(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091348
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/44 20060101AFI20230623BHJP
B65H 43/02 20060101ALI20230623BHJP
B65H 3/12 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B65H3/44 344
B65H43/02
B65H3/12 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206044
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】中野 隆司
【テーマコード(参考)】
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA03
3F048BB02
3F048BB05
3F048CB06
3F048DA01
3F048DC06
3F048EB02
3F343FA01
3F343FB01
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343JB05
3F343LA14
3F343MA24
3F343MA32
3F343MB02
3F343MC23
(57)【要約】
【課題】シートを浮上させて給送する給送装置において、ユーザの作業負荷を低減しつつ給送装置の稼働率を向上させる技術を提供する。
【解決手段】給送装置は、第1給送部のシート残量が閾値未満か否かを判定し(S804)、シート残量が閾値以上だと判定したことに応じて(S804:No)、送風部によって浮上させたシートを吸着給送部に給送させる給送動作を第1給送部に実行させ(S805)、シート残量が閾値未満だと判定したことに応じて(S804:Yes)、第1給送部に代えて、第2給送部にシートを給送させる(S811)。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを浮上させて給送する第1給送部と、
シートを給送する第2給送部と、
前記第1給送部及び前記第2給送部にシートを給紙させるコントローラとを備え、
前記第1給送部は、
複数のシートが重ねられた状態で積載されるシート積載部と、
前記シート積載部に積載された複数のシートに対して側方から送風することによって、一番上のシートを浮上させる送風部と、
前記シート積載部の上方に配置されて、前記送風部によって浮上されたシートを吸着して給送方向に給送する吸着給送部と、
前記シート積載部に積載されたシート残量を検知する残量検知センサとを備え、
前記コントローラは、
前記第1給送部の前記シート残量が閾値未満か否かを判定し、
前記シート残量が前記閾値以上だと判定したことに応じて、前記送風部によって浮上させたシートを前記吸着給送部に給送させる給送動作を、前記第1給送部に実行させ、
前記シート残量が前記閾値未満だと判定したことに応じて、前記第1給送部に代えて、前記第2給送部にシートを給送させることを特徴とする給送装置。
【請求項2】
前記第1給送部は、前記吸着給送部によって給送されたシートを検知する給送検知センサを備え、
前記コントローラは、
前記第1給送部の前記シート残量が前記閾値未満だと判定したことに応じて、前記第1給送部に前記給送動作をトライさせ、
前記給送検知センサによってシートが検知されないことに応じて、前記第1給送部に代えて、前記第2給送部にシートを給送させることを特徴とする請求項1に記載の給送装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記第1給送部の前記シート残量が前記閾値未満だと判定したことに応じて、前記給送検知センサによってシートが検知されるまで、前記第1給送部に前記給送動作を最大N(Nは2以上の整数)回トライさせ、
前記第1給送部が前記給送動作をN回実行しても前記給送検知センサによってシートが検知されないことに応じて、前記第1給送部に代えて、前記第2給送部にシートを給送させることを特徴とする請求項2に記載の給送装置。
【請求項4】
ユーザの入力操作を受け付ける操作部を備え、
前記コントローラは、前記第1給送部の前記シート残量が前記閾値未満だと判定した場合に、前記第1給送部に前記給送動作をトライさせるか、前記第1給送部に前記給送動作をトライさせずに前記第2給送部にシートを給送させるかを、前記操作部を通じて受け付けた入力操作に応じて切り替えることを特徴とする請求項2または3に記載の給送装置。
【請求項5】
前記第1給送部は、
前記シート積載部を昇降させる昇降モータと、
前記シート積載部及び前記吸着給送部の間の検知位置に、前記シート積載部に積載されたシートが存在することを検知する昇降検知センサとを備え、
前記コントローラは、前記昇降検知センサによってシートが検知されないことに応じて、前記昇降モータに前記シート積載部を上昇させ、
前記残量検知センサは、前記昇降モータの回転量に対応するパルス信号を前記コントローラに出力するロータリエンコーダであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の給送装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記シート積載部に積載されたシートの厚さまたはサイズに応じて、前記昇降モータによる前記シート積載部の1回当たりの上昇量を変更することを特徴とする請求項5に記載の給送装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記シート積載部に積載されたシートの厚さまたはサイズに応じて、前記閾値を変更することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の給送装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の給送装置と、
