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特開2023-94200プログラム、情報処理システム、送信先設定方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094200
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、送信先設定方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/046 20220101AFI20230628BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
H04L51/046
H04N7/15
H04N7/15 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209529
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】新井 政樹
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA10
5C164UD62S
5C164VA13P
(57)【要約】
【課題】電子データを共有するために必要な情報を送信する送信先の設定を行うプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明は、情報処理装置を、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステム50と連携する連携部と、拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記遠隔コミュニケーションシステムに要求する共有要求部と、前記遠隔コミュニケーションシステムから取得した、前記遠隔コミュニケーションシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記情報処理装置によって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定する送信先情報管理部、として機能させるためのプログラム70を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステムと連携する連携部と、
拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記遠隔コミュニケーションシステムに要求する共有要求部と、
前記遠隔コミュニケーションシステムから取得した、前記遠隔コミュニケーションシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記情報処理装置によって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定する送信先情報管理部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
情報処理装置を、
前記遠隔コミュニケーションシステムが前記電子データを共有した場合、前記送信先に設定された前記ユーザーに該電子データにアクセスするための情報が送信された旨を登録する送信履歴管理部として機能させる請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
S104
前記送信先情報管理部は、前記ユーザーに関する情報に基づいて、前記プログラムのライセンスを有さない前記ユーザーのみを抽出し、抽出した前記ユーザーに関する情報を任意の電子データの送信先に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
情報処理装置を、
拠点から電子データの共有を要求された場合、前記電子データのファイル名の入力欄、及び、前記送信先情報管理部が抽出した前記ユーザーに関する情報を表示する画面を生成する画面生成部と、
前記画面に関する画面情報を、共有を要求した拠点の端末装置に送信する通信部、として機能させる請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
情報処理装置を、
共有が要求された電子データを保存先に保存し、保存先情報を発行する電子データ保存部、として機能させ、
前記共有要求部は、前記遠隔コミュニケーションシステムが表示するチャット欄に前記保存先情報の表示を要求することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
情報処理装置を、
前記送信先情報管理部が設定した前記送信先の一覧を表示する画面を生成する画面生成部と、
前記画面に関する画面情報を、電子データの共有を要求した端末装置に送信する通信部と、
前記端末装置から電子データにアクセスするための情報の送信が指示された場合、要求された電子データを保存先に保存し、保存先情報を発行する電子データ保存部と、
前記保存先情報が記載されたメールを前記送信先に送信するメール送信部、として機能させこることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
情報処理装置を、
端末装置が前記保存先情報に接続した場合、前記端末装置から送信されたメールアドレスと前記電子データの識別情報を、前記保存先のサーバーから受信し、
前記電子データが、前記メールアドレスで特定される前記ユーザーにより閲覧された旨を記録する閲覧情報更新部として機能させこることを特徴とする請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する第一のシステムと、前記第一のシステムと連携する第二のシステムと、を有する情報処理システムであって、
前記第二のシステムは、
拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記第一のシステムに要求する共有要求部と、
前記第一のシステムから取得した、前記第一のシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記第二のシステムによって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定する送信先情報管理部と、を有し、
前記第一のシステムは、
前記第二のシステムからの要求に応じて、複数の拠点間において前記電子データを共有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置が行う送信先設定方法であって、
連携部が、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステムと連携するステップと、
共有要求部が、拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記遠隔コミュニケーションシステムに要求するステップと、
送信先情報管理部が、前記遠隔コミュニケーションシステムから取得した、前記遠隔コミュニケーションシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記情報処理装置によって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定するステップと、
を有する送信先設定方法。
【請求項10】
情報処理装置であって、
複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステムと連携する連携部と、
拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記遠隔コミュニケーションシステムに要求する共有要求部と、
前記遠隔コミュニケーションシステムから取得した、前記遠隔コミュニケーションシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記情報処理装置によって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定する送信先情報管理部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理システム、送信先設定方法、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品又はサービス(以下、商品等という)を紹介する際に、資料などの電子データのリンク先等が顧客に配信される場合がある。リンク先を受け取った多数の顧客のうち、興味を持った顧客は、リンク先に接続しWebサイト上の商品等の資料を閲覧する。例えば、遠隔コミュニケーションを用いた商品等を紹介するセミナーにおいて、主催者が顧客である参加者に対して資料などの電子データのリンク先等を配信することが行われている。
【0003】
参加者にメールで情報を提供する作業を支援する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、会議参加者名を社員管理システムに送信して各会議参加者の電子メールアドレスを取得して、これを複合機がScan To Emailの宛先に設定するシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、サーバー上に保存される電子データを共有する処理を行うシステムとの連携が考慮されていないという問題があった。例えば、遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステムと、電子データを共有する処理を行うシステムとが独立している場合がある。遠隔コミュニケーションシステムでコミュニケーションをとった相手に対して、遠隔コミュニケーションから独立した電子データを共有する処理を行うシステムを経由して電子データを共有したい場合には、遠隔コミュニケーションの終了後、主催者が電子データを共有する処理を行うシステムにおいて、改めて電子データを共有するために必要な情報を送信する送信先として、メールアドレス等を設定しなければならない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、電子データを共有するために必要な情報を送信する送信先の設定を行うプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、情報処理装置を、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する遠隔コミュニケーションシステムと連携する連携部と、拠点からの要求に応じて、複数の拠点間における電子データの共有を前記遠隔コミュニケーションシステムに要求する共有要求部と、前記遠隔コミュニケーションシステムから取得した、前記遠隔コミュニケーションシステムが前記要求に基づいて前記電子データを共有した拠点のユーザーに関する情報を、前記情報処理装置によって共有される電子データにアクセスするための情報の送信先に設定する送信先情報管理部、として機能させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
電子データを共有するために必要な情報を送信する送信先の設定を行うプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの動作を概略的に説明する図である。
図2】サーバー側資料共有アプリが電子データの共有履歴を記録する流れを説明する図である。
図3】情報処理システムのシステム構成例を示す図である。
図4】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図5】サーバー側資料共有アプリ、チャット/ビデオ会議システム、主催者端末、及び、参加者端末の機能構成例を示す図である。
図6】送信先記憶部に記憶される送信先情報の一例を示す図である。
図7】送信履歴記憶部に記憶される送信履歴情報の一例を示す図である。
図8】閲覧履歴記憶部に記憶される送信履歴情報の一例を示す図である。
図9】主催者端末が表示する送信先選択画面の一例を示す図である。
図10】主催者端末が表示する送信履歴画面の一例を示す図である。
図11】主催者端末が表示する会議中画面の一例を示す図である。
図12】主催者端末が表示する資料共有ポップアップ画面の一例を示す図である。
図13】送信ボタンの押下後に、主催者端末が表示する会議中画面の一例を示す図である。
図14】参加者がファイル名を押下した場合に表示される電子データ表示画面の一例示す図である。
図15】主催者端末が表示する送信先選択画面の一例を示す図である。
図16】主催者端末が表示する送信履歴画面の一例を示す図である。
図17】会議の開催と電子データの共有の処理を説明するシーケンス図の一例である。
図18】サーバー側資料共有アプリの動作の詳細を説明するフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理システムと情報処理システムが行う送信先設定方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<情報処理システムの動作の概略>
図1は、情報処理システム100の動作を概略的に説明する図である。
【0011】
(1) 主催者の端末装置(以下、主催者端末11という)と参加者の端末装置12a、12b(以下、区別しない場合、参加者端末12という)はチャット/ビデオ会議システム50を使って、遠隔コミュニケーションを行っている。
【0012】
チャット/ビデオ会議システム50では、ビデオ会議、チャット、及び、電子データの共有等を行うことができる。チャット/ビデオ会議システム50は、遠隔コミュニケーションシステムの開催中、チャット/ビデオ会議システム50の機能で参加者全員に電子データ(又はリンク先)を送信できる。
【0013】
また、主催者端末11では端末側資料共有アプリ10が動作している。端末側資料共有アプリ10は、後述するチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16に対しアドインプログラムとして動作し、主催者は端末側資料共有アプリ10をチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16から起動することができる。
【0014】
また、チャット/ビデオ会議システム50(第一のシステムの一例)では、サーバー側資料共有アプリ70が動作する。チャット/ビデオ会議システム50と、サーバー側資料共有アプリ70(サーバー側資料共有アプリ70が実現する資料共有システム((第二のシステムの一例))とは独立したシステムである。独立とは、提供する企業や開発プロセスが異なることをいう。
【0015】
サーバー側資料共有アプリ70はチャット/ビデオ会議システム50と連携し、会議の参加者のメールアドレス等を取得できる。端末側資料共有アプリ10とサーバー側資料共有アプリ70を区別しない場合、単に資料共有アプリという場合がある。
【0016】
