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特開2023-94191情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094191
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/02 20120101AFI20230628BHJP
【FI】
G06Q20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209517
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小原 一樹
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA03
5L055AA04
(57)【要約】
【課題】債権の回収状態に応じて未回収の債権を回収するための行動を提案する。
【解決手段】情報処理装置は、利用者が用いる利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得部と、回収状態が未回収を表す債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを利用者端末に送信する通信部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が用いる利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、
前記利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得部と、
前記回収状態が未回収を表す前記債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する通信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記提案画面は、債権保証の履行を提案する前記債権に関する情報を表示する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記債権管理情報は、前記債権に基づく口座振替の結果を含む口座振替情報、前記取引先に対する債権保証の履行状態を表す債権保証情報、及び前記取引先の信用情報のいずれかを含む、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記口座振替情報及び前記債権保証情報に基づいて前記債権に対する前記選択を判断する判断部をさらに備える、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記判断部は、前記口座振替が未完了である前記債権について、前記口座振替の結果が未完了となった理由及び前記取引先に対する前記債権保証の履行履歴に基づいて、前記選択を判断する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記債権管理情報は、他の利用者が前記取引先に請求した債権の発行状態又は回収状態を含む取引履歴情報をさらに含み、
前記提案画面は、前記取引履歴情報に基づく前記取引先の取引傾向を表す情報を表示する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記通信部は、前記利用者の債権保証の利用状況に応じて、前記債権保証に関する情報を表示する案内画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する、
情報処理装置。
【請求項8】
利用者が用いる利用者端末と情報処理装置とが通信可能な情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得部と、
前記回収状態が未回収を表す前記債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する通信部と、
を備え、
前記利用者端末は、
前記利用者の操作に応じて、前記提案画面を表示させるための画面データの取得要求を前記情報処理装置に送信する通信部と、
前記情報処理装置が送信した前記画面データに基づいて前記提案画面を表示する表示制御部と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項9】
利用者が用いる利用者端末と通信可能なコンピュータが、
前記利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得手順と、
前記回収状態が未回収を表す前記債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する通信手順と、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記提案画面は、債権保証の履行を提案する前記債権に関する情報を表示する、
情報処理方法。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理方法であって、
前記債権管理情報は、前記債権に基づく口座振替の結果を含む口座振替情報、前記取引先に対する債権保証の履行状態を表す債権保証情報、及び前記取引先の信用情報のいずれかを含む、
情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法であって、
前記口座振替情報及び前記債権保証情報に基づいて前記債権に対する前記選択を判断する判断手順をさらに実行する、
情報処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理方法であって、
前記判断手順は、前記口座振替が未完了である前記債権について、前記口座振替の結果が未完了となった理由及び前記取引先に対する前記債権保証の履行履歴に基づいて、前記選択を判断する、
情報処理方法。
【請求項14】
請求項13に記載の情報処理方法であって、
前記債権管理情報は、他の利用者が前記取引先に請求した債権の発行状態又は回収状態を含む取引履歴情報をさらに含み、
前記提案画面は、前記取引履歴情報に基づく前記取引先の取引傾向を表す情報を表示する、
情報処理方法。
【請求項15】
請求項9に記載の情報処理方法であって、
前記通信手順は、前記利用者の債権保証の利用状況に応じて、前記債権保証に関する情報を表示する案内画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する、
情報処理方法。
【請求項16】
利用者が用いる利用者端末と通信可能なコンピュータに、
前記利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得手順と、
前記回収状態が未回収を表す前記債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを前記利用者端末に送信する通信手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商取引においては、債権者にとって債権が回収不能となるリスクがある。債権が回収不能となるリスクを低減するために、債権の保証を依頼することができる債権保証事業者がある。また、事前に取引先から提携金融機関に口座振替依頼書を提出させておき、取引先の口座から債権者の口座に代金の振替を行う債権回収方法があり、債権者に代わり口座振替に必要な手続きを行う口座振替代行事業者がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、商取引におけるリスクを低減するために、代金の支払い者からの仮決済情報により代金支払い先に対して支払能力があることを示すと共に、代金支払い先からの仮決済情報を含む本決済依頼と支払い者の承認による本決済を実行する発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の債権回収方法では、未回収の債権に対する回収方法を判断することが困難である、という課題がある。例えば、未回収の債権が複数ある場合に、どの債権に対して債権保証の履行を請求すべきか判断する必要がある。また、支払い期限を徒過していても即時に債権保証を履行することが適切ではない場合もある。
【0005】
この発明の一実施形態は、上記のような技術的課題に鑑みて、債権の回収状態に応じて未回収の債権を回収するための選択を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明の一実施形態である情報処理装置は、利用者が用いる利用者端末と通信可能な情報処理装置であって、利用者が取引先に請求した債権の回収状態を表す債権管理情報を取得する取得部と、回収状態が未回収を表す債権を回収するための選択を提案する提案画面を表示させるための画面データを利用者端末に送信する通信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明の一実施形態によれば、債権の回収状態に応じて未回収の債権を回収するための選択を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における各企業の関係を示す概念図である。
図2】一実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図3】一実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】一実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】一実施形態における取引先情報テーブルの一例を示す図である。
図6】一実施形態における請求書情報テーブルの一例を示す図である。
図7】一実施形態における口座振替申請テーブルの一例を示す図である。
図8】一実施形態における口座振替情報テーブルの一例を示す図である。
図9】一実施形態における債権保証情報テーブルの一例を示す図である。
