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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023096384
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/43 20060101AFI20230630BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20230630BHJP
   B65D 5/52 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
B65D5/43
B65D75/36
B65D5/52 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212098
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中馬 章孝
(72)【発明者】
【氏名】中野 稔之
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060AA13
3E060BA04
3E060CA02
3E060CB02
3E060CB06
3E060CB16
3E060CC02
3E060CC18
3E060CC43
3E060CC44
3E060CE07
3E060CE18
3E060CF05
3E060DA13
3E060DA14
3E060DA15
3E060EA06
3E060EA14
3E067AA16
3E067AB81
3E067AB83
3E067AC01
3E067BA25A
3E067BB01A
3E067EA04
3E067EB03
3E067FA01
3E067FC04
(57)【要約】
【課題】簡易に構造で不正開封を防止することが可能な包装箱の提供を目的とする。
【解決手段】包装箱1は、物品を収容可能な筒状の箱本体2であって、背面板8及び背面板8と対向しかつ背面板8よりも上端縁が上方に位置する正面板7を含む箱本体2と、背面板8の上端縁に連接されかつ箱本体2の上部開口20を覆う蓋板4と、正面板7の上端縁に連接されかつ正面板7のヘッダー部29に重なるヘッダー板5と、を備え、ヘッダー板5の先端縁には、正面板7及び蓋板4の間に差し込まれる少なくとも一つの差込片12が連接され、蓋板4の先端縁40には、正面板7及びヘッダー板5の間に入り込む少なくとも一つの係合片13が連接される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包装するための包装箱であって、
物品を収容可能な筒状の箱本体であって、第一面板及び前記第一面板と対向しかつ前記第一面板よりも上端縁が上方に位置する第二面板を含む箱本体と、
前記第一面板の上端縁に連接されかつ前記箱本体の上部開口を覆う蓋板と、
前記第二面板の上端縁に連接されかつ前記第二面板において前記第一面板よりも上方に突き出るヘッダー部に重なるヘッダー板と、
を備え、
前記ヘッダー板の先端縁には、前記第二面板及び前記蓋板の間に差し込まれる少なくとも一つの差込片が連接され、
前記蓋板の先端縁には、前記第二面板及び前記ヘッダー板の間に入り込む少なくとも一つの係合片が連接される、包装箱。
【請求項2】
前記ヘッダー板の先端縁には、横幅方向の中央に一つの前記差込片が連接されており、
前記蓋板の先端縁には、二つの前記係合片がその間に前記差込片が位置するように連接されている、請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記差込片は前記ヘッダー板の先端縁に罫線を介して連接されている、請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記罫線がミシン罫である、請求項3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記差込片の左右の端部は前記ヘッダー板の先端縁との間に切込み又は切欠きが存在しており、
二つの前記係合片は、それぞれ一部分が前記差込片の左右の端部の前記切込み又は切欠きに入り込んで前記差込片と係合する、請求項4に記載の包装箱。
【請求項6】
前記ヘッダー板の先端縁には、横幅方向の両端側にそれぞれ一つの前記差込片が連接されており、
前記蓋板の先端縁には、二つの前記差込片の間に位置するように一つの前記係合片が連接されている、請求項1に記載の包装箱。
【請求項7】
前記係合片は前記蓋板の先端縁にミシン罫を介して連接されている、請求項6に記載の包装箱。
【請求項8】
前記係合片は、前記蓋板の先端縁に連接された中央部と、前記中央部を間に挟む左右の側部とを含み、前記左右の側部は前記蓋板の先端縁との間に隙間が存在しており、
前記二つの差込片は、それぞれ一部分が前記係合片の左右の側部の隙間に入り込んで前記係合片と係合する、請求項7に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品を包装するための包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を包装した包装箱を吊り下げて展示、陳列するために、ヘッダー板を備えた包装箱が知られている。ヘッダー板には貫通孔が形成されており、貫通孔に吊り下げ棚などに設置されたフックを挿し通すことで、包装箱を吊り下げて展示、陳列することができる(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1の包装箱は、筒状の箱本体の上端縁の一部分にヘッダー板が連接されており、箱本体の上端縁においてヘッダー板と対向する一部分に箱本体の上部開口を閉塞する蓋板が連接されている。蓋板の先端縁には差込片が連接されており、差込片が蓋板と箱本体との間の隙間に差し込まれることで蓋板は閉じた状態に維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-105321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の包装箱は、蓋板を容易に開くことができるため、包装箱が展示、陳列されて多数の消費者が包装箱に接触する機会のある場合には、包装箱が不正に開封される可能性がある。包装箱の不正開封を防止するために、蓋板及びヘッダー板に跨るようにシールを貼るなどの対抗策が採られるケースがあるが、シールを貼るなどの作業が必要となり、手間がかかる。
