(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095592
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】無線通信機器、測位システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 11/00 20060101AFI20230629BHJP
G01S 5/18 20060101ALI20230629BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20230629BHJP
【FI】
H04B11/00
G01S5/18
G01S5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021211569
(22)【出願日】2021-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】浅井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】倉本 南
【テーマコード(参考)】
5J062
5J083
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062CC11
5J062FF03
5J062HH00
5J083AA05
5J083AC02
5J083AE08
5J083AG03
5J083BB02
5J083BE43
5J083EB00
(57)【要約】
【課題】音波、及び電波で識別情報を送信する測位システムにおいて、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特長を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減する。
【解決手段】無線通信機器は、第1の識別情報を表す音波を受信する音波受信部と、前記音波から前記第1の識別情報を取得する第1の取得部と、第2の識別情報を表す電波を受信する電波受信部と、前記電波から前記第2の識別情報を取得する第2の取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定部と、を有し、前記決定部は、前記第2の識別情報を取得後、前記第1の識別情報を取得したときに、前記第3の識別情報を決定する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の識別情報を表す音波を受信する音波受信部と、
前記音波から前記第1の識別情報を取得する第1の取得部と、
第2の識別情報を表す電波を受信する電波受信部と、
前記電波から前記第2の識別情報を取得する第2の取得部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定部と、
を有し、
前記決定部は、前記第2の識別情報を取得後、前記第1の識別情報を取得したときに、前記第3の識別情報を決定する、無線通信機器。
【請求項2】
前記決定部は、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とを組み合わせて、前記第3の識別情報を作成する、請求項1に記載の無線通信機器。
【請求項3】
前記決定部は、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報の組合せと、前記第3の識別情報とを対応付けて予め記憶した対応情報を用いて、前記第3の識別情報を決定する、請求項1に記載の無線通信機器。
【請求項4】
前記決定部は、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報との組合せが前記対応情報に記憶されていない場合、前記第3の識別情報の決定を中止する、請求項3に記載の無線通信機器。
【請求項5】
前記決定部は、前記第2の識別情報を取得後、所定の時間内に前記第1の識別情報を取得できない場合、前記第2の識別情報を用いて前記第3の識別情報を決定する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信機器。
【請求項6】
前記第3の識別情報を用いて、前記第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを取得するコンテンツ取得部を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信機器。
【請求項7】
前記第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを管理するサーバ装置と通信する通信部を有し、
前記コンテンツ取得部は、前記サーバ装置に前記第3の識別情報を送信し、前記サーバ装置から前記第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを取得する、
請求項6に記載の無線通信機器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線通信機器と、
前記第1の識別情報を表す音波を出力する音波出力部と前記第2の識別情報を表す電波を出力する電波出力部とを有する出力装置と、
を含む、測位システム。
【請求項9】
前記出力装置は、
前記第1の識別情報を表す音波を出力する音波出力部を有する音波出力装置と、
前記第2の識別情報を表す電波を出力する電波出力装置と、
を含む、請求項8に記載の測位システム。
【請求項10】
前記測位システムは、前記無線通信機器と通信可能なサーバ装置を含み、
前記サーバ装置は、
前記第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを記憶する記憶部と、
前記無線通信機器からの要求に応じて、前記第3の識別情報に対応する前記位置情報、又はコンテンツデータを前記無線通信機器に提供するコンテンツ提供部と、
を有する、請求項8又は9に記載の測位システム。
【請求項11】
前記出力装置は、
前記第1の識別情報の設定を変更する第1の設定部と、
前記音波の音量の設定を変更する第2の設定部と、
を有する、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項12】
前記第2の設定部は、前記第1の識別情報に設定されたデータごとに前記音波の音量を変更する、請求項11に記載の測位システム。
【請求項13】
前記音波の音量により、前記第3の識別情報を取得可能なエリアの大きさを設定する、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項14】
前記音波出力部は、複数の周波数の音波のオン、オフの組合せで前記第1の識別情報を表す音波を出力する、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項15】
前記電波出力部は、前記第2の識別情報を表す電波を近距離無線通信で送信する、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の測位システム。
【請求項16】
無線通信機器が、
第1の識別情報を表す音波を受信する処理と、
前記音波から前記第1の識別情報を取得する処理と、
第2の識別情報を表す電波を受信する処理と、
前記電波から前記第2の識別情報を取得する処理と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定処理と、
を実行し、
前記決定処理は、前記第2の識別情報を取得後、前記第1の識別情報を取得したときに、前記第3の識別情報を決定する、情報処理方法。
【請求項17】
無線通信機器に、
第1の識別情報を表す音波を受信する処理と、
前記音波から前記第1の識別情報を取得する処理と、
第2の識別情報を表す電波を受信する処理と、
前記電波から前記第2の識別情報を取得する処理と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定処理と、
を実行させ、
前記決定処理は、前記第2の識別情報を取得後、前記第1の識別情報を取得したときに、前記第3の識別情報を決定する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機器、測位システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末が、出力装置が出力する音波、又は電波等から取得した識別情報に基づいて、情報端末の位置情報を取得する測位システムがある。