サーバー側資料共有アプリ70は、メール等で電子データを参加者と共有することができる。サーバー側資料共有アプリ70は、電子データの送信履歴を管理している。電子データはリンク形式で共有され、サーバー側資料共有アプリ70が参加者に送信するメールにリンクが添付される。参加者はメールに添付されたリンクをクリックすることで、参加者端末12のWebブラウザが電子データを表示することができる。
【0017】
サーバー側資料共有アプリ70が送信した電子データを受信者が閲覧すると、サーバー側資料共有アプリ70が閲覧履歴を記録する。主催者は、いつ誰が電子データを閲覧したのかを確認することができる。なお、主催者であっても、端末側資料共有アプリ10では電子データのダウンロードはできない。
【0018】
また、主催者が意識する必要はないが、実際のメール送信はメールシステム81により行われている。
【0019】
<資料共有アプリの動作の概略>
図2を参照して、本実施形態の資料共有アプリの動作の概略を説明する。図2は、サーバー側資料共有アプリ70が電子データの共有履歴を記録する流れを説明する図である。なお、各画面の詳細は後述する。
【0020】
図2(a)は、主催者端末11が表示する送信先選択画面210の一例である。チャット/ビデオ会議システム50内で主催者は端末側資料共有アプリ10を起動している。主催者は、端末側資料共有アプリ10で電子データを共有するために、参加者のメールアドレス等をこの画面の送信先リスト214に登録できる。本実施形態では、主催者が手動でメールアドレス等を登録する方法だけでなく、自動的に登録する方法を提供する。
【0021】
図2(b)は、チャット/ビデオ会議を実行中の主催者端末11が遠隔コミュニケーション中に表示する会議中画面230である。会議中画面230はチャット/ビデオ会議システム50が表示している。主催者(XA)がチャット/ビデオ会議システム50の機能で電子データを共有すると、リンクが埋め込まれた電子データのファイル名が表示される。したがって、会議の参加者全員(YA、YB)がリンクを押下することで電子データを共有できる。本実施形態では、チャット/ビデオ会議システム50が参加者に電子データを共有させると、サーバー側資料共有アプリ70が参加者に関する情報をチャット/ビデオ会議システム50から取得できる。
【0022】
図2(c)は、図2(a)と同じく、送信先選択画面210の一例である。チャット/ビデオ会議システム50により電子データが共有された際に、サーバー側資料共有アプリ70が参加者に関する情報をチャット/ビデオ会議システム50から取得して、送信先に設定したので、参加者(YA,YB)が送信先リスト214に登録されている。
【0023】
このように、主催者がチャット/ビデオ会議システム50を使用して電子データを共有すると、共有先の参加者に関する情報が、サーバー側資料共有アプリ70が管理する送信先リスト214に登録される。したがって、主催者がチャット/ビデオ会議システム50を使用して参加者と電子データを共有すると、主催者がメールで別の資料を送信する際、送信先などの設定を不要にできる。
【0024】
<用語について>
遠隔コミュニケーションとは、物理的に離れた拠点にいる相手と、ソフトウェアや端末装置を活用することによって音声や映像を通じたコミュニケーションを取ることをいう。遠隔コミュニケーションの一例に会議があり、会議は、会合、ミーティング、打ち合わせ、集会、寄り合い、集まり、セミナーは、講習会、勉強会、ゼミ、研修会等と呼ばれてもよい。
【0025】
拠点とは、活動のよりどころとする場所をいう。拠点の例として会議室がある。会議室は、主に会議に使用することを目的に設置された部屋のことである。
【0026】
共有とは、一方のユーザーが得た情報を、他方のユーザーが少なくとも閲覧できる状態にすることをいう。情報のオリジナルを閲覧することまでは必要ない。
【0027】
電子データは、パソコン等の電子計算機の処理に使われるデータであり、電磁的記録媒体に保存される「電磁的記録」である。電子データは、電子ファイルといってもよい。本実施形態では、資料を電子データという。資料は、チャット/ビデオ会議システムにおいてユーザーにより閲覧されるデータである。
【0028】
<システム構成例>
図3は、情報処理システム100のシステム構成例を示した図である。情報処理システム100では、チャット/ビデオ会議システム50を介して、通信ネットワークNに接続している主催者端末11と1つ以上の参加者端末12とが通信する。通信ネットワークには資料受信側メールシステム90と資料共有サーバー80が接続されている。
【0029】
通信ネットワークNは、例えば、主催者端末11、参加者端末12が存在する施設内のLANを有し、更にプロバイダネットワーク等で構築されるインターネットを有していてよい。通信ネットワークNが電話回線網を含む場合もある。
【0030】
チャット/ビデオ会議システム50ではサーバー側資料共有アプリ70が動作する。サーバー側資料共有アプリ70は、チャット/ビデオ会議システム50とは別に、主催者が用意する電子データを参加者にメール等で送信する。また、サーバー側資料共有アプリ70は、参加者への電子データの送信履歴や、参加者による電子データの閲覧履歴を管理する。サーバー側資料共有アプリ70は、これらを主催者に提供する情報提供サービスを提供する。
【0031】
資料共有サーバー80は、主に、電子データの共有のために保存される。また、本実施形態では、サーバー側資料共有アプリ70がメールを使用して資料である電子データを共有するため、資料共有サーバー80はメールシステム81を有している。サーバー側資料共有アプリ70と資料共有サーバー80は機能的には一体とみなしてよい。サーバー側資料共有アプリ70がチャット/ビデオ会議システム50に存在するのは、主催者等はチャット/ビデオ会議システム50の中でサーバー側資料共有アプリ70を使用するためである。サーバー側資料共有アプリ70に対する操作をサーバー側資料共有アプリ70がチャット/ビデオ会議システム50から取得する場合がある。サーバー側資料共有アプリ70が動作する装置は情報処理装置であればよい。
【0032】
また、参加者はメールを受信する際、参加者端末12を資料受信側メールシステム90に接続させる。資料受信側メールシステム90は、いわゆるメール受信サーバーでよい。
【0033】
チャット/ビデオ会議システム50は、複数の拠点間でユーザー同士の遠隔コミュニケーションを実施する。チャット/ビデオ会議システム50は、拠点にある主催者端末11と参加者端末12の間でいわゆるオンラインセミナーやテレビ会議のための遠隔コミュニケーションサービスを提供する。オンラインセミナーでは参加者の発言が制限される場合があるが、オンラインセミナー及び遠隔コミュニケーションの仕組みはほぼ同じでよい。チャット/ビデオ会議システム50は、通信ネットワークNを介して、遠隔地の拠点との間で映像や音声を送受信する。主催者がいる拠点において、主催者端末11が画像の撮像及び発言などの音声の収集を行い、これらをデジタル信号に変換してチャット/ビデオ会議システム50に送信する。チャット/ビデオ会議システム50は、同一のセッションで通信している参加者端末12に画像や発言のデジタル信号を送信する。参加者端末12はディスプレイへの画像表示及びスピーカからの音声出力を行う。参加者端末12からも同様のデジタル信号の送信が行われるので、主催者と参加者が双方向にコミュニケーションすることができる。なお、主催者は参加者端末12からの発言を制限したり、任意の参加者端末12にのみ発言を許可したりすることも可能である。
【0034】
遠隔コミュニケーションサービスの開始前、主催者はオンラインセミナーへの招待状を電子メール等で参加者に送信しておく。電子メールにはセッションへのリンクが記載されているので、主催者端末11と参加者端末12が同一のセッションに参加できる。
