(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097084
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】通信システム、管理サーバ、通信制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/1008 20220101AFI20230630BHJP
H04L 47/125 20220101ALI20230630BHJP
H04L 67/563 20220101ALI20230630BHJP
G06F 9/50 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
H04L67/1008
H04L47/125
H04L67/563
G06F9/50 150D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213235
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹村 和将
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA11
5K030HD06
5K030JA11
5K030LB05
5K030LE03
(57)【要約】
【課題】ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置等から利用する通信システムにおいて、ユーザの増加に効率的に対応できるようにする。
【解決手段】通信システムは、ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置から、前記ローカルネットワーク内の通信装置を介して利用する通信システムであって、前記端末装置から、前記サービスの利用要求を受け付ける受付部と、前記利用要求に応じて、前記サービスに対応する複数の通信装置のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択部と、前記端末装置と前記一の通信装置とに、前記外部ネットワーク上のリレーサーバへの接続を指示する通信制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置から、前記ローカルネットワーク内の通信装置を介して利用する通信システムであって、
前記端末装置から、前記サービスの利用要求を受け付ける受付部と、
前記利用要求に応じて、前記サービスに対応する複数の通信装置のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択部と、
前記端末装置と前記一の通信装置とに、前記外部ネットワーク上のリレーサーバへの接続を指示する通信制御部と、
を有する、通信システム。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記端末装置と前記一の通信装置とに識別情報を通知し、
前記リレーサーバは、前記識別情報を用いて前記リレーサーバに接続する前記端末装置と前記一の通信装置との間の通信を中継し、
前記通信装置は、前記リレーサーバと前記サービスとの間の通信を中継する、
請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記外部ネットワークに接続され、前記受付部、前記選択部、及び前記通信制御部を有する管理サーバと、
前記ローカルネットワークに接続する前記複数の通信装置と、
前記外部ネットワークに接続する前記リレーサーバと、
を含む、請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記選択部は、前記複数の通信装置の各々が使用している、又は使用可能なリソースの情報に基づいて、前記一の通信装置を選択する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記リソースの情報は、前記通信装置の通信帯域、前記通信装置が確立しているセッションの数、前記通信装置のプロセッサの使用率、及び前記通信装置のメモリの使用率のうち、1つ以上の情報を含む、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記選択部は、前記複数の通信装置の各々が確立しているセッションの利用用途に応じた重みの合計に基づいて、前記一の通信装置を選択する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記サービスに対応する複数の通信装置をグループとして登録する設定画面を、情報端末に提供する設定管理部を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項8】
ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置から、前記ローカルネットワーク内の通信装置を介して利用する通信を管理する管理サーバであって、
前記端末装置から、前記サービスの利用要求を受け付ける受付部と、
前記利用要求に応じて、前記サービスに対応する複数の通信装置のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択部と、
前記端末装置と前記一の通信装置とに、前記外部ネットワーク上のリレーサーバへの接続を指示する通信制御部と、
を有する、管理サーバ。
【請求項9】
ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置から、前記ローカルネットワーク内の通信装置を介して利用する通信を制御するコンピュータが、
前記端末装置から、前記サービスの利用要求を受け付ける受付処理と、
前記利用要求に応じて、前記サービスに対応する複数の通信装置のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択処理と、
前記端末装置と前記一の通信装置とに、前記外部ネットワーク上のリレーサーバへの接続を指示する通信制御処理と、
を実行する、通信制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の通信制御方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、管理サーバ、通信制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方改革及び在宅勤務の普及等により、ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置等から利用するリモートアクセスのニーズが高まっている。
【0003】