【0003】
例えば、第1の識別情報を表す音波を出力する手段と、第2の識別情報を表す電波を発信する手段とを有する位置情報発信装置を用いて、位置情報を発信する位置情報発信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電波で識別情報を送信する測位システムでは、細かいジオフェンス(測位する領域)を形成する場合には複雑なシステム(例えば、3点計測等)を構築する必要があり、測位システムが高額になるという問題がある。一方、音波で識別情報を送信する測位システムでは、例えば、音量、スピーカの指向特性、又は壁等により、ジオフェンスを比較的容易に構築することができる。しかし、音波で識別情報を送信する場合、識別情報を含む音波を録音機器で録音し、他の場所で再生することにより、例えば、誤動作、又は不正利用等のリスクがある。
【0005】
特許文献1に開示された技術では、音波が表す第1の識別情報と、電波が表す第2の識別情報が別々に利用されており、例えば、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特徴を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減することはできない。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、音波、及び電波で識別情報を送信する測位システムにおいて、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特長を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る無線通信機器は、第1の識別情報を表す音波を受信する音波受信部と、前記音波から前記第1の識別情報を取得する第1の取得部と、第2の識別情報を表す電波を受信する電波受信部と、前記電波から前記第2の識別情報を取得する第2の取得部と、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定部と、を有し、前記決定部は、前記第2の識別情報を取得後、前記第1の識別情報を取得したときに、前記第3の識別情報を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、音波、及び電波で識別情報を送信する測位システムにおいて、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特長を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る測位システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る出力装置が形成するエリアの一例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る出力装置が形成するエリアの別の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る第1の識別情報を表す音波の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る第1の識別情報を表す音波の別の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る無線通信機器のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の別の一例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係る無線通信機器、及びサーバ装置の機能構成の例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る出力装置の機能構成の例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る識別情報の取得処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】第1の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】第2の実施形態に係る対応情報の例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。
【
図16】第3の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】第4の実施形態に係る音波受信エリアについて説明するため図である。
【
図18】第4の実施形態に係る音波受信エリアの設定処理の例を示すフローチャートである。
【
図19】一実施形態に係る測位システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0011】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る測位システムのシステム構成の例を示す図である。測位システム1は、一例として、1つ以上の出力装置100と、無線通信機器10とを含む。好ましくは、測位システム1は、例えば、インターネット、及びLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介して、無線通信機器10と通信可能なサーバ装置110を含む。なお、サーバ装置110は、通信ネットワークNを介して、出力装置100とさらに通信可能であってもよい。
【0012】
(出力装置)
出力装置100は、音波を識別する識別情報(以下、第1の識別情報と呼ぶ)を表す音波を出力する音波出力部と、出力装置100ごとに固有の識別情報(以下、第2の識別情報と呼ぶ)を出力する電波出力部とを有する装置である。
【0013】
図2は、一実施形態に係る出力装置が形成するエリアの一例を示す図である。出力装置100は、例えば、
図2に示すように、出力装置100を中心とする音波受信エリア201内に第1の識別情報を表す音波を出力する。好ましくは、音波受信エリア201の半径は、例えば、出力装置100が出力する音波の音量により変更可能である。
【0014】
また、出力装置100は、例えば、
図2に示すように、出力装置100を中心とする、音波受信エリア201より広い電波受信エリア202内に第2の識別情報を表す電波を出力する。例えば、出力装置100は、Bluetooth(登録商標)、又はBluetooth Low Energy(以下、BLEと呼ぶ)等の近距離無線通信で、第2の識別情報を表す電波を送信する。ただし、出力装置100は、近距離無線通信に限られず、例えば、LPWA(Low Power Wide Area)等の他の無線通信で、第2の識別情報を表す電波を送信してもよい。
【0015】
図3は、一実施形態に係る出力装置が形成するエリアの別の一例を示す図である。この図は、複数の棚301a~301dが設けられた商業施設300等において、出力装置100が形成する音波受信エリア201の例を示している。
図3の例では、出力装置100が出力する音波は、2つの棚301b、301cによって遮断(又は減衰)され、音波受信エリア201が2つの棚301b、301cの間の通路内に制限されている。一方、出力装置100が出力する電波は、例えば、反射、透過等により、2つの棚301b、301cの間の通路の外部にまで拡がっている。
【0016】
このように、音波受信エリア201は、例えば、音量、スピーカの指向特性、又は壁等により、ジオフェンス(仮想的な境界線で囲まれた任意のエリア)を比較的容易に構築できるという特長がある。一方、音波で第1の識別情報を送信する場合、例えば、第1の識別情報を含む音波を録音機器で録音し、他の場所で再生することにより、誤動作、又は不正利用等のリスクがある。
【0017】
図4は、一実施形態に係る第1の識別情報を表す音波の一例を示す図である。
図4(A)は、第1の識別情報を表す音波の周波数スペクトルの一例を示している。出力装置100は、例えば、複数の周波数のオン、又はオフ(音波を出力するか否か)の組合せにより、第1の識別情報を表すことができる。
図4(A)の例では、音波のオンをデジタル値の「1」とし、音波のオフをデジタル値の「0」とすることにより、複数の周波数の音波401~410で10ビットの第1の識別情報を表している。
【0018】
