(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094195
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230628BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230628BHJP
G06F 3/046 20060101ALI20230628BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20230628BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G06F3/041 620
G06F3/041 560
G06F3/044 Z
G06F3/046 Z
G06F3/045 Z
G06F3/042 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209521
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】後藤 智幸
(57)【要約】
【課題】タッチセンサ付きの表示装置において、入力精度を向上でき、かつ低コスト化を図る。
【解決手段】表示装置1は、指入力用のタッチセンサを有するディスプレイ5が搭載される筐体2と、ペン入力用のタッチセンサを有するディスプレイ6が搭載される筐体3と、を備え、筐体2と筐体3とを重畳することによって、ディスプレイ5とディスプレイ6とが重畳するよう構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指入力用のタッチセンサを有する第1の画面が搭載される第1筐体と、
ペン入力用のタッチセンサを有する第2の画面が搭載される第2筐体と、
を備え、
前記第1筐体と前記第2筐体とを重畳することによって、前記第1の画面と前記第2の画面とが重畳するよう構成される、
表示装置。
【請求項2】
前記ペン入力用のタッチセンサは、電磁誘導方式のタッチセンサであり、
前記電磁誘導方式のタッチセンサのホバリング量が前記第1筐体の重畳方向の厚さより大きく設定される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記指入力用のタッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサである、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記指入力用のタッチセンサは、感圧式のタッチセンサである、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1筐体と前記第2筐体とを折り畳み可能に連結する連結部を備え、
前記連結部を介して前記第1筐体と前記第2筐体とが折り畳まれることによって、前記第1の画面と前記第2の画面とが重畳する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
制御部を備え、
前記第1の画面と前記第2の画面は、前記連結部によって前記第1筐体と前記第2筐体とが展開されているとき同方向を向き、前記第1筐体と前記第2筐体とが折り畳まれるとき反対方向を向くように連結されており、
前記制御部は、
前記第1筐体と前記第2筐体とが展開されているときは、前記ペン入力用のタッチセンサの検知方向を前記第2の画面の表示方向に設定し、
前記第1筐体と前記第2筐体とが折り畳まれているときは、前記ペン入力用のタッチセンサの検知方向を前記第1の画面の表示方向に切り替える、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1筐体と前記第2筐体とを脱着可能に連結する脱着部を備え、
前記脱着部により前記第1筐体と前記第2筐体とが連結されている状態から分離されて、前記分離された前記第1筐体と前記第2筐体とが重畳することによって、前記第1の画面と前記第2の画面とが重畳する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
タッチセンサが設けられない第1の画面が搭載される第1筐体と、
赤外線走査方式のタッチセンサを有する第2の画面が搭載される第2筐体と、
を備え、
前記第2筐体の上に前記第1筐体が重畳することによって、前記第2の画面の上に前記第1の画面が重畳するよう構成され、
前記赤外線走査方式のタッチセンサのホバリング量が前記第1筐体の重畳方向の厚さより大きく設定される、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラップトップ型PCやスマートホンなどの製品では、2つの画面が搭載され折り畳みができるものがある。これらの製品では、キーボードやマウスなどの外部入力デバイスの代わりに、タッチ入力やペン入力などのユーザーインターフェースが入力デバイスとして用いられていることが多い。
