(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095514
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】半導体記憶装置、半導体記憶装置を作製する方法、半導体集積回路、半導体記憶集積回路
(51)【国際特許分類】
H10B 20/10 20230101AFI20230629BHJP
【FI】
H01L27/102 435
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211455
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】草野 健一郎
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083CR20
5F083JA02
5F083JA19
5F083JA56
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR40
(57)【要約】
【課題】トランジスタ幅を変更することなく複数の電流特性のいずれか1つを提供できる構造を有する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、メモリトランジスタのためのアクティブ領域、及びトレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域と、窪みのそれぞれに設けられた絶縁領域と、絶縁領域のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域及び第2絶縁領域の一方から他方への方向に延在してアクティブ領域の上を通過するゲート電極と、ゲート電極とアクティブ領域との間に設けられたゲート絶縁膜を含む。アクティブ領域は第1絶縁領域と第2絶縁領域との間に設けられ、これらの絶縁領域の少なくとも一方は、隣接部分及び遠隔部分を有し、遠隔部分はゲート電極下において隣接部分に隣接する。隣接部分はゲート電極下においてアクティブ領域に隣接し、遠隔部分とアクティブ領域との間に設けられ、遠隔部分の厚さより小さい厚さを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリトランジスタのための第1アクティブ領域、及びトレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域と、
前記半導体領域の前記窪みのそれぞれに設けられた複数の絶縁領域と、
前記絶縁領域のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域及び第2絶縁領域の一方から他方への第1方向に延在して前記第1アクティブ領域の上を通過する第1ゲート電極と、
前記第1ゲート電極と前記第1アクティブ領域との間に設けられた第1ゲート絶縁膜と、
を含み、
前記半導体領域の前記第1アクティブ領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられ、
前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の少なくとも一方は、隣接部分及び遠隔部分を有し、
前記隣接部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1アクティブ領域に隣接し、
前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記隣接部分に隣接し、
前記隣接部分は、前記遠隔部分と前記第1アクティブ領域との間に設けられ、
前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、
前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第1導電領域及び第2導電領域を有し、
前記第1導電領域、前記第1アクティブ領域及び前記第2導電領域は、前記第1方向に交差する第2方向に配列される、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた、第2メモリトランジスタのための第2アクティブ領域を更に含み、
当該半導体記憶装置は、
前記第2アクティブ領域の上において前記第1方向に延在して前記第2アクティブ領域の上を通過する第2ゲート電極と、
前記第2ゲート電極と前記第2アクティブ領域との間に設けられた第2ゲート絶縁膜と、
を含み、
前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第3導電領域を有し、
前記第1導電領域、前記第2導電領域、及び前記第3導電領域は、前記第1アクティブ領域の導電型とは異なる導電型を有し、
前記第2導電領域、前記第1アクティブ領域、前記第1導電領域、前記第2アクティブ領域、及び前記第3導電領域は、前記第2方向に順に配列され、
前記第2導電領域及び前記第3導電領域は、基準電位線に接続され、
前記第1導電領域は、前記第1メモリトランジスタ及び前記第2メモリトランジスタによって共有され、また金属配線層に接続される、
請求項1に記載された半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1絶縁領域において、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、
前記第2絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第1絶縁領域の前記隣接部分より厚い、
請求項1又は請求項2に記載された半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の各々において、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有する、
請求項1又は請求項2に記載された半導体記憶装置。
【請求項5】
前記絶縁領域は、前記第2絶縁領域の隣の第3絶縁領域を含み、
前記第1絶縁領域、前記第2絶縁領域、及び前記第3絶縁領域は、順に、前記第1方向に配列され、
前記半導体領域は、第3メモリトランジスタのための第3アクティブ領域を更に含み、
前記第1ゲート電極は、前記第1方向に延在して前記第3アクティブ領域の上を通過し、
当該半導体記憶装置は、
前記第1ゲート電極と前記第3アクティブ領域との間に設けられた第3ゲート絶縁膜を更に含み、
前記第3絶縁領域は、隣接部分及び遠隔部分を有し、
前記第3絶縁領域において、前記隣接部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1アクティブ領域に隣接し、前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記隣接部分に隣接し、前記隣接部分は、前記遠隔部分と前記第1アクティブ領域との間に設けられ、
前記第1ゲート電極の下において、前記第3絶縁領域の前記隣接部分は、前記第3絶縁領域の前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、
前記第2絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第3絶縁領域の前記隣接部分より厚い、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載された半導体記憶装置。
【請求項6】
前記絶縁領域は、前記第1絶縁領域の隣の第4絶縁領域を含み、
前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第4絶縁領域との間に設けられた第4メモリトランジスタのための第4アクティブ領域を更に含み、
前記第1ゲート電極は、前記第1方向に延在して前記第4アクティブ領域の上を通過し、
当該半導体記憶装置は、前記第1ゲート電極と前記第4アクティブ領域との間に設けられた第4ゲート絶縁膜を更に含み、
前記第1絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第4アクティブ領域に隣接する更なる隣接部分を有し、
前記第1絶縁領域の前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1絶縁領域の前記隣接部分と前記更なる隣接部分との間に設けられ、
前記更なる隣接部分は、前記遠隔部分と前記第4アクティブ領域との間に設けられ、
前記第1ゲート電極の下において、前記更なる隣接部分は、前記第1絶縁領域の前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有する、
請求項4又は請求項5に記載された半導体記憶装置。
【請求項7】
前記隣接部分は、前記第1導電領域及び前記第2導電領域のいずれか一方から他方への方向に前記第1ゲート電極を横切る構造、又は前記第1導電領域及び前記第2導電領域のいずれか一方から延在して前記第1ゲート電極の直下において終端する構造のいずれかである、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載された半導体記憶装置。
【請求項8】
トレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域、及び前記半導体領域の前記窪みにそれぞれ設けられた複数の絶縁領域を有する基板生産物を準備することであって、前記半導体領域は、前記絶縁領域のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域と第2絶縁領域との間に設けられたアクティブ領域を有する、基板生産物を準備することと、
開口を有するマスクを前記基板生産物の主面の上に形成することと、
前記マスクを用いて前記基板生産物の前記絶縁領域の絶縁体を除去することと、
前記絶縁体を除去した後に、前記アクティブ領域にゲート絶縁膜を形成することと、