【0035】
なお、図3では、資料共有サービス、及び、遠隔コミュニケーションサービスの機能に対応して、別体の資料共有サーバー80とチャット/ビデオ会議システム50とが用意されているが、資料共有サービス、遠隔コミュニケーションサービスは一台の情報処理装置で提供されてもよい。
【0036】
また、資料共有サーバー80又はビデオ会議システムの1つ以上はその機能を複数の情報処理装置に分散して配置されてもよい。
【0037】
資料共有サーバー80及びチャット/ビデオ会議システム50は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよいし、単一の情報処理装置によって実現されてもよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される形態をいう。チャット/ビデオ会議システム50は、インターネット上に存在しても、オンプレミスに存在してもよい。
【0038】
図3では、主催者端末11、及び参加者端末12はPC(Personal Computer)8、又は、スマートデバイス9である。スマートデバイス9とは、明確な定義はないが、PCやサーバーなどの既存のコンピュータを含まないスマートフォンやタブレット端末等をいう。PC8及びスマートデバイス9のいずれも、Webブラウザ15又はチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16の両方で、チャット/ビデオ会議システム50に接続できる。チャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16にはアドインプログラムとして端末側資料共有アプリ10がインストールされる。端末側資料共有アプリ10はサーバー側資料共有アプリ70と通信して、電子データを共有する。
【0039】
PC8又はスマートデバイス9でWebブラウザ15が実行される場合、PC8又はスマートデバイス9は、チャット/ビデオ会議システム50が提供するWebアプリを実行する。このWebアプリには、サーバー側資料共有アプリ70の機能が含まれる。したがって、主催者端末11又は参加者端末12は、Webアプリによりチャット/ビデオ会議を行い、更に、サーバー側資料共有アプリ70により電子データを共有する。
【0040】
主催者端末11又は参加者端末12は、PC8又はスマートデバイス9に限られず、Webブラウザ15やチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16、端末側資料共有アプリ10が動作する端末装置であればよい。主催者端末11、参加者端末12は、それぞれ通信機能を備え、通信ネットワークNに接続することができる機器であればいかなる機器であってもよい。主催者端末11、参加者端末12は、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、MFP(Multi-Function Peripheral)、PJ(Projector:プロジェクタ)、電子黒板(電子式の黒板機能を有する白板)等であってよい。また、主催者端末11、及び参加者端末12はそれぞれ複数、存在してよい。
【0041】
主催者端末11は主催者が操作する端末装置であり、参加者端末12は参加者が操作する端末装置である。主催者とは、例えば企業間コミュニケーションやオンラインセミナーを開催する者であり、本実施形態では、電子データを配信する者である。電子データはWebサイト上で提供され、電子データには主催者が扱う商品やサービス等の説明が記載されている。電子データの配信や転送は主に電子メールで行われる。電子メール上に電子データへのリンクが記載されているものとする。ただし、電子データ自体が電子メールに添付されてもよい。
【0042】
参加者は、例えばオンラインセミナーに招待されたオンラインセミナーの参加者である。参加者はオンラインセミナーに事前に参加を申し込んでいる。参加者は、主催者からは、商品等の購入を期待される組織の社員である。本実施形態の参加者は企業などの組織に所属する社員が想定されている。社員とは、組織と雇用関係があればよく、正規社員、パートやアルバイト、派遣社員、契約社員等を含んでよい。
【0043】
本実施形態ではオンラインセミナーを例に説明するが、オンラインセミナーはあくまで一形態であって、オンライン商談を含むオンラインミーティングでも適用可能である。
【0044】
<ハードウェア構成例>
図3のチャット/ビデオ会議システム50、資料共有サーバー80、主催者端末11、及び、参加者端末12は例えば図4に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図4はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。コンピュータ500は、図4に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508(Interface)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、光学ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0045】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0046】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。光学ドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としての光記憶媒体513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。光学ドライブ514はCD、DVD、Blu-Ray(登録商標)等である。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0047】
<機能ブロック図>
続いて、図5を参照して、サーバー側資料共有アプリ70等の機能について説明する。図5は、サーバー側資料共有アプリ70、チャット/ビデオ会議システム50、主催者端末11、及び、参加者端末12の機能構成例を示す図である。
【0048】
<<サーバー側資料共有アプリ>>
サーバー側資料共有アプリ70は、通信部71、画面生成部72、送信先情報管理部73、閲覧情報更新部74、送信履歴管理部75、メール送信部76、共有要求部77、連携部78、及び、電子データ保存部79を有する。これら各機能部は、チャット/ビデオ会議システム50にインストールされたサーバー側資料共有アプリ70に含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0049】
また、記憶部7000は、図4に示したHD504、RAM503等により実現され、ファイル記憶部7001、送信先記憶部7002、送信履歴記憶部7003、及び、閲覧履歴記憶部7004を有している。
【0050】
なお、サーバー側資料共有アプリ70と資料共有サーバー80は機能的には一体とみなしてよいので、図5に示すサーバー側資料共有アプリ70の機能の一部又は全部を資料共有サーバー80が有していてもよい。
【0051】
通信部71は、主催者端末11や参加者端末12と電子データの共有に関する各種の情報を送受信する。
【0052】
画面生成部72は、主催者端末11及び参加者端末12が表示する画面を生成する。主催者端末11又は参加者端末12がWebアプリを実行する場合は、画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。主催者端末11又は参加者端末12が端末側資料共有アプリ10を実行する場合は、画面情報は主催者端末11又は参加者端末12が保持しており、表示される情報がXML等で送信される。