しかし、音波を受信する装置(例えば、無線通信機器10)が移動した場合、ドップラー効果が発生し、例えば、
図4(B)に示すように、複数の周波数の音波401~410が周波数シフトしてしまう場合がある。これにより、無線通信機器10が、受信した音波から、第1の識別情報を正しく取得できない場合がある。
【0019】
無線通信機器10は、例えば、受信した音波をFFT(fast Fourier transform)解析して、
図4(A)に示すような周波数スペクトルを取得する。また、無線通信機器10は、例えば、音波403に対応する周波数帯域B3の音圧レベルを取得することにより、音波404が表すビット3が「1」であると判断する。しかし、
図4(B)に示すように、周波数シフトが発生すると、周波数帯域B3の音圧レベルが下がってしまうので、音波404が表すビット3が「1」である場合でも「0」と判断されてしまう場合がある。例えば、
図4(B)の例では、出力装置100が、第1の識別情報「1111111111」を出力している場合でも、無線通信機器10等は、第1の識別情報を「0000000000」と誤って判断してしまう恐れがある。
【0020】
この問題を改善するために、例えば、
図5(A)に示すように、音波502を検出する周波数帯域B2を広げる方法がある。
図5(A)の例では、複数の音波501~505の有無を判断する周波数帯域を、
図4(A)の例の2倍に広げている。この方法により、無線通信機器10等は、例えば、
図5(B)に示すように、周波数シフトが発生した場合でも、音波が表す第1の識別情報「11111」を正しく取得することができるようになる。ただし、この方法では、1度に送信できるデータ量が、10ビットから5ビットに半減してしまうという問題がある。
【0021】
(無線通信機器)
無線通信機器10は、一例として、利用者が利用するスマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等の情報端末であり、無線通信で通信ネットワークNに接続することにより、サーバ装置110と通信可能である。無線通信機器10は、例えば、測位システム1に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、無線通信機器10が備えるマイクで取得した音波が表す第1の識別情報を取得する。また、無線通信機器10は、無線通信機器10が備える近距離通信回路等で受信した電波から第2の識別情報を取得する。
【0022】
また、本実施形態に係る無線通信機器10は、取得した第1の識別情報と第2の識別情報とに基づいて、音波受信エリア201に対応する第3の識別情報を決定する。好ましくは、無線通信機器10は、第2の識別情報を取得後、第1の識別情報を取得したときに、第3の識別情報を決定する。
【0023】
一例として、無線通信機器10は、第1の識別情報と第2の識別情報とを組み合わせて、第3の識別情報を作成してもよい。別の一例として、無線通信機器10は、第1の識別情報と第2の識別情報の組合せと、第3の識別情報とを対応付けて予め記憶した対応情報を用いて、第3の識別情報を決定してもよい。これにより、本実施形態に係る測位システム1では、例えば、第1の識別情報を含む音波を録音機器で録音し、他の場所で再生した場合でも、誤動作、又は不正利用等を抑制することができる。
【0024】
このように、本実施形態によれば、音波、及び電波で識別情報を送信する測位システム1において、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特長を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減することができる。
【0025】
また、
図5で説明したように、複数の音波501~505を検出する周波数帯域を広げることにより、第1の識別情報のビット数が減少した場合、従来の技術では、第1の識別情報で識別可能なジオフェンスの数が減少するという問題がある。一方、本実施形態では、第1の識別情報と第2の識別情報とに基づく第3の識別情報を用いて、ジオフェンスを識別できるので、第1の識別情報のビット数が減少した場合でも、第2の識別情報との組合せによって決定される第3の識別情報を用いて、第1の識別情報の数より多くのジオフェンスを識別できるようになる。
【0026】
(サーバ装置)
サーバ装置110は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムであり、通信ネットワークNを介して、無線通信機器10と通信可能である。サーバ装置110は、例えば、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを記憶部等に予め記憶しておき、無線通信機器10からの要求に応じて、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを提供する。
【0027】
サーバ装置110が提供する位置情報には、例えば、第3の識別情報に対応するエリア(ジオフェンス)の座標情報、エリア名等が含まれ得る。また、サーバ装置110が提供するコンテンツには、例えば、第3の識別情報に対応する店舗等の情報、画像、地図情報、又は案内経路等の情報が含まれうる。ただし、本実施形態では、サーバ装置110が提供する位置情報、又はコンテンツデータは、任意のデータであってよい。
【0028】
上記の構成により、無線通信機器10は、例えば、
図2に示すような、音波受信エリア201において、取得した第1の識別情報と第2識別情報とを用いて第3の識別情報を決定し、決定した第3の識別情報をサーバ装置110に送信する。また、無線通信機器10は、サーバ装置110から受信した位置情報、又はコンテンツデータに基づいて、例えば、現在の地点における地図情報、経路情報、施設情報、又はイベント情報等を表示する表示画面を表示することができる。
【0029】
なお、
図1に示した測位システム1のシステム構成は一例である。例えば、無線通信機器10は、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを記憶部等に記憶しておき、サーバ装置110によらずに、現在の地点に関する情報を表示してもよい。
【0030】
また、サーバ装置110は、通信ネットワークNを介して出力装置100と通信を行い、出力装置100が出力する音波が表す第1の識別情報、又は音波の音量等を制御する機能を有していてもよい。さらに、無線通信機器10は、汎用の情報端末に限られず、所定のファームウェアを実行する専用の端末装置等であっても良い。
【0031】
<ハードウェア構成>
続いて、測位システム1に含まれる各装置のハードウェア構成の例について説明する。
【0032】
(無線通信機器のハードウェア構成)
ここでは、無線通信機器10が、スマートフォン等の汎用の情報端末である場合のハードウェア構成について説明する。
【0033】
図6は、一実施形態に係る無線通信機器のハードウェア構成の例を示す図である。
図6に示されているように、無線通信機器10は、CPU(Central Processing Unit)601、ROM(Read Only Memory)602、RAM(Random Access Memory)603、ストレージデバイス604、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ605、撮像素子I/F(Interface)606、センサ607、メディアI/F609、GPS(Global Positioning System)受信部610等を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU601は、所定のプログラムを実行することにより無線通信機器10全体の動作を制御する。ROM302は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のCPU601の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。ストレージデバイス604は、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM等によって実現され、OS(Operating System)、アプリ等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する大容量の不揮発性の記憶装置である。
【0035】
