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特開2023-93104情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023093104
(43)【公開日】2023-07-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/00 20060101AFI20230627BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230627BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G08B21/00 A
G06Q50/10
G08B25/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208520
(22)【出願日】2021-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】浅井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】倉本 南
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C086AA34
5C086AA52
5C086BA13
5C086CA06
5C086CA09
5C086CA25
5C086CB26
5C086CB28
5C086FA01
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA19
5C087AA44
5C087BB03
5C087BB18
5C087DD08
5C087DD33
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF03
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG08
5C087GG12
5C087GG66
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定の信号を出力する複数の出力装置を含む情報処理システムにおいて、出力装置に異常が発生したこと及び異常が発生した出力装置がどこにあるかを容易に把握する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、所定の信号を出力する複数の出力装置を制御する情報処理装置は、出力装置の異常を検出する異常検出部と、異常を検出した場合、異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に、異常を検出した出力装置との距離に応じて、異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示部と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の信号を出力する複数の出力装置を制御する情報処理装置であって、
前記出力装置の異常を検出する異常検出部と、
前記異常を検出した場合、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に、前記異常を検出した出力装置との距離に応じて、前記異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記出力指示部は、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置のうち、前記異常を検出した出力装置との間の距離が他の出力装置より短い1つ以上の出力装置に、前記通知信号の出力を指示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力指示部は、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置のうち、前記異常を検出した出力装置との間の距離が所定の距離以下の1つ以上の出力装置に、前記通知信号の出力を指示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の距離を変更可能である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力指示部は、前記1つ以上の出力装置に前記通知信号を出力させる前に、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に前記通知信号を出力させる、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な出力装置とを含む情報処理システムであって、
前記出力装置は、
所定の信号を所定のエリア内に出力する信号出力部を有し、
前記信号出力部は、前記情報処理装置からの指示に基づいて、他の出力装置の異常を通知する通知信号を、前記所定のエリアより広い範囲に出力する、
情報処理システム。
【請求項7】
前記信号出力部は、可聴音で前記通知信号を出力する、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記通知信号を受信し、前記通知信号に基づいて、異常が発生した出力装置の情報、又は発生した異常の内容を表示する携帯端末を含む、請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
所定の信号を出力する複数の出力装置を制御する情報処理装置が、
前記出力装置の異常を検出する異常検出処理と、
前記異常を検出した場合、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に、前記異常を検出した出力装置との距離に応じて、前記異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示処理と、
を実行する、情報処理方法。
【請求項10】
所定の信号を出力する複数の出力装置を制御する情報処理装置に、
前記出力装置の異常を検出する異常検出処理と、
