の背側には、吸収性コア30が配置されない領域が形成される。
【0034】
尻尾穴70は、吸収性本体2の幅方向Xの中心線CL1上に形成されている。なお、中心線CL1は、幅方向Xにおける吸収性本体2の一対の側端縁2Sから等しい距離に位置し、長手方向Yに沿って延在する仮想線である。なお、尻尾穴70の形状は、略舌形状に限定されず、半円形状、矩形状、台形状、多角形状又は楕円形状を有していてもよい。なお、尻尾穴70は、腹側に開放された略U字状の切り込みを入れることで吸収性本体2に形成された略舌形状の開口部であってもよい。
【0035】
吸収性本体2には、舌片72が形成されている。舌片72は、例えば吸収性本体2に対して切り込み50を入れることで形成されるフラップ状の部材であり、例えば表面シート10及び裏面シート20の一部によって構成されている。舌片72は、折り返されていないときに尻尾穴70に対して重なるように配置されている。舌片72は、尻尾穴70の背側の端縁に連結された基端部72Rと、基端部72Rの反対側に位置する先端部72Fとを有している。舌片72の基端部72Rは、吸収性本体2の中間域53に接続されている。一方、先端部72Fは、吸収性本体2の中間域53に対して非接続であり、遊離している。舌片72の先端部72Fは、舌片72が折り返されていない状態(尻尾穴70に対して重なっている状態)のときに腹側に向けられている。
【0036】
舌片72は、基端部72Rを起点として非肌面側Z2へ折り返されることで尻尾穴70を開口するように構成されている。上述のように、図1に示す実施形態では、舌片72の先端部72Fは腹側に向けられているので、尻尾穴70に尻尾が挿入され、舌片72が基端部72Rを起点として非肌面側Z2に折り返されたときに、舌片72は尻尾の背面側に当接する。
【0037】
サイドシート12には、防漏ギャザー80が形成されている。防漏ギャザー80は、吸収性コア30の幅方向Xの外側に配置され、吸収性コア30に排泄された尿が幅方向Xに漏れることを抑制する。一実施形態では、防漏ギャザー80は、長手方向Yに延在する一対の伸縮部材13と、一対の伸縮部材13の収縮によって起立する起立部81と、幅方向Xにおける起立部81の起立支点となる横固定部82と、長手方向Yにおける起立部81の起立支点となる縦固定部83とを含んでいる。
【0038】
一対の伸縮部材13は、幅方向Xにおけるサイドシート12の内側部分に設けられ、長手方向Yに延在している。一対の伸縮部材13は、例えば長さ方向に収縮可能なゴム又はスパンデックス等の伸縮性材料によって構成されている。一対の伸縮部材13は、吸収性本体2の幅方向Xの中心線CL1を隔てて互いに離間して配置されており、長手方向Yに伸長した状態でサイドシート12に固定されている。例えば、一対の伸縮部材13の腹側の端部は腹側域51に配置され、一対の伸縮部材13の背側の端部は中間域53に配置されている。
【0039】
横固定部82は、サイドシート12のうち起立部81の幅方向Xの外側の位置において吸収性本体2の長手方向Yの略全域に形成されている。すなわち、横固定部82は、幅方向Xにおける吸収性コア30の外側に配置されている。横固定部82は、サイドシート12の一部であり、センターシート11に固定されている。横固定部82は、幅方向Xにおける起立部81の起立支点となる。
【0040】
縦固定部83は、横固定部82に対して幅方向Xの内側の位置において吸収性本体2の腹側及び背側にそれぞれ形成されている。縦固定部83は、サイドシート12の一部であり、センターシート11に固定されている。縦固定部83は、長手方向Yにおける起立部81の起立支点となる。
【0041】
起立部81は、吸収性本体2の腹側及び背側にそれぞれ形成された縦固定部83の間に形成されている。すなわち、起立部81は、横固定部82よりも幅方向Xの内側の位置であって、縦固定部83よりも長手方向Yの内側の位置に配置されている。起立部81は、センターシート11に対して固定されていないサイドシート12の一部分である。起立部81には長手方向Yに伸長された伸縮部材13が接続されている。伸縮部材13が長手方向Yに収縮することによって吸収性本体2が閉じる方向に変形し、起立部81が横固定部82を起点として立ち上がる。このように起立部81が、吸収性コア30を幅方向Xから挟み込む位置において起立することで尿漏れが防止される。
【0042】
