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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023095777
(43)【公開日】2023-07-06
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/40 20060101AFI20230629BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20230629BHJP
【FI】
H01S5/40
H01S5/022
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022178683
(22)【出願日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2021210992
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】今井 武史
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 功治
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MA10
5F173MB03
5F173MC15
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME47
5F173MF03
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】 スペックルノイズが低減された発光装置を提供する。
【解決手段】 それぞれ第1波長の発光ピーク波長を有する2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ第1波長よりも短い第2波長の発光ピーク波長を有する2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ第2波長よりも短い第3波長の発光ピーク波長を有する2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、M行N列の全体あるいは部分において、複数の半導体レーザ素子は、行方向に関し、第1半導体レーザ素子の隣に第1半導体レーザ素子以外の半導体レーザ素子が配置され、第2半導体レーザ素子の隣に第2半導体レーザ素子以外の半導体レーザ素子が配置され、第3半導体レーザ素子の隣に第3半導体レーザ素子以外の半導体レーザ素子が配置されることを特徴とする発光装置。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ647nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ643nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ639nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
列方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
列方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の半導体レーザ素子において同じ行に配置されるN個の半導体レーザ素子が電気的に直列接続するように、前記複数の半導体レーザ素子を電気的に接続する複数の配線をさらに備える、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の第1発光色レーザ素子は、前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子(R≧3の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いR種類の半導体レーザ素子をそれぞれ2以上含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の第1発光色レーザ素子は、
前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、
m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となり、
m+1行目において、1列目からN列目まで、m行N列に配置された前記半導体レーザ素子の次の順番の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となる、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の第1発光色レーザ素子は、
前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、
m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となり、
m+1行目において、N列目から1列目まで、m行N列に配置された前記半導体レーザ素子の次の順番の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となる、請求項4に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の第1発光色レーザ素子は、M行N列の全体において、行方向及び列方向のそれぞれに関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第1半導体レーザ素子が含まれず、前記第2半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第2半導体レーザ素子が含まれず、前記第3半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第3半導体レーザ素子が含まれないように配置されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記複数の第1発光色レーザ素子は、M行N列の全体において、前記第1半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第1半導体レーザ素子が含まれ、前記第2半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第2半導体レーザ素子が含まれ、前記第3半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第3半導体レーザ素子が含まれるように配置されることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の第1発光色レーザ素子の各々は、GaAs系材料またはGaP系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
それぞれ、前記複数の半導体レーザ素子のうち1以上の半導体レーザ素子を封止する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージが実装される基部と、をさらに備え、
前記複数の半導体レーザ素子は、前記複数のパッケージが前記基部に実装されることで、M行N列の行列状に配列される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記複数の半導体レーザ素子が配置される実装面を有し、前記複数の半導体レーザ素子を封止するパッケージをさらに備える、請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記複数の半導体レーザ素子はさらに、赤色とは異なる色の光を出射する複数の第2発光色レーザ素子を含み、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子(R≧3の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いR種類の半導体レーザ素子で構成され、
前記複数の第2発光色レーザ素子は、第1半導体レーザ素子から第V半導体レーザ素子(2≦V≦(R-1)の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いV種類の半導体レーザ素子で構成される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第2発光色レーザ素子は、緑色の光を出射する、請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が527nmより大きく532nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が523nmより大きく527nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が518nmより大きく523nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
【請求項15】
緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が534nmより大きく539nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が530nmより大きく534nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が525nmより大きく530nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スペックルノイズを低減しつつ、高出力化を図る目的で、複数の第一素子と複数の第二素子を有する半導体レーザ光源装置であって、温度特性がより良い方の素子を中央に配置し、その周りに温度特性がより悪い方の素子を配置するようにして、第一素子及び第二素子を配列した半導体レーザ光源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-57512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、スペックルノイズの低減のための手段として、半導体レーザ素子を多波長化させ、高出力化のための手段として、温度特性に基づく半導体レーザ素子の配列を行っている。つまり、配列によって、スペックルノイズの低減を図ることについては検討されておらず、スペックルノイズの低減には尚も改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される発光装置は、赤色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ647nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ643nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ639nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする。
【0006】
また、実施形態に開示される発光装置は、緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が527nmより大きく532nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が523nmより大きく527nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が518nmより大きく523nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする。
【0007】
また、実施形態に開示される発光装置は、緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が534nmより大きく539nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が530nmより大きく534nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が525nmより大きく530nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする。
【0008】
実施形態によって開示される1または複数の発明の少なくとも一つにおいて、スペックルノイズが低減された発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態、第2実施形態、及び、第6実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図2図2は、図1に対応する上面図である。
図3図3は、図2のIII-III線における発光装置の断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線における発光装置の断面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る発光装置において、パッケージに配置される半導体レーザ素子の配列を説明するための上面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第1の例を示す上面図である。
図7図7は、第1実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第2の例を示す上面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第3の例を示す上面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第4の例を示す上面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第1の例を示す上面図である。
図11図11は、第2実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第2の例を示す上面図である。