図10】一実施形態における履行情報テーブルの一例を示す図である。
図11】一実施形態における債権管理情報テーブルの一例を示す図である。
図12】一実施形態における信用情報テーブルの一例を示す図である。
図13】一実施形態における取引履歴情報テーブルの一例を示す図である。
図14】一実施形態における口座振替処理の一例を示すシーケンス図である。
図15】一実施形態における情報収集処理の一例を示すシーケンス図である。
図16】一実施形態における提案実行処理の一例を示すシーケンス図である。
図17】一実施形態における債権一覧画面の一例を示す図である。
図18】一実施形態における行動判定処理の一例を示すフローチャートである。
図19】一実施形態における提案画面の一例を示す図である。
図20】一実施形態における設定画面の一例を示す図である。
図21】一変形例における提案実行処理の一例を示すシーケンス図である。
図22】一変形例における行動判定処理の一例を示す図である。
図23】一変形例における提案画面及び案内画面の一例を示す図である。
図24】一変形例における提案画面及び案内画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0010】
[実施形態]
〔企業間の関係〕
本実施形態における各企業間の関係を、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における各企業の関係を示す概念図である。
【0011】
図1に示されているように、サービス利用企業Aは、取引先企業Bに対して、商品又はサービスを提供することで、取引先企業Bから対価を受ける企業である。取引先企業Bは、サービス利用企業Aの取引先である。この場合、サービス利用企業Aが債権者となり、取引先企業Bが債務者となる関係が生じる。
【0012】
サービス提供企業Cは、サービス利用企業Aからの依頼を受けて、取引先企業Bとの取引で行われる一連の手続きを管理するサービスを提供する企業等である。また、本実施形態における情報処理システム1が提供するサービスを利用するサービス利用企業をテナントと表現する場合がある。つまり、本実施形態においてテナントとは、事業者、団体や個人等である。以下、サービス提供企業Cが提供するサービスを「取引管理サービス」と呼ぶ。一連の手続きには、例えば、請求書の発行及び取引先への送付、口座振替による債権回収、並びに回収不能となった債権に対する債権保証の履行等が含まれる。
【0013】
口座振替サービス企業Dは、サービス提供企業Cと連携して、口座振替による債権回収に必要となる手続きを代行するサービスを提供する企業である。以下、口座振替サービス企業Dが提供するサービスを「口座振替サービス」と呼ぶ。一般的に、口座振替サービスは、所定の締め日までに申請された口座振替依頼を所定の振替日に一括して実行する。本実施形態における口座振替サービスは、毎月一回、口座振替を実行するものとする。
【0014】
金融機関Eは、サービス利用企業A及び取引先企業Bがそれぞれ所有する口座を管理する企業・団体等である。金融機関Eは、口座振替サービス企業Dからの依頼に応じて、取引先企業Bの口座からサービス利用企業Aの口座に代金の振替を実行する。
【0015】
債権保証サービス企業Fは、サービス提供企業Cと連携して、回収不能となった債権に対して保険金を支払うサービスを提供する企業である。以下、債権保証サービス企業Fが提供するサービスを「債権保証サービス」と呼ぶ。
【0016】
信用情報サービス企業Gは、取引先企業Bを含む様々な企業の経営等に関する信頼度を示す信用情報を有し、サービス提供企業Cに信用情報を提供する企業である。信用情報サービス企業Gは、一社でもよいし、複数社であってもよい。なお、債権保証サービス企業Fが信用情報を有している場合、債権保証サービス企業Fが信用情報をサービス提供企業Cに提供してもよい。また、サービス提供企業Cが、自ら収集した取引先企業Bの経営等に関する情報に基づいて、独自に信頼度を算出してもよい。信頼度の算出は、例えば、様々な企業の経営等に関する情報を学習した機械学習モデルを用いることができる。
【0017】
ここで、本実施形態における処理の概略を説明する。
【0018】
まず、サービス利用企業Aは、サービス提供企業Cに対して、取引先企業Bとの商取引に基づく請求書の作成、及び作成した請求書の取引先企業Bへの送付を要求する(S1)。これにより、サービス提供企業Cは、請求書を作成して、取引先企業Bに送付する(S2)。
【0019】
次に、サービス利用企業Aは、サービス提供企業Cに対して、自身が発行した請求書に基づく口座振替情報の登録を要求する(S3)。これにより、サービス提供企業Cは、口座振替情報を登録し、口座振替サービス企業Dに口座振替を依頼する(S4)。
【0020】
続いて、口座振替サービス企業Dは、金融機関Eに対して、口座振替を依頼するための払込票を送付する。口座振替サービス企業Dは、金融機関Eに対して、電子的に口座振替を依頼する払込データを送付してもよい。金融機関Eは、払込票又は払込データに従って、指定された振替日に口座振替を実行する(S5)。なお、口座振替サービス企業Dは、金融機関Eに対して、取引先企業Bの口座振替依頼書を事前に提出しているものとする。
【0021】
次に、サービス提供企業Cは、口座振替サービス企業Dから口座振替結果を取得する(S6)。その後、サービス提供企業Cは、サービス利用企業Aからの依頼に応じて、未回収の債権を回収するための行動(以下、「回収行動」とも呼ぶ)を提案する(S7)。
【0022】
そして、サービス利用企業Aは、回収行動を決定し、それを実行する。例えば、サービス利用企業Aは、取引先企業Bに対して、支払いを督促する督促状を送付する(S8-1)。サービス提供企業Cが、サービス利用企業Aからの依頼に応じて、取引先企業Bに対して督促状を送付してもよい。また、例えば、サービス利用企業Aは、サービス提供企業Cに対して、債権保証の履行を依頼する(S8-2)。サービス提供企業Cは、債権保証の履行依頼に応じて、債権保証サービス企業Fに対して、債権保証の履行を申請する(S9)。
【0023】
なお、回収行動は、サービス提供企業Cによる提案に基いて、サービス利用企業Aが採り得る選択である。したがって、例えば、現時点では具体的な行動を行わず静観する意思決定を行うことも、サービス利用企業Aの選択として含まれるものとする。
【0024】
〔情報処理システムの全体構成〕
本実施形態における情報処理システムの全体構成を、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態における情報処理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示されているように、本実施形態における情報処理システム1は、取引管理システム2、口座振替システム3、債権保証システム4、及び利用者端末50を含む。本実施形態における取引管理システム2は、帳票管理サーバ10、口座振替サーバ20、債権保証サーバ30、及び債権管理サーバ40を含む。情報処理システム1に含まれる各システム、サーバ及び端末は、それぞれ通信ネットワークN1に接続している。
【0026】
通信ネットワークN1は、接続されている各装置が相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワークN1は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、又はWAN(Wide Area Network)などの有線通信によるネットワークによって構築されている。通信ネットワークN1は、有線通信だけでなく、例えば、無線LAN、又は近距離無線通信等の無線通信、もしくはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の移動体通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0027】
利用者端末50は、サービス利用企業Aに設置されている。取引管理システム2は、サービス提供企業Cに設置されている。口座振替システム3は、口座振替サービス企業Dに設置されている。債権保証システム4は、債権保証サービス企業Fに設置されている。
【0028】
帳票管理サーバ10は、通信ネットワークN1を介して、帳票管理サービスを利用者端末50に提供する。本実施形態における帳票管理サービスは、利用者端末50からの要求に応じて、請求書を作成し、作成した請求書を取引先へ送付するサービスである。
【0029】
口座振替サーバ20は、通信ネットワークN1を介して、口座振替仲介サービスを利用者端末50に提供する。本実施形態における口座振替仲介サービスは、利用者端末50からの要求に応じて、債権を口座振替により回収するための手続きを、口座振替システム3に対して実行するサービスである。
【0030】
債権保証サーバ30は、通信ネットワークN1を介して、債権保証仲介サービスを利用者端末50に提供する。本実施形態における債権保証仲介サービスは、利用者端末50からの要求に応じて、未回収の債権に対して債権保証を履行するための手続きを、債権保証システム4に対して実行するサービスである。
【0031】
債権管理サーバ40は、通信ネットワークN1を介して、債権管理サービスを利用者端末50に提供する。本実施形態における債権管理サービスは、債権の回収状態を管理し、利用者端末50からの要求に応じて、債権を回収するための回収行動を実行するサービスである。
【0032】
利用者端末50は、利用者が使用する情報処理装置である。利用者は、サービス利用企業Aの従業員等である。利用者端末50は、利用者の操作に応じて、通信ネットワークN1を介して、取引管理システム2に含まれる各サーバが提供する各種サービスを利用する。
【0033】
帳票管理サーバ10、口座振替サーバ20、債権保証サーバ30、債権管理サーバ40、及び利用者端末50の一例は、情報処理装置である。なお、帳票管理サーバ10、口座振替サーバ20、債権保証サーバ30、債権管理サーバ40、及び利用者端末50は、通信機能を備えた装置であれば、情報処理装置に限られない。
【0034】
