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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095025
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】発光素子および発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20230629BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230629BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/62
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210673
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】尺長 功一
【テーマコード(参考)】
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5F142AA12
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB03
5F142CD02
5F142CE04
5F142CE16
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142DA14
5F142DB30
5F241AA05
5F241CA04
5F241CA40
5F241CA92
5F241CA93
5F241CB11
5F241CB15
(57)【要約】
【課題】輝度ムラを低減しつつ実装が容易な発光素子およびそのような発光素子を含む発光装置を提供する。
【解決手段】発光素子は、第1半導体層、活性層および第2半導体層を含む半導体構造体と、絶縁膜と、第1電極と、第2電極と、複数の第1導電性部材と、複数の第2導電性部材と、を備える。前記第1半導体層の上面の複数の第1領域は、上面視において第1方向に並ぶ。前記第1電極の第1電極領域は、前記複数の第1領域を覆う複数の第1部分と、隣り合う前記第1部分の間に位置する第2部分と、を有し、前記第1部分は、前記第2部分よりも前記第1電極領域から前記第2電極に向かう方向に延出する第1延出部を有する。前記第2電極は、上面視において複数の前記第1延出部の形状にそれぞれが対応する複数の第1凹部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に、複数の第1領域と、上面視において前記複数の第1領域を囲む第2領域と、を含む第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の前記第2領域上に配置される活性層と、前記活性層上に配置される第2導電型の第2半導体層と、を含む半導体構造体と、
前記半導体構造体上に配置され、前記複数の第1領域が露出する複数の第1開口と、前記第2半導体層と上面視で重なる部分に位置する第2開口と、を有する絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1開口を介して前記複数の第1領域に電気的に接続される第1電極と、
前記絶縁膜上に配置され、前記第1電極から離隔し、前記第2半導体層に前記第2開口を介して電気的に接続される第2電極と、
前記第1電極上に配置される複数の第1導電性部材と、
前記第2電極上に配置される複数の第2導電性部材と、
を備え、
前記複数の第1領域は、上面視において第1方向に並び、
前記第1電極は、上面視において前記複数の第1領域を覆い、前記第1方向と直交する第2方向において前記第2電極と隣り合う第1電極領域を有し、
前記第1電極領域は、前記複数の第1領域を覆う複数の第1部分と、隣り合う前記第1部分の間に位置する第2部分と、を有し、
前記第1部分は、前記第2部分よりも前記第1電極領域から前記第2電極に向かう方向に延出する第1延出部を有し、
前記第2電極は、上面視において複数の前記第1延出部の形状にそれぞれが対応する複数の第1凹部を有し、
前記複数の第2導電性部材は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向において前記第1電極領域に最も近い第1端部を有し、
上面視において、前記複数の第1延出部は、前記複数の第2導電性部材の前記第1端部のうち、前記第1電極領域に最も近い第1端部を通る前記第1方向と平行な第1直線よりも前記第2部分側に位置する発光素子。
【請求項2】
上面視において、前記複数の第1凹部は、前記第1直線よりも前記第1電極領域側に位置する請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
上面視において、前記複数の第2導電性部材は、前記第2開口の内側に位置し、
上面視において、前記第2開口の外縁において前記複数の第2導電性部材と前記第1電極領域との間に位置する部分は、前記第1直線よりも前記第1電極領域側に位置する請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項4】
上面視において、前記第2開口は、前記複数の第2導電性部材と重ならない請求項1または2に記載の発光素子。
【請求項5】
上面視において、前記第2電極は、前記半導体構造体の前記第2方向における中心上に位置する請求項1~4のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項6】
前記第1半導体層は、上面視において前記活性層および前記第2半導体層から露出し、前記第1方向に並ぶ複数の第3領域をさらに有し、
前記絶縁膜は、前記複数の第3領域が露出する複数の第3開口をさらに有し、
前記第1電極は、前記複数の第3開口を介して前記複数の第3領域に電気的に接続され、
上面視において、前記第2電極は、前記第2方向において前記複数の第1領域と前記複数の第3領域との間に位置し、
前記第1電極は、上面視において前記複数の第3領域を覆い、前記第2電極と隣り合う第2電極領域を有し、
前記第2電極領域は、前記複数の第3領域を覆う複数の第3部分と、隣り合う前記第3部分の間に位置する第4部分と、を有し、
前記第3部分は、前記第4部分よりも、前記第2電極領域から前記第2電極に向かう方向に延出する第2延出部を有し、
前記第2電極は、上面視において複数の前記第2延出部の形状にそれぞれが対応する複数の第2凹部を有し、
前記複数の第2導電性部材は、それぞれが前記第2方向において前記第2電極領域に最も近い第2端部を有し、
上面視において、前記複数の第2延出部は、前記複数の第2導電性部材の前記第2端部のうち、前記第2電極領域に最も近い第2端部を通る前記第1方向と平行な第2直線よりも前記第4部分側に位置する請求項1~5のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項7】
上面視において、前記第2電極の前記複数の第2凹部は、前記第2直線よりも前記第2電極領域側に位置する請求項6に記載の発光素子。
【請求項8】
前記第1半導体層の前記上面は、前記活性層および前記第2半導体層から露出し、上面視において前記第2半導体層の外周よりも外側に位置する外周領域および前記外周領域から内側に延出する複数の第4領域をさらに有し、
前記絶縁膜は、前記複数の第4領域が露出する複数の第4開口を有し、
前記第1電極は、前記複数の第4開口を介して、前記複数の第4領域に電気的に接続される請求項1~7のいずれか1つに記載の発光素子。
【請求項9】
上面視において、前記第1電極の外縁は、前記複数の第4開口の外側に位置し、
上面視において、各前記第4開口の外縁のうち前記第1電極の外縁と隣り合う部分は、前記第1電極の外縁に平行に延びる、請求項8に記載の発光素子。
【請求項10】
前記第1電極の外周部は、前記複数の第4領域を覆う複数の第5部分と、隣り合う前記第5部分の間に位置する第6部分と、を有し、
上面視において、前記第6部分は、前記第1半導体層の前記外周領域の内側に位置する、請求項8に記載の発光素子。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つに記載の発光素子と、
前記複数の第1導電性部材に電気的に接続される第1配線と、前記第1配線から離隔し、前記複数の第2導電性部材に電気的に接続される第2配線と、を含む基板と、
