(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023092969
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】リードフレーム、リードフレームの製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20230627BHJP
【FI】
H01L23/50 K
H01L23/50 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208309
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 真太郎
【テーマコード(参考)】
5F067
【Fターム(参考)】
5F067AA01
5F067AB04
5F067BA02
5F067DA17
5F067DC12
5F067DC13
5F067DC16
5F067DE01
5F067EA04
(57)【要約】
【課題】リードフレームの変形を抑制しながら半導体装置を薄型化することができるリードフレーム、リードフレームの製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】リードフレームは、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有するダイパッド部と、前記第1面と面一の第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有するリード部と、前記ダイパッド部と前記リード部とを繋ぐ連結部と、を有し、前記連結部は、平面視で前記ダイパッド部と前記リード部との間で前記ダイパッド部を包囲する第1領域を有し、前記第1領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第5面と、前記第5面とは反対側の第6面とを有し、前記第2面は、前記第4面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあり、前記第6面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にある。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有するダイパッド部と、
前記第1面と面一の第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有するリード部と、
前記ダイパッド部と前記リード部とを繋ぐ連結部と、
を有し、
前記連結部は、平面視で前記ダイパッド部と前記リード部との間で前記ダイパッド部を包囲する第1領域を有し、
前記第1領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第5面と、前記第5面とは反対側の第6面とを有し、
前記第2面は、前記第4面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあり、
前記第6面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあることを特徴とするリードフレーム。
【請求項2】
前記リード部を複数有し、
前記連結部は、平面視で隣り合う2個の前記リード部の間に位置する第2領域を有し、
前記第2領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第7面と、前記第7面とは反対側の第8面とを有し、
前記第8面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあることを特徴とする請求項1に記載のリードフレーム。
【請求項3】
前記第4面に設けられためっき層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリードフレーム。
【請求項4】
金属板の一方の面に第1レジストを設け、他方の面に第2レジストを設ける工程と、
前記第1レジストをパターニングして、前記第1レジストに被覆パターン、開口部及びダミーパターンを形成する工程と、
前記第1レジストを通じて前記金属板を前記一方の面側からハーフエッチングして、前記ダミーパターンの前記他方の面側にダイパッド部を形成し、前記被覆パターンの前記他方の面側にリード部を形成し、前記開口部の前記他方の面側に連結部を形成する工程と、
を有し、
前記ダイパッド部は、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、
前記リード部は、前記第1面と面一の第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有し、
前記連結部は、前記ダイパッド部と前記リード部とを繋ぎ、
前記連結部は、平面視で前記ダイパッド部と前記リード部との間で前記ダイパッド部を包囲する第1領域を有し、
前記第1領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第5面と、前記第5面とは反対側の第6面とを有し、
前記第2面は、前記第4面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあり、
前記第6面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあることを特徴とするリードフレームの製造方法。
【請求項5】
前記リード部を複数形成し、
前記連結部は、平面視で隣り合う2個の前記リード部の間に位置する第2領域を有し、
前記第2領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第7面と、前記第7面とは反対側の第8面とを有し、