【0006】
本開示は、上記課題に着目し、簡易に構造で不正開封を防止することが可能な包装箱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、物品を包装するための包装箱に関する。本開示の包装箱は、物品を収容可能な筒状の箱本体であって、第一面板及び前記第一面板と対向しかつ前記第一面板よりも上端縁が上方に位置する第二面板を含む箱本体と、前記第一面板の上端縁に連接されかつ前記箱本体の上部開口を覆う蓋板と、前記第二面板の上端縁に連接されかつ前記第二面板において前記第一面板よりも上方に突き出るヘッダー部に重なるヘッダー板と、を備え、前記ヘッダー板の先端縁には、前記第二面板及び前記蓋板の間に差し込まれる少なくとも一つの差込片が連接され、前記蓋板の先端縁には、前記第二面板及び前記ヘッダー板の間に入り込む少なくとも一つの係合片が連接される、ことを特徴とする。
【0008】
本開示の包装箱において好ましくは、前記ヘッダー板の先端縁には、横幅方向の中央に一つの前記差込片が連接されており、前記蓋板の先端縁には、二つの前記係合片がその間に前記差込片が位置するように連接されている、ことを特徴とするように構成することができる。
【0009】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記差込片は前記ヘッダー板の先端縁に罫線を介して連接されている、ことを特徴とするように構成することができる。
【0010】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記罫線がミシン罫である、ことを特徴とするように構成することができる。
【0011】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記差込片の左右の端部は前記ヘッダー板の先端縁との間に切込み又は切欠きが存在しており、二つの前記係合片は、それぞれ一部分が前記差込片の左右の端部の前記切込み又は切欠きに入り込んで前記差込片と係合する、ことを特徴とするように構成することができる。
【0012】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記ヘッダー板の先端縁には、横幅方向の両端側にそれぞれ一つの前記差込片が連接されており、前記蓋板の先端縁には、二つの前記差込片の間に位置するように一つの前記係合片が連接されている、ことを特徴とするように構成することができる。
【0013】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記係合片は前記蓋板の先端縁にミシン罫を介して連接されている、ことを特徴とするように構成することができる。
【0014】
また本開示の包装箱において好ましくは、前記係合片は、前記蓋板の先端縁に連接された中央部と、前記中央部を間に挟む左右の側部とを含み、前記左右の側部は前記蓋板の先端縁との間に隙間が存在しており、前記二つの差込片は、それぞれ一部分が前記係合片の左右の側部の隙間に入り込んで前記係合片と係合する、ことを特徴とするように構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の包装箱によれば、簡易に構造で不正開封を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施形態の包装箱の正面図である。
図2】本開示の実施形態の包装箱の背面図である。
図3】本開示の実施形態の包装箱の平面図である。
図4】本開示の実施形態の包装箱の底面図である。
図5図1のB-B断面図である。
図6図1のA-A断面図である。
図7】本開示の実施形態の包装箱の一部分の概略断面図である。
図8】本開示の実施形態の包装箱において、物品を包装した状態の底面図である。
図9図8のC-C断面図である。
図10】本開示の実施形態の包装箱を形成するための紙製シートの平面図である。
図11図10の紙製シートにより包装箱を組み立てる途中の背面図である。
図12図10の紙製シートにより包装箱を組み立てる途中の背面図である。
図13】本開示の変形例の包装箱の背面図である。
図14】本開示の変形例の包装箱を形成するための紙製シートの平面図である。
図15図14の紙製シートにより包装箱を組み立てる途中の背面図である。
図16図14の紙製シートにより包装箱を組み立てる途中の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の包装箱は、陳列棚、ショーケースなどに載置して物品を展示したり、壁、吊り下げラック、吊り下げ棚などに吊り下げて物品を展示することを目的に使用される。本開示の包装箱により包装される物品の種別や形状は特に限定されず、以下に示す実施形態では、物品は、例えば医薬品、医薬部外品、化粧品を収容した略円柱型の容器である。
【0018】