を備える発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光素子および発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子の第1電極および第2電極を、それぞれバンプにより基板の配線に電気的に接続した発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-239471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、輝度ムラを低減しつつ実装が容易な発光素子およびそのような発光素子を含む発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る発光素子は、上面に、複数の第1領域と、上面視において前記複数の第1領域を囲む第2領域と、を含む第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層の前記第2領域上に配置される活性層と、前記活性層上に配置される第2導電型の第2半導体層と、を含む半導体構造体と、前記半導体構造体上に配置され、前記複数の第1領域が露出する複数の第1開口と、前記第2半導体層と上面視で重なる部分に位置する第2開口と、を有する絶縁膜と、前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1開口を介して前記複数の第1領域に電気的に接続される第1電極と、前記絶縁膜上に配置され、前記第1電極から離隔し、前記第2半導体層に前記第2開口を介して電気的に接続される第2電極と、前記第1電極上に配置される複数の第1導電性部材と、前記第2電極上に配置される複数の第2導電性部材と、を備える。前記複数の第1領域は、上面視において第1方向に並ぶ。前記第1電極は、上面視において前記複数の第1領域を覆い、前記第1方向と直交する第2方向において前記第2電極と隣り合う第1電極領域を有する。前記第1電極領域は、前記複数の第1領域を覆う複数の第1部分と、隣り合う前記第1部分の間に位置する第2部分と、を有し、前記第1部分は、前記第2部分よりも前記第1電極領域から前記第2電極に向かう方向に延出する第1延出部を有する。前記第2電極は、上面視において複数の前記第1延出部の形状にそれぞれが対応する複数の第1凹部を有する。前記複数の第2導電性部材は、前記第1方向に並び、それぞれが前記第2方向において前記第1電極領域に最も近い第1端部を有する。上面視において、前記複数の第1延出部は、前記複数の第2導電性部材の前記第1端部のうち、前記第1電極領域に最も近い第1端部を通る前記第1方向と平行な第1直線よりも前記第2部分側に位置する。
【0006】
実施形態に係る発光装置は、上記の発光素子と、前記複数の第1導電性部材に電気的に接続される第1配線と、前記第1配線から離隔し、前記複数の第2導電性部材に電気的に接続される第2配線と、を含む基板と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、輝度ムラを低減しつつ実装が容易な発光素子およびそのような発光素子を含む発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図4】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図5】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図6】第1の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図7】第1の実施形態に係る発光装置を示す断面図である。
図8】第1の実施形態に係る発光装置を示す上面図である。
図9図8のIX-IX線における断面図である。
図10】第2の実施形態に係る発光素子の一部を拡大して示す上面図である。
図11】第3の実施形態に係る発光素子の一部を拡大して示す上面図である。
図12】第4の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図13】第5の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図14】第5の実施形態に係る発光素子を示す上面図である。
図15】第5の実施形態に係る発光装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。更に、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
また、以下では、説明をわかりやすくするために、XYZ直交座標系を用いて、各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交する。またX軸が延びる方向を「X方向」とし、Y軸が延びる方向を「Y方向」とし、Z軸が延びる方向を「Z方向」とする。また、説明をわかりやすくするために、Z方向を上方、その逆方向を下方とする場合があるが、これらの方向は、重力方向とは無関係である。また、上方から対象部材を見ること、または、対象部材を適宜透過させて見ることを「上面視」という。また、X方向のうち、矢印の方向を「+X方向」といい、その逆方向を「-X方向」という。また、Y方向のうち、矢印の方向を「+Y方向」といい、その逆方向を「-Y方向」という。
【0011】
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る発光素子11を示す上面図である。
図2は、図1のII-II線における断面図である。
本実施形態に係る発光素子11は、図1および図2に示すように、支持基板110と、半導体構造体120と、絶縁膜140と、第1電極150と、第2電極160と、複数の第1導電性部材171と、複数の第2導電性部材172と、を備える。発光素子11は、第3電極130をさらに備える。以下、発光素子11の各部材について詳述する。
【0012】
支持基板110は、半導体構造体120を支持する部材である。また、支持基板110は、例えば、半導体構造体120をエピタキシャル成長させるための部材である。また、支持基板110は、半導体構造体120からの光に対して透光性を有する部材であることが好ましく、例えば、サファイア等が挙げられる。ただし、支持基板110の材料は、上記に限定されない。例えば、支持基板110の材料としては、スピネル(MgAl)、炭化ケイ素(SiC)、シリコン(Si)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、砒化ガリウム(GaAs)、ダイヤモンド、ニオブ酸リチウム、またはガリウム酸ネオジウム等を用いることができる。
【0013】
支持基板110の表面は、下面110aと、下面110aの反対側に位置する上面110bと、を含む。図2に示すように、支持基板110の下面110aから上面110bに向かう方向をZ方向とする。下面110aは、XY平面に概ね平行である。上面110bは、XY平面に概ね平行な表面111と、表面111から+Z方向に突出する複数の凸部112と、を有する。ただし、支持基板の上面および下面の形状は、上記に限定されない。例えば、支持基板の上面は、XY平面に概ね平行な表面のみであってもよい。
【0014】
図1に示すように、支持基板110の上面視形状は、例えば矩形である。上面視において、支持基板110の外縁を構成する4辺のうちの2辺はX方向に概ね平行であり、残りの2辺はY方向に概ね平行である。ただし、支持基板の上面視形状は上記に限定されず、例えば、六角形などの多角形でもよい。
【0015】
支持基板110の上面110bには、図2に示すように、半導体構造体120が配置される。半導体構造体120には、例えば、窒化物半導体を用いることができる。ここで、「窒化物半導体」とは、窒素を含む半導体であって、典型的には、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)なる化学式において組成比xおよびyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものである。
【0016】
半導体構造体120は、支持基板110上に配置された第1導電型の第1半導体層121と、第1半導体層121上に配置された活性層122と、活性層122上に配置された第2導電型の第2半導体層123と、を有する。
【0017】
図3は、本実施形態に係る発光素子11の支持基板110および半導体構造体120を示す上面図である。
なお、図3では、説明をわかりやすくするため、上面視において、活性層122および第2半導体層123が配置された領域をハッチングで示す。
【0018】
第1半導体層121は、例えばn型の半導体層を含む。第1半導体層121は、支持基板110の上面の概ね全域を覆う。したがって本実施形態においては、第1半導体層121の上面視形状は、支持基板110の上面視形状と概ね同じである。ただし、支持基板の上面の外周領域は第1半導体層121から露出してもよい。
【0019】
活性層122は、第1半導体層121上に位置する。活性層122は、第1半導体層121の上面を部分的に覆う。
【0020】
第2半導体層123は、例えばp型の半導体層を含む。第2半導体層123は、活性層122上に位置する。第2半導体層123は、本実施形態では活性層122の上面の概ね全域を覆う。したがって、第2半導体層123の上面視形状は、活性層122の上面視形状と概ね同じである。
【0021】