前記第8面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあることを特徴とする請求項4に記載のリードフレームの製造方法。
【請求項6】
前記第4面にめっき層を形成する工程を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のリードフレームの製造方法。
【請求項7】
第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有するダイパッド部と、
前記第1面と面一の第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有するリード部と、
前記ダイパッド部に搭載され、電極を備えた半導体素子と、
前記リード部と前記電極とを接続するボンディングワイヤと、
前記半導体素子及び前記ボンディングワイヤを封止し、前記第1面及び前記第3面と面一の第9面を有する封止樹脂と、
を有し、
前記第2面は、前記第4面よりも前記第1面及び前記第3面側にあり、
前記ダイパッド部の側面及び前記リード部の側面は、前記第1面及び前記第3面に近づくほど前記ダイパッド部と前記リード部との間の距離が小さくなるように、前記第1面及び前記第3面に垂直な面から傾斜した部分を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリードフレームを準備し、前記ダイパッド部に、電極を備えた半導体素子を搭載する工程と、
前記リード部と前記電極とをボンディングワイヤにより接続する工程と、
前記第1面、前記第3面及び前記第5面を露出させながら、前記半導体素子及びボンディングワイヤを封止樹脂により封止する工程と、
前記連結部を除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記連結部を除去する工程は、前記リードフレームを前記第1面、前記第3面及び前記第5面側からエッチングする工程を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記連結部を除去する工程の後に、前記封止樹脂の前記第1面及び前記第3面から突出する部分を除去する工程を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記連結部を除去する工程は、前記リードフレーム及び前記封止樹脂を前記第1面、前記第3面及び前記第5面側から研削する工程を有することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記連結部を除去する工程の後に、前記第1面及び前記第3面に第2めっき層を形成する工程を有する請求項8乃至11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リードフレーム、リードフレームの製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リードフレームを用いて製造される半導体装置に対して、薄型化の要請がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-69886号公報
【特許文献2】特開2011-29335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リードフレームを薄型化することで半導体装置を薄型化することが考えられるが、リードフレームを薄型化した場合、半導体素子の搭載時や封止樹脂による封止時等にリードフレームが変形しやすくなる。
【0005】
本開示は、リードフレームの変形を抑制しながら半導体装置を薄型化することができるリードフレーム、リードフレームの製造方法、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有するダイパッド部と、前記第1面と面一の第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有するリード部と、前記ダイパッド部と前記リード部とを繋ぐ連結部と、を有し、前記連結部は、平面視で前記ダイパッド部と前記リード部との間で前記ダイパッド部を包囲する第1領域を有し、前記第1領域は、前記第1面及び前記第3面と面一の第5面と、前記第5面とは反対側の第6面とを有し、前記第2面は、前記第4面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあり、前記第6面は、前記第2面よりも前記第1面、前記第3面及び前記第5面側にあるリードフレームが提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、リードフレームの変形を抑制しながら半導体装置を薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るリードフレームの概要を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るリードフレームを示す断面図である。
【
図4】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その1)である。
【
図5】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その2)である。
【
図6】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その3)である。
【
図7】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その4)である。
【