以下、本開示の包装箱の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本開示では、包装箱の使用時における物品の展示側を正面側(前側)、その反対側を背面側(後ろ側)とし、上下方向を縦幅(高さ)方向とし、左右方向を横幅方向とする。また、包装箱の周囲の方向を周方向とする。
【0019】
包装箱の全体構成
図1から図4は、本開示の一実施形態に係る包装箱1の外観を示す。図5及び図6は、包装箱1の内部構造を示す。図7は、包装箱1の一部分の内部構造を概略的に示す。図8は、物品Gを包装した包装箱1の底面図である。図9は、物品Gを包装した包装箱1の内部構造を示す。
【0020】
包装箱1は、図1から図9に示すように、物品Gを収容可能な筒状の箱本体2を備える。箱本体2は、上側の開口(以下、「上部開口20」という。)を通して箱本体2内に物品Gを出し入れすることができる。箱本体2の下端縁よりも上方でありかつ周方向の一部分には、物品Gの一部分を露出可能な二つの窓孔22,23が形成されている。本実施形態では、二つの窓孔22,23は互いに対向しており、第二窓孔23は箱本体2の周方向において第一窓孔22と反対側に位置している。包装箱1に包装された物品Gは、第一窓孔22及び第二窓孔23(特に正面側の第二窓孔23)を通して外部から視認することができる。箱本体2は、周方向の一部分に上部開口20よりも上方に突き出るヘッダー部29を含む。ヘッダー部29には、包装箱1を吊り下げて展示、陳列するためのフックが挿し通される円形状の貫通孔26が形成されている。
【0021】
包装箱1は、図1から図6図8、及び図9に示すように、箱本体2内の物品Gを下方から支持する支持手段3を備える。支持手段3は、箱本体2の下端縁よりも上方位置において箱本体2に連接されている。支持手段3によって物品Gが箱本体2の下端縁から浮いた位置で支えられていることで、物品Gが箱本体2の下側の開口(以下、「下部開口21」という。)から抜け落ちることを防止できるとともに、包装箱1を強く置いたり落としたりした際の衝撃が物品Gに直接作用することが防止されるため、物品Gが損傷する危険性を低減することができる。
【0022】
包装箱1は、図2から図4、及び図6から図9に示すように、箱本体2の上部開口20を覆う蓋板4を備える。蓋板4は、箱本体2の上端縁に連接されている。蓋板4によって箱本体2の上部開口20が覆われることで、箱本体2の上部開口20が閉じられ、物品Gの出し入れを規制することができる。
【0023】
包装箱1は、図2図3図6図7、及び図9に示すように、箱本体2のヘッダー部29の上端縁に連接されかつヘッダー部29に重ね合わされるヘッダー板5を備える。ヘッダー板5には、ヘッダー部29の貫通孔26と重なる位置に、包装箱1を吊り下げて展示、陳列するためのフックが挿し通される円形状の貫通孔50が形成されている。
【0024】
包装箱1は、図2、及び図7に示すように、蓋板4が正規の開封手段によらずに開けられることを防止する不正開封防止機構6を備える。不正開封防止機構6は、単に蓋板4を開けようとしても容易に開くことができず、無理に蓋板4を開けようとすると包装箱1が破損してその痕跡が残るように設計されている。包装箱1が展示されて、多数の消費者が包装箱1に接触する機会のある場合には、正規の開封手段によらずに包装箱1が不正に開封される可能性がある。そのため、不正開封防止機構6によって包装箱1が不正に開封されることを防止できるとともに、包装箱1が不正に開封された際に不正開封を容易に確認することができる。
【0025】
包装箱1は、特に限定されないが、本実施形態では、図10に示す一枚の紙製シート15で形成される。紙製シート15は、例えば可撓性を有する厚紙など、各種公知の紙製シートを用いることができる。なお、包装箱1の素材は紙製に限定されず、例えば可撓性を有するプラスチック製シートを用いて形成することもできる。紙製シート15を用いて包装箱1を組み立てる手順については後述する。
【0026】
以下、包装箱1の各構成部材について詳細に説明する。
【0027】
箱本体
図1から図9に示すように、箱本体2は、特に限定されないが、本実施形態では、略矩形状、例えば縦長の略長方形状の互いに対向する正面板7及び背面板8が、両側が鋭角の略楕円筒状に連なることで形作られている。正面板7の左右の側縁72,73の一方の側縁(図1図3、及び図4で右側の側縁)73に背面板8が折り曲げ可能に連接されている。正面板7の左右の側縁72,73の他方の側縁(図1図3、及び図4で左側の側縁)72には連結板9が折り曲げ可能に連接されている。連結板9が背面板8の内面に接着剤や両面テープなどによって固着されることで、正面板7及び背面板8が略楕円筒状に連なる。箱本体2は、蓋板4を閉じる前の状態では、正面板7及び背面板8が重なり合う偏平の状態とすることができ(図11を参照)、偏平の状態から正面板7及び背面板8の間が広がる筒状の状態に移行することで、上部開口20及び下部開口21が形作られる。
【0028】
なお、本開示において「折り曲げ可能に連接されている」とは、罫線(折り目)により容易に折り曲げが可能とされた状態で連接されていることを意味し、罫線としては種々の公知の折り曲げを容易にする線(切罫(ハーフカット線)、折罫、ミシン罫(ミシン目)、リード罫など)を用いることができる。
【0029】
正面板7の上端縁70及び下端縁71は、横幅方向に直線状に延びている。正面板7の上端縁70は、背面板8の上端縁80よりも上方に位置している。そのため、正面板7は、背面部8よりも縦幅が大きく、この正面板7の背面部8よりも縦幅の大きい部分が上述したヘッダー部29をなしている。なお、正面板7は、特許請求の範囲における「第二面板」に相当し、背面板8は、特許請求の範囲における「第一面板」に相当する。
【0030】
