(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094254
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】廃液回収装置および液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/17 20060101AFI20230628BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
B41J2/17 203
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209630
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】松本 博好
(72)【発明者】
【氏名】松本 和悦
(72)【発明者】
【氏名】小林 壯行
(72)【発明者】
【氏名】毛利野 哲
(72)【発明者】
【氏名】高橋 謙太
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA22
2C056EB29
2C056EB36
2C056EC28
2C056EC33
2C056FA15
2C056JC13
(57)【要約】
【課題】廃液タンク内の廃液面の位置によらず、廃液の回収を継続できる廃液回収装置を提供する。
【解決手段】液体を貯留するタンク筐体と、タンク筐体に液体を流入させる管状部材と、タンク筐体の内部空間に垂下する管状部材の端部に設けられた間隔保持部と、液体に対して浮力を有し、間隔保持部を当該液体の液面に浮かせる浮力付与部と、を有し、間隔保持部は浮力付与部の浮力によって管状部材の端部と液面との間に所定の間隔を保持する、廃液回収装置による。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留するタンク筐体と、
前記タンク筐体に前記液体を流入させる管状部材と、
前記タンク筐体の内部空間に垂下する前記管状部材の端部に設けられた間隔保持部と、
前記液体に対して浮力を有し、前記間隔保持部を当該液体の液面に浮かせる浮力付与部と、
を有し、
前記間隔保持部は前記浮力付与部の浮力によって前記管状部材の端部と前記液面との間に所定の間隔を保持する、
ことを特徴とする廃液回収装置。
【請求項2】
前記管状部材の端部には、前記間隔保持部との対向面に対する側面に開口部を有する、
請求項1に記載の廃液回収装置。
【請求項3】
前記管状部材の端部には、前記間隔保持部との対向面において、末広がり状の傾斜部を有する、
請求項1に記載の廃液回収装置。
【請求項4】
記録媒体を搬送する搬送部と、
液体を記録媒体に対して吐出する液体吐出ユニットと、
を備える液体吐出装置であって、
当該液体吐出ユニットが前記記録媒体に対してではなく、液体吐出動作を実行したときに廃棄される液体を回収するタンク筐体を有する廃液回収装置を備え、
前記廃液回収装置は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の廃液回収装置であることを特徴とする液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液回収装置および液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ユニットを備え、媒体に液体を吐出することで画像等を形成する液体吐出装置において、画像形成のための吐出動作以外に、液体の乾燥による固化や増粘により吐出特性の低下を抑制するために、メンテナンス用の吐出動作を行うことがある。メンテナンス用の吐出動作で吐出された液体は、廃液として回収する、そこで、液体吐出装置には廃液回収装置を搭載するものもある。廃液回収装置は、廃液を貯留する廃液タンクを備え、廃液タンクに貯留される廃液の量を検知するセンサが搭載されている。センサは廃液が満杯になったことを検知する満杯検知機能を提供する。
【0003】
従来の廃液回収装置における満杯検知機能には、廃液に浮かせたフロートの位置によって廃液量を検知するフロートスイッチが用いられることがあった。しかし、フロートスイッチは、固着や固化が生じやすい廃液を扱うときには、通常の動作ができなくなることがある。
【0004】
このような課題を解消するものとして、液体の種類に関わらず、フロートに異常が生じていることを検知内容から判断して、満杯検知機能の動作の正常性を検知できる液量検知装置が知られている(特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている装置のように、一般的には、廃液はチューブを介して廃液タンクまで送液されて、廃液タンク内に垂れ下がったチューブの開口からタンク内部へと自然落下して貯留する。この場合、廃液タンク内に廃液量が増えて、廃液の液面が上がるとチューブの先端が廃液に沈む状態になる。廃液回収装置は、ポンプなどの加圧手段を利用して廃液を廃液タンクへと押し出す構成を備えるが、チューブ先端の液圧がポンプによる圧力より高くなると、その後、メンテナンス動作を実行したときの廃液の回収に支障が生ずる。