図8】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その5)である。
【
図9】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その6)である。
【
図10】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その7)である。
【
図11】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その8)である。
【
図12】第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その9)である。
【
図13】ダミーパターンの一例を示す上面図である。
【
図14】第1実施形態に係るリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図15】第1実施形態に係るリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図16】第1実施形態に係るリードフレームを用いた半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図17】第2実施形態に係るリードフレームの一部を拡大して示す上面図である。
【
図18】第2実施形態に係るリードフレームを示す断面図である。
【
図19】第2実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その1)である。
【
図20】第2実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本開示では、便宜上、リードフレームの半導体チップが搭載される側を一方の側又は上側、その反対側を他方の側又は下側とする。また、リードフレームの半導体チップが搭載される面を一方の面又は上面、その反対側の面を他方の面又は下面とする。但し、リードフレーム及び半導体装置は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物をリードフレームの一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をリードフレームの一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0010】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。
【0011】
[リードフレームの構造]
第1実施形態に係るリードフレームの構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係るリードフレームの概要を示す図である。
図2は、
図1中の一部を拡大して示す上面図である。
図3は、第1実施形態に係るリードフレームを示す断面図である。
図3(a)は、
図2中のIIIa-IIIa線に沿った断面図に相当する。
図3(b)は、
図2中のIIIb-IIIb線に沿った断面図に相当する。
【0012】
第1実施形態に係るリードフレーム100は、一方の面に半導体チップが搭載され、封止樹脂により被覆されて半導体装置となるリードフレームである。リードフレーム100は、複数の個片化領域101を有する。例えば、個片化領域101は矩形状の平面形状を有しており、16個の個片化領域101が4行4列に配列して個片化領域群102が構成されている。リードフレーム100は、例えば3個の個片化領域群102を有する。個片化領域群102は外枠部151を介して互いに連結されている。外枠部151は、各個片化領域群102の外側に設けられており、リードフレーム100の外縁部に額縁状に形成された部分と、隣り合う個片化領域群102の間に直線状に形成された部分とを有する。
【0013】
各個片化領域群102は、隣り合う個片化領域101の間に設けられたセクションバー152を有する。セクションバー152は、平面視で井桁状に配置されている。セクションバーはダムバーとよばれることもある。
【0014】
各個片化領域101は、ダイパッド部11と、リード部12と、複数のめっき引出部153とを有する。リード部12は、ダイパッド部11の周囲に配置されている。めっき引出部153の一部は、セクションバー152とリード部12とを互いに繋いでいる。めっき引出部153の他の一部は、セクションバー152とダイパッド部11とを互いに繋いでいる。
【0015】
リードフレーム100は、セクションバー152に囲まれた領域内に設けられた連結部20を有する。連結部20は、ダイパッド部11と、リード部12と、セクションバー152と、めっき引出部153とを互い連結する。連結部20は、第1領域21と、第2領域22とを有する。第1領域21は、平面視でダイパッド部11と複数のリード部12との間でダイパッド部11を包囲する。第2領域22は、平面視で隣り合う2個のリード部12の間に位置する。
【0016】
ダイパッド部11は、一方の面11a(上面)と、一方の面11aとは反対側の他方の面11b(下面)とを有する。リード部12は、一方の面12a(上面)と、一方の面12aとは反対側の他方の面12b(下面)とを有する。セクションバー152は、一方の面152a(上面)と、一方の面152aとは反対側の他方の面152b(下面)とを有する。めっき引出部153は、一方の面153a(上面)と、一方の面153aとは反対側の他方の面153b(下面)とを有する。連結部20は、一方の面20a(上面)と、一方の面20aとは反対側の他方の面20b(下面)とを有する。
【0017】