CMOSセンサ605は、CPU601の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、無線通信機器10は、CMOSセンサ605に代えて、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段を有していても良い。撮像素子I/F606は、CMOSセンサ605の駆動を制御する回路である。センサ607は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F609は、フラッシュメモリ等の記録メディア608に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部610は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0036】
また、無線通信機器10は、遠距離通信回路611、遠距離通信回路611のアンテナ611a、CMOSセンサ612、撮像素子I/F613、マイク614、スピーカ615、音入出力I/F616、ディスプレイ617、外部機器接続I/F618、近距離通信回路619、近距離通信回路619のアンテナ619a、及びタッチパネル620を備えている。
【0037】
これらのうち、遠距離通信回路611は、例えば、通信ネットワークNを介して、他の装置と通信する回路である。CMOSセンサ612は、CPU601の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F613は、CMOSセンサ612の駆動を制御する回路である。マイク614は、音波を音波信号に変える内蔵型のデバイスである。スピーカ615は、音波信号を物理振動に変えて音波を発生する内蔵型のデバイスである。音入出力I/F616は、CPU601の制御に従って、音波信号の入出力等を処理する回路等である。
【0038】
ディスプレイ617は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示手段の一種である。外部機器接続I/F618は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路619は、例えば、Blooth、又はBLE等の出力装置100と同じ無線通信方式で近距離無線通信を行う。タッチパネル620は、利用者がディスプレイ617を押下することで、無線通信機器10を操作する入力手段の一種である。
【0039】
また、無線通信機器10は、バスライン621を備えている。バスライン621は、
図3に示されているCPU601等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0040】
なお、
図6に示した無線通信機器10のハードウェア構成は一例である。例えば、無線通信機器10は、CMOSセンサ605、612、撮像素子I/F606、613、センサ607、GPS受信部610、及びスピーカ615等を有していなくてもよい。
【0041】
(出力装置のハードウェア構成)
図7は、一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の一例を示す図である。出力装置100は、一例として、CPU701、メモリ702、ストレージデバイス703、近距離通信回路704、音波生成回路705、音出力I/F706、スピーカ707、遠距離通信回路708、及びバス709等を有している。
【0042】
CPU701は、例えば、ストレージデバイス703等に格納されたプログラムやデータをメモリ702上に読み出し、処理を実行することで、出力装置100の各機能を実現する演算装置(プロセッサ)である。メモリ702には、例えば、CPU701のワークエリア等として用いられるRAM、及び認証装置120の起動用のプログラム等を記憶するROM等が含まれる。ストレージデバイス703は、OS、アプリ、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性の大容量の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD等によって実現される。
【0043】
近距離通信回路704は、例えば、BLE等の無線通信機器10と同じ無線通信方式で近距離無線通信を行う。音波生成回路705は、第1の識別情報を含む音波(音波データ)を生成するための回路、IC(Integrated Circuit)、又はデバイスである。なお、第1の識別情報を表す音波は、CPU701が実行するプログラムが生成してもよく、この場合、出力装置100は、音波生成回路705を有していなくてもよい。
【0044】
音出力I/F706は、第1の識別情報を表す音波の音波信号をスピーカに出力する回路、IC、又はデバイス等であり、音波信号を増幅する増幅器を含む。スピーカ707は、音出力I/F706が出力する音波信号を音波に変化して出力するスピーカである。遠距離通信回路708は、例えば、無線通信、又は有線通信により、出力装置100を通信ネットワークNに接続し、サーバ装置110等と通信を行う通信処理を実行する。バス709は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0045】
なお、出力装置100は、例えば、
図8に示すように、音波出力装置801と、電波出力装置802とを組み合わせて構成されるものであってもよい。
図8の例では、出力装置100は、音波出力装置801と、電波出力装置802とを含む。
【0046】
音波出力装置801は、例えば、CPU701a、メモリ702a、ストレージデバイス703a、音波生成回路705a、音出力I/F706a、スピーカ707a、遠距離通信回路708a、及びバス709a等を有する。なお、上記の各構成要素は、
図7で説明したCPU701、メモリ702、ストレージデバイス703、音波生成回路705、音出力I/F706、スピーカ707、遠距離通信回路708、及びバス709と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0047】
電波出力装置802は、例えば、CPU701b、メモリ702b、ストレージデバイス703b、近距離通信回路704b、遠距離通信回路708b、及びバス709b等を有する。なお、上記の各構成要素は、例えば、
図7で説明した、CPU701、メモリ702、ストレージデバイス703、近距離通信回路704、遠距離通信回路708、及びバス709と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0048】
(サーバ装置のハードウェア構成)
サーバ装置110は、例えば、
図9に示すようなコンピュータ900のハードウェア構成を有している。或いは、サーバ装置110は、複数のコンピュータ900によって構成される。
【0049】
図9は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ900は、例えば、CPU901、ROM902、RAM903、HD(Hard Disk)904、HDDコントローラ905、ディスプレイ906、外部機器接続I/F907、ネットワークI/F908、キーボード909、ポインティングデバイス910、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ912、メディアI/F914、及びバスライン915等を備えている。
【0050】
これらのうち、CPU901は、コンピュータ900の全体の動作を制御する。ROM902は、例えば、IPL等のCPU901の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM903は、CPU901のワークエリア等として使用される。HD904は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ905は、CPU901の制御に従ってHD904に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0051】
ディスプレイ906は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種の情報を表示する。外部機器接続I/F907は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F908は、通信ネットワークNを利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0052】