【0006】
すなわち、従来技術によると、廃液の回収が困難になり、また、ポンプを停止後にチューブに残った廃液が液体吐出ユニットへと逆流するなどの課題がある。
【0007】
本発明は、廃液タンク内の廃液面の位置によらず、廃液の回収を継続できる廃液回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、廃液回収装置に関するものであって、液体を貯留するタンク筐体と、前記タンク筐体に前記液体を流入させる管状部材と、前記タンク筐体の内部空間に垂下する前記管状部材の端部に設けられた間隔保持部と、前記液体に対して浮力を有し、前記間隔保持部を当該液体の液面に浮かせる浮力付与部と、を有し前記間隔保持部は前記浮力付与部の浮力によって前記管状部材の端部と前記液面との間に所定の間隔を保持する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、廃液タンク内の廃液面の位置によらず、廃液の回収を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るUVインクジェット装置の、(a)斜視図、(b)X-Z断面図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る廃液回収装置の比較例における課題を説明するための図。
【
図3】本発明の一実施形態に係る廃液回収装置の構成を示す概略図。
【
図4】上記実施形態に係る廃液回収装置の動作例を示す概略図。
【
図5】上記実施形態に係る廃液回収装置が備える特徴部分の例を示す拡大図。
【
図7】上記実施形態に係る廃液回収装置が備える特徴部分の別例を示す拡大図。
【
図8】上記実施形態に係る廃液回収装置が備える特徴部分の別例を示す拡大図。
【
図9】本発明に係る液体吐出ユニットの他の一例を示す正面説明図。
【
図10】本発明に係る液体吐出装置の他の一例を示す要部側面説明図。
【
図11】本発明に係る液体吐出ユニットの一例を示す要部平面説明図。
【
図12】本発明に係る液体吐出ユニットの他の一例を示す正面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[液体吐出装置の実施形態]
以下、本発明に係る廃液回収装置及び液体吐出装置の実施形態に関し、図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係る液体吐出装置の実施形態としてのUVインクジェット装置200について、
図1を用いて説明する。
図1(a)は、UVインクジェット装置200を斜視方向からみた斜視外観図である。
図1(b)は、UVインクジェット装置200をY方向の中央付近におけるX-Z面断面図である。
【0012】
UVインクジェット装置200は、装置ベース230の上に、紫外線硬化型インク(UVインク211)を吐出する機能部品が配置されている。この機能部品の動作によって、リニアステージ203に載置されている記録媒体1に向けてUVインク211を吐出し、記録媒体1に画像等の形成をする。
【0013】
以下の説明において、各機能部品の配置や動作の説明において、
図1に示す三次元直交座標系を用いることがある。
図1に示すように、UVインクジェット装置200は、X-Y平面と平行の底面を有する装置ベース230の天面の上に各構成部品が配置されている。装置ベース230はZ方向である高さ方向に所定の高さを有している。このZ方向の厚みを有する装置ベース230の内部に、本発明に係る廃液回収装置が搭載されているものとする。
【0014】
なお、廃液回収装置と装置ベース230の位置関係は、これに限定するものではない。後述する廃液回収装置と同様の構成を装置ベース230と離間した位置に設ける構成でも、本実施形態により得られる効果は同様である。
【0015】
UVインクジェット装置200は、X方向に沿ってキャリッジ202を移動させるリニアアクチュエータ201を備える。リニアアクチュエータ201は、X方向が長手方向となる長尺の部材から構成されている。
【0016】
リニアアクチュエータ201によってX方向に移動可能なキャリッジ202は、複数のインクジェットヘッド210を搭載している。インクジェットヘッド210のそれぞれは、UVインク211の吐出口であるノズルが形成されている。各ノズルは、リニアステージ203に相対するインクジェットヘッド210の面に二次元的に配列されるノズル面として形成されている。インクジェットヘッド210は、キャリッジ202によってX方向の往復動作ができるように構成されている。なおキャリッジ202にはZ方向への移動を可能にするアクチュエータも搭載されていて、Z方向にキャリッジ202を移動させることができるようになっている。
【0017】
リニアステージ203は、記録媒体1を載置してY方向に移動することができるように構成されている。リニアステージ203のY方向の移動と、キャリッジ202のX方向の移動を組み合わせることで、インクジェットヘッド210が記録媒体1に対してX-Y平面に沿って二次元に走査できるように構成されている。インクジェットヘッド210の走査タイミングと記録媒体1に対するUVインク211(紫外線硬化型インク)の吐出タイミングとを制御することで、記録媒体1の上にUVインク211による画像等を形成することができる。