帳票管理サーバ10、口座振替サーバ20、債権保証サーバ30、債権管理サーバ40、及び利用者端末50は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0035】
〔情報処理システムのハードウェア構成〕
本実施形態における情報処理システムのハードウェア構成を、図3を参照しながら説明する。図3は、帳票管理サーバ10、口座振替サーバ20、債権保証サーバ30、債権管理サーバ40、及び利用者端末50がコンピュータで実現される場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
図3に示されているように、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD(Hard Disk)504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0037】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0038】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN1を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0039】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0040】
〔情報処理システムの機能構成〕
本実施形態における情報処理システムの機能構成を、図4乃至図14を参照しながら説明する。図4は、本実施形態における情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
<帳票管理サーバの機能構成>
図4に示されているように、本実施形態における帳票管理サーバ10は、帳票管理情報記憶部100、記憶制御部11及び通信部12を備える。
【0042】
帳票管理情報記憶部100は、帳票管理サービスで用いる取引先情報及び請求書情報を記憶する。帳票管理情報記憶部100は、例えば、図3に示されているHD504を用いて実現される。
【0043】
記憶制御部11は、帳票管理情報記憶部100に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。記憶制御部11は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0044】
通信部12は、通信ネットワークN1を介して他のサーバ、装置、又はシステムと各種データの送受信を行う。通信部12は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0045】
(取引先情報テーブル)
図5は、取引先情報を格納する取引先情報テーブルの一例を示す概念図である。帳票管理情報記憶部100には、図5に示されているような取引先情報テーブルによって構成されている取引先情報管理DB1001が構築されている。取引先情報テーブルには、サービス利用企業Aの取引先である取引先企業Bに関する情報が格納されている。
【0046】
図5に示されているように、取引先情報テーブルでは、テナント毎に、請求先ID、請求先の名称(会社名等)、請求先の住所(所在地)、請求先の連絡先(電話番号、メールアドレス等)、請求先の担当者名、及び請求先の口座情報(銀行名、支店名、口座種別、口座番号、及び口座名義等)等が関連付けて管理されている。
【0047】
(請求書情報テーブル)
図6は、請求書情報を格納する請求書情報テーブルの一例を示す概念図である。帳票管理情報記憶部100には、図6に示されているような請求書情報テーブルによって構成されている請求書情報管理DB1002が構築されている。請求書情報テーブルには、サービス利用企業Aが発行した請求書に関する情報が格納されている。
【0048】
図6に示されているように、請求書情報テーブルでは、テナント毎に、請求書ID、請求先ID、請求先の名称(会社名等)、請求金額、請求日、支払い期限日、支払い状態(未払い又は支払い済み)、及び入金日等が関連付けて管理されている。支払い状態は、帳票管理サービスにおいて請求書が発行された際に「未払い」に設定され、入金が確認された際に「支払い済み」に設定される。
【0049】
<口座振替サーバの機能構成>
図4に示されているように、本実施形態における口座振替サーバ20は、口座振替情報記憶部200、記憶制御部21及び通信部22を備える。
【0050】
口座振替情報記憶部200は、口座振替仲介サービスで用いる口座振替申請情報及び口座振替情報を記憶する。口座振替情報記憶部200は、例えば、図3に示されているHD504を用いて実現される。
【0051】
記憶制御部21は、口座振替情報記憶部200に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。記憶制御部21は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0052】
通信部22は、通信ネットワークN1を介して他のサーバ、装置、又はシステムと各種データの送受信を行う。通信部22は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0053】
(口座振替申請テーブル)
図7は、口座振替申請情報を格納する口座振替申請テーブルの一例を示す概念図である。口座振替情報記憶部200には、図7に示されているような口座振替申請テーブルによって構成されている口座振替申請管理DB2001が構築されている。口座振替申請テーブルには、サービス利用企業Aから依頼された口座振替申請に関する情報が格納されている。
【0054】
図7に示されているように、口座振替申請テーブルでは、テナント毎に、口座振替申請を表す申請名、合計請求金額、振替日、回収結果(回収完了、一部回収不能又は回収不能)、及び合計回収金額等が関連付けて管理されている。回収完了とは、当該申請に含まれる口座振替がすべて完了している状態を意味し、一部回収不能とは、当該申請に未完了の口座振替が含まれる状態を意味し、回収不能とは、当該申請に含まれる口座振替がすべて未完了である状態を意味する。
【0055】
(口座振替情報テーブル)
図8は、口座振替情報を格納する口座振替情報テーブルの一例を示す概念図である。口座振替情報記憶部200には、図8に示されているような口座振替情報テーブルによって構成されている口座振替情報管理DB2002が構築されている。口座振替情報テーブルには、サービス利用企業Aから依頼された口座振替申請毎の口座振替に関する情報が格納されている。
【0056】
図8に示されているように、口座振替情報テーブルでは、テナント及び口座振替申請毎に、振替ID、請求書ID、請求先の名称(会社名等)、請求金額、振替日、及び振替結果(振替完了又は未完了、未完了の場合にはその理由)等が関連付けて管理されている。
【0057】
<債権保証サーバの機能構成>
図4に示されているように、本実施形態における債権保証サーバ30は、債権保証情報記憶部300、記憶制御部31及び通信部32を備える。
【0058】
債権保証情報記憶部300は、債権保証仲介サービスで用いる債権保証情報及び履行情報を記憶する。債権保証情報記憶部300は、例えば、図3に示されているHD504を用いて実現される。
【0059】
記憶制御部31は、債権保証情報記憶部300に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。記憶制御部31は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0060】
通信部32は、通信ネットワークN1を介して他のサーバ、装置、又はシステムと各種データの送受信を行う。通信部32は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0061】
(債権保証情報テーブル)
図9は、債権保証情報を格納する債権保証情報テーブルの一例を示す概念図である。債権保証情報記憶部300には、図9に示されているような債権保証情報テーブルによって構成されている債権保証情報管理DB3001が構築されている。債権保証情報テーブルには、サービス利用企業Aが債権保証の対象としている取引先企業Bに関する債権保証の契約状態及び履行履歴を表す情報が格納されている。
【0062】
図9に示されているように、債権保証情報テーブルでは、テナント毎に、取引先の名称(会社名等)、保証上限金額、債権保証を履行した履歴、保証開始日、保証終了日、及び保証状態等が関連付けて管理されている。
【0063】
(履行情報テーブル)
図10は、履行情報を格納する履行情報テーブルの一例を示す概念図である。債権保証情報記憶部300には、図10に示されているような履行情報テーブルによって構成されている履行情報管理DB3002が構築されている。履行情報テーブルには、サービス利用企業Aが債権保証の履行を申請した履歴(履行履歴)が格納されている。
【0064】
図10に示されているように、履行情報テーブルでは、テナント毎に、取引先の名称(会社名等)、請求金額、請求日、支払い期限日、履行状態、及び履行日等が関連付けて管理されている。
【0065】
<債権管理サーバの機能構成>
図4に示されているように、本実施形態における債権管理サーバ40は、債権管理情報記憶部400、画面データ記憶部410、記憶制御部41、通信部42、情報取得部43、画面作成部44、判断部45及び実行部46を備える。
【0066】
債権管理情報記憶部400は、債権管理サービスで用いる債権管理情報、信用情報、及び取引履歴情報を記憶する。
【0067】
画面データ記憶部410は、利用者端末50に提供(送信)する画面を表示させるための画面データを記憶する。画面データは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された画面データであり、JavaScript(登録商標)等で記述されたアプリケーションを含んでもよい。
【0068】
債権管理情報記憶部400及び画面データ記憶部410は、例えば、図3に示されているHD504を用いて実現される。