正面板7の上端縁70の近傍(ヘッダー部29)には、上述した貫通孔26が形成されている。貫通孔26は、正面板7の横幅方向の中央に位置している。貫通孔26は、壁、吊り下げラック、吊り下げ棚などに設置されたフックが挿し通されることで、包装箱1を吊り下げて展示するためのものである。
【0031】
正面板7の上端縁70には、ヘッダー板5が折り曲げ可能に連接されている。ヘッダー板5は正面板7の背面部8よりも上方に突き出るヘッダー部29に背面側から折り重ねられる。ヘッダー板5の詳細については後述する。
【0032】
正面板7の下端縁71の近傍には、上述した第二窓孔23が形成されている。第二窓孔23は、正面板7の横幅方向の中央に位置している。第二窓孔23は、包装箱1に包装された物品Gを外部から視認可能とするものである。第二窓孔23は、概ね物品Gの形状に近い形状を呈しており、本実施形態では、縦長の略長方形状であって、第二窓孔23の上部が上方に向かって凸をなして湾曲している。第二窓孔23の大きさは、物品Gの正面視における大きさよりも一回り小さい。これにより、包装箱1に包装された物品Gは、正面板7の第二窓孔23の周囲の部分によって前方から支持され、物品Gが第二窓孔23から前方に落下することを防止することができる。
【0033】
なお、正面板7には、第二窓孔23を覆うように無色透明又は有色透明の可撓性のプラスチックフィルム(図示せず)が貼り付けられていてもよい。
【0034】
正面板7の第二窓孔23を形作る第二開口縁25の下端縁250には、上述した支持手段3を構成する支持板10が折り曲げ可能に連接されている。支持板10の詳細については後述する。
【0035】
背面板8の上端縁80は、正面板7の上端縁70よりも下方に位置している。背面板8の上端縁80は、下方に向かって凸をなして湾曲しており、横幅方向の中央が左右の両端よりも下方に位置している。背面板8の上端縁80には、蓋板4が折り曲げ可能に連接されている。蓋板4の詳細については後述する。
【0036】
背面板8と蓋板4の境界の罫線は、例えばミシン罫(ミシン目)17(図10に示す)とされており、蓋板4は背面板8から容易に切り取り可能である。背面板8には、下方に向かって凸をなして湾曲するミシン罫(ミシン目)18(図10に示す)が形成されている。ミシン罫(ミシン目)18は、背面板8の横幅方向の中央に位置するとともに、その両端が背面板8の上端縁80と接続されている。背面板8は、上端縁80とミシン罫(ミシン目)18で囲まれた部分が正規の開封手段としての開封片14を構成している。開封片14をミシン罫(ミシン目)18に沿って背面板8から切り取ることによって、蓋板4をミシン罫(ミシン目)17に沿って背面板8から切り離すことができ、これにより蓋板4を開いて包装箱1を開封することができる。
【0037】
背面板8の下端縁81の近傍には、上述した第一窓孔22が形成されている。第一窓孔22は、背面板8の横幅方向の中央に位置している。第一窓孔22は、包装箱1に包装された物品Gを外部から視認可能とするものである。第一窓孔22の大きさは、物品Gの正面視における大きさよりもかなり小さく、物品Gの下部だけが第一窓孔22から露出する。第一窓孔22の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、縦長の略長方形状であって、第一窓孔22の上部が上方に向かって凸をなして湾曲している。第一窓孔22の下端縁の位置は、対向する第二窓孔23の下端縁の位置と同じ高さに位置する。つまり、背面板8において下端縁81から第一窓孔22を形作る第一開口縁24の下端縁240までの距離(図10に示す距離L1)が、正面板7において下端縁71から第二窓孔23を形作る第二開口縁25の下端縁250までの距離(図10に示す距離L2)と同じである。
【0038】
背面板8の第一開口縁24の下端縁240には、上述した支持手段3を構成する補助板11が折り曲げ可能に連接されている。補助板11の詳細については後述する。
【0039】
支持手段
図1から図6図8、及び図9に示すように、支持手段3は、箱本体2内の物品Gを下方から支持して、物品Gが箱本体2の下部開口21から抜け出ることを防止する。また支持手段3は、箱本体2内の物品Gの底が箱本体2の下端縁(正面板7の下端縁70及び背面板8の下端縁81)よりも上方に位置するように物品Gを下方から支持する。これにより、包装箱1を強く置いたり落としたりした際の衝撃が物品Gに直接作用することを防止できるため、物品Gの破損を抑制できる。支持手段3は、支持板10と、補助板11とを備える。
【0040】
支持板
支持板10は、特に限定されないが、本実施形態では、箱本体2を構成する正面板7において、第二窓孔23を形作る第二開口縁25の下端縁250に折り曲げ可能に連接されている。支持板10は、正面板7に対して内側に90°折り曲がることで、支持板10の上に箱本体2に収容される物品Gを載置可能である。支持板10が内側に90°折り曲げられた水平の状態では、支持板10の先端縁100側の一部分が、正面板7と対向する背面板8の第一窓孔22から外側に突き出ている。つまり、支持板10の横幅方向と直交する方向の最大長さL3(図10に示す)は、箱本体2の互いに対向する第一窓孔22及び第二窓孔23の間の距離よりも長い。これにより、支持板10は、背面板8の第一開口縁24の下側縁240に下方から支持されるため、支持板10上に物品Gが載置されても、支持板10は水平の状態から下側に折れ曲がることなく水平の状態が保持される。よって、支持板10の耐久性を向上することができる。
【0041】