【0018】
なお、リニアステージ203はY方向のみの平面的な移動のみではなく、Z方向を回転軸とする回動や、Y方向、X方向を回転軸とする回動もできる回動機構も備える。UVインクジェット装置200は、リニアアクチュエータ201のX方向の移動、リニアステージ203のY方向の移動、および、リニアステージ203の回動によって、様々な形状の記録媒体1に対応することができるように構成されている。リニアステージ203は、搬送部に相当する。
【0019】
リニアステージ203の表面には一定間隔で細かな孔があいており,この穴に装置ベース230の内部に搭載される真空ポンプ等の真空圧発生源が接続されている。これによって、リニアステージ203の上に載置されたフィルム等の薄い記録媒体1をリニアステージ203に吸着させて固定させることができる。なお、記録媒体1は、シート状のフィルム以外にも板材(木材、金属、樹脂)のような厚みのあるものでもよい。厚みの異なる記録媒体1を用いる場合は、キャリッジ202をZ方向に移動させることで記録媒体1と、インクジェットヘッド210およびUVランプ204との間に適切な間隔を維持することができる。
【0020】
UVインク211の吐出動作は、UVインクジェット装置200が備えるコントローラによって制御される。キャリッジ202の左右には記録媒体1に着弾したUVインク211を硬化させるための紫外線を照射するUVランプ204が搭載されている。UVランプ204は、紫外線照射装置に相当し、紫外線(UV光)209を記録媒体1に向けて照射する。
図1(b)では、右UVランプ204RからのUV光209が照射されているイメージを表している。なお、UVランプ204が、
図1(b)に例示したような拡散光タイプの他に、集光タイプのUVランプ204等も用いることができる。UVランプ204は、目的に合わせて種々のタイプから選択すればよい。
【0021】
インクジェットヘッド210が備えるサブタンクへのUVインク211の補給は、装置ベース230の内部に搭載されているメインタンクから行われる。サブタンク内のUVインク211の量が少なくなると、コントローラが装置ベース230の内部に設けられている供給ポンプを動作させて、メインタンクからサブタンクへと供給チューブを介してUVインク211を補充する。なおサブタンクは、エアー配管および電磁弁およびエアー負圧形成用ポンプによってUVインク211の吐出に適切な微少負圧になるようにコントローラによって制御されている。
【0022】
サブタンクに備えられているエアー配管は、電磁弁を経由しエアー加圧用圧力源にも接続されている。加圧用圧力源は、例えばインクジェットヘッド210のノズルにゴミや気泡が存在することで、正常な吐出動作ができなくなった場合に用いられる。この場合、インクジェットヘッド210を廃液受け205の上に移動させて、加圧用圧力源を動作させることで、サブタンクを負圧から加圧に切り替えて、インクジェットヘッド210(のノズル)から強制的にUVインク211を排出させる。この強制排出によって、インクジェットヘッド210のノズルに存在するゴミや気泡を押し出すことができる。
【0023】
なお、インクジェットヘッド210のノズルからインクを押し出したままだとノズル面にUVインク211が付着した状態になり、その後の吐出動作に支障が生ずることがある。そこで、強制排出動作を行った後のインクジェットヘッド210に対してノズル面を払拭する動作(ワイピング)が実行される。ワイピングは、Y方向に移動可能に設けられたワイパ208を使用してノズル面を払拭する動作であって、インクジェットヘッド210に対するメンテナンス動作の一例である。なお、ワイパ208としては、一般的にはゴムやエラストマー等のゴム弾性を備えたものを用いる。
【0024】
ノズルから押し出されたUVインク211やワイピングによって拭き取られたUVインク211は、廃液受け205を経由して、装置ベース230の内部に設けられた廃液タンク110に回収される。廃液タンク110については、本発明に係る廃液回収装置の実施形態としての回収装置100の説明とともに、後述する。
【0025】
装置ベース230の天面には、リニアアクチュエータ201の長手方向の端部近傍にキャップ206が配置されている。キャップ206は、装置ベース230の天面から所定の高さ位置に固定されている。キャップ206は、UVインクジェット装置200の使用を終了するときなど、長期間使用しない場合にノズル面の保護およびノズル面近傍のインク保護のためにインクジェットヘッド210を覆うために設けられている。
【0026】
また、装置ベース230の天面には、リニアアクチュエータ201の長手方向の端部近傍であってキャップ206の近傍に空吐出受け207が配置されている。空吐出受け207は、空気に触れるなどによって劣化したUVインク211をいわゆる「空打ち」をすることで廃棄するときに、廃棄されるUVインク211を受け取る部材である。空吐出受け207を使用して、インクジェットヘッド210が画像形成を伴わない吐出動作(空吐出)をすることで、新鮮なUVインク211をインクジェットヘッド210のノズルに供給することができる。この空吐出によって、画像形成の品質を保つことができる。したがって、空吐出は、UVインクジェット装置200の使用開始時や、一定時間使用を継続したときに画像形成動作の合間でも行われる。空打ちによって吐出されたUVインク211も、後述する廃液タンク110に回収される。