前記ゲート絶縁膜を形成した後に、前記絶縁領域及び前記アクティブ領域の上にゲート電極を形成することと、
を含み、
前記開口は、前記アクティブ領域と前記第1絶縁領域との第1境界及び前記アクティブ領域と前記第2絶縁領域との第2境界の少なくともいずれか一方の上に位置し、
前記基板生産物の前記絶縁体を除去することは、前記マスクの前記開口において前記絶縁領域を部分的に除去して、前記アクティブ領域の側面を部分的に露出させ、
前記ゲート絶縁膜は、前記側面の上に設けられ、
前記ゲート電極は、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の一方から他方への方向に前記アクティブ領域を横切ると共に前記側面の上の前記ゲート絶縁膜の上を延在する、
半導体記憶装置を製造する方法。
【請求項9】
前記マスクは、前記第2境界を覆う、
請求項8に記載された半導体記憶装置を製造する方法。
【請求項10】
前記マスクの前記開口は、前記第1境界及び前記第2境界の上に位置する、
請求項8に記載された半導体記憶装置を製造する方法。
【請求項11】
電流源回路及びバイアス源を含む半導体集積回路であって、
前記電流源回路は、少なくとも1つのトランジスタを含み、
前記トランジスタは、
トレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域と、
前記半導体領域の前記窪みのそれぞれに設けられ、互いに隣り合う第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含む複数の絶縁領域と、
前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた、前記トランジスタのためのアクティブ領域と、
前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域に一方から他方への第1方向に延在して前記アクティブ領域の上を通過するゲート電極と、
前記ゲート電極と前記アクティブ領域との間に設けられたゲート絶縁膜と、
を含み、
前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の少なくとも一方は、隣接部分及び遠隔部分を有し、
前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記アクティブ領域に隣接し、
前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記遠隔部分に隣接し、
前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記遠隔部分と前記アクティブ領域との間に設けられ、
前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、
前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第1導電領域、及び前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第2導電領域を有し、
前記第1導電領域、前記アクティブ領域及び前記第2導電領域は、前記第1方向に交差する第2方向に配列され、
前記バイアス源は、前記ゲート電極に接続されると共に前記ゲート電極に電圧を与えるように構成される、
半導体集積回路。
【請求項12】
半導体記憶集積回路であって、
請求項11に記載された半導体集積回路と、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載された半導体記憶装置と、
前記半導体記憶装置の前記第1メモリトランジスタを読み出すように構成された読出回路と、
を含み、
前記読出回路は、前記半導体記憶装置に接続されており、また前記第1メモリトランジスタからの電流を前記半導体集積回路の前記電流源回路からの電流と比較するように構成される、
半導体記憶集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置、半導体記憶装置を作製する方法、半導体集積回路、及び半導体記憶集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、マスクROMを開示する。このマスクROMでは、基板内部に発生する格子欠陥を抑えると共にコーディングを容易に行うために、ROMのコーディングのためにイオン注入されるメモリトランジスタの数を減らす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マスクROMは、大まかには、NAND型及びNOR型を有する。NAND型マスクROMでは、イオン注入により特定のトランジスタの閾値を下げてディプリーショントランジスタを作製する。NOR型マスクROMでは、イオン注入により特定のトランジスタの閾値を上げて高閾値のエンハンスメントトランジスタを作製する。NOR型マスクROMでは、選択されたワード線は、メモリトランジスタのゲート電極に電圧を与える。読出回路は、該メモリトランジスタが2つの状態(高い閾値又は低い閾値)のうちのいずれかであるか、を検知する。
【0005】
これらのプログラム方式は、注入されたドーパント濃度に応じてトランジスタの電流特性を変化させる。しかしながら、注入されたドーパントは、イオン注入プロセスに引き続く製造プロセスにおいて加えられる熱によるドーパントの拡散によって再配置されることがある。このドーパント再配置は、NOR型マスクROMでは、基板の内部から表面への方向に生じて、トランジスタの電流特性を変化させる。この特性変化は、メモリトランジスタのコーディング内容を読出回路に誤らせる可能性がある。この可能性は、イオン注入プロセスによる閾値のシフトをメモリトランジスタのコーディングに採用する場合に避けられない。
【0006】
本発明は、トランジスタ幅を変更することなく複数の電流特性のいずれか1つを提供できる構造を有する半導体記憶装置、半導体記憶装置を作製する方法、電流源回路及びバイアス源を含む半導体集積回路、並びに半導体集積回路及び半導体記憶装置を含む半導体記憶集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る半導体記憶装置は、第1メモリトランジスタのための第1アクティブ領域、及びトレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域と、前記半導体領域の前記窪みのそれぞれに設けられた複数の絶縁領域と、前記絶縁領域のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域及び第2絶縁領域の一方から他方への第1方向に延在して前記第1アクティブ領域の上を通過する第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極と前記第1アクティブ領域との間に設けられた第1ゲート絶縁膜と、を含み、前記半導体領域の前記第1アクティブ領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられ、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の少なくとも一方は、隣接部分及び遠隔部分を有し、前記隣接部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1アクティブ領域に隣接し、前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記隣接部分に隣接し、前記隣接部分は、前記遠隔部分と前記第1アクティブ領域との間に設けられ、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第1導電領域及び第2導電領域を有し、前記第1導電領域、前記第1アクティブ領域及び前記第2導電領域は、前記第1方向に交差する第2方向に配列される。
【0008】
第1態様に係る半導体記憶装置によれば、第1ゲート電極の下において隣接部分が遠隔部分の厚さより小さい厚さを有するので、ゲート絶縁膜及びゲート電極が、第1アクティブ領域の上面だけでなく第1アクティブ領域の側面にも沿って設けられる。第1アクティブ領域の側面の上のゲート絶縁膜及びゲート電極は、ROMのコーディングのためにイオン注入を行うことなく、第1アクティブ領域の側面が付加トランジスタとして動作することを可能にする。トランジスタの幅を変更することなく、複数の電流駆動能力を有するトランジスタそれぞれの構造を提供できる。
【0009】
本発明の第2態様に係る半導体記憶装置では、前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた、第2メモリトランジスタのための第2アクティブ領域を更に含み、当該半導体記憶装置は、前記第2アクティブ領域の上において前記第1方向に延在して前記第2アクティブ領域の上を通過する第2ゲート電極と、前記第2ゲート電極と前記第2アクティブ領域との間に設けられた第2ゲート絶縁膜と、を含み、前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第3導電領域を有し、前記第1導電領域、前記第2導電領域、及び前記第3導電領域は、前記第1アクティブ領域の導電型とは異なる導電型を有し、前記第2導電領域、前記第1アクティブ領域、前記第1導電領域、前記第2アクティブ領域、及び前記第3導電領域は、前記第2方向に順に配列され、前記第2導電領域及び前記第3導電領域は、基準電位線に接続され、前記第1導電領域は、前記第1メモリトランジスタ及び前記第2メモリトランジスタによって共有され、また金属配線層に接続される。
【0010】
第2態様に係る半導体記憶装置によれば、第1メモリトランジスタ及び第2メモリトランジスタは、隣接部分の有無に応じて以下の三種類の電流特性、具体的には片側に付加トランジスタ、両側に付加トランジスタ、又は付加トランジスタ無しに基づく電流特性を示すことができる。