支持板10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、左右の側縁101,102が互いに平行であり、先端縁100が正面板7の第二開口縁25の下端縁250と反対側に向かって凸をなして湾曲している。そのため、支持板10の先端縁100側の一部分は、横幅が次第に狭まるテーパー状を呈している。支持板10の横幅は、特に限定されないが、本実施形態では、支持板10の左右の側縁101,102における横幅は、第一窓孔22の横幅よりも大きく、支持板10の先端縁100において第一窓孔22の横幅よりも小さくなる位置がある。これにより、支持板10の先端縁100側の一部分が第一窓孔22から外側に突き出ることができ、支持板10の横幅の広い左右の側縁101,102の部分で物品Gを広範囲で下方から支持することができる。
【0042】
なお、支持板10の形状は、例えば矩形状であってもよく、支持板10の左右の側縁101,102における横幅は、第一窓孔22の横幅と同じ又は小さくてもよい。
【0043】
補助板
補助板11は、特に限定されないが、本実施形態では、箱本体2を構成する背面板8において、第一窓孔22を形作る第一開口縁24の下端縁240に折り曲げ可能に連接されている。補助板11の一部分は支持板10に連結されており、補助板11は、背面板8に対して内側に折り曲がることで、支持板10を正面板7に対して内側に折り曲げる。
【0044】
補助板11は、特に限定されないが、本実施形態では、背面板8の第一開口縁24の下端縁240に連接される第一部分110と、支持板10に連結される第二部分111とを含んでいる。補助板11の第二部分111は第一部分110に折り曲げ可能に連接されている。補助板11の第二部分111は、例えば接着剤や両面テープなどを用いて支持板10に貼り付けられている。補助板11は、第一部分110が背面板8に対して内側に90°折り曲がり、第二部分111が第一部分110に折り重なることで、支持板10を正面板7に対して内側に90°折り曲げる。
【0045】
補助板11の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、補助板11の左右の側縁113,114が互いに平行であり、補助板11の先端縁112が背面板8の第一開口縁24の下端縁240と反対側に向かって凸をなして湾曲している。補助板11の横幅は、特に限定されないが、本実施形態では、背面板8の第一窓孔22の横幅と同じである。補助板11の横幅方向と直交する方向の最大長さL4(図10に示す)は、背面板8の第一窓孔22の縦幅と同じであり、かつ、支持板10の上記長さL3と同じである。そのため、補助板11の第二部分111が第一部分110に折り重なった状態では、補助板11の先端縁の先端縁112側の一部分は、支持板10と同様、背面板8の第一窓孔22から外側に突き出ている。これにより、支持板10が背面板8の第一開口縁24の下側縁240に下方から支持される際に背面板8から応力を受けても、補助板11により補強されているため、支持板10は変形することなく水平の状態が保持される。よって、支持板10の耐久性を向上することができる。
【0046】
なお、補助板11は、その一部分が支持板10に連結されて、背面板8に対して内側に折り曲がることで、支持板10を正面板7に対して内側に折り曲げ可能であれば、その形状及び大きさは特に限定されない。
【0047】
蓋板
図2から図4、及び図6から図9に示すように、蓋板4は、箱本体2の互いに対向する正面板7及び背面板8のうち、縦幅の小さい背面板8の上端縁80に折り曲げ可能に連接されている。蓋板4は、背面板8に対して内側に90°折り曲がることで、箱本体2の上部開口20を塞ぐ。蓋板4は、箱本体2の上部開口20を塞ぐ際には、横幅方向の中央が両端よりも下方に位置するように、下方に向かって凸に湾曲した状態となる。蓋板4は、本実施形態では平面視で横長の略楕円形状を呈しており、蓋板4の背面板8に連接される側と反対側(正面板7と向かい合う側)の先端縁40(図7及び図10に示す)に、上述した不正開封機構6を構成する一対の係合片13が折り曲げ可能に連接されている。係合片13の詳細については後述する。
【0048】
蓋板4の先端縁40は、図10に示すように、特に限定されないが、本実施形態では、中央部と、その両側に配置される左右の端部とで構成されている。蓋板4の先端縁40において、中央部は、左右の端部がなす円弧状よりも曲率半径の小さい円弧状をなして背面板8の上端縁80と反対側(図10では上側)に向かって凸をなして突き出ている。蓋板4の先端縁40において、左右の端部に中央部を挟むようにそれぞれ係合片13が連接されている。
【0049】
ヘッダー板
図2図3図6図7、及び図9に示すように、ヘッダー板5は、略矩形状、例えば横長の略長方形状を呈しており、箱本体2の互いに対向する正面板7及び背面板8のうち、縦幅の大きい正面板7の上端縁70に折り曲げ可能に連接されている。ヘッダー板5の横幅は、正面板7の横幅と同じ又はわずかに小さい。ヘッダー板5の縦幅は、正面板7のヘッダー部29の縦幅とほぼ同じである。
【0050】
ヘッダー板5は、正面板7に対して内側に180°折り曲げることで、正面板7のヘッダー部29に重なり合う。このとき、ヘッダー板5は、先端縁51(図10に示す)が下方を向いており、先端縁51に、上述した不正開封機構6を構成する差込片12が折り曲げ可能に連接されている。差込片12の詳細については後述する。
【0051】
ヘッダー板5には、横幅方向の中央位置であって正面板7の貫通孔26と重複する位置に、円形状の貫通孔50が形成されている。貫通孔50は、貫通孔26と同様、壁、吊り下げラック、吊り下げ棚などに設置されたフックを挿し通すためのものである。
【0052】
