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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023094274
(43)【公開日】2023-07-05
(54)【発明の名称】検出機構および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/18 20060101AFI20230628BHJP
   G01R 31/70 20200101ALI20230628BHJP
   H01R 13/64 20060101ALN20230628BHJP
【FI】
G06F1/18 J
G01R31/70
H01R13/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021209658
(22)【出願日】2021-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】土田 栄治
(72)【発明者】
【氏名】坂本 大
【テーマコード(参考)】
2G014
5E021
【Fターム(参考)】
2G014AA01
2G014AB60
2G014AC18
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FB18
5E021FC38
5E021JA05
5E021KA13
(57)【要約】
【課題】基板に接続される外部基板の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立可能な検出機構を提供すること。
【解決手段】検出機構は、基板に設けられ、外部基板が接続されるコネクタと、コネクタに接続された測定用抵抗と、測定用抵抗の両端の電位差を測定する測定部と、測定部によって測定された電位差に基づいて、コネクタに対する外部基板の接続状態を判定する判定部と、測定用抵抗に接続され、測定用抵抗を流れる電流を遮断可能なスイッチと、スイッチを制御するスイッチ制御部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられ、外部基板が接続されるコネクタと、
前記コネクタに接続された測定用抵抗と、
前記測定用抵抗の両端の電位差を測定する測定部と、
前記測定部によって測定された前記電位差に基づいて、前記コネクタに対する前記外部基板の接続状態を判定する判定部と、
前記測定用抵抗に接続され、前記測定用抵抗を流れる電流を遮断可能なスイッチと、
前記スイッチを制御するスイッチ制御部と
を備えることを特徴とする検出機構。
【請求項2】
複数の前記外部基板が接続される複数のコネクタと、
前記複数のコネクタの各々に接続された前記測定用抵抗と
を備え、
前記判定部は、
前記測定部によって測定された前記電位差に基づいて、前記複数のコネクタに対する前記複数の外部基板の接続状態を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出機構。
【請求項3】
前記複数の外部基板は、当該複数の外部基板の間で互いに異なる抵抗値を有し、
前記判定部は、
前記測定部によって測定された前記電位差に基づいて、前記複数のコネクタに対する前記複数の外部基板の接続状態を個別に判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の検出機構。
【請求項4】
前記判定部による判定結果が正常ではない場合、ユーザに警告を通知する通知部を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の検出機構。
【請求項5】
前記スイッチは、トランジスタである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検出機構。
【請求項6】
前記スイッチは、FETである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の検出機構。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載の検出機構を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出機構および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、高価な誤接続検出スイッチを安価なシステムで構成させることを目的として、簡素な構成で、ON状態、OFF状態、および故障状態を検出できる構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、基板に接続される外部基板の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立できるものではない。
【0004】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、基板に接続される外部基板の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立可能な検出機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る検出機構は、基板に設けられ、外部基板が接続されるコネクタと、コネクタに接続された測定用抵抗と、測定用抵抗の両端の電位差を測定する測定部と、測定部によって測定された電位差に基づいて、コネクタに対する外部基板の接続状態を判定する判定部と、測定用抵抗に接続され、測定用抵抗を流れる電流を遮断可能なスイッチと、スイッチを制御するスイッチ制御部とを備える。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る検出機構によれば、基板に接続される外部基板の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立可能な検出機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る検出機構の構成を示す図
