(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095510
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/324 20190101AFI20230629BHJP
G06F 1/3209 20190101ALI20230629BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230629BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G06F1/324
G06F1/3209
B41J29/38 104
H04N1/00 885
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211451
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】梁井 脩
【テーマコード(参考)】
2C061
5B011
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061HH11
2C061HJ08
2C061HJ10
2C061HK23
2C061HQ01
2C061HT11
2C061HT13
5B011DA01
5B011EA10
5B011EB03
5B011KK11
5B011KK14
5B011LL12
5B011LL13
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB42
5C062AB49
5C062AC22
5C062AC34
5C062AC58
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の端末から一斉にパケットが送られてきた場合に省電力モードを維持する情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置10-1において、サブシステム10Bは、複数の端末との間でパケットデータの送受信を行う通信手段(ネットワークI/F)と、通信手段に接続されている端末の数に基づいてCPUクロック周波数を制御するクロック制御部と、を備える。情報処理装置は、情報処理装置に接続されている端末の数と、CPUクロック周波数とが対応付けて記憶されている制御テーブルに基づいて、端末の数が多いほど、CPUクロック周波数を高くし、端末の数が減少した場合には、CPUクロック周波数を下げる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段と、
前記通信手段に接続されている端末の数に基づいて、CPUクロック周波数を制御するクロック制御部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記クロック制御部は、
バーストトラフィックが発生している前記端末の数が多いほど、前記CPUクロック周波数を高める
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記クロック制御部は、
前記通信手段が受信したパケットに含まれているMACアドレスの数を、前記通信手段に接続されている前記端末の数として用いる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記バーストトラフィックが発生した前記端末毎に、バーストトラフィックの発生に関する情報を格納する端末情報格納部と、
前記端末情報格納部に格納されている、前記バーストトラフィックの発生に関する情報に基づいて、前記バーストトラフィックの発生時刻を予測するシステム管理部と
を備え、
前記クロック制御部は、
予測された前記発生時刻が到来する前のタイミングで、前記CPUクロック周波数を制御する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記バーストトラフィックの発生に関する情報は、前記バーストトラフィックが発生した発生時刻と、前記バーストトラフィックの発生周期とを含む
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記システム管理部は、
同一の前記端末から所定時間内にパケットを連続して受信した場合、当該端末において前記バーストトラフィックが発生したと判断し、前記端末情報格納部に、当該端末に関する前記バーストトラフィックの発生に関する情報を登録または更新する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記システム管理部は、
同一の前記端末から所定時間内にパケットを連続して受信しなかった場合、前記端末情報格納部から、当該端末に関する前記バーストトラフィックの発生に関する情報を削除する
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
通信手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記通信手段に接続されている端末の数に基づいて、前記情報処理装置のCPUクロック周波数を制御する制御工程
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