【0069】
記憶制御部41は、債権管理情報記憶部400及び画面データ記憶部410に対するデータの書き込み及び読み出しを行う。記憶制御部41は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びHDDコントローラ505に実行させる処理によって実現される。
【0070】
通信部42は、通信ネットワークN1を介して他のサーバ、装置、又はシステムと各種データの送受信を行う。通信部42は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0071】
情報取得部43は、通信部42を用いて、取引管理システム2に含まれる各サーバから情報を取得し、記憶制御部41を用いて、債権管理情報記憶部400に債権管理情報を記憶する。
【0072】
画面作成部44は、記憶制御部41を用いて、画面データ記憶部410から画面データを読み出し、通信部42を用いて、利用者端末50に画面データを送信する。
【0073】
判断部45は、記憶制御部41を用いて、債権管理情報記憶部400から債権管理情報を読み出し、債権管理情報に基づいて所定の判断を行う。
【0074】
実行部46は、通信部42を用いて、利用者端末50から回収行動の実行要求を受信し、利用者端末50から要求された回収行動を実行する。
【0075】
情報取得部43、画面作成部44、判断部45、及び実行部46は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501に実行させる処理によって実現される。
【0076】
(債権管理情報テーブル)
図11は、債権管理情報を格納する債権管理情報テーブルの一例を示す概念図である。債権管理情報記憶部400には、図11に示されているような債権管理情報テーブルによって構成されている債権管理情報管理DB4001が構築されている。債権管理情報テーブルには、サービス利用企業Aが発行した請求書に基づく債権に関する情報が格納されている。
【0077】
図11に示されているように、債権管理情報テーブルでは、テナント毎に、請求書ID、請求先の名称(会社名等)、請求金額、請求日、支払い期限日、支払い状態、入金日、振替ID、及び督促日(督促状の送付履歴)等が関連付けて管理されている。
【0078】
(信用情報テーブル)
図12は、信用情報を格納する信用情報テーブルの一例を示す概念図である。債権管理情報記憶部400には、図12に示されているような信用情報テーブルによって構成されている信用情報管理DB4002が構築されている。信用情報テーブルには、取引先企業Bに関する信用情報が格納されている。
【0079】
図12に示されているように、信用情報テーブルでは、取引先の名称(会社名等)、業種、従業員数、売上高、評点、前年評点、ランク等が関連付けて管理されている。信用情報テーブルに格納される信用情報は、信用情報サービス企業Gから予め取得した信用情報からサービス利用企業Aの取引先に関する情報を抽出したものである。信用情報は、取引管理システム2が、自ら収集した情報に基づいて、独自に算出した信頼度を用いてもよい。
【0080】
(取引履歴情報テーブル)
図13は、取引履歴情報を格納する取引履歴情報テーブルの一例を示す概念図である。債権管理情報記憶部400には、図13に示されているような取引履歴情報テーブルによって構成されている取引履歴情報管理DB4003が構築されている。取引履歴情報テーブルには、取引先企業Bが発行した請求書の発行状態及び回収状態に関する情報が格納されている。
【0081】
図13に示されているように、取引履歴情報テーブルでは、取引先毎に、請求先の名称(会社名等)、請求先の業種、支払い期限日、入金日、当該債権の履行状況(完了又は履行遅延)、及び支払い傾向を表すフラグ等が関連付けて管理されている。完了とは、当該債権の回収が完了したことを意味し、履行遅延とは、当該債権の回収が遅延していることを意味する。なお、取引履歴情報は、発行された請求書に関する状態であるため、取引履歴情報の有無が発行状態を表している。
【0082】
<利用者端末の機能構成>
図4に示されているように、本実施形態における利用者端末50は、表示制御部51、通信部52、及び受付部53を備える。
【0083】
表示制御部51は、通信部52を用いて受信した画面データに基づいて画面を表示する。表示制御部51は、例えば、利用者端末50が備えるウェブブラウザ機能である。表示制御部51は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びディスプレイ506に実行させる処理によって実現される。
【0084】
通信部52は、通信ネットワークN1を介して他のサーバ、装置、又はシステムと各種データの送受信を行う。通信部52は、例えば、図3に示されているHD504からRAM503上に展開されたプログラムがCPU501及びネットワークI/F509に実行させる処理によって実現される。
【0085】
受付部53は、利用者による各種の操作を受け付ける。受付部53は、例えば、図3に示されているCPU501からの命令、及びキーボード511又はポインティングデバイス512によって実現される。
【0086】
〔情報処理システムの処理手順〕
本実施形態における情報処理システムが実行する情報処理方法の処理手順を、図14乃至図20を参照しながら説明する。図14乃至図16は、本実施形態における情報処理方法の処理手順の一例を示すシーケンス図である。本実施形態における情報処理方法は、口座振替処理(図14参照)、情報収集処理(図15参照)、及び提案実行処理(図16参照)からなる。
【0087】
<口座振替処理>
図14は、本実施形態における口座振替処理の一例を示すシーケンス図である。
【0088】
ステップS11において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による請求書の発行を指示する操作を受け付ける。受付部53は、請求書の発行を指示する操作を受け付ける前に、利用者によって入力されたテナントの識別情報であるテナントID等の認証情報を受け付ける。そして、通信部52は、認証情報を帳票管理サーバ10に送信し、帳票管理サーバ10において所定の認証処理を行う。したがって、利用者が帳票管理サーバ10において認証された場合のみ、受付部53は、利用者による請求書の発行を指示する操作を受け付けることができる。
【0089】
ステップS12において、利用者端末50が備える通信部52は、請求書の発行を指示する操作に応じて、請求書の発行要求を帳票管理サーバ10に送信する。当該発行要求には、利用者によって入力された請求書情報が含まれる。請求書情報には、例えば、請求先の名称、請求金額、及び支払い期限日等、請求書に記載する情報が含まれる。
【0090】
ステップS13において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、利用者端末50が送信した請求書の発行要求を受信する。次に、記憶制御部11が、受信した請求書情報を請求書情報管理DB1002に記憶する。このとき、記憶制御部11は、当該請求書情報を識別する請求書IDを発行する。
【0091】
また、請求書情報に含まれる請求先が、取引先情報管理DB1001に登録されていない場合には、当該取引先に関する情報を取引先情報管理DB1001に記憶する。このとき、記憶制御部11は、当該取引先情報を識別する請求先IDを発行する。
【0092】
ステップS14において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、登録した請求書情報に基づいて、請求書を作成し、取引先企業Bに送付する。請求書の送付方法は、例えば、印刷した請求書の郵送、請求書を添付した電子メールの送信、請求書を開くURL(Uniform Resource Locator)リンクの通知等、様々な方法を用いることができる。
【0093】
ステップS15において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、債権管理情報の登録要求を債権管理サーバ40に送信する。当該登録要求には、請求書情報管理DB1002に記憶した請求書情報が含まれる。
【0094】
ステップS16において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、帳票管理サーバ10が送信した債権管理情報の登録要求を受信する。次に、記憶制御部41が、受信した請求書情報に基づいて債権管理情報を債権管理情報管理DB4001に記憶する。
【0095】
ステップS17において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による口座振替の申請を指示する操作を受け付ける。当該操作は、口座振替を申請する請求書を特定して行われる。なお、利用者が特定する請求書は複数であってもよい。
【0096】
ステップS18において、利用者端末50が備える通信部52は、口座振替の申請を指示する操作に応じて、口座振替の申請要求を口座振替サーバ20に送信する。当該申請要求には、特定された請求書を識別する請求書IDが含まれる。
【0097】
ステップS19において、口座振替サーバ20が備える通信部22は、利用者端末50が送信した口座振替の申請要求を受信する。次に、記憶制御部21が、受信した請求書IDにより識別される請求書情報及び取引先情報の取得を帳票管理サーバ10に要求する。当該取得要求には、請求書IDが含まれる。
【0098】
ステップS20において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、口座振替サーバ20が送信した請求書情報及び取引先情報の取得要求を受信する。次に、記憶制御部11が、受信した請求書IDにより識別される請求書情報を請求書情報管理DB1002から読み出す。また、記憶制御部11は、読み出した請求書情報に含まれる請求先IDにより識別される取引先情報を取引先情報管理DB1001から読み出す。
【0099】