ペット用おむつ1は、長さ方向に伸縮可能な一対の伸縮部材40を更に備えていてもよい。図1に示すように、一対の伸縮部材40は、伸縮部材13よりも幅方向Xの外側に配置されている。図1に示す実施形態では、一対の伸縮部材40の腹側の端部は腹側域51に配置され、一対の伸縮部材40の背側の端部は背側域52に配置されている。一対の伸縮部材40は、例えば長さ方向に収縮可能なゴム又はスパンデックス等の伸縮性材料によって構成されており、吸収性本体2の表面シート10と裏面シート20との間で吸収性本体2の側端縁2Sに沿って配置されている。なお、一対の伸縮部材40は、吸収性本体2の表面シート10及び裏面シート20に縫い合わされた状態で長手方向Yに延在していてもよい。ペット用おむつ1が着用されたときに、一対の伸縮部材40が長手方向Yに収縮することにより、吸収性本体2の側端縁2Sが着用者の脚周りにフィットする。
【0043】
図1に示すように、吸収性本体2は、吸収性コア30が配置される中央部24と、吸収性コア30の側端縁30Sから幅方向Xの外側に張り出す一対の側部25とを含む。中央部24は、吸収性本体2のうち厚み方向Zにおいて吸収性コア30に重なる領域である。一対の側部25は、吸収性本体2のうち、吸収性コア30の幅方向Xの側端縁30Sと吸収性本体2の側端縁2Sとの間に配置される一対のフラップ部15を含む領域である。中央部24の幅方向Xの最大幅は、吸収性コア30のX方向の最大幅W1に一致している。吸収性コア30の幅方向Xの最大幅W1は、一対の側部25の各々の幅方向Xの最大幅W2よりも大きい。一対の側部25の各々の幅方向Xの最大幅W2とは、例えば、吸収性コア30の腹側の端縁30Fとフラップ部15の側端縁との間の幅方向Xの距離に相当する。
【0044】
以下、吸収性コア30についてより詳細に説明する。図4は、一実施形態に係る吸収性コア30の平面図である。図4に示すように、吸収性コア30の腹側の端縁30Fは、幅方向Xにおいて幅W1を有している。吸収性コア30の腹側の端縁30Fは、吸収性コア30の最大幅となる部分である。吸収性コア30の背側の端縁30Rは、幅方向Xにおいて幅W5を有している。吸収性コア30の背側の端縁30Rの幅W5は、吸収性コア30の腹側の端縁30Fの幅W1と同じ幅であってもよい。吸収性コア30の腹側の端縁30Fの幅、すなわち幅方向Xにおける吸収性コア30の最大幅W1は、幅方向Xにおける一対の伸縮部材13間の距離13Dよりも大きくなっている。
【0045】
また、図4に示すように、吸収性コア30は、腹側に配置された腹側端部41と、背側に配置された背側端部42と、腹側端部41と背側端部42との間に配置された括れ部43とを含んでいる。腹側端部41は、吸収性コア30の腹側の端縁30Fを含む領域であり、幅方向Xにおいて幅W1を有している。背側端部42は、吸収性コア30の背側の端縁30Rを含む領域であり、幅方向Xにおいて幅W5を有している。すなわち、腹側端部41及び背側端部42は、幅方向Xにおいて一定の幅を有している。括れ部43は、吸収性コア30の幅が狭められた領域である。幅方向Xにおける括れ部43の幅は、括れ部43の全域において腹側端部41の幅W1及び背側端部42の幅W5よりも小さくなっている。
【0046】
括れ部43は、幅方向Xに幅が最も狭められた狭窄部36を含んでいる。狭窄部36の幅W6は、腹側端部41の幅W1及び背側端部42の幅W5よりも小さくなっている。括れ部43の幅は、腹側端部41と括れ部43との境界部から狭窄部36に近づくにつれて連続的又は段階的に狭められている。すなわち、腹側端部41と括れ部43との境界部は、吸収性コア30の括れの起点であるといえる。同様に、括れ部43の幅は、背側端部42と括れ部43との境界部から狭窄部36に近づくにつれて連続的又は段階的に狭められている。すなわち、背側端部42と括れ部43との境界部は、吸収性コア30の括れの起点であるといえる。一実施形態では、幅方向Xにおける吸収性コア30の最小幅、すなわち狭窄部36の幅W6は、一対の伸縮部材13間の距離13Dよりも大きくてもよい。
【0047】
狭窄部36は、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2よりも腹側(端縁30F側)に配置され、吸収性コア30の長手方向Yの中心線30Cよりも背側(尻尾穴70側)に配置されている。中心線30Cは、吸収性コア30の腹側の端縁30Fと背側の端縁30Rから等しい距離に位置し、幅方向Xに沿って延在する仮想線である。したがって、長手方向Yにおいて、狭窄部36は、腹側端部41と括れ部43との境界部よりも背側端部42と括れ部43との境界部に近い位置に形成される。上述した位置に狭窄部36を形成することにより、狭窄部36をペットの股下付近に配置することができる。したがって、ペット用おむつ1の着脱を容易に行うことが可能となる。