【0011】
本発明の第3態様に係る半導体記憶装置では、前記第1絶縁領域において、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、前記第2絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第1絶縁領域の前記隣接部分より厚い。
【0012】
第3態様に係る半導体記憶装置によれば、第1絶縁領域に付加トランジスタが提供されると共に、第2絶縁領域は、第1絶縁領域の隣接部分より大きな厚さを有する。
【0013】
本発明の第4態様に係る半導体記憶装置では、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の各々において、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有する。
【0014】
第4態様に係る半導体記憶装置によれば、第1絶縁領域及び第2絶縁領域に、共に、付加トランジスタが提供される。
【0015】
本発明の第5態様に係る半導体記憶装置では、前記絶縁領域は、前記第2絶縁領域の隣の第3絶縁領域を含み、前記第1絶縁領域、前記第2絶縁領域、及び前記第3絶縁領域は、順に、前記第1方向に配列され、前記半導体領域は、第3メモリトランジスタのための第3アクティブ領域を更に含み、前記第1ゲート電極は、前記第1方向に延在して前記第3アクティブ領域の上を通過し、当該半導体記憶装置は、前記第1ゲート電極と前記第3アクティブ領域との間に設けられた第3ゲート絶縁膜を更に含み、前記第3絶縁領域は、隣接部分及び遠隔部分を有し、前記第3絶縁領域において、前記隣接部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1アクティブ領域に隣接し、前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記隣接部分に隣接し、前記隣接部分は、前記遠隔部分と前記第1アクティブ領域との間に設けられ、前記第1ゲート電極の下において、前記第3絶縁領域の前記隣接部分は、前記第3絶縁領域の前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、前記第2絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第3絶縁領域の前記隣接部分より厚い。
【0016】
第5態様に係る半導体記憶装置によれば、第3メモリトランジスタは、第2絶縁領域ではなく第3絶縁領域に付加トランジスタを設ける構造を有する。この構造によれば、第2メモリトランジスタと第3メモリトランジスタとの間に隣接部分を設けない構造を提供できる。
【0017】
本発明の第6態様に係る半導体記憶装置では、前記絶縁領域は、前記第1絶縁領域の隣の第4絶縁領域を含み、前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第4絶縁領域との間に設けられた第4メモリトランジスタのための第4アクティブ領域を更に含み、前記第1ゲート電極は、前記第1方向に延在して前記第4アクティブ領域の上を通過し、当該半導体記憶装置は、前記第1ゲート電極と前記第4アクティブ領域との間に設けられた第4ゲート絶縁膜を更に含み、前記第1絶縁領域は、前記第1ゲート電極の下において前記第4アクティブ領域に隣接する更なる隣接部分を有し、前記第1絶縁領域の前記遠隔部分は、前記第1ゲート電極の下において前記第1絶縁領域の前記隣接部分と前記更なる隣接部分との間に設けられ、前記更なる隣接部分は、前記遠隔部分と前記第4アクティブ領域との間に設けられ、前記第1ゲート電極の下において、前記更なる隣接部分は、前記第1絶縁領域の前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有する。
【0018】
第6態様に係る半導体記憶装置によれば、第1メモリトランジスタの隣の第4メモリトランジスタは、ゲート電極に接続されるワード選択線を第1メモリトランジスタと共有する。第1メモリトランジスタが第1絶縁領域に係る付加トランジスタを有するか否かに関係なく、第4メモリトランジスタには、第1絶縁領域に付加トランジスタが提供されることができる。
【0019】
本発明の第7態様に係る半導体記憶装置では、前記隣接部分は、前記第1導電領域及び前記第2導電領域のいずれか一方から他方への方向に前記第1ゲート電極を横切る構造、又は前記第1導電領域及び前記第2導電領域のいずれか一方から延在して前記第1ゲート電極の直下において終端する構造のいずれかである。
【0020】
第7態様に係る半導体記憶装置よれば、隣接部分は、第1ゲート電極の直下における少なくとも一部分に設けられることができる。隣接部分は、第1メモリトランジスタのソース領域からドレイン領域への方向に第1ゲート電極を横切る構造、又は第1メモリトランジスタのソース領域から延在して第1ゲート電極の直下において終端する構造のいずれかである。
【0021】
本発明の第8態様に係る半導体記憶装置を製造する方法は、トレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域、及び前記半導体領域の前記窪みにそれぞれ設けられた複数の絶縁領域を有する基板生産物を準備することであって、前記半導体領域は、前記絶縁領域のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域と第2絶縁領域との間に設けられたアクティブ領域を有する、基板生産物を準備することと、開口を有するマスクを前記基板生産物の主面の上に形成することと、前記マスクを用いて前記基板生産物の前記絶縁領域の絶縁体を除去することと、前記絶縁体を除去した後に、前記アクティブ領域にゲート絶縁膜を形成することと、前記ゲート絶縁膜を形成した後に、前記絶縁領域及び前記アクティブ領域の上にゲート電極を形成することと、を含み、前記開口は、前記アクティブ領域と前記第1絶縁領域との第1境界及び前記アクティブ領域と前記第2絶縁領域との第2境界の少なくともいずれか一方の上に位置し、前記基板生産物の前記絶縁体を除去することは、前記マスクの前記開口において前記絶縁領域を部分的に除去して、前記アクティブ領域の側面を部分的に露出させ、前記ゲート絶縁膜は、前記側面の上に設けられ、前記ゲート電極は、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の一方から他方への方向に前記アクティブ領域を横切ると共に前記側面の上の前記ゲート絶縁膜の上を延在する。
【0022】
第8態様に係る製造方法によれば、開口を用いて除去された絶縁領域の部分は、開口から外れた絶縁領域の厚さより小さい厚さを有するので、ゲート絶縁膜及びゲート電極が、アクティブ領域の上面だけでなくアクティブ領域の側面にも沿って延在して、第1アクティブ領域の側面が、付加トランジスタとして動作可能になる。閾値の変更のためのイオン注入をトランジスタに適用することなく、複数の電流駆動能力を有するトランジスタの構造を提供できる。
【0023】
本発明の第9態様に係る半導体記憶装置を製造する方法では、前記マスクは、前記第2境界を覆う。
【0024】
第9態様に係る製造方法によれば、アクティブ領域の片側に付加トランジスタが設けられる。
【0025】
本発明の第10態様に係る製造方法では、前記マスクの前記開口は、前記第1境界及び前記第2境界の上に位置する。
【0026】
第10態様に係る製造方法によれば、アクティブ領域の両側にそれぞれの付加トランジスタが設けられる。
【0027】
本発明の第11態様に係る半導体集積回路は、電流源回路及びバイアス源を含む半導体集積回路であって、前記電流源回路は、少なくとも1つのトランジスタを含み、前記トランジスタは、トレンチアイソレーションのための複数の窪みを有する半導体領域と、前記半導体領域の前記窪みのそれぞれに設けられ、互いに隣り合う第1絶縁領域及び第2絶縁領域を含む複数の絶縁領域と、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた、前記トランジスタのためのアクティブ領域と、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域に一方から他方への第1方向に延在して前記アクティブ領域の上を通過するゲート電極と、前記ゲート電極と前記アクティブ領域との間に設けられたゲート絶縁膜と、を含み、前記第1絶縁領域及び前記第2絶縁領域の少なくとも一方は、隣接部分及び遠隔部分を有し、前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記アクティブ領域に隣接し、前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記遠隔部分に隣接し、前記隣接部分は、前記ゲート電極の下において前記遠隔部分と前記アクティブ領域との間に設けられ、前記隣接部分は、前記遠隔部分の厚さより小さい厚さを有し、前記半導体領域は、前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第1導電領域、及び前記第1絶縁領域と前記第2絶縁領域との間に設けられた第2導電領域を有し、前記第1導電領域、前記アクティブ領域及び前記第2導電領域は、前記第1方向に交差する第2方向に配列され、前記バイアス源は、前記ゲート電極に接続されると共に前記ゲート電極に電圧を与えるように構成される。
【0028】
第11態様に係る半導体集積回路によれば、トランジスタは、隣接部分の有無に応じて以下の複数の電流特性のいずれか、具体的には片側に付加トランジスタ又は両側に付加トランジスタの電流特性を示すことができる。
【0029】
第12態様に係る半導体記憶集積回路は、第11態様に記載された半導体集積回路と、
第1態様から第7態様のいずれか一態様に記載された半導体記憶装置と、前記半導体記憶装置の前記第1メモリトランジスタを読み出すように構成された読出回路と、を含み、前記読出回路は、前記半導体記憶装置に接続されており、また前記第1メモリトランジスタからの電流を前記半導体集積回路の前記電流源回路からの電流と比較するように構成される。