【0003】
特許文献1には、電磁誘導方式と静電容量方式の二つを搭載したハイブリッド方式のタッチセンサを備え、同一の画面上において静電容量方式のタッチ入力と電磁誘導方式のペン入力とを同時に感知する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチセンサ付きの表示装置において入力精度を高めるためには、特許文献1のようにタッチ入力とペン入力とを併用できるハイブリッド方式を適用するのが望ましい。しかし、複数の画面を備える表示装置に適用しようとすると、タッチ入力とペン入力にそれぞれ対応する二つのタッチセンサを複数の画面のそれぞれに搭載する必要があり、コストが掛かるという問題がある。
【0005】
本発明は、タッチセンサ付きの表示装置において、入力精度を向上でき、かつ低コスト化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一観点に係る表示装置は、指入力用のタッチセンサを有する第1の画面が搭載される第1筐体と、ペン入力用のタッチセンサを有する第2の画面が搭載される第2筐体と、を備え、前記第1筐体と前記第2筐体とを重畳することによって、前記第1の画面と前記第2の画面とが重畳するよう構成される。
【発明の効果】
【0007】
タッチセンサ付きの表示装置において、入力精度を向上でき、かつ低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る表示装置のハードウェア構成例を示す図
【
図2】第1実施形態に係る表示装置の概略構成を示す図
【
図3】第1実施形態に係る表示装置のホバリング量を説明する模式図
【
図4】折り畳み状態の表示装置のホバリング量を説明する模式図
【
図5】電磁誘導方式のタッチセンサの検知方向切替に関する機能ブロック図
【
図6】第2実施形態に係る表示装置のホバリング量を説明する模式図
【
図7】折り畳み状態の表示装置のホバリング量を説明する模式図
【
図8】第3実施形態に係る表示装置の概略構成を示す図
【
図9】第4実施形態に係る表示装置の概略構成を示す図
【
図10】折り畳み状態の表示装置のホバリング量を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1~
図5を参照して第1実施形態を説明する。本実施形態に係る表示装置1は、タッチセンサ付きの表示装置であって、2つのディスプレイ5、6が搭載されるものである。
【0011】
図1は、実施形態に係る表示装置1のハードウェア構成例を示す図である。
図1に示されているように、表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
【0012】
これらのうち、CPU201は、表示装置1全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、表示装置用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークコントローラ205は、通信ネットワーク100との通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0013】
また、表示装置1は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0014】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。また、キャプチャデバイス211(電子機器)は、接続機器から映像端子を介して入力される映像信号をキャプチャして自機のディスプレイ5、6等の表示装置(表示部)に表示させる。映像端子は、HDMI(登録商標)、DP(Display Port)、DVIなどのデジタル端子や、RGBやコンポジットなどのアナログ端子を含む。また、映像信号のソース機器となる接続機器は、
図1に示すPC270の他にもDVDレコーダ、デジカメなどの映像再生機器を含む。
【0015】
GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ5、6等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ5、6上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ5,6の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ5,6に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ5,6の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ5、6へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、表示装置1の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ5、6の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0016】