ダイパッド部11の他方の面11b、リード部12の他方の面12b、セクションバー152の他方の面152b、めっき引出部153の他方の面153b及び連結部20の他方の面20bは、互いに面一である。ダイパッド部11の他方の面11b、リード部12の他方の面12b、セクションバー152の他方の面152b、めっき引出部153の他方の面153b及び連結部20の他方の面20bはリードフレーム100の下面100bに含まれる。
【0018】
ダイパッド部11の一方の面11a、リード部12の一方の面12a、セクションバー152の一方の面152a及びめっき引出部153の一方の面153aは、リードフレーム100の下面100bに平行である。ダイパッド部11の一方の面11a、セクションバー152の一方の面152a及びめっき引出部153の一方の面153aは、リード部12の一方の面12aよりもリードフレーム100の下面100b側にある。
【0019】
連結部20の一方の面20aは、ダイパッド部11の一方の面11aよりもリードフレーム100の下面100b側にある。連結部20の一方の面20aは、リードフレーム100の下面100bに平行な方向からの断面視で凹状に形成されていてもよく、リードフレーム100の下面100bに向かって凸になるように湾曲した曲面を含んでもよい。
【0020】
リードフレーム100は、更に、リード部12の一方の面12aに設けれられためっき層31を有してもよい。めっき層31は、例えば、リード部12の一方の面12a側から順に積層されたニッケル層、パラジウム層及び金層を含む。めっき層31が銀層を含んでいてもよい。
【0021】
[リードフレームの製造方法]
次に、第1実施形態に係るリードフレーム100の製造方法について説明する。
図4~
図12は、第1実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図である。
図4(a)~
図12(a)は上面図であり、
図4(b)~
図12(b)は断面図である。
図4~
図12は、個片化領域101の1つを示す。
【0022】
まず、
図4に示すように、所定形状の金属製の金属板10を準備する。金属板10は、最終的に破線で示す切断ラインに沿って切断されて個片化領域101毎に個片化される部材である。金属板10の材料としては、例えば、Cu、Cu合金、42アロイ等を用いることができる。金属板10の厚さは、例えば、100μm~300m程度とすることができる。
図4(b)は
図4(a)中のIVb-IVb線に沿った断面図に相当する。
【0023】
次に、
図5に示すように、金属板10の上面に感光性のレジスト161を形成し、金属板10の下面に感光性のレジスト162を形成する。レジスト161及び162は、例えばレジスト液の塗布及び乾燥により形成してもよく、レジストフィルムの貼り付けにより形成してもよい。レジスト161及び162としては、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂等のドライフィルムレジストや電着レジスト等を用いることができる。
図5(b)は
図5(a)中のVb-Vb線に沿った断面図に相当する。
【0024】
次に、
図6に示すように、レジスト161の露光及び現像を行うことにより、レジスト161に被覆パターン161S、開口部161T及びダミーパターン161Uを形成する。被覆パターン161Sは、金属板10にリード部12を形成するための部分である。開口部161Tは、金属板10に連結部20を形成するための部分である。ダミーパターン161Uは、金属板10にダイパッド部11、外枠部151、セクションバー152及びめっき引出部153を形成するためのパターンである。
図13に示すように、ダミーパターン161Uは、開口部161Tよりも小さい複数の開口部161Zを含んでいる。開口部161Zは、例えば市松模様状に配列している。
図13は、ダミーパターン161Uの一例を示す上面図である。
図6(b)は
図6(a)中のVIb-VIb線に沿った断面図に相当する。なお、
図13に示すダミーパターン161Uは一例であって、開口部161Zの配列は市松模様状に限定されない。
【0025】
次に、
図7に示すように、レジスト161及び162をエッチングマスクとして金属板10のハーフエッチング(例えば、ウェットエッチング)を金属板10の上面側から行う。金属板10が銅である場合には、金属板10のハーフエッチングには、例えば、塩化第二鉄又は塩化第二銅の水溶液を用いることができる。ハーフエッチングでは、開口部161Tが開口部161Zよりも大きいため、開口部161Tの下方において、開口部161Zの下方よりも優先的に金属板10のエッチングが進行する。また、エッチングの進行に伴ってダミーパターン161Uが金属板10から離れる。このハーフエッチングの結果、開口部161Tの下方では、ダミーパターン161Uの下方よりも深く金属板10が除去される。
図7(b)は
図7(a)中のVIIb-VIIb線に沿った断面図に相当する。
【0026】
このようにして、金属板10に、ダイパッド部11、リード部12、外枠部151、セクションバー152、めっき引出部153及び連結部20が形成される。
【0027】
次に、
図8に示すように、レジスト161及び162を除去する。レジスト161及び162は、例えば剥離液により剥離することができる。このようにして、リードフレーム100を製造することができる。リードフレーム100は下面100bを有する。下面100bは、ダイパッド部11の他方の面11b、リード部12の他方の面12b、セクションバー152の他方の面152b、めっき引出部153の他方の面153b及び連結部20の他方の面20bを含む。
図8(b)は
図8(a)中のVIIIb-VIIIb線に沿った断面図に相当する。
【0028】
その後、リードフレーム100にめっき層31を形成してもよい。めっき層31を形成する場合、