【0030】
本発明の第12態様に係る半導体記憶集積回路によれば、半導体記憶装置の読出回路は、電流源回路を含む半導体集積回路を用いて、第1メモリトランジスタの電流特性の差を判定できる。
【発明の効果】
【0031】
上記の態様によれば、トランジスタ幅を変更することなく複数の電流特性のいずれか1つを提供できる構造を有する半導体記憶装置、半導体記憶装置を作製する方法、電流源回路及びバイアス源を含む半導体集積回路、並びに半導体集積回路及び半導体記憶装置を含む半導体記憶集積回路を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る半導体記憶集積回路を概略的に示す図面である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係る半導体記憶装置の一部分を示す図面である。
【
図3】
図3(a)は、
図2におけるT3のエリア(T3Rのエリア)に位置するトランジスタを示す平面図である。
図3(b)は、
図3(a)に示されたIIIb-IIIb線に沿ってとられた断面を示す図面であり、
図3(c)は、
図3(a)に示されたIIIc-IIIc線に沿ってとられた断面を示す図面である。
【
図4】
図4(a)は、
図2におけるT4のエリアに位置するトランジスタを示す平面図であり、
図4(b)は、
図4(a)に示されたIVb-IVb線に沿ってとられた断面を示す図面である。
図4(c)は、付加トランジスタのための段差を示す拡大図である。
【
図5】
図5(a)は、
図2におけるT5のエリアに位置するトランジスタを示す平面図であり、
図5(b)は、
図5(a)に示されたVb-Vb線に沿ってとられた断面を示す図面である。
【
図6】
図6は、トランジスタの3種類の飽和電流特性(IDS1、IDS2、IDS3)を示す図面である。
【
図7】
図7(a)は、本発明の一実施の形態に係る半導体記憶装置のアレイ内における3種のメモリトランジスタの配置を示す図面である。
図7(b)は、本発明の一実施の形態に係る半導体記憶装置のアレイ内における3種のメモリトランジスタ「None」、「Either」及び「Both」の電流特性分布を模式的に示す図面である。
【
図8】
図8は、本実施の形態に係る半導体記憶集積回路の読出回路の一例を示す回路図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係る電流源のための半導体集積回路の一例を示す回路図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態に係る電流源のための半導体集積回路の一例を示す回路図である。
【
図11】
図11(a)、
図11(b)、及び
図11(c)は、本発明の一実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程の断面を示す図面である。
【
図12】
図12(a)、
図12(b)、及び
図12(c)は、本発明の一実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程の断面を示す図面である。
【
図13】
図13(a)、
図13(b)、及び
図13(c)は、本発明の別の実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程の断面を示す図面である。
【
図14】
図14(a)、
図14(b)、及び
図14(c)は、本発明の一実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程の断面を示す図面である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程を示す平面図である。
【
図16】
図16(a)、
図16(b)、及び
図16(c)は、本発明の一実施の形態に係る半導体集積回路を作製する方法における主要な工程の断面を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。引き続く説明において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付して重複する説明を回避する。
【0034】
図1は、本実施の形態に係る半導体記憶集積回路を概略的に示す図面である。半導体記憶集積回路11は、半導体記憶装置13、読出回路15、参照回路16、電流源回路17、ワードデコーダ回路19、ビットデコーダ回路21、及びビット選択回路23を含む。
【0035】
半導体記憶装置13は、複数のメモリトランジスタを含み、これらのメモリトランジスタは、一般には、一次元又は二次元のアレイを構成するように配置される。例えば、二次元のトランジスタアレイでは、複数のメモリトランジスタが、
図1に示された座標系CSのX方向に配置されると共に個々のゲート電極がワード線WLに接続されて、一次元のサブアレイを構成する。複数のサブアレイは、
図1に示された座標系CSのY方向に配置されと共に、個々のサブアレイ内の対応するドレイン電極が、それぞれのビット線BLに接続されて、二次元アレイを形成する。半導体記憶装置13は、例えばNOR型マスクROMとして参照されることができる。
【0036】
半導体記憶装置13では、ワードデコーダ回路19が、複数のワード線WLに接続されて、メモリアドレス(具体的には、XアドレスXAD)に応じて複数のワード線WLから一のワード線WLSを選択する。あるワード線WLSが選択されると、該ワード線WLSに接続された全てのメモリトランジスタを導通させる。
【0037】
ビット選択回路23内のビット選択トランジスタBLTは、複数のビット線BLに接続される。ビットデコーダ回路21が、ビット選択回路23内のビット選択トランジスタBLTを選択する。結果として、メモリアドレス(具体的には、YアドレスYAD)に応じて複数のビット線BLから1又は複数のビット線BTS(例えば、8本(1バイト)又は16本(1ワード))を選択する。あるビット線BTSが選択されると、該ビット線BTSに接続されたいずれか1つのメモリトランジスタは、選択されたワード線WLに接続される。このような仕組みにより選択されたトランジスタMTは、選択された単一のワード線WLSと選択されたビット線BTSとの交差点に位置する。
【0038】
全てのビット線BLは、ビット選択回路23内のビット選択トランジスタBLTを介して1又は複数の読出回路15に接続されており、読出回路15は、半導体記憶装置13のメモリトランジスタを読み出すように構成される。具体的には、読出回路15は、選択されたメモリトランジスタの記憶内容を検知して、検知結果を出力する。本実施例では、読出回路15は、半導体集積回路の参照回路16内の電流源回路17に接続される。読出回路15は、選択されたメモリトランジスタの記憶内容を検知するために電流源回路17を用いて、メモリトランジスタからの電流を電流源回路17からの電流と比較してメモリトランジスタの電流特性の差を判定するように構成される。しかしながら、本開示の半導体記憶集積回路11は、これに限定されない。
【0039】
引き続く説明から理解されるように、選択されたメモリトランジスタMTは、その構造に応じて3種類の電流特性を示す。
【0040】
図2は、半導体記憶装置13の一部分を示す平面図である。
図2を参照すると、半導体記憶装置13の向きを示すために、
図1の座標系CSが示される。
図2では、ゲート電極37、素子分離の絶縁領域33が実線で描かれており、また、導電性の半導体領域31へのコンタクトプラグ41a(コンタクト孔)、付加トランジスタのための凹部30、及びビット線BLのための金属層が、破線で描かれている。この金属層は、図面の煩雑を避けるために、部分的に描かれている。
図2に示されたトランジスタアレイでは、具体的には、3種類の電流特性を示すトランジスタのためのT3(T3R)構造、T4構造、T5構造のいずれか1種類の構造のトランジスタが、
図1に示されたビット線BL及びワード線WLの個々の交差点に位置する。
【0041】
図3(a)は、
図2におけるT3構造(T3R構造はT3構造の左右反転である)に位置するトランジスタを示す平面図である。
図3(b)は、
図3(a)に示されたIIIb-IIIb線に沿ってとられた断面を示す図面であり、
図3(c)は、
図3(a)に示されたIIIc-IIIc線に沿ってとられた断面を示す図面である。
図4(a)は、
図2におけるT4構造に位置するトランジスタを示す平面図であり、
図4(b)は、
図4(a)に示されたIVb-IVb線に沿ってとられた断面を示す図面である。
図5(a)は、
図2におけるT5構造に位置するトランジスタを示す平面図であり、
図5(b)は、
図5(a)に示されたVb-Vb線に沿ってとられた断面を示す図面である。
【0042】
図2、
図3(a)~
図3(c)、
図4(a)、
図4(b)、
図5(a)、及び
図5(b)を参照すると、半導体記憶装置13は、半導体領域31(例えば、シリコン領域)、複数の絶縁領域33、メモリトランジスタのための複数のゲート電極37、及びメモリトランジスタのためのゲート絶縁膜39を含む。半導体領域31は、メモリトランジスタのための複数のアクティブ領域35を含む。半導体領域31は、例えばシリコン、シリコンゲルマニウム、又は炭化シリコンといったシリコン系半導体を含むことはでき、例えば半導体基板又は半導体ウエハによって提供される。絶縁領域33は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物といったシリコン系無機絶縁体を含むことができる。ゲート絶縁膜39は、例えばシリコン酸化物を含み、またシリコン酸窒化物といった高誘電率絶縁膜を含むことができる。
【0043】
図3(a)~
図3(c)、
図4(a)~
図4(b)、及び
図5(a)~