【0053】
送信先情報管理部73は、電子データの共有等に使用されるメール等、送信先のユーザー(例えば参加者)に関する情報(送信先情報)を送信先記憶部7002において管理する。送信先情報は、主催者が設定できるほか、チャット/ビデオ会議システム50から取得できる。
【0054】
閲覧情報更新部74は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70が共有した電子データを参加者が閲覧した場合に、資料共有サーバー80から通知を受け、閲覧履歴記憶部7004の閲覧情報を更新する。
【0055】
送信履歴管理部75は、送信履歴記憶部7003に、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの履歴を保存する。
【0056】
メール送信部76は、送信先記憶部7002に登録された送信先情報から主催者が選択した送信先に、共有対象の資料(電子データ)のURLをメールに設定して、資料共有サーバー80(メールシステム)に送信する。
【0057】
共有要求部77は、チャット/ビデオ会議システム50による会議中に電子データの共有をチャット/ビデオ会議システム50に対し要求する。チャット/ビデオ会議システム50との通信は連携部78を介して行われる。
【0058】
連携部78は、チャット/ビデオ会議システム50と連携する。連携部78は、例えばチャット/ビデオ会議システム50のAPI(Application Interface)やHTTP通信を使用して各種の情報を送受信する。
【0059】
電子データ保存部79は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データを資料共有サーバー80に保存し、URLを発行する。メール送信部76が送信するメールには、このURLが記載される。
【0060】
<<チャット/ビデオ会議システム>>
チャット/ビデオ会議システム50はチャット/ビデオ会議処理部51と参加者管理部52を有している。なお、図5では、チャット/ビデオ会議システム50に一般的な呼制御等の機能は省略した。
【0061】
チャット/ビデオ会議処理部51は、主催者端末11と参加者端末12の間でチャット/ビデオ会議を行う。つまり、チャット/ビデオ会議処理部51は、主催者端末11から送信された映像、音声、チャットデータを参加者端末12に送信し、参加者端末12から送信された映像、音声、チャットデータを主催者端末11に送信する。
【0062】
参加者管理部52は、会議に対する全参加者(主催者を含む)を管理している。参加者管理部52は、各参加者の、例えばメールアドレス、企業名、部署、氏名等を管理しており、サーバー側資料共有アプリ70に提供する。
【0063】
<<送信先情報>>
続いて、記憶部7000について説明する。まず、ファイル記憶部7001については各種のファイルが記憶される。
【0064】
図6は、送信先記憶部7002に記憶される送信先情報の一例である。送信先情報は、メールによる送信先のリストである。送信先情報により、チャット/ビデオ会議の終了後に、主催者がメールで電子データの保存先を共有できる。
【0065】
・IDは、メールの送信先となる参加者に個別に設定される一意の識別情報である。
【0066】
・メールアドレスは、参加者のメールアドレスである。送信先情報はメールアドレスに限らず、URL等を含む電子データにアクセスするための情報をユーザーに送信する際に、ユーザーに関連付けられた送信先を特定できる情報であればよい。
【0067】
・お客様名は、例えば参加者の氏名である。
【0068】
・お客様会社名は、例えば参加者が所属する企業や自治体の名称である。
【0069】
・お客様部署名は、例えば参加者が所属する部署名である。
【0070】
・追加情報は、チャット/ビデオ会議システム50での利用者情報を追加で保存しておく領域である。チャット/ビデオ会議システム50におけるID、住所、電話番号などを資料共有アプリで表示する場合に、追加登録を不要とするため、追加情報は、各種の情報を保持する。サーバー側資料共有アプリ70は、追加情報を直接、利用できない。
【0071】
<<送信履歴情報>>
図7は、送信履歴記憶部7003に記憶される送信履歴情報の一例である。送信履歴情報は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの送信履歴である。送信履歴情報には、チャット/ビデオ会議中か否かに関係なく履歴が追加される。
【0072】
・IDは、電子データの送信ごとに設定される一意の識別情報である。
【0073】
・送信日時は、電子データの送付日時である。
【0074】
・ファイル名は送信された電子データのファイル名である。
【0075】
・ファイルIDは、電子データに設定された一意の識別情報である。
【0076】
・送信先IDは、送信先記憶部7002のIDが転記されたものである。
【0077】
・メール件名は、電子データの共有時に設定されたメールの件名である。チャット/ビデオ会議システム50が電子データを送信した場合は、メール件名が存在しないため(メールでは送信されない)、開催時の会議名が記録される。
【0078】
・メール本文は、電子データの共有時に設定されたメールの本文である。チャット/ビデオ会議システム50が電子データを送信した場合は、メール本文が存在しないため、送信元のシステム名が記録される。
【0079】
・閲覧情報IDは、電子データの閲覧情報を特定するための識別情報であり、閲覧履歴記憶部7004の閲覧情報IDと共通である。
【0080】
<<閲覧履歴情報>>
図8は、閲覧履歴記憶部7004に記憶される閲覧履歴情報の一例である。閲覧履歴情報は、チャット/ビデオ会議システム50又はサーバー側資料共有アプリ70により共有された電子データの閲覧履歴である。閲覧履歴は電子データ(ファイルID)ごとに記録される。
【0081】
・閲覧情報IDは、1回の閲覧ごとに採番される一意の識別情報である。
【0082】
・デバイスは、閲覧した端末の種類(PC,スマートデバイス等)である。
【0083】
・メールアドレスは、電子データの閲覧時に参加者が入力したメールアドレスである。
【0084】
・お客様名、お客様会社名、及び、お客様部署名は、メールアドレスに基づいて送信先情報から転記される。
【0085】
・閲覧日時は、電子データが閲覧された日時である。
【0086】
<<主催者端末、参加者端末>>
図5に戻って説明する。主催者端末11、参加者端末12は、それぞれ、通信部21a、21bと、表示制御部22a、22bと、操作受付部23a、23bと、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bを有する。これら各機能部は、主催者端末11、参加者端末12にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令を図4に示したCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。なお、このプログラムはWebブラウザ15でもよいし、専用のアプリケーションでもよい。例えば、主催者端末11又は参加者端末12でWebブラウザ15が使用される場合、プログラムはWebブラウザ15であり、サーバー側資料共有アプリ70をWebブラウザ15が実行する。主催者端末11又は参加者端末12でチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16が使用される場合、プログラムはチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16及び端末側資料共有アプリ10である。