通信手段を備える情報処理装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記通信手段に接続されている端末の数に基づいて、前記情報処理装置のCPUクロック周波数を制御する制御部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、消費電力を抑える目的で、一定時間に受信したパケット数に基づきCPUクロック周波数を制御するアルゴリズムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の技術は、単位時間あたりのパケット数に基づいてCPUクロック周波数を制御するため、複数の端末から一斉にパケットが送られてきた場合に省電力モードを維持できない。
【0004】
具体的には、特許文献1の技術は、通信機器が省電力モードにあるときに、同一ネットワークにある端末から短時間に大量のSNMPパケットが送られてくると、パケットの処理が間に合わずにバッファからパケットが溢れることになり、メインシステムでパケットを処理しなければならないため、省電力モードから通常モードへ復帰してしまい、大きく電力が消費されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、複数の端末から一斉にパケットが送られてきた場合に省電力モードを維持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、一実施形態に係る情報処理装置は、通信手段と、通信手段に接続されている端末の数に基づいて、CPUクロック周波数を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態に係る検出機構によれば、複数の端末から一斉にパケットが送られてきた場合に省電力モードを維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置のシステム構成の第1例を示す図
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の第1例を示す図
【
図3】一実施形態に係る情報処理装置のシステム構成の第2例を示す図
【
図4】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成の第2例を示す図
【
図5】一実施形態に係る情報処理装置によるモード切り替え処理の手順の一例を示す図
【
図6】一実施形態に係る情報処理装置が使用するバーストテーブルの一例を示す図
【
図7】一実施形態に係る情報処理装置によるバーストテーブル処理の手順の一例を示す図
【
図8】一実施形態に係る情報処理装置が使用する制御テーブルの一例を示す図
【
図9】一実施形態に係る情報処理装置による定期イベント処理の手順の一例を示す図
【
図10】一実施形態に係る情報処理装置による通常モード復帰処理の手順の一例を示す図
【
図11】一実施形態に係る情報処理装置による通常モード復帰処理の手順の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0010】
初めに、
図1~
図4を参照して、一実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成および機能構成の一例について説明する。一実施形態に係る情報処理装置10は、少なくとも省電力モードを搭載し、且つ、複数の端末との無線通信または有線通信が可能な装置である。情報処理装置10としては、例えば、各種画像処理装置(プリンタ、スキャナ、MFP(Multifunction Peripheral)等)、プロジェクター、IWB(Interactive Whiteboard)、PC、スマートフォン、電話機、テレビ受信機等が挙げられる。
【0011】
情報処理装置10は、2つのCPU(Central Processing Unit)を有するものと、1つのCPUを有するものとを含む。
図1および
図2は、2つのCPUを有する情報処理装置10-1のシステム構成および機能構成の一例を示す。
図3および
図4は、1つのCPUを有する情報処理装置10-2のシステム構成および機能構成の一例を示す。
【0012】
(システム構成の第1例)
図1は、一実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成の第1例を示す図である。
図1に示すように、情報処理装置10-1は、プリンタ11、スキャナ12、FAX13、メインシステム10A、およびサブシステム10Bを備える。
【0013】
プリンタ11、スキャナ12、およびFAX13は、情報処理装置10-1が備える画像処理モジュールである。
【0014】
メインシステム10Aは、情報処理装置10-1が「通常モード」にあるときに、情報処理装置10-1の全体を制御するために動作する。メインシステム10Aは、メインCPU14Aおよびメインメモリ15Aを有する。メインCPU14Aは、メインシステム10Aを制御するプロセッサである。メインメモリ15Aは、メインシステム10Aの制御に関する、プログラム、各種データ等を記憶する。メインメモリ15Aとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が挙げられる。
【0015】