ヘッダー板5の先端縁51は、図10に示すように、特に限定されないが、本実施形態では、中央部と、その両側に配置される左右の端部とで構成されている。ヘッダー板5の先端縁51において、中央部は、正面板7の上端縁70の方(図10では下側)に向かってやや凹むように湾曲しており、左右の端部は、ヘッダー板5の左右の側縁52,53に行くにしたがって正面板7の上端縁70の方(図10では下側)に向かって傾斜している。ヘッダー板5の先端縁51において、中央部に差込片12が連接されている。ヘッダー板5と差込片12の境界の罫線は、例えばミシン罫(ミシン目)19とされており、差込片12はヘッダー板5から容易に切り取り可能である。
【0053】
不正開封防止機構
不正開封防止機構6は、図2、及び図7に示すように、少なくとも一つの差込片12と、少なくとも一つの係合片13とを含む。不正開封防止機構6は、特に限定されないが、本実施形態では、一つの差込片12と、二つの係合片13とを含む。差込片12は、ヘッダー板5の先端縁51に折り曲げ可能に連接されており、箱本体2の正面板7と蓋板4との間の隙間に差し込まれる。係合片13は、蓋板4の先端縁40に折り曲げ可能に連接されており、正面板7とヘッダー板5との間の隙間に入り込んでいる。
【0054】
差込片
差込片12は、図2に示すように、特に限定されないが、本実施形態では、ヘッダー板5の先端縁51の幅方向の中央に連接されている。差込片12は、箱本体2(正面板7及び背面板8)の横幅よりも小さい横幅に形成されている。差込片12は、特に限定されないが、本実施形態では、略矩形状、例えば横長の略長方形状を呈している。差込片12の左右の端部はヘッダー板5の先端縁51との間に切込み又は切欠き41が存在している。
【0055】
図7(A)に示すように、差込片12が箱本体2の正面板7と蓋板4との間の隙間に差し込まれていることにより、ヘッダー板5は、蓋板4により正面板7のヘッダー部29に折り重なる状態が保持され、ヘッダー板5が上方に開くことが規制されている。差込片12とヘッダー板5の境界の罫線は、例えばミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)とされており、差込片12はヘッダー板5から容易に切り取り可能である。これにより、ヘッダー板5を上方に無理に開くと、差込片12がミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)を介してヘッダー板5から切り取られるため、包装箱1の不正開封の痕跡を残すことができる。
【0056】
係合片
図2に示すように、係合片13は、特に限定されないが、本実施形態では、差込片12の両側にそれぞれ位置するように、蓋板4の先端縁40に連接されている。係合片13は、蓋板4に対して上側に90°折り曲げられていることで、箱本体2の正面板7とヘッダー板5との間の隙間に入り込んでいる。係合片13は、正面板7とヘッダー板5との間において、正面板7及びヘッダー板5の両側縁から外側にはみ出さない横幅に形成されている。係合片13は、特に限定されないが、本実施形態では、略矩形状、例えば台形状を呈している。
【0057】
図7(B)に示すように、係合片13が箱本体2の正面板7とヘッダー板5との間の隙間に入り込んでいることにより、蓋板4は、ヘッダー板5により箱本体2の上部開口20を覆う状態が保持され、蓋板4が上方に開くことが規制されている。
【0058】
図2に示すように、二つの係合片13は、特に限定されないが、本実施形態では、それぞれ一部分が差込片12の左右の端部の切込み又は切欠き41に入り込んで、差込片12と係合している。これにより、上述したように、ヘッダー板5を上方に無理に開くと、ヘッダー板5の先端縁51に連接された差込片12の左右の端部が一対の係合片13に引っ掛かるため、差込片12がミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)を介してヘッダー板5から切り取られやすくなる。よって、包装箱1の不正開封の痕跡を容易に残すことができる。
【0059】
包装箱の組み立て方法
上述した包装箱1は、図10に示す一枚の紙製シート15により組み立てることができる。なお、紙製シート15の形状は、図10に示す形状に限定されない。紙製シート15は、横方向に、右側から左側へ、連結板9、正面板7及び背面板8が罫線を介して連接されている。また紙製シート15は、縦方向に、上側から下側へ、差込片12、ヘッダー板5及び正面板7が罫線を介して連接され、一対の係合片13、蓋板4及び背面板8が罫線を介して連接されている。正面板7には第二窓孔23が形成されるとともに、第二窓孔23に突き出るように、支持板10が罫線を介して連接されている。背面板8には、第一窓孔22が形成されるとともに、第一窓孔22に嵌まる補助板11が罫線を介して連接されている。
【0060】
次に、図10に示す紙製シート15を用いて包装箱1を組み立てる手順について説明する。まず、連結板9を正面板7との境目で折り曲げて正面板7の内面に重ねた後、背面板8を正面板7との境目で折り曲げて正面板7に重ねる。そして、連結板9を背面板8の内面に例えば接着剤や両面テープなどを用いて貼り付ける。これにより、図11に示すように、正面板7及び背面板8を連結し、箱本体2を形成する。このとき、支持板10と補助板11の第二部分111とを例えば接着剤や両面テープなどを用いて貼り付ける。
【0061】
次に、偏平の状態の箱本体2を筒状の状態とし、広がった正面板7及び背面板8の間に物品Gを挿入する。箱本体2が筒状の状態へ移行すると、補助板11とともに支持板10が箱本体2に対して自然に内側に折り曲がることで、物品Gを下方から支持可能な支持手段3が自動的に形成される。そして、図12に示すように、蓋板4を内側に90°折り曲げるとともに、一対の係合片13を上側に90°折り曲げて、一対の係合片13を正面板7の内面に沿わせる。
【0062】