キーボード909は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス910は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ912は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW911に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW911は、DVD-RWに限らず、他の記録媒体であっても良い。メディアI/F914は、フラッシュメモリ等のメディア913に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン915は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0053】
<機能構成>
続いて、本実施形態に係る各装置の機能構成について説明する。
図10は、一実施形態に係る無線通信機器、及びサーバ装置の機能構成の例を示す図である。
【0054】
(無線通信機器の機能構成)
無線通信機器10は、例えば、CPU601が所定のプログラムを実行することにより、音波受信部1001、第1の取得部1002、電波受信部1003、第2の取得部1004、決定部1005、コンテンツ取得部1006、通信部1007、記憶部1008、及び表示制御部1009等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって構成されるものであってもよい。
【0055】
音波受信部1001は、出力装置100が出力する、第1の識別情報を表す音波を受信(取得)する音波受信処理を実行する。例えば、音波受信部1001は、マイク614、及び音入出力I/F616等を用いて、無線通信機器10の周辺の音波を取得し、取得した音波を所定の形式の音波データに変換して、記憶部1008に記憶する。
【0056】
第1の取得部1002は、音波受信部1001が受信した音波から第1の識別情報を取得する第1の取得処理を実行する。例えば、第1の取得部1002は、音波受信部1001が記憶部1008に記憶した音波データをFFT(fast Fourier transform)解析して、
図5(A)に示すような周波数スペクトルを取得する。また、第1の取得部1002は、取得した周波数スペクトルから、複数の周波数の音波501~505のオン、オフを判断することにより第1の識別情報を取得する。
【0057】
電波受信部1003は、出力装置100が出力する、第2の識別情報を表す電波を受信する電波受信処理を実行する。例えば、電波受信部1003は、近距離通信回路619を用いて、出力装置100がBLE等の近距離無線通信でブロードキャスト送信するビーコンを受信する。
【0058】
第2の取得部1004は、電波受信部1003が受信した電波から第2の識別情報を取得する第2の取得処理を実行する。例えば、第2の取得部1004は、近距離通信回路619が出力する受信データに含まれる第2の識別情報を取得する。
【0059】
決定部1005は、第1の取得部1002が取得した第1の識別情報と、第2の取得部1004が取得した第2の識別情報とに基づいて、第3の識別情報を決定する決定処理を実行する。一例として、決定部1005は、第3の識別情報を上位と下位に分けて、第1の識別情報を上位に割り当て、第2の識別情報を下位に割り当てることにより、第3の識別情報を作成してもよい。別の一例として、決定部1005は、第1の識別情報と第2の識別情報の組合せと、第3の識別情報とを対応付ける対応情報を記憶部1008等に予め記憶しておき、この対応情報から、第1の識別情報と第2の識別情報に対応する第3の識別情報を取得してもよい。
【0060】
コンテンツ取得部1006は、決定部1005が決定した第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータ等を取得するコンテンツ取得処理を実行する。通信部1007は、例えば、遠距離通信回路611を用いて無線通信機器10を通信ネットワークNに接続し、サーバ装置110と通信する通信処理を実行する。
【0061】
コンテンツ取得部1006は、例えば、第3の識別情報を含むデータ取得要求を、通信部1007を介してサーバ装置110に送信し、サーバ装置110が送信する第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを取得する。或いは、コンテンツ取得部1006は、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを記憶部1008に予め記憶しておき、記憶部1008から、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを取得してもよい。
【0062】
記憶部1008は、例えば、CPU601が実行するプログラム、及びストレージデバイス604等によって実現され、例えば、上述した対応情報、又は音波データ等様々な情報、データ、及びプログラム等を記憶する。なお、記憶部1008は、無線通信機器10が有する各機能構成から、共通にアクセス可能である。
【0063】
表示制御部1009は、コンテンツ取得部1006が取得した位置情報、又はコンテンツデータ等に基づいて、例えば、現在の地点における地図情報、経路情報、施設情報、又はイベント情報等を表示する表示画面を表示する。
【0064】
(サーバ装置の機能構成)
サーバ装置110は、例えば、CPU901で所定のプログラムを実行することにより、通信部1011、コンテンツ提供部1012、位置情報管理部1013、及び記憶部1014等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0065】
通信部1011は、例えば、ネットワークI/F908を用いてサーバ装置110を通信ネットワークNに接続し、他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0066】
コンテンツ提供部1012は、無線通信機器10からの要求に応じて、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを、無線通信機器10に提供する。例えば、サーバ装置110は、記憶部1014に、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを予め記憶しておく。また、コンテンツ提供部1012は、無線通信機器10から、第3の識別情報を含むデータ提供要求を受け付けると、記憶部1014から、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータを読み出して、無線通信機器10に返信する。
【0067】
位置情報管理部1013は、第3の識別情報に対応する領域(ジオフェンス)の情報(例えば、位置座標、領域名等)を、記憶部1014に記憶して管理している。コンテンツ提供部1012は、位置情報管理部1013が管理する、第3の識別情報に対応する位置情報を、無線通信機器10に提供してもよい。
【0068】
また、位置情報管理部1013は、通信部1011が無線通信機器10から受信したデータ取得要求に含まれる、無線通信機器10を識別する機器IDと、第3の識別情報とにタイムスタンプを付けて記憶部1014に記憶する位置情報管理処理を実行してもよい。
【0069】
記憶部1014は、例えば、CPU901が実行するプログラム、HD904、及びHDDコントローラ905等によって実現され、上述した、第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータ等を記憶する。
【0070】
なお、
図10に示した無線通信機器10、及びサーバ装置110の機能構成は一例である。例えば、サーバ装置110が有する機能構成のうち、少なくとも一部は、無線通信機器10が有していてもよい。
【0071】
(出力装置の機能構成)
図11は、一実施形態に係る出力装置の機能構成の例を示す図である。ここでは、一例として、出力装置100が
図7に示すようなハードウェア構成を有しているものとして、以下の説明を行うが、出力装置100は、
図8に示すようなハードウェア構成で、以下の機能構成を実現してもよい。
【0072】