図5(b)に示されるように、半導体領域31は、メモリトランジスタのためのアクティブ領域35、及びシャロートレンチアイソレーションのための複数の窪み28を有する。複数の絶縁領域33は、半導体領域31の窪み28のそれぞれに設けられる。アクティブ領域35の各々は、絶縁領域33のうちの互いに隣り合う2つの絶縁領域33の間に設けられる。ゲート電極37は、隣り合う2つの絶縁領域33に一方から他方への第1方向Ax1に延在して、アクティブ領域35の上を通過する。ゲート絶縁膜39は、ゲート電極37の各々とアクティブ領域35の各々との間に設けられる。
【0044】
半導体領域31は、第1導電領域40a及び第2導電領域40bを有し、第1導電領域40a及び第2導電領域40bは、隣り合う2つの絶縁領域33の間に設けられる。第1導電領域40a及び第2導電領域40bは、アクティブ領域35の導電型(例えば、p型)と異なる導電型(例えば、n型)を有する。第1導電領域40a、アクティブ領域35及び第2導電領域40bは、第1方向Ax1に交差する(例えば、直交する)第2方向Ax2に配列される。アクティブ領域35は、第1導電領域40aと第2導電領域40bとの間にあり、第1導電領域40a及び第2導電領域40bに隣接している。
【0045】
図3(c)を参照すると、半導体記憶装置13は、ゲート電極37及び絶縁領域33上に設けられた層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上を延在する金属配線層43とを含む。金属配線層43は、層間絶縁膜41のコンタクトプラグ41a(コンタクト孔)を介して第2導電領域40bに接続される。層間絶縁膜41及び金属配線層43は、保護絶縁膜45によって覆われる。層間絶縁膜41は、シリコン系無機絶縁体(例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、若しくはシリコン酸窒化物)を含み、保護絶縁膜45は、シリコン系無機絶縁体を含むことができる。
【0046】
図3(a)~
図3(c)を参照すると、アクティブ領域35は、絶縁領域33のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域32と第2絶縁領域34との間に設けられる。半導体領域31の第1導電領域40a及び第2導電領域40bは、第1絶縁領域32と第2絶縁領域34との間に設けられる。第1絶縁領域32及び第2絶縁領域34の一方(本実施例では、第1絶縁領域32)は、隣接部分32a及び遠隔部分32bを有する。第1絶縁領域32では、隣接部分32aは、ゲート電極37下においてアクティブ領域35に隣接し、遠隔部分32bは、ゲート電極37下において隣接部分32aに隣接する。隣接部分32aは、遠隔部分32bとアクティブ領域35との間に設けられる。隣接部分32aは、部分的に、遠隔部分32bの厚さTbより小さい厚さTaを有する。隣接部分32aの一部は、遠隔部分32b及びアクティブ領域35に比べて奥まって、凹部30を形成する。第2絶縁領域34の厚さは、当該トランジスタのゲート電極37下においてゲート電極37の底面にわたって隣接部分32aの厚さTaより大きく、また遠隔部分32bの厚さTbに実質的に同じである。
【0047】
図3(b)を参照すると、アクティブ領域35は、上面35a及び第1側面35bを有する。上面35aは、ゲート絶縁膜39aに沿って延在する。第1側面35bは、ゲート電極37の直下において第1方向Ax1及び第2方向Ax3に交差する第3方向Ax3に延在する。ゲート絶縁膜39は、上面35a上のゲート絶縁膜39aに加えて第1側面35bの上に設けられたゲート絶縁膜39bを含む。
【0048】
この半導体記憶装置13によれば、ゲート電極37下において隣接部分32aが遠隔部分32bの厚さTbより小さい厚さを有する。これ故に、ゲート絶縁膜39及びゲート電極37が、アクティブ領域35の上面35aだけでなくアクティブ領域35の側面35bにも沿って設けられる。ゲート電極37はアクティブ領域35の上面35aのゲート絶縁膜39a上に設けられて、これよって、アクティブ領域35の上面35aが主トランジスタのためのチャネルとして動作することを可能にする。また、アクティブ領域35の側面35b上のゲート絶縁膜39b及びゲート電極37は、アクティブ領域35の側面35bが付加トランジスタのためのチャネルとして動作することを可能にする。この構造は、トランジスタの幅を変更することなく、主トランジスタ及び1つの付加トランジスタからの電流駆動能力をトランジスタに提供できる。
【0049】
また、この半導体記憶装置13によれば、第1絶縁領域32に付加トランジスタが提供されると共に、第2絶縁領域34には付加トランジスタは提供されない。第2絶縁領域34には、第1絶縁領域32の隣接部分32aより大きな厚さTbが提供されるので、第2絶縁領域34は、ゲート電極37の直下においてアクティブ領域35及びゲート電極に沿って延在し、素子分離を可能にする。
【0050】
この半導体記憶装置13よれば、半導体領域31の窪み28の下部分にトレンチアイソレーションのための絶縁体のギャップフィルが提供されると共に、半導体領域31の窪み28の上部分に係る第1側面35b上にゲート電極37の導電体が設けられる。この導電体は、ゲート絶縁膜39a及びゲート絶縁膜39bによってアクティブ領域35から隔てられる。
【0051】
図4(a)及び
図4(b)を参照すると、アクティブ領域35は、絶縁領域33のうちの互いに隣り合う第3絶縁領域42と第4絶縁領域44との間に設けられる。半導体領域31の第1導電領域40a及び第2導電領域40bは、第3絶縁領域42と第4絶縁領域44との間に設けられる。
【0052】
第3絶縁領域42は、隣接部分42a及び遠隔部分42bを有する。隣接部分42aは、ゲート電極37下においてアクティブ領域35に隣接し、遠隔部分42bは、ゲート電極37下において隣接部分42aに隣接する。隣接部分42aは、遠隔部分42bとアクティブ領域35との間に設けられる。隣接部分42aは、部分的に、遠隔部分42bの厚さTbより小さい厚さTaを有する。隣接部分42aの一部は、遠隔部分42b及びアクティブ領域35に比べて奥まって凹部30を形成する。
【0053】
また、第4絶縁領域44は、隣接部分44a及び遠隔部分44bを有する。隣接部分44aは、ゲート電極37下においてアクティブ領域35に隣接し、遠隔部分44bは、ゲート電極37下において隣接部分44aに隣接する。隣接部分44aは、遠隔部分44bとアクティブ領域35との間に設けられる。隣接部分44aは、部分的に、遠隔部分44bの厚さTbより小さい厚さTaを有する。隣接部分44aの一部は、遠隔部分44b及びアクティブ領域35に比べて奥まって凹部30を形成する。
【0054】
この半導体記憶装置13によれば、ゲート電極37の下において隣接部分42a、44aが遠隔部分42b、44bの厚さTbより小さい厚さTaを有する。これ故に、ゲート絶縁膜39及びゲート電極37が、アクティブ領域35の上面35aだけでなくアクティブ領域35の両方の側面35b、35cにも沿って設けられる。ゲート電極37はアクティブ領域35の上面35aのゲート絶縁膜39a上に設けられて、これによって、アクティブ領域35の上面35aが主トランジスタのためのチャネルとして動作する。また、ゲート電極37は、アクティブ領域35の側面35b、35c上において、ゲート絶縁膜39b、39cを延在する。この延在により、アクティブ領域35の側面35b、35cの各々が付加トランジスタのためのチャネルとして動作することが可能になる。
【0055】
また、この半導体記憶装置13によれば、第3絶縁領域42に付加トランジスタが提供されると共に、第4絶縁領域42にも付加トランジスタは提供される。トランジスタの幅を変更することなく、主トランジスタ及び2つの付加トランジスタからの電流駆動能力をトランジスタに提供できる。第3絶縁領域42及び第4絶縁領域34の遠隔部分42b、44bには大きな厚さTbが提供されるので、遠隔部分42b、44bが、ゲート電極37の直下においてゲート電極37に沿って延在し、素子分離を可能にする。
【0056】
図4(b)を参照すると、アクティブ領域35は、上面35aに加えて、ゲート電極37の直下において第3方向Ax3に延在する第1側面35b及び第2側面35cを有する。ゲート絶縁膜39は、上面35a上のゲート絶縁膜39aに加えて、第1側面35b及び第2側面35cの上にそれぞれ設けられたゲート絶縁膜39b及びゲート絶縁膜39cを含む。
【0057】
この半導体記憶装置13によれば、半導体領域31の窪み28の下部分にトレンチアイソレーションのための絶縁体のギャップフィルが提供される。また、半導体領域31の窪み28の上部分には、第1側面35b及び第2側面35c上にゲート電極37のための導電体が設けられる。この導電体は、ゲート絶縁膜39a、ゲート絶縁膜39b及びゲート絶縁膜39cによってアクティブ領域35から隔てられる。
【0058】
図3(a)及び
図4(a)を参照すると、絶縁領域33の隣接部分(32a、42a、44a)は、第1導電領域40a及び第2導電領域40bのいずれか一方から他方への方向にゲート電極37を横切る構造を有することができる。この構造では、ゲート電極37が選択されると、アクティブ領域35におけるこれらの側面35b、35cとゲート絶縁膜(39b、39c)との界面に反転層が生成される。これらの反転層は、メモリトランジスタがI-V特性の飽和領域及び非飽和領域のいずれで動作する場合でも、アクティブ領域35のソース領域の近傍に常に生成される。
【0059】
可能な場合には、絶縁領域33の隣接部分(32a、42a、44a)は、第1導電領域40a及び第2導電領域40bのいずれか一方から延在してゲート電極37の直下において終端する構造、又はドレイン領域に到達する前に終端する構造を有することができる。この半導体記憶装置13によれば、上記のように、隣接部分(32a、42a、44a)は、ゲート電極37の直下における少なくとも一部分に設けられることができる。
【0060】
例えば、隣接部分(32a、42a、44a)は、当該メモリトランジスタのソース領域から延在して、ドレイン領域に到達する前に終端することができる。この構造は、付加トランジスタを良好に動作させる。
【0061】