図12図12は、第2実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第3の例を示す上面図である。
図13図13は、第2実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第4の例を示す上面図である。
図14図14は、第3実施形態に係る発光装置において、パッケージに配置される半導体レーザ素子の配列を説明するための上面図である。
図15図15は、第3実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第1の例を示す上面図である。
図16図16は、第3実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第2の例を示す上面図である。
図17図17は、第3実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第3の例を示す上面図である。
図18図18は、第3実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の第4の例を示す上面図である。
図19図19は、第4実施形態に係るパッケージ、及び、第5実施形態に係る発光装置の斜視図である。
図20図20は、第4実施形態に係るパッケージ、及び、第5実施形態に係る発光装置に配置される半導体レーザ素子20の配列を説明するための上面図である。
図21図21は、第4実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の例を示す上面図である。
図22図22は、第5実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の例を示す上面図である。
図23図23は、第6実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の一例を説明するための上面図である。
図24図24は、第7実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の一例を説明するための上面図である。
図25図25は、第8実施形態に係る発光装置から出射される光の配列の一例を説明するための上面図である。
図26図26は、背景技術において挙げた特許文献に開示される技術思想に基づいた光の配列の一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形や四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書及び特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれるものとする。
【0011】
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸など、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、“辺”の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない“多角形”や“辺”を、加工された形状と区別する場合は“厳密な”を付して、例えば、“厳密な四角形”などと記載するものとする。
【0012】
また、本明細書または特許請求の範囲において、上下、左右、表裏、前後、手前と奥などの表現は、相対的な位置、向き、方向などの関係を述べるに過ぎず、使用時における関係と一致していなくてもよい。
【0013】
また、図面においてX方向、Y方向、及び、Z方向などの方向を、矢印を用いて示すことがある。この矢印の方向は、同じ実施形態に係る複数の図面間で整合が取られている。
【0014】
また、本明細書において、構成要素などを説明するときに「部材」や「部」と記載することがある。「部材」は、物理的に単体で扱う対象を指すものとする。物理的に単体で扱う対象とは、製造の工程で一つの部品として扱われる対象ということもできる。一方で、「部」は、物理的に単体で扱われなくてもよい対象を指すものとする。例えば、1つの部材の一部を部分的に捉えるときに「部」が用いられる。
【0015】
なお、上述の「部材」と「部」の書き分けは、均等論を含む権利範囲の解釈において、権利範囲を意識的に限定する意思を示すものではない。つまり、特許請求の範囲において「部材」と記載された構成要素があったとしても、そのことのみを以って、この構成要素を物理的に単体で扱うことが本発明の適用に必要不可欠であると出願人が認識しているわけではない。
【0016】
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に“第1”、“第2”と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。そのため、特許請求の範囲において本明細書と同一の付記がされた構成要素が記載されていても、この構成要素によって特定される対象が、本明細書と特許請求の範囲との間で一致しないことがあり得る。
【0017】
例えば、本明細書において“第1”、“第2”、“第3”と付記されて区別される構成要素があり、本明細書において“第1”及び“第3”が付記された構成要素を特許請求の範囲に記載する場合に、見易さの観点から特許請求の範囲においては“第1”、“第2”と付記して構成要素を区別することがある。この場合、特許請求の範囲において“第1”、“第2”と付記された構成要素はそれぞれ、本明細書において“第1”“第3”と付記された構成要素を指すことになる。なお、このルールの適用対象は構成要素に限らず、その他の対象に対しても、合理的かつ柔軟に適用される。
【0018】
また、本明細書において、ある実施形態(実施例や変形例を含む)において、ある構成要素に関して、単数及び複数のどちらにおいても当てはまる内容を単数の構成要素で説明することがある。単数の構成要素で説明されている内容が複数の構成要素についても当てはまるか否かは、その実施形態に係る図面に基づくものとする。つまり、複数の構成要素に当てはめると図面と整合しない場合、その内容は複数の構成要素には当てはまらない内容といえ、逆に、複数の構成要素に当てはめても図面との不整合が生じない場合は、その内容は、選択的に単数および複数のどちらにおいても、その構成要素の説明に当てはまるものである。単数及び複数のどちらにおいても当てはまる内容を単数の構成要素で説明を単数で説明するのは、単数か複数かの違いを除き同じ内容の文章が繰り返されることで、説明が冗長になることを避けるためであり、読み手の便宜を図る趣旨である。従って、「単数」により説明される内容は、図面との不整合が生じない限り、「単数」を「複数」に置き換えた内容の説明も含むものであり、また、「単数」を「複数のそれぞれ」に置き換えた内容の説明も含むものである。
【0019】
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。またさらに、図面を参照しながら、本発明を実施するための具体的な形態を説明する。なお、本発明を実施するための形態は、この具体的な形態に限定されない。つまり、図示される実施形態は、本発明が実現される唯一の形態ではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解の便宜を図るために誇張していることがある。
【0020】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る発光装置1について説明する。図1乃至図9は、発光装置1の例示的な一形態を説明するための図面である。図1は、発光装置1の斜視図である。図2は、発光装置1の上面図である。図3は、図2のIII-III線における発光装置1の断面図である。図4は、図2のIV-IV線における発光装置1の断面図である。図5は、パッケージに配置される半導体レーザ素子20の配列を説明するための、発光装置1から一部の構成要素を除いた状態の上面図である。図6乃至図9はそれぞれ、発光装置1から出射される光の配列の一例を示す図である。
【0021】
発光装置1は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。
【0022】
なお、発光装置1は、さらに他の構成要素を有していてもよい。例えば、発光装置1は、複数の半導体レーザ素子20とは別に、さらに半導体レーザ素子や発光ダイオードなどの発光素子を備えていてもよい。また、発光装置1は、ここで挙げた複数の構成要素の一部を備えていなくてもよい。
【0023】
最初に、各構成要素について説明する。
【0024】
(基体10)
基体10は、基部12と、基部12から上方に突出する側壁部14と、を有する。基部12と側壁部14とによって、側壁部14の内側が窪んだ凹形状が形成される。基体10は、凹形状を規定する凹部10aを有する、ということもできる。
【0025】
基部12は、凸部を有する。凸部は、側壁部14に囲まれる。凸部の突出部分は、凹部10aに含まれる。凸部の最上面は、凹部10aの最上面よりも下方にある。凸部の最上面は、他の構成要素が実装される実装面である。基部12が凸部を有する形状であることにより、基部12と側壁部14とが異なる材料からなる場合にも、実装面の反りを抑制することができる。なお、基体10の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、平板状であってもよい。
【0026】
基体10は、複数の配線部14aを有する。配線部14aは、凹部10aの内側に設けられる内側配線領域と、凹部10aの外側に設けられる外側配線領域と、を有する。配線部14aにおける内側配線領域と外側配線領域は導通している。内側配線領域は、凹部10a内に配置される構成要素と接合する。
【0027】
配線部14aは、側壁部14に設けられる。例えば、側壁部14を貫通するリードピンによって配線部14aを設けることができる。基体10は、側壁部14の互いに対向する壁面において、それぞれ1以上の配線部14aを有することができる。
【0028】
基体10は、例えば鉄、鉄合金、若しくは銅などの金属材料から形成することができる。また、AlN、SiC、 若しくはSiNなどのセラミック材料から形成することができる。また、基体10は、基部12と側壁部14とをそれぞれ異なる材料で形成し、これらを接合して形成することもできる。基体10は、基部12を構成する基部材と、側壁部14を構成する壁部材と、を有することができる。配線部14aには、金属のリードピンを採用することができる。
【0029】
(半導体レーザ素子20)
半導体レーザ素子20は、光を出射する光出射面を有する。半導体レーザ素子20は、上面、下面、複数の側面を有する。半導体レーザ素子20の上面または側面が、光出射面となる。半導体レーザ素子20の上面の形状は、長辺と短辺を有する矩形である。なお、半導体レーザ素子20の上面の形状は、矩形でなくてもよい。
【0030】
半導体レーザ素子20は、シングルエミッタの半導体レーザ素子である。また、半導体レーザ素子20は、エミッタが複数あるマルチエミッタの半導体レーザ素子とすることもできる。半導体レーザ素子20にマルチエミッタの半導体レーザ素子を採用する場合、エミッタの数は2つにするとよい。エミッタの数が多くなると半導体レーザ素子20も大きくなり得ることや、放熱の影響などを考慮して、適当なエミッタ数の半導体レーザ素子を採用すればよい。
【0031】
半導体レーザ素子20には、例えば、赤色の光を出射する半導体レーザ素子、または、緑色の光を出射する半導体レーザ素子を採用することができる。また、半導体レーザ素子20には、青色の光を出射する半導体レーザ素子を採用してもよい。またあるいは、半導体レーザ素子20には、その他の色の光を出射する半導体レーザ素子を採用してもよい。
【0032】
ここで、青色の光は、その発光ピーク波長が420nm~494nmの範囲内にある光をいうものとする。緑色の光は、その発光ピーク波長が495nm~570nmの範囲内にある光をいうものとする。赤色の光は、その発光ピーク波長が605nm~750nmの範囲内にある光をいうものとする。
【0033】
半導体レーザ素子20は、上面視で、一方の対辺を長辺、他方の対辺を短辺とする矩形の外形を有する。半導体レーザ素子20から出射される光(レーザ光)は拡がりを有する。また、半導体レーザ素子20の出射端面(光出射面)から発散光が出射される。
【0034】
半導体レーザ素子20から出射される光は、光の出射端面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。FFPとは、出射端面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布である。
【0035】
ここで、FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、あるいは、光軸を通る光と呼ぶものとする。また、FFPの光強度分布において、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。
【0036】
半導体レーザ素子20から出射される光のFFPの形状は、光の出射端面と平行な面において、積層方向の方が、積層方向に垂直な方向よりも長い楕円形状である。積層方向とは、半導体レーザ素子20において活性層を含む複数の半導体層が積層される方向のことである。積層方向に垂直な方向は、半導体層の面方向ということもできる。また、FFPの楕円形状の長径方向を半導体レーザ素子20の速軸方向、短径方向を半導体レーザ素子20の遅軸方向ということもできる。
【0037】
FFPの光強度分布に基づきピーク光強度の1/eの光強度の光が拡がる角度を、半導体レーザ素子20の光の拡がり角とする。光の拡がり角は、ピーク光強度の1/eの光強度の他に、例えば、ピーク光強度の半値の光強度から求められることもある。本明細書の説明において、単に「光の拡がり角」というときは、ピーク光強度の1/eの光強度における光の拡がり角を指すものとする。なお、速軸方向の拡がり角の方が、遅軸方向の拡がり角よりも大きいといえる。
【0038】
半導体レーザ素子20は、GaAs系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。また、半導体レーザ素子20は、GaN系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。
【0039】
