(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095035
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】発光装置、発光モジュールおよび発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230629BHJP
【FI】
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210687
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】由宇 広樹
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA51
5F142AA56
5F142AA82
5F142BA02
5F142BA32
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5F142CD18
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5F142CD33
5F142CD44
5F142CD47
5F142CG03
5F142DA12
5F142DB42
(57)【要約】
【課題】端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、発光モジュールおよび発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る発光装置は、基材と、前記基材の第1面上の一対の第1配線と、前記一対の第1配線上の第1発光部および第2発光部と、前記基材の第2面上の一対の第2配線と、前記一対の第2配線上の第3発光部および第4発光部と、前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する第1接続部材と、前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する第2接続部材と、前記第1面上に配置され、前記第1接続部材に電気的に接続された第1端子と、前記第2面上に配置され、前記第2接続部材に電気的に接続された第2端子と、を備える。前記第1、第2発光部は逆並列に接続され、前記第3、第4発光部は逆並列に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有する基材と、
前記第1面上に配置された一対の第1配線と、
前記一対の第1配線上に配置された第1発光部および第2発光部と、
前記第2面上に配置された一対の第2配線と、
前記一対の第2配線上に配置された第3発光部および第4発光部と、
前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する第1接続部材と、
前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する第2接続部材と、
前記第1面上に配置され、前記第1接続部材に電気的に接続された第1端子と、
前記第2面上に配置され、前記第2接続部材に電気的に接続された第2端子と、
を備え、
前記第1発光部は、
前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された第1アノード電極と、
前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された第1カソード電極と、
を含み、
前記第2発光部は、
前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された第2カソード電極と、
前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された第2アノード電極と、
を含み、
前記第3発光部は、
前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された第3アノード電極と、
前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された第3カソード電極と、
を含み、
前記第4発光部は、
前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された第4カソード電極と、
前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された第4アノード電極と、
を含む発光装置。
【請求項2】
前記第1接続部材は、前記基材を前記第1面から前記第2面まで貫通する第1貫通孔内に配置され、
前記第2接続部材は、前記基材を前記第1面から前記第2面まで貫通する第2貫通孔内に配置された請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1接続部材および前記第2接続部材は、前記基材の前記第1面と前記第2面との間に位置する側面上にそれぞれに配置された請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
前記基材の側面は、第1側面および前記第1側面の反対側に位置する第2側面を含み、
前記第1接続部材は、前記第1側面上に配置され、
前記第2接続部材は、前記第2側面上に配置された請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記基材の前記第1面は、第1上面、前記第1上面と連続する第1内側面および第1底面で規定される第1凹部を含み、
前記一対の第1配線の一方は、前記第1上面上、前記第1内側面上および前記第1底面上に配置され、前記第1上面、前記第1内側面および前記第1底面うちの少なくとも1つで前記第1接続部材に電気的に接続され、
前記一対の第1配線の他方は、前記第1底面上に配置され、前記第1底面で前記第2接続部材に電気的に接続され、
前記第1端子は、前記第1上面上に配置され、
前記第1発光部および前記第2発光部は、前記一対の第1配線を介して前記第1底面上に配置された請求項3または4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基材の前記第2面は、第2上面、前記第2上面から連続する第2内側面および第2底面で規定される第2凹部を含み、
前記一対の第2配線の一方は、前記第2底面上に配置され、前記第2底面で前記第1接続部材に電気的に接続され、
前記一対の第2配線の他方は、前記第2上面上、前記第2内側面上および前記第2底面上に配置され、前記第2上面、前記第2内側面および前記第2底面のうちの少なくとも1つで前記第2接続部材に電気的に接続され、
前記第2端子は、前記第2上面上に配置され、
前記第3発光部および前記第4発光部は、前記一対の第2配線を介して前記第2底面上に配置された請求項5記載の発光装置。
【請求項7】
前記基材は、透光性を有する請求項1~6のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1発光部および前記第2発光部を覆う透光性部材をさらに備えた請求項1~7のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1端子上および前記第2端子上にそれぞれ配置された可撓性を有する導電膜をさらに備えた請求項1~8のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項10】
第1透光性導電層を含む第1透光性板と、
第2透光性導電層を含む第2透光性板と、
前記請求項1~9のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第1透光性板および前記第2透光性板は、前記第1透光性導電層および前記第2透光性導電層が対向するように配置され、
前記発光装置は、前記第1透光性部材と前記第2透光性部材との間に配置され、
前記第1端子は、前記第1透光性導電層に電気的に接続され、
前記第2端子は、前記第2透光性導電層に電気的に接続された発光モジュール。
【請求項11】
第1透光性導電層を含む第1透光性板と、
第2透光性導電層を含む第2透光性板と、
前記請求項1~9のいずれか1つに記載の発光装置と、
を備え、
前記第1透光性板および前記第2透光性板は、前記第1透光性導電層および前記第2透光性導電層が対向するように配置され、
前記発光装置は、前記第1透光性部材と前記第2透光性部材との間に配置され、
前記第1接続部材は、前記第1透光性導電層に電気的に接続され、
前記第2接続部材は、前記第2透光性導電層に電気的に接続された発光モジュール。
【請求項12】
導電性を有する部分を含む支持部材と、
前記支持部材に対向して配置された第3透光性導電層を含む第3透光性板と、
前記支持部材と前記第3透光性板との間に配置された光学部材と、
前記支持部材と前記第3透光性板との間に配置された請求項3~6のいずれか1つに記載された発光装置と、
を備え、
前記導電性を有する部分は、前記第1接続部材に電気的に接続され、
前記第3透光性導電層は、前記第2接続部材に電気的に接続され、
前記光学部材は、前記光学部材が配置された前記支持部材の面に対して所定の角度をなす傾斜面を含む発光モジュール。
【請求項13】
第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有する基材を準備する工程と、
前記第1面に一対の第1配線を形成する工程と、
前記一対の第1配線に第1発光素子を接続する工程と、
前記第2面に一対の第2配線を形成する工程と、
前記一対の第2配線に第2発光素子を接続する工程と、
前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する第1接続部材を形成する工程と、
前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する第2接続部材を形成する工程と、
を備え、
前記第1発光素子は、
第1発光部と、
前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された、前記第1発光部のための第1アノード電極と、
前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された、前記第1発光部のための第1カソード電極と、
前記第2発光部と、
前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された、前記第2発光部のための第2カソード電極と、
前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された、前記第2発光部のための第2アノード電極と、
を含み、
前記第2発光素子は、
第3発光部と、
前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された、前記第3発光部のための第3アノードと、
前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された、前記第3発光部のための第3カソードと、
第4発光部と、
前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された、前記第4発光部のための第4カソードと、
前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された、前記第4発光部のための第4アノードと、
を含む発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1発光素子を接続する工程は、
前記第1面上に導電性のシード層を形成する工程と、
前記シード層上にレジストを形成する工程と、
前記第1アノード電極、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極および前記第2カソード電極が前記シード層に対向し、前記レジストが、前記第1アノード電極と第1カソード電極との間であって、かつ、前記第2カソード電極と前記第2アノード電極との間になるように、前記第1発光素子を前記レジスト上に載置する工程と、
前記第1アノード電極、前記第1カソード電極、前記第2アノード電極および前記第2カソード電極と、前記シード層と、をめっき接合する工程と、
前記レジストを除去する工程と、
前記シード層の露出部分を除去する工程と、
を含む請求項13記載の発光装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1接続部材を形成する工程は、前記第1基材を前記第1面から前記反対側の面まで貫通する第1貫通孔内に導電材料を形成して、前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する工程を含み、
前記第2接続部材を形成する工程は、前記第1基材を前記第1面から前記反対側の面まで貫通する第2貫通孔内に導電材料を形成して、前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する工程を含む請求項13または14に記載の発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記基材を準備する工程は、
前記第1面を有する第1基材を準備する工程と、
前記第2面を有する第2基材を準備する工程と、
を含み、
前記第1接続部材を形成する工程および前記第2接続部材を形成する工程の前に、前記第1基材と前記第2基材とを貼り合わせる工程をさらに備えた請求項13~15のいずれか1つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項17】
前記一対の第1配線を形成する工程は、
前記第1面上に第1導電層を形成する工程と、
前記第1導電層を、前記一対の第1配線の一方および前記一対の第1配線の他方に分離する工程と、
を含み、
前記一対の第2配線を形成する工程は、
前記反対側の面上に第2導電層を形成する工程と、
前記第2導電層を、前記一対の第2配線の一方および前記一対の第2配線の他方に分離する工程と、
を含む請求項13記載の発光装置の製造方法。
【請求項18】
前記第1接続部材を形成する工程は、前記基材の前記第1面と前記第2面との間に位置する側面に、前記第1導電層および前記第2導電層に接続された第3導電層を形成する工程を含み、
前記第2接続部材を形成する工程は、前記基材の前記側面に、前記第3導電層から分離され、前記第1導電層および前記第2導電層に接続された第4導電層を形成する工程を含む請求項16記載の発光装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1発光素子を接続する工程は、前記第1アノード電極および前記第2カソード電極が前記一対の第1配線の一方に対向し、前記第1カソード電極および前記第2アノード電極が前記一対の第1配線の他方に対向するように、前記第1発光素子を前記一対の第1配線上に載置する工程を含み、
前記第2発光素子を接続する工程は、前記第3アノード電極および前記第4カソード電極が前記一対の第2配線の一方に対向し、前記第3カソード電極および前記第4アノード電極が前記一対の第2配線の他方に対向するように、前記第2発光素子を前記一対の第2配線上に載置する工程を含む請求項17または18に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、発光装置、発光モジュールおよび発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