前記給送装置によって給送されたシートに画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のシートが重ねられた状態で積載されるシート積載部と、シート積載部に積載された複数のシートに対して側方から送風することによって、一番上のシートを浮上させる送風部と、シート積載部の上方に配置されて、送風部によって浮上されたシートを吸着して給送方向に給送する吸着給送部とを備える給送装置が知られている。
【0003】
このような給送装置は、シート積載部に積載された一番上のシートに送風部からの風が当たるように、シート積載部を昇降させる昇降機構をさらに備える。しかしながら、シート積載部が上昇し過ぎると、シート積載部が送風部からの風を遮ってしまうという課題を生じる。
【0004】
一方、複数の給紙口を備える給送装置において、第1の給紙口の給紙に異常が発生した場合に、第1の給紙口と異なる第2の給紙口に切り替えて給紙を継続する技術がある(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、シートを浮上させて給送する給送装置に特許文献1の技術を適用すれば、前述の課題を解決できる可能性がある。しかしながら、特許文献1の技術では、第1の給紙口に十分にシートが残っているにも拘わらず、シート無しとして扱われてしまうので、不必要なシート補充の必要性をユーザに通知してしまうという新たな課題がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、シートを浮上させて給送する給送装置において、ユーザの作業負荷を低減しつつ給送装置の稼働率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、シートを浮上させて給送する第1給送部と、シートを給送する第2給送部と、前記第1給送部及び前記第2給送部にシートを給紙させるコントローラとを備え、前記第1給送部は、複数のシートが重ねられた状態で積載されるシート積載部と、前記シート積載部に積載された複数のシートに対して側方から送風することによって、一番上のシートを浮上させる送風部と、前記シート積載部の上方に配置されて、前記送風部によって浮上されたシートを吸着して給送方向に給送する吸着給送部と、前記シート積載部に積載されたシート残量を検知する残量検知センサとを備え、前記コントローラは、前記第1給送部の前記シート残量が閾値未満か否かを判定し、前記シート残量が前記閾値以上だと判定したことに応じて、前記送風部によって浮上させたシートを前記吸着給送部に給送させる給送動作を、前記第1給送部に実行させ、前記シート残量が前記閾値未満だと判定したことに応じて、前記第1給送部に代えて、前記第2給送部にシートを給送させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シートを浮上させて給送する給送装置において、ユーザの作業負荷を低減しつつ給送装置の稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】用紙の厚さに基づくパラメータ設定処理のフローチャート。
【
図7】用紙のサイズに基づくパラメータ設定処理のフローチャート。
【
図8】本実施形態に係る給送処理のフローチャート。
【
図9】給送処理中における給送部の状態を示す模式図。
【
図10】変形例1に係る給送処理のフローチャート。
【
図11】変形例2に係る給送処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、画像形成装置100の内部構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、第1給送部110及び第2給送部120と(以下、これらを総称して、「給送部110、120」と表記することがある。)、搬送部130と、画像形成部140と、排紙トレイ150とを主に備える。給送部110、120には、画像が形成される前の複数の用紙M(シート)が積層された状態で収容される。排紙トレイ150には、画像が形成された用紙Mが収容される。
【0011】
用紙Mは、給送部110、120から給送され、搬送部130によって搬送され、画像形成部140によって画像が形成されるシートの一例である。但し、シートは、紙に限定されず、OHPシート、布などであってもよい。また、画像形成装置100の内部には、用紙Mが搬送される空間である搬送経路R1が形成されている。搬送経路R1は、給送部110、120から画像形成部140に対面する位置を経て排紙トレイ150に至る経路である。
【0012】
給送部110、120は、複数の用紙Mを重ねた状態で積載すると共に、積載した用紙Mを1枚ずつ搬送部130に供給(給送)する。より詳細には、給送部110、120は、積載された一番上の用紙Mを浮上させて給送する。給送部110、120の詳細な構成は、
図2及び
図3を参照して後述する。
【0013】
搬送部130は、給送部110、120から給送された用紙Mを搬送経路R1に沿って搬送する。具体的には、搬送部130は、給送部110、120に収容された用紙Mを、搬送経路R1に沿って画像形成部140に対面する位置まで搬送する。また、搬送部130は、画像形成部140によって表面に画像が形成された用紙Mを、搬送経路R1に沿って排紙トレイ150に排出する。
【0014】