図9に示すように、金属板10の上面に感光性のレジスト163を形成し、金属板10の下面に感光性のレジスト164を形成する。レジスト163は、例えばレジスト液の塗布及び乾燥により形成する。金属板10の上面に凹凸が存在するためである。レジスト164は、例えばレジスト液の塗布及び乾燥により形成してもよく、レジストフィルムの貼り付けにより形成してもよい。レジスト163としては、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂等の電着レジスト等を用いることができる。レジスト164としては、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂等のドライフィルムレジストや電着レジスト等を用いることができる。
図9(b)は
図9(a)中のIXb-IXb線に沿った断面図に相当する。
【0029】
次に、
図10に示すように、レジスト163の露光及び現像を行うことにより、レジスト163に開口部163Xを形成する。開口部163Xは、めっき層31を形成するための開口部であり、リード部12の一方の面12aが開口部163Xから露出する。
図10(b)は
図10(a)中のXb-Xb線に沿った断面図に相当する。
【0030】
次に、
図11に示すように、開口部163Xから露出するリード部12の一方の面12aにめっき層31を形成する。めっき層31は、例えば、金属板10を給電経路とする電解めっき法により形成できる。
図11(b)は
図11(a)中のXIb-XIb線に沿った断面図に相当する。
【0031】
次に、
図12に示すように、レジスト163及び164を除去する。レジスト163及び164は、例えば剥離液により剥離することができる。
図12(b)は
図12(a)中のXIIb-XIIb線に沿った断面図に相当する。
【0032】
このようにして、めっき層31を有するリードフレーム100を完成させることができる。
【0033】
[半導体装置の製造方法]
次に、第1実施形態に係るリードフレーム100を用いた半導体装置の製造方法について説明する。
図14~
図16は、第1実施形態に係るリードフレーム100を用いた半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0034】
まず、
図14(a)に示すように、第1実施形態に係るリードフレーム100を準備し、ダイパッド部11の一方の面11aの上に半導体素子40を搭載する。半導体素子40は上面に電極41を有する。このとき、ダイパッド部11の一方の面11aと半導体素子40の下面とを接着剤50により接合する。接着剤50としては、ダイアタッチフィルム、Agペースト等が用いられる。
【0035】
次に、
図14(b)に示すように、ボンディングワイヤ60を用いてめっき層31と電極41とを電気的に接続する。
【0036】
次に、
図14(c)に示すように、半導体素子40及びボンディングワイヤ60を封止樹脂70により封止する。このとき、リードフレーム100の上面も封止樹脂70により封止される。一方、リードフレームの下面100bは封止樹脂70から露出させる。封止樹脂70としては、例えば、エポキシ樹脂にフィラーを含有させた所謂モールド樹脂等を用いることができる。封止樹脂70は、例えば、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等により形成できる。
【0037】
次に、
図15(a)に示すように、リードフレーム100のエッチバックを下面100b側から行い、連結部20を除去する。この結果、ダイパッド部11及びリード部12が互いに電気的に分離される。また、リード部12は、当該リード部12に直接繋がるめっき引出部153を介してセクションバー152に電気的に接続されるが、複数のリード部12の間では、セクションバー152を介してのみ互いに電気的に接続されるようになる。ダイパッド部11は、当該ダイパッド部11に直接繋がるめっき引出部153を介してセクションバー152に電気的に接続されるが、各リード部12との間では、セクションバー152を介してのみ互いに電気的に接続されるようになる。また、リードフレーム100の厚さが小さくなり、リードフレーム100の下面100bが上面側に移動する。この結果、封止樹脂70の一部がリードフレーム100の下面100bよりも下側に突出するようになる。リードフレーム100のエッチバックとしては、例えばウェットエッチングを行うことができる。
【0038】
次に、
図15(b)に示すように、封止樹脂70のリードフレーム100の下面100bよりも下側に突出する部分を除去し、封止樹脂70の下面70bをリードフレーム100の下面100bと面一にする。封止樹脂70の除去は、例えば研削又はサンドブラストにより行うことができる。
【0039】
次に、
図15(c)に示すように、ダイパッド部11の他方の面11b、リード部12の他方の面12b、セクションバー152の他方の面152b及びめっき引出部153の他方の面153b(
図3(b)参照)にめっき層32を形成する。めっき層32は、例えば、セクションバー152及びめっき引出部153を給電経路とする電解めっき法により形成できる。めっき層32としては、例えば、はんだめっき層又は錫めっき層を形成する。
【0040】
次に、
図16(a)に示すように、隣り合う個片化領域101の間の領域を、例えばスライサーの回転刃80を用いた切断等により除去する。この結果、セクションバー152が除去される。また、セクションバー152の除去に伴って、複数のリード部12が互いに電気的に絶縁されるとともに、ダイパッド部11が各リード部12から電気的に絶縁される。
【0041】
このようにして、半導体装置110を製造することができる。
【0042】