両面発光が可能な発光装置がある。このような両面発光型の発光装置では、片面発光の発光装置と同様に、カソード端子に印加される電圧よりも高い電圧をアノード端子に印加することにより発光装置に電流が流れて発光する(たとえば、特許文献1等)。
【0003】
このような発光装置を実装する場合には、アノード端子とカソード端子とを識別する必要がある。発光装置の小型化等により、端子の識別が困難になり、そのため発光装置の実装が困難になる場合がある。
【0004】
両面発光する発光装置の端子の識別を不要にして実装を容易にしたいとの要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る発光装置は、第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有する基材と、前記第1面上に配置された一対の第1配線と、前記一対の第1配線上に配置された第1発光部および第2発光部と、前記第2面上に配置された一対の第2配線と、前記一対の第2配線上に配置された第3発光部および第4発光部と、前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する第1接続部材と、前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する第2接続部材と、前記第1面上に配置され、前記第1接続部材に電気的に接続された第1端子と、前記第2面上に配置され、前記第2接続部材に電気的に接続された第2端子と、を備える。前記第1発光部は、前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された第1アノード電極と、前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された第1カソード電極と、を含む。前記第2発光部は、前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された第2カソード電極と、前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された第2アノード電極と、を含む。前記第3発光部は、前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された第3アノード電極と、前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された第3カソード電極と、を含む。前記第4発光部は、前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された第4カソード電極と、前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された第4アノード電極と、を含む。
【0008】
実施形態に係る発光装置の製造方法は、第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有する基材を準備する工程と、前記第1面に一対の第1配線を形成する工程と、前記一対の第1配線に第1発光素子を接続する工程と、前記第2面に一対の第2配線を形成する工程と、前記一対の第2配線に第2発光素子を接続する工程と、前記一対の第1配線の一方と前記一対の第2配線の一方とを電気的に接続する第1接続部材を形成する工程と、前記一対の第1配線の他方と前記一対の第2配線の他方とを電気的に接続する第2接続部材を形成する工程と、を備える。前記第1発光素子は、第1発光部と、前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された、前記第1発光部のための第1アノード電極と、前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された、前記第1発光部のための第1カソード電極と、前記第2発光部と、前記一対の第1配線の一方に電気的に接続された、前記第2発光部のための第2カソード電極と、前記一対の第1配線の他方に電気的に接続された、前記第2発光部のための第2アノード電極と、を含む。前記第2発光素子は、第3発光部と、前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された、前記第3発光部のための第3アノードと、前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された、前記第3発光部のための第3カソードと、第4発光部と、前記一対の第2配線の一方に電気的に接続された、前記第4発光部のための第4カソードと、前記一対の第2配線の他方に電気的に接続された、前記第4発光部のための第4アノードと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本実施形態によれば、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
【
図3A】第1の実施形態に係る発光装置を例示する上面視による模式的な図である。
【
図3B】第1の実施形態に係る発光装置を例示する下面視による模式的な図である。
【
図4A】
図3AのIVA-IVA線における模式的な矢視断面図である。
【
図4B】
図3AのIVB-IVB線における模式的な矢視断面図である。
【
図4C】
図3AのIVC-IVC線における模式的な矢視断面図である。
【
図5A】第1の実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
【
図5B】第1の実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
【
図6A】第1の実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的な図である。
【
図6B】第1の実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する模式的な側面図である。
【
図6C】第1の実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する上面視による模式的な図である。
【
図6D】第1の実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する模式的な側面図である。
【
図7A】第1の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な分解斜視図である。
【
図7B】第1の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための上面視による模式的な図である。
【
図7C】第1の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図2のVIIC-VIIC線における矢視断面図である。
【
図8A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図8B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図8C】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9C】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図9D】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10A】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10B】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図10C】第1の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図11】第2の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
【
図12】第2の実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
【
図13】第2の実施形態に係る発光装置を例示する他の側面から見た模式的な側面図である。
【
図14A】第2の実施形態に係る発光装置を例示する上面視による模式的な図である。
【
図14B】第2の実施形態に係る発光装置を例示する下面視による模式的な図である。
【
図16A】第2の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図14AのXVIA-XVIA線における矢視断面図である。
【
図16B】第2の実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図14AのXVIB-XVIB線における矢視断面図である。
【
図17A】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図17B】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図17C】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図18A】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図19A】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図20A】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図20B】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な側面図である。
【
図21A】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図21B】第2の実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
【
図22A】第3の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【
図22B】第3の実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
【
図23A】第4の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【
図23B】第4の実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
【
図24A】第5の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【
図24B】第5の実施形態に係る発光モジュールを例示する上面視による模式的な図である。
【
図25】第6の実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
なお、図面は、端面を断面として示す場合がある。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
図2は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
図3Aは、本実施形態に係る発光装置を例示する上面視による模式的な図である。
図3Bは、本実施形態に係る発光装置を例示する下面視による模式的な図である。
図1、
図2、
図3Aおよび
図3Bに示すように、本実施形態の発光装置1は、基材10と、一対の第1配線20と、第1発光素子40aと、一対の第2配線30と、第2発光素子40bと、第1接続部材51と、第2接続部材52と、第1端子61と、第2端子62と、を備える。本実施形態の発光装置1は、第1透光性部材71および第2透光性部材72をさらに備える。
【0013】
本実施形態の以下の説明では、3次元の座標を用いることがある。基材10は、第1面11aと第2面11bとを有している。第2面11bは、第1面11aの反対側に位置する面である。第1面11aは、XY平面に平行に設けられているものとする。第2面11bは、第1面11aと平行な平面とされている。したがって、第2面11bも、XY平面に平行な面である。X軸は、XY平面視で、第1発光部41の第1アノード電極A1の中心と第1カソード電極K1の中心とを結ぶ直線に平行であるものとする。Z軸は、XY平面に垂直であり、第2面11bから第1面11aに向かう方向を正方向であるものとする。なお、本明細書において、「平行」とは、2つの直線、辺、面などが0°から±5°程度の範囲を含む。
【0014】
Z軸の正方向を「上」や「上方」、Z軸の負方向を「下」や「下方」のようにいうことがある。但し、Z軸に沿う方向は、必ずしも重力がかかる方向であるとは限らない。本実施形態および後述する第2の実施形態の発光装置では、第1面側の構成を説明する場合には、Z軸の正方向を「上」や「上方」ともいい、第2面側の構成を説明する場合には、たとえば、「第2面上」のように、Z軸の負方向を「上」や「上方」ということがある。これらも説明の理解を容易にするためのものであって、実際の「上」や「上方」に限定されるものではない。
【0015】
図1および
図2に示すように、発光装置1は、基材の第1面11a側に第1透光性部材71が配置される。第1透光性部材71における第1面11aと対向する側の面と反対側に位置する面が光取出面S1である。また、発光装置1は、基材の第2面11b側に第2透光性部材72が配置される。第2透光性部材72における第2面11bと対向する側の面と反対側に位置する面が光取出面S2である。したがって、発光装置1は、光取出面S1と、光取出面S1の反対側に位置する光取出面S2とを有する両面発光の発光装置である。なお、説明の便宜上、第1透光性部材71における第1面11aと対向する側の面と反対側に位置する面を光取出面S1としている。但し、第1透光性部材71から外部に取り出される光は光取出面S1から取り出されることに限らず、第1透光性部材71における第1面11aと対向する面と光取出面S1との間に位置する側面からも取り出される。同様に、第2透光性部材72における第2面11bと対向する側の面と反対側に位置する面を光取出面S2としている。但し、第2透光性部材72から外部に取り出される光は光取出面S2から取り出されることに限らず、第2透光性部材72における第2面11bと対向する面と光取出面S2との間に位置する側面からも取り出される。後述の第1透光性部材271および第2透光性部材272も同様である。
【0016】
基材10は、この例では、XY平面視でほぼ正方形の形状を有する板状の部材である。基材10は、XY平面視で、正方形に限らず、長方形の形状を有する板状の部材であってもよいし、正方形および長方形以外の多角形の形状を有する板状の部材であってもよい。基材10は、この例では、第1基材10aと第2基材10bとを含む。第1基材10aおよび第2基材10bは、たとえば、XY平面視で同一の形状を有し、同一の厚さを有する板状部材である。第1基材10aは、たとえば、透光性の接着剤で第2基材10bと貼り合わされている。このとき、第1基材10aにおける第1面11aの反対側に位置する面は、第2基材10bにおける第2面11bの反対側に位置する面に対向する。