第1半導体層121の上面121aは、複数の第1領域121s1と、第2領域121s2と、複数の第3領域121s3と、複数の第4領域121s4と、複数の第5領域121s5と、複数の第6領域121s6と、外周領域121s7と、を含む。第2領域121s2は、上面121aのうち、活性層122および第2半導体層123に覆われる領域である。複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第5領域121s5、および複数の第6領域121s6は、上面121aのうち、第2領域121s2の外縁の内側に位置し、かつ、活性層122および第2半導体層123から露出する領域である。複数の第4領域121s4および外周領域121s7は、上面121aのうち、第2領域121s2の外側に位置し、かつ、活性層122および第2半導体層123から露出する領域である。
【0022】
各第1領域121s1、各第3領域121s3、各第5領域121s5、および各第6領域121s6の上面視形状は、例えば概ね同じ形状であって、略円形である。ただし、第1領域、第3領域、第5領域、および第6領域の上面視形状は、相互に異なっていてもよい。また、第1領域、第3領域、第5領域、および第6領域の上面視形状は、楕円形、多角形、または角部を丸めた多角形等の他の形状であってもよい。
【0023】
上面視において、複数の第1領域121s1は、半導体構造体120の中心Cを通り、X方向に平行な直線CXよりも+Y側に位置する。複数の第1領域121s1は、XY平面に沿う第1方向D1に略等間隔に一列に並ぶ。以下、上面視において第1方向D1と直交する方向を第2方向D2とする。本実施形態では、第1方向D1はX方向と一致し、第2方向D2は、Y方向と一致する。ただし、第1方向は、X方向と異なり、第2方向はY方向と異なってもよい。図3に示す例においては、第1領域121s1の数は5個である。
【0024】
上面視において複数の第3領域121s3は、直線CXよりも-Y側に位置する。複数の第3領域121s3は、第1方向D1に略等間隔に一列に並ぶ。図3に示す例においては、第3領域121s3の数は5個である。複数の第3領域121s3は、直線CXを基準として、複数の第1領域121s1と概ね対称に配置される。
【0025】
上面視において、複数の第5領域121s5は、複数の第1領域121s1よりも+Y側に位置する。複数の第5領域121s5は、第1方向D1に略等間隔に一列に並ぶ。複数の第5領域121s5は、複数の列をなすように配置されてもよい。図3に示す例においては、第5領域121s5の数は5個である。また、各第5領域121s5は、各第1領域121s1と第2方向D2に並ぶように配置される。
【0026】
上面視において、複数の第6領域121s6は、複数の第3領域121s3よりも-Y側に位置する。複数の第6領域121s6は、第1方向D1に略等間隔に一列に並ぶ。複数の第6領域121s6は、複数の列をなすように配置されてもよい。図3に示す例においては、第6領域121s6の数は5個である。また、各第6領域121s6は、各第3領域121s3と第2方向D2に並ぶように配置される。複数の第6領域121s6は、直線CXを基準として、複数の第5領域121s5と概ね対称に配置される。
【0027】
したがって図3に示す例においては、+Y方向に、1個の第6領域121s6、1個の第3領域121s3、1個の第1領域121s1、および1個の第5領域121s5が、この順で一列に並ぶ。そしてこのような複数の領域を含む列が、X方向に5個並ぶ。Y方向において隣り合う第1領域121s1の中心と第3領域121s3の中心との距離L1は、Y方向において隣り合う第1領域121s1の中心と第5領域121s5の中心との距離L2よりも長い。距離L1は、Y方向において隣り合う第3領域121s3の中心と第6領域121s6の中心との距離L3よりも長い。ただし、第1領域、第3領域、第5領域、および第6領域の数、位置、および各領域同士の距離は、上記に限定されない。
【0028】
外周領域121s7は、上面121aの外縁を含む枠状の領域である。外周領域121s7の外縁の形状は、上面121aの外縁の形状と同様に略矩形であり、外周領域121s7の内縁の形状は、例えば上面121aの外縁の形状と相似であり、略矩形である。具体的には、外周領域121s7は、Y方向に延び、最も-X側に位置する第1延伸部124aと、Y方向に延び、最も+X側に位置する第2延伸部124bと、X方向に延び、最も+Y側に位置する第3延伸部124cと、X方向に延び、最も-Y側に位置する第4延伸部124dと、を含む。第3延伸部124cは、第1延伸部124aの+Y方向の端部と第2延伸部124bの+Y方向の端部との間に位置している。第3延伸部124cの-X方向の端部は、第1延伸部124aの+Y方向の端部に連なり、第3延伸部124cの+X方向の端部は、第2延伸部124bの+Y方向の端部に連なる。第4延伸部124dは、第1延伸部124aの-Y方向の端部と第2延伸部124bの-Y方向の端部との間に位置している。第4延伸部124dの-X方向の端部は、第1延伸部124aの-Y方向の端部に連なり、第4延伸部124dの+X方向の端部は、第2延伸部124bの-Y方向の端部に連なる。
【0029】
第4領域121s4は、外周領域121s7から内側に延出する。なお、図3では、外周領域121s7と各第4領域121s4との境界を2点鎖線で示す。具体的には、第2領域121s2の-X側において、4個の第4領域121s4が、第1延伸部124aのY方向における各位置から+X方向に延出する。また、第2領域121s2の+X側において、4個の第4領域121s4が、第2延伸部124bのY方向における各位置から-X方向に延出する。また、第2領域121s2の+Y側において、5個の第4領域121s4が、第3延伸部124cのX方向における各位置から-Y方向に延出する。また、第2領域121s2の-Y側において、5個の第4領域121s4が、第4延伸部124dのX方向における各位置から+Y方向に延出する。また、4個の第4領域121s4が、外周領域121s7の4つの角部からX方向およびY方向と交差する対角方向に延出する。
【0030】
第1延伸部124aから延出する各第4領域121s4と、第2延伸部124bから延出する各第4領域121s4は、複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第5領域121s5、および複数の第6領域121s6のうちのいずれかとともにX方向に一列に並ぶように配置される。また、第3延伸部124cから延出する各第4領域121s4と、第4延伸部124dから延出する各第4領域121s4は、複数の第5領域121s5のうちのいずれか1つ、複数の第1領域121s1のうちのいずれか1つ、複数の第3領域121s3のうちのいずれか1つ、および複数の第6領域121s6のうちのいずれか1つとともにY方向に一列に並ぶように配置される。
【0031】
上面視において、第2領域121s2は、各第1領域121s1、各第3領域121s3、各第5領域121s5、および各第6領域121s6を囲む。第2領域121s2の外周部は、複数の第4領域121s4に対応する複数の凹部125を有している。
【0032】
複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第4領域121s4、複数の第5領域121s5、複数の第6領域121s6、および外周領域121s7は、図2に示すように、第2領域121s2よりも下方に位置する。複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第4領域121s4、複数の第5領域121s5、複数の第6領域121s6、および外周領域121s7は、例えば、第1半導体層121の上面の略全域に活性層122および第2半導体層123を形成した後、第1半導体層121の一部、活性層122の一部、及び第2半導体層123の一部を除去することによって形成される。ただし、第1半導体層において活性層および第2半導体層から露出領域の数および位置は、上記に限定されない。
【0033】
図4は、本実施形態に係る発光素子11の支持基板110、半導体構造体120、および第3電極130を示す上面図である。
なお、図4では、説明をわかりやすくするため、第3電極130が配置される領域をハッチングで示す。
第2半導体層123上には、第3電極130が配置される。
【0034】
第3電極130は、金属等の導電性材料からなる。第3電極130は、活性層122から発せられる光に対して高い光反射性を有する光反射性電極であることが好ましい。第3電極130に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、またはルテニウム(Ru)等が挙げられる。第3電極130は、これらの金属のうちの1種からなってもよいし、これらの金属を積層した構造であってもよいし、これらの金属を含む合金からなってもよい。
【0035】
第3電極130は、第2半導体層123に接することにより、第2半導体層123に電気的に接続される。上面視において、第3電極130の面積は、例えば、第2半導体層123の面積よりも小さく、第2半導体層123の外縁の内側に位置する。第3電極130の外縁の上面視形状は、第2半導体層123の外縁の上面視形状と概ね相似である。すなわち、第3電極130の外縁は、複数の凹部125に対応する複数の凹部131を有している。ただし、第3電極は、第2半導体層の上面の概ね全域を覆ってもよい。
【0036】