【0027】
なお,
図1(a)および
図1(b)は、キャリッジ202が、X軸の正方向から負方向へと移動しながら記録媒体1にUVインク211を吐出して画像形成を行っている様子を例示しているものである。キャリッジ202が、UVインク211を吐出しながら負のX方向(-X方向)へ移動しているときは、UVインク211が記録媒体1に着弾後、インクジェットヘッド210よりも正のX方向(+X方向)に搭載されている右UVランプ204Rが紫外線を照射する。これによって、記録媒体1に付着したUVインク211の効果を開始する。
【0028】
なお、キャリッジ202が+X方向に移動しているときは、インクジェットヘッド210よりも-X方向に搭載されている左UVランプ204LからUV光209を照射し、記録媒体1に着弾したUVインク211を硬化させる。なお、一方のUVランプ204のみではUVインク211の硬化性が悪く,紫外線の積算光量が必要な場合には、左右両方のUVランプ204からUV光209を照射すればよい。
【0029】
次に、本発明に係る廃液回収装置の実施形態としての回収装置100について説明する。本実施形態に係る回収装置100は、UVインクジェット装置200とは別の筐体に搭載することもできる。その場合、廃液受け205や空吐出受け207から、後述する廃液チューブ120を介して廃液タンク110に廃液111が移動できればよい。
【0030】
ここで、まず、本発明の特徴を明確にするために、比較例となる構成を備える回収装置100zの例について、
図2を用いて説明する。
図2は、回収装置100から本願発明の特徴的な構成の部分を備えない実施形態としての回収装置100zの内部構造例を示す構成図である。なお、本発明に係る実施形態に対する比較例としての回収装置100zと、本実施形態に係る回収装置100は、共通する部分もある。そこで、以下の説明では、回収装置100と共通する回収装置100zの構成部分には、回収装置100に用いた符号と同じ符号を付している。そして、同じ符号を付した構成は、回収装置100zにおける構造、動作、効果と同様の構造、動作、効果を回収装置100が備える構成も有するものとする。
【0031】
回収装置100zは、インクジェットヘッド210における画像等の形成を伴わない液体吐出動作によって吐出されたUVインク211などを回収する。
【0032】
回収装置100zは、装置ベース230の内部に搭載されている廃液タンク110と、廃液チューブ120と、フロートスイッチ130と、を少なくとも有する。
【0033】
廃液タンク110は、装置ベース230の内部の底面230Bの上に配置されている容器であって、廃液111を一定量貯留することができる容積を有する。廃液タンク110の上部には廃液チューブ120が挿入される開口と、フロートスイッチ130を構成するフロートスイッチ用軸131が挿入される開口が形成されている。廃液タンク110は、タンク筐体に相当する。
【0034】
廃液チューブ120は、空吐出受け207や廃液受け205において回収された使用されないUVインク211(廃液111)を廃液タンク110に導く管部材である。廃液チューブ120の一方の端部は空吐出受け207や廃液受け205に接続されていて、他方の端部は廃液タンク110の内部空間に垂下した状態で保持されるようになっている。廃液チューブ120には吸引ポンプなどの加圧手段が接続されていて、空吐出受け207や廃液受け205において回収された廃液111を吸い出して廃液タンク110へと送液する。
【0035】
フロートスイッチ130は、フロートスイッチ用軸131と、フロート132と、下側ストッパー133と、上側ストッパー134と、を備えている。
【0036】
フロートスイッチ用軸131は、装置ベース230の天面230Tに一方の端部が固定され、他方の端部が廃液タンク110の内部に向けて垂下した状態で固定される棒状の部材である。フロートスイッチ用軸131の内部には、例えば、所定の位置にリードスイッチが備えられている。このリードスイッチの動作状態は、回収装置100zが備える制御部において検知される。リードスイッチの動作状態に基づいて、廃液タンク110の内部に貯留されている廃液111の液量を検知することができるように構成されている。フロートスイッチ用軸131の下端近傍には、外周に下側ストッパー133が取り付けられている。また、下側ストッパー133から所定の高さ位置の外周には、上側ストッパー134が取り付けられている。フロートスイッチ用軸131の内部に備わっているリードスイッチは、下側ストッパー133と上側ストッパー134の間に搭載されている。
【0037】