搬送部130は、複数の搬送ローラ131、132を含む。搬送ローラ131、132は、例えば、モータの駆動力が伝達されて回転する駆動ローラと、駆動ローラに当接して従動する従動ローラとで構成される。そして、駆動ローラ及び従動ローラで用紙Mを挟持して回転することによって、搬送経路R1に沿って用紙Mが搬送される。
【0015】
搬送ローラ131は、画像形成部140より搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ132は、画像形成部140より搬送方向の下流に配置されている。但し、搬送ローラの設置位置は、
図1の2箇所に限定されない。
【0016】
画像形成部140は、搬送ローラ131、132の間において、搬送経路R1に対面して配置されている。画像形成部140は、搬送部130によって搬送された用紙Mの表面に画像を形成する。実施形態に係る画像形成部140は、搬送経路R1に沿って搬送される用紙Mに、電子写真方式で画像を形成する。但し、画像形成部140の画像形成方式は、用紙Mにインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録方式であってもよい。
【0017】
より詳細には、画像形成部140は、無端状移動手段である転写ベルト142に沿って各色の感光体ドラム141Y、141M、141C、141K(以下、これらを総称して、「感光体ドラム141」と表記する。)が並べられた構成を備える。すなわち、給送部110、120から給送される用紙Mに転写するための中間転写画像が形成される転写ベルト142に沿って、この転写ベルト142の搬送方向の上流側から順に、複数の感光体ドラム141Y、141M、141C、141Kが配列されている。
【0018】
感光体ドラム141には、トナーボトルに収容されたトナーが供給される。そして、各色の感光体ドラム141の表面にトナーにより現像された各色の画像が、転写ベルト142に重ね合わせられて転写されることにより、フルカラーの画像が形成される。そして、転写ベルト142上に形成されたフルカラー画像は、搬送経路R1と最も接近する位置において、転写ローラ143で用紙Mに転写される。
【0019】
さらに、画像形成部140は、転写ローラ143より搬送方向の下流側に配置された定着ローラ144を含む。定着ローラ144は、モータによって駆動される駆動ローラと、駆動ローラに当接して従動する従動ローラとを含む。そして、駆動ローラ及び従動ローラが用紙Mを挟持して回転する過程において、用紙Mを加熱したり押圧することによって、転写ローラ143によって転写された画像が用紙Mに定着する。
【0020】
図2は、第1給送部110の概略構成図である。
図3は、第1給送部110の動作を示す図である。第1給送部110は、給送経路R0を通じて搬送経路R1に用紙Mを1枚ずつ給送する。
図2に示すように、第1給送部110は、シート積載部111と、送風部112と、吸着給送部113と、挟持給送部114と、昇降機構115と、昇降検知センサ116と、給送検知センサ117と、残量検知センサ118とを主に備える。
【0021】
シート積載部111は、複数の用紙Mを重ねた状態で積載可能なトレイまたはカセットである。また、シート積載部111は、ユーザによって用紙Mが補充可能に構成されている。さらに、シート積載部111は、昇降機構115によって予め定められた昇降範囲を昇降可能に、第1給送部110のフレームに支持されている。
【0022】
送風部112は、シート積載部111より上方で且つ吸着給送部113より下方に配置されている。また、送風部112は、水平方向において、シート積載部111に積載された用紙Mに対面し得る位置に配置されている。そして、
図3(A)に示すように、送風部112は、シート積載部111に積載された複数の用紙Mに対して側方から送風することによって、一番上の用紙Mを浮上させる。
【0023】
送風部112は、例えば、浮上ブロア112aと、送風口112bとを主に備える。浮上ブロア112aは、用紙Mを浮上させる風を発生させる。送風口112bは、浮上ブロア112aが発生させた風を、シート積載部111に積載された用紙Mに向けて斜め上方に送風する。そして、送風口112bから送風される風の経路上に一番上の用紙Mが位置するように、昇降機構115でシート積載部111を昇降させることによって、一番上の用紙Mが浮上する。
【0024】
吸着給送部113は、シート積載部111、送風部112、及び昇降検知センサ116より上方に配置されている。また、吸着給送部113は、挟持給送部114及び給送検知センサ117より給送方向の上流側に配置されている。そして、吸着給送部113は、送風部112によって浮上された用紙Mを吸着して、給送経路R0に沿って給送方向に搬送する。給送経路R0は、搬送経路R1に接続されている。
【0025】
吸着給送部113は、例えば、駆動プーリ113aと、従動プーリ113bと、無端環状ベルト113cと、給送モータ113dと、吸引口113eと、吸着ファン113fとを主に備える。駆動プーリ113a及び従動プーリ113bは、給送方向に離間した位置において、各々が回転可能に支持されている。無端環状ベルト113cは、駆動プーリ113a及び従動プーリ113bに掛け渡されている。また、無端環状ベルト113cの表面には、複数の貫通口が形成されている。給送モータ113dは、駆動プーリ113aを回転させる。吸引口113eは、無端環状ベルト113cの間に配置されて、下方に開口している。吸着ファン113fは、吸引口113e及び無端環状ベルト113cの貫通口を通じて、吸着給送部113の下方の空気を吸引する。
【0026】
図3(B)に示すように、吸着ファン113fを駆動することによって、上方への空気の流れが生じる。これにより、送風部112によって浮上された用紙Mが無端環状ベルト113cの下面に吸着される。また、