図16(b)に示すように、半導体装置110は、ダイパッド部11と、リード部12と、電極41を備えた半導体素子40と、ボンディングワイヤ60と、封止樹脂70とを有する。半導体素子40は、ダイパッド部11に搭載されている。ボンディングワイヤ60は、リード部12と電極41とを接続する。封止樹脂70は、半導体素子40及びボンディングワイヤ60を封止する。また、封止樹脂70は、リードフレーム100の下面100bと面一の下面70bを有する。ダイパッド部11の側面及びリード部12の側面は、リードフレーム100の下面100bに近づくほどダイパッド部11とリード部12との間の距離が小さくなるように、下面100bに垂直な面から傾斜した部分を含む。
【0043】
本実施形態では、リードフレーム100が連結部20を有する状態で半導体素子40の搭載及び封止樹脂70の形成を行うことができる。従って、半導体素子40の搭載及び封止樹脂70の形成の際のリードフレーム100の変形を抑制することができる。また、半導体素子40の搭載及び封止樹脂70の形成後に、リードフレーム100を下面100b側からエッチバックすることで、連結部20を除去し、ダイパッド部11とリード部12とを電気的に絶縁することができる。また、このエッチバックにより、半導体装置110を薄型化することができる。
【0044】
なお、リードフレーム100のエッチバックに代えて、リードフレーム100を下面100b側から研削することによって連結部20を除去してもよい。この場合、リードフレーム100の研削の際に、封止樹脂70の一部も研削され、封止樹脂70の下面70bがリードフレーム100の下面100bと面一になる。
【0045】
また、ダイパッド部11の厚さの調整のために、ダイパッド部11のハーフエッチングを行ってもよい。
【0046】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として、セクションバーの構成の点で第1実施形態と相違する。
【0047】
[リードフレームの構造]
第2実施形態に係るリードフレームの構造について説明する。
図17は、第2実施形態に係るリードフレームの一部を拡大して示す上面図である。
図18は、第2実施形態に係るリードフレームを示す断面図である。
図18(a)は、
図17中のXVIIIa-XVIIIa線に沿った断面図に相当する。
図18(b)は、
図17中のXVIIIb-XVIIIb線に沿った断面図に相当する。
【0048】
第2実施形態に係るリードフレーム200では、セクションバー152の一方の面152a及びめっき引出部153の一方の面153aがリード部12の一方の面12aと面一になっている。
【0049】
ダイパッド部11の他方の面11b、リード部12の他方の面12b、セクションバー152の他方の面152b、めっき引出部153の他方の面153b及び連結部20の他方の面20bはリードフレーム200の下面200bに含まれる。
【0050】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0051】
[リードフレームの製造方法]
次に、第2実施形態に係るリードフレーム200の製造方法について説明する。
図19~
図20は、第2実施形態に係るリードフレームの製造方法を示す図である。
図19(a)~
図20(a)は上面図であり、
図19(b)~
図20(b)は断面図である。
図19~
図20は、個片化領域101の1つを示す。
【0052】
まず、第1実施形態と同様に、レジスト161及び162の形成までの処理を行う(
図4~
図5参照)。次に、
図19に示すように、レジスト161の露光及び現像を行うことにより、レジスト161に被覆パターン161S、開口部161T及びダミーパターン161Uを形成する。被覆パターン161Sは、金属板10にリード部12、外枠部151、セクションバー152及びめっき引出部153を形成するための部分である。開口部161Tは、金属板10に連結部20を形成するための部分である。ダミーパターン161Uは、金属板10にダイパッド部11を形成するためのパターンである。
図19(b)は
図19(a)中のXIXb-XIXb線に沿った断面図に相当する。
【0053】
次に、
図20に示すように、レジスト161及び162をエッチングマスクとして金属板10のハーフエッチング(例えば、ウェットエッチング)を金属板10の上面側から行う。ハーフエッチングは、第1実施形態と同様にして行うことができる。このハーフエッチングの結果、開口部161Tの下方では、ダミーパターン161Uの下方よりも深く金属板10が除去される。
図20(b)は
図20(a)中のXXb-XXb線に沿った断面図に相当する。
【0054】
このようにして、金属板10に、ダイパッド部11、リード部12、外枠部151、セクションバー152、めっき引出部153及び連結部20が形成される。
【0055】
その後、第1実施形態と同様にして、レジスト161及び162の除去以降の処理を行う(
図8~
図12参照)。
【0056】
このようにして、リードフレーム200を製造することができる。
【0057】
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、半導体装置の製造過程において、半導体素子40の搭載及び封止樹脂70の形成の際のリードフレーム200の変形を抑制することができる。また、半導体素子40の搭載及び封止樹脂70の形成後に、リードフレーム200を下面200b側からエッチバックすることで、ダイパッド部11とリード部12とを電気的に絶縁することができる。また、このエッチバックにより、半導体装置110を薄型化することができる。
【0058】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
11 ダイパッド部
12 リード部
20 連結部
21 第1領域
22 第2領域
31、32 めっき層
40 半導体素子
60 ボンディングワイヤ
70 封止樹脂
70b 下面
100、200 リードフレーム
100b、200b 下面
110 半導体装置