前記異常を検出した場合、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に、前記異常を検出した出力装置との距離に応じて、前記異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
測位信号を出力する出力装置を利用した測位システムがある。また、出力装置が出力する信号に含まれる異常情報を、携帯端末を介して受信し、出力装置の異常情報を管理画面に表示する管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された技術では、出力装置に異常が発生した場合でも、管理者等が、管理装置が表示する管理画面を見ていなければ異常の発生に気がつきにくく、また、異常が発生した出力装置がどこにあるかを把握しにくいという問題がある。
【0004】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、所定の信号を出力する複数の出力装置を含む情報処理システムにおいて、出力装置に異常が発生したこと、及び異常が発生した出力装置がどこにあるかを容易に把握できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、所定の信号を出力する複数の出力装置を制御する情報処理装置であって、前記出力装置の異常を検出する異常検出部と、前記異常を検出した場合、前記異常を検出した出力装置とは異なる出力装置に、前記異常を検出した出力装置との距離に応じて、前記異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示部と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、所定の信号を出力する複数の出力装置を含む情報処理システムにおいて、出力装置に異常が発生したこと、及び異常が発生した出力装置がどこにあるかを容易に把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
図6】一実施形態に係る通知信号情報の例を示す図である。
図7】一実施形態に係る出力装置の設置位置の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係る設置位置情報、及び設置距離情報の例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係る出力対象の決定処理の例を示すフローチャートである。
図11】第2の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。
図12】第3の実施形態に係る出力装置の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0009】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の例を示す図である。情報処理システム1は、例えば、情報処理装置10、ゲートウェイ(以下、GWと呼ぶ)20、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・、携帯端末40、及び情報端末50等を含む。なお、以下の説明において、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・のうち、任意の出力装置を示す場合、「出力装置30」を用いる。
【0010】
複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・は、互いに異なる場所に設置され、識別情報を表す信号101を、音波、又はBluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLEと呼ぶ)等の近距離無線通信の電波で出力する装置である。複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・は、例えば、LoRa(登録商標)等のLPWA(Low Power Wide Area)による無線通信21でGW20に接続し、GW20を介して情報処理装置10と通信可能に接続されている。ただし、これに限られず、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、又は有線LAN等により、情報処理装置10と通信可能に接続されていてもよい。
【0011】
GW20は、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・と無線通信21で通信可能に接続されるとともに、情報処理装置10と、例えば、インターネット、又はLAN等の通信ネットワーク22を介して通信可能に接続される中継装置である。GW20は、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・と、情報処理装置10との間の通信を中継するとともに、必要に応じて通信プロトコルの変換を行う。
【0012】
情報処理装置10は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムであり、GW20を介して、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・を制御する。例えば、情報処理装置10は、各出力装置30の死活確認、各出力装置30が出力する信号が表す識別情報の設定、又は各出力装置30が出力する信号の強度の設定等を行う。
【0013】
また、情報処理装置10は、情報端末50に管理画面を提供し、例えば、各出力装置30の状態表示、又は設定内容の変更等のサービスを提供する。出力装置30の設定内容には、例えば、各出力装置30が出力する信号が表す識別情報、出力する信号の強度、又は出力装置30に異常が発生したことを通知する通知信号の出力方法の設定等が含まれる。なお、図1に示したシステム構成は一例であり、情報処理装置10は、情報端末50に代えて、情報処理装置10が備える表示装置に管理画面を表示してもよい。
【0014】