フロートスイッチ用軸131に対し、上下方向に移動可能な状態でフロート132が取り付けられている。フロート132は、廃液111に浮く素材から形成されている。フロート132は、下側ストッパー133によって移動可能範囲の下限が規制され、上側ストッパー134によって同様に上限が規制されている。すなわち、フロート132は、下側ストッパー133と上側ストッパー134との間を上下動できるようになっている。フロート132が廃液111の量に応じて下側ストッパー133側から上側ストッパー134側に浮いてくると、内部に埋め込まれている磁石がフロートスイッチ用軸131に沿って上方に移動する。この移動によって、フロート132内部の磁石が、フロートスイッチ用軸131の内部のリードスイッチを動作させることで、廃液111の液量を検知することができる。すなわち、リードスイッチが動作したときは、廃液111が満杯状態であると判定できる。
【0038】
すなわち、フロートスイッチ130は、廃液タンク110の内部に貯留する廃液量が増えることによって、フロート132が上昇してリードスイッチの状態がON(もしくはOFF)に遷移する。このスイッチ状態の遷移を回収装置100zが備える制御部が検知し、廃液タンク110に貯留されている廃液の量が満杯であることが判定される。
【0039】
回収装置100zにおいて、制御部は、フロートスイッチ130の状態を常時もしくは定期的に監視する。制御部は、リードスイッチがONになったときには、それをユーザに通知する等のあらかじめ定められたシーケンスに基づく処理を実行する機能を備える。廃液111が満杯になったときは、廃液タンク110の中身を捨てて、その廃液タンク110を再利用するか,新品の廃液タンク110に交換するか、のいずれかになる。廃液タンク110から廃液111が無くなくなれば、フロートスイッチ130はOFFになる。
【0040】
なお
図2(a)は、廃液が非満杯状態(フロートスイッチ130が満杯を検出していない状態)を例示している。廃液111が少なくフロート132を浮かせる位置に液面が来なければ、フロート132は下側ストッパー133に接触する位置にある。なお、この下側ストッパー133によってフロートスイッチ用軸131から落下することが防がれる。
図2(a)の状態から廃液111の量が増加すると、廃液111の液面に浮遊するフロート132の位置が上昇する。
【0041】
図2(d)は、廃液111が満杯の状態(フロートスイッチ130が満杯を検出している状態)を例示している。
図2(d)に示すように、廃液111の液面が廃液タンク110の上方にまで上昇すると、これに応じてフロート132が浮上する。フロート132は、上側ストッパー134によって上方への移動が規制される。フロート132が上側ストッパー134に接触する位置にまで上昇したときは、フロート132の内部に備わっているマグネットがフロートスイッチ用軸131の内部のリードスイッチを動作させる。これによって、回収装置100zの制御部が廃液111の満杯を判定することができる。
【0042】
そして、
図2(d)に示すように、廃液111が満杯になる前に、廃液チューブ120の先端(廃液タンク110の内部に下がっている開口部分)が廃液111の液面よりも下の位置になると、この先端が廃液111に沈むことになる。
【0043】
廃液111は、吸引ポンプの吸引圧力によって廃液タンク110へと押し出されるが、廃液タンク110にすでに溜まっている廃液111の固化状態や粘度によっては吸引ポンプの圧力では、廃液111に沈んでいる廃液チューブ120の先端から新たな廃液111を押し出せない状況に至ることもある。
【0044】
[回収装置100の特徴]
上記のように、新たな廃液111の回収に生ずる支障を防止するために、本実施形態に係る回収装置100では、廃液チューブ120の先端にチューブフロート160を備えている。
図3に示すように回収装置100において、チューブフロート160は、廃液チューブ120の先端に設けられていて、廃液チューブ120を介して回収された廃液111を廃液タンク110に流すことができる構造を備えている。
【0045】
図4は廃液111の液面が上昇して、垂れ下がっていた廃液チューブ120の先端位置よりも液面が高くなったときの回収装置100の内部の様子を模式的に示している。
図4に示すように、チューブフロート160の効果によって廃液チューブ120の先端が、廃液111に沈まないようになっている。
【0046】
チューブフロート160は、廃液111に対して浮力を発揮する素材からなる浮力付与部材でもある。したがって、廃液111の液面が上昇したときに、チューブフロート160によって廃液チューブ120の先端部分も上昇する。廃液チューブ120は弾性の有る部材から形成されているので、先端部分の上昇によって、廃液チューブ120の全体も上方に移動することができる。
【0047】
チューブフロート160は、廃液チューブ120の先端の開口が、廃液111の液面に対して一定の間隔を保持した位置に留まるための間隔保持部としても機能する。この間隔保持部によって、廃液チューブ120から廃液タンク110に向けて廃液111が垂下し続けることができる状態が維持される。
【0048】
[第一実施形態]
次に、回収装置100が備える廃液チューブ120とチューブフロート160の第一実施形態について
図5を用いて説明する。
図5は、廃液チューブ120とチューブフロート160を分離させた状態を示す側面図である。
【0049】