図4(c)は、付加トランジスタのための段差を示す拡大図である。段差STの大きさは、例えば10から100nmであることができる。アクティブ領域35の側面35b上のゲート絶縁膜39bは、ゲート絶縁膜39a比べて、ゲート絶縁膜39bとゲート絶縁膜39aとの境界辺り(角部CNの辺り)において薄くなる。ゲート絶縁膜39bが部分的に薄くなると、付加トランジスタの電流特性を変化させる。また凹部30の底辺りBTの深さにおいては、アクティブ領域35のp型ドーパント濃度が低くなる。ドーパント濃度が減少すると、付加トランジスタの閾値が下がって電流特性を変化させる。さらに、CN部を囲うようにゲート電極37が形成されるため、CN部分にゲート電極からの電界が集中し、付加トランジスタの閾値が下がって電流特性を変化させる。これら3つがCN部分では発生し、窪み30を有するトランジスタの閾値は下がり、飽和電流は上がる。
【0062】
図5(a)及び
図5(b)を参照すると、メモリトランジスタのための2つのT5エリアが示されている。エリアT5の各々のためのアクティブ領域35は、絶縁領域33のうちの互いに隣り合う第5絶縁領域52と第6絶縁領域54との間に設けられる。半導体領域31の第1導電領域40a、第2導電領域40b及び第3導電領域40cは、第5絶縁領域52と第6絶縁領域54との間に設けられる。
【0063】
第5絶縁領域52及び第6絶縁領域54には、第3絶縁領域42及び第4絶縁領域34の隣接部分42a、44aのような隣接部分が設けらない。第5絶縁領域52及び第6絶縁領域54には、ゲート電極37の直下において隣接部分42a、44aより大きな厚さ、例えば第3絶縁領域42及び第4絶縁領域34の遠隔部分42b、44bと同じ大きな厚さTbが提供される。
【0064】
第3導電領域40cは、第1導電領域40a及び第2導電領域40bと同様に、アクティブ領域35の導電型と異なる導電型を有する。また、第1導電領域40a、第2導電領域40b及び第3導電領域40cは、アクティブ領域35の電気導電度より大きな電気導電度を有する。
【0065】
第2導電領域40b、一方のメモリトランジスタのためのアクティブ領域35、第1導電領域40a、他方のメモリトランジスタのためのアクティブ領域35、及び第3導電領域40cは、第2方向Ax2に順に配列される。本実施例は、第2導電領域40b及び第3導電領域40cは、基準電位線(例えば、接地線)に接続される。第1導電領域40aは、2つのメモリトランジスタによって共有され、またコンタクトプラグ41a(コンタクト孔)を介して金属配線層43(ビット線)に接続される。
【0066】
図3(a)~
図3(c)、
図4(a)~
図4(b)、及び
図5(a)~
図5(b)に示されるように、半導体記憶装置13によれば、メモリトランジスタは、アクティブ領域35の幅を規定する互いに隣り合う絶縁領域33における隣接部分(32a、42a、44b)の有無に応じての三種類の電流特性、具体的には片側に付加トランジスタ、両側に付加トランジスタ、付加トランジスタ無しに基づく電流特性を示すことができる。
【0067】
これまでのROMのメモリアレイでは、付加トランジスタ無しの隣接トランジスタがドレイン領域を共有するように配置されてきた。
図5を参照すると、ドレイン領域を共有する隣接トランジスタの組み合わせが示されており、
図5の組み合わせをD(T5、T5)として参照する。この記法、D(T5、T5)は、D(上側Tr、下側Tr)を示す配置として、他の組み合わせにも適用される。ここで、D(上側Tr、下側Tr)の「上側Tr」及び「下側Tr」は可換である。再び
図2を参照すると、3種類のメモリトランジスタは、二次元メモリアレイにおいて、様々な配置が可能である。
【0068】
ドレイン領域を共有する隣接トランジスタの組み合わせを以下に示す。
D(T3、T3)
D(T3、T3R)
D(T3、T4)
D(T3、T5)
D(T3R、T3R)
D(T3R、T4)
D(T3R、T5)
D(T4、T4)
D(T4、T5)
また、これまでのROMのメモリアレイでは、付加トランジスタ無しの隣接トランジスタがワード線を共有するように配置されてきた。この組み合わせは、上記の記法に倣って、W(T5、T5)として参照される。この記法、W(T5、T5)は、W(左側Tr、右側Tr)を示す配置として、他の組み合わせにも適用される。ここで、W(左側Tr、右側Tr)における「左側Tr」及び「右側Tr」は可換でない。
【0069】
ワード線を共有する隣接トランジスタの組み合わせを以下に示す。
W(T3、T3)
W(T3、T4)
W(T3、T5)
W(T3R、T3)
W(T3R、T3R)
W(T3R、T4)
W(T3R、T5)
W(T4、T3)
W(T4、T3R)
W(T4、T5)
W(T5、T3)
W(T5、T3R)
W(T5、T4)
必要な場合には、以下の組み合わせを採用できる。
W(T3、T3R)
W(T4、T4)
この構造では、2つのトランジスタのアクティブ領域35の間に位置する絶縁領域33は、ゲート電極37直下において隣接部分、遠隔部分及び更なる隣接部分の順に配置される。
【0070】
これらの組み合わせは、ゲート電極37を共有する隣接する2つのトランジスタの間の絶縁領域33に、隣接する2つのトランジスタに属する付加トランジスタが設けられる。絶縁領域33は、ゲート電極37の直下において、隣接する2つのトランジスタの一方から他方へ、隣接部分(32a、42a、44a)、遠隔部分(32b、42b、44b)、及び隣接部分(32a、42a、44a)の順に配置される素子分離構造を有する。
【0071】
図6は、トランジスタの3種類の電流特性(IDS1,IDS2、IDS3)を示す図面である。電流特性のグラフにおいて、縦軸は、アクティブ領域の単位幅(1μm)当たりのドレイン飽和電流(規格化値)を示し、横軸は、ログ目盛りでアクティブ領域の幅を示す。
【0072】
電流特性(IDS1~IDS3)の各々は、付加トランジスタの構造に基づく電流特性を示す。電流特性(IDS1)は、両側に付加トランジスタ、電流特性(IDS2)は片側に付加トランジスタ、電流特性(IDS3)は付加トランジスタを有さない構造に基づく電流特性を示す。横軸の目盛り0.3μmにおいて、電流特性(IDS3)の電流値(規格化値)は、約650μA/μmであり、電流特性(IDS2)の電流値(規格化値)は、約680μA/μm、電流特性(IDS1)の電流値(規格値)は、約720μA/μm。電流特性(IDS1)と電流特性(IDS2)との電流差(規格化値の差)は、40μA/μm、電流特性(IDS2)と電流特性(IDS3)との電流差(規格化値の差)は30μA/μmである。
【0073】
アクティブ領域の幅0.3μmのトランジスタでは、両側付加トランジスタのドレイン飽和電流の差は、約10μAである。片側付加トランジスタの電流差は、約10μAである。
【0074】
図7(a)は、半導体記憶装置13のアレイ内における3種のメモリトランジスタの例示的な配置を示す。ゲート電極37上に付された「None」、「Either」及び「Both」は、該ゲート電極37のトランジスタが付加トランジスタを有するか否かを表す。「None」は、付加トランジスタを持たないトランジスタを示し、「Either」は、付加トランジスタを片側に持つトランジスタを示し、「Both」は、付加トランジスタを両側に持つトランジスタを示す。
【0075】
図7(b)は、半導体記憶装置13のアレイ内における3種のメモリトランジスタ「None」、「Either」及び「Both」の特性分布を模式的に示す。
図7(b)では、縦軸は、アクティブ領域の幅0.3μmのメモリトランジスタの導通時の典型的な電流を示し、横軸は、個々のトランジスタの頻度を示す。
【0076】
半導体記憶装置13のメモリトランジスタの記憶内容を読み出す(又は判定する)方法の一例を説明する。メモリトランジスタの3値の記憶内容を読み出すためには、
図1に示された読出回路15が用いられる。
図7(b)において、メモリトランジスタ「None」をメモリトランジスタ「Either」から区別するためには、ある検知レベル(例えば、DET1)を用いる。メモリトランジスタ「Either」をメモリトランジスタ「Both」から区別するためには、ある検知レベル(例えば、DET2)を用いることができる。
【0077】
図8は、本実施の形態に係る半導体記憶集積回路の読出回路15の一例を示す回路である。読出回路15は、検知回路51及び一又は複数の参照回路53を含む。検知回路51は、ビット選択回路23内のビット選択トランジスタBLTを介して半導体記憶装置13のビット線BLに接続される。検知回路51は、参照回路53に接続される。参照回路53は、選択されたメモリトランジスタの電流特性が「None」、「Either」及び「Both」のいずれであるかを判定する2つの基準レベル(DET1、DET2)を生成して、基準レベル(DET1、DET2)を表す信号を検知回路51に与える。
【0078】
検知回路51は、ビット線BLの電位レベルを規定すると共に該電位レベルの変化を検知してビット線BLを制御する帰還回路55aと、選択されたメモリトランジスタMTからの電流を受ける負荷回路55bと、負荷回路55bと電流ミラー回路を構成して該電流ミラー回路CM1からの受けたミラー電流を参照回路53からの基準電流(基準レベルDET1及びDET2)と比較する比較回路55c、55dと、を有する。読出回路15は、論理ゲート55e、55fをさらに有し、論理ゲート55e、55fは、それぞれ、検知回路51の比較回路55c、55dの出力に接続される。論理ゲート55e、55fは、それぞれ、比較回路55c、55dの出力からのそれぞれの信号を受けて、検知回路51の検知結果をディジタル信号の論理レベルに変換する。論理ゲート55e、55fは、例えばCMOSインバータであることができる。
【0079】
具体的には、帰還回路55aは、ビット線の電位レベルの変化を検知してビット線BLを負荷回路55bに接続する。負荷回路55bは、選択されたメモリトランジスタ(