情報端末50は、情報処理装置10と通信可能な、例えば、タブレット端末、スマートフォン、又はPC(Personal Computer)等の情報処理装置である。情報端末50は、例えば、ウェブブラウザ等を用いて情報処理装置10にアクセスし、情報処理装置10が提供する管理画面を表示する。
【0015】
携帯端末40は、例えば、情報処理システム1を管理する管理者、又は情報処理システム1を利用する利用者等のユーザが利用する、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等の情報端末である。携帯端末40は、例えば、情報処理システム1に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、出力装置30が出力する信号を受信し、受信した信号が表す識別情報を取得する。また、携帯端末40は、取得した識別情報に対応するコンテンツ(例えば、位置情報、経路情報、施設情報、店舗情報、又はイベント情報等)を表示する。なお、識別情報に対応するコンテンツは、アプリが有していてもよいし、携帯端末40が、通信ネットワーク22上のサーバ、又はクラウドサービス等から取得してもよい。
【0016】
上記のシステム構成により、情報処理システム1は、出力装置30が設置されたエリアに対応するコンテンツを、携帯端末40に表示させることができる。なお、情報処理システム1は、例えば、測位システム、又は情報提供システム等とも呼ばれる。
【0017】
また、本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、出力装置30-1に異常が発生した場合、当該異常を検出し、他の出力装置30に、出力装置30-1との距離に応じて、当該異常を通知する通知信号の出力を指示する機能を有している。一例として、情報処理装置10は、異常を検出した出力装置30-1とは異なる出力装置30のうち、出力装置30-1との間の距離が、他の出力装置30より短い1つ以上の出力装置30に、通知信号の出力を指示する。これにより、情報処理装置10は、異常が発生した出力装置30-1に隣接、又は近接する他の出力装置30-2から、出力装置30-1に異常が発生したことを示す通知信号を出力させる。
【0018】
別の一例として、情報処理装置10は、異常を検出した出力装置30-1とは異なる出力装置30のうち、出力装置30-1との間の距離が所定の距離以下の1つ以上の出力装置30に、通知信号の出力を指示する。これにより、情報処理装置10は、異常が発生した出力装置30-1から所定の距離の範囲内にある1つ以上の他の出力装置30から、出力装置30-1に異常が発生したことを示す通知信号を出力させることができる。
【0019】
このように、本実施形態に係る情報処理システム1では、携帯端末40を所持する管理者等は、情報端末50が表示する管理画面をみていなくても、出力装置30に異常が発生したことに気が付き易くなる。また、本実施形態に係る情報処理システム1では、異常が発生した出力装置30の周辺の他の出力装置30から、異常が発生したことを示す通知信号を出力するので、管理者等は、異常が発生した出力装置がどこにあるかを把握し易くなる。
【0020】
以上、本実施形態によれば、所定の信号を出力する複数の出力装置30を含む情報処理システム1において、出力装置30に異常が発生したこと、及び異常が発生した出力装置30がどこにあるかを容易に把握できるようになる。
【0021】
<ハードウェア構成>
続いて、情報処理システム1に含まれる各装置のハードウェア構成の例について説明する。
【0022】
(情報処理装置のハードウェア構成)
情報処理装置10は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。或いは、情報処理装置10は、複数のコンピュータ200によって構成される。
【0023】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、ネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU201は、コンピュータ200の全体の動作を制御する。ROM202は、例えば、IPL等のCPU201の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリア等として使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0025】
ディスプレイ206は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種の情報を表示する。外部機器接続I/F207は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F208は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0026】
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW211は、DVD-RWに限らず、他の記録媒体であっても良い。メディアI/F214は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0027】
(出力装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは、出力装置30が、識別情報を表す信号として、音波を出力する場合のハードウェア構成の例について説明する。
【0028】
出力装置30は、一例として、CPU301、メモリ302、ストレージデバイス303、通信回路304、音出力I/F305、スピーカ306、及びバス307等を有している。
【0029】
CPU301は、例えば、ストレージデバイス303等に格納されたプログラムやデータをメモリ302上に読み出し、処理を実行することで、出力装置30の各機能を実現する演算装置(プロセッサ)である。メモリ302には、例えば、CPU301のワークエリア等として用いられるRAM、及び出力装置30の起動用のプログラム等を記憶するROM等が含まれる。ストレージデバイス303は、OS(Operating System)、アプリ、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性の大容量の記憶装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)等によって実現される。