【0087】
通信部21a、21bは、サーバー側資料共有アプリ70との間で各種の情報を送受信する。本実施形態では、通信部21a、21bは、各種の画面情報等をサーバー側資料共有アプリ70から受信し、主催者、参加者の入力内容をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0088】
表示制御部22a、22bは、各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部23a、23bは、ディスプレイ506に表示された各種画面における主催者、及び参加者の各種操作を受け付ける。
【0089】
チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、チャット/ビデオ会議システム50との間で映像や音声を送受信する。チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、チャット/ビデオ会議システム50から受信した映像をディスプレイ506に表示したり、音声をスピーカからしたり出力する。また、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、カメラが撮像する映像やマイクが集音する音声をチャット/ビデオ会議システム50に送信する。同様に、チャット/ビデオ会議処理部24a、24bはチャットデータを送受信する。
【0090】
<画面例>
続いて、図9図15を参照して、主催者端末11が表示する画面遷移を説明する。
【0091】
図9は、主催者端末11が表示する送信先選択画面210の一例である(資料共有アプリが表示)。送信先選択画面210は、チャット/ビデオ会議システム50による会議の開始の前、開催中、開催後のいずれでも表示可能である。主催者は、主催者端末11をチャット/ビデオ会議システム50に接続する。主催者が資料共有ボタン211を押下すると、Webブラウザ15がチャット/ビデオ会議システム50と通信した状態で、又は、チャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16が起動した状態で、主催者端末11がサーバー側資料共有アプリ70と通信する。
【0092】
主催者がファイル共有タブ212を選択すると、送信先選択画面210が表示される。送信先選択画面210は、送信先リスト214と次へボタン215を有している。送信先リスト214には送信先記憶部7002に記憶されている送信先情報が表示される。主催者は送信先リスト214に手動で送信先を追加できる。追加した送信先は送信先記憶部7002に保存される。主催者は、送信先リスト214をチェックボックスで選択し、次へボタン215を押下する。一般的なメール送信画面が表示され、主催者は件名、本文、及び、共有したい電子データ等を設定し、メールを送信できる。
【0093】
図10は、主催者端末11が表示する送信履歴画面220の一例である(資料共有アプリが表示)。送信履歴画面220は、主催者が送信したファイルタブを選択すると表示される。送信履歴画面220は、主催者が過去に送信した電子データの一覧を表示する。送信履歴画面220には送信履歴記憶部7003に記憶されている送信履歴情報に基づいて送信履歴リスト221が表示される。したがって、送信履歴画面220には、送信履歴記憶部7003と送信先記憶部7002に記憶されている、ファイル名、お客様名、メールアドレス、件名、閲覧有無等が表示される。閲覧ありの場合、閲覧履歴記憶部7004から取得される詳細な閲覧状況(閲覧時刻、回数、アクセスした国)が表示可能である。
【0094】
図11は、主催者端末11が表示する会議中画面230の一例である(チャット/ビデオ会議システム50が表示)。会議中画面230は、各拠点の映像欄231~233、チャット欄234を有する。映像欄231~233には、主催者端末11や参加者端末12が送信した映像がリアルタイムに表示される。チャット欄234には、主催者又は参加者が入力したチャットデータ(テキストデータ、画像データ、音声データ等)が時系列に表示される。
【0095】
チャット欄234の下方には資料共有アプリ起動ボタン235が表示される。資料共有アプリはX社が購入したため、X社のユーザーのみ資料共有アプリ起動ボタン235を操作できる。つまり、主催者がサーバー側資料共有アプリ70を使用するライセンスを有するの対し、参加者はライセンスを有さない。参加者は自分が持っている電子データを主催者と共有することはできない。
【0096】
主催者がサーバー側資料共有アプリ70にログインすることで主催者であることが分かるため、サーバー側資料共有アプリ70が主催者端末11のみに資料共有アプリ起動ボタン235の表示を許可する。あるいは、参加者端末12も資料共有アプリ起動ボタン235を表示できてよいが、サーバー側資料共有アプリ70が操作を受け付けない。
【0097】
チャット/ビデオ会議システム50による会議中に、主催者が共有したい電子データがある場合、資料共有アプリ起動ボタン235を押下する。これにより、資料共有ポップアップ画面240が表示される。
【0098】
図12は、主催者端末11が表示する資料共有ポップアップ画面240の一例である(資料共有アプリが表示)。資料共有ポップアップ画面240は、ファイル入力欄241、送信先欄242、閲覧期限設定欄243、及び、送信ボタン244を有する。
【0099】
・ファイル入力欄241は、主催者が主催者端末11から送信する電子データを選択し、ファイル名を表示するための欄である。
【0100】
・送信先欄242には、現在、会議に参加している主催者と参加者のうち、主催者以外が表示される。サーバー側資料共有アプリ70は、主催者のメールアドレス等が分かっているので、チャット/ビデオ会議システム50から取得した会議の全参加者のうち、主催者以外を特定する。
【0101】
・閲覧期限設定欄243は、電子データを参加者が閲覧できる期限が設定される。
【0102】
・送信ボタン244は、サーバー側資料共有アプリ70が電子データの共有をチャット/ビデオ会議システム50に要求するためのボタンである。
【0103】
このように、チャット/ビデオ会議システム50が電子データを共有する前に、サーバー側資料共有アプリ70が起動して送信先を取得するので、送信先記憶部7002に送信先を保存できる。
【0104】
図13は、送信ボタン244の押下後に、主催者端末11が表示する会議中画面230の一例である(チャット/ビデオ会議システム50が表示)。図13では主に図11との相違点を説明する。図13では、チャット欄234に、共有された電子データのファイル名237と「資料が共有されました」というメッセージ236が表示される。ファイル名237には、電子データが保存されているURL(リンク)が埋め込まれている。このURLはサーバー側資料共有アプリ70が発行したものである。このように、電子データが共有されると、送信先情報と送信履歴情報が更新される。なお、URLはファイルパスでもよい。このURLは、資料共有アプリによって管理される電子データへアクセスするための情報の一例であって、アクセス先を特定可能な情報であればよい。
【0105】
図14は、参加者がファイル名を押下した場合に表示される電子データ表示画面250を示す(資料共有アプリが表示)。電子データ表示画面250は、URLに保存された電子データを表示する。
【0106】