第3電極130は、複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第5領域121s5、および複数の第6領域121s6が露出する複数の開口132を有している。上面視において、各開口132の面積は、対応する領域121s1、121s3、121s5、121s6の面積よりも大きい。上面視において、第2半導体層123において各第1領域121s1、各第3領域121s3、各第5領域121s5、および各第6領域121s6の周囲に位置する部分は、各開口132内において、第3電極130から露出する。各開口132の上面視形状は、第1半導体層121の対応する領域121s1、121s3、121s5、121s6の上面視形状と概ね相似である。ただし、第3電極の各開口の上面視形状は、第1半導体層の対応する領域の上面視形状と相似でなくてもよい。
【0037】
図5は、本実施形態に係る発光素子11の支持基板110、半導体構造体120、第3電極130、および絶縁膜140を示す上面図である。
なお、図5では、説明をわかりやすくするため、絶縁膜140が配置される領域をハッチングで示す。
半導体構造体120および第3電極130上には、絶縁膜140が配置される。
【0038】
絶縁膜140は、絶縁性材料からなる。絶縁膜140に用いられる絶縁性材料としては、例えば、シリコン酸化物(SiO)またはシリコン窒化物(SiN)等が挙げられる。
【0039】
上面視において、絶縁膜140の外縁は、第1半導体層121の外縁の内側であって、複数の第4領域121s4の外側に位置する。上面視における絶縁膜140の外縁の形状は、角部を丸めた略矩形である。ただし、上面視において、絶縁膜の外縁は第1半導体層の外縁と一致していてもよい。絶縁膜140には、複数の第1開口141と、1個の第2開口142と、複数の第3開口143と、複数の第4開口144と、複数の第5開口145と、複数の第6開口146と、が配置される。
【0040】
各第1開口141において、各第1領域121s1が露出する。上面視において、各第1開口141の面積は、各第1領域121s1の面積よりも小さい。各第1開口141の上面視形状は、各第1領域121s1の上面視形状と概ね相似である。同様に、各第3開口143において、各第3領域121s3が露出する。上面視において、各第3開口143の面積は、各第3領域121s3の面積よりも小さい。各第3開口143の上面視形状は、各第3領域121s3の上面視形状と概ね相似である。
【0041】
同様に各第5開口145において、各第5領域121s5が露出する。上面視において、各第5開口145の面積は、各第5領域121s5の面積よりも小さい。各第5開口145の上面視形状は、各第5領域121s5の上面視形状と概ね相似である。同様に各第6開口146において、各第6領域121s6が露出する。上面視において、各第6開口146の面積は、各第6領域121s6の面積よりも小さい。各第6開口146の上面視形状は、各第6領域121s6の上面視形状と概ね相似である。ただし、第1開口の上面視形状は、第1領域の上面視形状と相似でなくてもよい。第3開口、第5開口、および第6開口の上面視形状についても同様に第1半導体層の対応する領域の上面視形状と相似でなくてもよい。
【0042】
各第4開口144において、各第4領域121s4が露出する。各第4開口144の上面視形状は、第1開口141、第3開口143、第5開口145、および第6開口146の上面視形状と概ね同じであり、略円形である。ただし、各第4開口の上面視形状は、第1開口、第3開口、第5開口、および第6開口の上面視形状と異なっていてもよい。
【0043】
上面視において、第2領域121s2のうち、互いに最も近い2つの第4領域121s4の間に位置する部分126と第1半導体層121の外縁との距離は、部分126に最も近い第4開口144と第1半導体層121の外縁との距離と概ね同じである。ただし、第2領域の外縁と絶縁膜の第4開口との位置関係は上記に限定されない。
【0044】
第2開口142は、上面視で第2半導体層123と重なる。本実施形態では、上面視において第2開口142は、複数の第1領域121s1と複数の第3領域121s3との間の位置であって、半導体構造体120の中心C上に位置する。このため、活性層122における電流密度分布のばらつきを低減できる。第2開口142において、第3電極130の一部が露出する。ただし、第2開口の位置は、上記に限定されない。
【0045】
絶縁膜140は、第1半導体層121の上面121aにおいて活性層122および第2半導体層123から露出する領域のうち、外周領域121s7の一部、各第1領域121s1の外周部、各第3領域121s3の外周部、各第4領域121s4の外周部、各第5領域121s5の外周部、および各第6領域121s6の外周部を覆う。また、絶縁膜140は、第3電極130の上面のうち第2開口142の直下に位置する部分以外の部分、第3電極130の側面、活性層122の側面、第2半導体層123の側面、および第2半導体層123の上面において第3電極130から露出する部分を覆う。
【0046】
図6は、本実施形態に係る発光素子11の支持基板110、半導体構造体120、第3電極130、絶縁膜140、第1電極150、および第2電極160を示す上面図である。
なお、図6では、説明をわかりやすくするため、第1電極150および第2電極160が配置される領域を相互に異なるハッチングで示す。
絶縁膜140上には、第1電極150および第2電極160が配置される。
【0047】
第1電極150は、金属等の導電性材料からなる。第1電極150に用いられる金属としては、例えば、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)またはチタン(Ti)等の活性層122から発せられる光に対して高い光反射性を有する金属が挙げられる。第1電極150は、これらの金属のうちの1種からなってもよいし、これらの金属を積層した構造であってもよいし、これらの金属を含む合金からなってもよい。
【0048】
第1電極150は、第1半導体層121および絶縁膜140上に配置され、各開口141、143、144、145、146を介して第1半導体層121に電気的に接続される。本明細書において「電極が半導体層に電気的に接続される」とは、電極が半導体層に接することにより電気的に接続される場合だけでなく、電極が導電性部材を介して半導体層に電気的に接続される場合を含む。
【0049】
本実施形態では、上面視において、第1電極150の外縁は、絶縁膜140の外縁の内側であって、複数の第4領域121s4の外側に位置する。第1電極150の外縁の上面視形状は、絶縁膜140の外縁の上面視形状と概ね相似である。ただし、第1電極の外縁の上面視形状は、絶縁膜の外縁の上面視形状と相似でなくてもよい。
【0050】
また、第1電極150は、複数の第1領域121s1、複数の第3領域121s3、複数の第4領域121s4、複数の第5領域121s5、および複数の第6領域121s6を連続して覆う。第1電極150は、絶縁膜140の各第1開口141内に配置され、各第1領域121s1に接する。同様に、第1電極150は、絶縁膜140の各第3開口143内に配置され、各第3領域121s3に接する。同様に、第1電極150は、絶縁膜140の各第4開口144内に配置され、各第4領域121s4に接する。同様に、第1電極150は、絶縁膜140の各第5開口145内に配置され、各第5領域121s5に接する。同様に、第1電極150は、絶縁膜140の各第6開口146内に配置され、各第6領域121s6に接する。ただし、第1電極は第1半導体層に接することにより電気的に接続されるのではなく、導電性部材を介して電気的に接続されてもよい。
【0051】
第1電極150が、複数の第4開口144を介して、複数の第4領域121s4に電気的に接続されることによって、活性層122の外周領域にもキャリアが供給され易くなる。そのため、活性層122の電流密度分布のばらつきをより一層低減できる。
【0052】
第1電極150には、絶縁膜140の第2開口142が露出する貫通穴150hが配置されている。上面視において、貫通穴150hは、複数の第1領域121s1と複数の第3領域121s3との間に位置する。上面視において、貫通穴150hの面積は、第2開口142の面積よりも大きい。
【0053】
貫通穴150h内には、第1電極150から離隔するように第2電極160が配置される。第2電極160には、第1電極150と同様の材料を用いることができる。第2電極160は、絶縁膜140上に配置され、第2開口142を介して第2半導体層123に電気的に接続される。上面視において、第2電極160の面積は、貫通穴150hの面積よりも小さく、第2開口142の面積よりも大きい。そのため、第2電極160において第2開口142の周囲に位置する部分は、絶縁膜140上に位置する。第2電極160の一部は、第2開口142内に配置され、第3電極130に接する。これにより、第2電極160は、第2半導体層123に電気的に接続される。ただし、発光素子に第3電極は配置されていなくてもよい。この場合、第2電極は第2半導体層に第3電極等の導電性部材を介して電気的に接続されるのではなく、第2半導体層に接することにより電気的に接続されてもよい。
【0054】
第1電極150は、貫通穴150hの+Y側に位置する第1電極領域151と、貫通穴150hの-Y側に位置する第2電極領域152と、X方向において貫通穴150hに隣り合って配置される2つの第3電極領域153と、を有する。貫通穴150hは、2つの第3電極領域153の間に位置する。