例えば、青色の光を発する半導体レーザ素子20、または、緑色の光を発する半導体レーザ素子20として、GaN系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子が挙げられる。GaN系材料としては、例えば、GaN、InGaN、及びAlGaNなどが挙げられる。赤色の光を発する半導体レーザ素子20として、GaP系、または、GaAs系材料の半導体で構成された活性層を含む半導体レーザ素子が挙げられる。GaAs系材料としては、例えば、GaAs、及びAlGaAsなどが挙げられる。GaP系材料としては、GaP、AlGaP、及びAlGaInPなどが挙げられる。GaAsPなどのAsとPを含む半導体で活性層を構成してもよい。
【0040】
(サブマウント30)
サブマウント30は、下面、上面、及び、1または複数の側面を有する。また、サブマウント30は上下方向の幅が最も小さい。また、サブマウント30は、直方体の形状で構成される。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント30は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成することができる。サブマウント30には、半導体レーザ素子が載置されていてもよく、配線60が接続されていてもよく、その両方であってもよい。
【0041】
(光反射部材40)
光反射部材40は、光反射面を有する。光反射面は、例えば、照射された光のピーク波長に対して90%以上の反射率を有する。ここでの光反射率は100%以下あるいは100%未満とすることができる。
【0042】
光反射部材40は、その外形を形成する主材料に、ガラスや金属などを用いることができる。主材料は熱に強い材料がよく、例えば、石英若しくはBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属を用いることができる。また、主材料にSiを用いることもできる。光反射面は、例えば、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、Nb/SiO等の誘電体多層膜を用いて形成することができる。
【0043】
ここで、主材料とは、対象となる形成物において、質量または体積が最も多くの割合を占める材料をいうものとする。なお、1つの材料から対象となる形成物が形成される場合には、その材料が主材料である。つまり、ある材料が主材料であるとは、その材料の占める割合が100%となり得ることを含む。
【0044】
(配線60)
配線60は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線60は、線状部分の両端に、他の構成要素と接合する接合部を有する。配線60は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線60としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。金属の例は、金、アルミニウム、銀、銅などを含む。
【0045】
(封止部材70)
封止部材70は、上面及び下面を有する。封止部材70は、少なくとも一部が、上面から下面に亘って透光性を有する。なお、透光性を有するとは、そこに入射する主要な光の透過率が80%以上である性質を意味する。
【0046】
封止部材70は、部分的に透光性を有している。例えば、封止部材70は、1または複数の開口が設けられた、透光性を有していない枠体と、枠体の1または複数の開口を覆う、透光性を有した1または複数の透光性部材と、を有する。封止部材70は、その全体が透光性を有していてもよい。
【0047】
封止部材70の主材料には、例えば、ガラス、サファイア、石英などの透光性材料を用いてもよい。また、枠体の主材料には、例えば、金属を用いることができ、透光性部材には、上述の透光性材料を用いることができる。
【0048】
(レンズ部材80)
レンズ部材80は、上面と下面を有する。レンズ部材80は、複数のレンズ面を有する。複数のレンズ面は、レンズ部材80の上面側に形成される。レンズ部材80の上面は、複数のレンズ面を含んで構成されるということができる。レンズ部材80において、各レンズ面を形成する部分を、レンズ部81と呼ぶものとする。
【0049】
レンズ部材80は、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数のレンズ面を有し得る。複数のレンズ面は、少なくとも並べて配置された3以上のレンズ面を有する。レンズ部材80はガラスや合成石英などの透光性を有する材料を用いて形成することができる。
【0050】
次に、発光装置1について説明する。
【0051】
(発光装置1)
発光装置1において、複数の半導体レーザ素子20が、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される。半導体レーザ素子20は、基体10の実装面に配置される。半導体レーザ素子20は、サブマウント30に載置される。複数の半導体レーザ素子20のそれぞれが、異なるサブマウント30に載置される。複数の半導体レーザ素子20は、凹部10aの内側に配置される。
【0052】
複数の半導体レーザ素子20は、光出射面の向きを揃えて配置される。複数の半導体レーザ素子20から出射される光の偏光方向は揃っている。あるいは、複数の半導体レーザ素子20から出射される光の偏光方向は揃っていない。同じ行に並ぶN個の半導体レーザ素子20同士では出射される光の偏光方向を揃え、この半導体レーザ素子20と異なる行に配される半導体レーザ素子20とでは出射される光の偏光方向を異ならせてもよい。
【0053】
発光装置1は、上面視で、第1方向に並んで配置される2以上の半導体レーザ素子20を備える。第1方向は、行列状に配置される複数の半導体レーザ素子20における行方向と同じ方向である。第1方向に並ぶ2以上の半導体レーザ素子20は等間隔で配置される。
【0054】
発光装置1は、上面視で、第1方向に垂直な第2方向に並んで配置される2以上の半導体レーザ素子20を備える。第2方向は、行列状に配置される複数の半導体レーザ素子20における列方向と同じ方向である。第2方向に並ぶ2以上の半導体レーザ素子20は等間隔で配置される。
【0055】
図に記されるX方向は、行列状に配置される複数の半導体レーザ素子20における行方向となり得る。あるいは、図に記されるY方向は、行列状に配置される複数の半導体レーザ素子20における行方向となり得る。X方向が行方向となるか、Y方向が行方向となるかは、適宜選択され得る。図示される発光装置1では、4×7あるいは7×4の行列状に、28個の半導体レーザ素子20が配置されている。
【0056】
第1方向に並ぶ2以上の半導体レーザ素子20の光出射面は、仮想的な同一平面に設けられている。第2方向に並ぶ2以上の半導体レーザ素子20の光出射面は、第2方向に平行な仮想線が通過する位置に配置される。複数の半導体レーザ素子20の光出射面から出射される光の光軸は、第2方向に平行である。
【0057】
複数の半導体レーザ素子20の各々は、GaAs系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。また、複数の半導体レーザ素子20の各々は、GaP系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。あるいは、複数の半導体レーザ素子20の各々は、GaN系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。
【0058】
複数の半導体レーザ素子20はいずれも同じ色の光を出射する。例えば、複数の半導体レーザ素子20の各々は、赤色の光を出射する半導体レーザ素子である。また例えば、複数の半導体レーザ素子20の各々は、緑色の光を出射する半導体レーザ素子である。また例えば、複数の半導体レーザ素子20の各々は、青色の光を出射する半導体レーザ素子である。
【0059】
複数の半導体レーザ素子20には、第1波長の発光ピーク波長を有する2以上の第1半導体レーザ素子20Aと、第2波長の発光ピーク波長を有する2以上の第2半導体レーザ素子20Bと、第3波長の発光ピーク波長を有する2以上の第3半導体レーザ素子20Cと、が含まれる。第2波長は、第1波長よりも短い波長である。第3波長は、第2波長よりも短い波長である。半導体レーザ素子20の発光ピーク波長は、発光装置1において半導体レーザ素子20が出射するレーザ光のピーク波長を指す。
【0060】
例えば、赤色の光を出射する半導体レーザ素子であって、第1半導体レーザ素子20Aが647nm±2nm未満(645nm<発光ピーク波長<649nm)の発光ピーク波長を有し、第2半導体レーザ素子20Bが643nm±2nm未満(641nm<発光ピーク波長<645nm)の発光ピーク波長を有し、第3半導体レーザ素子20Cが639nm±2nm未満(637nm<発光ピーク波長<641nm)の発光ピーク波長を有する、複数の半導体レーザ素子20を採用することができる。ここでの±2nmは、製造ばらつきなどを考慮し、発光ピーク波長として保証される波長範囲を示すものである。そのため、±2nmよりも小さい値で、あるいは、大きな値で、発光ピーク波長の波長範囲が保証されてもよい。但、第1半導体レーザ素子20Aにおけるこの波長範囲と、第2半導体レーザ素子20Bにおけるこの波長範囲とに重なりがないようにすべきである。重なる波長があると、第1半導体レーザ素子20Aと第2半導体レーザ素子20Bとで、発光ピーク波長に差がない場合が生じ得るためである。第2半導体レーザ素子20Bと第3半導体レーザ素子20Cも同様である。なお、この例の場合に、発光ピーク波長が645nmである半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子20Aとするか第2半導体レーザ素子20Bとするかは任意に決めればよい。同様に、発光ピーク波長が641nmである半導体レーザ素子20を第2半導体レーザ素子20Bとするか第3半導体レーザ素子20Cとするかは任意に決めればよい。
【0061】
また例えば、緑色の光を出射する半導体レーザ素子であって、第1半導体レーザ素子20Aが527nm<発光ピーク波長<532nmであり、第2半導体レーザ素子20Bが523nm<発光ピーク波長<527nmであり、第3半導体レーザ素子20Cが518nm<発光ピーク波長<523nmである、複数の半導体レーザ素子20を採用することができる。この例の場合に、発光ピーク波長が527nmである半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子20Aとするか第2半導体レーザ素子20Bとするかは任意に決めればよい。同様に、発光ピーク波長が523nmである半導体レーザ素子20を第2半導体レーザ素子20Bとするか第3半導体レーザ素子20Cとするかは任意に決めればよい。
【0062】
また例えば、緑色の光を出射する半導体レーザ素子であって、第1半導体レーザ素子20Aが534nm<発光ピーク波長<539nmであり、第2半導体レーザ素子20Bが530nm<発光ピーク波長<534nmであり、第3半導体レーザ素子20Cが525nm<発光ピーク波長<530nmである、複数の半導体レーザ素子20を採用することができる。この例の場合に、発光ピーク波長が534nmである半導体レーザ素子20を第1半導体レーザ素子20Aとするか第2半導体レーザ素子20Bとするかは任意に決めればよい。同様に、発光ピーク波長が530nmである半導体レーザ素子20を第2半導体レーザ素子20Bとするか第3半導体レーザ素子20Cとするかは任意に決めればよい。
【0063】
上記の、緑色の光を出射する半導体レーザ素子の2つの例について、前者の例は、後者の例よりも、光の出力を高くすることができる。一方で、画像表示などに利用する場合に、後者の例は、前者の例よりも、色域を広くすることができる。
【0064】
複数の半導体レーザ素子20には、さらに、これらと異なる発光ピーク波長を有する半導体レーザ素子20が含まれてもよい。複数の半導体レーザ素子20には、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R≧3の自然数)までの半導体レーザ素子20が、それぞれ2以上含まれる。なお、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20は、数字の大きい半導体レーザ素子20ほど発光ピーク波長が短い、R種類の半導体レーザ素子20である。
【0065】
複数の半導体レーザ素子20において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のそれぞれの数は、同数か、一方が他方に対して1多い数であり、最も数の少ない半導体レーザ素子20と最も数の多い半導体レーザ素子20との数量差は1である。つまり、全体の数量に対してRで割り切れない数量は適宜分配されるが、R種類の半導体レーザ素子20が均等に配置されるといってよい。
【0066】
第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R≧3の自然数)までの半導体レーザ素子20はいずれも、第r半導体レーザ素子20(1≦r≦R-1の自然数)と第r+1半導体レーザ素子20との発光ピーク波長の差が2nm以上10nm以下となり得る。好ましくは、この発光ピーク波長の差が2nm以上5nm以下となると良い。あまり波長の差が大きくない方が、スペックルノイズの低減に寄与しやすい。
【0067】
第1半導体レーザ素子20と第R半導体レーザ素子20との発光ピーク波長の差は2nm×(R-1)以上であり、かつ、10nm×(R-1)以下となり得る。好ましくは、この発光ピーク波長の差が2nm×(R-1)以上であり、かつ、5nm×(R-1)以下となると良い。第r半導体レーザ素子20と第r+1半導体レーザ素子20との発光ピーク波長の差で特定する代わりに、全体的な発光ピーク波長の差によって特定することもできる。全ての種類の半導体レーザ素子20において、第r半導体レーザ素子20と第r+1半導体レーザ素子20との発光ピーク波長の差が2nm以上とならなくても、全体として発光ピーク波長が分散されていればよい。
【0068】
第1半導体レーザ素子20Aと第3半導体レーザ素子20Cとの発光ピーク波長の差は、4nmより大きい。第1半導体レーザ素子20A及び第3半導体レーザ素子20Cのいずれもが第2半導体レーザ素子20Bに近い発光ピーク波長となっても、この差が4nm以下とならない。
【0069】