図5に示すように、廃液チューブ120は、廃液111が通過する中空部121を有する管状部材である。廃液チューブ120は、シリコンやゴムなどの弾性部材を素材とし、廃液111によって化学反応を起こさず、経年劣化が緩やかな素材からなる。廃液チューブ120の外壁を形成する外周部122に開口部123が形成されている。
【0050】
開口部123は、チューブフロート160と接触する開口側の端部の側面の一部を切り欠いて形成される廃液流出口である。開口部123は、チューブフロート160の対向面に形成されている。開口部123は、に廃液チューブ120を嵌合または接合した状態において、中空部121を通じて送られてきた廃液111は廃液チューブ120から外部へと開口部123から流れ出るように構成されている。
【0051】
図5に示すように、チューブフロート160は、廃液チューブ120の先端位置が、廃液タンク110に貯留されている廃液111の液面に直接接することなく、一定の間隔を持って保持するための間隔保持部としての間隔保持部材161を有している。また、間隔保持部材161を廃液111の液面に浮かせるための浮力を付与する浮力付与部としての浮力付与部材162を有している。
【0052】
間隔保持部材161には、廃液チューブ120と対抗する面に、チューブ位置決め部163が設けられている。チューブ位置決め部163は、廃液チューブ120の中空部121の径と略同等の外径を有する突起部である。中空部121がチューブ位置決め部163に嵌合又は接合することで、廃液チューブ120とチューブフロート160は一体になる。
【0053】
浮力付与部材162は、例えば
図5に例示するように円錐状であって、廃液111に浸る側面方向に先細りとなっている。なお、浮力付与部材162の形状は、これに限定するものではなく平板状のものであってもよい。いずれの形状であっても、廃液チューブ120と廃液111とが一定の間隔を持って保持できるように、間隔保持部材161を廃液111の液面に浮かせることができるものであればよい。
【0054】
図6は、廃液チューブ120とチューブフロート160の一体物における廃液111の流れ方を例示する図である。
図6において、廃液111の流れ方は、破線矢印で示している。なお、
図6では、一部の符号の表示を省略している。
【0055】
図6に示すように、廃液111は中空部121を伝って重力方向に流れてきたとき、下流側の先端に形成されている開口部123から間隔保持部材161の上面へと流れ出す。
【0056】
間隔保持部材161の上面へと流れ出た廃液111は、その流動性によって間隔保持部材161の上面を流れて外径に至り、その後、重力方向に間隔保持部材161から垂れて流れる。
【0057】
このように、吸引ポンプによって廃液111が開口部123から押し出されれば、その流動性によって廃液111はチューブフロート160から廃液タンク110へと流れるようになる。このとき、廃液チューブ120における廃液111の流出口としての開口部123は、廃液111の液面に接触することなく、間隔を保持した位置にあるので、廃液タンク110に貯留されている廃液の固化や粘度増加によって、逆流するなどの従来の課題を解消するものとなる。
【0058】
[第二実施形態]
次に、回収装置100が備える廃液チューブ120の第二実施形態について
図7を用いて説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態に係る廃液チューブ120aは、開口部123を有しないものである。なお、開口部123を有していてもよい。
【0059】
図7(b)は、廃液チューブ120aの先端部を下流側から見た図であって、廃液チューブ120aの断面形状を示している。
図7(b)に示すように、廃液チューブ120aは、中空部121aの形状が円管状ではなく、突起部分が円周状に配置されている略歯車形状になっている。
【0060】
間隔保持部材161のチューブ位置決め部163に中空部121aを嵌合させた場合、廃液チューブ120bを伝ってきた廃液111は、中空部121aとチューブ位置決め部163との隙間から流れ出る状態にできる。すなわち、第一実施形態に示した開口部123に代えて、中空部121aが廃液111の流出口として機能することで、廃液チューブ120bの先端部分を間隔保持部材161の上面から浮かせた位置に保持して、廃液111を排出することができる。
【0061】
[第三実施形態]
次に、回収装置100が備える廃液チューブ120の第三実施形態について
図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、本実施形態に係る廃液チューブ120bも、開口部123を有しないもとする。なお、開口部123を有していてもよい。
【0062】
図8(b)は、廃液チューブ120bを上流側から見た図であって、廃液チューブ120bの断面形状を示している。
図8(b)に示すように、廃液チューブ120bは、中空部121bの形状が円管状ではなく、中央で交差する二つの切り込みによって形成される空間を廃液111が流れる構図を備えるものである。
【0063】
また、
図8(c)は、
図8(a)の一点鎖線円Rにて囲まれた領域の拡大図であって、廃液チューブ120bは、先端部の形状を拡大して例示している。