【0055】
第1電極領域151は、上面視において少なくとも複数の第1領域121s1を覆い、第2方向D2において第2電極160と隣り合う。本実施形態では、第1電極領域151は、複数の第5領域121s5と、22個の第4領域121s4のうち、上面視において直線CXよりも+Y側に位置する11個の第4領域121s4と、をさらに覆う。
【0056】
第1電極領域151は、複数の第1領域121s1を覆う複数の第1部分151aと、隣り合う第1部分151aの間に位置する複数の第2部分151bと、を有する。各第1部分151aは、第2部分151bよりも第1電極領域151から第2電極160に向かう方向、すなわち-Y方向に延出する第1延出部151cを有する。各第2部分151bの外縁は、例えば第1方向D1に概ね平行に延びる。各第1延出部151cの外縁の上面視形状は、例えば各第1領域121s1に対応する形状であり、略円弧状である。
【0057】
第2電極領域152は、上面視において少なくとも複数の第3領域121s3を覆い、第2方向D2において第2電極160と隣り合う。本実施形態では、第2電極領域152は、複数の第6領域121s6と、22個の第4領域121s4のうち、上面視において直線CXよりも-Y側に位置する11個の第4領域121s4と、をさらに覆う。
【0058】
第2電極領域152は、複数の第3領域121s3を覆う複数の第3部分152aと、隣り合う第3部分152aの間に位置する複数の第4部分152bと、を有する。各第3部分152aは、第4部分152bよりも第2電極領域152から第2電極160に向かう方向、すなわち+Y方向に延出する第2延出部152cを有する。各第4部分152bの外縁は、例えば第1方向D1に概ね平行に延びる。各第2延出部152cの外縁の上面視形状は、例えば各第3領域121s3に対応する形状であり、略円弧状である。
【0059】
2つの第3電極領域153のうちの一方は、第1電極領域151の-X方向における端部と第2電極領域152の-X方向における端部との間に位置し、第1電極領域151の-X方向における端部と第2電極領域152の-X方向における端部に連なる。2つの第3電極領域153のうちの他方は、第1電極領域151の+X方向における端部と第2電極領域152の+X方向における端部との間に位置し、第1電極領域151の+X方向における端部と第2電極領域152の+X方向における端部に連なる。各第3電極領域153は、第2方向D2に概ね平行に延びる。
【0060】
第1電極150の貫通穴150hは、第1電極領域151、第2電極領域152、および2つの第3電極領域153に囲まれた領域であり、第1電極領域151、第2電極領域152、および2つの第3電極領域153に対応した形状を有する。
【0061】
第2電極160の上面視形状は、本実施形態では、貫通穴150hの上面視形状と概ね相似である。
【0062】
第2電極160は、複数の第1延出部151cに応じた複数の第1凹部161を有している。各第1凹部161の上面視形状は、第1延出部151cの上面視形状に対応しており、例えば略円弧状である。
【0063】
第1半導体層121において第2電極160の直下に位置する部分には、第1電極150と接する領域を配置することが難しい。本実施形態の発光素子11においては、第1半導体層121において第1電極150と接する複数の第1領域121s1を上面視において第2電極160に近づけることができる。これにより、活性層122において第2電極160の直下に位置する部分にキャリアが供給され易くなる。そのため、活性層122の電流密度分布がばらつくことを低減できる。その結果、発光素子11に輝度ムラが生じることを低減できる。
【0064】
第2電極160は、複数の第2延出部152cに応じた複数の第2凹部162を有している。各第2凹部162の上面視形状は、第2延出部152cの上面視形状に対応しており、例えば略円弧状である。
【0065】
そのため、発光素子11の輝度ムラをより一層低減しつつ、第2電極160上に複数の第2導電性部材172を配置するスペースを確保できる。また、発光素子11を基板12に実装する際に、第2導電性部材172が第2電極160上からはみ出して第1電極150に接触することを低減できる。
【0066】
絶縁膜140の第2開口142の上面視形状は、本実施形態では、貫通穴150hの上面視形状と概ね相似である。したがって、第2開口142には、複数の第1延出部151cに応じた複数の第1凹部142aと、複数の第2延出部152cに応じた複数の第2凹部142bと、が配置される。ただし、第2開口の上面視形状は、第1電極の貫通穴および第2電極の上面視形状と相似でなくてもよい。
【0067】
複数の第1導電性部材171は、図1および図2に示すように、第1電極150上に配置される。上面視における各第1導電性部材171の上面視形状は、例えば略楕円形である。ただし、第1導電性部材の上面視形状は、上記に限定されない。例えば、第1導電性部材の上面視形状は、円形、角丸長方形、または角部を丸めた多角形等であってもよい。各第1導電性部材171は、例えば、めっき法等によって形成することができる。各第1導電性部材171には、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、またはこれらの合金を用いることができる。
【0068】
図1に示す例では、第1導電性部材171の数は、24個である。複数の第1導電性部材171は、図1に示す例では、上面視において第3電極130の各開口132と重ならないように配置される。具体的には、24個の第1導電性部材171のうちの6個は、上面視において、最も+Y側に位置する第4領域121s4の中心を通りX方向に延びる直線と、第5領域121s5の中心を通りX方向に延びる直線と、の間に位置する。これらの6個の第1導電性部材171は、X方向に並ぶ。
【0069】
また、24個の第1導電性部材のうちの他の6個は、上面視において、第5領域121s5の中心を通りX方向に延びる直線と、第1領域121s1の中心を通りX方向に延びる直線と、の間に位置する。これの6個の第1導電性部材171は、X方向に並ぶ。
【0070】
また、24個の第1導電性部材のうちの他の6個は、上面視において、第3領域121s3の中心を通りX方向に延びる直線と、第6領域121s6の中心を通り、X方向に延びる直線と、の間に位置する。これらの6個の第1導電性部材171は、X方向に並ぶ。
【0071】
また、24個の第1導電性部材のうちの残りの6個は、上面視において、第6領域121s6の中心を通りX方向に延びる直線と、最も-Y側に位置する第4領域121s4の中心を通りX方向に延びる直線と、の間に位置する。これらの6個の第1導電性部材171は、X方向に並ぶ。
【0072】
図1に示す例では、隣り合う第1導電性部材171同士は離隔している。ただし、隣り合う第1導電性部材同士は接してもよい。また、第1導電性部材の数および位置は、上記に限定されない。
【0073】
複数の第2導電性部材172は、第2電極160上に配置される。上面視における各第2導電性部材172の上面視形状は、例えば略楕円形である。ただし、第2導電性部材の上面視形状は、上記に限定されない。例えば、第2導電性部材の上面視形状は、円形、長円形、または角部を丸めた多角形等であってもよい。各第2導電性部材172は、例えば、めっき法等によって形成することができる。各第2導電性部材172には、第1導電性部材171の材料と同様の材料を用いることができる。
【0074】
図1に示す例では、第2導電性部材172の数は、6個である。ただし、第2導電性部材の数は、上記に限定されない。6個の第2導電性部材172は、第1方向D1に一列に並ぶ。各第2導電性部材172の中心は、上面視において概ね直線CX上に位置する。図1に示す例では、X方向に隣り合う第2導電性部材172同士は接している。ただし、X方向に隣り合う第2導電性部材同士は離隔してもよい。
【0075】
各第2導電性部材172は、第2方向D2において第1電極領域151に最も近い第1端部172t1と、第2方向D2において第2電極領域152に最も近い第2端部172t2と、を有する。
【0076】
上面視において、複数の第1延出部151cは、複数の第1端部172t1のうち、第1電極領域151に最も近い第1端部172t1を通り、第1方向D1と平行な第1直線Ld1よりも第2部分151b側、すなわち+Y側に位置する。そのため、発光素子11の輝度ムラを低減しつつ、複数の第2導電性部材172を配置するスペースを確保できる。これにより、発光素子11を基板12に実装することが容易になる。また、第2導電性部材172を基板12の第2配線12cに接続する際に、第2導電性部材172が半導体構造体120と基板12の間でつぶれて変形する場合がある。このような場合に、第2導電性部材172が、第2電極160上からはみ出して第1電極150に接することを低減できる。そのため、発光素子11を基板12に実装する際の歩留まりを向上できる。本実施形態では、全ての第1端部172t1が、上面視において第1直線Ld1上に位置する。ただし、全ての第1端部が上面視において第1直線上に位置しなくてもよい。