【0030】
通信回路304は、例えば、GW20と無線通信を行うための回路、IC(Integrated Circuit)、又はモジュール等である。なお、出力装置30が、識別情報を表す信号として、近距離無線通信の電波を出力する場合、通信回路304には、近距離無線通信を行うための回路、IC、又はモジュール等が含まれる。
【0031】
音出力I/F305は、音波データを音波信号に変換してスピーカ306に出力する回路、又はIC等であり、音波信号を増幅する増幅器を含む。スピーカ306は、音出力I/F305が出力する音波信号を音波に変化して出力するスピーカである。バス307は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0032】
なお、出力装置30が、識別情報を表す信号として、電波を出力する場合、出力装置30は、音出力I/F305、及びスピーカ306を有していなくてもよい。
【0033】
(携帯端末のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の例を示す図である。図4に示されているように、携帯端末40は、CPU401、ROM402、RAM403、ストレージデバイス404、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405、撮像素子I/F406、センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部410等を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU401は、所定のプログラムを実行することにより携帯端末40全体の動作を制御する。ROM402は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU401の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。ストレージデバイス404は、例えば、SSD等によって実現され、OS、アプリ、及び各種のデータ等を記憶する大容量の不揮発性の記憶装置である。
【0035】
CMOSセンサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、携帯端末40は、CMOSセンサ405に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していても良い。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部410は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0036】
また、携帯端末40は、遠距離通信回路411、遠距離通信回路411のアンテナ411a、CMOSセンサ412、撮像素子I/F413、マイク414、スピーカ415、音入出力I/F416、ディスプレイ417、外部機器接続I/F418、近距離通信回路419、近距離通信回路419のアンテナ419a、及びタッチパネル420を備えている。
【0037】
これらのうち、遠距離通信回路411は、例えば、通信ネットワークNを介して、他の装置と通信する回路である。CMOSセンサ412は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F413は、CMOSセンサ412の駆動を制御する回路である。マイク414は、音波を音波信号に変える内蔵型のデバイスである。スピーカ415は、音波信号を物理振動に変えて音波を発生する内蔵型のデバイスである。音入出力I/F416は、CPU401の制御に従って、音波信号の入出力等を処理する回路等である。
【0038】
ディスプレイ417は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。外部機器接続I/F418は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路419は、例えば、Blooth、又はBLE等の出力装置30と同じ無線通信方式で近距離無線通信を行う。タッチパネル420は、利用者がディスプレイ417を押下することで、携帯端末40を操作する入力手段の一種である。
【0039】
また、携帯端末40は、バスライン421を備えている。バスライン421は、図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0040】
(情報端末のハードウェア構成)
情報端末50は、例えば、図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成、又は図4に示すような携帯端末40と同様のハードウェア構成を有している。
【0041】
<機能構成>
続いて、本実施形態に係る各装置の機能構成について説明する。図5は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。なお、図5において、出力装置30-2、30-3、・・・は、出力装置30-1と同様の機能構成を有しているものとする。
【0042】
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置10は、例えば、CPU201が所定のプログラムを実行することにより、第1の通信部501、状態取得部502、異常検出部503、出力指示部504、記憶部505、管理画面提供部506、及び第2の通信部507等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0043】
第1の通信部501は、例えば、ネットワークI/F208等を用いて、情報処理装置10を通信ネットワーク22に接続し、ゲートウェイ20を介して、複数の出力装置30-1、30-2、30-3、・・・と通信する第1の通信処理を実行する。