図2】一実施形態に係る検出機構が備える監視回路の構成例を示す図
図3】一実施形態に係る検出機構が備えるICの機能構成の一例を示す図
図4】一実施形態に係る検出機構が備えるICによる処理の手順の一例を示すフローチャート
図5】一実施形態に係る検出機構が備える監視回路の一変形例を示す図
図6】一実施形態に係る検出機構が備えるICによる処理の手順の一変形例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(検出機構10の構成)
図1は、一実施形態に係る検出機構10の構成を示す図である。図1に示すように、検出機構10は、制御用基板12、IC(Integrated Circuit)14、およびメモリ基板20-1~20-nを備える。
【0010】
制御用基板12は、「基板」の一例であり、平面視において矩形状を有する平板状の部材である。制御用基板12は、矩形状の一辺部分に、コネクタ12A1~12Anが設けられている。コネクタ12A1~12Anは、「コネクタ」の一例である。例えば、コネクタ12A1~12Anは、雌型のコネクタである。
【0011】
メモリ基板20-1~20-nの各々は、「外部基板」の一例であり、平面視において矩形状を有しており、当該矩形状における制御用基板12と対向する一辺部分に、コネクタ20Aが設けられている。コネクタ20Aは、「外部コネクタ」の一例である。例えば、コネクタ20Aは、雄型のコネクタである。これにより、メモリ基板20-1~20-nの各々は、コネクタ20Aにおいて、制御用基板12が備えるコネクタ12A1~12Anのうちの、対応するコネクタ12Aに接続することができる。メモリ基板20-1~20-nの各々は、制御用基板12に接続されることで、例えば、制御用基板12の拡張用メモリとして機能することができる。
【0012】
IC14は、制御用基板12に実装されている。IC14は、検出機構10の各種制御を行う。例えば、IC14は、メモリ基板20-1~20-nの各々の制御用基板12への接続状態を判定することができる。IC14は、例えば、マイコン、制御用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。
【0013】
(監視回路16の構成例)
図2は、一実施形態に係る検出機構10が備える監視回路16の構成例を示す図である。図2に示すように、一実施形態に係る検出機構10は、制御用基板12に、監視回路16が設けられている。図2に示す監視回路16は、一つのメモリ基板20の接続状態を判定可能な構成となっている。
【0014】
監視回路16は、制御用基板12において、コネクタ12Aと、グラウンド(GND)との間に設けられている。監視回路16は、互いに直列に接続された、プルダウン抵抗16Aおよびスイッチ16Bを有する。プルダウン抵抗16Aは、「測定用抵抗」の一例である。プルダウン抵抗16Aは、抵抗成分Raを有する。また、監視回路16は、コネクタ12Aとプルダウン抵抗16Aとの間に、測定点16Cを有する。
【0015】
監視回路16は、メモリ基板20から、コネクタ20Aおよびコネクタ12Aを介して、プルダウン抵抗16Aに直流電圧Vpが印加される。また、監視回路16において、コネクタ12Aとプルダウン抵抗16Aとの間の測定点16Cには、IC14が接続されている。これにより、IC14は、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定することができる。そして、IC14は、測定されたプルダウン抵抗16A両端の電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態を判定することができる。
【0016】
例えば、コネクタ20Aとコネクタ12Aとの接続状態が「正常」なとき、コネクタ抵抗成分Rcの抵抗値は略0〔Ω〕(0〔Ω〕あるいは0〔Ω〕に近似する値)となる。
【0017】
また、例えば、コネクタ20Aとコネクタ12Aとの接続状態が「不完全」なとき(半挿し/接触不良の状態)、コネクタ抵抗成分Rcの抵抗値はR〔Ω〕となる。
【0018】
また、例えば、コネクタ20Aとコネクタ12Aとが「未接続」のとき、コネクタ抵抗成分Rcの抵抗値は∞〔Ω〕となる。
【0019】
プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutは、下記数式(1)によって求められるものであり、すなわち、コネクタ抵抗成分Rcの抵抗値に応じて変動する。
【0020】
Vout=Vp×Ra/(Ra+Rc)・・・(1)
【0021】
このため、IC14は、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定することで、当該電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態が、「正常」、「不完全」、および「未接続」のいずれであるかを判定することができる。
【0022】
ここで、監視回路16に常に電流が流れている場合、電力量および発熱量が増加する虞がある。そこで、一実施形態に係る検出機構10は、監視回路16におけるプルダウン抵抗16Aとグラウンド(GND)との間にスイッチ16Bを設けている。これにより、一実施形態に係る検出機構10は、スイッチ16BをON状態とOFF状態との間で切り替えることにより、監視回路16を電流が流れている状態と、監視回路16を電流が流れていない状態とを切り替えることが可能となっている。そして、一実施形態に係る検出機構10は、IC14からの制御信号CNT1の制御によって、スイッチ16BをON状態に切り替えることにより、IC14がプルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定して、メモリ基板20の接続状態を判定することができる。
【0023】