図3(C)に示すように、給送モータ113dを駆動することによって、駆動プーリ113a(換言すれば、無端環状ベルト113c)が反時計回りに回転する。これにより、無端環状ベルト113cの下面に吸着された用紙Mが給送経路R0に沿って挟持給送部114に供給される。
【0027】
挟持給送部114は、吸着給送部113より給送方向の下流側で、給送検知センサ117より給送方向の上流側に配置されている。挟持給送部114は、吸着給送部113から供給される用紙Mを、給送経路R0に沿って給送方向に給送する。挟持給送部114は、例えば、駆動ローラ114aと、従動ローラ114bと、給送モータ114cとを主に備える。
【0028】
駆動ローラ114a及び従動ローラ114bは、各々が回転可能に支持されている。また、駆動ローラ114a及び従動ローラ114bは、給送経路R0を挟んで当接している。給送モータ114cは、駆動ローラ114aを回転させる。そして、挟持給送部114は、駆動ローラ114a及び従動ローラ114bの間に進入した用紙Mを、駆動ローラ114a及び従動ローラ114bで挟持して給送する。これにより、用紙Mが搬送経路R1に給送される。
【0029】
昇降機構115は、シート積載部111を昇降させる。昇降機構115は、例えば、昇降モータ115aと、昇降モータ115aの駆動力をシート積載部111に伝達する駆動力伝達部とを主に備える。駆動力伝達部は、例えば、回転可能に支持されたプーリと、プーリに掛け渡されて、一端がシート積載部111に接続され且つ他端が昇降モータ115aの出力軸に接続されたベルトとで構成されていてもよい。そして、
図3(D)に示すように、昇降機構115は、昇降モータ115aが第1方向に回転することによって、シート積載部111を上昇させる。また、昇降機構115は、昇降モータ115aが第1方向と逆向きの第2方向に回転することによって、シート積載部111を下降させる。
【0030】
昇降検知センサ116は、シート積載部111より上方で、吸着給送部113より下方の検知位置に固定されている。より詳細には、昇降検知センサ116は、昇降範囲の上端に位置するシート積載部111より上方に位置する。また、昇降検知センサ116は、水平方向において、シート積載部111に積載された用紙Mに対面し得る位置に配置されている。そして、昇降検知センサ116は、シート積載部111に積載された用紙Mが検知位置に存在することを検知する。昇降検知センサ116は、例えば、検知位置を含む領域における用紙Mの密度が所定以上の場合に、用紙Mが検知位置に存在すると判定する。
【0031】
昇降検知センサ116は、例えば、発光部及び受光部を備える反射型の光学センサである。発光部は、検知位置から水平方向に光を照射する。受光部は、発光部から照射され、シート積載部111に積載された用紙Mで反射された光を受光する。そして、昇降検知センサ116は、受光部で光を受光した場合に、用紙Mが検知位置に存在することを示す存在信号を、後述するコントローラ160に出力する。一方、昇降検知センサ116は、受光部で光を受光していない場合に、コントローラ160への存在信号の出力を停止する。
【0032】
給送検知センサ117は、吸着給送部113及び挟持給送部114より給送方向の下流側に配置されている。また、給送検知センサ117は、給送経路R0に対面して配置されている。そして、給送検知センサ117は、給送経路R0を用紙Mが通過したこと(すなわち、用紙Mが適切に給送されたこと)を検知する。
【0033】
給送検知センサ117は、例えば、発光部及び受光部を備える反射型の光学センサである。発光部は、給送経路R0に向けて光を照射する。受光部は、発光部から照射され、給送経路R0を通過する用紙Mで反射された光を受光する。そして、給送検知センサ117は、受光部で光を受光した場合に、用紙Mが給送されたことを示す給送信号を、コントローラ160に出力する。一方、給送検知センサ117は、受光部で光を受光していない場合に、コントローラ160への給送信号の出力を停止する。
【0034】
残量検知センサ118は、シート積載部111に積載された用紙Mの残量を検知する。用紙Mの残量は、例えば、シート積載部111に積載可能な用紙Mの最大量(最大枚数)を100%とした割合で示される。残量検知センサ118は、例えば、昇降モータ115aの出力軸に取り付けられたロータリエンコーダである。そして、残量検知センサ118は、昇降モータ115aの第1方向の回転量に対応するパルス信号を、後述するコントローラ160(
図4参照)に出力する。但し、シート積載部111に積載された用紙Mの残量を検知することができれば、残量検知センサ118の具体的な構成は前述の例に限定されない。
【0035】
本実施形態に係る第2給送部120の構成は、第1給送部110と共通する。給送部110、120の互いに共通する構成要素には、第1給送部110側を“11x”、第2給送部120側を“12x”のように、末尾の“x”を共通とする参照番号を付与する。但し、第2給送部120の具体的な構成は、前述の例に限定されない。他の例として、第2給送部120は、シート積載部121に積載された一番上の用紙Mに当接して回転する送り出しローラによって、用紙Mを給送するものでもよい。さらに他の例として、第2給送部120は、ユーザが手差しした用紙Mを給送するものでもよい。
【0036】
図4は、画像形成装置100のハードウェア構成を示す図である。画像形成装置100は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)101、メモリとしてのRAM(Random Access Memory)102、メモリとしてのROM(Read Only Memory)103、メモリとしてのHDD(Hard Disk Drive)104、及びインタフェースとしてのI/F105が通信手段としての共通バス109を介して接続されている構成を備える。CPU101、RAM102、ROM103、HDD104は、コントローラ160の一例である。