第r半導体レーザ素子20(1≦r≦R-2の自然数)、第r+1半導体レーザ素子20、及び、第r+2半導体レーザ素子20から出射される光を合わせた発光スペクトルにおいて、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光のスペクトル幅は7nm以上20nm以下となり得る。あるいは、このスペクトル幅は、8nm以上15nm以下となり得る。2種類の半導体レーザ素子20の発光ピーク波長によって評価する代わりに、3種類の半導体レーザ素子20の光の発光スペクトルの幅によって評価することもできる。
【0070】
なお、このスペクトル幅は、第r半導体レーザ素子20の発光スペクトルにおいてピーク強度値に対して1/eの強度となる2つ波長のうち大きい方の波長と、第r+2半導体レーザ素子20の発光スペクトルにおいてピーク強度値に対して1/eの強度となる2つ波長のうち小さい方の波長との差としてもよい。
【0071】
またさらに、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R≧3の自然数)までの半導体レーザ素子20はいずれにおいても、このスペクトル幅は、7nm以上20nm以下となり得る。つまり、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20の中から、どの第r半導体レーザ素子20(1≦r≦R-2の自然数)、第r+1半導体レーザ素子20、及び、第r+2半導体レーザ素子20を選んでも、3つの光を合わせた発光スペクトルにおけるスペクトル幅が、7nm以上20nm以下となり得る。
【0072】
第r+1半導体レーザ素子20から出射される光の発光スペクトルにおいて、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光のスペクトル幅をλnmとすると、第r半導体レーザ素子20(1≦r≦R-2の自然数)、第r+1半導体レーザ素子20、及び、第r+2半導体レーザ素子20から出射される光を合わせた発光スペクトルにおいて、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光のスペクトル幅は、1.5λnm以上10λnm以下となり得る。
【0073】
第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cから出射される光を合わせた発光スペクトルにおいて、ピーク強度値に対して1/e以上の強度を有する光のスペクトル幅は7nm以上20nm以下となり得る。
【0074】
行方向あるいは列方向に配される複数の半導体レーザ素子20は、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20を、所望の順番で行方向あるいは列方向に繰り返すようにして配置される。また、この順番を、複数列あるいは複数行に亘って繰り返すようにして、複数の半導体レーザ素子20は行列状に配置される。このようにして、行方向、列方向、あるいは、行方向及び列方向に、複数の半導体レーザ素子20を配置することで、同じ発光ピーク波長の光を分散して配置することができ、スペックルノイズの低減を図ることができる。また、ディスプレイなどの画像表示に利用する場合に、画面全体における光の品質がより均一化され、映像品質を向上させることができる。
【0075】
なお、半導体レーザ素子20の配置に関し、順番や規則性などについて述べるときは、実際に発光装置を製造するときに、ここで挙げる順番や規則の通りに半導体レーザ素子20を配置していくことは必須ではない。製造された発光装置における複数の半導体レーザ素子20の配置が、結果的に、ここで挙げる順番や規則性を有した配置となっていればよい。
【0076】
例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、m+1行目において、1列目からN列目まで、m行N列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。
【0077】
また例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、n列目(1≦n≦N-1の自然数)において、1行目からM行目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、n+1列目において、1行目からM行目まで、M行n列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。なお、この配置の仕方は、行方向と列方向をどちらに定義するかの違いを除き、上述の配置と同じ規則性を有しているといえる。
【0078】
また例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、m+1行目において、N列目から1列目まで、m行N列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。
【0079】
また例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、n列目(1≦n≦N-1の自然数)において、1行目からM行目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、n+1列目において、M行目から1行目まで、M行n列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。なお、この配置の仕方は、行方向と列方向をどちらに定義するかの違いを除き、上述の配置と同じ規則性を有しているといえる。
【0080】
M行N列の全体あるいは部分において、行方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20A以外の半導体レーザ素子20が配置され、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20B以外の半導体レーザ素子20が配置され、第3半導体レーザ素子20Cの隣に第3半導体レーザ素子20C以外の半導体レーザ素子20が配置されるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。加えて、行方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20Aが配置されず、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20Bが配置されず、第3半導体レーザ素子20Cの隣に第3半導体レーザ素子20Cが配置されないように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。図6及び図7は、全体において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の例を示し、図8及び図9は、部分において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の例を示している。
【0081】
M行N列の全体あるいは部分において、列方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20A以外の半導体レーザ素子20が配置され、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20B以外の半導体レーザ素子20が配置され、第3半導体レーザ素子20Cの隣に第3半導体レーザ素子20C以外の半導体レーザ素子20が配置されるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。加えて、列方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20Aが配置されず、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20Bが配置されず、第3半導体レーザ素子20Cの隣に第3半導体レーザ素子20Cが配置されないように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。図6及び図7は、全体において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の例を示し、図8及び図9は、部分において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の例を示している。
【0082】
複数の半導体レーザ素子20は、M行N列の全体あるいは部分において、行方向及び列方向のそれぞれに関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に第1半導体レーザ素子20Aが含まれず、第2半導体レーザ素子20Bの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に第2半導体レーザ素子20Bが含まれず、第3半導体レーザ素子20Cの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に第3半導体レーザ素子20Cが含まれないように配置できる。図6及び図7は、全体において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の例を示し、図8及び図9は、部分において複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の発光装置1の例を示している。
【0083】
またさらに、M行N列の全体のうち、2行目から(M-1)行目、及び、2列目から(N-1)列目に配置される全ての半導体レーザ素子20において、第1半導体レーザ素子20Aの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に少なくとも1の第1半導体レーザ素子20Aが含まれ、第2半導体レーザ素子20Bの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に少なくとも1の第2半導体レーザ素子20Bが含まれ、第3半導体レーザ素子20Cの隣に配置される全ての半導体レーザ素子20の中に少なくとも1の第3半導体レーザ素子20Cが含まれるように、複数の半導体レーザ素子20は配置され得る。なお、この場合のMとNはいずれも4以上の自然数であることが望ましい。
【0084】
つまり、周りを他の8つの半導体レーザ素子20に囲まれる半導体レーザ素子20は、行方向の隣及び列方向の隣だけでなく、斜め隣まで含めれば、同じ種類の半導体レーザ素子20が少なくとも1つは配置されるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。図6乃至図9は、複数の半導体レーザ素子20がこのように配置される発光装置1の発光装置1の例を示している。このように配置することで、同じ種類の半導体レーザ素子20が離れすぎずに配置され、全体の光における各種の半導体レーザ素子20からの光の発光バランスが保たれる。
【0085】
M行N列の全体あるいは部分において、行方向に関し、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のいずれも、第r半導体レーザ素子20の隣に第r半導体レーザ素子20以外の半導体レーザ素子20が配置され、かつ、行方向に関し、第r半導体レーザ素子20の隣に第r半導体レーザ素子20が配置されないように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。このように配置することで、同じ種類の半導体レーザ素子20を集中して配置する場合と比べて、スペックルノイズを低減させることができる。
【0086】
M行N列の全体あるいは部分において、列方向に関し、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のいずれも、第r半導体レーザ素子20の隣に第r半導体レーザ素子20以外の半導体レーザ素子20が配置され、かつ、行方向に関し、第r半導体レーザ素子20の隣に第r半導体レーザ素子20が配置されないように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。
【0087】
M行N列の全体において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のいずれの種類の半導体レーザ素子20も、行方向及び列方向に、同種の半導体レーザ素子20が3つ以上並んで配置されることのないように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。これにより、スペックルノイズの低減を図ることができる。
【0088】
図6及び図7は、第1半導体レーザ素子20Aから第3半導体レーザ素子20Cまでの3種類の半導体レーザ素子20を、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、第3半導体レーザ素子20Cの順番で、いずれの行においても同じ方向に、行方向に並べたように複数の半導体レーザ素子20が配置された発光装置1を例示している。
【0089】
図8は、第1半導体レーザ素子20Aから第3半導体レーザ素子20Cまでの3種類の半導体レーザ素子20を、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、第3半導体レーザ素子20Cの順番で、隣り合う行が逆方向となるように、行方向に並べたように複数の半導体レーザ素子20が配置された発光装置1を例示している。
【0090】
図6は、第1半導体レーザ素子20Aから第3半導体レーザ素子20Cまでの3種類の半導体レーザ素子20を、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、第3半導体レーザ素子20Cの順番で、いずれの列においても同じ方向に、列方向に並べたように複数の半導体レーザ素子20が配置された発光装置1を例示している。
【0091】
図9は、第1半導体レーザ素子20Aから第3半導体レーザ素子20Cまでの3種類の半導体レーザ素子20を、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、第3半導体レーザ素子20Cの順番で、隣り合う列が逆方向となるように、列方向に並べたように複数の半導体レーザ素子20が配置された発光装置1を例示している。
【0092】