なお、電子データ表示画面250の表示前に参加者はメールアドレスの入力を求められる。メールアドレスを入力しないと参加者は電子データを表示できない。資料共有サーバー80では、電子データを閲覧できるメールアドレスが設定されており、資料共有サーバー80は入力されたメールアドレスが閲覧できるメールアドレスとして設定されている場合に電子データを参加者端末12に送信する。また、資料共有サーバー80は入力されたメールアドレスや電子データのファイルIDをサーバー側資料共有アプリ70に送信するので、サーバー側資料共有アプリ70は閲覧履歴を更新できる。
【0107】
図15は、主催者端末11が表示する送信先選択画面210の一例である(資料共有アプリが表示)。図15では主に図9との相違を説明する。図15の送信先選択画面210では、チャット/ビデオ会議システム50による会議中に、電子データが共有された参加者(YA,YB)が送信先リスト214に追加されている。このように、チャット/ビデオ会議システム50により共有された電子データの送信先が送信先記憶部7002に自動で追加されるので、主催者が会議後に電子データを追加で送信する際に、メールアドレスを手動で入力する必要がない。
【0108】
図16は、主催者端末11が表示する送信履歴画面220の一例である(資料共有アプリが表示)。図16では主に図10との相違を説明する。図16の送信先選択画面210では、チャット/ビデオ会議システム50による会議中に、電子データが共有された履歴が送信履歴リスト221に追加されている。つまり、チャット/ビデオ会議システム50による電子データの共有の履歴を、サーバー側資料共有アプリ70が記録に残すことができる。送信先やファイル名だけでなく、チャット/ビデオ会議システム50から取得される会議名や会議日時を追加で残すことができる。
【0109】
<動作手順>
次に、図17を参照して、情報処理システム100の全体的な処理の流れを説明する。図17は、会議の開催と電子データの共有の処理を説明するシーケンス図の一例である。図17では、前提として、X社のユーザーXAさんとY社のユーザーであるYAさん、YBさんが、チャット/ビデオ会議システム50で遠隔会議を実施する。チャット/ビデオ会議システム50はX社が契約しているものであり、YAさん、YBさんはゲストとして参加している。したがってXAさんが主催者、YAさん、YBさんが参加者である。YAさん、YBさんの情報はX社には登録されていない。
【0110】
S1:主催者が主催者端末11をチャット/ビデオ会議システム50に接続させ、会議を開催する。開催方法はどのような方法でもよいが、例えばチャット/ビデオ会議システム50が発行したURLに主催者端末11が接続する。
【0111】
S2,S3:同様に、参加者YA、YBが参加者端末12をチャット/ビデオ会議システム50に接続させ、会議に参加する。参加者端末12は、主催者からメール等で受け取った、チャット/ビデオ会議システム50が発行したURLに接続する。主催者端末11及び参加者端末12のチャット/ビデオ会議処理部24a、24bが遠隔会議を実施する。
【0112】
S4:主催者は電子データを共有するため、会議中画面230で資料共有アプリ起動ボタン235を押下する。操作受付部23aが押下を受け付ける。この操作に応じて、主催者端末11でチャット/ビデオ会議システムクライアントアプリ16が実行されている場合、端末側資料共有アプリ10が起動し、サーバー側資料共有アプリ70と通信を開始する。主催者端末11でWebブラウザ15が実行されている場合、Webブラウザ15がサーバー側資料共有アプリ70と通信を開始する。
【0113】
サーバー側資料共有アプリ70の連携部78は、チャット/ビデオ会議システム50から全参加者(主催者を含む)に関する情報を取得し、画面生成部72が予め既知である主催者を除いて、図12に示した資料共有ポップアップ画面240を生成する。通信部71が資料共有ポップアップ画面240の画面情報を主催者端末11に送信する。主催者端末11の通信部21aが資料共有ポップアップ画面240の画面情報を受信し、表示制御部22aが表示する。主催者は、図12に示した資料共有ポップアップ画面240に電子データのファイル名等、必要事項を入力する。
【0114】
主催者が送信ボタン244を押下すると、操作受付部23aが押下を受け付ける。主催者端末11の通信部21aは電子データ、送信先、閲覧期限等をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0115】
S5:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71はこれらを受信し、電子データ保存部79が電子データにファイルIDを採番し、ファイルIDと共に資料共有サーバー80に送信する。電子データ保存部79は保存先のURL(保存先情報の一例)を取得する(発行する)。なお、電子データ保存部79は、閲覧者の確認のため、参加者YA,YBのメールアドレスを資料共有サーバー80に設定する。
【0116】
S6:また、共有要求部77は、連携部78を介して保存先であるURLが埋め込まれた電子データのファイル名のチャット表示をチャット/ビデオ会議システム50に要求する。
【0117】
S7~S9:これにより、チャット/ビデオ会議処理部51がファイル名等を主催者端末11と参加者端末12に送信する。主催者端末11と参加者端末12のチャット/ビデオ会議処理部24a、24bは、ファイル名等を受信し、チャット欄234にファイル名等を表示する。なお、電子データを共有したサーバー側資料共有アプリ70は送信先情報と送信履歴情報を更新するが、詳細は後述する。
【0118】
S10:参加者は、参加者端末12に表示されている会議中画面230のファイル名を押下する。操作受付部23bが押下を受け付ける。
【0119】
S11:参加者端末12の通信部21bがファイル名に埋め込まれたURL(資料共有サーバー80)に接続し、電子データを要求する。
【0120】
S12:資料共有サーバー80は参加者にメールアドレスの入力を求め、予め閲覧が許可されているメールアドレスが入力されると、電子データを参加者端末12に送信する。参加者端末12の通信部21bが電子データを受信して、表示制御部22bが表示する。
【0121】
なお、資料共有サーバー80は、電子データ自体をダウンロードさせず、閲覧画面を参加者端末12のアプリケーションやWebブラウザ等のビューワーに表示させてもよいし、ファイル自体をダウンロード可能なように構成してもよい。資料共有サーバー80が、ファイル自体をダウンロード可能とする場合にはオフラインでも閲覧させることができる。
【0122】
S13:資料共有サーバー80はメールアドレスと閲覧された電子データのファイルIDを指定して閲覧通知をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。これにより、閲覧情報更新部74は、閲覧履歴記憶部7004に閲覧履歴を追加する。
【0123】
以上で、チャット/ビデオ会議システム50による会議が終了した。終了後に、主催者が別の電子データを共有したい場合、送信先情報を使用してメールで電子データを共有できる。例えば、主催者は参加者が電子データを閲覧したことを閲覧履歴情報で認識し、追加の詳細な電子データをY社に送信しようとする。
【0124】
S14:主催者が送信先選択画面210を主催者端末11に表示させる。主催者は、送信先リスト214からチャット/ビデオ会議中に追加された送信先を選択して、電子データをメールに添付して送信する操作を入力する。主催者端末11の通信部21aは電子データ、送信先等を指定してメールによる送信要求をサーバー側資料共有アプリ70に送信する。