【0017】
基材10aおよび基材10bは、非透光性を有する材料を用いてもよいし、透光性を有する材料を用いてもよい。非透光性を有する材料として、たとえば、窒化ケイ素もしくは、顔料または反射性フィラーが含有された樹脂が挙げられる。透光性を有する材料として、たとえば、ガラス、あるいは樹脂が挙げられる。基材10aおよび基材10bは、同じ材料でもよいし、異なる材料でもよい。以下では、基材10は、基材10a、10bを含むものとして説明する。但し、基材10は、1つの部材によって構成されていてもよい。
【0018】
図2および
図3Aに示すように、一対の第1配線20は、第1面11a上に配置されている。一対の第1配線20は、第1導体(一対の第1配線の一方)21と第2導体(一対の第1配線の他方)22を含む。第1導体21および第2導体22は、ギャップG1を介して、第1面11a上に配置されている。ギャップG1は、第1面11a上のX軸方向のほぼ中心をY軸方向に沿って設けられている。ギャップG1は、一対の第1配線20を、第1導体21と第2導体22とに分離する。ギャップG1のX軸方向の長さは、第1発光部41および第2発光部42のそれぞれのアノード電極とカソード電極との距離よりも少し短くなるように設定されている。
【0019】
図2および
図3Bに示すように、一対の第2配線30は、第2面11b上に配置されている。一対の第2配線30は、第3導体(一対の第2配線の他方)33と第4導体(一対の第2配線の一方)34とを含む。第3導体33および第4導体34は、ギャップG2を介して、第2面11b上に配置されている。ギャップG2は、第2面11b上のX軸方向のほぼ中心をY軸方向に沿って設けられている。ギャップG2は、一対の第2配線30を、第3導体33と第4導体34とに分離する。ギャップG2のX軸方向の長さは、第3発光部43および第4発光部44のそれぞれのアノード電極とカソード電極との距離よりも少し短くなるよう設定されるのは、ギャップG1の場合と同様である。
【0020】
第1導体21、第2導体22、第3導体33および第4導体34は、たとえば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、あるいは、これらを含む合金等の導電膜でもよいし、Agペーストでもよいし、インジウムスズ酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等の透光性導電膜でもよい。第1導体21、第2導体22、第3導体33および第4導体34が透光性導電膜であると、一方の面の光量に他方の面の光量の一部が加わるので、発光装置1の全体の発光効率を高めることが可能になる。
【0021】
図2および
図3Aに示すように、第1発光素子40aは、第1発光部41と第2発光部42とを含む。この例では、第1発光部41および第2発光部42は、空間を介して分離されている。第1発光部41および第2発光部42は、一対の第1配線20上に配置されている。第1発光部41および第2発光部42は、それぞれのアノード電極とカソード電極とを結ぶ直線がX軸と平行になるように配置されている。
【0022】
第1発光部41は、第1アノード電極A1と第1カソード電極K1とを有している。第2発光部42は、第2アノード電極A2と第2カソード電極K2とを有している。
図3Aでは、第1アノード電極A1および第2アノード電極A2は、“+”の記号で表記されており、第1カソード電極K1および第2カソード電極K2は、“-”の記号で表記されている。
【0023】
第1発光部41では、第1アノード電極A1は、第1導体21に接続され、第1カソード電極K1は、第2導体22に接続されている。第2発光部42では、第2アノード電極A2は、第2導体22に接続され、第2カソード電極K2は、第1導体21に接続されている。第1アノード電極A1および第2カソード電極K2は、第1導体21を介して互いに電気的に接続されている。第1カソード電極K1および第2アノード電極A2は、第2導体22を介して互いに電気的に接続されている。つまり、第1発光部41および第2発光部42は、一対の第1配線20によって逆並列に接続されている。
【0024】
第1発光部41では、第1アノード電極A1に、第1カソード電極K1に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、電流が流れ、第1発光部41は、流れる電流に応じた輝度で発光する。同様に、第2発光部42では、第2アノード電極A2に、第2カソード電極K2に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、電流が流れ、第2発光部42は、流れる電流に応じた輝度で発光する。
【0025】
したがって、第1導体21に、第2導体22に印加する電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第2導体22に、第1導体21に印加する電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第1発光部41または第2発光部42のいずれか一方が発光する。
【0026】
図2および
図3Bに示すように、第2発光素子40bは、第3発光部43と第4発光部44とを含む。この例では、第3発光部43および第4発光部44は、空間を介して分離されている。第3発光部43および第4発光部44は、一対の第2配線30上に配置されている。第3発光部43および第4発光部44は、それぞれのアノード電極とカソード電極とを結ぶ直線がX軸と平行になるように配置されている。
【0027】
第3発光部43は、第3アノード電極A3と第3カソード電極K3とを有している。第4発光部44は、第4アノード電極A4と第4カソード電極K4とを有している。
図3Bでは、第3アノード電極A3および第4アノード電極A4は、“+”の記号で表記されており、第3カソード電極K3および第4カソード電極K4は、“-”の記号で表記されている。
【0028】
第3発光部43では、第3アノード電極A3は、第3導体33に接続され、第3カソード電極K3は、第4導体34に接続されている。第4発光部44では、第4アノード電極A4は、第4導体34に接続され、第4カソード電極K4は、第3導体33に接続されている。第3アノード電極A3および第4カソード電極K4は、第3導体33を介して互いに電気的に接続されている。第3カソード電極K3および第4アノード電極A4は、第4導体34を介して互いに電気的に接続されている。つまり、第3発光部43および第4発光部44は、一対の第2配線30によって逆並列に接続されている。
【0029】
第3発光部43および第4発光部44は、第1発光部41および第2発光部42と同様の構成を有し、同様に動作する。すなわち、第3発光部43では、第3アノード電極A3に、第3カソード電極K3に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、電流が流れて発光する。第3発光部43は、流れる電流に応じた輝度で発光する。第4発光部44では、第4アノード電極A4に、第4カソード電極K4に印加する電圧よりも高い電圧を印加することにより、電流が流れて発光する。第4発光部44は、流れる電流に応じた輝度で発光する。
【0030】
したがって、第3導体33に、第4導体34に印加する電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第4導体34に、第3導体33に印加する電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第3発光部43または第4発光部44のいずれか一方が発光する。
【0031】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44は、上述のアノード電極およびカソード電極のほか、たとえば、半導体成長用基板と半導体積層構造とをそれぞれ含んでいる。各発光部41~44では、アノード電極およびカソード電極は、半導体積層構造の第1基材10a側の面に配置され、半導体成長用基板は、半導体積層構造における第1基材10a側と反対側に位置する面に配置される。半導体積層構造は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)層を含み、たとえば、青色光を発光する。青色光は、ピーク波長が420nm以上490nm以下の範囲内にある光であり、たとえば、467nm程度の光である。
【0032】
図2、
図3Aおよび
図3Bに示すように、第1接続部材51は、基材10の第1面11aから第2面11bまで貫通して配置されている。第1接続部材51の一方の端部は、第1面11a側で第1導体21に接続されている。第1接続部材51の他方の端部は、第2面11b側で第4導体34に接続されている。第2接続部材52は、基材10の第1面11aから第2面11bまで貫通して配置されている。第2接続部材52の一方の端部は、第1面11a側で第2導体22に接続されている。第2接続部材52の他方の端部は、第2面11b側で第3導体33に接続されている。
【0033】
第1導体21および第4導体34は、第1接続部材51を介して電気的に接続されている。第2導体22および第3導体33は、第2接続部材52を介して電気的に接続されている。
【0034】
第1接続部材51および第2接続部材52は、たとえば、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、あるいは、これらを含む合金を用いてもよいし、Agペーストを用いてもよい。第1接続部材51および第2接続部材52は、それぞれ基材10を貫通して配置される。この例では、第1接続部材51および第2接続部材52は、基材10に設けられた貫通孔のすべてを充填している。但し、この例に限らず、第1接続部材51および第2接続部材52は、第1面11aから第2面11bまで貫通する貫通孔を規定する内壁51W、52Wに沿って層状に配置されてもよい。
【0035】
第1端子61は、第1接続部材51上に配置され、第1接続部材51に接続されている。第1接続部材51は、第1導体21および第4導体34に接続されている。したがって、第1端子61は、第1接続部材51を介して、第1導体21および第4導体34に電気的に接続されている。第2端子62は、第2接続部材52上に配置され、第2接続部材52に接続されている。第2接続部材52は、第2導体22および第3導体33に接続されている。したがって、第2端子62は、第2接続部材52を介して、第2導体22および第3導体33に電気的に接続されている。
【0036】
この例では、第1端子61および第2端子62は、XY平面視において方形である。第1端子61および第2端子62のXY平面視での形状は、方形に限らず、円形でもよい。この例のように、XY平面視において、第1端子61の面積が、第1接続部材51の面積よりも大きい場合には、第1端子61は、第1導体21にも接続する。そのため、外部電源からの電流をより効率よく第1接続部材51供給するとの観点から、XY平面視において、第1端子61の面積は、第1接続部材51の面積よりも大きいことが好ましい。同様に、XY平面視において、第2端子62の形状の寸法は、第2接続部材52の形状の寸法よりも大きいことが好ましい。
【0037】
また、この例では、第1端子61のXY平面に平行な面は、光取出面S1と同一平面となるように配置される。また、第2端子62のXY平面に平行な面は、光取出面S2と同一平面となるように配置される。
【0038】
第1発光部41および第2発光部42の逆並列回路の一方のノードは、第1導体21、第1接続部材51および第4導体34を介して、第3発光部43および第4発光部44の逆並列回路の一方のノードに電気的に接続されている。第1発光部41および第2発光部42の逆並列回路の他方のノードは、第2導体22、第2接続部材52および第3導体33を介して、第3発光部43および第4発光部44の逆並列回路の他方のノードに電気的に接続されている。
【0039】
第1端子61と第2端子62との間の電圧差は、その正負の極性にかかわらず、第1面11a側の逆並列回路のいずれかの発光部に電流を流して発光させ、第2面11b側の逆並列回路のいずれかの発光部に電流を流して発光させる。第1発光部41および第2発光部42は、基材10を介して、第3発光部43および第4発光部44に対向して配置されているので、基材10の第1面11aおよび第2面11b側の両面で発光する。
【0040】
第1端子61は第1面11a側で第1接続部材51上に配置され、第2端子62は第2面11b側で第2接続部材52上に配置されている。そのため、発光装置を発光させるための外部電源の正電極および負電極を、第1面11a側に配置された第1端子および第2面側に配置された第2端子に接続することで、両極の電気的な接続を図ることができる。
【0041】
図1および
図2に示すように、第1透光性部材71は、第1発光部41および第2発光部42を覆っている。第1透光性部材71は、この例では、第1導体21および第2導体22をさらに覆い、ギャップG1内にも配置されてる。第1透光性部材71は、第1端子61の側面の一部を覆っている。第2透光性部材72は、第3発光部43および第4発光部44を覆うように配置されている。第2透光性部材72は、この例では、第3導体33および第4導体34をさらに覆い、ギャップG2内にも配置されている。第2透光性部材72は、第2端子62の側面の一部を覆うように配置されている。
【0042】
第1透光性部材71および第2透光性部材72は、第1導体21、第2導体22、第3導体33、第4導体34、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44を外部環境の雰囲気から遮断し、塵埃や水分等の侵入から発光装置1を保護する目的で配置される。第1透光性部材71および第2透光性部材72の材料は、たとえば、樹脂である。第1透光性部材71および第2透光性部材72は、蛍光体のような波長変換部材を含んでもよいし、含まなくてもよい。蛍光体は、たとえば、KSF系蛍光体、KSAF系蛍光体またはMGF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、窒化物蛍光体、量子ドット蛍光体、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体等とすることができる。
【0043】
第1透光性部材71のXY平面に平行な面は、第1端子61のXY平面に平行な面と同一の平面内としてもよいし、異なる平面内としてもよい。第2透光性部材72のXY平面に平行な面は、第2端子62のXY平面に平行な面と同一の平面内としてもよいし、異なる平面内としてもよい。
【0044】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44の配置について説明する。
図4Aは、
図3AのIVA-IVA線における模式的な矢視断面図である。
図4Bは、
図3AのIVB-IVB線における模式的な矢視断面図である。
図4Cは、
図3AのIVC-IVC線における模式的な矢視断面図である。
図4Aおよび