更に、表示装置1は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図1に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0017】
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0018】
なお、本実施形態の表示装置1では、マイク240、スピーカ250、カメラ260、人感センサ224、キャプチャデバイス211を含まない構成でもよい。また、本実施形態の表示装置1は、もしコントローラレスの表示デバイスとして実施される場合は、制御部21を備えない構成でもよい。この場合、センサコントローラ215が外部PC270等と接続できる構成となり、外部PC270によって表示装置1が制御される。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る表示装置1の概略構成を示す図である。
図2の(A)は表示装置1の展開時の状態を図示しており、(B)は表示装置1の折り畳み途中の状態を図示しており、(C)は表示装置1の折り畳み完了の状態を図示している。
【0020】
図2に示すように、第1実施形態に係る表示装置1は、タッチセンサ付きの表示装置であって、2つのディスプレイ5、6が搭載されるものである。
【0021】
表示装置1は、筐体2(第1筐体)と、筐体3(第2筐体)と、連結部4とを備える。筐体2と筐体3は、共に矩形状かつ平板状の部材であり、主面の形状や大きさはほぼ同一に形成されている。
【0022】
連結部4は、筐体2と筐体3の矩形状の一辺にそれぞれ固設される。連結部4は、例えばヒンジなど回動可能な部材であり、筐体2と筐体3の矩形状の一辺に沿って回転軸が配置されるように設置される。これにより、連結部4は、
図2(B)、(C)に示すように、筐体2と筐体3とを折り畳み可能に連結することができる。
【0023】
筐体2と筐体3には、
図2(A)に示すように、連結部4を中心としてそれぞれが連結部4の両側に並列に配置される展開時において、同一方向側の主面にそれぞれディスプレイ5(第1の画面)とディスプレイ6(第2の画面)が設けられる。つまり、展開時には、2つのディスプレイ5、6が並列に配置される。
【0024】
筐体2に搭載されるディスプレイ5は、指入力用のタッチセンサを有する。一方、筐体3に搭載されるディスプレイ6は、ペン入力用のタッチセンサを有する。
【0025】
第1実施形態では、ディスプレイ5に搭載される指入力用のタッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサである。また、ディスプレイ6に搭載されるペン入力用のタッチセンサは、電磁誘導方式のタッチセンサである。
【0026】
表示装置1は、
図2(C)に示すように、筐体2と筐体3とを重畳することによって、ディスプレイ5とディスプレイ6とが重畳するよう構成される。
図2(B)、(C)に示すように、連結部4を介して筐体2と筐体3とが折り畳まれることによって、筐体2と筐体3とが重畳し、ディスプレイ5とディスプレイ6とが重畳する。
【0027】
図3は、第1実施形態に係る表示装置1のホバリング量を説明する模式図である。
図4は、折り畳み状態の表示装置1のホバリング量を説明する模式図である。
【0028】
ここで「ホバリング量」とは、
図3、
図4に示すように、タッチパネルにおいて、画面の表面から離れてもタッチを検出することが可能な最大距離のことをいう。ホバリング量は、タッチセンサの方式によって異なる。
【0029】
ディスプレイ5に搭載される静電容量方式のタッチセンサのホバリング量h1は、概ね数mm程度である。一方、ディスプレイ6に搭載される電磁誘導方式のタッチセンサのホバリング量h2は、概ね数十mm程度である。つまり、第1実施形態の表示装置では、ディスプレイ6に搭載されるペン入力用のタッチセンサのホバリング量h2は、ディスプレイ5に搭載される指入力用のタッチセンサのホバリング量h1より大きい。
【0030】
特に本実施形態では、
図4に示すように、電磁誘導方式のタッチセンサのホバリング量h2が、筐体2の重畳方向の厚さT1より大きく設定されるのが好ましい。これにより、
図4に示すように筐体2,3を折り畳んで重ねて使用する場合、電磁誘導方式と搭載するディスプレイ6が下面であれば、ホバリング量h2が多いので、検出距離が静電容量方式のタッチセンサを搭載する上方のディスプレイ5を突き抜けてペン入力を検出することができる。また、ディスプレイ5上で指入力を検出することも併せて可能である。したがって、ユーザから視ると、上面の1つのディスプレイ5のみを用いて、指入力とペン入力の両方のタッチセンサを利用することが可能となる。