【0044】
状態取得部502は、第1の通信部501を利用して、複数の出力装置の状態を示す状態情報(例えば、出力している識別情報、又は異常情報等)を取得する状態取得処理を実行する。例えば、状態取得部502は、各出力装置30に状態取得要求を送信し、各出力装置30から受信した状態情報を、記憶部505等に記憶する。
【0045】
異常検出部503は、状態取得部502が取得した状態情報、及び各出力装置30との通信可否等に基づいて、出力装置30の異常を検出する異常検出処理を実行する。
【0046】
出力指示部504は、異常検出部503が出力装置30の異常を検出した場合、異常を検出した出力装置30とは異なる出力装置30に、異常を検出した出力装置30との距離に応じて、異常を通知する通知信号の出力を指示する出力指示処理を実行する。
【0047】
記憶部505は、例えば、CPU201が実行するプログラム、HD204、及びHDDコントローラ205等によって実現され、通知信号情報600、設置位置情報801、又は設置距離情報802等の様々な情報を記憶する。
【0048】
図6は、一実施形態に係る通知信号情報の例を示す図である。情報処理装置10は、例えば、図6に示すような通知信号情報600を、記憶部505に予め記憶しておく。通知信号情報600には、項目として、「異常が発生した出力装置」、「異常内容」、及び「異常ID」等の情報が含まれる。出力指示部504は、例えば、「異常が発生した出力装置」が出力装置30-1であり、「異常内容」がスピーカ故障である場合、通知信号が表す識別情報「2002」を通知信号情報600から取得することができる。
【0049】
図7は、一実施形態に係る出力装置の設置位置の一例を示す図である。この図は、説明用の一例として、施設700等に設置された複数の出力装置30-1~30-9の設置位置を上からみたイメージを示している。
【0050】
情報処理装置10は、複数の出力装置30-1~30-9の設置位置を示す情報の一例として、図8(A)に示すような設置位置情報801を、記憶部505に予め記憶しておく。設置位置情報801には、複数の出力装置30-1、30-2、30-1、・・・の設置位置を示す座標(x,y,z)が記憶されている。図8(A)の例では、出力装置30-1の位置を原点として、各出力装置30の位置座標を表している。
【0051】
例えば、出力装置30-1で異常が発生した場合、出力指示部504は、設置位置情報801を用いて、出力装置30-2~30-9のうち、出力装置30-1との間の距離が他の出力装置より短い1つ以上の出力装置30に、通知信号の出力を指示する。具体的な一例として、出力指示部504は、異常が発生した出力装置30-1から、x軸の+方向、及び-方向で最も近い出力装置30-4と、y軸の+方向、及び-方向で最も近い出力装置30-2に、通知信号の出力を指示する。
【0052】
これにより、携帯端末40を所持するユーザが、出力装置30-4に対応するエリア、又は出力装置30-2に対応するエリアに入った場合、通知信号により異常状態が携帯端末40に表示され、いずれかの出力装置30で異常が発生していることがわかる。その後、ユーザが、出力装置30-5に対応するエリアへ移動した場合、異常状態の表示がなくなり、出力装置30-5のエリアに対応するコンテンツが表示されるため、ユーザは、出力装置30-5が正常であることを認識することができる。逆に、ユーザが、出力装置30-1に対応するエリアに移動すると、出力装置30-1は異常が発生しているため、出力装置30-1のエリアに対応するコンテンツが表示されない。従って、ユーザは、出力装置30-1が異常であることを把握することができる。
【0053】
或いは、情報処理装置10は、複数の出力装置30-1~30-9の設置位置を示す情報の別の一例として、図8(B)に示すような設置距離情報802を、記憶部505に予め記憶しておく。設置距離情報802には、各出力装置30の間の距離が記憶されている。
【0054】
出力指示部504は、設置距離情報802を用いて、異常が発生した出力装置30とは異なる出力装置30のうち、異常が発生した出力装置30との間の距離が所定の距離未満の出力装置30に、通知信号の出力を指示してもよい。例えば、出力装置30-2で異常が発生し、所定の距離が「10」である場合、出力指示部504は、出力装置30-2との間の距離が「10」である、出力装置30-1、30-3、30-5に、通知信号の出力を指示する。
【0055】
好ましくは、所定の距離「10」は、管理者等によって設定を変更可能である。この所定の距離は、隣接する出力装置30間の距離より大きいことが望ましい。また、所定の距離は、2つ以上離れた他の出力装置30が含まれない距離であることが望ましい。例えば、所定の距離を「25」とした場合、出力装置30-1で異常が発生したことを示す通知信号が、出力装置30-3からも出力されることになる。この場合、出力装置30-3のエリアで通知信号を受信した管理者等は、出力装置30-1で異常が発生していることを把握するまでに、例えば、出力装置30-6のエリアまで調べる等の手間が増えることになる。
【0056】
ここで、図5に戻り、情報処理装置10の機能構成の説明を続ける。管理画面提供部506は、各出力装置30の状態表示、又は各出力装置30の設定内容の変更の受付等を行う管理画面を、情報端末50等に提供する管理画面提供処理を実行する。例えば、管理画面提供部506は、上述した管理画面を表示するウェブページを提供するウェブサーバとして機能する。
【0057】
第2の通信部507は、例えば、ネットワークI/F208を用いて、情報処理装置10を通信ネットワーク22に接続し、情報端末50等と通信する第2の通信処理を実行する。なお、第1の通信部501と第2の通信部507とは、異なる通信部であってもよいし、同じ通信部であってもよい。
【0058】
(出力装置の機能構成)
出力装置30は、例えば、CPU301が所定のプログラムを実行することにより、通信部511、記憶部512、信号出力部513、及び装置制御部514等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0059】