図4Bに示すように、第1発光部41は、電極が配置される側の面の反対側に位置する光取出面41Sを有する。第2発光部42は、電極が配置される側の面の反対側に位置する光取出面42Sを有する。第3発光部43は、電極が配置される側の面の反対側に位置する光取出面43Sを有する。第4発光部44は、電極が配置される側の面の反対側に位置する光取出面44Sを有する。なお、第1発光部41から外部に取り出される光は、光取出面41Sから取り出されることに限らず、第1発光部41における電極が配置される側の面と光取出面との間に位置する側面からも取り出される。第2発光部42、第3発光部43および第4発光部についても同様であるため、説明を省略する。
【0045】
本実施形態の発光装置1では、第1発光部41および第2発光部42は、基材10を介して、第3発光部43および第4発光部44に対向して配置される。第1発光部41および第2発光部42は、光取出面41S、42Sが、Z軸の正方向に向くように配置される。第3発光部43および第4発光部44は、光取出面43S、44Sが、Z軸の負方向に向くように配置される。第1発光部41および第2発光部42の光取出面41S、42Sから出射された光は、第1透光性部材71による第1面11a側の光取出面S1から出射される。第3発光部43および第4発光部44の光取出面43S、44Sから出射された光は、第2透光性部材72による第2面11b側の光取出面S2から出射される。なお、発光部から出射された光は、第1透光性部材71の側面および第2透光性部材72の側面からも出射されるのは、上述したとおりである。
【0046】
すでに説明したように、第1面11a側では、第1発光部41および第2発光部42は、逆並列に接続され、第2面11b側では、第3発光部43および第4発光部44は、逆並列に接続されている。
図4A~
図4Cに示すように、第1面11a側の逆並列回路は、第1接続部材51および第2接続部材52によって、第2面11b側の逆並列回路に並列に接続されている。したがって、第1端子61に、第2端子62に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、第1面11a側では、第1発光部41が発光し、第2面11b側では、第4発光部44に電流が流れ第4発光部44が発光する。
【0047】
この例では、第1発光部41および第3発光部43は、第1発光部41の外周が、XY平面視で、第3発光部43の外周にほぼ重なるように配置されている。第2発光部42および第4発光部44は、第2発光部42の外周が、XY平面視で、第4発光部44の外周にほぼ重なるように配置されている。この例では、XY平面視で、外周が重なっている同士の発光部の一方は発光し、他方は発光しない。
【0048】
発光部は、電流が流れることにより発光するので、流れる電流の大きさに応じて、発熱する。発光部の発熱は、第1導体21および第2導体22を経由して放熱される。
図4A~
図4Cに示した発光装置1の場合には、第1導体21および第2導体22において、第1面11a側での発熱箇所が、第2面11b側での発熱箇所と異なる結果、発熱箇所が分散することとなるので、発光部の発熱は、より効率よく放熱される。
【0049】
(変形例1)
図5Aおよび
図5Bは、本実施形態の変形例1に係る発光装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図5Aおよび
図5Bに示すように、発光装置101では、第1発光部41は、基材10を介して第4発光部44に対向する位置に配置され、第2発光部42は、基材10を介して第3発光部43に対向する位置に配置されている。つまり、変形例1では、第3発光部43および第4発光部44の配置が
図4A~
図4Cに関連して説明した場合の例と相違する。
【0050】
図5Aは、第3発光部43および第4発光部44の配置を上述のとおりとした場合に、
図3AのIVA-IVA線における模式的な矢視断面図である。
図5Bは、第3発光部43および第4発光部44の配置を上述のとおりとした場合に、
図3AのIVB-IVB線における模式的な矢視断面図である。
【0051】
変形例1では、発光部43および発光部44の配置が、
図4A~
図4Cに関連して説明した場合と異なっている。但し、第1発光部41~第4発光部44の電気的な接続は、
図4A~
図4Cに関連して説明した場合と同じである。第1端子61に、第2端子62に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、第1面11a側では、第1発光部41が発光し、第2面11b側では、第4発光部44が発光する。第2端子62に、第1端子61に印加される電圧よりも高い電圧を印加することによって、第1面11a側では、第2発光部42に電流が流れて第2発光部42が発光し、第2面11b側では、第3発光部43に電流が流れて第3発光部43が発光する。
【0052】
変形例1の発光装置101では、XY平面視で、重なっている同士の発光部が発光するため、XY平面視で、発光装置101は、1点で発光しているように見える。そのため、第1面11a側の光取出面S1および第2面11b側の光取出面S2から出射されるそれぞれの光量に他方の面のための光量の一部が加わり、発光装置101の発光効率を高めることが可能である。
【0053】
なお、
図4A~
図5Bに関連して説明した例では、XY平面視で、第1面11a側の発光部が第2面11b側の発光部に対向して配置するものとしたが、第1面11a側に発光部は、必ずしも第2面11b側に発光部に対向して配置されなくともよい。また、第1面11a側および第2面11b側のそれぞれ2つの発光部は、平行に配置されなくてもよい。さらに、第1面11a側の2つの発光部の配置のそれぞれの方向は、第2面11b側の2つの発光部の配置のそれぞれの方向と異なってもよい。
【0054】
(変形例2)
図6Aは、本実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する模式的な平面図である。
図6Bは、本実施形態の変形例2に係る発光装置の一部を例示する模式的な右側面図である。
変形例2では、発光素子120が第1発光部41と第2発光部42とが基板121を介して繋がった構成である。
【0055】
図6Aおよび
図6Bに示すように、発光素子120は、第1発光部41と第2発光部42と基板121とを含む。第1発光部41は、光取出面41Sと第1アノード電極A1と第1カソード電極K1とを含む。第1アノード電極A1および第1カソード電極K1は、光取出面41Sの反対側に位置する面側に配置されている。第2発光部42は、光取出面42Sと第2アノード電極A2と第2カソード電極K2とを含む。第2アノード電極A2および第2カソード電極K2は、光取出面42Sの反対側に位置する面側に配置されている。
【0056】
基板121は、光取出面121Sと発光部設置面121Rとを有する。発光部設置面121Rは、光取出面121Sの反対側に位置する面である。基板121の発光部設置面121R上に第1発光部41および第2発光部42が配置される。基板121は、たとえばシリコン(Si)やサファイヤ、ガラスである。基板121は、光取出面121Sから光を取り出すために、透光性を有している。
【0057】
第1発光部41および第2発光部42は、平行に配置されている。第1発光部41および第2発光部42は、
図3A等に示したように、電極同士が、第1導体21および第2導体22を介して電気的に接続されるように配置されている。第1発光部41は、発光部設置面121Rに光取出面41Sを対向するように発光部設置面121R上に配置されている。第2発光部42は、発光部設置面121Rに光取出面42Sを対向するように発光部設置面121R上に配置されている。
【0058】
2つの発光部が繋がった発光素子120を用いることによって、発光装置1の製造工程が短縮され、簡素化される。
【0059】
図6Aおよび
図6Bに示す発光素子120は、第1発光部41と第2発光部42とが第1基板121を介して繋がっている。但し、これに限定されず、発光素子は、半導体成長用基板上に半導体積層構造を積層し、成長用基板を分断させないように半導体積層構造を分断することで形成されたものでもよい。この構成では、成長用基板上に2つの半導体積層構造を有し、2つの半導体積層構造のそれぞれから光を出射させることができる。
(変形例3)
図6Cは、本実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する模式的な平面図である。
図6Dは、本実施形態の変形例3に係る発光装置の一部を例示する模式的な右側面図である。
変形例3では、発光素子120aにおいて、第1発光部41と第2発光部42とが基板122を介して繋がった構成である点で、変形例2の場合と同様である。発光変形例3では、基板122と発光部とが接続する箇所が変形例2と異なる。すなわち、変形例2では、第1発光部41の光取出面41Sおよび第2発光部42の光取出面42Sが基板121と接続される。これに対して、変形例3では、第1発光部41の光取出面と直交する面および第2発光部42の光取出面42Sと直交する面が基板122と接続される。第3発光部43および第4発光部44についても同様である。
【0060】
図6Cおよび
図6Dに示すように、発光素子120aは、第1発光部41と第2発光部42と基板122とを含む。基板122は、第1発光部41と第2発光部42との間に配置されている。基板122は、第1発光部41を第2発光部42に接続して1つの発光素子120aとするために配置されている。基板122は、基板121と同じ材料でもよいし、発光部同士を接続するような接着剤でもよい。
【0061】
変形例3によれば、発光装置1の製造工程を簡素化するとともに、変形例2の場合の基板121がないので、発光装置1の薄型化を可能にする。
【0062】
本実施形態の発光装置1の動作について説明する。
図7Aは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な分解斜視図である。
図7Bは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な平面図である。
図7Cは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図2のVIIC-VIIC線における矢視断面図である。
図7A~
図7Cでは、第1端子61および第2端子62に電源I0を接続した場合の動作が模式的に示されている。この例では、電源I0の一方の出力は端子61に接続され、他方の出力は端子62に接続されている。電源I0は、第1端子61に、第2端子62に印加される電圧よりも高い電圧を印加して第1端子61に電流を流入させ、第2端子62から電流を流出させるように接続されている。
【0063】
図7Aの太矢印で示すように、発光装置1は、第1端子61から流入した電流を、第2端子62から流出させる。発光装置1に供給された電流は、より詳細には、以下の経路で流れる。
【0064】
図7Bの矢印で示すように、第1端子61から流入した電流は、第1導体21を流れて、第1発光部41の第1アノード電極A1に達する。電流は、第1アノード電極A1に流れ込み、第1カソード電極K1から流出する。第1カソード電極K1から流出した電流は、第2導体22を流れ、第2接続部材52および第3導体33を介して、第2端子62に到達する。このようにして、
図7Aに示した基材10の第1面11a側では、第1発光部41に電流が流れて第1発光部41が発光する。
【0065】
図7Cの矢印で示すように、第1端子61から流入した電流は、第1接続部材51に分流し第4導体34を流れて、第4発光部44の第4アノード電極A4に達する。電流は、第4アノード電極A4に流れ込み、第4カソード電極K4から流出する。第4カソード電極から流出した電流は、第3導体33を流れ、第2端子62から流出する。このようにして、
図7Aに示した基材10の第2面11b側では、第4発光部44に電流が流れ第4発光部44が発光する。
【0066】
第2端子62に、第1端子61に印加される電圧よりも高い電圧を印加し、第2端子62に電流を流入させ、第1端子61から電流を流出させるように電源を接続した場合の動作については図示しないが同様に説明される。すなわち、第1面11a側では、第2端子62から流入した電流は、第2接続部材52および第2導体22を介して、第2発光部42の第2アノード電極A2に達する。電流は、第2アノード電極A2に流れ込み、第2カソード電極K2から流出する。流出した電流は、第1導体を介して、第1端子61に到達する。このようにして、基材10の第1面11a側では、第2発光部42に電流が流れて第2発光部42が発光する。
【0067】
基材10の第2面11bでは、第2端子62から流入した電流は、第3導体33を介して、第3発光部43の第3アノード電極A3に達する。第3アノード電極A3に流入した電流は、第3カソード電極K3から流出し、第4導体34、第1接続部材51および第1導体21を介して、第1端子61に至る。このようにして、基材10の第2面11b側では、第3発光部43に電流が流れて第3発光部43が発光する。
【0068】
本実施形態の発光装置1の製造方法について説明する。
図8A~
図10Cは、本実施形態に係る発光装置1の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図8A~
図10Aにおいては、基材のそれぞれについての工程を説明する図である。第1基材10aに関する要素についての符号を付し、第2基材10bに関する要素についての符号は、かっこ書きで示している。特に区別を要しない要素については、第1基材10aおよび第2基材10bにおいて同一の符号を付している。
図8Aに示すように、第1基材10aおよび第2基材10bがそれぞれ準備される。第1基材10aは、第1面11aを有している。第1基材10aには、第1面11aからその反対側に位置する面まで貫通する2つの貫通孔1012a、1012bが設けられている。貫通孔1012a、1012bは、XY平面視で円形である。貫通孔1012a、1012bは、XY平面視で円形に限らず方形であってもよい。第2基材10bは、第2面11bを有している。第2基材10bには、第2面11bからその反対側に位置する面まで貫通する2つの貫通孔1012a、1012bが設けられている。
【0069】
第1基材10aおよび第2基材10bは、この例では、同一の形状および同一の寸法を有し、同一の材料で構成されているものとする。この例の製造方法では、同じの形状等を有する2つの基材10a、10bに同じ工程で導体をそれぞれ形成し、発光部を載置して接続する。
【0070】
図8Bに示すように、導電性のシード層1020は、第1面11a上に形成される。導電性のシード層1030は、第2面11b上に形成される。シード層1020およびシード層1030は、スパッタリング等により、第1面11aの全面および第2面11bの全面にそれぞれ形成される。シード層1020、1030は、銅(Cu)またはチタン(Ti)等の単一の金属層であってもよいし、金属層が複数積層したものでもよい。この工程では、シード層1020およびシード層1030には、貫通孔1012cおよび貫通孔1012dが形成される。貫通孔1012cおよび貫通孔1012dのXY平面視での形状は、
図8Aに示した2つの貫通孔1012aおよび貫通孔1012bのXY平面視での形状とほぼ同じである。
【0071】
図8Cに示すように、シード層1020上にレジスト層1002が形成される。シード層1030上にもレジスト層1002が形成される。レジスト層1002は、たとえば、スピンコーターによりシード層1020、1030上に塗布される。
【0072】