図1のメモリアレイ内の「MT」)からの電流を受ける。比較回路55cは、負荷回路55bと電流ミラー回路CM1を構成して、電流ミラー回路CM1を介して受けたミラー電流を参照回路53からの基準電流(基準レベルDET1)と比較する。また、比較回路55dは、電流ミラー回路CM2を負荷回路55bと構成して、電流ミラー回路CM2を介して受けたミラー電流を参照回路53からの基準電流(基準レベルDET2)と比較する。
【0080】
本実施例に係る半導体記憶集積回路11は、2つの基準レベル(DET1及びDET2)を生成するそれぞれのDET1参照回路57a及びDET2参照回路57bを含む。DET1参照回路57a及びDET2参照回路57bの各々は、電流源回路57cと、検知回路51の帰還回路55a及び電流ミラー回路CM1と同等の帰還回路57d及び電流ミラー回路57eを含む。
【0081】
DET1参照回路57aでは、電流源回路57cは、
図7に示された基準電流(基準レベルDET1)を生成するように設定される。電流源回路57cからの基準電流は、帰還回路57dを介して電流ミラー回路57e(CM3)に与えられる。DET1参照回路57aは、比較回路55c内のトランジスタと電流ミラー回路CM4を構成して、比較回路55cにおける判定のために基準電流(基準レベルDET1)に係る電流を比較回路55cにミラーする。比較回路55cは、このミラー電流をメモリトランジスタからのミラー電流と比較する。
【0082】
同様に、DET2参照回路57bでは、電流源回路57cは、
図7に示された基準電流(基準レベルDET2)を生成するように設定される。電流源回路57cからの基準電流は、帰還回路57dを介して電流ミラー回路57e(CM5)に与えられる。DET2参照回路57bは、比較回路55d内のトランジスタと電流ミラー回路CM6を構成して、比較回路55dにおける判定のために基準電流(基準レベルDET2)に係る電流を比較回路55dにミラーする。比較回路55dは、このミラー電流をメモリトランジスタからのミラー電流と比較する。
【0083】
読出回路15は、メモリトランジスタの読み出し結果を以下のように提供する。
メモリトランジスタの種類、論理ゲート55eの出力値、論理ゲート55fの出力値。
「Both」: Hレベル、 Hレベル。
「Either」: Hレベル、 Lレベル。
「None」: Lレベル、 Lレベル。
0.35μm以下のアクティブ領域幅においては、付加トランジスタ無しの「None」型トランジスタの飽和電流が最も少ない。
【0084】
図9は、本実施の形態に係る電流源のための半導体集積回路の回路図の一例を示す。電流源回路61は、電流源回路57cのために用いることができる。電流源回路61は、「Both」型及び「Either」型のトランジスタの少なくとも一方を含み、必要な場合には、一又は複数の「None」型のトランジスタを更に含むことができる。電流源回路61が「Both」型のトランジスタを含む場合、電流源回路61には、1つ以上の「Both」型のトランジスタが提供されることができる。電流源回路61が「Either」型のトランジスタを含む場合、電流源回路61には、1つ以上の「Either」型のトランジスタが提供されることができる。
【0085】
図9を参照すると、具体的には、電流源回路61は、1つの「Both」型の電流源トランジスタ65a、1つの「Either」型の電流源トランジスタ65b、及び1つの「None」型の電流源トランジスタ65cを含む。
【0086】
電流源回路61では、電流源トランジスタ(65a、65b、65c)のうちの互いに隣接するトランジスタのドレイン領域又はソース領域は、共用される。電流源トランジスタ(65a、65b、65c)のソース領域は、例えば金属配線層67aを介して接地線に接続され、また電流源トランジスタ(65a、65b、65c)のドレイン領域は、金属配線層67bに接続される。
【0087】
電流源回路61は、複数のスイッチを含むスイッチ群63を含み、スイッチ群63は、電流源トランジスタ65a、電流源トランジスタ65b、及び電流源トランジスタ65cのうちの一又は複数を選択する信号を生成して、電流源回路61は、選択された電流源トランジスタ(65a、65b、65c)からの電流を生成する。具体的には、スイッチ群63のスイッチは、電流源トランジスタ(65a、65b、65c)のそれぞれのゲート電極に接続されており、スイッチ群63のスイッチは、電流源トランジスタ(65a、65b、65c)のうち導通させる電流源トランジスタ及び非道通にさせる電流源トランジスタを規定する。スイッチ群63内の個々のスイッチは、製造工程において作り込まれる金属配線を利用する固定スイッチであることができ、或いはスイッチ群63への外部制御信号CNTL1に応答して動作可能な選択可能なスイッチであることができる。このようなスイッチは、トランジスタにより構成されることができる。
【0088】
本実施例では、金属配線層67bは、電流源回路61の外側の負荷回路68を介して電源線VDに接続される。負荷回路68は、電流源回路61に流れる電流に応じた電圧値を生成するように作用する。この電圧値は、増幅器69に与えられる。増幅器69は、例えば演算増幅器であることができ、演算増幅器は、例えば電圧緩衝回路(ボルテージフォロアー)を構成するように接続される。
【0089】
図10は、本実施の形態に係る電流源のための半導体集積回路の回路図の別の例を示す。電流源回路71は、電流源回路57cのために用いることができる。電流源回路71は、「Both」型及び「Either」型のトランジスタの少なくとも一方を含み、必要な場合には、一又は複数の「None」型のトランジスタを更に含むことができる。電流源回路71が「Both」型のトランジスタを含む場合、電流源回路61には、1つ以上の「Both」型のトランジスタが提供されることができる。電流源回路61が「Either」型のトランジスタを含む場合、電流源回路61には、1つ以上の「Either」型のトランジスタが提供されることができる。
【0090】
図10を参照すると、例示的な回路では、1つの「Both」型の電流源トランジスタ75a、「Either」型の電流源トランジスタ75b、及び1つの「None」型の電流源トランジスタ75cを含む。
【0091】
電流源回路71は、電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のゲート電極は、共用される。電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のソース領域は、例えば金属配線層77aを介して接地線に接続され、また電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のドレイン領域は、それぞれの金属配線層77b、77c、77d及びセレクタ79b、79c、79dを介して共通の金属配線層77eに接続される。電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のゲート電極37は、バイアス源78に接続されており、バイアス源78は、電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のゲート電極37に適切な電圧を印加し、必要な場合には、電流源トランジスタ(75a、75b、75c)の導通及び非道通を制御することができる。セレクタ79b、79c、79dの各々は、例えばトランジスタであることができる。電流源回路71は、セレクタ79b、79c、79dを選択するための複数のスイッチを含むスイッチ群73を含み、スイッチ群73は、電流源トランジスタ75a、電流源トランジスタ75b、及び電流源トランジスタ75cのうちの一又は複数を選択する信号を、これらの電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のに提供する。具体的には、スイッチ群73のスイッチは、電流源トランジスタ75a、75b、75cにそれぞれ接続されたセレクタ79b、79c、79dのトランジスタのゲートに接続されている。
【0092】
スイッチ群73のスイッチは、セレクタ79b、79c、79dを介して、電流源トランジスタ(75a、75b、75c)のうち選択にする電流源トランジスタ及び非選択にする電流源トランジスタを規定する。スイッチ群73内の個々のスイッチは、製造工程において作り込まれる金属配線を利用する固定スイッチであることができ、或いはスイッチ群73への外部制御信号CNTL1に応答して選択可能である。
【0093】
本実施例では、金属配線層77eは、電流源回路71の外側の負荷回路68を介して電源線VDに接続される。負荷回路68は、電流源回路71に流れる電流に応じた電圧値を生成するように作用する。この電圧値は、増幅器69に与えられる。
【0094】
図9及び
図10に示される電流源回路61、71は、アナログ回路の電流源及び電圧源のために利用可能である。そのようなアナログ回路は、例えばA/D変換器及びD/A変換器を含むことができる。半導体記憶集積回路11の読出回路15は、電流源回路61、71を利用することができる。
【0095】
【0096】
図11(a)に示されるように、シリコンウエハといった半導体基板81を準備する。シリコンウエハは、例えばp型導電性の半導体領域80を有することができる。半導体基板81に、シリコン酸化膜82a、シリコン窒化膜82bといった絶縁膜、及びレジスト膜82cを順に形成する。シリコン酸化膜82a、例えば半導体基板81の酸化によって生成されることができる。シリコン窒化膜82bは、気相成長法によって堆積されることができる。レジスト膜82cは、塗布されることができる。シリコン酸化膜82aは、例えば10nmであることができ、シリコン窒化膜82bは、例えば100nmであることができ、レジスト膜82cは、例えば700nmであることができる。
【0097】
図11(b)に示されるように、パターン形成するためにレジスト膜82cに露光を行ってマスク83を形成する。マスク83は、トレンチのための窪み28を形成するべき位置に開口83aを有する。次いで、マスク83を用いてシリコン酸化膜82a、シリコン窒化膜82b及び半導体基板81をエッチングして、半導体基板81に窪み28を形成する。エッチングは、異方性のドライエッチングにより行われることができる。窪み28の深さは、例えば0.2μmであることができる。窪み28の開口の幅は、例えば0.3μmであることができる。エッチングの後に、マスク83を除去する。