M行N列の行列状に、R種類の半導体レーザ素子20を配置する上で、少なくともMをRで除した値またはNをRで除した値のいずれかは、整数とならないことが好ましい。このとき、MをRで除した値が整数とならない場合は、列方向にR種類の半導体レーザ素子20を順番に並べたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20を配置するとよい。また、NをRで除した値が整数とならない場合は、行方向にR種類の半導体レーザ素子20を順番に並べたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20を配置するとよい。これにより、規則的にR種類の半導体レーザ素子20を配置していくことで、スペックルノイズの低減を図ることのできる発光装置1を製造することができる。
【0093】
発光装置において、光反射部材40は、基体10の実装面の上に配置される。1または複数の光反射部材40が、基体10の実装面に配置される。光反射部材40は、光反射面が、半導体レーザ素子20の光出射面と向かい合うように配置される。
【0094】
複数の半導体レーザ素子20のそれぞれに対して、個々に光反射部材40を配置することができる。この場合、発光装置1は複数の光反射部材40を備え、その数は半導体レーザ素子20の数と同数以上となる。
【0095】
第1方向に並ぶ複数の半導体レーザ素子20から出射される光を、1つの光反射部材40によって反射してもよい。この場合、光反射部材40の第1方向に関する両端の距離は、第1方向に並ぶ複数の半導体レーザ素子20において両端に位置する2つの半導体レーザ素子20間の距離よりも大きい。
【0096】
複数の半導体レーザ素子20と複数の光反射部材40とは、第2方向に交互に並んで配置される。つまり、第2方向に並ぶ2つの半導体レーザ素子20の間に光反射部材40が配置され、第2方向に並ぶ2つの光反射部材40の間に半導体レーザ素子20が配置されることになる。
【0097】
半導体レーザ素子20から出射された主要部分の光が光反射面によって反射される。反射された光は進行方向を変え、例えば上方に向かって進むことができる。光反射部材40を配置することで、半導体レーザ素子20の側面に光出射面を配置しつつ、発光装置1から上方に向けて光を出射させることができる。例えば半導体レーザ素子20が端面出射型の半導体レーザ素子である場合、半導体レーザ素子20の光出射面は、半導体レーザ素子20から発せられる熱の主要な熱源となり得るため、光出射面をサブマウント30や基体10に近付けることで、放熱性を向上させることができる。
【0098】
発光装置1において、外部から半導体レーザ素子20への給電を可能とするために、複数の配線60が用いられる。複数の配線60によって、半導体レーザ素子20は配線部14aと電気的に接続する。複数の配線60には、両端のうちの一端が内側配線領域に接合されている1以上の配線60が含まれる。
【0099】
複数の配線60によって、複数の半導体レーザ素子20が電気的に直列に接続される。第1方向に並んで配置される複数の半導体レーザ素子20が電気的に直列に接続される。M行N列に配置される複数の半導体レーザ素子20において、同じ行に配置されるN個の半導体レーザ素子20が電気的に直列接続するように、複数の配線60が接続される。第2方向に並んで配置される複数の半導体レーザ素子20同士は電気的に直列に接続されていない。第2方向に並んで配置される複数の半導体レーザ素子20同士は電気的に並列に接続される。
【0100】
発光装置1において、封止部材70は、基体10に接合される。封止部材70の下面が、基体10の上面に接合される。封止部材70は、基体10の凹部10aの上面に接合される。封止部材70は、基体10の最上面に接合される。
【0101】
基体10と封止部材70とが接合することで、封止空間が形成される。半導体レーザ素子20は、この封止空間に閉じ込められる。所定の気体雰囲気下で、基体10と封止部材70を接合することで、気密された封止空間を形成することもできる。基体10と封止部材70によって、M行N列に配置される複数の半導体レーザ素子20を封止するパッケージが形成される。このように封止空間に半導体レーザ素子20を閉じ込めることで、半導体レーザ素子20の光出射面における集塵を抑制し、発光効率の低下を抑制することができる。
【0102】
光反射部材40によって反射された光は、封止部材70を透過する。主要部分の光は、封止部材70の透光性を有する部分を通過して、封止部材70から出射される。
【0103】
発光装置1において、レンズ部材80は、複数の半導体レーザ素子20の上方に位置する。レンズ部材80は、封止部材70の上方に配置される。レンズ部材80は、封止部材70に接合される。レンズ部材80は、例えば、UV硬化性接着剤を用いて接合される。UV硬化性接着剤を用いると、レンズ部材80の実装位置を調整してから、所望の位置で接合させることができる。
【0104】
レンズ部材80は、個々の半導体レーザ素子20から出射された光が、個々のレンズ面を通過して出射されるように配置される。複数の半導体レーザ素子20から出射された光は、レンズ部81を通過する。レンズ部81の個々のレンズ面を通過した光は、コリメート光となって出射される。
【0105】
図6乃至図9は、個々のレンズ面を通過する主要部分の光を示している。ハッチングの模様が同じ光同士は、同じ種類の半導体レーザ素子20から出射された光であり、ハッチングの模様が異なる光同士は、異なる種類の半導体レーザ素子20から出射された光である。また、ハッチングの幅が大きい方が、発光ピーク波長が大きい半導体レーザ素子20から出射された光を指している。例えば、ハッチング幅の大きい方から順に、第1半導体レーザ素子20Aから出射された光、第2半導体レーザ素子20Bから出射された光、及び、第3半導体レーザ素子20Cから出射された光とすることができる。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図6乃至図9において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0106】
図6乃至図9に示される光の配列は、半導体レーザ素子20の配列がそのまま反映される。つまり、m行n列(1≦m≦M-1の自然数、1≦n≦N-1の自然数)に位置するレンズ面を通過する光は、m行n列に位置する半導体レーザ素子20から出射された光である。
【0107】
図26は、背景技術において説明した特開2021-57512に開示される技術思想に基づいて、複数の半導体レーザ素子20を配置した例を示す。発光装置に搭載される第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cの数は、図6に示す発光装置1と同数である。
【0108】
図6に示す発光装置1と図26に示す発光装置とで、発光ピーク波長が647nmの第1半導体レーザ素子20Aと、発光ピーク波長が643nmの第2半導体レーザ素子20Bと、発光ピーク波長が639nmの第3半導体レーザ素子20Cを配置して、スペックルノイズを測定した。図26に示す発光装置は、特開2021-57512に開示されるように、発光ピーク波長が長い方の第1半導体レーザ素子20Aを中央に配置し、その両側に、発光ピーク波長が第1半導体レーザ素子20Aより短い第2半導体レーザ素子20B及び第3半導体レーザ素子20Cを配置した。測定の結果、図6に示す発光装置1において、5%程度のスペックルノイズの低減が見られた。
【0109】
なお、スペックルノイズの測定装置には、株式会社オキサイドのDr.SPECKLEのモデルSM01VS09を用いた。発光装置1と、プロジェクタなどの投影装置に利用される光学系とが実装された装置からスクリーンに向けて光を投影し、スクリーン上の特定の領域のスペックルノイズを測定装置によって測定した。
【0110】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る発光装置2について説明する。図10乃至図13は、発光装置2の例示的な一形態を説明するための図面である。また、図1乃至図5は、発光装置2を説明する図面にもなる。図10乃至図13はそれぞれ、発光装置2から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図10乃至図13において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0111】
発光装置2は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。なお、発光装置1は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
【0112】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明のうち、発光装置2に係る図1乃至5及び図10乃至図13の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置2の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0113】
発光装置2は、複数の半導体レーザ素子20において、各種の半導体レーザ素子20が配置される数が、発光装置1と比べて均等ではない点で異なる。例えば、図10乃至図12では、4行7列の行列状に、7個の第1半導体レーザ素子20Aと、14個の第2半導体レーザ素子20Bと、7個の第3半導体レーザ素子20Cが配置されている。また例えば、図13では、4行7列の行列状に、8個の第1半導体レーザ素子20Aと、12個の第2半導体レーザ素子20Bと、8個の第3半導体レーザ素子20Cが配置されている。
【0114】
このように、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までの各種の半導体レーザ素子20の数が均等でなくても、発光装置1で説明したようなスペックルノイズの低減に寄与する配置で、複数の半導体レーザ素子20を配置することが可能である。
【0115】
発光装置2では、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のうちの、第r半導体レーザ素子20、第r+1半導体レーザ素子20、及び、第r+2半導体レーザ素子20に関し、第r+1半導体レーザ素子20の数が、第r半導体レーザ素子20及び第r+2半導体レーザ素子20のそれぞれの数よりも少なくとも2以上多い。また、第r半導体レーザ素子20と第r+2半導体レーザ素子20は、同数であるか、あるいは、一方が他方に対して1多い。
【0116】
このように、発光装置2では、発光ピーク波長が近い3種類の半導体レーザ素子20において、発光ピーク波長が真ん中、つまり、この3種類の中で2番目に大きい(あるいは小さい)発光ピーク波長の半導体レーザ素子20の数が、他よりも多くなり得る。例えば、多数の半導体レーザ素子20を製造するとき、全ての半導体レーザ素子20が同じ発光ピーク波長とならずにばらつきが生じることがある。このとき、本来の狙いとする発光ピーク波長に近い半導体レーザ素子20ほど多く製造されることが考えられる。本来の狙いとする発光ピーク波長及びその近傍を波長範囲とする半導体レーザ素子20を3種類のうち発光ピーク波長が真ん中の半導体レーザ素子20とすれば、このようにして製造された多数の半導体レーザ素子20を、製造ばらつきに配慮して効率的に用いることができるため、生産効率の向上や、無駄を抑えることによる環境改善にも寄与し得る。
【0117】
配置される数が均等でない場合、各種の半導体レーザ素子20が配置される数の割合に基づき、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20を所定の順番で行方向あるいは列方向に繰り返すようにして配置される。例えば、M行N列に配置される複数の半導体レーザ素子20において、配置される数が最も少ない第S半導体レーザ素子20(1≦S≦Rの自然数)がx1個であり、第T半導体レーザ素子20(1≦T≦Rの自然数、T≠S)がx2個(x1<x2)配置される場合に、所定の順番は、x1:x2=y1:y2(y1及びy2はこの式を満たす最小の整数)となるy1及びy2に基づいて定めればよい。このとき、所定の順番において、第S半導体レーザ素子20はy1回登場し、第T半導体レーザ素子20はy2回登場する。これが全ての種類の半導体レーザ素子20に適用され、かつ、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないような所定の順番が定まればよい。
【0118】
例えば、7個の第1半導体レーザ素子20Aと、14個の第2半導体レーザ素子20Bと、7個の第3半導体レーザ素子20Cを配置する場合、所定の順番を、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、第3半導体レーザ素子20C、第2半導体レーザ素子20B、の順とし、この順番が繰り返されたような配置で、これらの半導体レーザ素子20が配置されればよい。図10は、このように配置される発光装置2の例を示している。
【0119】
また例えば、M行N列を複数の領域に分け、特定の領域において特定の種類の半導体レーザ素子20が配置されてもよい。M行N列を第1領域と第2領域を含む複数の領域に分け、第1領域において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のうちの2種類以上の半導体レーザ素子20が配置され、第2領域において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のうちの2種類以上の半導体レーザ素子20が配置される。このとき、行方向及び列方向において、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないように配置する。また、このとき、第1領域に配置される2種類以上の半導体レーザ素子20と、第2領域に配置される2種類以上の半導体レーザ素子20は、完全一致しない。また、このとき、第1領域に配置される半導体レーザ素子20の種類の数と、第2領域に配置される半導体レーザ素子20の種類の数は同じである。なお、第1領域と第2領域は、行単位の領域(1以上の特定の行における全ての列が含まれる領域)あるいは列単位の領域(1以上の特定の列における全ての行が含まれる領域)である。図11は、このように配置される発光装置2の例を示している。
【0120】
具体的に、図11は、4行7列の行列を2つの2行7列の領域に分け、一方の領域に7個の第1半導体レーザ素子20Aと7個の第2半導体レーザ素子20Bを、他方の領域に7個の第2半導体レーザ素子20Bと7個の第3半導体レーザ素子20Cを配置する。このとき、行方向及び列方向において、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないように28個の半導体レーザ素子20は配置されている。