図9Aに示すように、第1基材10aについて、レジスト層1002を露光し、レジストパターン(レジスト)1003を形成する。第2基材10bについても同様に、レジスト層1002を露光して、レジストパターン1003を形成する。レジストパターン1003は、シード層1020、1030上のX軸方向のほぼ中央を、Y軸方向に沿って直線状に形成される。レジストパターン1003を残して、レジスト層1002が除去された箇所では、シード層1020、1030がそれぞれ露出される。レジストパターン1003のX軸方向の長さWGは、第1導体21と第2導体22との間の離間距離にほぼ等しい。第2面11bも同様であり、長さWGは、第3導体33と第4導体34との間の離間距離にほぼ等しい。
【0073】
第1発光部41および第2発光部42は、レジストパターン1003上にそれぞれ載置される。第1発光部41は、第1アノード電極A1および第1カソード電極K1を結ぶ直線がX軸に平行となるように配置される。この際に、第1アノード電極A1は、第1カソード電極K1よりもX軸の正方向に位置するように配置される。第1発光部41は、レジストパターン1003が第1アノード電極A1と第1カソード電極K1との間に位置するように配置される。第2発光部42は、第2アノード電極A2および第2カソード電極K2がX軸に平行となるように配置される。第2カソード電極K2は、第2アノード電極A2よりもX軸の正方向に位置するように配置される。第2発光部42は、レジストパターン1003が第2カソード電極K2と第2アノード電極A2との間に位置するように配置される。
【0074】
第2基材10bについても同様に、第3発光部43および第4発光部44は、レジストパターン1003上にそれぞれ載置される。第3発光部43は、第3アノード電極A3および第3カソード電極K3を結ぶ直線がX軸に平行となるように配置される。この際に、第3アノード電極A1は、第3カソード電極K1よりもX軸の正方向に位置するように配置される。第3発光部43は、レジストパターン1003が第3アノード電極A3と第3カソード電極K3との間となるように配置される。第4発光部44は、第4アノード電極A4および第4カソード電極K4がX軸に平行となるように配置される。この際に、第4カソード電極K4は、第4アノード電極A4よりもX軸の正方向に位置するように配置される。第4発光部44は、レジストパターン1003が第4カソード電極K4と第4アノード電極A4との間になるように配置される。
【0075】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44は、レジストパターン1003上に載置する際に、たとえば接着剤等によって、レジストパターン1003上に接着される。あるいは、粘着性を有するレジストを用いて、第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44は、レジストパターン1003上に直接載置されてもよい。
【0076】
図9Bに示すように、第1面11aでは、
図9Aに示したシード層1020をシードにして、めっき層1021a、1022aが形成される。めっき層1021a、1022aは、レジストパターン1003により、X軸方向のほぼ中央でY軸方向に沿って、分断されて形成される。めっき層1021aの形成により、第1アノード電極A1および第2カソード電極がめっき層1021aにめっき接合される。めっき層1022aの形成により、第1カソード電極K1および第2アノード電極A2がめっき層1022aにめっき接合される。第2面11bでは、
図9Aに示したシード層1030をシードにして、めっき層1033a、1034aが形成される。めっき層1033a、1034aは、レジストパターン1003により、X軸方向のほぼ中央でY軸方向に沿って分断されて形成される。めっき層1033aの形成により、第3アノード電極A3および第4カソード電極K4がめっき層1033aにめっき接合される。めっき層1034aの形成により、第3カソード電極K3および第4アノード電極A4がめっき層1034aにめっき接合される。
【0077】
第1面11aでは、めっき層1021a、シード層1020および基材10aを貫通する貫通孔12aが形成され、めっき層1022a、シード層および基材10aを貫通する貫通孔12bが形成される。第2面11bでは、めっき層1033a、シード層1030および基材10bを貫通する貫通孔12aが形成され、めっき層1034a、シード層1030および基材10bを貫通する貫通孔12bが形成される。
【0078】
図9Cに示すように、レジストパターン1003が除去され、シード層1020がレジストパターン1003から露出される。レジストパターン1003の除去には、周知の技術が用いられる。たとえば、レジストパターン1003は、硫酸および有機系溶剤等を含む混合液等に第1基材10a上に形成されたレジストパターン1003を、めっき層1020a、第1発光部41、第2発光部42とともに浸漬させることによって剥離される。第2基材10bに形成されたレジストパターン1003の除去についても同様である。
【0079】
図9Dに示すように、
図9Aに示したレジストパターン1003の除去によりレジストパターン1003から露出されたシード層1020(シード層1020の露出部分)は、たとえばエッチングにより除去される。シード層1020の除去により、ギャップG1が形成され、ギャップG1によって分断されたシード層1021、1022が形成される。シード層1021とめっき層1021aとをまとめて「第1導体21」ということがある。シード層1022とめっき層1022aとをまとめて「第2導体22」ということがある。同様に、第2面11b側で露出されたシード層1030もたとえばエッチングにより除去され、ギャップG2が形成される。シード層1030の除去により、ギャップG2が形成され、ギャップG2によって分断されたシード層1033、1034が形成される。シード層1033とめっき層1033aとをまとめて「第3導体33」ということがある。シード層1034とめっき層1034aとをまとめて「第4導体34」ということがある。これより、第1導体21および第2導体22を含む一対の第1配線20が形成され、第3導体33および第4導体34を含む一対の第2配線30が形成される。
【0080】
図10A~
図10Cでは、表記の煩雑さを回避するために、めっき層およびシード層の表示を省略して、第1導体21~第4導体34と表示する。
図10Aに示すように、第1透光性部材71は、第1導体21、第2導体22、第1発光部41および第2発光部42を覆うように形成される。このとき、第1透光性部材71は、貫通孔12aおよびその周囲を覆わないようにして形成される。第2面11bについても同様に、第2透光性部材72は、第3導体33、第4導体34、第3発光部43および第4発光部44を覆うように形成される。このとき、第2透光性部材72は、レジストマスクの形成等によって、貫通孔12bおよびその周囲を覆われないようにする。この例では、ギャップG1内に第1透光性部材71を設け、ギャップG2内に第2透光性部材72を設けている。
【0081】
上述のようにして、第1基材10a、一対の第1配線20、第1発光部41、第2発光部42および第1透光性部材71を含む中間部材Aが形成される。同様に、第2基材10b、一対の第2配線30、第3発光部43、第4発光部44および第2透光性部材72を含む中間部材Bが形成される。
【0082】
図10Bに示すように、中間部材A、Bは、互いに貼り合わされる。中間部材A、Bの貼り合わせに際しては、第1基材10aの第1面11aの反対側に位置する面に、第2基材10bの第2面11bの反対側に位置する面を対向して配置し、これらの面同士を貼り合わせる。このとき、中間部材Aの貫通孔12aの位置と中間部材Bの貫通孔12bの位置とを一致させることで第1貫通孔12cが形成される。また、中間部材Aの貫通孔12bと中間部材Bの貫通孔12aの位置を一致させることで第2貫通孔12dが形成される。第1貫通孔12cおよび第2貫通孔12dは、第1面11aから第2面11bまで貫通している。このように、中間部材A、Bをそれぞれ作製して、互いに貼り合わせることで、製造工程を簡略化できる。
【0083】
第1接続部材51は、第1貫通孔12cに導電材料を充填して形成される。第2接続部材52は、第2貫通孔12dに導電材料を充填して形成される(
図10B、
図10C参照)。第1接続部材51および第2接続部材52は、導電部材の充填によって形成する場合に限らず、めっき技術等を用いて、第1貫通孔12cおよび第2貫通孔12dを規定する内壁に沿って層状の導電材料を形成することによって形成されてもよい。
【0084】
図10Cに示すように、第1端子61は、第1接続部材51の端部に接続されるように中間部材A側に形成される。第2端子62は、第2接続部材52の端部に接続されるように中間部材B側に形成される。第1接続部材51および第1端子61は、上述のように別々に形成される場合に限らず、同時に形成されてもよい。第2接続部材および第2端子62は、別々に形成される場合に限らず、同時に形成されてもよい。
【0085】
上述の製造方法では、貫通孔が形成された第1基材10aおよび第2基材10bを用いている。但し、これに限らず、たとえば、貫通孔が設けられていない第1基材10a、10bを準備して、一対の配線や発光部、透光性部材を設けた中間部材をそれぞれ形成し、これらの中間部材を形成した後に貫通孔を形成してもよいし、中間部材を貼り合わせた後に貫通孔を形成するようにしてもよい。
【0086】
上述の製造方法では、ほぼ同一の中間部材A、Bを形成して、これらを貼り合わせることによって、発光装置1を形成するものとした。但し、これに限らず、1つの基材の第1面上および第2面上にそれぞれの構成要素を形成するようにしてもよい。
【0087】
本実施形態の発光装置1の効果について説明する。
本実施形態の発光装置1は、基材10の第1面11a上に一対の第1配線20を設けており、一対の第1配線20上に第1発光部41および第2発光部42を設けている。第1発光部41および第2発光部42は、第1導体21および第2導体22を介して逆並列に接続されている。また、発光装置1は、基材10の第2面11b上に一対の第2配線30を設けており、一対の第2配線30上に第3発光部43および第4発光部44を設けている。一対の第1配線20は、第1導体21と第2導体22とを含み、一対の第2配線30は、第3導体33と第4導体34とを含んでいる。第3発光部43および第4発光部44は、第3導体33および第4導体34を介して逆並列に接続されている。
【0088】
このように、本実施形態の発光装置1では、逆並列に接続された発光部が基材10の第1面11aおよび第2面11bのそれぞれに配置されている。2組の逆並列接続された回路は、第1接続部材51および第2接続部材52によって並列に接続されている。そのため、第1端子61および第2端子62に印加される電圧の正負の極性にかかわらず、第1面11aおよび第2面11bのそれぞれに配置された、逆並列接続された発光部のうちいずれか一方が発光し、基材10の両面で発光部が発光する。
【0089】
本実施形態の発光装置1では、第1接続部材51および第2接続部材52は、基材10を貫通して形成される。そのため、基材10の両面に配置された2つの逆並列接続発光回路の接続のための占有面積が低減され、一層の小型化が図られる。
【0090】
本実施形態の発光装置1では、第1端子61および第2端子62は互いに反対側の面に位置する。この場合には、
図22Aおよび
図22Bに関連して説明する第3の実施形態において後述する透光性導電膜を有する透光性板で発光装置1を挟み込むことで、極性を識別することなく電気的な接続をとることができる。
【0091】
(第2の実施形態)
図11は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な斜視図である。
図12は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な正面図である。
図13は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な側面図である。
図14Aは、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な平面図である。
図14Bは、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的な底面図である。
図11~
図14Bに示すように、本実施形態の発光装置201は、基材210と、一対の第1配線220と、第1発光素子40aと、一対の第2配線230と、第2発光素子40bと、第1接続部材251と、第2接続部材252と、第1端子261-1、261-2と、第2端子262-1、262-2と、を備える。発光装置201は、第1透光性部材271および第2透光性部材272をさらに備える。
【0092】
本実施形態の場合も上述の第1の実施形態の場合と同様に3次元の座標を用いて説明することがある。基材210は、第1面211aと第2面211bとを有する。第2面211bは、第1面211aの反対側に位置する面である。第1面211aは、XY平面に平行に設けられているものとする。X軸は、第1発光部41の第1アノード電極A1と第1カソード電極K1とを結ぶ直線に平行であるものとする。本実施形態の場合には、
図12および
図13に関連して説明するように、基材210は、第1面211a側に第1凹部210aを有し、第2面211b側に第2凹部210bを有している。そして、
図15Aおよび
図15Bに関連して説明するように、第1凹部210aおよび第2凹部210bは、複数の面でそれぞれ規定される。この場合には、第1面211aの上面212a、216aおよび底面214aがXY平面に平行に設けられているものとする。
【0093】
Z軸は、XY平面に垂直であり、第2面211bから第1面211aに向かう方向を正方向であるものとする。Z軸の正方向を「上」や「上方」、Z軸の負方向を「下」や「下方」のようにいうことがある。但し、Z軸に沿う方向は、必ずしも重力がかかる方向であるとは限らないのは、上述の他の実施形態の場合と同様である。
【0094】
図11および
図13に示すように、発光装置201は、基材210の第1面211a側に第1透光性部材271が配置される。第1透光性部材271における第1面211aと対向する側の面と反対側に位置する面が光取出面S201である。また、発光装置201は、基材210の第2面211b側に第2透光性部材272が配置される。第2透光性部材272における第2面211bと対向する側の面と反対側に位置する面が光取出面S202である。したがって、発光装置201は、光取出面S201と、光取出面S201の反対側に位置する光取出面S202とを有する両面発光の発光装置である。
【0095】
本実施形態の発光装置201では、光取出面S201、S202の間に配置された2つの側面上にも第1接続部材251および第2接続部材252が配置されており、第1端子261-1、261-2および第2端子262-1、262-2と同様に、2つの端子として機能させることができる。
【0096】
図12および
図13に示すように、発光装置201では、基材210は、第1面211a側に第1凹部210aを有しており、第2面211b側に第2凹部210bを有している。第1透光性部材271が第1凹部210aを覆い、第2透光性部材272が第2凹部210bを覆っている。
【0097】