【0077】
同様に、上面視において、複数の第2延出部152cは、複数の第2端部172t2のうち、第2電極領域152に最も近い第2端部172t2を通り、第1方向D1と平行な第2直線Ld2よりも第4部分152b側、すなわち-Y側に位置する。本実施形態では、全ての第2端部172t2が、上面視において第2直線Ld2上に位置する。ただし、全ての第2端部が上面視において第2直線上に位置しなくてもよい。
【0078】
また、上面視において第2電極160の複数の第1凹部161は、第1直線Ld1よりも第2部分151b側、すなわち+Y側に位置する。これにより、第2電極160上に複数の第2導電性部材172を配置するスペースを確保できる。また、発光素子11を基板12に実装する際に、第2導電性部材172が第2電極160上からはみ出して第1電極150に接することを低減できる。また、上面視において、複数の第2凹部162は、第2直線Ld2よりも第4部分152b側、すなわち-Y側に位置する。これにより、第2電極160上に複数の第2導電性部材172を配置するスペースを確保できる。また、発光素子11を基板12に実装する際に、第2導電性部材172が第2電極160上からはみ出して第1電極150に接触することを低減できる。ただし、複数の第1凹部と第1直線との位置関係、および複数の第2凹部と第2直線との位置関係は、上記に限定されない。
【0079】
また、上面視において、複数の第2導電性部材172は、第2開口142の内側に位置する。上面視において、第2開口142の外縁のうち複数の第2導電性部材172と第1電極領域151との間に位置する部分は、第1直線Ld1よりも第1電極領域151側に位置する。これにより、第2開口142の面積を広げつつ、第2導電性部材172が上面視で第2開口142から絶縁膜140上に跨って配置されることを低減できる。よって、第2導電性部材172の上面の高さがばらつくことを低減できる。上面視において、第2開口142の外縁のうち複数の第2導電性部材172と第2電極領域152との間に位置する部分は、第2直線Ld2よりも第2電極領域152側に位置する。ただし、第2開口の外縁の位置は、上記に限定されない。
【0080】
第1導電性部材171の中心と第2導電性部材172の中心との距離L3は、Y方向において隣り合う2つの第1導電性部材171の中心同士の距離L4よりも長い。ただし、これらの距離の大小関係は、上記に限定されない。
【0081】
次に、本実施形態に係る発光装置10について説明する。
図7は、本実施形態に係る発光装置10を示す断面図である。
図8は、本実施形態に係る発光装置10の発光素子11および基板12を示す上面図である。
図9は、図8のIX-IX線における断面図である。
発光装置10は、発光素子11および基板12を備える。なお、図7では、発光素子11において第1導電性部材171以外の部分を簡易的にまとめて四角形で示す。本実施形態では、発光装置10は、波長変換部材13と、保護素子14と、光反射性部材15と、をさらに備える。
【0082】
基板12は、図8および図9に示すように、絶縁部材12aと、複数の第1導電性部材171に電気的に接続される第1配線12bと、第1配線12bから離隔し、複数の第2導電性部材172に電気的に接続される第2配線12cと、を含む。第1配線12bおよび第2配線12cは、絶縁部材12a上に配置される。
【0083】
発光素子11は、基板12にフリップチップ実装される。具体的には、発光素子11は、複数の第1導電性部材171が第1配線12bと対向し、かつ、複数の第2導電性部材172が第2配線12cと対向するように配置される。各第1導電性部材171は、第1配線12bに接することにより、第1配線12bに電気的に接続される。同様に、各第2導電性部材172は、第2配線12cに接することにより、第2配線12cに電気的に接続される。第1配線12bおよび第2配線12cを介して発光素子11に給電することで、半導体構造体120における活性層122が発光する。第1配線12bは、X方向に延び、第1電極領域151と対向する第1延伸部と、X方向に延び、第2電極領域152と対向する第2延伸部と、第1延伸部の-X方向における端部と第2延伸部の-X方向における端部との間に位置し、これらに接続される接続部と、を有する。第2配線12cは、第1配線の第1延伸部と第2延伸部との間に位置する。
【0084】
波長変換部材13は、図7に示すように、発光素子11の支持基板110と対向するように配置された状態で、透光性を有する接着部材16を介して発光素子11に固定される。波長変換部材13は、発光素子11が発する光が入射することにより、発光素子11が発する光の発光ピーク波長とは異なる発光ピーク波長の光を発する波長変換物質を含む。波長変換部材13の形状は、例えば、XY平面に概ね平行な平板状である。波長変換部材13上には、透光性を有する保護層17を配置してもよい。
【0085】
保護素子14は、例えば、ツェナーダイオードである。保護素子14は、各配線12b、12cに電気的に接続され、発光素子11を電気的に保護する。
【0086】
光反射性部材15は、基板12上であって発光素子11および波長変換部材13の周囲に配置されるとともに、保護素子14を覆う。光反射性部材15は、樹脂部材と、樹脂部材中に配置された光反射性粒子と、を含む。樹脂部材には、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。光反射性粒子としては、シリコン酸化物(SiO)、チタン酸化物(TiO)、アルミニウム(Al)または銀(Ag)等を用いることができる。
【0087】
ただし、発光装置の構成は、上記に限定されない。例えば、発光素子は、接着部材により基板に固定されていてもよい。
【0088】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る発光素子21の一部を拡大して示す上面図である。
本実施形態に係る発光素子21は、絶縁膜140の第4開口244の形状において、第1の実施形態に係る発光素子11と相違する。
なお、以下の説明においては、原則として、主に第1の実施形態との相違点を主に説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様に構成できる。後述する他の実施形態についても同様である。
【0089】
各開口244において、各第4領域121s4が露出する。上面視において各第4開口244の外縁のうち第1電極150の外縁と隣り合う部分244aは、第1電極150の外縁に平行に延びる。また、上面視において各第4開口244の外縁のうち、部分244aの内側に位置する部分244bは、内側に向かって凸状に湾曲する。例えば、外周領域121s7の第1延伸部124aに連なる第4領域121s4が露出する第4開口244において、外側の部分244aはY方向に延び、内側の部分244bは+X方向に凸状に湾曲する。また、例えば、外周領域121s7の第3延伸部124cに連なる第4領域121s4が露出する第4開口244において、外側の部分244aはY方向に延び、内側の部分244bは-Y方向に凸状に湾曲する。
【0090】
本実施形態に係る発光素子21においては、第4開口244の面積を広げることができるため、第1電極150と各第4領域121s4との接触面積を増やすことができる。
【0091】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態に係る発光素子31の一部を拡大して示す上面図である。
本実施形態に係る発光素子31は、第1半導体層121における外周領域321s7と第2領域321s2の境界の形状および第1電極350の形状が、第1の実施形態に係る発光素子11と相違する。
【0092】
上面視において、第2領域321s2のうち、互いに最も近い2つの第4領域121s4の間に位置する部分326は、部分326に最も近い第4開口144よりも外側に突出する。すなわち、上面視において、第2領域321s2において複数の第4領域121s4の間に位置する部分326と第1半導体層121の外縁との距離は、この部分326に最も近い第4開口144と第1半導体層121の外縁との距離よりも短い。第2領域321s2を活性層322および第2半導体層323が覆う。第2半導体層323上に、第3電極330が配置される。上面視において、第3電極330の面積は、第2領域321s2の面積よりも小さい。第3電極330の上面視形状は、第2領域321s2の上面視形状と概ね相似である。
【0093】
第1電極350の外周部は、複数の第4領域121s4を覆う複数の第5部分355と、隣り合う第5部分355の間に位置する第6部分356と、を有する。上面視において第6部分356は、第1半導体層121の外周領域321s7の内側に位置する。本実施形態では、上面視において第6部分356は、第3電極330の外縁のうちで隣り合う第4領域121s4の間に位置する部分330aよりも内側に位置する。
【0094】