【0125】
S15:サーバー側資料共有アプリ70の通信部71は送信要求を受信し、電子データ保存部79が電子データとファイルIDを資料共有サーバー80に送信し、保存先のURLを取得する。メール送信部76はURLやファイル名等を本文に設定し、メールシステム(資料共有サーバー80)に送信する。
【0126】
このように、主催者は、送信先を手動で送信先選択画面210に登録せずに、電子データを送信することができる。
【0127】
なお、電子メールによる共有方法はあくまで一例であって、電子メールアドレスによる共有方法の他にもSMSを含むメッセージサービス、SNS(Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)、Facebook(登録商標)等)、特定のコミュニケーションサービス(Teams(登録商標)、Slack(登録商標)、LINE(登録商標))等で転送先に転送することでリンク先を共有できてもよい。このような場合に、各種サービスにおいて、予め転送元と転送先を特定する電子メールアドレスがそれぞれサービスのユーザーのアカウント情報として登録されていれば共有方法が変わったとしても同じユーザーとして判別することができる。
【0128】
図18は、サーバー側資料共有アプリ70の動作の詳細を説明するフローチャート図の一例である。図18では、主催者が資料共有アプリ起動ボタン235を押下した後の処理を説明する。
【0129】
連携部78は、チャット/ビデオ会議システム50から会議情報を取得する(S101)。会議情報には会議名、開催時間、主催者を含む全参加者の参加者情報(ユーザーに関する情報の一例)が含まれている。
【0130】
送信先情報管理部73は、参加者情報からユーザーを特定するためのユーザー情報を取得する(S102)。ユーザー情報はユーザーID、メールアドレス等、ユーザーを特定する情報である。連携部78がメールアドレスをチャット/ビデオ会議システム50から直接取得できる場合は、ステップS102は不要である。
【0131】
次に、連携部78は、ユーザー情報を指定してチャット/ビデオ会議システム50からメールアドレスを取得する(S103)。連携部78は、企業名、部署名、電話番号、参加者かどうかなど、付随する情報も取得する。
【0132】
次に、送信先情報管理部73は、各ユーザーがサーバー側資料共有アプリ70を購入した企業の社内ユーザーかどうかを判断する(S104)。すなわち、送信先情報管理部73は、サーバー側資料共有アプリ70のライセンスを有さないユーザーのみを抽出する。サーバー側資料共有アプリ70にはこのアプリを使用しているユーザーのアカウント(メールアドレス等でよくログイン時に特定される)が登録されているので、このユーザーのメールアドレスと同じドメインを含むかどうかにより社内ユーザーかどうか判断される。あるいは、サーバー側資料共有アプリ70にログインした主催者の場合、メールアドレス、氏名、企業名、ユーザーID等がサーバー側資料共有アプリ70に登録されているので、チャット/ビデオ会議システム50から企業名を取得できれば、送信先情報管理部73は、例えば企業名を比較することでも判断できる。なお、社内ユーザーしか主催者になれないので、送信先情報管理部73は主催者と参加者を区別できる。
【0133】
社内ユーザーでない(参加者)場合、処理はステップS105に遷移する。社内ユーザーの場合、社内のユーザーはメールアドレス等が既知なので、送信先の登録処理を実施せず処理はステップS107に遷移する。
【0134】
ステップS104の判断がNoの場合、送信先情報管理部73は、メールアドレスが送信先記憶部7002に未登録か判断する(S105)。既に登録されている場合は登録不要である。
【0135】
ステップS105の判断がYesの場合、送信先情報管理部73は送信先記憶部7002に送信先を追加登録する(S106)。
【0136】
次に、電子データ保存部79は、電子データの閲覧権限に主催者以外のユーザーのメールアドレスを全て設定し、暗号化したうえで資料共有サーバー80にアップロードする(S107)。
【0137】
アップロードが成功すると、送信履歴管理部75は送信履歴を送信履歴記憶部7003に追加する(S108)。この際、送信履歴管理部75は、メールの件名に相当する部分には取得していた会議情報から会議名を設定する。
【0138】
共有要求部77は、連携部78を介して、電子データのURLが埋め込まれたファイル名のチャット表示を、チャット/ビデオ会議システム50に要求する(S109)。
【0139】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100は、主催者がチャット/ビデオ会議システム50を使用して参加者と電子データを共有すると、共有先の参加者に関する情報が、サーバー側資料共有アプリ70が管理する送信先リスト214に登録される。したがって、主催者がチャット/ビデオ会議システム50を使用して参加者と電子データを共有すると、主催者がメールで別の資料を送信する際、送信先などの設定を不要にできる。
【0140】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0141】
また、本実施形態では、電子データとして資料のリンク先が転送される例を説明したが、転送されるリンク先にある電子データは資料に限られない。電子データは、例えば、商品券、クーポン、電子マネー、ネット上で利用できる各種のポイント、次回のセミナーの案内や申込書、参加の割引券等でもよい。
【0142】
また、共有される電子データは、例えば、セミナーで使用されたものと同じもの、セミナーの内容の補足資料等であるが、セミナーとは直接関係のない電子データでもよい。また、電子データは、動画、静止画、音声データ等、どのような形式でもよい。
【0143】
また、本実施形態では、電子データのリンク先が共有される例を説明したが、電子データそのものが共有されてもよい。
【0144】
また、図5などの構成例は、サーバー側資料共有アプリ70、主催者端末11、参加者端末12による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。サーバー側資料共有アプリ70、主催者端末11、及び、参加者端末12の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0145】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、サーバー側資料共有アプリ70を実行する装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0146】
更に、サーバー側資料共有アプリ70は、本実施形態で開示された処理ステップ、例えば図17等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。サーバー側資料共有アプリ70は、1つのサーバー装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0147】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0148】
11 主催者端末
12 参加者端末
50 チャット/ビデオ会議システム
70 サーバー側資料共有アプリ
80 資料共有サーバー
100 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】
【特許文献1】特開2020-109899号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18