【0031】
このように、第1実施形態では、2つのディスプレイ5,6にそれぞれ一つずつ別のタッチセンサが搭載された場合でも、ディスプレイ5、6を重ねることでペン入力と指入力の両方に対応することが可能となり、ペン入力と指入力とを同時に精度良く検出することができる。また、指入力とペン入力とを併用したい場合でも、1つのディスプレイに2つの方式のタッチセンサを搭載する必要がないので、タッチセンサのコストも低減できる。
【0032】
なお、表示装置1の2つのディスプレイ5,6は、連結部4によって、
図3に示すように、筐体2と筐体3とが展開されているとき同方向を向き、
図4に示すように、筐体2と筐体3とが折り畳まれるとき反対方向を向くように連結されている。このため、
図4に示すように、筐体2,3を折り畳んで2つのディスプレイ5,6が重畳した状態では、下方にあるディスプレイ6の電磁誘導方式のタッチセンサの検出方向が逆になるので、表示装置1は、電磁誘導方式のタッチセンサの検知方向を逆向きに切り替える制御を実施するのが好ましい。この制御の一例について
図5を参照して説明する。
【0033】
図5は、電磁誘導方式のタッチセンサの検知方向切替に関する機能ブロック図である。
図5に示す制御部21は、例えば
図1に示したCPU201などを含む制御部21と対応する。制御部21は、電磁誘導方式のタッチセンサの検知方向切替に関する機能として、重畳検知部217と、検知方向切替部218とを備える。
【0034】
重畳検知部217は、連結部4が折り畳み状態に回動していることを検知して、これにより2つのディスプレイ5,6が重畳している状態を検知する。連結部4が折り畳み状態に回動していることの検知手法は、例えば連結部4の回転角度を計測する手法が挙げられる。または、筐体2,3の主面のうちディスプレイ5,6が配置されない側の裏面、すなわち、折り畳み時に互いに対向して接触する面に接触センサやスイッチなどの接触検知部を設け、接触検知部により筐体2,3の裏面同士が接触したことが検知されたときに、
図4に示す折り畳み状態になったと判定してもよい。
【0035】
検知方向切替部218は、重畳検知部217により2つのディスプレイ5,6が重畳している状態が検知されたときに、電磁誘導方式のタッチセンサの検知方向を逆向きに切り替える。検知方向切替部218は、例えば
図1に示した電子ペンコントローラ216に切替の指令を送信し、電子ペンコントローラ216が指令の受信に応じて磁誘導方式のタッチセンサの検知方向を切り替える。
【0036】
これにより、制御部21は、筐体2と筐体3とが展開されているときは、ペン入力用のタッチセンサの検知方向をディスプレイ6の表示方向に設定し、筐体2と筐体3とが折り畳まれているときは、ペン入力用のタッチセンサの検知方向をディスプレイ5の表示方向に切り替えることができる。
【0037】
第1実施形態では、このような切替制御を実施することによって、筐体2,3を折り畳んで2つのディスプレイ5,6が重畳している状態において、上面の1つのディスプレイ5のみを用いて、指入力とペン入力の両方のタッチセンサをより確実に利用することが可能となる。
【0038】
[第2実施形態]
図6、
図7を参照して第2実施形態を説明する。
図6は、第2実施形態に係る表示装置1Aのホバリング量を説明する模式図である。
図7は、折り畳み状態の表示装置1Aのホバリング量を説明する模式図である。
【0039】
図6、
図7に示すように、第2実施形態の表示装置1Aでは、筐体2にディスプレイ7(第1の画面)が搭載される。ディスプレイ7に搭載される指入力用のタッチセンサは、感圧式のタッチセンサである。感圧式タッチセンサは、物理的に触ったことを圧力で感知するセンサである。そのため他の方式のタッチセンサが持つホバリングと呼ばれる画面にタッチしなくても感知してしまう現象が発生しない。したがって、感圧式のタッチセンサの場合にはホバリング量は0となる。
【0040】
第2実施形態の表示装置1Aでも、第1実施形態と同様に、
図7に示すように筐体2,3を折り畳んで重ねて使用する場合、電磁誘導方式と搭載するディスプレイ6が下面であれば、ホバリング量h2が筐体2の厚みTより大きいので、検出距離が感圧式のタッチセンサを搭載する上方のディスプレイ7を突き抜けてペン入力を検出することができる。また、ディスプレイ7上で指入力を検出することも併せて可能である。したがって、ユーザから視ると、上面の1つのディスプレイ7のみを用いて、指入力とペン入力の両方のタッチセンサを利用することが可能となる。このため、第2実施形態の表示装置1Aは、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0041】
[第3実施形態]
図8を参照して第3実施形態を説明する。
図8は、第3実施形態に係る表示装置1Bの概略構成を示す図である。
図8の概要は
図2と同様であり、(A)が展開時、(B)が重畳途中、(C)が重畳完了時を図示している。