なお、スイッチ16Bには、例えば、トランジスタまたはFET(Field Effect Transistor)が用いられる。スイッチ16Bにトランジスタが用いられた場合、簡素且つ安価なスイッチ構成とすることができる。一方、スイッチ16BにFETが用いられた場合、簡素なスイッチ構成とすることができ、且つ、スイッチ16Bの電力消費量を抑制することができる。
【0024】
(IC14の機能構成の一例)
図3は、一実施形態に係る検出機構10が備えるIC14の機能構成の一例を示す図である。
【0025】
図3に示すように、IC14は、スイッチ制御部14A、測定部14B、判定部14C、および通知部14Dを備える。
【0026】
スイッチ制御部14Aは、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BのON状態とOFF状態との間の切り替えを制御する。
【0027】
例えば、スイッチ制御部14Aは、検出機構10の上位の装置である画像形成装置が「通常モード」に切り替えられたとき、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをON状態に切り替える。
【0028】
また、例えば、スイッチ制御部14Aは、検出機構10の上位の装置である画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられたとき、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをOFF状態に切り替える。
【0029】
測定部14Bは、スイッチ制御部14Aの制御によってスイッチ16BがON状態のときに、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定する。
【0030】
判定部14Cは、測定部14Bによって測定された電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態を判定する。例えば、判定部14Cは、測定部14Bによって測定された電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態が、「正常」、「不完全」、および「未接続」のいずれであるかを判定することができる。
【0031】
通知部14Dは、判定部14Cによる判定結果が「正常」ではない場合、所定の通知方法(例えば、警告表示、警告音等)により、ユーザに対して警告を通知する。
【0032】
なお、IC14の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0033】
(IC14による処理の手順の一例)
図4は、一実施形態に係る検出機構10が備えるIC14による処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0034】
まず、検出機構10の上位の装置である画像形成装置の電源がON状態に切り替えらえると(ステップS401)、スイッチ制御部14Aが、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをON状態に切り替える(ステップS402)。
【0035】
次に、IC14は、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられたか否かを判断する(ステップS403)。
【0036】
ステップS403において、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられたと判断された場合(ステップS403:Yes)、スイッチ制御部14Aが、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをOFF状態に切り替える(ステップS404)。その後、IC14は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0037】
一方、ステップS403において、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられていないと判断された場合(ステップS403:No)、測定部14Bが、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定する(ステップS405)。
【0038】
そして、判定部14Cが、ステップS405で測定された電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態を判定する(ステップS406)。
【0039】
さらに、IC14は、ステップS406による判定結果が「正常」であるか否かを判断する(ステップS407)。
【0040】
ステップS407において、ステップS406による判定結果が「正常」であると判断された場合(ステップS407:Yes)、IC14は、ステップS403へ処理を戻す。
【0041】
一方、ステップS407において、ステップS406による判定結果が「正常」ではないと判断された場合(ステップS407:No)、通知部14Dが、所定の通知方法(例えば、警告表示、警告音等)により、ユーザに対して警告を通知する(ステップS408)。その後、IC14は、図4に示す一連の処理を終了する。
【0042】
(監視回路16の一変形例)
図5は、一実施形態に係る検出機構10が備える監視回路16の一変形例を示す図である。図5に示すように、一実施形態に係る検出機構10は、制御用基板12に、監視回路16の変形例である監視回路16-2が設けられている。図5に示す監視回路16-2は、複数のメモリ基板20(20-1~20-n)の各々の接続状態を判定可能な構成となっている。
【0043】