【0048】
図4に示すように、腹側端部41と括れ部43との境界部は、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2よりも腹側に位置している。一方、背側端部42と括れ部43との境界部は、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2よりも背側に位置している。括れ部43の長手方向Yの長さは、腹側端部41及び背側端部42の長手方向Yの長さよりも長く形成されている。なお、腹側端部41の長さとは、吸収性コア30の腹側の端縁30Fと、腹側端部41と括れ部43との境界部との間の長手方向Yの距離を表し、背側端部42の長さとは、吸収性コア30の背側の端縁30Rと、背側端部42と括れ部43との境界部との間の長手方向Yの距離を表している。また、括れ部43の長手方向Yの長さとは、腹側端部41と括れ部43との境界部と、背側端部42と括れ部43との境界部との間の長手方向Yの距離を表している。例えば、括れ部43の長さは、吸収性コア30の長手方向Yの全長(すなわち、吸収性コア30の腹側の端縁30Fと背側の端縁30Rとの間の長手方向Yの距離)に対して80%以上90%以下であってもよい。
【0049】
また、背側端部42の長手方向Yの長さは、腹側端部41の長手方向Yの長さよりも長くてもよい。これにより、図4に示すように、吸収性コア30を長手方向Yに三等分した各領域を尻尾穴70に近い順から背側領域31、中間領域32及び腹側領域33としたときに、肌面側Z1から見た背側領域31の面積は、肌面側Z1から見た腹側領域33の面積よりも大きくなっていてもよい。背側領域31の面積を大きくすることにより、背側領域31において尿を効果的に吸収することが可能となり、尻尾穴70からの尿漏れが抑制される。また、肌面側Z1から見た中間領域32の面積は、肌面側Z1から見た背側領域31の面積及び腹側領域33の面積よりも小さくてもよい。中間領域32の面積を小さくすることにより、ペット用おむつ1の着脱が容易になる。
【0050】
なお、吸収性コア30の狭窄部36は、背側領域31に配置されていてもよい。すなわち、幅方向Xにおける吸収性コア30の幅は、背側領域31において最小になっている。
【0051】
図1及び図4に示すように、吸収性コア30は、一対のファスニングタブ90の間に位置する領域(以下、「タブ領域35」という。)を含んでいる。タブ領域35は、腹側端部41と括れ部43との境界部を跨ぐように配置されている。したがって、タブ領域35の腹側の一部は一定の幅W1を有し、タブ領域35の背側の一部は幅W1よりも小さな幅を有している。すなわち、タブ領域35の背側の一部分の幅方向Xにおける幅は、尻尾穴70(背側)に近づくにつれて狭められている。
【0052】
図3は、ペットにペット用おむつ1を装着した状態を示す図である。ペット用おむつ1をペットに装着するときには、まずペットの尻尾を尻尾穴70に通しておむつの非肌面側Z2に出す。このとき、舌片72が非肌面側Z2に折り返されて舌片72が尻尾の背面側に配置される。次いで、吸収性本体2の腹側端縁2Fをペットの腹に当てる。そして、吸収性本体2の長手方向Yの中心線CL2付近をペットの排尿口に当てつつ、吸収性本体2の背側端縁2Rをペットの背部に当てる。次いで、一対のファスニングタブ90を胴回り方向にペットの背中側に引っ張り、吸収性本体2のターゲット部45の外面に一対のファスニングタブ90を止着する。これにより、図3に示すように、ペットの腹、背中、及び股下を覆うようにペット用おむつ1が装着される。
【0053】
このとき、ペットの胴回りが一対のファスニングタブ90の端部間の幅W4(図1参照)よりも大きい場合には、図5(a)に示すように、一対のファスニングタブがペットの胴回り方向に互いに重ならないようにターゲット部45に結合される。一方、ペットの胴回りが一対のファスニングタブ90の端部間の幅W4よりも小さい場合には、図5(b)に示すように、一対のファスニングタブ90がペットの胴回り方向に互いに重なった状態でターゲット部45に結合される。一対のファスニングタブ90をペットの胴回り方向に重ねて配置することにより、ペット用おむつの胴回りの長さが短くなるので、胴回りが非常に小さい小型動物に対してもペット用おむつをフィットさせることができる。
【0054】