【0037】
CPU101は演算手段であり、画像形成装置100全体の動作を制御する。RAM102は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU101が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM103は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD104は、情報の読み書きが可能であって記憶容量が大きい不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーションプログラムなどが格納される。
【0038】
画像形成装置100は、ROM103に格納された制御プログラム、HDD104などの記憶媒体からRAM102にロードされた情報処理プログラム(アプリケーションプログラム)などをCPU101が備える演算機能によって処理する。その処理によって、画像形成装置100の種々の機能モジュールを含むソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、画像形成装置100に搭載されるハードウェア資源との組み合わせによって、画像形成装置100の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0039】
I/F105は、給送部110、120、搬送部130、画像形成部140、及び操作パネル170を、共通バス109に接続するインタフェースである。すなわち、コントローラ160は、I/F105を通じて、給送部110、120、搬送部130、画像形成部140、及び操作パネル170の動作を制御する。
【0040】
操作パネル170は、現在の設定値や選択画面等を表示させるディスプレイと、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部(例えば、タッチパネル、押しボタンなど)とを含むユーザインタフェースである。
【0041】
なお、
図4に示すように、給送部110、120、コントローラ160、I/F105、及び共通バス109は、給送装置200を構成する。すなわち、本発明は、画像形成装置100に適用することができるだけでなく、独立した給送装置200にも適用することができる。
【0042】
図5は、コントローラ160の機能ブロック図である。コントローラ160は、第1給送処理部161と、第2給送処理部162と、パラメータ設定部163と、昇降処理部164と、残量判定部165と、トライ処理部166とを主に備える。コントローラ160を構成する各機能ブロック161~166は、例えば、メモリに記憶されたプログラムをCPU101が実行することによって実現される。
図5に示す各機能ブロック161~166は、連動して動作することによって、給送部110、120のいずれか一方から用紙Mを搬送経路R1に給送する。
【0043】
第1給送処理部161は、浮上ブロア112a、吸着ファン113f、及び給送モータ113d、114cを駆動することによって、
図3(A)~
図3(C)に示す給送動作を第1給送部110に実行させる。第2給送処理部162は、浮上ブロア122a、吸着ファン123f、及び給送モータ123d、124cを駆動することによって、第2給送部120に給送動作を実行させる。
【0044】
パラメータ設定部163は、
図6及び
図7に示すパラメータ設定処理を実行することによって、
図8、
図10、及び
図11に示す給送処理で用いるパラメータ(例えば、上昇量、閾値)を設定する。上昇量は、シート積載部111の1回当たりの上昇量を示す。閾値は、残量検知センサ118によって検知されたシート積載部111のシート残量と比較される値である。換言すれば、閾値は、シート積載部111が上昇し過ぎたことによって、送風部112からの送風がシート積載部111に遮られて用紙Mに届かなくなるときのシート残量である。パラメータ設定部163の処理は、
図6及び
図7を参照して後述する。
【0045】
昇降処理部164は、昇降検知センサ116から出力される存在信号と、パラメータ設定部163によって設定された上昇量とに基づいて、昇降機構115にシート積載部111を上昇させる。また、昇降処理部164は、シート積載部111に用紙Mが補充されたタイミングで、昇降機構115にシート積載部111を下降させる。
【0046】
残量判定部165は、残量検知センサ118から出力されるパルス信号と、パラメータ設定部163によって設定された閾値とに基づいて、シート積載部111に積載されている用紙Mの残量(シート残量)を判定する。残量判定部165は、残量検知センサ118から出力されるパルス信号の数を積算する。そして、残量判定部165は、積算したパルス信号の数に基づいて、シート残量を算出する。すなわち、パルス信号の積算値が大きくなる程、シート残量が少なくなる。また、残量判定部165は、昇降処理部164によってシート積載部111が下降されたタイミングで、積算したパルス信号の数をリセットする。
【0047】
トライ処理部166は、操作パネル170を通じて受け付けたユーザの入力操作と、残量判定部165によって判定されたシート残量と、給送検知センサ117から出力される給送信号とに基づいて、第1給送部110に給送動作をトライさせる。まず、トライ処理部166は、第1給送部110に給送動作をトライさせるか否かを示す入力操作を、操作パネル170を通じてユーザから受け付ける。また、トライ処理部166は、第1給送部110に給送動作をトライさせた後に、給送検知センサ117から給送信号が出力されるか否かによって、給送動作が正常に完了したか否かを判定する。さらに、トライ処理部166は、第1給送部110に給送動作をN(Nは2以上の整数)回トライさせても給送検知センサ117から給送信号が出力されない場合に、第1給送部110に代えて、第2給送部120に給送動作を実行させる。