基材210は、非透光性材料で構成されてもよいし、透光性材料で構成されてもよい。基材210は、第1の実施形態で説明した材料を用いることができる。第1透光性部材271および第2透光性部材272は、第1の実施形態で説明した材料を用いることができる。
【0098】
図12および
図14Aに示すように、一対の第1配線220は、第1面211a上に配置されている。一対の第1配線220は、第1導体221と第2導体222を含む。第1導体221および第2導体222は、ギャップG201を介して、第1面211a上に設けられている。ギャップG201は、第1面211a上のX軸方向のほぼ中心をY軸に沿って設けられている。ギャップG201は、一対の第1配線220を第1導体221と第2導体222とに分離する。ギャップG201のX軸方向の長さは、第1発光部41および第2発光部42のそれぞれのアノード電極とカソード電極との距離よりも少し短く設定されている。
【0099】
図12および
図14Bに示すように、一対の第2配線230は、第2面211b上に配置されている。一対の第2配線230は、第3導体233と第4導体234とを含む。第3導体233および第4導体234は、ギャップG202を介して、第2面211b上に配置されている。ギャップG202は、第2面211b上のX軸方向のほぼ中心でY軸に沿って設けられている。ギャップG202は、一対の第2配線230を第3導体233と第4導体234とに分離する。ギャップG202のX軸方向の長さは、第3発光部43および第4発光部44のそれぞれのアノード電極とカソード電極との距離に応じて設定される。
【0100】
第1導体221、第2導体222、第3導体233および第4導体234は、第1の実施形態の場合と同様の導電材料とすることができる。
【0101】
図14Aに示すように、第1発光部41では、第1アノード電極A1は、第1導体221に接続され、第1カソード電極K1は、第2導体222に接続されている。第2発光部42では、第2アノード電極A2は、第2導体222に接続され、第2カソード電極K2は、第1導体221に接続されている。第1アノード電極A1および第2カソード電極K2は、第1導体221を介して互いに電気的に接続されている。第1カソード電極K1および第2アノード電極A2は、第2導体222を介して互いに電気的に接続されている。第1発光部41および第2発光部42は、一対の第1配線220によって逆並列に接続されている。
【0102】
図14Bに示すように、第3発光部43では、第3アノード電極A3は、第3導体233に接続され、第3カソード電極K3は、第3導体233に接続されている。第4発光部44では、第4アノード電極A4は、第4導体234に接続され、第4カソード電極K4は、第3導体233に接続されている。第3アノード電極A3および第4カソード電極K4は、第3導体233を介して互いに電気的に接続されている。第3カソード電極K3および第4アノード電極A4は、第4導体234を介して互いに電気的に接続されている。第3発光部43および第4発光部44は、一対の第2配線230によって逆並列に接続されている。
【0103】
第1発光部41、第2発光部42、第3発光部43および第4発光部44は、上述した第1の実施形態の場合と同じ構成を有している。
図6A~
図6Dに関連して説明したような発光素子120、120aを用いてもよい。
【0104】
第1発光部41および第2発光部42は、基材210を介して第3発光部43および第4発光部44に対向して配置される。この例では、第1発光部41は、基材210を介して第3発光部43に対向して配置され、第2発光部42は、基材210を介して第4発光部44に対向して配置されている。
図5Aおよび
図5Bに関連して説明したように、第1発光部41は、基材210を介して第4発光部44に対向して配置され、第2発光部42は、基材210を介して第3発光部43に対向して配置されるようにしてもよい。
【0105】
図15Aは、
図14AのXVA-XVA線における模式的な矢視断面図である。
図15Bは、
図14AのXVB-XVB線における模式的な矢視断面図である。
第1面211aと第1凹部210aとの関係について説明する。
図15Aおよび
図15Bに示すように、第1面211aは、上面212a、内側面213a、底面214a、内側面215aおよび上面216aを含む。第1凹部210aは、上面212a、内側面213a、底面214a、内側面215aおよび上面216aにより規定されている。2つの上面212a、216aは、XY平面に平行な平面であり、同一平面内の平面である。この例では、2つの上面212a、216aは、X軸方向において分断されており、XY平面視で、上面212aと上面216aとの間に底面214aが配置されている。底面214aは、XY平面に平行な平面である。上面212aと底面214aとの間に内側面213aが配置されており、内側面213aは、上面212aから底面214aにかけて連続的に設けられている。上面216aと底面214aとの間に内側面215aが配置されており、内側面215aは、上面216aから底面214aにかけて連続的に設けられている。
【0106】
第2面211bと第2凹部210bとの関係について説明する。
第2面211bは、上面212b、内側面213b、底面214b、内側面215bおよび上面216b第2凹部210bを含む。第2凹部210bは、上面212b、内側面213b、底面214b、内側面215bおよび上面216bにより規定されている。2つの上面212b、216bは、XY平面に平行な平面であり、同一平面内の平面である。この例では、2つの上面212b、216bは、X軸方向において分断されており、XY平面視で、上面212bと上面216bとの間に底面214bが配置されている。底面214bは、XY平面に平行な平面である。上面212bと底面214bとの間に内側面213bが配置されており、内側面213bは、上面212bから底面214bにかけて連続的に設けられている。上面216bと底面214bとの間に内側面215bが配置されており、内側面215bは、上面216bから底面214bにかけて連続的に設けられている。
【0107】
つまり、第1凹部210aは、Y軸方向では内側面213a、215aで規定される。第1凹部210aでは、X軸方向には内側面は設けられていない。第2凹部210bは、Y軸方向では内側面213b、215bで規定される。第2凹部210bでは、X軸方向には内側面は設けられていない。
【0108】
図15Aに示すように、第1面211a側において、第1導体221は、上面212a、内側面213a、底面214a、内側面215aおよび上面216aにわたって連続的に設けられている。この例では、第1導体221は、第1端子261-1、261-2を兼ねている。これに限らず、第1端子261-1、261-2は、第1導体221上に別途配置させてもよい。上面212a上に形成された第1導体221は、第1端子261-1として機能する。上面216a上に形成された第1導体221は、第1端子261-2として機能する。第1端子は、1つでもよいし、この例のように、複数であってもよい。
【0109】
第2面211b側において、第4導体234は、
図15Aの例では、底面214bのほぼ全面にわたって配置されている。第4導体234は、上面212b、216b上および内側面213b、215b上には配置されていない。
【0110】
図15Bに示すように、第1面211a側において、第2導体222は、底面214aのほぼ全面にわたって配置されている。第2導体222は、上面212a、216a上および内側面213a、215a上には、配置されていない。
【0111】
第2面211b側において、第3導体233は、上面212b、内側面213b、底面214b、内側面215bおよび上面216bにわたって配置されている。この例では、第3導体233は、第2端子262-1、262-2を兼ねている。これに限らず、第2端子262-1、262-2は、第3導体233上に別途配置させてもよい。上面212b上に形成された第3導体233は、第2端子262-1として機能する。上面216b上に形成された第3導体233は、第2端子262-2として機能する。第2端子は、1つでもよいし、この例のように、複数あってもよい。
【0112】
第1面211a側において、第1導体221は、第1発光部41および第2発光部42を第1端子261-1、261-2に電気的に接続する。第2面211b側において、第3導体233は、第3発光部43および第4発光部44を第2端子262-1、262-2に電気的に接続する。
【0113】
この例では、発光装置201は、第1面211a側および第2面211b側の両方に凹部を有する基材210を備えるものとしている。第1凹部210aのZ軸方向の長さ、すなわち深さは、第1発光部41および第2発光部42を一対の第1配線220上に載置したときのZ軸方向の長さ、すなわち実装高さよりも深くなるように設定される。第2面211b側についても同様に、第2凹部210bの深さは、第3発光部43および第4発光部44の実装高さよりも深くなるように設定される。発光部を凹部に収納するようにして配置することによって、発光装置201自体のZ軸方向の長さ、すなわち厚さを薄くすることが可能になる。なお、発光装置201は、第1面211a側および第2面211b側の一方に凹部を有してもよいし、第1面211a側および第2面211b側の両方に凹部を有さなくてもよい。
【0114】
第1導体221と第4導体234との間の電気的接続に関する構成について説明する。
図16Aは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図14AのXVIA-XVIA線における矢視断面図である。
図16Bは、本実施形態に係る発光装置の動作を説明するための模式的な断面図であり、
図14AのXVIB-XVIB線における矢視断面図である。
図12に示すように、側面218aは、基材210の第1面211aと第2面211bとの間の4つの側面のうちギャップG201に平行し、第1導体221および第4導体234側に位置する面である。側面218bは、側面218aの反対側に位置する面であり、第2導体222および第3導体233側に位置する面である。
【0115】
図12および
図16Aに示すように、第1接続部材251は、基材210の側面218aの全面にわたって配置されている。第1接続部材251は、第1導体221および第4導体234に接続されている。
図15Aに関連して説明したように、第1端子261-1、261-2は、第1導体221を兼ねており、第1導体221に電気的に接続されている。したがって、第1端子261-1、261-2は、第1導体221および第4導体234に電気的に接続されている。
【0116】
図12および
図16Bに示すように、第2接続部材252は、基材210の側面218bの全面にわたって配置されている。第2接続部材252は、第2導体222および第3導体233に接続されている。
図15Bに関連して説明したように、第2端子262-1、262-2は、第3導体233を兼ねており、第3導体233に電気的に接続されている。したがって、第2端子262-1、262-2は、第2導体222および第3導体233に電気的に接続されている。
【0117】
したがって、第1端子261-1、261-2は、第1アノード電極A1、第2カソード電極K2、第3カソード電極K3および第4アノード電極A4に電気的に接続される。第2端子262-1、262-2は、第1カソード電極K1、第2アノード電極A2、第3アノード電極A3および第4カソード電極K4に電気的に接続される。
【0118】
この例では、第1端子261-1、261-2上には、可撓性導電膜281-1、281-2がそれぞれ配置されている。第2端子262-1、262-2上には、可撓性導電膜282-1、282-2がそれぞれ配置されている。可撓性導電膜の材料として、たとえば、導電性樹脂が挙げられる。導電性樹脂とは、金属粒子を含んだ樹脂である。
なお、可撓性導電膜は、発光装置1の第1端子61上および第2端子62上に配置することができる。
【0119】
本実施形態の発光装置201が動作したときの電流の経路について、
図16Aおよび
図16Bを用いて説明する。
図16Aおよび
図16Bに示すように、この例では、第1端子261-1、261-2に、第2端子262-1、262-2に印加される電圧よりも高い電圧を印加するように電源I0が接続される。電源I0は、第1端子261-1、261-2に電流を流入させ、第2端子262-1、262-2から電流を流出させる。
【0120】
図16Aの矢印で示すように、第1端子261-1から流入した電流は、第1導体221を流れて、第1発光部41の第1アノード電極A1に達する。電流は、第1アノード電極A1に流れ込み、第1カソード電極K1から流出する。第1カソード電極K1から流出した電流は、第2導体222を流れ、第2接続部材252および第4導体234を介して、第2端子262-1に到達する。このようにして、基材210の第1面211a側では、第1発光部41に電流が流れて第1発光部41が発光する。なお、第2発光部42の第2カソード電極K2には、電流が流入することはないので、第2発光部42は発光しない。
【0121】
図16Bの矢印で示すように、第1端子261-1から流入した電流は、第1接続部材251に分流し第4導体234を流れて、第4発光部44の第4アノード電極A4に達する。電流は、第4アノード電極A4に流れ込み、第4カソード電極K4から流出する。第4カソード電極から流出した電流は、第3導体233を流れ、第2端子262-1から流出する。このようにして、基材210の第2面211b側では、第4発光部44に電流が流れ第4発光部44が発光する。なお、第3発光部43の第3カソード電極K2には、電流が流入することはないので、第3発光部43は発光しない。
【0122】
第1端子261-1、261-2および第2端子262-1、262-2に接続する電源I0の極性を変えても、発光装置201は、第1面211a側および第2面211b側の両面で発光部が発光するのは、第1の実施形態の場合と同様である。
【0123】
本実施形態の発光装置201の製造方法について説明する。
図17A~
図18Aは、本実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図18Bは、
図18AのXVIIIB部の模式的な断面図である。
図19Aは、本実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図19Bは、
図19AのXIXB部の模式的な断面図である。
図20Aは、本実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図20Bは、本実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図21Aおよび
図21Bは、本実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図17Aに示すように、基材1210が準備される。基材1210は、面1211aを有し、面1211aの反対側に位置する面1211bを有する。面1211a、1211bは、XY平面に平行な面である。基材1210は、面1211a側に凹部1210aを有しており、また、面1211b側も同様に凹部を有する。凹部1210aは、X軸方向に沿って溝状に設けられ、複数の凹部1210aがY軸方向に平行に形成される。面1211b側の凹部もX軸方向に沿って溝状に設けられ、複数の凹部がY軸方向に平行に形成される。面1211b側の凹部は、凹部1210aとXY平面視で、互いの外周がほぼ重なるように形成される。凹部1210aおよび面1211b側の凹部のZ軸方向の長さ、すなわち深さは、発光部のZ軸方向の長さにもとづいて設定される。たとえば、凹部1210aおよび面1211b側の凹部の深さは、凹部1210aおよび面1211b側の凹部内に発光部を載置したときに、発光部が凹部1210aおよび面1211b側の凹部内に十分に埋設されるように設定される。