サブシステム10Bは、情報処理装置10-1が「省電力モード」にあるときに、メインシステム10Aの代わりに、情報処理装置10-1の全体を制御するために動作する。サブシステム10Bは、サブCPU14Bおよびサブメモリ15Bを有する。サブCPU14Bは、サブシステム10Bを制御するプロセッサである。サブメモリ15Bは、サブシステム10Bの制御に関する、プログラム、各種データ等を記憶する。サブメモリ15Bとしては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が挙げられる。
【0016】
また、サブシステム10Bは、ネットワークI/F16およびフィルタDMAC17を有する。ネットワークI/F16は、「通信手段」の一例であり、複数の端末との間で、パケットデータの送受信を行うインタフェースである。フィルタDMAC17は、ネットワークI/F16が受信したパケットをフィルタリングする機能と、DMAC(Direct Memory Access Controller)機能とを有する。
【0017】
(機能構成の第1例)
図2は、一実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の第1例を示す図である。
【0018】
図2に示すように、情報処理装置10-1は、メインシステム10Aに、メインサプリカント26Aを備える。
【0019】
メインサプリカント26Aは、情報処理装置10-1が「通常モード」にあるときに、各画像処理モジュールに関するネットワークパケットの処理を行う。
【0020】
また、情報処理装置10-1は、サブシステム10Bに、パケットフィルタ20、SNMP処理部21、端末情報格納部22、システム管理部23、クロック制御部24、およびサブサプリカント26Bを備える。
【0021】
パケットフィルタ20は、端末から受信したパケットに対して所定のフィルタ処理を行う。所定のフィルタ処理は、例えば、SNMPパケットを抽出し、その他のパケットを除外する処理である。
【0022】
SNMP処理部21は、パケットフィルタ20からSNMPパケットを受け取り、当該SNMPパケットの内部情報を処理する。
【0023】
端末情報格納部22は、SNMP処理部21で抽出された端末の識別情報(MACアドレス)、パケットの受信時間、およびバーストトラフィックの周期時間を格納する。
【0024】
システム管理部23は、パケット受信時や定期イベントとして端末情報格納部22の情報をチェックし、必要に応じて処理する。
【0025】
クロック制御部24、システム管理部からの命令に従って、CPUクロック周波数を変更する。
【0026】
サブサプリカント26Bは、情報処理装置10-1が「省電力モード」にあるときに、パケットフィルタ20からパケットを受け取り、メインサプリカント26Aに各画像処理モジュールに関するパケットを出力する。または、サブサプリカント26Bは、情報処理装置10-1が「省電力モード」にあるときに、各画像処理モジュールに関するネットワークパケットの処理を行う。
【0027】
(システム構成の第2例)
図3は、一実施形態に係る情報処理装置10のシステム構成の第2例を示す図である。
図3に示す情報処理装置10-2は、サブシステム10B(すなわち、サブCPU14Bおよびサブメモリ15B)を有しない点で、
図1に示す情報処理装置10-1とシステム構成が異なる。この変更点に伴い、
図3に示す情報処理装置10-2では、ネットワークI/F16およびフィルタDMAC17が、メインシステム10Aに設けられている。
【0028】
(機能構成の第2例)
図4は、一実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の第2例を示す図である。
図3に示す情報処理装置10-2は、サブシステム10B(すなわち、サブCPU14Bおよびサブメモリ15B)を有しない点で、
図3に示す情報処理装置10-1と機能構成が異なる。この変更点に伴い、
図4に示す情報処理装置10-2では、パケットフィルタ20、SNMP処理部21、端末情報格納部22、システム管理部23、およびクロック制御部24が、メインシステム10Aに設けられている。
【0029】
なお、
図2および
図4に示す情報処理装置10の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0030】
(モード切り替え処理の手順の一例)
図5は、一実施形態に係る情報処理装置10によるモード切り替え処理の手順の一例を示す図である。
【0031】
まず、情報処理装置10は、所定のモード切替イベントが発生すると、「通常モード」から「省電力モード」へ切り替わる(ステップS501)。
【0032】
次に、情報処理装置10は、所定の定期イベント処理を実行する(ステップS502)。定期イベント処理は、バーストトラフィックの発生が予測される場合、CPUクロック周波数を高める処理である。定期イベント処理の詳細は、
図9を用いて後述する。
【0033】
次に、情報処理装置10は、端末からパケットを受信すると(ステップS503)、端末から受信したパケットがSNMPであるか否かを判断する(ステップS504)。
【0034】
ステップS504において、端末から受信したパケットがSNMPであると判断した場合(ステップS504:Yes)、情報処理装置10は、所定のバーストテーブル処理を実行する(ステップS505)。バーストテーブル処理は、端末から単位時間内に連続でSNMPパケットを受信した場合、バーストトラフィックが発生していると判断し、