ステップS21において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、記憶制御部11が読み出した請求書情報及び取引先情報を口座振替サーバ20に送信する。
【0100】
ステップS22において、口座振替サーバ20が備える通信部22は、帳票管理サーバ10が送信した請求書情報及び取引先情報を受信する。次に、記憶制御部21が、受信した請求書情報及び取引先情報に基づいて、口座振替情報を口座振替情報管理DB2002に記憶する。このとき、記憶制御部21は、当該口座振替情報を識別する振替IDを発行する。
【0101】
ステップS23において、口座振替サーバ20が備える通信部22は、登録した口座振替情報に基づいて、口座振替の申請を口座振替システム3に送信する。当該申請には、振替ID、テナントの口座情報、取引先の口座情報、請求金額、及び振替日等が含まれる。
【0102】
テナントの口座情報は、各テナントにより予め設定されている。取引先の口座情報は、取引先情報に含まれている。請求金額は、請求書情報に含まれている。振替日は、直近で口座振替が行われる振替日が自動的に設定される。
【0103】
ステップS24において、口座振替システム3は、口座振替サーバ20から受信した口座振替の申請を登録する。その後、口座振替システム3は、所定の振替日に、登録されている口座振替の実行を、金融機関Eに対して要求する。金融機関Eは、口座振替の実行要求に応じて、口座振替を実行する。
【0104】
<情報収集処理>
図15は、本実施形態における情報収集処理の一例を示すシーケンス図である。
【0105】
ステップS31において、債権管理サーバ40が備える情報取得部43は、通信部42を用いて口座振替結果の取得を口座振替サーバ20に要求する。通信部42は、口座振替結果の取得要求を口座振替サーバ20に送信する。当該取得要求には、口座振替結果の取得対象とする請求書の請求書IDが含まれる。取得対象とする請求書は、例えば、直前の振替日に口座振替が行われた請求書である。
【0106】
ステップS32において、口座振替サーバ20が備える通信部22は、債権管理サーバ40が送信した口座振替結果の取得要求を受信する。次に、記憶制御部21が、受信した請求書IDにより識別される口座振替情報を口座振替情報管理DB2002から読み出す。続いて、通信部22は、口座振替結果の取得要求を口座振替システム3に送信する。当該取得要求には、読み出した口座振替情報に含まれる振替IDが含まれる。
【0107】
口座振替システム3は、当該振替IDにより識別される口座振替結果を、口座振替サーバ20に返信する。これにより、通信部22が、口座振替結果を受信する。そして、記憶制御部21が、受信した口座振替結果を口座振替情報管理DB2002に登録する。
【0108】
また、記憶制御部21は、受信した口座振替結果に基づいて、口座振替申請管理DB2001の更新を行う。具体的には、記憶制御部21は、完了した口座振替の請求金額を合計し、口座振替申請テーブルの合計回収金額に登録する。また、当該申請のすべての口座振替が完了した場合には、回収結果を「回収完了」に更新する。一方、当該申請に未完了の口座振替がある場合には、回収結果を「一部回収不能」に更新する。
【0109】
ステップS33において、口座振替サーバ20が備える通信部22は、口座振替結果が登録された口座振替情報を債権管理サーバ40に送信する。
【0110】
ステップS34において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、口座振替サーバ20が送信した口座振替情報を受信する。次に、記憶制御部41が、受信した口座振替情報を債権管理情報記憶部400に記憶する。また、記憶制御部41は、受信した口座振替情報に含まれる振替IDを債権管理情報管理DB4001に登録する。
【0111】
以降のステップS35からステップS42は、未完了の口座振替(すなわち、未回収の債権)があった場合に実行される。
【0112】
なお、未回収の債権とは、請求書に記載された請求金額の全額が入金されていない状態を意味する。具体的には、口座振替情報の振替結果が「振替完了」となっていない請求書に基づく債権が、未回収の債権となる。
【0113】
ステップS35において、債権管理サーバ40が備える情報取得部43は、通信部42を用いて履行情報の取得を債権保証サーバ30に要求する。通信部42は、履行情報の取得要求を債権保証サーバ30に送信する。当該取得要求には、未完了となった口座振替情報に含まれる請求先を表す情報が含まれる。
【0114】
ステップS36において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、債権管理サーバ40が送信した履行情報の取得要求を受信する。次に、記憶制御部31が、受信した請求先に関する履行情報を履行情報管理DB3002から読み出す。
【0115】
ステップS37において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、読み出した履行情報を債権管理サーバ40に送信する。
【0116】
ステップS38において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、債権保証サーバ30が送信した履行情報を受信する。次に、記憶制御部41が、受信した履行情報を債権管理情報記憶部400に記憶する。
【0117】
ステップS39において、債権管理サーバ40が備える情報取得部43は、通信部42を用いて取引履歴情報の取得を帳票管理サーバ10に要求する。通信部42は、取引履歴情報の取得要求を帳票管理サーバ10に送信する。当該取得要求には、未完了となった口座振替情報に含まれる請求書IDが含まれる。
【0118】
ステップS40において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、債権管理サーバ40が送信した取引履歴情報の取得要求を受信する。次に、記憶制御部11が、受信した請求書IDにより識別される請求書情報を請求書情報管理DB1002から読み出す。
【0119】
続いて、記憶制御部11は、読み出した請求書情報に含まれる請求先に関する請求書情報を請求書情報管理DB1002から読み出す。具体的には、他のテナントに関する請求書情報テーブルに格納されている、当該請求先に関する請求書情報を取得する。そして、記憶制御部11は、読み出した請求書情報に基づいて取引履歴情報を生成する。
【0120】
ステップS41において、帳票管理サーバ10が備える通信部12は、生成した取引履歴情報を債権管理サーバ40に送信する。
【0121】
ステップS42において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、帳票管理サーバ10が送信した取引履歴情報を受信する。次に、記憶制御部41が、受信した取引履歴情報を取引履歴情報管理DB4003に記憶する。
【0122】
取引履歴情報に含まれる取引先業種は、信用情報管理DB4002から読み出される。取引履歴情報に含まれる履行状況は、入金日が設定されていれば「完了」、支払い期限日を過ぎており入金日が設定されていなければ「履行遅延」に設定される。取引履歴情報に含まれるフラグは、支払い期限日と入金日が同月であれば「1」、それ以外であれば「0」が設定される。
【0123】
図13(A)は、ある取引先であるA社に関する取引履歴情報の一例である。図13(B)は、別の取引先であるB社に関する取引履歴情報の一例である。例えば、A社に関する取引履歴情報では、C社は、2021年6月30日が支払い期限日である、A社に対する請求書の支払いを行っていない。そのため、当該取引に関する取引履歴情報は、履行状況が「履行遅延」、フラグが「1」に設定されている。また、例えば、B社に関する取引履歴情報では、E社は、B社に対する請求書の支払いを支払い期限日とは別の月に行っている。そのため、当該取引先に関する取引履歴情報は、フラグが「1」に設定されている。
【0124】
ここでは、ステップS35からステップS42は、未完了の口座振替があった場合に、当該口座振替の請求先に関してのみ実行する例を説明したが、図14に示したステップS22の後に、すべての取引先に関してステップS35からステップS42を実行してもよい。このように構成した場合、口座振替申請の中にリスクの高い取引先がある場合、事前に警告することが可能となる。
【0125】
<提案実行処理>
図16は、本実施形態における提案実行処理の一例を示すシーケンス図である。
【0126】
ステップS51において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による提案画面の表示を指示する操作を受け付ける。提案画面の表示を指示する操作は、例えば、債権管理情報の一覧を表示する債権一覧画面が有するボタンを押下する操作等である。
【0127】
≪債権一覧画面≫
ここで、債権一覧画面について、図17を参照しながら説明する。図17は、本実施形態における債権一覧画面の一例を示す図である。
【0128】
図17に示されているように、本実施形態における債権一覧画面4100は、債権管理サーバ40が管理する債権管理情報を一覧表示するための債権一覧表示欄4110、及び提案画面を表示するための表示ボタン4109を有する。
【0129】
債権一覧表示欄4110に表示される各債権管理情報のうち、支払い期限日を過ぎており、支払い状態が「未払い」である債権管理情報には、当該債権管理情報に対して債権保証の履行を申請するための履行申請ボタン4111が表示される。
【0130】
債権一覧画面4100において、利用者が表示ボタン4109を押下すると、受付部53が提案画面の表示を指示する操作を受け付ける。
【0131】
債権一覧画面4100において、利用者が履行申請ボタン4111を押下すると、受付部53が債権保証の履行を申請する操作を受け付ける。受付部53が債権保証の履行を申請する操作を受け付けると、当該ボタンが対応している債権管理情報に対して、債権保証の履行を申請する処理が実行される。債権保証の履行を申請する処理については、後述する。
【0132】