【0124】
凹部1210aおよび面1211b側の凹部の形成には、周知の加工技術が用いられる。たとえば、レーザ加工機等による基材の切削加工によって凹部1210aおよび面1211b側の凹部を形成してもよいし、マスクを用いたエッチングによって凹部1210aおよび面1211b側の凹部を形成してもよい。
【0125】
図17Bに示すように、基材1210は、ブレードBLDを用いて分断される。1つのブレードBLDは、Y軸方向に沿って配置され、基材1210は、X軸方向にほぼ等間隔になるように分断される。
【0126】
図17Cに示すように、ブレードBLDによって分断されたブロック2210が形成される。ブロック2210は、
図11等に示した基材210をY軸方向に連続的に複数含む部材である。ブロック2210の分断面は、ブロック2210の側面2218a、2218bとされる。側面2218bは、側面2218aの反対側に位置する面である。
【0127】
図18Aおよび
図18Bに示すように、
図17Cで示した分断されたブロック2210は、第1面211aと第2面211bとを有する。第1面211aは、上面1212a、内側面213a、底面214a、内側面215aおよび上面1216aを含む。第2面211bは、上面1212b、内側面213b、底面214b、内側面215bおよび上面1216bを含む。
【0128】
図18Aに示すように、ブロック2210aは導電層に覆われている。具体的には、第1面211a上の全体に第1導電層1220a、第2面211b上の全体に第2導電層1220b、側面2218a上の全体に第3導電層1220cおよび側面2218b上の全体に第4導電層1220dが形成される。第1導電層1220a、第2導電層1220b、第3導電層1220cおよび第4導電層1220dは、同時に形成されてもよいし、たとえば、第1面211a上、第2面211b上、側面2218a上および側面2218b上それぞれ順次形成されてもよい。第1導電層1220a、第2導電層1220b、第3導電層1220cおよび第4導電層1220dの形成には、たとえば、スパッタリング技術が用いられる。
【0129】
図18Bに示すように、ブロック2210aは、第1面211a側に、第1凹部210aを有し、第2面211b側に第2凹部210bを有する。第1凹部210aは、内側面213a、底面214aおよび内側面215aで規定される。第2凹部210bは、内側面213b、底面214bおよび内側面215bで規定される。
【0130】
図19Aおよび
図19Bに示すように、ギャップG201、G202を形成することによって、ブロック2210bが形成される。ギャップG201は、第1面211a側に形成される。ギャップG202は、第2面211b側に形成される。ギャップG201は、ブロック2210bのX軸方向のほぼ中心をY軸方向に沿うように第1面211a側にブレードBLDを入れることによって形成される。ギャップG202は、ブロック2210bのX軸方向のほぼ中心をY軸方向に沿うように第2面211b側にブレードBLDを入れることによって形成される。
【0131】
ブレードBLDは、ブロック2210bの基材の一部および第1面211側の導電層1220aを分断して、分離された第1導体1221aおよび第2導体1222aが形成される。ブレードBLDは、第2面211b側の導電層1220bを分断して、分離された第3導体1221bおよび第4導体1222bが形成される。側面2218a上には、第3導電層1220cが形成されているので、第1導体1221aおよび第4導体1222bは、第3導電層1220cを介して電気的に接続されている。側面2218b上には、第4導電層1220dが形成されているので、第2導体1222aおよび第3導体1221bは、第4導電層1220dを介して電気的に接続されている。上述のほか、導電層を分断して、基材の一部を分断しないようにしてもよい。基材や導電層は、ブレードによる分断に限らず、レーザ照射やエッチングによって分断してもよい。
【0132】
その後、ブロック2210bは、上面1212aのY軸方向のほぼ中心をX軸方向に沿って分断され、上面1216aのY軸方向のほぼ中心をX軸方向に沿って分断される。ブロック2210bの分断時には、基材210の分断とともに、第1導体1221a、第2導体1222a、第3導体1221b、第4導体1222b、第3導電層1220cおよび第4導電層1220dも基材210と同じ位置で分断される。
【0133】
図20Aおよび
図20Bに示すように、第1導体221は、第1導体1221aがX軸方向に沿って分断されることで、形成される。第2導体222は、第2導体1222aがX軸方向に沿って分断され、分断された第2導体1222aの部分は、その一部が除去されて、第2導体222が形成される。除去される部分は、上面212a、216a上の導体の部分および内側面213a、215a上の導体の部分である。第2導体222は、底面214a上に残された導体の部分である。
【0134】
第3導体233は、第3導体1221bがX軸方向に沿って分断されることで形成される。第4導体234は、第4導体1222bがX軸に沿って分断され、分断された第4導体1222bの部分は、その一部が除去されて、第4導体234が形成される。除去される部分は、上面212b、216b上の導体の部分および内側面213b、215b上の導体の部分である。第4導体234は、底面214b上に残された導体の部分である。
【0135】
ブロック2210bの分断工程により、第3導電層1220cは分断されて、第1接続部材251とされる。ブロック2210bの分断工程により、第4導電層1220dは分断されて、第2接続部材252とされる。
【0136】
第1面211a側では、上面212a、216a上の第1導体221は、そのまま残されて、第4導体234および第1接続部材251に接続された第1端子261-1、261-2とされる。第2面211b側では、上面212b、216b上の第3導体233は、そのまま残されて、第2導体222および第2接続部材252に接続された第2端子262-1、262-2とされる。
【0137】
分断された第2導体1222aの一部を除去して第2導体222を形成し、分断された第4導体1222bの一部を除去して第4導体234を形成するためには、たとえばレーザ加工機が用いられる。第2導体222および第4導体234を形成する金属材料に応じて適切なレーザ波長が選定される。
【0138】
図21Aに示すように、第1面211a側では、第1凹部210aに第1発光部41および第2発光部42が載置される。第1発光部41および第2発光部42は、第1導体221から第2導体222にわたって、それぞれ載置される。第1発光部41および第2発光部42の一方の電極は、第1導体221に接続され、第1発光部41および第2発光部42の他方の電極は、第2導体222に接続される。
【0139】
第2面211b側では、第2凹部210bに第3発光部43および第4発光部44が載置される。第3発光部43および第4発光部44は、第3導体233から第4導体234にわたって、それぞれ載置される。第3発光部43および第4発光部44の一方の電極は、第3導体233に接続され、第3発光部43および第4発光部44の他方の電極は、第4導体234に接続される。
【0140】
図21Bに示すように、第1透光性部材271は、第1発光部41および第2発光部42を覆うように配置される。第1透光性部材271は、第1発光部41および第2発光部42のほか、
図15Aに示した内側面213a、底面214aおよび内側面215aを覆うように配置される。第2透光性部材272は、第3発光部43および第4発光部44を覆うように配置される。第2透光性部材272は、第3発光部43および第4発光部44のほか、
図15Aに示した内側面213b、底面214bおよび内側面215bを覆うように配置される。
【0141】
このようにして、本実施形態の発光装置201が製造される。
【0142】
本実施形態の発光装置201の効果について説明する。
本実施形態の発光装置201は、上述の他の実施形態の発光装置1と同様の効果をする。
【0143】
第1の実施形態の場合と同様の効果のほか、以下の効果を奏する。
本実施形態の発光装置201では、第1接続部材251および第2接続部材252は、発光装置201の基材210の2つの側面218a上および側面218b上にそれぞれ配置されている。そのため、光取出面と直交する位置で、外部電源からの配線部材に接続することが可能になる。つまり、外部電源と接続する2つの配線部材で、第1接続部材251および第2接続部材252を介して発光装置201を挟み込むことにより、2つの配線部材で挟まれた領域に向けて光を取り出すことができる。そのため、発光装置201では、装置組み込みの際の配置や実装の自由度が向上する。なお、第1接続部材251および第2接続部材252を端子として利用する場合には、第1端子および第2端子を配置しなくてもよい。第1端子および第2端子を配置しないことにより、
図20Aおよび
図20Bに関連して説明した端子を形成する工程を簡素化できる。
【0144】
(第3の実施形態)
以下の各実施形態では、上述した発光装置1、201を配置した発光モジュールについて説明する。
図22Aは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な正面図である。
図22Bは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な平面図である。
図22Aおよび
図22Bに示すように、本実施形態の発光モジュール301は、発光装置1と、第1透光性板310と、第2透光性板320と、を備える。
【0145】
第1透光性板310は、透光性基材311と第1透光性導電層312とを含む。第1透光性導電層312は、透光性基材311の一方の面311a上に配置されている。第2透光性板320は、透光性基材321と第2透光性導電層322とを含む。第2透光性導電層322は、透光性基材321の一方の面321a上に配置されている。
【0146】
本実施形態の発光モジュール301は、第1の実施形態の発光装置1を備えている。以下の説明では、第1の実施形態の発光装置1の場合の3次元座標とは異なる3次元座標を用いる。本実施形態の3次元座標では、第1透光性基材311の一方の面311aが、XY平面に平行な平面とされる。第2透光性板320は、第1透光性基材311の面311aに平行な面321aを有するものとするので、面321aもXY平面に平行な面である。この例では、複数の発光装置1が配置される。複数の発光装置1は、XY平面上をX軸方向に沿って配置され、Y軸方向に沿って配置される。Z軸は、XY平面に直交し、第2透光性基材321の面321aから第1透光性基材311の面311aに向かう方向を正とする。なお、Z軸の正負の方向について「上」や「下」という場合であっても、Z軸に沿った方向は重力方向に限定されないのは、上述の他の実施形態の場合と同様である。
【0147】
第1透光性板310に配置される第1透光性導電層312は、第2透光性板320に配置される第2透光性導電層322と対向する。発光装置1は、第1透光性板310と第2透光性板320との間に配置される。
【0148】
より具体的には、第1透光性導電層312は、発光装置1のいずれかの光取出面S1、S2に対向して配置される。第1透光性導電層312が光取出面S1に対向する場合、第1透光性導電層312は、光取出面S1側の第1端子61に電気的に接続される。第2透光性導電層322は、光取出面S2に対向して配置され、光取出面S2側の第2端子62に電気的に接続される。
【0149】
第1透光性導電層312が光取出面S2に対向する場合、第1透光性導電層312は、光取出面S2側の第2端子62に接続される。第2透光性導電層322は、光取出面S1に対向して配置され、光取出面S1側の第1端子61に接続される。
図22Aの例では、X軸のもっとも負側にある発光装置1は、光取出面S1が第1透光性導電層312に対向しており、第1端子61と第1透光性導電層312とが接続する。この発光装置1のとなりの発光装置1は、光取出面S2が第1透光性導電層312に対向しており、第2端子と第1透光性導電層312とが接続する。
【0150】
発光装置1は、前述したとおり、第1端子61上および第2端子62上に、可撓性導電膜を有することができる。可撓性導電膜を有することで、発光装置1と第1透光性板および第2透光性板320との電気的接続がより良好になる。より詳細に説明すると、発光装置1が第1透光性板310および第2透光性板320に対して傾いた状態で挟まれたり、第1透光性板310および第2透光性板320が反っていたりしても、可撓性導電膜が配置されることによって、発光装置1と第1透光性板310および第2透光性板320とが接触する面積が増え、確実な電気的接続をとることができる。
【0151】
発光モジュール301において、発光装置1は、第1透光性板310および第2透光性板320と導電性接着剤を介して接着された状態で電気的に接続されてもよいし、導電性接着剤を用いることなく直接接することで電気的に接続されてもよい。なお、後述する発光モジュール401、501についても同様である。
【0152】
発光装置1が複数配置される場合、前述したように、第1透光性導電層312に、第1端子61が接続された発光装置1と、第2端子62が接続された発光装置1とが存在してもよい。但し、これに限らず、第1透光性導電層に、すべての発光装置1の第1端子61が接続されてもよいし、すべての発光装置1の第2端子62が接続されてもよい。
【0153】
第1透光性導電層312は、
図22の例では、第1透光性基材311の第2透光性板320側の面全体に配置されている。これにより、第1透光性基材311の第2透光性板320側の面のいずれの箇所に発光装置1が配置されても、発光装置1と第1透光性板310との電気的接続を確保することができる。また、第1透光性導電層312における発光装置を配置するためのパターンを必要としないため、第1透光性板310に第1透光性導電層312を形成する工程を単純化することができる。なお、第2透光性導電層322についても同様である。
【0154】
図22Aの例で示すように、1つの第1透光性導電層312に、複数の発光装置1を接続させることができる。また、1つの第2透光性導電層322に、複数の発光装置1を接続させることができる。これにより、透光性導電層から複数の発光装置1に電流を供給することができ、複数の発光装置1を同時に点灯させることができる。後述する第4の実施形態、第5の実施形態および第6の実施形態も同様である。
【0155】
透光性基材311、321は、XY平面に平行な面を両面に有する板状の部材であり、たとえばガラスや樹脂で構成されている。第1透光性導電層312および第2透光性導電層322は、たとえばITOやZnOである。
【0156】
発光モジュール301は、1つの発光装置1を備えてもよいし、複数の発光装置1を備えていてもよい。発光モジュール301は、複数の発光装置を備えることで、面状の光源とすることができる。複数の発光装置1は、
図22Bの例で示すようにX軸方向およびY方向に等間隔で配置されている。複数の発光装置1を配置する場合には、