監視回路16-2において、プルダウン抵抗16Aは、複数のコネクタ12A(12A1~12An)の各々に接続されている。監視回路16-2は、複数のメモリ基板20の各々から、コネクタ20Aおよびコネクタ12Aを介して、プルダウン抵抗16Aに直流電圧Vpが印加される。また、監視回路16-2において、測定点16Cは、複数のコネクタ12Aの各々とプルダウン抵抗16Aとの間に設けられている。これにより、IC14は、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定することができる。そして、IC14は、測定されたプルダウン抵抗16A両端の電位差Voutに基づいて、複数のメモリ基板20の各々の接続状態を判定することができる。
【0044】
監視回路16-2において、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutは、下記数式(2)によって求められるものであり、すなわち、複数のメモリ基板20(20-1~20-n)の抵抗Rx(Rx_1~Rx_n)と、複数のコネクタ抵抗成分Rc(RC_1~Rc_n)とに応じて変動する。
【0045】
Vout=Vp×Ra/(Ra+1/Ry)・・・(2)
【0046】
但し、1/Ryは、下記数式(3)によって求められる。
【0047】
【数1】
【0048】
例えば、全てのメモリ基板20の接続状態が「正常」なとき、予め設定された複数のメモリ基板20の抵抗Rxの並列合成抵抗値が1/Ry〔Ω〕となる。よって、電位差Voutは、1/Ry〔Ω〕に対応するものとなる。
【0049】
一方、いずれかのメモリ基板20の接続状態が「不完全」または「未接続」のとき、複数のメモリ基板20の抵抗Rxの並列合成抵抗値が、1/Ry〔Ω〕から変動する。よって、電位差Voutは、1/Ry〔Ω〕に対応するものから変動したものとなる。
【0050】
なお、本実施形態では、複数のメモリ基板20は、当該複数のメモリ基板20の間で、互いに異なる抵抗値の抵抗Rxを有する。このため、本実施形態では、いずれかのメモリ基板20の接続状態が「不完全」または「未接続」のとき、複数のメモリ基板20の抵抗Rxの並列合成抵抗値、および、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutは、そのメモリ基板20が有する抵抗Rxの抵抗値に応じた変動量で変動する。
【0051】
このため、IC14は、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定することで、当該電位差Voutの変動量に基づいて、いずれのメモリ基板20の接続状態が「不完全」または「未接続」であるかを判定することができる。
【0052】
例えば、接続されているメモリ基板20が3枚の場合、並列合成抵抗値は、下記式のとおり求められる。
【0053】
1/Ry =1/(Rx_1+Rc_1)+1/(Rx_2+Rc_2)+1/(Rx_3+Rc_3)
=((Rx_2+Rc_2)(Rx_3+Rc_3)+(Rx_1+Rc_1)(Rx_3+Rc_3)+(Rx_1+Rc_1)(Rx_2+Rc_2))
/ (Rx_1+Rc_1) (Rx_2+Rc_2) (Rx_3+Rc_3)
【0054】
Ry=(Rx_1+Rc_1) (Rx_2+Rc_2) (Rx_3+Rc_3)
/ ((Rx_2+Rc_2)(Rx_3+Rc_3)+(Rx_1+Rc_1)(Rx_3+Rc_3)+(Rx_1+Rc_1)(Rx_2+Rc_2))
【0055】
このため、Rx_1、Rx_2、Rx_3に異なる抵抗値を予め設定しておけば、接続異常の場合は抵抗値が変動することで、プルダウン抵抗16A両端の電位差も変動し、予め設定したパラメータと検出された電位差Voutを比較することによって、接続異常が生じているメモリ基板20を特定することができる。
【0056】
図5に示す監視回路16-2においても、プルダウン抵抗16Aとグラウンド(GND)との間にスイッチ16Bが設けられている。これにより、一実施形態に係る検出機構10は、スイッチ16BをON状態とOFF状態との間で切り替えることにより、監視回路16-2を電流が流れている状態と、監視回路16-2を電流が流れていない状態とを切り替えることが可能となっている。そして、一実施形態に係る検出機構10は、IC14からの制御信号CNT1の制御によって、スイッチ16BをON状態に切り替えることにより、IC14がプルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定して、複数のメモリ基板20の各々の接続状態を判定することができる。
【0057】
(IC14による処理の手順の一変形例)
図6は、一実施形態に係る検出機構10が備えるIC14による処理の手順の一変形例を示すフローチャートである。図6に示す一連の処理は、図5に示す監視回路16-2に対応するものである。
【0058】
まず、検出機構10の上位の装置である画像形成装置の電源がON状態に切り替えらえると(ステップS601)、スイッチ制御部14Aが、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをON状態に切り替える(ステップS602)。
【0059】
次に、IC14は、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられたか否かを判断する(ステップS603)。
【0060】
ステップS603において、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられたと判断された場合(ステップS603:Yes)、スイッチ制御部14Aが、スイッチ16Bへ制御信号CNT1を出力することにより、スイッチ16BをOFF状態に切り替える(ステップS604)。その後、IC14は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0061】
一方、ステップS603において、画像形成装置が「省エネモード」に切り替えられていないと判断された場合(ステップS603:No)、測定部14Bが、プルダウン抵抗16A両端の電位差Voutを測定する(ステップS605)。
【0062】