出力装置100は、例えば、CPU701で所定のプログラムを実行することにより、電波出力部1101、音波生成部1102、音波出力部1103、第1の設定部1104、第2の設定部1105、記憶部1106、及び通信部1107等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0073】
電波出力部1101は、第2の識別情報を表す電波を出力する電波出力処理を実行する。例えば、電波出力部1101は、例えば、近距離通信回路704を用いて、BLEのアドバタイズパケット等で、第2の識別情報をブロードキャスト送信する。
【0074】
音波生成部1102は、例えば、音波生成回路705等を用いて、或いはソフトウェア処理により、第1の識別情報を表す音波の音波データを生成する音波生成処理を実行する。なお、出力装置100は、音波生成部1102を有さずに、例えば、通信部1107がサーバ装置110から受信した音波データ、又は記憶部1106に予め記憶した音波データ等を用いて、第1の識別情報を表す音波を出力するものであってもよい。
【0075】
音波出力部1103は、例えば、音出力I/F706、及びスピーカ707等を用いて、第1の識別情報を表す音波を出力する音波出力処理を実行する。例えば、音波出力部1103は、音波生成部1102が生成した音波データ、又は記憶部1106に記憶した音波データ等を再生して、第1の識別情報を表す音波を出力する。
【0076】
第1の設定部1104は、例えば、通信部1107がサーバ装置110から受信した制御情報に従って、或いは自律的に、音波出力部1103が出力する音波が表す第1の識別情報のデータ(値)を変更する第1の設定処理を実行する。第2の設定部1105は、例えば、通信部1107がサーバ装置110から受信した制御情報に従って、或いは自律的に、音波出力部1103が出力する音波の音量の設定を変更する第2の設定処理を実行する。
【0077】
記憶部1106は、CPU701が実行するプログラム、メモリ702、及びストレージデバイス703等によって実現され、例えば、音波生成回路705が生成した音波データ、又は通信部1107がサーバ装置110から受信した音波データ等を記憶する。また、記憶部1106は、他のデータ、情報、及びプログラム等を記憶する。通信部1107は、例えば、遠距離通信回路708を用いて、サーバ装置110等の他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0078】
なお、
図11に示した出力装置100の機能構成は一例である。例えば、出力装置100は、音波生成部1102、又は通信部1107を有していなくてもよい。また、第1の設定部1104と第2の設定部1105は、1つの設定部であってもよい。
【0079】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る情報処理方法の処理の流れについて、複数の実施形態を例示して説明する。
【0080】
[第1の実施形態]
(識別情報の取得処理)
図12は、第1の実施形態に係る識別情報の取得処理の例を示すフローチャートである。この処理は、無線通信機器10が、第1の識別情報と第2の識別情報とを取得する処理の例を示している。一例として、無線通信機器10は、
図12(A)の処理と、
図12(B)の処理とを並行して実行する。別の一例として、無線通信機器10は、
図12(A)の処理を実行した後に、
図12(B)の処理を実行してもよい。
【0081】
図12(A)のステップS1201において、無線通信機器10の電波受信部1003は、近距離通信回路704を用いて電波を受信し、第2の取得部1004は、受信した電波から識別情報を取得する。
【0082】
ステップS1202において、第2の取得部1004は、識別情報を取得できた場合、処理をステップS1203に移行させる。一方、第2の取得部1004は、識別情報を取得できない場合、処理を終了する。
【0083】
ステップS1203に移行すると、第2の取得部1004は、取得した識別情報を第2の識別情報として記憶する。
【0084】
図12(B)のステップS1211において、音波受信部1001は、マイク614、及び音入出力I/F616を用いて、無線通信機器10の周辺の音波を受信(収音)する。
【0085】
ステップS1212において、音波受信部1001は、受信した音波をデータ化して音波データを作成する。
【0086】
ステップS1213において、第1の取得部1002は、音波受信部1001がデータ化した音波データを解析して、識別情報を取得する。例えば、第1の取得部1002は、音声データをFFT解析して、
図5(A)に示すような周波数スペクトルを取得し、複数の周波数の音波501~505の各々の有無を判断することにより、識別情報を取得する。
【0087】
ステップS1214において、識別情報を取得できた場合、第1の取得部1002は、処理をステップS1215に移行させる。一方、識別情報を取得できなかった場合、第1の取得部1002は、処理をステップS1216に移行させる。
【0088】
ステップS1215に移行すると、第1の取得部1002は、取得した識別情報を第1の識別情報として記憶する。
【0089】
ステップS1216に移行すると、決定部1005は、一例として、
図13に示すような、第3の識別情報の決定処理を実行する。
【0090】
(第3の識別情報の決定処理)
図13は、第1の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、
図12のステップS1216で、無線通信機器10の決定部1005が実行する第3の識別情報の決定処理の一例を示している。
【0091】
ステップS1301において、決定部1005は、第2の取得部1004が第2の識別情報を取得済であるか否かを判断する。例えば、決定部1005は、第2の取得部1004が、所定の時間内に記憶した第2の識別情報があるか否かを判断する。第2の識別情報を取得済である場合、決定部1005は、処理をステップS1302に移行させる。一方、第2の識別情報を取得済でない場合、決定部1005は、第3の識別情報の決定処理を中止する。
【0092】
ステップS1302に移行すると、決定部1005は、
図12(B)の処理で第1の取得部1002が取得した第1の識別情報と、
図12(A)の処理で第2の取得部1004が取得済の第2の識別情報とを取得する。
【0093】
ステップS1303において、決定部1005は、取得した第1の識別情報と第2の識別情報とを用いて、第3の識別情報を決定する。一例として、決定部1005は、第3の識別情報を上位と下位に分けて、第1の識別情報を上位に割り当て、第2の識別情報を下位に割り当てることにより、第3の識別情報を作成する。例えば、第1の識別情報が「1」であり、第2の識別情報が「5」である場合、第3の識別情報を「15」とする。
【0094】
別の一例として、決定部1005は、第2の実施形態に示すように、第1の識別情報と第2の識別情報の組合せと、第3の識別情報とを対応付けて予め記憶した対応情報を用いて、第3の識別情報を決定する。
【0095】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る無線通信機器10は、例えば、
図14に示すような対応情報(識別情報リスト)1400を、記憶部1008等に記憶している。
図14は、第2の実施形態に係る対応情報の例を示す図である。
図14に示すように、対応情報1400には、第1の識別情報と第2の識別情報の組合せに対応する第3の識別情報を、予め記憶している。
【0096】
図15は、第2の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図12(B)のステップS1216において、無線通信機器10の決定部1005が実行する第3の識別情報の決定処理の別の一例を示している。
【0097】
ステップS1501において、決定部1005は、第2の取得部1004が第2の識別情報を取得済であるか否かを判断する。例えば、決定部1005は、第2の取得部1004が、所定の時間内に記憶した第2の識別情報があるか否かを判断する。第2の識別情報を取得済である場合、決定部1005は、処理をステップS1502に移行させる。一方、第2の識別情報を取得済でない場合、決定部1005は、第3の識別情報の決定処理を中止する。
【0098】
ステップS1502に移行すると、決定部1005は、
図12(B)の処理で第1の取得部1002が取得した第1の識別情報と、
図12(A)の処理で第2の取得部1004が取得済の第2の識別情報とを取得する。
【0099】