【0121】
また例えば、M行N列を複数の領域に分け、異なる領域において、配置される半導体レーザ素子20の種類の数を異ならせてもよい。M行N列を第1領域と第2領域を含む複数の領域に分け、第1領域において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のうちの2種類以上の半導体レーザ素子20が配置され、第2領域において、第1領域よりも多い種類の半導体レーザ素子20が配置される。このとき、行方向及び列方向において、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないように配置する。なお、第1領域と第2領域は、行単位の領域(1以上の特定の行における全ての列が含まれる領域)あるいは列単位の領域(1以上の特定の列における全ての行が含まれる領域)である。図12は、このように配置される発光装置2の例を示している。
【0122】
また例えば、領域に応じたこれらの条件を複合的に組み合わせてもよい。M行N列を第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む複数の領域に分け、第1領域において、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20のうちの2種類以上の半導体レーザ素子20が配置され、第2領域において、第1領域と同数の種類であり、かつ、第1領域に配置される半導体レーザ素子20の種類と完全一致しない2種類以上の半導体レーザ素子20が配置され、第3領域において、第1領域よりも多い種類の半導体レーザ素子20が配置される。図12は、このように配置される発光装置2の例を示している。
【0123】
具体的に、図12は、4行7列の行列を4つの1行7列の領域に分け、そのうちの一の領域に第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cが配置され、別の一の領域に第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cが配置され、また別の一の領域に第1半導体レーザ素子20A、及び、第2半導体レーザ素子20Bが配置され、また別の一の領域に第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cが配置される。このとき、行方向及び列方向において、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないように28個の半導体レーザ素子20は配置されている。
【0124】
また例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20の配置される数の比率を最小の整数で示したときのそれぞれの数の和が、M行N列の行列におけるMまたはNの値となっていてもよい。このようにすることで、行同士、あるいは、列同士の間で、各種の半導体レーザ素子20が配置される数を揃えることができ、全体の発光バランスを保ちやすくなる。図13は、このように配置される発光装置2の例を示している。
【0125】
具体的に、図13は、4行7列の行列に対し、8個の第1半導体レーザ素子20Aと、12個の第2半導体レーザ素子20Bと、8個の第3半導体レーザ素子20Cを配置する。第1半導体レーザ素子20Aと第2半導体レーザ素子20Bと第3半導体レーザ素子20Cの配置される数の比率は、2:3:2となり、これらを足した和は7となる。この和は、4行7列の行列における列数と同じ数である。そのため、1行毎に、2個の第1半導体レーザ素子20Aと3個の第2半導体レーザ素子20Bと2個の半導体レーザ素子20が配置されている。このとき、行方向及び列方向において、同じ種類の半導体レーザ素子20が連続して2回続くことのないように28個の半導体レーザ素子20は配置されている。
【0126】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る発光装置3について説明する。図14乃至図18は、発光装置3の例示的な一形態を説明するための図面である。図14は、パッケージに配置される半導体レーザ素子20の配列を説明するための、発光装置3から一部の構成要素を除いた状態の上面図である。図15乃至図18はそれぞれ、発光装置3の上面図であって、発光装置3から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20と、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図15乃至図18において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0127】
発光装置3は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。なお、発光装置1は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
【0128】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態の発光装置2に係る説明のうち、発光装置3に係る図14乃至図18の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置3の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0129】
発光装置1及び発光装置2に係る図が4行7列の行列状に計28個の半導体レーザ素子20を配置する例を示していたのに対し、発光装置3に係る図は4行6列の計24個の半導体レーザ素子20が配置される例を示している点で異なる。つまり、第3実施形態は、M行N列の行列状に複数の半導体レーザ素子20を配置するという点において、実質的に第1実施形態及び第2実施形態と共通しているが、図によって示される具体例が異なっている。
【0130】
例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、n列目(1≦n≦N-1の自然数)において、1行目からM行目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、n+1列目において、1行目からM行目まで、M行n列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。図15は、このように配置される発光装置3の例を示している。
【0131】
例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、n列目(1≦n≦N-1の自然数)において、M行目から1行目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、n+1列目において、M行目から1行目まで、1行n列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。図16は、このように配置される発光装置3の例を示している。
【0132】
また例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、m+1行目において、N列目から1列目まで、m行N列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。図17は、このように配置される発光装置3の例を示している。
【0133】
例えば、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、n列目(1≦n≦N-1の自然数)において、1行目からM行目まで、1番目の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20は配置される。またさらに、n+1列目において、M行目から1行目まで、M行n列に配置された半導体レーザ素子20の次の順番の半導体レーザ素子20から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となるように、複数の半導体レーザ素子20が配置される。図18は、このように配置される発光装置3の例を示している。
【0134】
第3実施形態に係る図に示されるように、4行6列の行列状に、3種類の半導体レーザ素子20を配置する場合、列の数が、半導体レーザ素子20の種類の数の整数倍となっているため、隣り合う行に亘って、1番目から3番目までの所定の順番を、行方向かつ同じ方向に繰り返すような配置にすると、どの列においても列方向に同じ種類の半導体レーザ素子20が続くため、このような規則性よりは、上述したような規則性で配置される方が、スペックルノイズの低減に寄与するものと考えられる。
【0135】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る発光装置4について説明する。図19乃至図21は、発光装置4の例示的な一形態を説明するための図面である。図19は、半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ100の斜視図である。図20は、パッケージ100に配置される半導体レーザ素子20の配列を説明するための上面図である。図21は、発光装置4の上面図であって、発光装置4から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図21及び図22において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0136】
発光装置4は、それぞれが1以上の半導体レーザ素子20を封止する、複数のパッケージ100を備える。また、発光装置4は、複数のパッケージ100が実装される基板101を備える。発光装置4では、複数のパッケージ100が基板101に実装されることで、全体として、複数の半導体レーザ素子20がM行N列の行列状に配置される。
【0137】
1以上の半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ100は、基体10、1以上の半導体レーザ素子20、1以上のサブマウント30、1以上の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。
【0138】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態及び第3実施形態の発光装置2及び3に係る説明のうち、発光装置4に係る図19乃至図21の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置4の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0139】
複数の半導体レーザ素子20をM行N列の行列状に配置する点については、既に述べられた種々の配置を適用することができる。なお、複数のパッケージ100が基板101に実装される形態においては、各パッケージ100における半導体レーザ素子20の並びは共通している方が好ましい。半導体レーザ素子20の並びが同じパッケージ100を用いることで、製造管理がしやすくなる。図21は、このように配置される発光装置4の例を示している。
【0140】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る発光装置5について説明する。図19図20、及び、図22は、発光装置5の例示的な一形態を説明するための図面である。図19は、発光装置5の斜視図である。図20は、発光装置5に配置される半導体レーザ素子20の配列を説明するための上面図である。図22は、発光装置5の上面図であって、発光装置5から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図22において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0141】
発光装置5は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。なお、発光装置1は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
【0142】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態及び第3実施形態の発光装置2及び3に係る説明のうち、発光装置5に係る図19図20、及び、図22の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置3の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0143】
発光装置1に係る図が4行7列の行列状に計28個の半導体レーザ素子20を配置する例を示していたのに対し、発光装置5に係る図は2行7列の計14個の半導体レーザ素子20が配置される例を示している点で異なる。つまり、第5実施形態は、M行N列の行列状に複数の半導体レーザ素子20を配置するという点において、実質的に第1実施形態乃至第4実施形態と共通しているが、図によって示される具体例が異なっている。
【0144】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態に係る発光装置6について説明する。図23は、発光装置6の例示的な一形態を説明するための図面である。また、図1乃至図5は、発光装置6を説明する図面にもなる。図23は、発光装置6から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、またさらに、第1発光色レーザ素子201、第2発光色レーザ素子202、及び、第3発光色レーザ素子203と、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。
【0145】
発光装置6は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、1または複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。なお、発光装置6は、さらに他の構成要素を有していてもよい。