次に、ヘッダー板5を内側に180°折り曲げることで、図2に示すように、差込片12を蓋板4及び正面板7の間に差し込む。このとき、差込片12は蓋板4に突き当たるが、差込片12がヘッダー板5に対して若干上側に折り曲がることで、差込片12は蓋板4上を摺動しながら蓋板4及び正面板7の間に差し込まれる。これにより、本実施形態の包装箱1が組み立てられる。
【0063】
包装箱の作用・効果
本実施形態の包装箱1は、箱本体2の互いに対向する正面板7及び背面板8のうち、上端縁が下方に位置する背面板8の上端縁80に箱本体2の上部開口20を塞ぐ蓋板4が連接されており、正面板7の上端縁70に正面板7のヘッダー部29に折り重なるヘッダー板5が連接されている包装箱において、ヘッダー板5の先端縁51に連接された差込片12が正面板7及び蓋板4の間に差し込まれるとともに、蓋板4の先端縁40に連接された係合片13が正面板7及びヘッダー板5の間に入り込んでいることを特徴とする。図7(A)に示すように、差込片12が箱本体2の正面板7と蓋板4との間の隙間に差し込まれていることにより、ヘッダー板5は、蓋板4により正面板7のヘッダー部29に折り重なる状態が保持され、ヘッダー板5が上方に開くことが規制されている。さらに図7(B)に示すように、係合片13が箱本体2の正面板7とヘッダー板5との間の隙間に入り込んでいることにより、蓋板4は、ヘッダー板5により箱本体2の上部開口20を覆う状態が保持され、蓋板4が上方に開くことが規制されている。このように、本実施形態の包装箱1によれば、簡易な構造により、正規の開封手段によらずに包装箱1が不正に開封されることを防止できる。
【0064】
また本実施形態の包装箱1は、差込片12はヘッダー板5の先端縁51に罫線を介して連接されていることを特徴とする。正面板7のヘッダー部29にヘッダー板5を折り重ねて差込片12を蓋板4及び正面板7の間に差し込む際に、差込片12がヘッダー板5に対して容易に折り曲げ可能であることで、差込片12を蓋板4上を正面板7の方に摺動させながら蓋板4及び正面板7の間に差し込むことができる。これにより、本実施形態の包装箱1をスムーズに組み立てることができる。
【0065】
また本実施形態の包装箱1は、差込片12とヘッダー板5の境界の罫線がミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)であることを特徴としている。これにより、包装箱1を不正に開封しようとする際にヘッダー板5を上方に無理に開くと、差込片12がミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)を介してヘッダー板5から切り取られる。よって、包装箱1が不正開封された際にその痕跡を残すことができる。
【0066】
また本実施形態の包装箱1は、差込片12の左右の端部はヘッダー板5の先端縁51との間に切込み又は切欠き41が存在しており、二つの係合片13は、それぞれ一部分が差込片12の左右の端部の切込み又は切欠き41に入り込んで差込片12と係合することを特徴とする。これにより、ヘッダー板5を上方に無理に開くと、ヘッダー板5の先端縁51に連接された差込片12の左右の端部が一対の係合片13に引っ掛かるため、差込片12がミシン罫(ミシン目)19(図10に示す)を介してヘッダー板5から切り取られやすくなる。よって、包装箱1の不正開封の痕跡を容易に残すことができる。
【0067】
包装箱の変形例
以上、本開示の包装箱の一実施形態について説明したが、本開示の包装箱は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。つまり、以下に例示する変形例の包装箱は、上記実施形態の包装箱1と同様に、本開示の上述した課題を解決することができる。
【0068】
上記実施形態の包装箱1は、箱本体2の第一開口縁24の下端縁240において、内側に折り曲げられた状態の支持板10を下方から支持している。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、箱本体2の第一開口縁24の左右の側縁の一部分を内側にへこませるなどして、箱本体2の第一開口縁24の左右の側縁において、内側に折り曲げられた状態の支持板10を下方から支持するようにしてもよい。
【0069】
また上記実施形態の包装箱1は、補助板11の第二部分111が支持板10とともに箱本体2の第一開口縁24の下端縁240に下方から支持されている。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、補助板11の第二部分111は箱本体2の第一開口縁24の下端縁240に下方から支持されず、支持板10だけが箱本体2の第一開口縁24の下端縁240に下方から支持されていてもよい。
【0070】
また上記実施形態の包装箱1は、補助板11は、互いに折り曲げ可能な第一部分110及び第二部分111を含む。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、補助板11は箱本体2に連接された第一部分110が支持板10に連結されていてもよい。
【0071】
また上記実施形態の包装箱1は、補助板11が箱本体2の第一開口縁24の下端縁240に連接されている。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、補助板11は箱本体2において下端縁よりも上方でありかつ第一開口縁24よりも下方に連接されていてもよい。
【0072】
また上記実施形態の包装箱1は、支持板10が箱本体2の第二開口縁25の下端縁250に連接されている。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、支持板10は箱本体2において第二開口縁25の左右の側縁に連接されていてもよいし、箱本体2の下端縁よりも上方でありかつ第二開口縁25よりも下方に連接されていてもよい。