そして、判定部14Cが、ステップS605で測定された電位差Voutに基づいて、メモリ基板20の接続状態を判定する(ステップS606)。ここでは、判定部14Cが、メモリ基板20の接続状態として、「正常」、「不完全」、または「未接続」のいずれかを判定する。
【0063】
さらに、IC14は、ステップS606による判定結果が「正常」であるか否かを判断する(ステップS607)。
【0064】
ステップS607において、ステップS606による判定結果が「正常」であると判断された場合(ステップS607:Yes)、IC14は、ステップS603へ処理を戻す。
【0065】
一方、ステップS607において、ステップS606による判定結果が「正常」ではないと判断された場合(ステップS607:No)、判定部14Cが、ステップS605で測定された電位差Voutに基づいて、複数のメモリ基板20のうち、接続状態が「正常」でないメモリ基板20を判定する(ステップS608)。
【0066】
さらに、通知部14Dが、所定の通知方法(例えば、警告表示、警告音等)により、ユーザに対して警告を通知する(ステップS608)。このとき、通知部14Dは、ステップS608で判定された、接続状態が「正常」でないメモリ基板20をユーザに通知してもよい。
【0067】
その後、IC14は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0068】
(効果)
以上説明したように、一実施形態に係る検出機構10は、制御用基板12に設けられ、メモリ基板20が接続されるコネクタ12Aと、コネクタ12Aに接続されたプルダウン抵抗16Aと、プルダウン抵抗16Aの両端の電位差Voutを測定する測定部14Bと、測定部14Bによって測定された電位差Voutに基づいて、コネクタ12Aに対するメモリ基板20の接続状態を判定する判定部14Cと、プルダウン抵抗16Aに接続され、プルダウン抵抗16Aを流れる電流を遮断可能なスイッチ16Bと、スイッチ16Bを制御するスイッチ制御部14Aとを備える。
【0069】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、比較的簡素な構成でコネクタ12Aに対するメモリ基板20の接続状態を判定することができるうえ、電位差Voutの測定が不要なときには、スイッチ16Bを制御してプルダウン抵抗16Aを流れる電流を遮断することができる。したがって、一実施形態に係る検出機構10によれば、制御用基板12に接続されるメモリ基板20の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立可能に実現することができる。
【0070】
また、一実施形態に係る検出機構10は、複数のメモリ基板20が接続される複数のコネクタ12Aと、複数のコネクタ12Aの各々に接続されたプルダウン抵抗16Aとを備え、判定部14Cは、測定部14Bによって測定された電位差Voutに基づいて、複数のコネクタ12Aに対する複数のメモリ基板20の接続状態を判定する。
【0071】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、比較的簡素な構成で複数のコネクタ12Aに対する複数のメモリ基板20の接続状態を判定することができるうえ、電位差Voutの測定が不要なときには、スイッチ16Bを制御してプルダウン抵抗16Aを流れる電流を遮断することができる。したがって、一実施形態に係る検出機構10によれば、制御用基板12に接続される複数のメモリ基板20の接続状態の検知と、低消費電力化とを両立可能に実現することができる。
【0072】
また、一実施形態に係る検出機構10において、複数のメモリ基板20は、当該複数のメモリ基板20の間で互いに異なる抵抗値を有し、判定部14Cは、測定部14Bによって測定された電位差Voutに基づいて、コネクタ12Aに対する複数のメモリ基板20の接続状態を個別に判定する。
【0073】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、比較的簡素な構成で複数のコネクタ12Aに対する複数のメモリ基板20の接続状態を個別に判定することができる。
【0074】
また、一実施形態に係る検出機構10は、判定部14Cによる判定結果が正常ではない場合、ユーザに警告を通知する通知部14Dを備える。
【0075】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、ユーザに警告を通知することにより、メモリ基板20を正常に接続するように、ユーザに促すことができる。
【0076】
また、一実施形態に係る検出機構10において、スイッチ16Bは、トランジスタである。
【0077】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、スイッチ16Bを簡素且つ安価なスイッチ構成とすることができる。
【0078】
また、一実施形態に係る検出機構10において、スイッチ16Bは、FETである。
【0079】
これにより、一実施形態に係る検出機構10は、スイッチ16Bを簡素なスイッチ構成とすることができ、且つ、スイッチ16Bの電力消費量を抑制することができる。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
10 検出機構
12 制御用基板(基板)
12A,12A1~12An コネクタ
14 IC
14A スイッチ制御部
14B 測定部
14C 判定部
14D 通知部
16,16-2 監視回路
16A プルダウン抵抗(測定用抵抗)
16B スイッチ
16C 測定点
20-1~20-n メモリ基板(外部基板)
20A コネクタ(外部コネクタ)
CNT1 制御信号
GND グラウンド
Vout 電位差
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開平11-283456号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6