【0146】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態及び第3実施形態の発光装置に係る説明のうち、発光装置6に係る図1乃至5及び図23の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置6の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0147】
発光装置6において、複数の半導体レーザ素子20には、第1の色の光を出射する半導体レーザ素子20(以下、第1発光色レーザ素子201と呼ぶ。)と、第2の色の光を出射する半導体レーザ素子20(以下、第2発光色レーザ素子202と呼ぶ。)とが含まれる。またさらに、複数の半導体レーザ素子20には、第3の色の光を出射する半導体レーザ素子20(以下、第3発光色レーザ素子203と呼ぶ。)が含まれる。
【0148】
あるいは、発光装置6において、複数の半導体レーザ素子20には、発光ピーク波長が第1波長の光を出射する半導体レーザ素子20(上記に代えて、あるいは、上記と併せて、これを、第1発光色レーザ素子201と呼ぶこともできる。)と、発光ピーク波長が第1波長と40nm以上異なる第2波長の光を出射する半導体レーザ素子20(上記に代えて、あるいは、上記と併せて、これを、第2発光色レーザ素子202と呼ぶこともできる。)とが含まれる。またさらに、複数の半導体レーザ素子20には、発光ピーク波長が第1波長と80nm以上異なり、かつ、第2波長と40nm以上異なる第3波長の光(上記に代えて、あるいは、上記と併せて、これを、第3発光色レーザ素子203と呼ぶこともできる。)を出射する半導体レーザ素子20が含まれる。
【0149】
複数の半導体レーザ素子20は、GaAs系材料あるいはGaP系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子と、GaN系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とを含んで構成することができる。例えば、第1発光色レーザ素子201を、GaAs系材料あるいはGaP系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とし、第2発光色レーザ素子202をGaN系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子とすることができる。
【0150】
また、発光装置6において、複数の半導体レーザ素子20には、M行N列の行列状に配置される複数の第1発光色レーザ素子201が含まれる。複数の第1発光色レーザ素子201には、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R≧3の自然数)までの半導体レーザ素子20が、それぞれ2以上含まれる。ここでの、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20は、既に説明した実施形態における第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20と同様である。また、複数の第1発光色レーザ素子201をM行N列の行列状に配置する点については、既に述べられた種々の配置を適用することができる。従って、複数の半導体レーザ素子20は、(M+1)行以上、または、(N+1)列の行列状に配置される。なお、第1発光色レーザ素子201、第2発光色レーザ素子202、第3発光色レーザ素子203の発光ピーク波長の大小関係は、図のハッチングの幅とは関係しない。
【0151】
図示される発光装置6は、4行7列の行列状に、複数の半導体レーザ素子20が配置され、2行7列の行列状に、複数の第1発光色レーザ素子201が配置されている。また、1行7列に、複数の第2発光色レーザ素子202が配置されている。また、1行7列に、第3発光色レーザ素子203が配置されている。図23において、第2発光色レーザ素子から出射される光は、同じハッチングで記している。また、第3発光色レーザ素子から出射される光は、同じハッチングで記している。
【0152】
第1発光色レーザ素子201、第2発光色レーザ素子202、及び、第3発光色レーザ素子203は、互いに異なる色の光であって、赤色の光、緑色の光、及び、青色の光から選択される色の光を出射する。例えば、第1発光色レーザ素子201は赤色の光を出射する。また例えば、第1発光色レーザ素子201は緑色の光を出射する。また例えば、第1発光色レーザ素子201は青色の光を出射する。
【0153】
発光装置6は、複数の第2発光色レーザ素子202を備えることができる。また、発光装置6は、複数の第3発光色レーザ素子203を備えることができる。発光装置6において、複数の第2発光色レーザ素子202は、1以上の種類の半導体レーザ素子20で構成される。つまり、複数の第2発光色レーザ素子202は、発光ピーク波長が同じ半導体レーザ素子20で構成され得る。なお、ここでの「発光ピーク波長が同じ」こととは、個々の半導体レーザ素子20の発光ピーク波長の差が、3nm未満に収まっていることをいう。このように、特定の色あるいは波長帯と、他の色あるいは波長帯とで、スペックルノイズを低減するような配置を行うか否かが選択されてもよい。
【0154】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態に係る発光装置7について説明する。図24は、発光装置7の例示的な一形態を説明するための図面である。また、図19及び図20は、発光装置7を説明する図面にもなる。図24は、発光装置7から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、またさらに、第1発光色レーザ素子201、第2発光色レーザ素子202、及び、第3発光色レーザ素子203と、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。また、図24では、第1発光色レーザ素子201だけでなく、第2発光色レーザ素子202についても、ハッチングの幅が大きい方が、発光ピーク波長が大きい半導体レーザ素子20から出射された光を指している。
【0155】
発光装置7は、複数の半導体レーザ素子20を封止する、パッケージ100を備える。複数の半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ100は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。
【0156】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態及び第6実施形態の発光装置に係る説明のうち、発光装置7に係る図19図20及び図24の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置7の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0157】
発光装置7が備える複数の半導体レーザ素子20には、複数の第1発光色レーザ素子201と、複数の第2発光色レーザ素子202とが含まれる。また、発光装置7が備える複数の半導体レーザ素子20にはさらに、1以上の第3発光色レーザ素子203が含まれる。第1発光色と第2発光色は、互いに異なる色である。第3発光色は、第1発光色及び第2発光色とは異なる色である。
【0158】
発光装置7において、例えば、第1発光色レーザ素子201は、赤色の光を出射する半導体レーザ素子20である。また例えば、第2発光色レーザ素子202は、緑色の光を出射する半導体レーザ素子20である。また例えば、第3発光色レーザ素子203は、青色の光を出射する半導体レーザ素子20である。
【0159】
発光装置7において、複数の第1発光色レーザ素子201には、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R≧3の自然数)までの半導体レーザ素子20が含まれる。また、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20は、それぞれ2以上含まれる。
【0160】
発光装置7において、複数の第2発光色レーザ素子202には、第1半導体レーザ素子20から第V半導体レーザ素子20(1≦V≦(R-1)の自然数)までの半導体レーザ素子20が含まれる。なお、第1半導体レーザ素子20から第V半導体レーザ素子20は、数字の大きい半導体レーザ素子20ほど発光ピーク波長が短い、V種類の半導体レーザ素子20である。つまり、発光装置7では、第1発光色レーザ素子201の種類数よりも第2発光色レーザ素子202の種類数の方が少ない。
【0161】
発光装置7において、複数の第3発光色レーザ素子203には、第1半導体レーザ素子20から第W半導体レーザ素子20(1≦W≦(V-1)の自然数)までの半導体レーザ素子20が含まれる。なお、第1半導体レーザ素子20から第W半導体レーザ素子20は、数字の大きい半導体レーザ素子20ほど発光ピーク波長が短い、W種類の半導体レーザ素子20である。つまり、発光装置7では、第2発光色レーザ素子202の種類数よりも第3発光色レーザ素子203の種類数の方が少ない。
【0162】
このような種類数の違いは、例えば、色の違いによる、視認されるスペックルノイズの顕著性の違いに起因する。この場合、例えば、RGB光で画面表示をするときに、青色の光よりも、緑色や赤色の光の方が、スペックルノイズが目立ちやすいため、緑色や赤色の光を出射する半導体レーザ素子20の方が、青色の光を出射する半導体レーザ素子20よりも種類数を多くすることが好ましい。
【0163】
また例えば、このような種類数の違いは、発光装置に搭載される半導体レーザ素子20の数の違いに起因する。スペックルノイズは、ある程度の狭い波長範囲内において、複数の半導体レーザ素子20からの光を1つの発光ピーク波長に揃えるのではなく、複数の発光ピーク波長に分散させることで低減させることができる。また、その効果は、分散された発光ピーク波長ごとのピーク光強度のばらつきが小さい方がよい。そのため、分散させる発光ピーク波長の数と、ピーク光強度のばらつきの度合いのバランスによって、スペックルノイズの低減の効果に差が出る。
【0164】
例えば、発光装置7において、同じ色の光を出射する6つの半導体レーザ素子20が配置される場合、分散させる発光ピーク波長の数は3つでよい。分散させる発光ピーク波長の数を4つにすると、ある発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が1つで、別の発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が2つになり、ピーク光強度のばらつきが大きくなる。また、分散させる発光ピーク波長の数を6つにすると、ばらつきは抑えられるが、6つの発光ピーク波長が収まる波長範囲が大きくなり得る。
【0165】
また例えば、発光装置7において、同じ色の光を出射する4つの半導体レーザ素子20が配置される場合、分散させる発光ピーク波長の数は2つでよい。分散させる発光ピーク波長の数を3つにすると、ある発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が1つで、別の発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が2つになり、ピーク光強度のばらつきが大きくなる。また、分散させる発光ピーク波長の数を4つにすると、ばらつきは抑えられるが、4つの発光ピーク波長が収まる波長範囲が大きくなり得る。
【0166】
また例えば、発光装置7において、同じ色の光を出射する3つの半導体レーザ素子20が配置される場合、分散させる発光ピーク波長の数は3つでよい。分散させる発光ピーク波長の数を2つにすると、ある発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が1つで、別の発光ピーク波長の光を出射する半導体レーザ素子20が2つになり、ピーク光強度のばらつきが大きくなる。
【0167】
好適な形態の一例として、発光装置に備わる複数の半導体レーザ素子において、同じ色の光を出射する半導体レーザ素子20の数が3つで構成される場合、この3つの半導体レーザ素子は、3種類の半導体レーザ素子20で構成されるとよい。また、発光装置に備わる複数の半導体レーザ素子において、同じ色の光を出射する半導体レーザ素子20の数が4つで構成される場合、この4つの半導体レーザ素子は、2種類の半導体レーザ素子20で構成されるとよい。また、発光装置に備わる複数の半導体レーザ素子において、同じ色の光を出射する半導体レーザ素子20の数が6つ以上で構成される場合、この6つ以上の半導体レーザ素子は、3種類の半導体レーザ素子20で構成されるとよい。
【0168】
なお、同じ色の光を出射する7つ以上の半導体レーザ素子20が配置される場合、3種類の半導体レーザ素子20を均等に配置する構成にすると、各種類の半導体レーザ素子20の数の差は多くても1つであり、かつ、各種類の半導体レーザ素子20の数は最低でも2以上である。この場合、1つの半導体レーザ素子20の数の差によって生じるピーク光強度のばらつきの程度は相対的に小さくなるため、3種類の半導体レーザ素子20で構成してもよい。
【0169】
図示される発光装置7は、6以上の第1発光色レーザ素子201と、4つの第2発光色レーザ素子20と、を備えている。また、6以上の第1発光色レーザ素子201は、第1半導体レーザ素子20から第R半導体レーザ素子20(R=3)までの3種類の半導体レーザ素子20で構成される。また、4つの第2発光色レーザ素子202は、第1半導体レーザ素子20から第V半導体レーザ素子20(V=2)までの2種類の半導体レーザ素子20で構成される。このように、同じ色を出射する複数の半導体レーザ素子を備える発光装置において、色毎に、その搭載数に応じた発光ピーク波長の分散数とすることで、スペックルノイズの低減に寄与する。
【0170】
また、図示される発光装置7において、M行N列の全体あるいは部分において、行方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20A以外の半導体レーザ素子20が配置され、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20B以外の半導体レーザ素子20が配置されるように、複数の第2発光色レーザ素子202は配置される。加えて、行方向に関し、第1半導体レーザ素子20Aの隣に第1半導体レーザ素子20Aが配置されず、第2半導体レーザ素子20Bの隣に第2半導体レーザ素子20Bが配置されないように、複数の第2発光色レーザ素子202は配置される。