図6に例示するバーストテーブルに端末のMACアドレス、バーストトラフィックの発生時刻等を記録する処理である。バーストテーブル処理の詳細は、
図7を用いて後述する。その後、情報処理装置10は、ステップS506へ処理を進める。
【0035】
一方、ステップS504において、端末から受信したパケットがSNMPではないと判断した場合(ステップS504:No)、情報処理装置10は、ステップS506へ処理を進める。
【0036】
ステップS506では、情報処理装置10は、パケットを格納するためのバッファが満杯であるか否かを判断する。
【0037】
ステップS506において、パケットを格納するためのバッファが満杯ではないと判断された場合(ステップS506:No)、情報処理装置10は、ステップS502へ処理を戻す。
【0038】
一方、ステップS506において、パケットを格納するためのバッファが満杯であると判断された場合(ステップS506:Yes)、情報処理装置10は、所定の通常モード復帰処理を実行する(ステップS507)。通常モード復帰処理は、通常モードに復帰するための処理である。通常モード復帰処理の詳細は、
図7を用いて後述する。その後、情報処理装置10は、
図5に示す一連の処理を終了する。
【0039】
(バーストテーブルの一例)
図6は、一実施形態に係る情報処理装置10が使用するバーストテーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、バーストテーブルは、バーストトラフィックの発生に関する情報として、端末のMACアドレスと、バーストトラフィックの発生周期(バースト周期)と、最後にバーストトラフィックが発生した時刻とを、対応付けて記憶する。情報処理装置10は、このバーストテーブルに基づいて、端末毎に、最後にバーストトラフィックが発生した時刻と、バーストトラフィックの発生周期(バースト周期)とに基づいて、次にバーストトラフィックが発生する時刻を予測することができる。なお、バーストテーブルは、端末情報格納部22に格納される。
【0040】
情報処理装置10(システム管理部23)は、ある端末において、所定時間(例えば、1秒)内にSNMPパケットを連続して受信した場合、その端末においてバーストトラフィックが発生したと判断し、その端末の情報を、
図6に示すバーストテーブルに登録する。
【0041】
また、情報処理装置10(システム管理部23)は、ある端末において、最後にバーストトラフィックが発生した時刻から所定時間(例えば、1秒)が経過した場合、その端末の情報を、
図6に示すバーストテーブルから削除する。
【0042】
(バーストテーブル処理の手順の一例)
図7は、一実施形態に係る情報処理装置10によるバーストテーブル処理の手順の一例を示す図である。
【0043】
まず、情報処理装置10は、バーストトラフィックが発生しているか否かを示すバーストフラグがONであるか否かを判断する(ステップS701)。
【0044】
ステップS701において、バーストフラグがONではないと判断された場合(ステップS701:No)、情報処理装置10は、バーストフラグをONに切り替え(ステップS702)、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0045】
一方、ステップS701において、バーストフラグがONであると判断された場合(ステップS701:Yes)、情報処理装置10は、単位時間内に連続でSNMPパケットを受信したか否かを判断する(ステップS703)。
【0046】
ステップS703において、単位時間内に連続でSNMPパケットを受信していないと判断された場合(ステップS703:No)、バーストフラグをOFFに切り替え(ステップS702)、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS703において、単位時間内に連続でSNMPパケットを受信したと判断された場合(ステップS703:Yes)、情報処理装置10は、
図6に例示するバーストテーブルを参照し(ステップS705)、バーストテーブルに端末のMACアドレスが登録されているか否かを判断する(ステップS706)。
【0048】
ステップS706において、バーストテーブルに端末のMACアドレスが登録されていないと判断された場合(ステップS706:No)、情報処理装置10(システム管理部23)が、バーストテーブルに端末のMACアドレスと、バーストトラフィックが発生した時刻とを登録し(ステップS707)、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0049】
一方、ステップS706において、バーストテーブルに端末のMACアドレスが登録されていると判断された場合(ステップS706:Yes)、情報処理装置10は、バーストテーブルにバーストトラフィックの発生周期(バースト周期)が登録されているか否かを判断する(ステップS708)。
【0050】
ステップS708において、バーストテーブルにバーストトラフィックの発生周期(バースト周期)が登録されていないと判断された場合(ステップS708:No)、情報処理装置10(システム管理部23)が、バーストテーブルにバーストトラフィックの発生周期(バースト周期)を登録し(ステップS709)、