ペット用おむつ1の一対の側部25の幅W2が吸収性コア30の最大幅W1よりも小さい場合には、ペット用おむつ1をペットに装着したときに、吸収性コア30が側方に張り出すことになり歩行時にペットの脚が吸収性コア30に接触することがある。これに対し、上述したペット用おむつ1では、幅方向Xにおけるタブ領域35の背側の一部分の幅が尻尾穴70に近づくにつれて狭められているので、ペットの脚が吸収性コア30に対して接触しにくくなる。一方、一対のファスニングタブ90をターゲット部45に接合したときに、吸収性コア30の腹側端部41はペットの腹部に密着するため、ペットの脚に接触しにくい。ペット用おむつ1では、腹側端部41の幅が吸収性本体2の最大幅W1となっているので、ペットの脚が吸収性コア30に干渉することを抑制しつつ、腹側端部41において効果的にペットの尿を吸収することができる。したがって、ペット用おむつ1からの尿漏れを抑制することができる。
【0055】
また、ペット用おむつ1では、長手方向Yにおける一対のファスニングタブ90の幅L2が、長手方向Yにおけるターゲット部の幅L3の3/4以下になっているので、図5(b)に示すように、一対のファスニングタブ90をペットの胴回り方向に重ねた状態でターゲット部45に止着した場合であっても、一対のファスニングタブ90の大部分又は全体をターゲット部45に係合させることができる。したがって、一対のファスニングタブ90がターゲット部45から外れることを抑制しつつ、ペット用おむつ1を小型動物にフィットさせることができる。これにより、ペット用おむつ1のずれ、特に吸収性本体2の腹側端縁2Fがペットの股下側に移動する後ろずれの発生を抑制することができる。
【0056】
また、図4に示すように、吸収性コア30のタブ領域35の幅が、幅方向Xにおける一対の伸縮部材13間の距離13Dよりも大きくなっているので、タブ領域35の剛性によって防漏ギャザー80の起立部81が起立しやすくなる。さらに、吸収性コアの最小幅W6が、一対の伸縮部材13間の距離13D以下になっているので、後脚同士の間隔が短い小型動物にも容易にペット用おむつ1を装着させることができる。
【0057】
以上、種々の実施形態に係るペット用おむつについて説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形態様を構成可能である。すなわち、上述した実施形態は例示説明を目的とするものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに留意すべきである。上述した種々の実施形態は、矛盾のない範囲で組み合わせることが可能である。
【0058】
例えば、図4に示す実施形態では、幅方向Xにおけるタブ領域35の一部の幅が尻尾穴70に近づくにつれて狭められているが、一実施形態では、タブ領域35の長手方向の全域においてタブ領域35の幅が尻尾穴70に近づくにつれて連続的又は段階的に狭められていてもよい。また、吸収性コア30の腹側の端縁30Fは、一対のフラップ部15よりも腹側に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…ペット用おむつ、13…伸縮部材、24…中央部、25…側部、30…吸収性コア、31…背側領域、32…中間領域、33…腹側領域、41…腹側端部、42…背側端部、43…括れ部、45…ターゲット部、70…尻尾穴、90…ファスニングタブ。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向、及び、前記ペットの腹側から背側を繋ぐ長手方向を有し、且つ、吸水性を有する吸収性コアを含む吸収性本体と、
前記吸収性本体の前記幅方向の両端縁から外側に延出する一対のファスニングタブと、を備え、
前記吸収性本体には、前記ペットの尻尾を通す尻尾穴が形成され、
前記吸収性本体は、前記吸収性コアが配置される中央部と、前記吸収性コアの端縁から前記幅方向の外側に張り出す一対の側部とを含み、
前記吸収性コアの前記幅方向の最大幅は、前記一対の側部の各々の前記幅方向の最大幅よりも大きく、
前記吸収性コアは、前記幅方向において一定の幅を有する腹側端部と、前記腹側端部に対して前記背側に配置され、前記幅方向において一定の幅を有する背側端部と、前記腹側端部と前記背側端部との間に配置され、前記幅方向の内側に括れた形状を有する括れ部とを含み、
前記腹側端部と前記括れ部との境界部は、前記一対のファスニングタブの間に位置し、
前記背側端部と前記括れ部との境界部は、前記吸収性本体の前記長手方向の中心線よりも前記背側に位置している、ペット用おむつ。