【0073】
また上記実施形態の包装箱1は、箱本体2に第二窓孔23が形成されている。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、箱本体2は第二窓孔23が形成されていなくてもよい。
【0074】
また上記実施形態の包装箱1は、不正開封防止機構6が一つの差込片12と二つの係合片13とを含んでいる。一変形例の包装箱1として、図13に示すように、不正開封防止機構6が二つの差込片12と一つの係合片13とを含んでいてもよい。この変形例の包装箱1は、図14に示す一枚の紙製シート15を用いて形成することができる。
【0075】
この変形例では、ヘッダー板5の先端縁51の横幅方向の両端側にそれぞれ一つの差込片12が連接されている。差込片12は、箱本体2(正面板7及び背面板8)の横幅よりも小さい横幅に形成されている。差込片12は、特に限定されないが、本実施形態では、縦幅よりも横幅が大きい横長形状を呈している。この変形例でも、差込片12が箱本体2の正面板7と蓋板4との間の隙間に差し込まれていることにより、ヘッダー板5は、蓋板4により正面板7のヘッダー部29に折り重なる状態が保持され、ヘッダー板5が上方に開くことが規制されている。
【0076】
係合片13は、蓋板4の先端縁40の横幅方向の中央に折り曲げ可能に連接されており、二つの差込片12の間に位置している。係合片13は、特に限定されないが、本実施形態では左右対称であり、縦幅よりも横幅が大きい横長形状を呈している。この変形例でも、係合片13は、蓋板4に対して上側に90°折り曲げられていることで、箱本体2の正面板7とヘッダー板5との間の隙間に入り込んでいる。これにより、蓋板4は、ヘッダー板5により箱本体2の上部開口20を覆う状態が保持され、蓋板4が上方に開くことが規制されている。蓋板4と係合片13との境界の罫線は、例えばミシン罫(ミシン目)16(図14に示す)とされており、係合片13は蓋板4から容易に切り取り可能である。これにより、蓋板4を上方に無理に開くと、係合片13がミシン罫(ミシン目)16(図10に示す)を介して蓋板4から切り取られるため、包装箱1の不正開封の痕跡を残すことができる。
【0077】
係合片13は、特に限定されないが、本実施形態では、蓋板4の先端縁40に折り曲げ可能に連接された中央部と、中央部を間に挟む左右の側部とを含み、中央部が蓋板4の先端縁40に折り曲げ可能に連接されており、左右の側部は蓋板4の先端縁40との間に隙間42が存在している。係合片13は、左右の側部が二つの差込片12の背後にそれぞれ回り込む横幅に形成されており、二つの差込片12は、それぞれ一部分が係合片13の左右の側部の隙間42に入り込んで係合片13と係合している。これにより、上述したように、蓋板4を上方に無理に開くと、蓋板4の先端縁40に連接された係合片13の左右の側部が一対の差込片12に引っ掛かるため、係合片13がミシン罫(ミシン目)16(図10に示す)を介して蓋板4から切り取られやすくなる。よって、包装箱1の不正開封の痕跡を容易に残すことができる。
【0078】
次に、図14に示す紙製シート15を用いて変形例の包装箱1を組み立てる手順について説明する。まず、連結板9を正面板7との境目で折り曲げて正面板7の内面に重ねた後、背面板8を正面板7との境目で折り曲げて正面板7に重ねる。そして、連結板9を背面板8の内面に例えば接着剤や両面テープなどを用いて貼り付ける。これにより、図15に示すように、正面板7及び背面板8を連結し、箱本体2を形成する。このとき、支持板10と補助板11の第二部分111とを例えば接着剤や両面テープなどを用いて貼り付ける。
【0079】
次に、偏平の状態の箱本体2を筒状の状態とし、広がった正面板7及び背面板8の間に物品Gを挿入する。箱本体2が筒状の状態へ移行すると、補助板11とともに支持板10が箱本体2に対して自然に内側に折り曲がることで、物品Gを下方から支持可能な支持手段3が自動的に形成される。そして、図16に示すように、蓋板4を内側に90°折り曲げるとともに、係合片13を上側に90°折り曲げて、係合片13を正面板7の内面に沿わせる。
【0080】
次に、ヘッダー板5を内側に180°折り曲げることで、図13に示すように、二つの差込片12を蓋板4及び正面板7の間に差し込む。これにより、変形例の包装箱1が組み立てられる。
【0081】
また上記実施形態の包装箱1は、箱本体2に連接された支持手段3が、箱本体2内の物品Gを箱本体2の下端縁よりも上方で支持している。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、箱本体2の下端縁に連接されて下部開口20を塞ぐ底面板を備えていて、物品Gを底面板の上に直接載置する、あるいは、緩衝材又は物品G及び底面板の間に空間を形成する部材を介して載置してもよい。
【0082】
また上記実施形態及び変形例の包装箱1は、箱本体2が正面板7及び背面板8により筒状に形成されている。一変形例の包装箱として、図示は省略するが、箱本体2は、例えば正面板7及び背面板8に加えて左右の側面板により角張った筒状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 包装箱
2 箱本体
3 支持手段
4 蓋板
5 ヘッダー板
7 正面板
8 背面板
10 支持板
11 補助板
12 差込片
13 係合片
22 第一窓孔
23 第二窓孔
24 第一開口縁
25 第二開口縁
29 ヘッダー部
41 切込み又は切欠き
42 隙間
110 補助板の第一部分
111 補助板の第二部分
240 第一開口縁の下端縁
250 第二開口縁の下端縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16