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特開2023-94204情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094204
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20230628BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G06F21/44
H04N1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209538
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】毛士 傑
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC02
5C062AC22
5C062AC51
5C062AF01
(57)【要約】
【課題】情報処理装置が、通信ネットワークに接続することなく、アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成すること。
【解決手段】記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる情報処理装置であって、前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込む読込部と、前記情報処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成する生成部と、生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶する記憶部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる情報処理装置であって、
前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込む読込部と、
前記情報処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成する生成部と、
生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶する記憶部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記固有情報、前記識別情報および前記プログラムをハッシュ関数に入力して得られる出力データを暗号化することにより、前記ライセンス情報を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ライセンス情報、前記固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、ライセンス認証を実行する認証部を更に有する請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記認証部は、前記記憶媒体から読込んだ前記ライセンス情報を用いて生成した第1のメッセージダイジェストと、前記固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて生成した第2のメッセージダイジェストが一致するかを確認することにより前記ライセンス認証を実行する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる、画像処理の機能を有する画像処理装置であって、
前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込む読込部と、
前記画像処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成する生成部と、
生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶する記憶部と、
を有する画像処理装置。
【請求項6】
記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込むステップと、
前記情報処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成するステップと、
生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる情報処理装置に、
前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込むステップ、
前記情報処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成するステップ、
生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶するステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置などの電子機器又は情報処理装置におけるアプリケーションに対して、ライセンスを発行して、アプリケーションを利用する際にライセンス認証を行うことで、ライセンスの管理が行われる。特許文献1には、画像形成装置が、通信ネットワークに接続されたライセンスサーバで作成されたライセンス情報を取得する技術が公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、通信ネットワークに接続されない情報処理装置が、アプリケーションを利用するためのライセンス情報を取得することができなかった。従って、ライセンス情報を取得するためには、情報処理装置を通信ネットワークに接続させる必要があった。