図16に戻って説明する。ステップS52において、利用者端末50が備える通信部52は、提案画面の表示を指示する操作に応じて、提案画面を表示させるための画面データの送付を債権管理サーバ40に要求する。
【0133】
ステップS53において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、利用者端末50が送信した画面データの送付要求を受信する。次に、記憶制御部41が、未回収となっている債権管理情報を債権管理情報管理DB4001から読み出す。続いて、判断部45が、読み出された債権管理情報それぞれについて、当該債権を回収するための回収行動を判定する。
【0134】
≪行動判定処理≫
ここで、判断部45が実行するステップS53の処理について、図18を参照しながら、より詳細に説明する。図18は、ステップS53に相当する行動判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0135】
なお、図18に示した行動判定処理は、支払い状態が「未払い」である債権管理情報それぞれについて実行される。すなわち、未回収となっている債権管理情報それぞれについて回収のために行うべき回収行動の一つとして選択しうる提案が判定される。
【0136】
ステップS53-1において、判断部45は、口座振替結果を判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる振替IDにより口座振替情報を特定し、特定された口座振替情報の振替結果を取得する。
【0137】
判断部45は、振替結果が「振替完了」である場合、処理を終了する。判断部45は、振替結果が「預金残高不足」である場合、ステップS53-2へ処理を進める。また、判断部45は、振替結果が「諸届による振替停止」である場合、ステップS53-8へ処理を進める。さらに、判断部45は、振替結果が「預金取引なし」又は「口座振替依頼書なし」である場合、ステップS53-9へ処理を進める。
【0138】
ステップS53-2において、判断部45は、当該取引先に対して所定期間内に債権保証の履行依頼があったか否かを判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる請求先に関する履行情報を取得する。そして、判断部45は、取得した履行情報のうち最も新しい履行依頼日から当日までの日数を計算し、所定期間より大きいか否かを判定する。所定期間は、任意に定めればよいが、例えば、一年以内とする。
【0139】
判断部45は、所定期間内に債権保証の履行依頼がなかった場合(NO)、ステップS53-3に処理を進める。また、判断部45は、所定期間内に債権保証の履行依頼があった場合(YES)、ステップS53-8に処理を進める。
【0140】
ステップS53-3において、判断部45は、当該取引先の信用情報が所定基準以下であるか否かを判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる請求先に対応する信用情報を信用情報管理DB4002から読み出し、信用情報が所定基準を満たすか否かを判定する。
【0141】
所定基準は、任意に定めればよい。例えば、信用情報のランクがC以上である、又は、評点が前年評点から10点以上下がっていない等とすればよい。
【0142】
判断部45は、信用情報が所定基準以下でない場合(NO)、ステップS53-4に処理を進める。また、判断部45は、信用情報が所定基準以下である場合(YES)、ステップS53-8に処理を進める。
【0143】
ステップS53-4において、判断部45は、当該取引先と他社との取引が所定条件に合致するか否かを判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる請求先に対応する取引履歴情報を取引履歴情報管理DB4003から読み出し、取引履歴情報が所定条件に合致するか否かを判定する。
【0144】
所定条件は、商慣行又は経験則に基づいて任意に定めればよい。例えば、過去の所定期間(例えば、6か月間)の当該取引先と当該テナントとの取引において、全ての取引で入金日が支払い期限日より遅れているが、支払い期限日から所定期間内(例えば、1か月以内)に入金されている場合等とすることができる。このような場合であれば、当該取引先は支払い期限を徒過することが常態化しているが、待っていれば近いうちに入金があると考えられるため、様子を見る方が無難である、といった判断ができる。
【0145】
また、例えば、過去の所定期間の当該取引先と他のテナントとの取引において、全ての取引で入金日が支払い期限日より遅れているが、支払い期限日から所定期間内に入金されている場合等とすることができる。このような場合も、待っていれば近いうちに入金があると考えられるため、様子を見る方が無難である、といった判断ができる。
【0146】
また、例えば、当該取引先から事前に入金が遅延する旨の連絡を受けていた場合等、特定の取引先の遅延を対象外としたい場合がある。その場合、対象外とする取引先を予め登録可能としておき、所定条件は、当該取引先が対象外として登録されている取引先に含まれる場合等とすればよい。
【0147】
判断部45は、他社取引が所定条件に合致しない場合(NO)、ステップS53-5に処理を進める。また、判断部45は、他社取引が所定条件に合致する場合(YES)、処理を終了する。
【0148】
ステップS53-5において、判断部45は、当該取引先に対して督促状を送付しているか否かを判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる督促日を取得する。督促日が設定されている場合、督促状を送付していると判定する。督促日が設定されていない場合、督促状を送付していないと判定する。
【0149】
判断部45は、督促状を送付していない場合(NO)、ステップS53-6に処理を進める。また、判断部45は、督促状を送付している場合(YES)、ステップS53-7に処理を進める。
【0150】
ステップS53-6において、判断部45は、当該債権管理情報に対して提案する回収行動を「督促状送付」に決定し、処理を終了する。督促状の送付は、例えば、印刷した督促状の郵送、督促状を添付した電子メールの送付等、どのような方法を用いてもよい。また、督促状の送付は、債権管理サーバ40からの依頼に応じて、帳票管理サーバ10が実行するように構成してもよい。
【0151】
ステップS53-7において、判断部45は、督促期限を超過しているか否かを判定する。具体的には、判断部45は、判定対象とする債権管理情報に含まれる督促日を取得し、取得した督促日から所定期間(例えば、1か月)が経過しているか否かを判定する。また、例えば、利用者が督促状を送付する際に督促期限を任意に設定し、当該督促期限を債権管理情報に登録しておいてもよい。
【0152】
判断部45は、督促期限を超過している場合(YES)、ステップS53-8に処理を進める。また、判断部45は、督促期限を超過していない場合(NO)、処理を終了する。
【0153】
ステップS53-8において、判断部45は、当該債権管理情報に対して提案する回収行動を「債権保証履行」に決定し、処理を終了する。債権保証履行とは、債権保証システム4に対して、当該債権に対する債権保証の履行を申請することを表す。
【0154】
ステップS53-9において、判断部45は、当該債権管理情報に対して提案する回収行動を「振替不能通知送付」に決定し、処理を終了する。振替不能通知送付とは、登録されている口座情報では口座振替を行うことができないことを利用者端末50に通知することを表す。
【0155】
振替結果が「預金取引なし」又は「口座振替依頼書なし」となるのは、例えば、登録した口座情報が誤っている等、事前の手続きに不備があった可能性が高い。その場合、利用者側で登録内容等を確認し、再度正しく手続きを行えば口座振替が利用可能となる。そのため、利用者に対してその旨を通知し、再度口座振替を行えば、当該債権は回収可能となることが見込まれる。
【0156】
図16に戻って説明する。ステップS54において、債権管理サーバ40が備える記憶制御部41は、提案画面を表示させるための画面データを画面データ記憶部410から読み出す。次に、画面作成部44は、記憶制御部41が読み出した画面データに基づいて、利用者端末50に表示するための画面データを生成する。このとき、画面作成部44は、未回収となっている債権管理情報を、判断部45が判定した回収行動に関連付けて、提案画面を表示させるための画面データに埋め込む。
【0157】
ステップS55において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、ステップS54で生成した画面データを利用者端末50に送信する。
【0158】
ステップS56において、利用者端末50が備える通信部52は、債権管理サーバ40から提案画面を表示させるための画面データを受信する。次に、表示制御部51は、受信した画面データに基づいて、提案画面をディスプレイ506に表示する。
【0159】
≪提案画面≫
ここで、提案画面について、図19を参照しながら説明する。図19は、本実施形態における提案画面の一例を示す図である。
【0160】
図19に示されているように、本実施形態における提案画面4200は、督促状送付を提案する請求書に関する情報を表示するための督促提案表示欄4210、債権保証の履行を提案する請求書に関する情報を表示するための債権保証提案表示欄4220、督促状を送付するための督促実行ボタン4219、債権保証の履行を申請するための履行申請ボタン4229、終了ボタン4298及び設定画面を表示するための設定ボタン4299を有する。
【0161】
督促提案表示欄4210には、判断部45が提案する回収行動を「督促状送付」に決定した債権管理情報に基づく情報が表示される。督促提案表示欄4210に表示される各債権管理情報には、当該債権管理情報を選択するためのラジオボタン4211が表示される。
【0162】
債権保証提案表示欄4220には、判断部45が提案する回収行動を「債権保証履行」に決定した債権管理情報に基づく情報が表示される。債権保証提案表示欄4220に表示される各債権管理情報には、当該債権管理情報を選択するためのラジオボタン4221が表示される。