通信部511は、例えば、通信回路304を用いて、出力装置30を無線通信21でGW20に接続し、GW20を介して情報処理装置10と通信する通信処理を実行する。
【0060】
記憶部512は、例えば、CPU301が実行するプログラム、及びストレージデバイス303等によって実現され、出力装置30が出力する所定の信号が表す識別情報、所定の信号の出力レベル(音量、又は送信パワー等)の様々な情報を記憶する。
【0061】
信号出力部513は、情報処理装置10、又は装置制御部514からの指示に従って、識別情報を表す所定の信号を所定のエリア内に出力する信号出力処理を実行する。一例として、信号出力部513は、識別情報を表す音波を指定された音量で出力する。別の一例として、信号出力部513は、識別情報を表す電波を、BLE等の近距離無線通信の電波で出力(送信)する。
【0062】
装置制御部514は、出力装置30の全体を制御する。例えば、装置制御部514は、出力装置30が出力している識別情報、又は出力装置30の異常を示す異常情報等を含む状態情報を生成し、通信部511を介して、情報処理装置10に送信する。
【0063】
また、装置制御部514は、信号出力部513が出力する所定の信号が表す識別情報、又は所定の信号の出力レベル(音量、又は送信パワー)等を、信号出力部513に設定する。なお、この処理は、装置制御部514によらずに、信号出力部513が実行してもよい。
【0064】
(携帯端末の機能構成)
携帯端末40は、例えば、CPU401で所定のプログラム(例えば、情報処理システム1用のアプリ)を実行することにより、信号受信部521、情報取得部522、表示制御部523、記憶部524、及び通信部525等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0065】
信号受信部521は、出力装置30が出力する識別情報を表す信号を受信する。一例として、信号受信部521は、マイク414、及び音入出力I/F416等を用いて、出力装置30が出力する識別情報を表す音波を受信する。別の一例として、信号受信部521は、近距離通信回路419を用いて、出力装置30が出力する識別情報を表す電波を受信する。
【0066】
情報取得部522は、信号受信部521が受信した信号から識別情報を取得し、取得した識別情報に対応するコンテンツを記憶部524、又は通信ネットワーク22を介して通信可能なサーバ装置等から取得する情報取得処理を実行する。
【0067】
表示制御部523は、情報取得部522が取得したコンテンツを表示する表示画面を、ディスプレイ417等の表示部に表示する。
【0068】
記憶部524は、例えば、CPU401が実行するプログラム、及びストレージデバイス404等によって実現され、識別情報に対応するコンテンツ等の様々な情報、又はデータを記憶する。
【0069】
通信部525は、例えば、遠距離通信回路411を用いて、携帯端末40を通信ネットワーク22に接続し、通信ネットワーク22上のサーバ装置、又はクラウドサービス等と通信する通信処理を実行する。
【0070】
上記の構成により、携帯端末40は、出力装置30が識別情報を出力するエリア内において、当該エリアに対応するコンテンツデータを識別する識別情報を取得した場合、識別情報に対応するコンテンツデータを表示部等に表示する。
【0071】
一方、携帯端末40は、出力装置30が識別情報を出力するエリア内において、他の出力装置30で異常が発生したことを示す通知信号を受信した場合、他の出力装置30で異常が発生したことを示す表示画面を表示部等に表示する。好適な一例として、携帯端末40が実行するアプリは、図6の通知信号情報に対応する情報を有しており、識別情報「2002」を表す通知信号を受信した場合、出力装置30-1でスピーカ故障が発生したことを示す表示画面を表示してもよい。
【0072】
なお、図5に示す情報処理システムの機能構成は一例である。例えば、情報端末50が表示する管理画面は、情報処理装置10が表示してもよいし、携帯端末40が表示してもよい。また、出力装置30は、GW20を介さずに、情報処理装置10と通信してもよい。さらに、情報処理装置10が有する各機能構成は、複数のコンピュータに分散して設けられていてもよい。
【0073】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0074】
[第1の実施形態]
(情報処理装置の処理)
図9は、第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図5に示した機能構成を有する情報処理装置が実行する処理の例を示している。
【0075】
ステップS901において、情報処理装置10の状態取得部502は、情報処理システム1に含まれるN個の出力装置30-1~30-Nから、状態情報を取得する。この状態情報には、出力装置30で異常が発生している場合、異常が発生していることを示す異常情報が含まれている。
【0076】
ステップS902において、情報処理装置10は、例えば、変数iを1に初期化して、ステップS903以降の処理を実行する。
【0077】
ステップS903において、情報処理装置10の異常検出部503は、出力装置30-iに異常があるか否か(出力装置30-iで異常が発生しているか否か)を判断する。例えば、異常検出部503は、出力装置30-iから取得した状態情報に異常情報が含まれている場合、異常情報に基づいて、出力装置30-iで異常が発生していること、及び異常内容等を特定する。また、異常検出部503は、出力装置30-iから、状態情報を取得できない場合、ネットワーク異常が発生していると判断してもよい。
【0078】
ステップS904において、情報処理装置10の出力指示部504は、出力装置30-iに対する出力対象の決定処理を実行する。例えば、出力指示部504は、前述したように、図8(A)の設置位置情報801を用いて、出力装置30-iとは異なる出力装置30のうち、出力装置30-iとの間の距離が他の出力装置30より短い1つ以上の出力装置30を出力対象に決定してもよい。
【0079】