【0004】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、情報処理装置が、通信ネットワークに接続することなく、アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、記憶媒体から情報を読み取り、前記記憶媒体に情報を記憶できる情報処理装置であって、前記記憶媒体からアプリケーションの識別情報と前記アプリケーションのプログラムを読込む読込部と、前記情報処理装置に割り当てられた固有情報、前記識別情報および前記プログラムを用いて、前記アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成する生成部と、生成した前記ライセンス情報を前記記憶媒体に記憶する記憶部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、情報処理装置が、通信ネットワークに接続することなく、アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る概略図の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るライセンス情報生成処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るライセンス情報生成画面の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係るライセンス認証処理に関するフローチャートの一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るライセンス認証画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理装置、画像処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
<システム概要>
図1は、本発明の実施形態に係る概略図の一例を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能などの基本機能を有するとともに、利用者のニーズに応じて、オプション機能として追加で様々な機能を導入することが可能である。追加する機能には、例えば、スキャンした画像に含まれる文字を認識するOCR(Optical Character Recognition)などの機能がある。これらの機能は、それぞれの機能を実現するために画像形成装置9にインストールされたアプリケーションを実行することにより実現される。また、画像形成装置1は、装置毎に割当てられた固有情報を有するとともに、フラッシュメモリ等の記憶媒体3に対して、アプリケーションのプログラムやライセンス情報などの読出しおよび書込みを行うことが可能である。また、アプリケーションは、それぞれ異なる機能を実現するアプリケーションを識別するための識別情報を有する。
【0010】
本発明の実施形態において、画像形成装置1は、画像形成装置1の固有情報とアプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いてライセンス情報を生成して、生成したライセンス情報を記憶媒体3に電子ファイルとして記憶する。ここで、アプリケーションのプログラムをライセンス情報の生成に用いるというのは、実行形式のプログラムの電子ファイルを読込んで得たバイナリデータを情報として利用することを意味する。更に、画像形成装置1は、アプリケーションを初めて利用する際などにおいて、生成したライセンス情報を用いて、ライセンス認証を実行する。ここで、画像形成装置1は、ライセンス情報の生成およびライセンス認証の実行時に、通信ネットワークに接続して、ライセンスサーバなどと通信を行う必要はない。ただし、画像形成装置1は、通信ネットワークに接続して通信する機能を有していてもよい。また、画像形成装置1は、プリント機能またはスキャン機能のみを単体で有する装置であってもよく、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、電子黒板、プロジェクタなどの電子機器や画像処理装置であってもよい。以降、本実施形態における画像形成装置9などの装置または電子機器を総称して、情報処理装置と表現する場合もある。また、ライセンス情報は、署名情報と呼んでもよく、記憶媒体3に記憶したライセンス情報をライセンスファイル又は署名ファイルと呼んでもよい。
【0011】
<ハードウェア構成例>
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されているように、画像形成装置9(あるいは、MFP、Multifunction Peripheral/Product/Printerと呼ばれる)は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0012】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0013】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置9の全体を制御する。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0014】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0015】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0016】
近距離通信回路920は、ICカードなどに記憶された利用者の認証情報などを読込むためのカードリーダ920aを有する。
【0017】
操作パネル940は、利用者による入力を受け付けるタッチパネル940aとテンキー940bを有する。また、タッチパネル940aは、画像形成装置9が実行するアプリケーション画面などを表示する。
【0018】
メディアI/F916は、フラッシュメモリ等の記録メディア915に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0019】
<機能について>
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置9における機能ブロックの構成図の一例を示す図である。画像形成装置9は、読込部10、取得部11、実行部12、生成部13、判別部14、暗号処理部15、認証部16、表示制御部17、および操作受付部18を有する。これら各部は、画像形成装置9にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU901が実行することで実現される機能又は手段である。記憶部19は、例えば、画像形成装置9が有するメディアI/F916および記録メディア915などで構成される記憶装置によって実現可能である。以下、各機能部について説明する。
【0020】
読込部10は、画像形成装置9における記憶媒体3の読取装置に挿入された記憶媒体3から、ライセンス情報の生成やライセンス認証を実行するためのプログラム、画像形成装置9で利用するアプリケーションの識別情報やアプリケーションのプログラムを読込む。
また、読込部10は、記憶部19が記憶媒体3に記憶したライセンス情報などを読込む。
【0021】