例えば、リモート接続を行うための仮想デスクトップ管理装置と、仮想化サーバと、ネットワーク処理装置と、1つ以上のシンクライアント端末とから構成される仮想デスクトップシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の通信システムでは、所定のセッション数以上のリモートアクセスの利用を制限することにより品質を維持することができるが、一方で、所定のセッション数を超えるユーザが利用する場合に、効率的に対応できないという問題がある。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置等から利用する通信システムにおいて、ユーザの増加に効率的に対応できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る通信システムは、ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置から、前記ローカルネットワーク内の通信装置を介して利用する通信システムであって、前記端末装置から、前記サービスの利用要求を受け付ける受付部と、前記利用要求に応じて、前記サービスに対応する複数の通信装置のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択部と、前記端末装置と前記一の通信装置とに、前記外部ネットワーク上のリレーサーバへの接続を指示する通信制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、ローカルネットワーク内の情報処理装置が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置等から利用する通信システムにおいて、ユーザの増加に効率的に対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る通信管理システムの機能構成の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る管理サーバが管理する情報の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る通信装置の機能構成の例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る通信システムの処理の例を示すシーケンス図(1)である。
【
図7】一実施形態に係る通信システムの処理の例を示すシーケンス図(2)である。
【
図8】一実施形態に係る通信システムの処理の例を示すシーケンス図(3)である。
【
図9】第1の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すシーケンス図である。
【
図10】第2の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すシーケンス図である。
【
図11】第3の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】第4の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】一実施形態に係る通信装置の登録処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】一実施形態に係る登録画面の例を示す図(1)である。
【
図15】一実施形態に係る登録画面の例を示す図(2)である。
【
図16】一実施形態に係る登録画面の例を示す図(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、第1の実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。通信システム1は、例えば、インターネット等の通信ネットワークに接続するアプリサーバ11、サービスプラットフォーム12、及びリレーサーバ13と、ローカルネットワーク100に接続する複数の通信装置14a、14b、14c、・・・等を含む。なお、以下の説明において、複数の通信装置14a、14b、14c、・・・のうち、任意の通信装置を示す場合、「通信装置14」を用いる。
【0010】
通信ネットワークは、例えば、インターネット及び移動体通信網等のWAN(Wide Area Network)、及びローカルネットワーク100以外のLAN(Local Area Network)等を含む様々なネットワークを含む。例えば、通信ネットワークには、有線通信に限られず、例えば、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、又はLTE(Long Term Evolution)等の無線通信によるネットワークが含まれていてもよい。
【0011】
また、通信システム1は、ローカルネットワーク100の外部のネットワーク(以下、外部ネットワークと呼ぶ)に接続する端末装置111、及び管理端末15等を含む。
図1の例では、端末装置111は、外部ネットワークの一例であるリモートネットワーク110に接続している。
【0012】
リモートネットワーク110は、例えば、自宅又はリモートオフィス等に設けられ、インターネット等の通信ネットワークに接続可能なLAN、又はプライベートネットワーク等である。なお、端末装置111は、リモートネットワーク110に限られず、例えば、外出先等から、WAN、又は公衆無線LAN等を利用して、インターネット等の通信ネットワークに接続しているものであってもよい。ここでは、一例として、端末装置111が、リモートオフィス等に設けられたリモートネットワーク110に接続されており、また、通信ネットワークがインターネットであるものとして、以下の説明を行う。
【0013】
通信システム1は、外部ネットワークに接続する端末装置111等から、ローカルネットワーク100に接続する情報処理装置102、又は画像形成装置103等の情報処理装置が提供するサービスを利用するためのシステムである。
【0014】
端末装置111は、利用者が利用する、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、又はスマートフォン等のウェブブラウザの機能を備えたコンピュータである。端末装置111は、リモートネットワーク110、及び通信ネットワークを介して、アプリサーバ11、及びリレーサーバ13等にアクセス可能である。
【0015】
ローカルネットワーク100は、例えば、ファイアウォール等により、外部ネットワークからのアクセスが制限された、例えば、企業、教育機関、又は医療機関等のネットワークである。一方、ローカルネットワーク100内の通信装置14等から、外部ネットワーク上のリレーサーバ13、及びサービスプラットフォーム12等へのアクセスは許可されているものとする。
【0016】
図1の例では、ローカルネットワーク100は、第1のローカルネットワーク100aと、第2のローカルネットワーク100bとを含む。第1のローカルネットワーク100aには、一例として、通信装置14a、14b、情報処理装置102a、102b、及び画像形成装置103等が接続している。また、第2のローカルネットワーク100bには、一例として、通信装置14c、及び情報処理装置102c、102dが接続している。なお、以下の説明において、情報処理装置102a~102dのうち、任意の情報処理装置を示す場合、「情報処理装置102」を用いる。
【0017】
図1において、サービスプラットフォーム12と通信装置14とは、例えば、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)等の通信プロコトルで、通信可能に設定されているものとする。例えば、通信装置14は、起動時等にサービスプラットフォーム12にアクセスして、MQTTの通信を確立し、維持する。
【0018】
また、端末装置111及びリレーサーバ13等から、ローカルネットワーク100内の通信装置14、情報処理装置102、及び画像形成装置103等へのアクセスは禁止されているものとする。
【0019】
情報処理装置102は、ローカルネットワーク100に接続されたPC等のコンピュータであり、例えば、リモートデスクトップサービス等の所定のサービスを提供する。画像形成装置103は、ローカルネットワーク100に接続された電子機器であり、例えば、ファクスサービス等の所定のサービスを提供する。