或いは、出力指示部504は、前述したように、図8(B)の設置距離情報802を用いて、出力装置30-iとは異なる出力装置30のうち、出力装置30-iとの間の距離が所定の距離未満の出力装置30を出力対象に決定してもよい。なお、出力指示部504は、図8(A)に示すような設置位置情報801に基づいて、図10に示すような、出力対象の決定処理を実行してもよい。
【0080】
図10は、第1の実施形態に係る出力対象の決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、図9のステップS904において、出力指示部504が実行する出力対象の決定処理の一例を示している。
【0081】
ステップS1001において、出力指示部504は、例えば、変数iとは別の変数jを1に初期化して、ステップS1002以降の処理を実行する。
【0082】
ステップS1002において、出力指示部504は、i=jであるか否かを判断し、i=jでない場合、処理をステップS1003に移行させる。一方、i=jである場合、処理をステップS1006に移行させる。
【0083】
ステップS1003に移行すると、出力指示部504は、出力装置30-iと出力装置30-jとの間の距離Lを算出する。例えば、出力指示部504は、図8(A)に示すような設置位置情報を用いて、出力装置30-iの位置座標と、出力装置30-jの位置座標との間の距離Lを算出する。
【0084】
ステップS1004において、出力指示部504は、算出した距離Lが、所定の距離Ld以下であるか否かを判断する。ここで、所定の距離Ldは、図8(B)で説明した、管理者等が設定可能な設定値であり、例えば、出力装置30-iに隣接、又は近接する他の出力装置30を含む距離が、予め設定されているものとする。
【0085】
距離Lが所定の距離Ld以下である場合、出力指示部504は、処理をステップS1005に移行させる。一方、距離Lが所定の距離Ld以下でない場合、出力指示部504は、処理をステップS1006に移行させる。
【0086】
ステップS1005に移行すると、出力指示部504は、出力装置30-jを出力対象に追加する。
【0087】
ステップS1006に移行すると、出力指示部504は、変数jの値が、出力装置30の数N未満であるか否かを判断する。jの値がN未満である場合、出力指示部504は、処理をステップS1007に移行させる。一方、jの値がN以上である場合、出力指示部504は、図10の処理を終了する。
【0088】
ステップS1007に移行すると、出力指示部504は、変数jに1を加算して、処理をステップS1002に戻す。
【0089】
上記の処理により、出力指示部504は、図8(B)に示すような設置距離情報802を有していなくても、図8(A)に示すような設置位置情報801を用いて、出力装置30-iから所定の距離Ld以内の他の出力装置30を出力対象として決定することができる。
【0090】
ここで、図9に戻り、図9のフローチャートの説明を続ける。ステップS905において、出力指示部504は、出力対象の出力装置30に、通知信号の出力を指示する。好ましくは、出力指示部504は、図6に示すような通知信号情報600から、異常が発生した出力装置30と、発生した異常内容とに対応する識別情報を取得し、当該識別情報を表す通知信号の出力を、出力対象の出力装置30に指示する。
【0091】
ステップS906において、出力指示部504は、変数iの値が、出力装置30の数N未満であるか否かを判断する。iの値がN未満である場合、出力指示部504は、処理をステップS907に移行させる。一方、iの値がN以上である場合、出力指示部504は、図9の処理を終了させる。
【0092】
ステップS907に移行すると、出力指示部504は、変数iに1を加算して、処理をステップS903に戻す。
【0093】
上記の処理により、情報処理装置10は、出力装置30に異常が発生した場合、当該出力装置30に隣接、又は近接する他の出力装置30から、当該出力装置30で発生した異常を示す通知信号を出力させることができる。
【0094】
[第2の実施形態]
第1の実施形態により、例えば、図7の出力装置30-1で異常が発生した場合、出力装置30-1に隣接、又は近接する他の出力装置30-2、30-4等から、異常が発生したことを示す通知信号を出力することができる。
【0095】
しかし、この方法だけでは、例えば、携帯端末40を所持する管理者等が、図7の出力装置30-9付近にいる場合等に、異常の発生に気が付きにくいという問題がある。そこで、第2の実施形態では、情報処理装置10が、出力対象の出力装置30に通知信号を出力させる前に、異常が発生している出力装置30とは異なる他の出力装置30に、通知信号を出力させる。
【0096】
図11は、第2の実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。図11に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置の処理は、図9で説明した第1の実施形態に係る情報処理装置の処理に、ステップS1101の処理が追加されている。
【0097】
ステップS1101において、情報処理装置10の出力指示部504は、S905で、出力対象の出力装置30に通知信号の出力を指示する前に、出力装置30-i以外の出力装置30に、通知信号の出力を指示する。これにより、携帯端末40を所持する管理者等が、図7の出力装置30-9付近にいる場合でも、異常の発生を通知することができる。また、ステップS905において、情報処理装置10は、第1の実施形態と同様にして、出力対象の出力装置に通知信号の出力を指示するので、管理者等は、第1の実施形態と同様にして、異常が発生している出力装置30を容易に把握することができる。
【0098】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、出力装置30の処理の例について説明する。ここでは、出力装置30が、識別情報を表す音波を出力するものとして以下の説明を行う。具体的には、出力装置3は、出力装置30が出力する音波を識別する識別情報(以下、音波IDと呼ぶ)を表す音波を、出力装置30に対応するエリア内に出力するように、例えば、音波の音量、及びスピーカ306の向き等が予め設定されているものとする。
【0099】