【0048】
図6は、用紙Mの厚さTに基づくパラメータ設定処理のフローチャートである。パラメータ設定部163は、シート積載部111に積載された用紙Mの厚さT(mm)を取得する。パラメータ設定部163は、例えば、シート積載部111に設けられたセンサによって厚さTを取得してもよいし、操作パネル170を通じてユーザに厚さTを入力させてもよい。次に、パラメータ設定部163は、取得した用紙Mの厚さTと、予め定められた閾値厚さTth1、Tth2、Tth3、Tth4とを比較する(S601~S604)。なお、閾値厚さは、Tth1<Tth2<Tth3<Tth4である。そして、パラメータ設定部163は、シート積載部111に積載された用紙Mの厚さTに応じて、上昇量及び閾値を設定する(S605~S609)。
【0049】
より詳細には、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが第1閾値厚さTth1未満である場合に(S601:Yes)、上昇量をAmmに設定し、閾値をα%に設定する(S605)。また、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが第1閾値厚さTth1以上で且つ第2閾値厚さTth2未満である場合に(S602:Yes)、上昇量をBmmに設定し、閾値をβ%に設定する(S606)。また、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが第2閾値厚さTth2以上で且つ第3閾値厚さTth3未満である場合に(S603:Yes)、上昇量をCmmに設定し、閾値をγ%に設定する(S607)。また、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが第3閾値厚さTth3以上で且つ第4閾値厚さTth4未満である場合に(S604:Yes)、上昇量をDmmに設定し、閾値をδ%に設定する(S608)。さらに、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが第4閾値厚さTth4以上である場合に(S604:No)、上昇量をEmmに設定し、閾値をε%に設定する(S609)。そして、パラメータ設定部163は、設定した上昇量を昇降処理部164に通知し、設定した閾値を残量判定部165に通知する。
【0050】
図7は、用紙Mのサイズ(例えば、B4、A4、レター等)に基づくパラメータ設定処理のフローチャートである。パラメータ設定部163は、シート積載部111に積載された用紙MのサイズSを取得する。パラメータ設定部163は、例えば、シート積載部111に設けられたセンサによってサイズSを取得してもよいし、操作パネル170を通じてユーザにサイズSを入力させてもよい。次に、パラメータ設定部163は、取得した用紙MのサイズSと、予め定められた閾値サイズSth1、Sth2、Sth3、Sth4とを比較する(S701~S704)。なお、閾値サイズは、Sth1<Sth2<Sth3<Sth4である。そして、パラメータ設定部163は、シート積載部111に積載された用紙MのサイズSに応じて、上昇量及び閾値を設定する(S705~S709)。
【0051】
より詳細には、パラメータ設定部163は、用紙MのサイズSが第1閾値サイズSth1未満であることに応じて(S701:Yes)、上昇量をAmmに設定し、閾値をα%に設定する(S705)。また、パラメータ設定部163は、用紙MのサイズSが第1閾値サイズSth1以上で且つ第2閾値サイズSth2未満であることに応じて(S702:Yes)、上昇量をBmmに設定し、閾値をβ%に設定する(S706)。また、パラメータ設定部163は、用紙MのサイズSが第2閾値サイズSth2以上で且つ第3閾値サイズSth3未満であることに応じて(S703:Yes)、上昇量をCmmに設定し、閾値をγ%に設定する(S707)。また、パラメータ設定部163は、用紙MのサイズSが第3閾値サイズSth3以上で且つ第4閾値サイズSth4未満であることに応じて(S704:Yes)、上昇量をDmmに設定し、閾値をδ%に設定する(S708)。さらに、パラメータ設定部163は、用紙MのサイズSが第4閾値サイズSth4以上であることに応じて(S704:No)、上昇量をEmmに設定し、閾値をε%に設定する(S709)。そして、パラメータ設定部163は、設定した上昇量を昇降処理部164に通知し、設定した閾値を残量判定部165に通知する。
【0052】
なお、
図6及び
図7において、上昇量は、例えば、A<B<C<D<Eに設定される。すなわち、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが厚い程または用紙MのサイズSが大きい程、シート積載部111の1回当たりの上昇量を大きくする。また、
図6及び
図7において、閾値は、例えば、α<β<γ<δ<εに設定される。すなわち、パラメータ設定部163は、用紙Mの厚さTが厚い程または用紙MのサイズSが大きい程、シート残量と比較される閾値を大きくする。また、
図6及び
図7のパラメータ設定処理では、上昇量及び閾値の一方のみが設定(変更)され、他方は予め定められた固定値でもよい。
【0053】
図8は、本実施形態に係る給送処理のフローチャートである。
図9は、給送処理中における給送部110、120の状態を示す模式図である。コントローラ160は、画像形成装置100に画像形成指示が入力されたタイミングで、給送処理を実行する。なお、給送処理は、第1給送処理部161、第2給送処理部162、昇降処理部164、残量判定部165、及びトライ処理部166によって実行される。一方、パラメータ設定部163によるパラメータ設定処理は、給送処理の開始前に実行されているものとする。