図7に示す一連の処理を終了する。例えば、情報処理装置10は、同一のMACアドレスで2回バーストトラフィックが発生した際に、今回のバーストトラフィックの発生時刻と、前回のバーストトラフィックの発生時刻との差分に基づいて、バーストトラフィックの発生周期(バースト周期)を算出し、当該バーストトラフィックの発生周期(バースト周期)をバーストテーブルに登録する。
【0051】
一方、ステップS708において、バーストテーブルにバーストトラフィックの発生周期(バースト周期)が登録されていると判断された場合(ステップS708:Yes)、情報処理装置10は、
図7に示す一連の処理を終了する。
【0052】
(制御テーブルの一例)
図8は、一実施形態に係る情報処理装置10が使用する制御テーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、制御テーブルには、情報処理装置10に接続されている端末の数(すなわち、バーストテーブルに登録されている端末の数)と、CPUクロック周波数とが対応付けて記憶されている。
図8に示す例では、制御テーブルには、バーストテーブルに登録されている端末の数が多いほど、CPUクロック周波数が高くなるように設定されている。情報処理装置10(クロック制御部24)は、この制御テーブルに基づいて、バーストテーブルに登録されている端末の数に応じて、CPUクロック周波数を変更することができる。例えば、情報処理装置10(クロック制御部24)は、バーストテーブルに登録されている端末の数が減少した場合には、この制御テーブルに基づいて、CPUクロック周波数を下げることで、省電力効果を高めることができる。なお、制御テーブルは、例えば、端末情報格納部22に格納される。
【0053】
(定期イベント処理の手順の一例)
図9は、一実施形態に係る情報処理装置10による定期イベント処理の手順の一例を示す図である。
【0054】
まず、情報処理装置10は、バーストフラグをOFFに切り替える(S901)。次に、情報処理装置10(システム管理部23)が、
図6に例示するバーストテーブルを参照し(ステップS902)、バーストトラフィックの発生予測時刻を予測し(ステップS903)、バーストトラフィックの発生予測時刻が近づいているか否かを判断する(ステップS904)。
【0055】
ステップS904において、バーストトラフィックの発生予測時刻が近づいていると判断された場合(ステップS904:Yes)、情報処理装置10(クロック制御部24)が、
図8に示す制御テーブルと、情報処理装置10に接続されている端末の(MACアドレス)の数(バーストテーブルに登録されている端末の数)とに基づいて、CPUクロック周波数を高める(ステップS905)。その後、情報処理装置10は、
図9に示す一連の処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS904において、バーストトラフィックの発生予測時刻が近づいていないと判断された場合(ステップS904:No)、情報処理装置10(クロック制御部24)が、
図8に示す制御テーブルと、情報処理装置10に接続されている端末の(MACアドレス)の数(バーストテーブルに登録されている端末の数)とに基づいて、CPUクロック周波数を低める(ステップS906)。その後、情報処理装置10は、
図9に示す一連の処理を終了する。
【0057】
(通常モード復帰処理の手順の一例)
図10および
図11は、一実施形態に係る情報処理装置10による通常モード復帰処理の手順の一例を示す図である。
図10は、情報処理装置10が2つのCPUを有する情報処理装置10-1である場合の、通常モード復帰処理である。
図11は、情報処理装置10が1つのCPUを有する情報処理装置10-2である場合の、通常モード復帰処理である。
【0058】
図10に示すように、情報処理装置10-1は、まず、メインシステム10Aを「通常モード」に復帰する(S1001)。次に、情報処理装置10-1は、メインシステム10Aへパケットを転送する(S1002)。次に、情報処理装置10-1は、メインシステム10Aによるパケット処理を実行する(S1003)。その後、情報処理装置10-1は、
図10に示す一連の処理を終了する。
【0059】
図11に示すように、情報処理装置10-2は、まず、メインシステム10Aを「通常モード」に復帰する(S1101)。次に、情報処理装置10-2は、メインシステム10Aによるパケット処理を実行する(S1102)。その後、情報処理装置10-2は、
図11に示す一連の処理を終了する。
【0060】
上記のとおり、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックの発生周期を学習し、バーストトラフィックの発生周期に基づいて、バーストトラフィックの発生予測時刻を予測し、バーストトラフィックの発生予測時刻が到来する前に、バーストトラフィックの発生している端末(MACアドレス)の数に基づいて、CPUクロック周波数を高めることができる。
【0061】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、複数の端末から一斉にパケットが送られてきた場合であっても、省電力モードを維持したまま、一斉に送られてきたパケットを処理することができる。