【0098】
必要な場合には、
図11(c)に示されるように、マスク83を除去した後に、フッ化水素酸により処理を行って、半導体基板81を清浄化する。シリコン酸化膜82aには、庇82dが形成される。
【0099】
必要な場合には、
図12(a)に示されるように、マスク83を除去した後に、窪み28に露出された半導体基板81を熱酸化して、窪み28の表面をシリコン酸化膜84によって覆う。
【0100】
図12(b)に示されるように、窪み28の表面を熱酸化した後に、化学的気相成長法によりシリコン酸化物85を窪み28内及びシリコン窒化膜82b上に堆積して、窪み28をシリコン酸化物85で埋める。堆積されたシリコン酸化物85は、シリコン窒化膜82bから窪み28を埋め込む一体のシリコン酸化膜になる。
【0101】
図12(c)に示されるように、シリコン酸化物85を堆積した後に、化学的機械的研磨(CMP)法によって、堆積されたシリコン酸化物85及び(必要な場合には)シリコン窒化膜82bの上側部を研磨により除去して、基板生産物SP1を作製する。この除去により、堆積されたシリコン酸化物85の表面の凹凸が平坦化されて、基板生産物SP1の表面はほぼ平坦である。
【0102】
図13(a)に示されるように、研磨の後に、シリコン窒化膜82bが半導体基板81上に残されており、研磨されたシリコン酸化物85の上面は、シリコン窒化膜82bの上面に同じレベルを有する。シリコン窒化膜82bは、後の工程において除去される。シリコン窒化膜82bの除去の後に、研磨されたシリコン酸化物85の突出部が残されることを避けるために、シリコン窒化膜82bを除去する前に、シリコン窒化膜82bの開口に現れた研磨されたシリコン酸化物85を予めエッチングする。
【0103】
図13(b)に示されるように、窪み28のシリコン酸化物85の予備エッチングの後に、絶縁領域33(32、34)のための絶縁部分が形成される。この後に、エッチングにより、シリコン窒化膜82bを除去する。
【0104】
これらの工程により、基板生産物SP0が準備された。本実施例では、この準備は、半導体基板81から基板生産物SP0を作製することによって行われた。基板生産物SP0は、シャロートレンチアイソレーション(STI)のための複数の窪み28を有する半導体領域31、及び半導体領域31の窪み28にそれぞれ設けられた複数の絶縁領域33を有する。半導体領域31は、アクティブ領域35を有しており、アクティブ領域35は、絶縁領域33のうちの互いに隣り合う第1絶縁領域32と第2絶縁領域34との間に設けられる。
【0105】
図13(c)に示されるように、基板生産物SP0のアクティブ領域35に、メモリトランジスタの閾値を調整するためのドーパントを導入する。ドーパントは、例えばp型ドーパント、具体的にはボロンであることができる。ドーパントの導入は、例えばイオン注入(I/I)法により行われることができる。具体的には、基板生産物SP0の表面を熱酸化により薄い酸化膜を生成した後に、フォトリソグラフィによりレジストのマスク86を基板生産物SP0上に形成する。ドーパントの導入エリアは、形成されたマスク86により規定される。マスク86の開口86aにp型ドーパントのイオン注入が行われる。イオン注入の後に、マスク86は除去される。本実施例では、全てのメモリトランジスタのアクティブ領域35に行われる。
【0106】
図14(a)に示されるように、イオン注入の後に、フォトリソグラフィによりレジストのマスク87を基板生産物SP0の主面の上に形成する。マスク87は、開口87aを有し、開口87aは、あるアクティブ領域35において付加トランジスタが形成されるべき絶縁領域33とアクティブ領域35との境界(BDY1及びBDY2のいずれか一方)上に位置する。
【0107】
図15は、基板生産物SP0の主面の上に形成されたマスク87を示す平面図である。マスク87は、三種類の開口87a、87b、87cを有する。開口87aは、第1絶縁領域32のための絶縁領域とアクティブ領域35との境界BDY1上に位置する。開口87bは、第2絶縁領域34のための絶縁領域とアクティブ領域35との境界BDY2上に位置する。開口87cは、境界BDY1及び境界BDY2上に位置する。これ故に、マスク87の開口(87a、87b、87c)は、境界BDY1及び境界BDY2の少なくともいずれか一方の上に位置することができる。
【0108】
図14(b)に示されるように、マスク87を用いて、開口(87a、87b、87c)に現れた絶縁領域33(32)、例えばシリコン酸化物を、半導体領域31(アクティブ領域35)に対して選択的に除去する。この除去は、例えば反応性イオンエッチングにより行われることができる。このエッチングにより、開口(87a、87b、87c)に現れた絶縁領域33が除去されて、凹部30が形成される。この結果、エッチングされた絶縁領域33には、隣接部分32a及び遠隔部分32bが提供される。凹部30は、アクティブ領域35の側面35bを部分的に露出させる。
【0109】
絶縁領域33の絶縁体を部分的に除去して基板生産物SP0に凹部30を形成した後に、
図14(c)に示されるように、アクティブ領域35にゲート絶縁膜39を形成する。ゲート絶縁膜39は、例えばシリコン酸化物であって、具体的には、このシリコン酸化物は、アクティブ領域35の上面35a及びアクティブ領域35の全ての側面35b(35c)を熱酸化することによって形成される。
【0110】
図16(a)に示されるように、ゲート絶縁膜39を形成した後にポリシリコンの堆積、フォトリソグラフィ、及びエッチングにより、アクティブ領域35及び絶縁領域33(32、34)上にゲート電極37を形成する。形成されたゲート電極37は、アクティブ領域35の上面上を延在すると共に、アクティブ領域35の全ての側面35b(35c)上にも設けられる。ゲート電極37は、第1絶縁領域32及び第2絶縁領域34の一方から他方への方向にアクティブ領域35を横切ると共に、形成された全ての側面35b(35c)の上のゲート絶縁膜39の上を延在する。
【0111】
この製造方法によれば、マスク87の開口(87a、87b、87c)を用いて除去された絶縁領域33のエリアは、開口(87a、87b、87c)から外れた絶縁領域33の厚さより小さい厚さを有するので、ゲート電極37及びゲート絶縁膜39が、アクティブ領域35の上面35aだけでなくアクティブ領域35の形成された側面35b及び/又は側面35cの少なくとも一方にも沿って延在して、形成された側面35b及び/又は側面35cが、付加トランジスタとして動作可能になる。この製造方法によれば、フォトリソグラフィ及び異方性エッチングを用いて、アクティブ領域35の片側及び/又は両側に付加トランジスタを作製できる。
【0112】
図16(b)に示されるように、ゲート電極37を形成した後に、基板生産物上に層間絶縁膜41を化学的気相成長法により成長する。層間絶縁膜41は、例えばシリコン系無機絶縁体からなることができる。
【0113】
図16(c)に示されるように、層間絶縁膜41を形成した後に、フォトリソグラフィ及びエッチングを用いて層間絶縁膜41にコンタクト開口を形成する。次いで、メタライズ工程を行って金属配線層43を形成する。
【0114】
以上説明したように、実施の形態によれば、トランジスタ幅を変更することなく複数の電流特性のいずれか1つを提供できる構造を有する半導体記憶装置、半導体記憶装置を製造する方法、電流源回路及びバイアス源を含む半導体集積回路、並びに半導体集積回路及び半導体記憶装置を含む半導体記憶集積回路を提供することを目的とする。
【0115】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
11・・・半導体記憶集積回路、13・・・半導体記憶装置、15・・・読出回路、16・・・半導体集積回路、17・・・電流源回路、19・・・ワードデコーダ回路、21・・・ビットデコーダ回路、23・・・ビット選択回路、28・・・窪み、30・・・凹部、31・・・半導体領域、32、33、34、42、44、52、54・・・絶縁領域、32a、34a、42a・・・隣接部分、32b、34b、44b・・・遠隔部分、35・・・アクティブ領域、35a・・・上面、35b、35c・・・側面、37・・・ゲート電極、39、39a、39b、39c・・・ゲート絶縁膜、40a、40b、40c・・・導電領域、41・・・層間絶縁膜、41a・・・コンタクトプラグ、43・・・金属配線層、45・・・保護絶縁膜、51・・・検知回路、53・・・参照回路、55a、57d・・・帰還回路、55b・・・負荷回路、55c、55d・・・比較回路、55e、55f・・・論理ゲート、57a、57b・・・参照回路、57c・・・電流源回路、57e・・・電流ミラー回路、61、71・・・電流源回路、63、73・・・スイッチ群、65a、65b、65c、75a、75b、75c・・・電流源トランジスタ、67a、67b、77a、77b、77e・・・金属配線層、68・・・負荷回路、69・・・増幅器、78・・・バイアス源、79b・・・セレクタ、80・・・半導体領域、81・・・半導体基板、82a・・・シリコン酸化膜、82b・・・シリコン窒化膜、82c・・・レジスト膜、82d・・・庇、83・・・マスク、83a・・・開口、84・・・シリコン酸化膜、85・・・シリコン酸化物、86・・・マスク、86a・・・開口、87・・・マスク、87a、87b、87c・・・開口、Ax1、Ax2、Ax3・・・方向、BDY1、BDY2・・・境界、BL・・・ビット線、BTS・・・選択されたビット線、BLT・・・ビット選択トランジスタ、CM1、CM2、CM3、CM4、CM5、CM6・・・電流ミラー回路、CNTL1・・・外部制御信号、CS・・・座標系、DET1、DET2・・・基準レベル、MT・・・トランジスタ、SP0・・・基板生産物、SP1・・・基板生産物、VD・・・電源線、WL・・・ワード線、WLS・・・選択されたワード線、XAD・・・Xアドレス、YAD・・・Yアドレス。