【0054】
まず、昇降処理部164は、昇降検知センサ116から存在信号が出力されているか(換言すれば、昇降検知センサ116によってシートが検知されたか)否かを判定する(S801)。そして、昇降処理部164は、昇降検知センサ116から存在信号が出力されていないことに応じて(S801:No)、昇降モータ115aを第1方向に回転させることによって、パラメータ設定部163によって設定された上昇量だけ、シート積載部111を上昇させて(S802)、ステップS801の処理を再び実行する。すなわち、昇降処理部164は、シート積載部111に積載された用紙Mが検知位置に到達するまで、シート積載部111を上昇させる。
【0055】
そして、昇降処理部164は、昇降検知センサ116から存在信号が出力されていることに応じて(S801:Yes)、残量判定部165にステップS803、S804の処理を実行させる。残量判定部165は、残量検知センサ118から出力されたパルス信号の積算値に基づいて、シート積載部111に用紙Mが積載されているか否か(S803)、及びシート積載部111のシート残量がパラメータ設定部163によって設定された閾値未満か否かを判定する(S804)。
【0056】
そして、残量判定部165は、シート積載部111のシート残量が閾値以上だと判定したことに応じて(S803:No&S804:No)、第1給送処理部161にステップS805の処理を実行させる。第1給送処理部161は、ステップS805において、浮上ブロア112a、吸着ファン113f、及び給送モータ113d、114cを駆動させることによって、第1給送部110に給送動作を実行させる。これにより、
図3(A)~
図3(C)に示すように、1枚の用紙Mが第1給送部110から搬送経路R1に給送される。そして、第1給送処理部161は、昇降処理部164にステップS801の処理を実行させる。
【0057】
すなわち、コントローラ160は、シート積載部111のシート残量が閾値以上の間(S804:No)、シート積載部111を上昇させながら(S802)、第1給送部110に給送動作を繰り返し実行させる(S805)。これにより、
図9の上段に示すように、シート積載部111に積載された用紙Mが徐々に減少し、シート積載部111が徐々に上昇する。
【0058】
また、残量判定部165は、シート積載部111のシート残量が0%より大きく且つ閾値未満だと判定したことに応じて(S803:No&S804:Yes)、トライ処理部166にステップS806の処理を実行させる。トライ処理部166は、RAM102またはHDD104に記憶されたトライ回数に1を代入して(S806)、第1給送処理部161にステップS807の処理を実行させる。
【0059】
第1給送処理部161は、ステップS807において、浮上ブロア112a、吸着ファン113f、及び給送モータ113d、114cを駆動させることによって、第1給送部110に給送動作を実行させる。すなわち、コントローラ160は、シート積載部111のシート残量が閾値未満だと判定したことに応じて(S804:No)、第1給送部110に給送動作をトライさせる(S807)。そして、第1給送処理部161は、トライ処理部166にステップS808の処理を実行させる。
【0060】
トライ処理部166は、給送検知センサ117から給送信号が出力されるか否かを判定する(S808)。換言すれば、トライ処理部166は、ステップS807で第1給送部110にトライさせた給送動作によって、用紙Mが搬送経路R1に給送されたか否かを判定する(S808)。そして、トライ処理部166は、給送検知センサ117から給送信号が出力されていると判定したことに応じて(S808:Yes)、昇降処理部164にステップS801の処理を実行させる。
【0061】
一方、トライ処理部166は、給送検知センサ117から給送信号が出力されていないと判定したことに応じて(S808:No)、トライ回数がN回に達したか否かを判定する(S809)。トライ処理部166は、トライ回数がN回未満だと判定したことに応じて(S809:No)、トライ回数に1を加算して(S810)、第1給送処理部161にステップS807の処理を実行させる。すなわち、コントローラ160は、給送検知センサ117から給送信号が出力されるまで、第1給送部110に給送動作を最大N回トライさせる(S806~S810)。
【0062】
そして、トライ処理部166は、トライ回数がN回に達したと判定したことに応じて(S809:Yes)、第2給送処理部162にステップS811の処理を実行させる。第2給送処理部162は、ステップS811において、浮上ブロア122a、吸着ファン123f、及び給送モータ123d、124cを駆動させることによって、第2給送部120に給送動作を実行させる。すなわち、コントローラ160は、第1給送部110が給送動作をN回トライしても給送検知センサ117から給送信号が出力されないことに応じて(S808:No&S809:Yes)、
図9に示すように、第1給送部110に代えて第2給送部120に用紙Mを給送させる(S811)。
【0063】
また、残量判定部165は、シート積載部111に用紙Mが積載されていないと判定したことに応じて(S803:Yes)、ステップS804~S810を実行せずに、第2給送処理部162にステップS811の処理を実行させる。さらに、残量判定部165は、シート積載部111に用紙Mが積載されていないことを、操作パネル170を通じてユーザに報知してもよい。
【0064】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0065】