取得部11は、画像形成装置9に記憶されている画像形成装置9の固有情報を取得する。固有情報は、装置ごとに一意に割当てられた情報であり、異なる装置には、異なる固有情報が割り当てられる。
【0022】
実行部12は、ライセンス情報を生成するためのライセンス情報生成プログラム、およびライセンス認証を実行するためのライセンス認証プログラムを実行する。
【0023】
生成部13は、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いて、ライセンス情報を生成するためのメッセージダイジェストを生成する。メッセージダイジェストの生成方法の詳細については、後述する。また、生成部13は、生成したメッセージダイジェストを暗号化することにより、ライセンス情報を生成する。また、生成部13は、ライセンス情報の暗号を復号することにより、メッセージダイジェストを生成する。
【0024】
判別部14は、アプリケーションの識別情報の正当性を判別する。判別方法の詳細については、後述する。
【0025】
暗号処理部15は、生成部13が生成したメッセージダイジェストの暗号する暗号鍵、およびその暗号を復号するための暗号鍵を生成する。
【0026】
認証部16は、生成部13が生成したメッセージダイジェスト、および記憶媒体3から読込んだライセンス情報から生成したメッセージダイジェストを用いて、ライセンス認証を実行する。ライセンス認証の実行方法の詳細については、後述する。
【0027】
表示制御部17は、ライセンス情報生成画面やライセンス認証画面などを画像形成装置9に表示する。
【0028】
操作受付部18は、画像形成装置9のタッチパネル940aなどを介して、利用者による確認ボタンの押下などの操作を受け付ける。
【0029】
記憶部19は、生成部13が生成したライセンス情報を記憶媒体3に記憶する。また、記憶部19は、記憶媒体3から読込んだアプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを画像形成装置9の記憶装置に記憶する。
【0030】
<ライセンス情報生成処理>
図4は、本発明の実施形態に係るライセンス情報生成処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスにおいて、画像形成装置9は、画像形成装置9の固有情報とアプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いてライセンス情報を生成して、生成したライセンス情報を記憶媒体3に記憶する。ここで、画像形成装置9は、アプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを記憶媒体3から読込む。また、画像形成装置9には、装置毎に割当てられた固有情報が記憶されており、必要に応じて、画像形成装置9は固有情報を取得する。ライセンス情報を生成する際に実行するライセンス情報生成プログラムは、画像形成装置9の記憶装置に格納されているものとする。以下、図4の各ステップの処理について説明する。
【0031】
ステップS20:画像形成装置9の表示制御部17は、利用者がライセンス情報の生成を開始する操作を受け付ける画面を画像形成装置9のタッチパネル940aなどに表示する。図5は、本発明の実施形態に係るライセンス情報生成画面の一例を示す図である。図5に示すライセンス情報生成画面40は、アプリケーションを利用するためのライセンス情報を生成するために、利用者に対して、アプリケーションのプログラムが保存された記憶媒体3を画像形成装置9の読取装置に挿入した後に、実行ボタン41を押下させるメッセージを表示する。画像形成装置9の操作受付部18は、利用者による実行ボタン41を押下する操作を受け付ける。画像形成装置9の実行部12は、ライセンス情報を生成するためのライセンス情報生成プログラムを実行する。図4に戻って説明する。
【0032】
ステップS21:画像形成装置9の読込部10は、記憶媒体3からアプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを読込む。画像形成装置9の記憶部19は、読込んだアプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを画像形成装置9の記憶装置に記憶する。
【0033】
ステップS22:画像形成装置9の取得部11は、画像形成装置9に記憶されている画像形成装置9の固有情報を取得する。
【0034】
ステップS23:画像形成装置9の判別部14は、ステップS21で読込んだアプリケーションの識別情報の正当性を判別する。ここで、アプリケーションの識別情報は、アプリケーションが動作する画像形成装置9の機種名などの情報が含まれている。従って、判別部14は、例えば、ライセンス情報の生成を実行する画像形成装置9の機種名が、アプリケーションの識別情報に含まれる機種名と一致するか否かを確認することにより、識別情報の正当性を判別する。
【0035】
ステップS24:画像形成装置9の判別部14は、アプリケーションの識別情報が正当であると判別した場合は、処理をステップS25に遷移させ、そうでない場合は、本シーケンスによるライセンス情報生成処理を終了させる。
【0036】
ステップS25:画像形成装置9の生成部13は、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いて、メッセージダイジェストを生成する。生成部13は、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを結合した情報をハッシュ関数に入力し、その出力としてメッセージダイジェストが生成される。ハッシュ関数の例として、例えば、MD5(Message Digest algorithm 5)やSHA(Secure Hash Algorithm)-256がある。SHA-256では、256ビット(32バイト)のサイズの出力データ(ハッシュ値)が出力される。即ち、特にアプリケーションのプログラムのサイズは大きいが、ハッシュ関数の入力データのサイズに関わらず、出力データのサイズは一定である。
【0037】
ステップS26:画像形成装置9の暗号処理部15は、ライセンス情報を生成するために必要な暗号鍵を生成する。生成する暗号鍵として、暗号処理部15は、例えば、RSAなどの公開鍵暗号方式で用いる秘密鍵と公開鍵を生成する。
【0038】
ステップS27:画像形成装置9の生成部13は、ステップS26で生成された秘密鍵を用いて、ステップS25で生成したメッセージダイジェストを暗号化することにより、ライセンス情報を生成する。
【0039】
ステップS28:画像形成装置9の記憶部19は、生成したライセンス情報を記憶媒体3に記憶する。