ステップS1503において、決定部1005は、取得した第1の識別情報と第2の識別情報との組合せが、例えば、
図14に示すような対応情報14に記憶されているか否かを判断する。取得した第1の識別情報と第2の識別情報との組合せが対応情報1400に記憶されている場合、決定部1005は、処理をステップS1504に移行させる。一方、取得した第1の識別情報と第2の識別情報との組合せが対応情報1400に記憶されていない場合、決定部1005は、第3の識別情報の決定処理を中止する。
【0100】
ステップS1504に移行すると、決定部1005は、取得した第1の識別情報と第2の識別情報との組合せと、対応情報1400とを用いて、第3の識別情報を決定する。例えば、決定部1005は、
図14に示すような対応情報1400から、第1の識別情報と第2の識別情報との組合せに対応する第3の識別情報を取得する。
【0101】
上記の処理により、無線通信機器10は、例えば、
図14に示すような対応情報1400に基づいて、容易に第3の識別情報を容易に決定することができる。また、第2の実施形態によれば、例えば、無線通信機器10が、出力装置100に近接する他の出力装置から第2の識別情報を取得した後に、出力装置100の第1の識別情報を取得した場合等に、誤った第3の識別情報を作成してしまうことを抑制することができる。
【0102】
[第3の実施形態]
図16は、第3の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図12(B)のステップS1216において、無線通信機器10の決定部1005が実行する第3の識別情報の決定処理の別の一例を示している。なお、ここでは、
図15で説明した第2の実施形態に係る第3の識別情報の決定処理と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0103】
ステップS1601において、決定部1005は、第2の取得部1004が第2の識別情報を取得済であるか否かを判断する。第2の識別情報を取得済である場合、決定部1005は、処理をステップS1602に移行させる。一方、第2の識別情報を取得済でない場合、決定部1005は、第3の識別情報の決定処理を中止する。
【0104】
ステップS1602に移行すると、決定部1005は、指定時間をカウント中であるか否かを判断する。指定時間をカウント中でない場合、決定部1005は、処理をステップS1603に移行させる。一方、指定時間をカウント中である場合、決定部1005は、処理をステップS1604に移行させる。ここで、指定時間は、例えば、
図2の電波受信エリア202の範囲内であり、かつ音波受信エリア201の範囲外のエリアに、無線通信機器10があることを判定するための制限時間(例えば、数秒~数十秒程度)を、予め指定しておく。
【0105】
ステップS1603に移行すると、決定部1005は、予め指定された指定時間のカウントを開始する。
【0106】
ステップS1604に移行すると、決定部1005は、
図12(B)の処理で第1の取得部1002が取得した第1の識別情報と、
図12(A)の処理で第2の取得部1004が取得済の第2の識別情報とを取得する。
【0107】
ステップS1605において、決定部1005は、
図12(B)の処理で第1の取得部1002が取得した第1の識別情報があるか否かを判断する。例えば、決定部1005は、
図12(B)の処理において、ステップS1215の処理を実行した場合、第1の識別情報があると判断し、ステップS1215の処理を実行していない場合、第1の識別情報がないと判断する。第1の識別情報がある場合、決定部1005は、処理をステップS1606に移行させる。一方、第1の識別情報がない場合、決定部1005は、処理をステップS1606に移行させる。
【0108】
ステップS1606に移行すると、決定部1005は、第1の識別情報と第2の識別情報とを用いて、第3の識別情報を決定する。例えば、決定部1005は、第2の実施形態で説明したように、対応情報1400から、第1の識別情報と第2の識別情報との組合せに対応する第3の識別情報」を取得する。
【0109】
一方、ステップS1605からステップS1608に移行すると、決定部1005は、ステップS1602で上述した指定時間を経過したか否かを判断する。指定時間を経過した場合、決定部1005は、処理をステップS1609に移行させる。一方、指定した時間を経過していない場合、
図16の処理を終了して、
図12(A)、(B)で説明した識別情報の取得処理を再び実行する。
【0110】
ステップS1609に移行すると、決定部1005は、第2の識別情報を用いて、第3の識別情報を決定する。例えば、決定部1005は、第2の識別情報を、そのまま第3の識別情報としてもよいし、所定の識別情報と第2の識別情報とを組み合わせて、第3の識別情報を作成してもよい。或いは、決定部1005は、第2の識別情報と、第3の識別情報とを対応付けて記憶した、別の対応情報を用いて第3の識別情報を決定してもよい。
【0111】
第1~3の実施形態によれば、無線通信機器10は、第2の識別情報を取得後、第1の識別情報を取得したときに第3の識別情報を決定する。従って、無線通信機器10は、自機が、例えば、
図2の音波受信エリア201の範囲内にいるのか、音波受信エリア201の範囲外の電波受信エリア202内にいるのかを特定することができる。
【0112】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、第3の識別情報を取得可能なエリアの大きさの変更について説明する。出力装置100は、音波出力部1103が出力する音波が表す第1の識別情報のデータ(値)を変更する第1の設定部1104を有している。これにより、出力装置100は、例えば、時間帯によって、或いは、サーバ装置110等からの制御情報に応じて、第1の識別情報を変更することができる。
【0113】
また、出力装置100は、音波出力部1103が出力する音波の音量の設定を変更する第2の設定部1105を有している。これにより、出力装置100は、例えば、時間帯によって、或いは、サーバ装置110等からの制御情報に応じて、第1の識別情報を表す音波の音量を変更することができる。これにより、出力装置100は、第1の識別情報を表す音波を受信可能な音波受信エリア201を変更するとともに、第3の識別情報を取得可能なエリアの大きさを変更することができる。
【0114】
例えば、
図2に示すように、第1の識別情報を取得可能な音波受信エリア201が形成されていたとする。この状態から、第2の設定部1105が、第1の識別情報を表す音波の音量を下げることにより、
図17の音波受信エリア201aのように、第3の識別情報を取得可能なエリアを小さくすることができる。
【0115】
また、出力装置100は、例えば、第1の識別情報のデータ(値)ごとに、音量の設定値を予め記憶しておくことにより、第1の識別情報に設定されたデータに応じて、第1の識別情報を表す音波の音量を変更することも可能である。
【0116】
(音波受信エリアの設定処理)
図18(A)は、第4の実施形態に係る音波受信エリアの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0117】
ステップS1801において、例えば、出力装置100の通信部1107が、第1の識別情報を表す音波の音量の変更要求を含む制御情報を受信することにより、第2の設定部1105は、音量の設定要求を受け付ける。
【0118】
ステップS1802において、第2の設定部1105は、音量の設定要求で指示された音量に、音波出力部1103が出力する音波の音量を設定する。
【0119】
上記の処理により、例えば、サーバ装置110等は、遠隔操作で、出力装置100における第3の識別情報を取得可能なエリアの大きさを変更することができる。
【0120】
図18(B)は、第4の実施形態に係る音波受信エリアの設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
ステップS1811において、例えば、出力装置100の通信部1107が、第1の識別情報の設定要求を含む制御情報を受信することにより、第1の設定部1104は、第1の識別情報の設定要求を受け付ける。
【0122】
ステップS1812において、第2の設定部1105は、第1の識別情報の設定要求で受け付けた第1の識別情報のデータに対応する音量を、記憶部1106等から取得する。
【0123】
ステップS1813において、第1の設定部1104は、第1の識別情報に指定されたデータを設定することにより、第1の識別情報を変更する。