上記の実施形態によれば、シート積載部111のシート残量が閾値未満の場合に(S804:Yes)、第1給送部110に代えて、第2給送部120に給送動作を実行させる(S811)。これにより、シート積載部111が無端環状ベルト113cに近づいて、送風部112からの送風が一番上の用紙Mに届きにくい場合に、給送動作が第1給送部110から第2給送部120に切り替えられる。その結果、画像形成装置100(給送装置200)の稼働率を向上させることができる。一方、シート積載部111のシート残量が閾値以上の場合に(S804:No)、第1給送部110に給送動作を実行させるので(S805)、不必要なタイミングでユーザに用紙Mを補充させるのを防止できる。
【0066】
また、上記の実施形態によれば、シート積載部111のシート残量が閾値未満の場合に(S804:Yes)、第1給送部110に給送動作を最大N回トライさせるので(S806~S810)、シート積載部111に積載された用紙Mをできるだけ消費してから、第2給送部120に切り替えることができる。これにより、不必要なタイミングでユーザに用紙Mを補充させるのをさらに防止できる。なお、最大トライ回数Nは、予め定められた固定値でもよいし、操作パネル170を通じてユーザに設定させてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態によれば、昇降モータ115aの出力軸に取り付けられたロータリエンコーダを、残量検知センサ118として利用するので、ロータリエンコーダとは別に残量検知センサ118を設ける場合と比較して、画像形成装置100の部品点数を削減することができる。
【0068】
また、上記の実施形態によれば、用紙Mの厚さTまたはサイズSに応じて上昇量及び閾値を可変とすることによって、用紙Mの種類に応じて適切な上昇量及び閾値を用いることができる。但し、上昇量及び閾値は、予め定められた固定値でもよいし、操作パネル170を通じてユーザに設定させてもよい。
【0069】
[変形例1]
図10を参照して、変形例1に係る給送処理を説明する。
図10は、変形例1に係る給送処理のフローチャートである。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図10に示す給送処理は、ステップS806、S809~S810が省略された点で、
図8に示す給送処理と相違する。
【0070】
変形例1に係るコントローラ160は、シート積載部111のシート残量が閾値未満だと判定したことに応じて(S804:Yes)、第1給送部110に給送動作を1回だけトライさせる(S807)。そして、コントローラ160は、給送検知センサ117から給送信号が出力されていないと判定したことに応じて(S808:No)、第1給送部110に代えて、第2給送部120にシートを給送させる(S811)。
【0071】
[変形例2]
図11を参照して、変形例2に係る給送処理を説明する。
図11は、変形例2に係る給送処理のフローチャートである。なお、上記の実施形態との共通点の詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図11に示す給送処理は、ステップS806~S810が省略された点で、
図8に示す給送処理と相違する。
【0072】
変形例2に係るコントローラ160は、シート積載部111のシート残量が閾値未満だと判定したことに応じて(S804:Yes)、第1給送部110に給送動作をトライさせることなく、第2給送部120にシートを給送させる(S811)。すなわち、変形例2では、トライ処理部166が省略される。
【0073】
変形例2によれば、シート積載部111が上昇し過ぎて、第1給送部110による給送動作が失敗する可能性が高い場合に(S804:Yes)、第1給送部110に給送動作をトライさせずに、第2給送部120に用紙Mを給送させる(S811)。これにより、給送処理のタイムロスを低減することができる。
【0074】
なお、コントローラ160は、
図8または
図10に示す給送処理(第1給送部110に給送動作をトライさせる)と、
図11に示す給送処理(第1給送部110に給送動作をトライさせずに第2給送部120にシートを給送させる)とのいずれを実行するかを、操作パネル170を通じて受け付けた入力操作に応じて切り替えてもよい。これにより、第1給送部110による給送動作のトライの有効/無効を、ユーザの使用環境に応じて切り替えることができる。
【0075】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
100 :画像形成装置
101 :CPU
102 :RAM
103 :ROM
104 :HDD
105 :I/F
109 :共通バス
110 :第1給送部
111,121 :シート積載部
112 :送風部
112a,122a :浮上ブロア
112b :送風口
113 :吸着給送部
113a :駆動プーリ
113b :従動プーリ
113c :無端環状ベルト
113d,123d :給送モータ
113e :吸引口
113f,123f :吸着ファン
114 :挟持給送部
114a :駆動ローラ
114b :従動ローラ
114c,124c :給送モータ
115 :昇降機構
115a :昇降モータ
116 :昇降検知センサ
117 :給送検知センサ
118 :残量検知センサ
120 :第2給送部
130 :搬送部
131,132 :搬送ローラ
140 :画像形成部
141,141C,141K,141M,141Y :感光体ドラム
142 :転写ベルト
143 :転写ローラ
144 :定着ローラ
150 :排紙トレイ
160 :コントローラ
161 :第1給送処理部
162 :第2給送処理部
163 :パラメータ設定部
164 :昇降処理部
165 :残量判定部
166 :トライ処理部
170 :操作パネル
200 :給送装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】