図8(c)に示すように、中空部121bの先端部分であって、間隔保持部材161に対向する部分の縦断面の形状は、流出口に向かって径寸法が拡がる末広がり状(テーパー状)になっている。
【0064】
間隔保持部材161のチューブ位置決め部163に中空部121bを嵌合させた場合、廃液チューブ120bを伝ってきた廃液111は、中空部121bの先端の末広がり形状の傾斜面(傾斜部)を伝って、チューブ位置決め部163との隙間から流れ出る。そして、中空部121bの先端は、間隔保持部材161によって廃液111の液面から離れた所定の位置で保持される状態で維持される。
【0065】
すなわち、第一実施形態に示した開口部123に代えて、中空部121bが廃液111の流出口として機能することで、廃液チューブ120bの先端部分を間隔保持部材161の上面から浮かせた位置に保持して、廃液111を排出することができる。なお、開口部123を併せて有していてもよい。
【0066】
なお、本実施形態に係る回収装置100は、UVインクジェット装置200に用いられるものである。UVインクジェット装置200は、インクジェットヘッド210を備える。インクジェットヘッド210は、いわゆる「液体吐出ヘッド」である。
【0067】
本明細書において、「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品という。吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、紫外硬化型のインクに特に限定されないが、上記にて説明したように、廃液を回収するタンクの満杯を検知するセンサの動作を阻害する要因となり得るものを想定している。したがって、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・ss以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどである。これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0068】
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子および薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
【0069】
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出ユニット、および、液体吐出装置の実施形態についてあらためて説明する。まず、本発明に係る液体吐出装置の実施形態について
図9および
図10を参照しながら説明する。
図9は、本実施形態に係る液体吐出装置400の要部平面説明図である。また、
図10は、液体吐出装置400の要部側面説明図である。
【0070】
液体吐出装置400として、シリアル型装置を例示する。当該装置は、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
【0071】
このキャリッジ403には、1およびヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。
【0072】
液体吐出ユニット440の1は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、1は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
【0073】
1の外部に貯留されている液体を1に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
【0074】
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
【0075】
液体吐出装置400は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
【0076】
搬送ベルト412は用紙410を吸着して1に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。また、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417およびタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に1の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
【0077】
維持回復機構420は、例えば1のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
【0078】
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
【0079】
以上の構成を備える液体吐出装置400においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて1を駆動することにより、停止している用紙410にUVインク211を吐出して画像を形成する。