第1の実施形態では、第1電極150の外縁が外周領域121s7上に位置するのに対して、本実施形態では、外周領域321s7を第6部分356の外側に位置するようにしているため、その分、第2領域321s2を広げることができる。すなわち、活性層322および第2半導体層323の上面視における面積を広げることができる。これにより、第1の実施形態の発光素子11よりも発光素子31の発光面を広げることができる。また、第2半導体層323の上面視における面積を広げることで、第2半導体層323の上に配置する第3電極330の上面視における面積を広げることができる。これにより、第3電極330による光の反射領域が増加する。そのため、発光素子31の光の取り出し効率を向上できる。
【0095】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
図12は、本実施形態に係る発光素子41を示す上面図である。
本実施形態に係る発光素子41は、絶縁膜140に複数の第2開口442を有する点等が、第1の実施形態に係る発光素子11と相違する。なお、第1半導体層121における外周領域と第2領域の境界の形状および第1電極350の形状は、第3の実施形態と同様に構成されるため、その説明を省略する。
【0096】
絶縁膜140には、複数の第2開口442が配置される。第2電極160は、複数の第2開口442を覆う。第2電極160は、各第2開口442内に配置され、第3電極330に接する。これにより、第2電極160は、第2半導体層323に電気的に接続される。
【0097】
上面視において、各第2開口442は、第2半導体層323と重なり、複数の第2導電性部材172と重ならないように配置される。これにより、第2導電性部材172の上端の位置と第1導電性部材171の上端の位置を揃えやすくなるため、発光素子41を基板12に実装することが容易になる。
【0098】
図12に示す例では、絶縁膜140は、12個の第2開口442を有している。上面視において、12個の第2開口442のうちの1つの第2開口442aは、最も-X側に位置する第2導電性部材172の-X側に位置する。上面視において、12個の第2開口442のうちの他の1つの第2開口442bは、最も+X側に位置する第2導電性部材172の+X側に位置する。この2つの第2開口442a、442bの上面視形状は、第1半導体層121の中心Cを通りYZ平面に平行な平面を基準として概ね対称である。
【0099】
上面視において、12個の第2開口442のうちの5つの第2開口442dは、複数の第2導電性部材172と第2電極160の+Y方向における端部との間に位置する。各第2開口442dは、それぞれ、X方向における位置が、隣り合う第2導電性部材172の中心のX方向における位置の間となるように配置される。5つの第2開口442dの面積は、例えば、半導体構造体120の中心Cに近い第2開口442dほど小さい。
【0100】
上面視において、12個の第2開口442のうちの残りの5つの第2開口442eは、複数の第2導電性部材172と第2電極160の-Y方向における端部との間に位置する。各第2開口442eは、それぞれ、X方向における位置が、隣り合う第2導電性部材172の中心のX方向における位置の間となるように配置される。5つの第2開口442eの面積は、例えば、半導体構造体120の中心Cに近い第2開口442eほど小さい。5つの第2開口442eの上面視形状は、中心Cを通り、XZ平面に平行な平面を基準として、5つの第2開口442dと概ね対称である。
【0101】
ただし、絶縁膜に配置する第2開口の数、位置、および面積は、上記に特に限定されない。また、1つの第2開口を、複数の第2導電性部材と重ならないように配置してもよい。
【0102】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。
図13は、本実施形態に係る発光素子51を示す上面図である。
図14は、本実施形態に係る発光素子51の支持基板110、半導体構造体520、および第3電極530を示す上面図である。
なお、図14では、説明をわかりやすくするために、第3電極530が配置された領域をハッチングで示す。
本実施形態に係る発光素子51は、上面視において、第2電極560が、半導体構造体520の第2方向D2における中心上に位置しない点等で、第1の実施形態に係る発光素子11と相違する。なお、第1半導体層521における外周領域521s8と第2領域521s2の境界の形状および第1電極550の外縁の形状は、第3の実施形態と同様に構成されるため、その説明を省略する。
【0103】
第1半導体層521の上面521aは、複数の第1領域521s1と、第2領域521s2と、複数の第3領域521s3と、複数の第4領域521s4と、複数の第5領域521s5と、複数の第6領域521s6と、複数の第7領域521s7と、外周領域521s8と、を含む。
【0104】
第2領域521s2は、上面521aのうち、活性層522および第2半導体層523に覆われる領域である。複数の第1領域521s1、複数の第5領域521s5、複数の第6領域521s6、および複数の第7領域521s7は、上面521aのうち、第2領域521s2の外縁よりも内側に位置し、かつ、活性層522および第2半導体層523から露出する領域である。
【0105】
上面視において、複数の第1領域521s1は、上面視において直線CXよりも-Y側に位置する。複数の第1領域521s1は、第1方向D1に略等間隔で一列で並ぶ。第1領域521s1の数は、3個である。上面視において複数の第5領域521s5は、複数の第1領域521s1の+X側であって直線CXよりも-Y側に位置する。複数の第5領域521s5は、第1方向D1に略等間隔で一列に並ぶ。第5領域521s5の数は、3個である。各第5領域521s5は、第2方向D2において各第1領域521s1と並ぶ。
【0106】
上面視において、複数の第6領域521s6は、複数の第5領域521s5および直線CXの+X側に位置する。複数の第6領域521s6は、第1方向D1に略等間隔で一列に並ぶ。第6領域521s6の数は、3個である。各第6領域521s6は、第2方向D2において各第5領域521s5と並ぶ。複数の第7領域521s7は、複数の第6領域521s6の+X側に位置する。複数の第7領域521s7は、第1方向D1に略等間隔で一列に並ぶ。第7領域521s7の数は、3個である。各第7領域521s7は、第2方向D2において各第6領域521s6と並ぶ。
【0107】
複数の第3領域521s3、複数の第4領域521s4、および外周領域521s8は、上面521aのうち、第2領域521s2の外側に位置し、かつ、活性層522および第2半導体層523から露出する領域である。
【0108】
外周領域521s8は、第1半導体層521の上面の外縁を含む枠状の領域である。外周領域521s8の外縁の形状は、上面521aの外縁の形状と同様に略矩形であり、外周領域521s8の内縁の形状は、例えば上面521aの外縁の形状と相似であり、略矩形である。具体的には、外周領域521s8は、Y方向に延び、最も-X側に位置する第1延伸部524aと、Y方向に延び、最も+X側に位置する第2延伸部524bと、X方向に延び、最も+Y側に位置する第3延伸部524cと、X方向に延び、最も-Y側に位置する第4延伸部524dと、を含む。第3延伸部524cは、第1延伸部524aの+Y方向の端部と第2延伸部524bの+Y方向の端部との間に位置している。第3延伸部524cの-X方向の端部は、第1延伸部524aの+Y方向の端部に連なり、第3延伸部524cの+X方向の端部は、第2延伸部524bの+Y方向の端部に連なる。第4延伸部524dは、第1延伸部524aの-Y方向の端部と第2延伸部524bの-Y方向の端部との間に位置している。第4延伸部524dの-X方向の端部は、第1延伸部524aの-Y方向の端部に連なり、第4延伸部524dの+X方向の端部は、第2延伸部524bの-Y方向の端部に連なる。
【0109】
3個の第3領域521s3は、第4延伸部524dから内側に延出する。また、4個の第4領域521s4が、第1延伸部524aから内側に延出する。また、4個の第4領域521s4が、第2延伸部524bから内側に延出する。また、3個の第4領域521s4が、第3延伸部524cから内側に延出する。また、4個の第4領域521s4が、外周領域521s8の4つの角部から内側に延出する。したがって、第4領域521s4の数は、15個である。
【0110】
第3電極530は、複数の第3領域521s3および複数の第4領域521s4が個別に露出する凹部531を有している。また、第3電極530は、複数の第1領域521s1、複数の第1領域521s1と、複数の第5領域521s5と、複数の第6領域521s6と、複数の第7領域521s7と、が個別に露出する複数の開口532を有している。
【0111】
絶縁膜540は、図13に示すように、複数の第1開口541と、1つの第2開口542と、複数の第3開口543と、複数の第4開口544と、複数の第5開口545と、複数の第6開口546と、複数の第7開口547と、を有している。
【0112】
各第1開口541において、各第1領域521s1が露出する。各第3開口543において、各第3領域521s3が露出する。各第4開口544において、各第4領域521s4が露出する。各第5開口545において、各第5領域521s5が露出する。各第6開口546において、各第6領域521s6が露出する。各第7開口547において、各第7領域521s7が露出する。
【0113】