【0062】
また、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックの発生している端末(MACアドレス)の数が多い場合には、CPUクロック周波数を上げることができ、省電力モードを維持したまま、パケット処理能力を高めることができる。
【0063】
また、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックの発生している端末(MACアドレス)の数が少ない場合には、CPUクロック周波数を下げることができ、省電力効果を高めることができる。
【0064】
(効果)
以上説明したように、一実施形態に係る情報処理装置10は、ネットワークI/F16(通信手段)と、ネットワークI/F16に接続されている端末の数に基づいて、CPUクロック周波数を制御するクロック制御部24とを備える。
【0065】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、ネットワークI/F16に接続されている端末の数に応じて、CPUクロック周波数を適切に制御することができる。
【0066】
また、一実施形態に係る情報処理装置10において、クロック制御部24は、バーストトラフィックが発生している端末の数が多いほど、CPUクロック周波数を高める。
【0067】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックが発生している端末の数に応じて、CPUクロック周波数を適切に制御することができる。
【0068】
また、一実施形態に係る情報処理装置10において、クロック制御部24は、ネットワークI/F16が受信したパケットに含まれているMACアドレスの数を、ネットワークI/F16に接続されている端末の数として用いる。
【0069】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、パケット数に基づいてCPUクロック周波数を制御する場合と比較して、複数の端末からバーストトラフィックが発生するネットワーク環境にある場合、CPUクロック周波数を高精度に制御することができる。
【0070】
また、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックが発生した端末毎に、バーストトラフィックの発生に関する情報を格納する端末情報格納部22と、端末情報格納部22に格納されている、バーストトラフィックの発生に関する情報に基づいて、バーストトラフィックの発生が予測される発生予測時刻を予測するシステム管理部23とを備え、クロック制御部24は、発生予測時刻が到来する前のタイミングで、CPUクロック周波数を制御する。
【0071】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックの発生を予測して、当該バーストトラフィックの発生する前に、CPUクロック周波数を事前に制御することができる。
【0072】
また、一実施形態に係る情報処理装置10において、バーストトラフィックの発生に関する情報は、バーストトラフィックが発生した発生時刻と、バーストトラフィックの発生周期とを含む。
【0073】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックの発生を的確に予測して、当該バーストトラフィックの発生する前に、CPUクロック周波数を事前に制御することができる。
【0074】
また、一実施形態に係る情報処理装置10において、システム管理部23は、同一の端末から所定時間内にパケットを連続して受信した場合、当該端末においてバーストトラフィックが発生したと判断し、端末情報格納部22に、当該端末に関するバーストトラフィックの発生に関する情報を登録または更新する。
【0075】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックが発生している端末数を的確に把握し、バーストトラフィックが発生している端末数に応じて、CPUクロック周波数を適切に制御することができる。
【0076】
また、一実施形態に係る情報処理装置10において、システム管理部23は、同一の端末から所定時間内にパケットを連続して受信しなかった場合、端末情報格納部22から、当該端末に関するバーストトラフィックの発生に関する情報を削除する。
【0077】
これにより、一実施形態に係る情報処理装置10は、バーストトラフィックが発生している端末数を的確に把握し、バーストトラフィックが発生している端末数に応じて、CPUクロック周波数を適切に制御することができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10,10-1,10-2 情報処理装置
10A メインシステム
10B サブシステム
11 プリンタ
12 スキャナ
13 FAX
14A メインCPU
15A メインメモリ
14B サブCPU
15B サブメモリ
16 ネットワークI/F
17 フィルタDMAC
20 パケットフィルタ
21 SNMP処理部
22 端末情報格納部
23 システム管理部
24 クロック制御部
26A メインサプリカント
26B サブサプリカント
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】