図22Bに示すようにすべての発光装置1が規則的に配列されることに限らず、不規則に配置されてもよい。
【0157】
本実施形態の発光モジュール301の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール301は、発光装置1を備えている。発光装置1は、第1端子61に、第2端子62に印加される電圧よりも高い電圧を印加した場合であっても、第2端子62に印加される電圧よりも低い電圧を印加した場合であっても、両面発光する。そのため、発光モジュール301において、第1端子61および第2端子62に接続する配線の極性を考慮することなく、発光装置1を実装することができる。また、発光装置1の第1端子61および第2端子62の極性を考慮する必要がないので、発光モジュール301の製造を簡素化し、生産性を向上させることができる。
【0158】
本実施形態の発光モジュール301の発光装置1は、第1端子61および第2端子62が、一方の光取出面S1およびその反対側の光取出面S2側にそれぞれ位置する。透光性導電層を有する2つの透光性板310、320を発光装置1の光取出面S1側および光取出面S2側から挟み込むことで、発光装置1と外部電源からの配線部材との接続が完了する。その点でも、発光モジュール301の製造を簡素化し、生産性を向上させることができる。
【0159】
(第4の実施形態)
図23Aは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な正面図である。
図23Bは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な平面図である。
第2の実施形態の場合の発光装置201を第3の実施形態の発光モジュール301における発光装置1から置き換えて、発光モジュール401に適用することができる。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図23Aおよび
図23Bに示すように、本実施形態の発光モジュール401は、発光装置201と、第1透光性板310と、第2透光性板320と、を備える。第1透光性板310および第2透光性板320は、第3の実施形態の場合と同じである。詳細な説明を省略する場合がある。
本実施形態の場合では、第3の実施形態の場合と同じ3次元座標を用いて説明する。
【0160】
発光装置201は、第2の実施形態で説明した発光装置である。発光装置201は、光取出面S201、S202を有している。光取出面S202は、光取出面S201の反対側に位置する面である。発光装置201では、光取出面S201側に第1端子261-1、261-2を備え、光取出面S202側に第2端子262-1、262-2を備えている。第1端子261-1、261-2上には、可撓性導電膜281-281-2がそれぞれ配置され、第2端子262-1、262-2上には、可撓性導電膜282-1、282-2がそれぞれ配置されている。以下の説明では、図示および表記の煩雑さを避けるため、光取出面S201側に位置する可撓性導電膜の符号を281と表記し、光取出面S202側に位置する可撓性導電膜の符号を282と表記するものとする。
【0161】
第1透光性導電層312は、発光装置201の光取出面S201、S202のいずれかに対向して配置される。第1透光性導電層312が光取出面S201に対向する場合には、第1透光性導電層312は、第1端子261上の可撓性導電膜281に電気的に接続される。第2透光性導電層322は、第2端子262上の可撓性導電膜282に電気的に接続される。
【0162】
第1透光性導電層312が光取出面S202に対向する場合には、第1透光性導電層312は、第2端子262上の可撓性導電膜282に電気的に接続される。第2透光性導電層322は、第1端子261上の可撓性導電膜281に電気的に接続される。
【0163】
発光モジュール401は、1つの発光装置201を備えてもよいし、複数の発光装置201を備えてもよいのは、第3の実施形態の場合と同様である。複数の発光装置201を備える場合に、発光装置201ごとに、光取出面と透光性導電層との対向関係を異ならせてもよいことも、第3の実施形態の場合と同様である。
【0164】
本実施形態の発光モジュール401の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール401は、第3の実施形態の発光モジュール301の場合と同様の効果を奏するほか、以下の効果を奏する。
本実施形態の発光モジュール401は、発光装置201を備えている。発光装置201は、基材210の第1面211a側に第1凹部210aを有し、第2面211b側に第2凹部210bを有している。発光部41および発光部42を含む第1発光素子40aは、第1凹部210a内に配置され、発光部43および発光部44を含む第2発光素子40bは、第2凹部210b内に配置される。そのため、発光装置201は、より薄型とすることができ、2つの透光性板の間に配置したときの発光装置201による間隙も薄くすることができる。したがって、発光モジュール401は、より薄型化を図ることができる。
【0165】
(第5の実施形態)
図24Aは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な正面図である。
図24Bは、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な平面図である。
本実施形態の発光モジュール501では、発光装置201の配置が第4の実施形態の場合と相違する。同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
図24Aおよび
図24Bに示すように、本実施形態の発光モジュール501は、発光装置201と、第1透光性板310と、第2透光性板320と、を備える。発光装置201、第1透光性板310および第2透光性板320は、第4の実施形態の場合と同じである。
【0166】
本実施形態の発光モジュール501では、発光装置201は、第1接続部材251および第2接続部材252を備えており、第1接続部材251は、発光装置201を構成する基材210の第1側面218aに配置され、第2接続部材252は、第1側面218aの反対側に位置する第2側面218bに配置されている。発光装置201は、第1接続部材251および第2接続部材252を介して、第1透光性導電層312および第2透光性導電層322に電気的に接続する。
【0167】
より具体的には、第1透光性導電層312は、第1接続部材251または第2接続部材252に対向して配置される。第1透光性導電層312が、第1接続部材251に対向する場合、第1透光性導電層312は、第1接続部材251に電気的に接続される。第2透光性導電層322は、第2接続部材252に電気的に接続される。第1透光性導電層312は、第2接続部材252に対向する場合、第1透光性導電層312は、第2透光性導電層322に電気的に接続される。第1透光性導電層312が、第2接続部材252に対向する場合、第1透光性導電層312は、第2接続部材252に電気的に接続される。第2透光性導電層322は、第1接続部材251に電気的に接続される。
【0168】
本実施形態の発光モジュール501では、発光装置201は、光取出面S201、S202が、XY平面に直交または交差するように配置される。
【0169】
発光モジュール501は、1つの発光装置201を備えてもよいし、複数の発光装置201を備えてもよいのは、第3の実施形態や第4の実施形態の場合と同様である。発光モジュール501が複数の発光装置201を備える場合に、発光装置201ごとに、接続部材と透光性導電層との対向関係を異ならせてもよいことも、第3の実施形態や第4の実施形態の場合と同様である。
【0170】
本実施形態の発光モジュール501の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール501は、第3の実施形態の発光モジュール301と同様の効果を奏する。そのほか、本実施形態の発光モジュール501は、以下の効果を奏する。すなわち、発光モジュール501では、発光装置201は、その2つの光取出面S201、S202が、XY平面に平行ではなく、XY平面に直交あるいは角度をもって配置されている。XY平面は、第1透光性板310の透光性基材311の一方の面311aおよび第2透光性板320の透光性基材321の一方の面321aにそれぞれ平行であるため、発光装置201は、X軸に沿う方向にもっとも輝度の高い光を放射する。そのため、光の届きにくい発光モジュール501の周縁部の光量を確保することが可能になる。そのため、発光モジュール501全体として見たときに、より均一な光量を有する発光モジュール501を実現することができる。
【0171】
(第6の実施形態)
図25は、本実施形態に係る発光モジュールを例示する模式的な正面図である。
図25に示すように、本実施形態の発光モジュール601は、発光装置201と、第1透光性板310と、支持部材610と、光学部材620と、を備える。
図25では、1つの発光装置201を備えた発光モジュール501が示されているが、発光装置201は1つに限らず、複数あってもよい。
本実施形態の発光装置201は、第2の実施形態の場合の発光装置であり、第1透光性板(第3透光性板)310は、第3~第5の実施形態の場合の第1透光性板であり、一方の面に第1透光性導電層(第3透光性導電層)312を配置した透光性基材311を含んでいる。同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する場合がある。
【0172】
本実施形態の3次元座標では、支持部材610の一方の面611aは、XY平面に平行な面である。X軸およびY軸は、任意の方向にとることができる。この例では、発光装置201および光学部材620がX軸方向に沿って配置されている。Z軸の方向および正負に関する事項は、第3の実施形態と同じである。
【0173】
第1透光性板310は、支持部材610に対向して配置される。
【0174】
支持部材610は、面611aを有する板状の部材であり、発光装置201および光学部材620を載置して、これらを支持する。支持部材610の一方の面611aには、導電層(導電性を有する部分)612が配置されている。導電層612は、発光装置201の接続部材を載置して接続できる程度のXY平面視での面積を有する。支持部材610および導電層612は、透光性を有していなくてもよいし、透光性を有してもよい。
【0175】
光学部材620は、支持部材610の面611a上に配置される。光学部材620は、面611a上に載置され、発光装置201から出射される光の光路内に配置される。この例では、光学部材620は、面611aからの角度θの傾斜面621を有する反射体である。角度θは、光学部材620に入射する光が反射する方向に応じて設定される。傾斜面621に入射する光は、傾斜面621ですべて反射されてもよいし、一部の光が反射され、他の光が透過されてもよい。傾斜面621は平面でもよいし、凸面や凹面を有する面でもよい。また、発光モジュール601の用途によっては、発光装置からの光を効率よく取り出すために、プリズムやフィルタ等の他の光学部材としてもよい。
【0176】
発光装置201は、第1透光性板310と支持部材610との間に配置される。発光装置201は、第1接続部材251または第2接続部材252が、導電層612に対向するように配置される。この例では、発光装置201は、第2接続部材252が導電層612に対向して配置され、第2接続部材252は、導電層612に接続される。発光装置201は、第1接続部材251が第1透光性導電層312に対向して配置され、第1接続部材251は、第1透光性導電層312に接続される。第1接続部材251は導電層612に対向して配置され、導電層612に接続される。第2接続部材252は第1透光性導電層312に対向して配置され、第1透光性導電層312に接続されてもよい。なお、発光装置201は、この例では、1つ配置される。但し、これに限らず、複数配置されてもよい。
【0177】
光学部材620は、第1透光性板310と支持部材610との間に配置される。この例では、光学部材620は、傾斜面621が発光装置201の光取出面に対向するように配置される。この例では、発光装置201は、光取出面S202が傾斜面621に対向するように、発光装置201および光学部材620が配置される。発光装置201は、光取出面S201が傾斜面621に対向するように配置されてもよい。
【0178】
発光モジュール601において、発光装置201は、第1透光性板(第3透光性板)310および支持部材610の導電層612と導電性接着剤を介して接着された状態で電気的に接続されてもよいし、導電性接着剤を用いることなく直接接することで電気的に接続されてもよい。
【0179】
本実施形態の発光モジュール601の動作について説明する。
本実施形態の発光モジュール601では、光取出面S201、S202の両面からの出射光の光路を異ならせることができる。この例では、光取出面S201からの光は、
図25の太い直線矢印で示すように、第1透光性板310と支持部材610との間の間隙に沿って出射される。他方の光取出面S202からの光は、
図25の屈曲された太い矢印で示すように、光学部材620の傾斜面621により反射され、第1透光性板310を介して出射される。
【0180】
本実施形態の発光モジュール601の効果について説明する。
本実施形態の発光モジュール601では、発光装置201を備えている。発光装置201は、一方の側面に第1接続部材251を有し、他方の側面に第2接続部材252を有している。発光装置201は、第3透光性板310および支持部材610によって挟まれ、第1接続部材251および第2接続部材252を介して、外部電源からの配線部材(第3透光性板310および支持部材610)と電気的に接続する。これにより、発光装置1からの光は、主に、支持部材610の面611aと平行な方向に光を出射する。光学部材によって、発光装置201の一方の光取出面からの光の光路を変更することができたり、出射光に処理を加えたりすることができたりするので、さまざまな光学的演出が可能になる。
【0181】
以上説明した実施形態によれば、端子の識別を不要にして実装を容易にした発光装置、その発光装置を用いた発光モジュールおよびその発光装置の製造方法を実現することができる。
【0182】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0183】
1、201…発光装置、10、210…基材、10a…第1基材、10b…第2基材、12a…第1貫通孔、12b…第2貫通孔、20、220…一対の第1配線、21、221…第1導体、22、222…第2導体、30、230…一対の第2配線、33、233…第3導体、34、234…第4導体、41…第1発光部、42…第2発光部、43…第3発光部、44…第4発光部、51、251…第1接続部材、52、252…第2接続部材、61、261-1、261-2…第1端子、62、262-1、262-2…第2端子、71、271…第1透光性部材、72、272…第2透光性部材、120、120a…発光素子、281、281-1、281-2、282、282-1、282-2…可撓性導電膜、210a…第1凹部、210b…第2凹部、218a…第1側面、218b…第2側面、1002…レジスト層、1003…レジストパターン、1020、1030…シード層、1220…導電層、S1、S2、41S、42S、43S、44S、S201、S202…光取出面、G1、G2、G201、G202…ギャップ