【請求項2】
前記幅方向における前記吸収性本体の最大幅は、前記長手方向における前記吸収性本体の最大長の半分よりも大きい、請求項1に記載のペット用おむつ。
【請求項3】
記括れ部の前記長手方向の長さは、前記吸収性コアの前記長手方向の全長に対して80%以上90%以下である、請求項1又は2に記載のペット用おむつ。
【請求項4】
前記長手方向に伸長された状態で前記吸収性本体に固定され、前記長手方向に延在する一対の伸縮部材を更に備え、
前記幅方向における前記吸収性コアの前記腹側端部の幅は、前記幅方向における前記一対の伸縮部材間の距離よりも大きく、
前記吸収性コアの最小幅は、前記幅方向における前記一対の伸縮部材間の距離と同じ、又は、前記一対の伸縮部材間の距離よりも大きい、請求項1~の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項5】
前記吸収性コアを前記長手方向に三等分した各領域を前記尻尾穴に近い順から背側領域、中間領域及び腹側領域としたときに、前記ペットの肌面側から見た前記背側領域の面積は、前記肌面側から見た前記腹側領域の面積よりも大きい、請求項1~の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項6】
前記肌面側から見て、前記中間領域の面積は、前記背側領域の面積及び前記腹側領域の面積の面積よりも小さい、請求項に記載のペット用おむつ。
【請求項7】
前記括れ部は、前記幅方向において最も幅が狭められた狭窄部を含み、前記狭窄部は前記背側領域に配置されている、請求項又はに記載のペット用おむつ。
【請求項8】
前記幅方向における前記括れ部の幅は、前記腹側端部と前記括れ部との境界部から前記狭窄部に近づくにつれて狭められ、且つ、前記背側端部と前記括れ部との境界部から前記狭窄部に近づくにつれて狭められている、請求項7に記載のペット用おむつ。
【請求項9】
前記幅方向における前記吸収性コアの幅は、前記吸収性コアの前記長手方向の中心線よりも前記尻尾穴側の位置において最小になっている、請求項1~8の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項10】
前記一対のファスニングタブよりも前記背側に配置され、前記一対のファスニングタブに係合するターゲット部を更に備え、
前記長手方向における前記一対のファスニングタブの幅は、前記長手方向における前記ターゲット部の幅の3/4以下である、請求項1~9の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項11】
前記一対のファスニングタブよりも前記背側に配置され、前記一対のファスニングタブに係合するターゲット部を更に備え、
前記長手方向における前記一対のファスニングタブの幅は、前記長手方向における前記ターゲット部の幅の1/2以下である、請求項1~9の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項12】
前記吸収性コアの前記背側の端縁は、前記尻尾穴よりも前記腹側に配置されている、請求項1~11の何れか一項に記載のペット用おむつ。
【請求項13】
ペットの胴回り方向に沿って配置される幅方向、及び、前記ペットの腹側から背側を繋ぐ長手方向を有し、且つ、吸水性を有する吸収性コアを含む吸収性本体と、
前記吸収性本体の前記幅方向の両端縁から外側に延出する一対のファスニングタブと、を備え、
前記吸収性本体には、前記ペットの尻尾を通す尻尾穴が形成され、
前記吸収性本体は、前記吸収性コアが配置される中央部と、前記吸収性コアの端縁から前記幅方向の外側に張り出す一対の側部とを含み、
前記吸収性コアの前記幅方向の最大幅は、前記一対の側部の各々の前記幅方向の最大幅よりも大きく、
前記吸収性コアは、前記幅方向において一定の幅を有する腹側端部と、前記腹側端部に対して前記背側に配置され、前記幅方向において一定の幅を有する背側端部と、前記腹側端部と前記背側端部との間に配置され、前記幅方向の内側に括れた形状を有する括れ部とを含み、
前記括れ部は、前記一対のファスニングタブの間に位置する領域、及び、前記吸収性本体の前記長手方向の中心線よりも前記背側に位置する領域を含み、
前記吸収性コアを前記長手方向に三等分した各領域を前記尻尾穴に近い順から背側領域、中間領域及び腹側領域としたときに、前記ペットの肌面側から見た前記背側領域の面積は、前記肌面側から見た前記腹側領域の面積よりも大きい、ペット用おむつ。