【0042】
図8に示すように、第3実施形態の表示装置1Bは、筐体2と筐体3とを脱着可能に連結する脱着部8を備える。脱着部8は、第1、第2実施形態の連結部4に置き換わる要素である。
【0043】
脱着部8は、筐体2に固設される第1部材8Aと、筐体3に固設される第2部材8Bとを有する。第1部材8Aと第2部材8Bは、筐体2と筐体3の矩形状の一辺にそれぞれ固設される。第1部材8Aと第2部材8Bとは、
図8(A)に示すように相互に連結ことができ、かつ、
図8(B)に示すように相互に分離することができる構造で形成される。また、第1部材8Aと第2部材8Bとは、
図8(C)に示すディスプレイ5,6が重畳している状態でも相互に連結する構成であってもよい。
【0044】
第3実施形態の表示装置1Bは、脱着部8により、
図8(B)に示すように、筐体2と筐体3とが連結されている状態から分離されて、
図8(C)に示すように、分離された筐体2と筐体3とが重畳することによって、ディスプレイ5とディスプレイ6とが重畳する。
【0045】
第3実施形態の表示装置1Bのように、2つのディスプレイ5,6が回動可能に連結されていない構成であっても、脱着部8によってディスプレイ5とディスプレイ6とを重畳させることが可能であるので、第3実施形態の表示装置1Bは、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0046】
[第4実施形態]
図9、
図10を参照して第4実施形態を説明する。
図9は、第4実施形態に係る表示装置1Cの概略構成を示す図である。
図10は、折り畳み状態の表示装置1Cのホバリング量を説明する模式図である。
【0047】
第4実施形態の表示装置1Cでは、筐体2に搭載されるディスプレイ9には、タッチセンサが設けられない。一方、筐体3に搭載されるディスプレイ10には、赤外線走査方式のタッチセンサが設けられる。赤外線走査方式タッチセンサは、
図9に示すようにペン入力と手入力の両方を検知可能である。
【0048】
第4実施形態の表示装置1Cは、筐体3の上に筐体2が重畳することによって、ディスプレイ10の上にディスプレイ9が重畳するよう構成される。赤外線走査方式のタッチセンサのホバリング量h3は、筐体2の重畳方向の厚さT2より大きく設定される。
【0049】
赤外線走査式タッチセンサは、ディスプレイ10の表面と平行に赤外線を照射し赤外線の遮断等を感知してタッチした地点を割り出す方式である。このため赤外線走査式タッチセンサは、例えば
図9に示すように、ディスプレイ10の縁に赤外線照射部10Aと受光部10Bを持ち、その縁部分は画面よりも高さが高い位置になることが通常である。これらの赤外線照射部10Aと受光部10Bの高さは、赤外線走査式タッチセンサのホバリング量h3と関連性がある。一般的には、赤外線照射部10Aと受光部10Bの高さ、すなわち赤外線走査式タッチセンサが搭載されるディスプレイ10の縁の高さが、赤外線走査式タッチセンサのホバリング量h3となる。
【0050】
このため、
図10に示すように、赤外線走査式タッチセンサが搭載されるディスプレイ10と、タッチセンサを搭載しないディスプレイ9とが重なったとき、ディスプレイ9の厚さがディスプレイ10の縁の高さよりも充分に薄い場合には、タッチセンサを搭載しないディスプレイ9をタッチした場合にも、赤外線走査式タッチセンサによる検知が可能となるので、あたかもタッチを感知する機能を持たせているようにユーザに感じさせることができる。
【0051】
このように第4実施形態の表示装置1Cのように、2つのディスプレイ9、10を備える表示装置において一方のディスプレイ9にタッチセンサを設けない構成であっても、筐体2、3を重ねた状態で、上面の1つのディスプレイ9のみを用いて、指入力とペン入力の両方のタッチセンサを利用することが可能となる。したがって、第4実施形態の表示装置1Cも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0052】
なお、第4実施形態の表示装置1Cでは、タッチセンサを持たないディスプレイ9がディスプレイ10の上に配置された状態でも、ディスプレイ10に搭載される赤外線走査式タッチセンサにディスプレイ9を異物として認識させない制御を実施することが好ましい。これにより、赤外線走査式タッチセンサの検知精度を向上できる。
【0053】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、単一の表示装置1、1A、1B、1Cが2つのディスプレイを備える構成を例示したが、3つ以上の複数のディスプレイを備える構成でもよい。
【符号の説明】
【0055】
1、1A、1B、1C 表示装置
2 筐体(第1筐体)
3 筐体(第2筐体)
4 連結部
5、7、9 ディスプレイ(第1の画面)
6、10 ディスプレイ(第2の画面)
8 脱着部
21 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】