【0040】
以上の処理により、画像形成装置9は、通信ネットワークに接続することなく、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いてライセンス情報を生成することが可能である。
【0041】
<ライセンス認証処理>
図6は、本発明の実施形態に係るライセンス認証処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本シーケンスにおいて、画像形成装置9は、記憶媒体3に記憶したライセンス情報、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いて、ライセンス認証を実行する。ここで、図4で示したライセンス情報生成処理の場合と同様に、画像形成装置9は、アプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを記憶媒体3から読込む。または、画像形成装置9は、アプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを画像形成装置9の記憶装置から取得するようにしてもよい。また、画像形成装置9は、装置毎に割当てられた画像形成装置9の固有情報を取得する。ライセンス認証は、例えば、アプリケーションを画像形成装置9において、利用可能とする(アクティベーションするとも言う)際、あるいは初めて利用する際に実行する。ライセンス認証を実行するためのライセンス認証プログラムは、画像形成装置9に格納されているものとする。以下、図6の各ステップの処理について説明する。
【0042】
ステップS30:画像形成装置9の表示制御部17は、利用者がライセンス認証を開始する操作を受け付ける画面を画像形成装置9のタッチパネル940aなどに表示する。図7は、本発明の実施形態に係るライセンス認証画面の一例を示す図である。図7に示すライセンス認証画面42は、アプリケーションを利用するためのライセンス認証を実行する際に、利用者に対して、ライセンス情報が保存された記憶媒体3を画像形成装置9の読取装置に挿入した後に、実行ボタン41を押下させるメッセージを表示する。画像形成装置9の操作受付部18は、利用者による実行ボタン43を押下する操作を受け付ける。画像形成装置9の実行部12は、ライセンス認証を実行するためのライセンス認証プログラムを実行する。図6に戻って説明する。
【0043】
ステップS31:画像形成装置9の読込部10は、記憶媒体3からアプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを読込む。あるいは、画像形成装置9の読込部10は、画像形成装置9の記憶装置に記憶されているアプリケーションの識別情報とアプリケーションのプログラムを読込むようにしてもよい。
【0044】
ステップS32:画像形成装置9の取得部11は、画像形成装置9に記憶されている画像形成装置9の固有情報を取得する。
【0045】
ステップS33:画像形成装置9の生成部13は、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いて、メッセージダイジェスト(MD1と呼ぶ)を生成する。生成部13は、図4のステップS25で示した方法と同じ手順でメッセージダイジェストを生成する。
【0046】
ステップS34:画像形成装置9の読込部10は、記憶媒体3からライセンス情報を読込む。
【0047】
ステップS35:画像形成装置9の生成部13は、図4のステップS26で生成された公開鍵を用いて、ステップS34で読込んだライセンス情報の暗号化を復号することにより、メッセージダイジェスト(MD2と呼ぶ)を生成する。
【0048】
ステップS36:画像形成装置9の認証部16は、ステップS33とステップS35でそれぞれ生成したメッセージダイジェスト(MD1とMD2)が一致するかを確認することにより、ライセンス認証を実行する。画像形成装置9の認証部16は、2つのメッセージダイジェスト(MD1とMD2)が一致する場合、処理をステップS37に遷移させ、そうでない場合(一致しない場合)は、処理をステップS38に遷移させる。
【0049】
ステップS37:画像形成装置9の認証部16は、ライセンス認証の結果が成功であると決定する。画像形成装置9の表示制御部17は、ライセンス認証の結果が成功であることを示すメッセージを画像形成装置9のタッチパネル940aなどに表示してもよい。
【0050】
ステップS38:画像形成装置9の認証部16は、ライセンス認証の結果が失敗であると決定する。画像形成装置9の表示制御部17は、ライセンス認証の結果が失敗であることを示すメッセージを画像形成装置9のタッチパネル940aなどに表示してもよい。
【0051】
以上の処理により、画像形成装置9は、通信ネットワークに接続することなく、ライセンス情報、画像形成装置9の固有情報、アプリケーションの識別情報、およびアプリケーションのプログラムを用いてライセンス認証を実行することが可能である。ここで、ライセンス認証において、装置ごとに割当てられた固有情報を用いることにより、他の装置でアプリケーションが不正利用されることを防止することが可能である。
【0052】
以上、本発明を実施するための幾つかの形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0053】
例えば、図3の機能ブロックの構成図の一例は、画像形成装置9および情報処理装置による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。画像形成装置9および情報処理装置における処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0054】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0055】
また、記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、画像形成装置9および情報処理装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【符号の説明】
【0056】
3 記憶媒体
9 画像形成装置
10 読込部
11 取得部
12 実行部
13 生成部
14 判別部
15 暗号処理部
16 認証部
17 表示制御部
18 操作受付部
19 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2004-303210号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7