【0080】
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの一例について
図11を参照しながら説明する。
図11は、液体吐出ユニットの要部平面説明図である。
【0081】
本実施形態に係る液体吐出装置400は、液体吐出装置である液体吐出装置400を構成している部品のうち、側板491A、491Bおよび背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、1で構成されている。なお、当該液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、および供給機構494の少なくともいずれかを、さらに取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
【0082】
次に、本発明に係る液体吐出装置に搭載可能な液体吐出ユニットの他の一例について
図12を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る液体吐出ユニットの正面説明図である。
【0083】
当該前記液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた1と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には1と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
【0084】
以上説明した本発明において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0085】
また、「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0086】
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0087】
また、「液吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0088】
前記「液体が付着可能もの」とは液体が一時的にでも付着可能なものを意味する。前記「液体が付着するもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0089】
また、前記「液体吐出装置」には、特に限定しない限り、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
【0090】
また、前記「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0091】
前記「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、前記「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0092】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていてもよい。
【0093】
例えば、前記液体吐出ユニットとして、
図10で示した液体吐出ユニットのように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0094】
また、前記液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0095】
また、前記液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、
図11で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0096】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0097】
また、前記液体吐出ユニットとして、
図12で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
【0098】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0099】
また、前記「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
【0100】
また、本明細書において、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0101】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 :記録媒体
100 :回収装置
110 :廃液タンク
111 :廃液
120 :廃液チューブ
121 :中空部
122 :外周部
123 :開口部
160 :チューブフロート
161 :間隔保持部材
162 :浮力付与部材
163 :チューブ位置決め部
200 :UVインクジェット装置
230 :装置ベース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】