第2開口542は第2半導体層523と上面視で重なる部分に配置され、第2開口542において第3電極530の一部が露出する。具体的には、上面視において第2開口542は、複数の第2導電性部材572と重ならず、複数の第2導電性部材572と複数の第1領域521s1との間に位置する。ただし、第2開口の位置は、上記に限定されない。例えば、第2開口は、複数の第2導電性部材572と重なってもよい。また、第2開口の数は、2以上であってもよい。
【0114】
第1電極550は、複数の第1開口541、複数の第3開口543、複数の第5開口545、複数の第6開口546、および複数の第7開口547を連続して覆う。第1電極550は、複数の第1開口541を介して複数の第1領域521s1に接する。また、第1電極550は、複数の第3開口543を介して複数の第3領域521s3に接する。また、第1電極550は、複数の第4開口544を介して複数の第4領域521s4に接する。また、第1電極550は、複数の第5開口545を介して複数の第5領域521s5に接する。また、第1電極550は、複数の第6開口546を介して複数の第6領域521s6に接する。また、第1電極550は、複数の第7開口547を介して複数の第7領域521s7に接する。
【0115】
第1電極550は、貫通穴550hを有している。貫通穴550hは、上面視において複数の第1領域521s1と複数の第3領域521s3との間であって、絶縁膜540の第2開口542上に位置する。貫通穴550h内には、第2電極560が配置されている。第2電極560は、第2開口542を介して第3電極530に接する。
【0116】
第1電極550は、貫通穴550hの+Y側に位置する第1電極領域551と、貫通穴550hの-Y側に位置する第2電極領域552と、X方向において貫通穴550hに隣り合って配置される2つの第3電極領域553と、を有する。貫通穴550hは、2つの第3電極領域553の間に位置する。
【0117】
第1電極領域551は、複数の第1領域521s1と、15個の第4領域521s4のうち、最も-Y側かつ最も-X側に位置する第4領域521s4および最も-Y側かつ最も+X側に位置する第4領域521s4を除く13個の第4領域521s4と、複数の第5領域521s5と、複数の第6領域521s6と、複数の第7領域521s7と、を覆う。第1電極領域551は、第2方向D2において第2電極560と隣り合う。
【0118】
第1電極領域551は、複数の第1領域521s1を覆う複数の第1部分551aと、隣り合う第1部分551aの間に位置する第2部分551bとを有する。第1部分551aは、第2部分551bよりも第1電極領域551から第2電極560に向かう方向、すなわち-Y方向に延出する第1延出部551cを有する。
【0119】
第2電極領域552は、複数の第3領域521s3と、複数の第4領域521s4のうち、最も-Y側かつ最も-X側に位置する第4領域521s4および最も-Y側かつ最も+X側に位置する第4領域521s4を覆う。第1電極領域551と第2電極領域552との間に、第2電極560が位置する。
【0120】
第2電極領域552は、複数の第3領域521s3を覆う複数の第3部分552aと、隣り合う第3部分552aの間に位置する第4部分552bとを有する。第3部分552aは、第4部分552bよりも第2電極領域552から第2電極560に向かう方向、すなわち+Y方向に延出する第2延出部552cを有する。
【0121】
第2電極560は、上面視において、複数の第1延出部551cの形状にそれぞれが対応する複数の第1凹部561と、複数の第2延出部552cの形状にそれぞれが対応する複数の第2凹部562と、を有する。
【0122】
複数の第1導電性部材571は、本実施形態では、第1電極領域551上に配置されている。第1導電性部材571の数は、24個である。24個の第1導電性部材571は、X方向に6個並びY方向に4個並ぶように行列状に配置される。
【0123】
複数の第2導電性部材572は、第1方向D1に並ぶ。各第2導電性部材572は、第2方向D2において第1電極領域551に最も近い第1端部572t1と、第2方向D2において第2電極領域552に最も近い第2端部572t2と、を有する。上面視において、複数の第1延出部551cは、複数の第2導電性部材572の第1端部572t1のうち、第1電極領域551に最も近い第1端部572t1を通る第1方向D1と平行な第1直線Ld21よりも第2部分551b側、すなわち+Y側に位置する。また、上面視において、複数の第2延出部552cは、複数の第2導電性部材572の第2端部572t2のうち、第2電極領域552に最も近い第2端部572t2を通る第1方向D1と平行な第2直線Ld22よりも第4部分552b側、すなわち-Y側に位置する。
【0124】
上面視において第2電極560の複数の第1凹部561は、本実施形態では、第1直線Ld21よりも第2部分551b側、すなわち+Y側に位置する。上面視において複数の第2凹部562は、本実施形態では、第2直線Ld22よりも第4部分552b側、すなわち-Y側に位置する。ただし、複数の第1凹部と第1直線との位置関係、および複数の第2凹部と第2直線との位置関係は、上記に限定されない。
【0125】
次に、本実施形態に係る発光装置50を説明する。
図15は、本実施形態に係る発光装置50の発光素子51および基板52を示す上面図である。
発光装置50は、発光素子51および基板52を備える。発光素子51は、基板52にフリップチップ実装される。基板52は、絶縁部材52aと、第1配線52bと、第2配線52cと、を有する。第1配線52bは、複数の第1導電性部材571に接することにより、複数の第1導電性部材571に電気的に接続される。第2配線52cは、複数の第2導電性部材572に接することにより、複数の第2導電性部材572に電気的に接続される。第1配線52bは、第1電極550の第1電極領域551と対向するように配置される。第2配線52cは、第2電極560と対向するように配置される。
【0126】
このように、第2電極560は、半導体構造体520の第2方向D2における中心上に位置しなくてもよい。本実施形態においても、発光素子51の輝度ムラを低減しつつ実装が容易な発光素子51を提供できる。
【0127】
上記の複数の実施形態においては、第1電極が第1電極領域および第2電極領域を有する例を説明した。すなわち、第1電極に、延出部を有する電極領域が2つ配置される例を説明した。ただし、第1電極において延出部を有する電極領域の数は、1つであってもよい。
【0128】
上記の複数の実施形態における各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0129】
10、50 :発光装置
11、21、31、41、51:発光素子
12、52 :基板
12a、52a:絶縁部材
12b、52b:第1配線
12c、52c:第2配線
13 :波長変換部材
14 :保護素子
15 :光反射性部材
16 :接着部材
17 :保護層
110 :支持基板
110a :下面
110b :上面
111 :表面
112 :凸部
120、520:半導体構造体
121、521:第1半導体層
121a、521a :上面
121s1、521s1:第1領域
121s2、321s2、521s2:第2領域
121s3、521s3:第3領域
121s4、521s4:第4領域
121s5、521s5:第5領域
121s6、521s6:第6領域
121s7、321s7、521s8:外周領域
122、322、522:活性層
123、323、523:第2半導体層
124a、524a:第1延伸部
124b、524b:第2延伸部
124c、524c:第3延伸部
124d、524d:第4延伸部
125 :凹部
126 :部分
130、330、530:第3電極
131、531:凹部
132、532:開口
140、540:絶縁膜
141、541:第1開口
142、442、442a、442b、442d、442e、542:第2開口
142a :第1凹部
142b :第2凹部
143、543:第3開口
144、244、544:第4開口
145、545:第5開口
146、546:第6開口
150、350、550:第1電極
150h、550h:貫通穴
151、551:第1電極領域
151a、551a:第1部分
151b、551b:第2部分
151c、551c:第1延出部
152、552:第2電極領域
152a、552a:第3部分
152b、552b:第4部分
152c、552c:第2延出部
153、553:第3電極領域
160、560:第2電極
161、561:第1凹部
162、562:第2凹部
171、571:第1導電性部材
172、572:第2導電性部材
172t1、572t1:第1端部
172t2、572t2:第2端部
244a :部分
244b :部分
326 :部分
330a :部分
355 :第5部分
356 :第6部分
521s7 :第7領域
547 :第7開口
C :中心
D1 :第1方向
D2 :第2方向
L1、L2、L3、L4:距離
Ld1、Ld21:第1直線
Ld2、Ld22:第2直線
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
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図15