【0163】
提案画面4200において、利用者が督促実行ボタン4219を押下すると、受付部53が督促状を送付する操作を受け付ける。受付部53が督促状を送付する操作を受け付けると、ラジオボタン4211が選択されている債権管理情報に対して、督促状を送付する処理が実行される。
【0164】
提案画面4200において、利用者が履行申請ボタン4229を押下すると、受付部53が債権保証の履行を申請する操作を受け付ける。受付部53が債権保証の履行を申請する操作を受け付けると、ラジオボタン4221が選択されている債権管理情報に対して、債権保証の履行を申請する処理が実行される。
【0165】
提案画面4200において、利用者が終了ボタン4298を押下すると、表示制御部51が、提案画面4200を閉じる。この場合、提案画面4200に表示された回収行動は実行されない。このように、提案画面4200に終了ボタン4298を設けることで、未回収の債権に対して具体的な行動を実行せずに静観する意思決定を、利用者の選択として受け付けることが可能となる。
【0166】
提案画面4200において、利用者が設定ボタン4299を押下すると、受付部53が設定画面を表示する操作を受け付ける。表示制御部51は、設定画面を表示する操作に応じて、判断部45が行動判定処理で用いる情報を設定するための設定画面をディスプレイ506に表示する。
【0167】
なお、提案画面4200は、債権保証提案表示欄4220に表示した債権に対して債権保証の履行を実行した場合、保証上限金額を超過する取引先がある場合、その旨を示す情報を表示してもよい。
【0168】
具体的には、ステップS54において、記憶制御部41が、回収行動を「債権保証履行」に決定した債権の請求先に関する債権保証情報を債権保証情報管理DB3001から読み出す。次に、画面作成部44が、履行履歴の合計金額に債権管理情報の請求金額の合計金額を加算した金額が、債権保証情報の保証上限金額を超過するか否かを判定する。そして、画面作成部44は、保証上限金額を超過すると判定した場合、提案画面4200を表示させるための画面データにその旨を示す情報を含める。
【0169】
≪設定画面≫
ここで、設定画面について、図20を参照しながら説明する。図20は、本実施形態における設定画面の一例を示す図である。
【0170】
図20に示されているように、本実施形態における設定画面4300は、取引履歴、口座振替結果、及び信用情報それぞれを行動判定処理に用いるか否かを設定するチェックボックス4301~4303、及び確定ボタン4309を有する。利用者がチェックボックス4301~4303のチェック状態を変更し、確定ボタン4309を押下することで、判断部45に行動判定処理に用いる情報が設定される。
【0171】
行動判定処理に取引履歴を用いないことを設定した場合、判断部45は、行動判定処理のステップS53-4をスキップする。また、行動判定処理に口座振替結果を用いないことを設定した場合、判断部45は、行動判定処理のステップS53-1をスキップする。そして、行動判定処理に信用情報を用いないことを設定した場合、判断部45は、行動判定処理のステップS53-3をスキップする。
【0172】
図16に戻って説明する。ステップS57において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による回収行動の実行を指示する操作を受け付ける。当該操作は、回収行動を実行する請求書を特定して行われる。なお、利用者が特定する請求書は複数であってもよい。以降では、利用者が債権保証の履行を指示する操作を行ったものとして説明を続ける。
【0173】
ステップS58において、利用者端末50が備える通信部52は、回収行動の実行を指示する操作に応じて、回収行動の実行要求を債権管理サーバ40に送信する。当該実行要求には、利用者が指示した回収行動を示す情報、及び利用者が特定した請求書を識別する請求書IDが含まれる。
【0174】
ステップS59において、債権管理サーバ40が備える通信部42は、利用者端末50が送信した回収行動の実行要求を受信する。次に、実行部46が、受信した回収行動を示す情報に基づいて、回収行動を実行する。ここでは、実行部46は、通信部42を用いて債権保証の履行を債権保証サーバ30に要求する。通信部42は、債権保証の履行要求を債権保証サーバ30に送信する。当該履行要求には、特定された請求書を識別する請求書ID及び請求先を表す情報が含まれる。
【0175】
なお、利用者が督促状の送付を指示した場合には、実行部46は、督促状を作成し、取引先企業Bに送付する。帳票管理サーバ10が督促状の送付を実行する場合、実行部46は、督促状の送付要求を帳票管理サーバ10に送信する。帳票管理サーバ10は、督促状の送付要求に応じて、督促状を作成し、取引先企業Bに送付する。また、実行部46は、記憶制御部11を用いて督促日を債権管理情報管理DB4001に登録する。督促日には、督促状を送付する日付が設定される。
【0176】
ステップS60において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、債権管理サーバ40が送信した債権保証の履行要求を受信する。次に、記憶制御部31が、受信した債権保証の履行要求に基づいて、履行情報を履行情報管理DB3002に記憶する。このとき、履行依頼日は当日の日付が設定される。また、履行状態は「履行中」に設定される。
【0177】
続いて、通信部32は、受信した債権保証の履行要求に基づいて、債権保証の履行申請を債権保証システム4に送信する。当該履行申請には、取引先名及び請求金額等が含まれる。
【0178】
ステップS61において、債権保証システム4は、債権保証サーバ30から受信した債権保証の履行申請を登録する。その後、債権保証サービス企業Fの従業員である審査者が、登録されている債権保証の履行申請を審査し、その審査結果を債権保証システム4に登録する。なお、上述の審査は、債権保証システム4が所定の条件に基づき債権保証の履行申請を自動的に審査し、当該履行申請に係る金額の一部または全部を自動決済してもよく、その方式は問わない。そして、債権保証システム4は、登録された審査結果を、債権保証サーバ30に返信する。
【0179】
ステップS62において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、債権保証システム4が送信した審査結果を受信する。次に、記憶制御部31が、受信した審査結果を履行情報管理DB3002に登録する。具体的には、記憶制御部31は、履行状態を「履行済み」に更新し、履行日に当日の日付を登録する。
【0180】
ステップS63において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、受信した審査結果を利用者端末50に送信する。利用者端末50では、通信部52が、債権保証サーバ30が送信した審査結果を受信する。次に、表示制御部51が、受信した審査結果を提案画面等に表示する。
【0181】
〔変形例〕
<取引傾向に基づく警告表示>
本実施形態における情報処理システム1では、利用者が提案画面4200において履行申請ボタン4229を押下することで、債権保証システム4に対して債権保証の履行が申請される。このとき、債権保証システム4に債権保証の履行を申請する前に、申請対象の取引先に関する取引傾向に基づいて、警告を表示してもよい。
【0182】
例えば、ある取引先について、直近数か月の取引で断続的に支払いが遅延しているが、いずれもその後支払いがされている場合、その取引先は支払い期限にルーズな傾向があるが経営状態に問題はないと考えられる。一方、例えば、ある取引先について、過去の取引において常に支払い期限日前に支払いがされていたが、直近月の取引で遅延が発生した場合、一過性の遅延であるのか、又は、経営状態が悪化しているのか、判断することは困難である。
【0183】
このような取引傾向に基づく判断は、利用者がより総合的な情報に基づいて行うべきである。債権保証の履行を申請する前に、利用者に警告することで、不適切な債権保証の履行を回避するために再考するタイミングを与えることができる。
【0184】
具体的には、判断部45が、未回収の債権管理情報に対して提案する回収行動を「債権保証履行」に決定した後(ステップS53-8)、取引履歴が予め定めた警告規則に合致するか否かを判定する。警告規則に合致する場合、判断部45は、提案する回収行動と共に取引傾向を表す情報を出力する。出力された取引傾向を表す情報は、画面作成部44により提案画面を表示させるための画面データに埋め込まれる(ステップS54)。
【0185】
提案画面4200では、履行申請ボタン4229が押下された際に、OKボタン及びキャンセルボタンを有する確認画面を表示する(ステップS57)。利用者が確認画面でOKボタンを押下した場合には、債権保証の履行要求を債権保証サーバ30に送信する(ステップS58)。一方、利用者がキャンセルボタンを押下した場合には、債権保証の履行申請を中止する。
【0186】
<債権保証サービスの案内表示>
本実施形態における情報処理システム1は、サービス利用企業Aが債権保証サービス企業Fと債権保証サービスを利用する契約を行っていることを前提としていた。また、一般的に、債権保証サービスでは、債権保証サービスを利用する契約を結んだ上で、事前に債権保証の対象とする取引先を選択し、各取引先に債権保証を利用する範囲(上限金額及び保証期間等)を設定する必要がある。
【0187】
そこで、テナントであるサービス利用企業Aが債権保証サービスを未契約の場合、又は債権保証サービスを契約しているサービス利用企業Aにおいて債権保証の対象外である取引先企業Bに対する債権が回収不能となった場合には、債権保証サービスの利用を促す案内を表示するとよい。
【0188】
<提案実行処理>
本変形例における提案実行処理を、図21を参照しながら説明する。図21は、本変形例における提案実行処理の一例を示すシーケンス図である。以下、実施形態における提案実行処理との相違点を中心に説明する。
【0189】
ステップS53Bにおいて、債権管理サーバ40が備える判断部45は、未回収となっている債権管理情報それぞれについて、当該債権を回収するための回収行動を判定する。