【0171】
また、図示される発光装置7は、3種類の半導体レーザ素子20で構成される複数の第1発光色レーザ素子201において、第1半導体レーザ素子20Aの数が最も多い。
【0172】
また、図示される発光装置7は、赤色の光を出射する複数の半導体レーザ素子20と、緑色の光を出射する複数の半導体レーザ素子20と、青色の光を出射する複数の半導体レーザ素子20を備える。また、青色の光を出射する半導体レーザ素子20(第3発光色レーザ素子203)については、複数種類の半導体レーザ素子に分類せずに配置される。つまり、第3発光色レーザ素子203は、1種類の半導体レーザ素子20で構成される。
【0173】
なお、複数の第3発光色レーザ素子203が1種類の半導体レーザ素子20で構成される場合、発光ピーク波長の波長範囲による分類をしないため、複数の第3発光色レーザ素子203の発光ピーク波長は揃っていても、揃っていなくてもよい。例えば、波長範囲によって複数に分類される第1発光色レーザ素子201と同様に、複数の第3発光色レーザ素子203間の発光ピーク波長の差も2nm以上10nm以下としてもよく、あるいは、2nm以上5nm以下としてもよい。また例えば、複数の第3発光色レーザ素子203間の発光ピーク波長の差を2nmより小さくしてもよいし、あるいは、10nmより大きくなることもあり得る。
【0174】
図示される発光装置7において、複数の第2発光色レーザ素子202は、527nm<発光ピーク波長<532nmである第1半導体レーザ素子20Aと、518nm<発光ピーク波長<523nmである第2半導体レーザ素子20Bとの、2種類の半導体レーザ素子20で構成することができる。またあるいは、複数の第2発光色レーザ素子202は、534nm<発光ピーク波長<539nmである第1半導体レーザ素子20Aと、525nm<発光ピーク波長<530nmである第2半導体レーザ素子20Bとの、2種類の半導体レーザ素子20で構成することができる。
【0175】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態に係る発光装置8について説明する。図25は、発光装置8の例示的な一形態を説明するための図面である。また、図19及び図20は、発光装置8を説明する図面にもなる。図25は、発光装置7から出射される光の配列の一例を示す図である。なお、第1半導体レーザ素子20A、第2半導体レーザ素子20B、及び、第3半導体レーザ素子20Cと、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、またさらに、第1発光色レーザ素子201、第2発光色レーザ素子202、及び、第3発光色レーザ素子203と、それぞれから出射される光との対応を理解しやすくするために、図において、一部、半導体レーザ素子20と光反射部材40を破線で記している。また、図25では、第1発光色レーザ素子201だけでなく、第2発光色レーザ素子202についても、ハッチングの幅が大きい方が、発光ピーク波長が大きい半導体レーザ素子20から出射された光を指している。
【0176】
発光装置8は、複数の半導体レーザ素子20を封止する、パッケージ100を備える。複数の半導体レーザ素子20が封止されたパッケージ100は、基体10、複数の半導体レーザ素子20、複数のサブマウント30、複数の光反射部材40、複数の配線60、封止部材70、及び、レンズ部材80を含む複数の構成要素を備える。
【0177】
上述した第1実施形態の発光装置1及び各構成要素に係る説明と、第2実施形態及び第7実施形態の発光装置に係る説明のうち、発光装置8に係る図19図20及び図25の図面から矛盾すると言える内容を除いた全ての内容が、発光装置7の説明としても当てはまる。矛盾しない全ての内容は、重複を避けるため、再度ここで説明を記載しない。
【0178】
また、図示される発光装置8は、3種類の半導体レーザ素子20で構成される複数の第1発光色レーザ素子201において、行方向に関し、2つの第3半導体レーザ素子20Cの間に、複数の第1半導体レーザ素子20A及び複数の第2半導体レーザ素子20Bが挟まれるように配置される。これにより、スペックルノイズの低減に加えて、さらに温度特性の向上も期待できる。
【0179】
以上、説明してきたが、明細書により開示された技術的特徴を有した本発明は、明細書の各実施形態で説明した構造に限られるわけではない。例えば、実施形態に開示のない構成要素を有する発光装置においても本発明は適用され得るものであり、開示された構造と違いがあることは本発明を適用できないことの根拠とはならない。また、発明を完成させるための最小の構成要素という観点でみれば、実施形態により開示された発光装置が有する構成要素の中には、必須でない構成要素も含まれ得るといえる。
【0180】
このことはつまり、本明細書の実施形態により開示される発光装置には、発明の完成という観点の他、一つの利用形態(例えば一つの製品)を想定したときの合理的な構成の開示という観点も含まれるということである。発明の適用はその例示的な利用形態に限られるものではない一方で、その利用形態に適用することで効果的に作用する側面もある。
【0181】
このような点から、本発明(特許請求の範囲)において、一実施形態において開示された全ての構成要素を備えることは必須ではないこともあり得る。例えば、特許請求の範囲に、実施形態により開示された発光装置の一部の構成要素が記載されていなかった場合、その構成要素については、本実施形態に開示されたものに限らず、代替、省略、形状の変形、材料の変更などといった当業者による設計の自由度を認め、その上で特許請求の範囲に記載された発明が適用されることを請求するものである。
【0182】
本明細書でこれまで説明してきた内容を通し、以下の技術事項が開示される。
(項1)
赤色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ647nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ643nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ639nm±2nm未満の発光ピーク波長を有する2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
(項2)
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
列方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
列方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする項1に記載の発光装置。
(項3)
前記複数の半導体レーザ素子において同じ行に配置されるN個の半導体レーザ素子が電気的に直列接続するように、前記複数の半導体レーザ素子を電気的に接続する複数の配線をさらに備える、項1または2に記載の発光装置。
(項4)
前記複数の第1発光色レーザ素子は、前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子(R≧3の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いR種類の半導体レーザ素子をそれぞれ2以上含む、項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
(項5)
前記複数の第1発光色レーザ素子は、
前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、
m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となり、
m+1行目において、1列目からN列目まで、m行N列に配置された前記半導体レーザ素子の次の順番の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となる、項4に記載の発光装置。
(項6)
前記複数の第1発光色レーザ素子は、
前記第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子までを、所定の順番で1番目からR番目まで指定した場合に、
m行目(1≦m≦M-1の自然数)において、1列目からN列目まで、1番目の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となり、
m+1行目において、N列目から1列目まで、m行N列に配置された前記半導体レーザ素子の次の順番の前記半導体レーザ素子から始まり、かつ、1番目からR番目までの順番が繰り返されたような配置となる、項4に記載の発光装置。
(項7)
前記複数の第1発光色レーザ素子は、M行N列の全体において、行方向及び列方向のそれぞれに関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第1半導体レーザ素子が含まれず、前記第2半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第2半導体レーザ素子が含まれず、前記第3半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に前記第3半導体レーザ素子が含まれないように配置されることを特徴とする項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
(項8)
前記複数の第1発光色レーザ素子は、M行N列の全体において、前記第1半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第1半導体レーザ素子が含まれ、前記第2半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第2半導体レーザ素子が含まれ、前記第3半導体レーザ素子の隣に配置される全ての半導体レーザ素子の中に少なくとも1の前記第3半導体レーザ素子が含まれるように配置されることを特徴とする項7に記載の発光装置。
(項9)
前記複数の第1発光色レーザ素子の各々は、GaAs系材料またはGaP系材料で構成された活性層を含む半導体レーザ素子である、項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置。
(項10)
それぞれ、前記複数の半導体レーザ素子のうち1以上の半導体レーザ素子を封止する、複数のパッケージと、
前記複数のパッケージが実装される基部と、をさらに備え、
前記複数の半導体レーザ素子は、前記複数のパッケージが前記基部に実装されることで、M行N列の行列状に配列される、項1乃至12のいずれか一項に記載の発光装置。
(項11)
前記複数の半導体レーザ素子が配置される実装面を有し、前記複数の半導体レーザ素子を封止するパッケージをさらに備える、項1乃至12のいずれか一項に記載の発光装置。
(項12)
前記複数の半導体レーザ素子はさらに、赤色とは異なる色の光を出射する複数の第2発光色レーザ素子を含み、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、第1半導体レーザ素子から第R半導体レーザ素子(R≧3の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いR種類の半導体レーザ素子で構成され、
前記複数の第2発光色レーザ素子は、第1半導体レーザ素子から第V半導体レーザ素子(2≦V≦(R-1)の自然数)まで、数字の大きい半導体レーザ素子ほど発光ピーク波長が短いV種類の半導体レーザ素子で構成される、項1に記載の発光装置。
(項13)
前記第2発光色レーザ素子は、緑色の光を出射する、項12に記載の発光装置。
(項14)
緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が527nmより大きく532nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が523nmより大きく527nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が518nmより大きく523nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
(項15)
緑色の光を出射する複数の第1発光色レーザ素子を含み、M行N列(M≧2の自然数、N≧3の自然数)の行列状に配列される複数の半導体レーザ素子を備え、
前記複数の第1発光色レーザ素子は、それぞれ発光ピーク波長が534nmより大きく539nmより小さい2以上の第1半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が530nmより大きく534nmより小さい2以上の第2半導体レーザ素子と、それぞれ発光ピーク波長が525nmより大きく530nmより小さい2以上の第3半導体レーザ素子と、を含み、
M行N列の全体あるいは部分において、前記複数の第1発光色レーザ素子は、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子以外の前記半導体レーザ素子が配置され、かつ、
行方向に関し、前記第1半導体レーザ素子の隣に前記第1半導体レーザ素子が配置されず、前記第2半導体レーザ素子の隣に前記第2半導体レーザ素子が配置されず、前記第3半導体レーザ素子の隣に前記第3半導体レーザ素子が配置されないように、配置されることを特徴とする発光装置。
【産業上の利用可能性】
【0183】
実施形態に記載の発光装置及び光学部材は、プロジェクターに利用することができる。つまり、プロジェクターは、本発明が適用される一つの利用形態といえる。なお、本発明は、これに限らず、照明、車載ヘッドライト、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用することができる。
【符号の説明】
【0184】
1、2、3、4、5、6 発光装置
10 基体
10a 凹部
12 基部
14 側壁部
14a 配線部
20 半導体レーザ素子
20A 第1半導体レーザ素子
20B 第2半導体レーザ素子
20C 第3半導体レーザ素子
201 第1発光色レーザ素子
202 第2発光色レーザ素子
203 第3発光色レーザ素子
30 サブマウント
40 光反射部材
60 配線
70 封止部材
80 レンズ部材
81 レンズ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26