図12は、第3の実施形態に係る出力装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、各出力装置30が、起動後に繰り返し実行する、出力装置の処理の例を示している。
【0100】
ステップS1201において、出力装置30の装置制御部514は、情報処理装置10から受け付けた通知信号の出力指示があるか否かを判断する。通知信号の出力指示がない場合、装置制御部514は、処理をステップS1202に移行させる。一方、通知信号の出力指示がある場合、装置制御部514は、処理をステップS1206に移行させる。
【0101】
ステップS1202に移行すると、装置制御部514は、情報処理装置10から受け付けた音波IDの出力指示があるか否かを判断する。音波IDの出力指示がない場合、装置制御部514は、処理をステップS1203に移行させる。一方、音波IDの出力指示がある場合、装置制御部514は、処理をステップS1204に移行させる。
【0102】
ステップS1203に移行すると、装置制御部514は、音波IDを表す音波の出力を停止する。例えば、装置制御部514は、信号出力部513に、音波IDを表す音波の出力停止を指示する。なお、信号出力部513が、音波IDを表す音波を出力していない場合、装置制御部514は、現在の状態を維持してもよい。
【0103】
ステップS1204に移行すると、装置制御部514は、予め設定された音量で、音波IDを表す音波を出力するように、信号出力部513に指示する。これにより、出力装置30は、出力装置30に対応するエリア内に、当該エリアに対応する音波IDを表す音波を出力する。
【0104】
一方、ステップS1201からステップS1205に移行すると、装置制御部514は、情報処理装置10から受け付けた音波IDの出力指示に、音量指定があるか否かを判断する。音量指定がない場合、装置制御部514は、処理をステップS1206に移行させる。一方、音量指定がある場合、装置制御部514は、処理をステップS1207に移行させる。
【0105】
ステップS1206に移行すると、装置制御部514は、既定の音量(例えば、最大音量)で通知信号を出力するように、信号出力部513に指示する。これにより、出力装置30は、出力装置30に対応するエリアより広い範囲に、異常が発生したことを示す通知信号を出力する。この通知信号は、例えば、図6で説明した通知信号情報600に基づいて、異常が発生した出力装置30、及び異常内容に対応する識別情報を表す音波である。
【0106】
ステップS1207に移行すると、装置制御部514は、音波IDの出力指示で指定された音量で通知信号を出力するように、信号出力部513に指示する。これにより、出力装置30は、情報処理装置10から指定された音量で、異常が発生したことを示す通知信号を出力することができる。この通知信号も、例えば、図6で説明した通知信号情報600に基づいて、異常が発生した出力装置30、及び異常内容に対応する識別情報を表す音波である。このステップS1207の処理により、例えば、既定の音量が大き過ぎる場合、情報処理装置10は、出力装置30が出力する通知信号の音量を制限することができる。
【0107】
上記の処理により、情報処理システム1は、例えば、第1の実施形態のように、異常が発生した出力装置30に隣接、又は近接する他の出力装置30のみから通知信号を出力する場合でも、より広い範囲で通知信号を取得できるようになる。
【0108】
なお、ステップS1206、又はステップS1207において、出力装置30は、可聴音で通知信号を出力してもよい。この場合、管理者等は、出力装置30から出力される可聴音により、携帯端末40の表示画面を見ていなくても、出力装置30で異常が発生していることを容易に把握することができる。
【0109】
或いは、ステップS1206、又はステップS1207において、出力装置30は、携帯端末40が備えるマイク414で取得可能な周波数範囲(例えば、20Hz~20kHz)のうち、16kHz以上の周波数で通知信号を出力してもよい。この場合、16kHz以上の周波数の音波は、一般の人には聞こえ難いので、情報処理システム1を利用する利用者への違和感を軽減しつつ、通知信号を管理者等に通知することができる。
【0110】
なお、図12において、装置制御部514が実行する処理は、信号出力部513が実行してもよい。
【0111】
以上、本発明の各実施形態によれば、所定の信号を出力する複数の出力装置30を含む情報処理システム1において、出力装置30に異常が発生したこと、及び異常が発生した出力装置30がどこにあるかを容易に把握できるようになる。
【0112】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0113】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、情報処理装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、出力装置30は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0114】
さらに、情報処理装置10、情報端末50、及び出力装置30は、開示された処理ステップを様々な組合せで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理装置10、情報端末50、又は出力装置30によって実行され得る。また、情報処理装置10、及び情報端末50の各要素は、1つの装置にまとめられていても良いし、さらに複数の装置に分けられていても良い。
【符号の説明】
【0115】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 GW(ゲートウェイ)
30、30-1~30-9 出力装置
40 携帯端末
503 異常検出部
504 出力指示部
513 信号出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【特許文献1】特開2019-148561号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12