【0190】
≪行動判定処理≫
本変形例における行動判定処理を、図22を参照しながら説明する。図22は、ステップS53Bに相当する行動判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0191】
図22に示されているように、本変形例における行動判定処理では、ステップS53-8を実行する前に、ステップS53-10及びステップS53-11を実行し、それらの結果に応じて、ステップS53-8又はステップS53-12を実行する。
【0192】
ステップS53-10において、判断部45は、テナントが債権保証サービスを契約しているか否かを判定する。テナントが債権保証サービスを契約しているか否かの判定は、例えば、債権管理サーバ40が各テナントのサービス利用状況を保有しておき、利用者が利用者端末50から取引管理システム2にログインした際に、債権保証サービスに関するサービス利用状況を読み出しておけばよい。
【0193】
判断部45は、テナントが債権保証サービスを契約している場合(YES)、ステップS53-11に処理を進める。また、判断部45は、テナントが債権保証サービスを契約していない場合(NO)、ステップS53-12に処理を進める。
【0194】
ステップS53-11において、判断部45は、判定対象とする債権管理情報の取引先が債権保証サービスの対象となっているか否かを判定する。取引先が債権保証サービスの対象となっているか否かの判定は、債権保証情報管理DB3001から当該取引先に関する債権保証情報を読み出し、当該債権保証情報に含まれる保証状態を参照することにより行えばよい。
【0195】
判断部45は、取引先が債権保証サービスの対象となっている場合(YES)、ステップS53-8に処理を進める。また、判断部45は、取引先が債権保証サービスの対象となっていない場合(NO)、ステップS53-12に処理を進める。
【0196】
ステップS53-12において、判断部45は、当該債権管理情報に対して提案する回収行動を、「債権保証サービス案内」に決定する。
【0197】
図21に戻って説明する。ステップS56において、利用者端末50が備える通信部52は、債権管理サーバ40から提案画面を表示させるための画面データを受信する。次に、表示制御部51は、受信した画面データに基づいて、提案画面をディスプレイ506に表示する。
【0198】
ステップS71において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による案内画面の表示を指示する操作を受け付ける。案内画面の表示を指示する操作は、例えば、提案画面が有するボタンを押下する操作等である。次に、表示制御部51が、案内画面の表示を指示する操作に応じて、案内画面をディスプレイ506に表示する。
【0199】
≪提案画面及び案内画面≫
ここで、本変形例における提案画面及び案内画面について、図23及び図24を参照しながら説明する。図23及び図24は、本変形例における提案画面及び案内画面の一例を示す図である。
【0200】
図23(A)は、テナントが債権保証サービスを未契約である場合に表示する提案画面4400の一例を示す図である。図23(A)に示されているように、提案画面4400は、債権保証サービスへの加入を促す文言を表示するための文言表示欄4401、未回収の債権に関する情報を表示するための債権表示欄4402、及び案内画面を表示するための詳細確認ボタン4409を有する。
【0201】
受付部53が、提案画面4400において、利用者により詳細確認ボタン4409が押下される操作を受け付けると、表示制御部51が、図23(B)に示すような案内画面4410をディスプレイ506に表示する。
【0202】
図23(B)は、テナントが債権保証サービスを未契約である場合に表示する案内画面4410の一例を示す図である。図23(B)に示されているように、案内画面4410は、当該テナントが利用可能な債権保証サービスのプランを複数表示するためのプラン表示欄4411、及び選択した債権保証サービスの契約処理を開始するための契約ボタン4419を有する。
【0203】
プラン表示欄4411に表示される債権保証サービスのプランは、サービス提供企業Cが提携している債権保証サービス企業Fの債権保証サービスが提供するプランのうち、サービス利用企業Aが利用可能なプランである。サービス利用企業Aが利用可能なプランが多数ある場合、取引先企業Bの現在の取引先数又は債権の合計金額等を鑑みて、最適なプランを所定の数だけ選定すればよい。
【0204】
図24(A)は、未回収の債権の取引先が債権保証サービスの対象外である場合に表示する提案画面4420の一例を示す図である。図24(A)に示されているように、提案画面4420は、債権保証サービスのプラン拡張を促す文言を表示するための文言表示欄4421、未回収の債権に関する情報を表示するための債権表示欄4422、及び案内画面を表示するための詳細確認ボタン4429を有する。
【0205】
受付部53が、提案画面4420において、利用者により詳細確認ボタン4429が押下される操作を受け付けると、表示制御部51が、図24(B)に示すような案内画面4430をディスプレイ506に表示する。
【0206】
図24(B)は、未回収の債権の取引先が債権保証サービスの対象外である場合に表示する案内画面4430の一例を示す図である。図24(B)に示されているように、案内画面4430は、現在契約中のプラン及び債権保証の対象を拡張する複数のプランを表示するためのプラン表示欄4431、及び選択した債権保証サービスの契約処理を開始するための契約ボタン4439を有する。
【0207】
プラン表示欄4431に表示される債権保証の対象を拡張するプランは、図23(B)に示したプラン表示欄4411と同様に、サービス利用企業Aが利用可能なプランのうち、取引先企業Bの現在の取引先数又は債権の合計金額等を鑑みて、最適なプランを選定したものである。
【0208】
図21に戻って説明する。ステップS72において、利用者端末50が備える受付部53は、利用者による債権保証サービスの契約を指示する操作を受け付ける。当該操作は、債権保証サービスのプランを特定して行われる。
【0209】
ステップS73において、利用者端末50が備える通信部52は、債権保証サービスの契約を指示する操作に応じて、債権保証契約の申請要求を債権保証サーバ30に送信する。当該申請要求には、特定されたプランを示す情報が含まれる。
【0210】
ステップS74において、債権保証サーバ30が備える通信部32は、利用者端末50が送信した債権保証契約の申請要求を受信する。次に、通信部32は、受信した申請要求に基づいて、債権保証契約の申請を債権保証システム4に送信する。当該申請には、テナントに関する情報、取引先に関する情報、及びプランを示す情報等が含まれる。
【0211】
〔実施形態の主な効果〕
本実施形態における債権管理サーバ40は、取引管理システム2に含まれる他のサーバから取得した債権管理情報に基づいて、未回収の債権それぞれについて、当該債権を回収するための行動を提案するための提案画面を作成し、利用者端末50に表示させる。これにより、サービス利用企業は未回収の債権を回収するための行動を決定することが容易になる。
【0212】
例えば、複数の債権が未回収となっている場合に、どの債権から優先して債権保証を履行すべきか決定することが容易になる。また、例えば、未回収となっている債権であっても、取引先の商習慣等から近いうちに入金される可能性が高ければ、回収するための行動を行わず、しばらく入金を待つといった判断を行うことができるようになる。
【0213】
さらに、変形例における債権管理サーバ40は、債権保証サービスを利用していないテナントの債権、又は債権保証サービスの対象外となっている取引先に対する債権が未回収となっている場合に、債権保証サービスの利用を案内するための案内画面を作成し、利用者端末50に表示させる。これにより、サービス利用企業はより確実に債権を回収する手段を検討することができ、債権保証サービス企業は債権保証サービスの利用拡大に繋げることができる。
【0214】
[補足]
上記で説明した実施形態では、口座振替サービスにより代金を支払う例を説明したが、代金の支払い方法はこれに限定されない。例えば、振込票を用いたコンビニ決済、又はクレジットカード決済等で代金を支払う場合であっても適用可能である。
【0215】
また、上記で説明した実施形態では、未完了の口座振替があった場合に回収行動を提案する例を説明したが、提案を行う状況はこれに限定されない。例えば、利用者が帳票管理サービスにより作成した見積書又は請求書等の帳票を取引先に送付する際に、送付先の取引先に対してステップS53で説明した判定処理を行うことで、帳票の送付先である取引先が債権保証の履行対象となり得る取引先である場合に、警告することができる。
【0216】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0217】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0218】
1 情報処理システム
2 取引管理システム
3 口座振替システム
4 債権保証システム
10 帳票管理サーバ
20 口座振替サーバ
30 債権保証サーバ
40 債権管理サーバ
50 利用者端末
11,21,31,41 記憶制御部
12,22,32,42,52 通信部
43 情報取得部
44 画面作成部
45 判断部
46 実行部
51 表示制御部
53 受付部
100 帳票管理情報記憶部
200 口座振替情報記憶部
300 債権保証情報記憶部
400 債権管理情報記憶部
410 画面データ記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0219】
【特許文献1】特開2004-70975号公報
図1
図2
図3
図4
図5
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図20
図21
図22
図23
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