【0124】
ステップS1814において、第2の設定部1105は、音波出力部1103が出力する音波の音量の設定を、第1の識別情報に対応する音量に設定する。
【0125】
このように、第4の実施形態に係る測位システム1によれば、第3の識別情報を取得可能なエリアを容易に変更することができる。
【0126】
<測位システムの処理>
図19は、一実施形態に係る測位システムの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、第1~3の実施形態に係る無線通信機器10を含む測位システム1の処理の概要の一例を示している。
【0127】
ステップS1901において、無線通信機器10を所持するユーザが、出力装置100に接近し、例えば、
図2の電波受信エリア202に入るものとする。
【0128】
これにより、ステップS1902において、無線通信機器10の電波受信部1003は、出力装置100が出力する第2の識別情報を表す音波を受信する。一方、ステップS1903において、出力装置100が出力する第1の識別情報を表す音波は、音波受信エリア201の範囲外であるため、無線通信機器10に届かないものとする。
【0129】
ステップS1903において、無線通信機器10の第2の取得部1004は、電波受信部1003が受信した電波から第2の識別情報を取得し、取得した第2の識別情報を記憶する。なお、ステップS1902、S1904の処理は、例えば、
図12(A)で説明した処理に対応している。
【0130】
ステップS1905において、無線通信機器10を所持するユーザが、出力装置100にさらに接近し、例えば、
図2の音波受信エリア201に入るものとする。
【0131】
これにより、ステップS1906において、無線通信機器10の音波受信部1001は、出力装置100が出力する第1の識別情報を表す音波を受信する。
【0132】
ステップS1907において、無線通信機器10の第1の取得部1002は、音波受信部1001が受信した音波から第1の識別情報を取得し、取得した第1の識別情報を記憶する。なお、ステップS1906、S1907の処理は、例えば、
図12(B)のステップS1211~S1215の処理に対応している。
【0133】
ステップS1908において、無線通信機器10の決定部1005は、例えば、
図13、
図15、又は
図16で説明した、第3の識別情報の決定処理を実行する。
【0134】
ステップS1909において、無線通信機器10のコンテンツ取得部1006は、例えば、通信部1007を介してサーバ装置110に、第3の識別情報と、無線通信機器10を識別する機器IDとを含むデータ取得要求を送信する。なお、機器IDは、無線通信機器10が実行するアプリを識別するアプリID等であってもよい。
【0135】
ステップS1910において、サーバ装置110の位置情報管理部1013は、データ取得要求に含まれる第3の識別情報と機器ID(又はアプリID)とを記憶部1014等に記憶する。ステップS1910の処理により、測位システム1は、互いに異なる場所に設置された複数の出力装置100を利用して、無線通信機器10(又はアプリ)の位置情報を管理することができる。なお、ステップS1910の処理はオプションであり、必須ではない。
【0136】
ステップS1911において、サーバ装置110のコンテンツ提供部1012は、データ取得要求に含まれる第3の識別情報に対応する位置情報、又はコンテンツデータ等のデータを要求元の無線通信機器10に送信する。ここで、コンテンツ提供部1012が提供するデータは、例えば、無線通信機器10があるエリアの座標情報、エリア名、フロア名、売場名、又は部署名等の情報であってもよい。また、コンテンツ提供部1012が提供するデータは、現在の地点の周辺のマップ情報、フロア情報、店舗情報、又は売場情報等であってもよいし、目的地までの経路を示す経路情報等であってもよい。
【0137】
ステップS1912において、無線通信機器10の表示制御部1009は、サーバ装置110から受信したデータに基づいて、現在のエリアに対応する表示画面(例えば、マップ情報、施設情報、フロア情報、店舗情報、又は経路情報等)を、ディスプレイ617等の表示部に表示する。
【0138】
上記の処理により、測位システム1は、無線通信機器10に、無線通信機器10があるエリアに対応するコンテンツをタイムリーに提供するとともに、無線通信機器10の位置情報の履歴を管理することができる。
【0139】
なお、
図19に示した測位システム1の処理は一例であり、様々な応用、又は変形が可能樽。例えば、測位システム1は、無線通信機器10(又はアプリ)の位置情報の履歴により、無線通信機器10を利用するユーザの入退出管理、出席管理、又は施設の利用管理等を行うものであってもよい。また、測位システム1は、店舗等において、顧客の管理、又はヒートマップの作成等を行うもの等であってもよい。さらに、測位システム1は、医療施設、又は介護施設等において、施設の利用者の位置管理、又は不在管理等を行うもの等であってもよい。
【0140】
以上、本発明の各実施形態によれば、音波、及び電波で識別情報を送信する測位システムにおいて、音波のジオフェンスの構築が容易であるという特長を生かしつつ、誤動作、又は不正利用等のリスクを低減することができる。
【0141】
また、本実施形態では、無線通信機器10が、第2の識別情報を取得後、第1の識別情報を取得したときに第3の識別情報を決定することにより、第3の識別情報の検知タイミングを統一することができる。本実施形態では、第1の識別情報を変えることで、第3の識別情報を変更し、エリア内にいるユーザに配信するコンテンツを変更することを可能にするため、第1の識別情報を取得したときに第3の識別情報を決定することが望ましい。
【0142】
さらに、本実施形態に係る無線通信機器10は、第2の識別情報を取得した後、指定時間を経過しても第1の識別情報を取得できない場合、第2の識別情報に基づいて第3の識別情報を決定する。これにより、無線通信機器10が、出力装置100が出力する音波と電波を受信でいるエリアにいるのか、電波のみを受信できるエリアにいるのかを特定することができる。
【0143】
また、本実施形態では、対応情報1400から、第1の識別情報と第2の識別情報の組合せに対応する第3の識別情報を取得することにより、第3の識別情報を決定することができる。このように、第1の識別情報と第2の識別情報との組合せを事前に対応情報1400に登録しておくことにより、識別情報の誤認識による不具合を低減することができる。
【0144】
さらに、本実施形態では、第1の識別情報を表す音波の音量を変更することができるので、第3の識別情報を取得可能なジオフェンスの大きさを柔軟に変更することができる。
【0145】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0146】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、サーバ装置110は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、出力装置100は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0147】
さらに、サーバ装置110、及び無線通信機器10は、開示された処理ステップを様々な組合せで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、サーバ装置110によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、無線通信機器10によって実行することができる。また、サーバ装置110、無線通信機器10、及び出力装置100の各要素は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【符号の説明】
【0148】
1 測位システム
10 無線通信機器
100 出力装置
110 サーバ装置
801 音波出力装置
802 電波出力装置
1001 音波受信部
1002 第1の取得部
1003 電波受信部
1004 第2の取得部
1005 決定部
1006 コンテンツ取得部
1101 電波出力部
1103 音波出力部
1400 対応情報
1012 コンテンツ提供部
1014 記憶部
1104 第1の設定部
1105 第2の設定部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0149】