【0020】
なお、情報処理装置102、及び画像形成装置103は、ローカルネットワーク100に接続され、所定のサービスを提供する情報処理装置の一例である。情報処理装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等であっても良い。また、情報処理装置は、例えば、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等であっても良い。ここでは、説明用の一例として、端末装置111を利用する利用者が、ローカルネットワーク100内の情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを利用するものとして、以下の説明を行う。
【0021】
アプリサーバ11は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。アプリサーバ11は、例えば、通信システム1を利用して、ローカルネットワーク100内の情報処理装置102、又は画像形成装置103等が提供するサービスを利用するためのウェブコンテンツを、端末装置111に提供するウェブサーバの機能を有する。また、アプリサーバ11は、例えば、通信システム1を管理する管理者(又は監査者)等が利用する情報端末である管理端末15等に、通信システム1の設定を行うためのウェブページを提供する機能を有している。
【0022】
サービスプラットフォーム12は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。サービスプラットフォーム12は、例えば、通信装置14、端末装置111、又は管理端末15等を認証する認証機能、ログを取得するログ機能、ポータル画面を提供するポータル機能、及び通信装置14を制御する制御機能等を有している。
【0023】
リレーサーバ13は、例えば、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。リレーサーバ13は、端末装置111と、通信装置14との間の通信を中継する。
【0024】
アプリサーバ11、及びサービスプラットフォーム12は、端末装置111等にリモートアクセスサービスを提供する管理サーバ10を構成している。なお、アプリサーバ11、及びサービスプラットフォーム12の機能は、1つのサーバ装置に含まれていても良いし、さらに多くのサーバ装置に分散して設けられていても良い。このように、アプリサーバ11、及びサービスプラットフォーム12は様々なシステム構成が可能なので、以下の説明では、アプリサーバ11とサービスプラットフォーム12とを特に区別せず、単に管理サーバ10と呼ぶ場合がある。
【0025】
通信装置14は、通信機能を有するコンピュータであり、管理サーバ10からの指示に従って、リレーサーバ13に接続し、リレーサーバ13とローカルネットワーク100内の情報処理装置が提供するサービスとの間の通信を中継する。
【0026】
管理端末15は、例えば、通信システム1を管理する管理者等が利用する、ウェブブラウザの機能を備えた情報端末である。管理者等は、例えば、管理端末15を用いて、管理サーバ10が提供するウェブページにアクセスし、管理サーバ10の設定を行う。
【0027】
(接続処理の概要)
上記のシステム構成において、端末装置111を利用する利用者は、例えば、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを利用する場合、ウェブブラウザ等を用いて管理サーバ10が提供する所定のウェブページにアクセスする。利用者は、このウェブページから、利用したいサービスを選択することにより、例えば、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスへの接続を要求することができる。なお、利用者は、端末装置111が備えるウェブブラウザに限られず、例えば、ウェブブラウザの機能を有する、通信システム1用のアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を利用して、所定のウェブページにアクセスしても良い。
【0028】
管理サーバ10は、端末装置111からの接続要求を受け付けると、セッションを識別する識別情報であるセッションIDを生成(発行)する。また、管理サーバ10は、生成したセッションIDを通信装置14に通知し、リレーサーバ13への接続を要求する。さらに、アプリサーバ11は、発行したセッションIDを要求元の端末装置111にも通知する。
【0029】
通信装置14は、管理サーバ10からの要求に従って、通知されたセッションIDを用いて、リレーサーバ13に接続する。例えば、通信装置14は、Web Socket over HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)(以下、WSSと呼ぶ)を利用して、リレーサーバ13とセッションを確立する。
【0030】
また、端末装置111は、管理サーバ10から通知されたセッションIDを用いて、リレーサーバ13に接続する。例えば、端末装置111は、WSSを利用して、リレーサーバ13とセッションを確立する。
【0031】
リレーサーバ13は、同じセッションID(識別情報)を用いてリレーサーバ13とセッションを確立した、端末装置111と通信装置14とを同じセッションに参加させて、端末装置111と通信装置14との間の通信を相互に中継する。例えば、リレーサーバ13は、端末装置111との通信と、通信装置14との通信とをトンネリングすることにより、端末装置111と通信装置14とを通信可能に接続する。
【0032】
上記の処理により、端末装置111は、WSSで通信装置14に接続することができる。また、通信装置14は、管理サーバ10からの指示に従って、リレーサーバ13と、情報処理装置102との間の通信を中継するので、端末装置111は、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを利用することができる。
【0033】
本実施形態に係る通信システム1では、例えば、リモートアクセスを利用する利用者が増加し、通信装置14の負荷が増大した場合、
図1に示すように、通信装置14を増設することにより、通信装置14の負荷を軽減することができる。例えば、情報処理装置102a、102bが提供するリモートデスクトップサービスを中継する通信装置14aの負荷が増大した場合、管理者等は、通信装置14bを増設することができる。
【0034】
ただし、この方法だけでは、例えば、通信装置14aに多数の端末装置111が接続し、通信装置14bに端末装置111が接続していないような状況が起こりうる。例えば、通信装置14bの許容セッション数に余裕があるにも関わらず、通信装置14aに接続が集中し、通信装置14aに登録されている他の接続先を利用できなくなる等、ユーザの増加に効率的に対応できないという問題がある。
【0035】
そこで、本実施形態では、例えば、情報処理装置102aが提供するリモートデスクトップサービスに対応する複数の通信装置(例えば、通信装置14a、14b)を通信装置グループ101として、管理サーバ10に予め登録する。
【0036】
また、管理サーバ10は、端末装置111から、情報処理装置102aが提供するリモートデスクトップサービスの利用要求を受け付けると、当該サービスに対応する通信装置14a、14bのうち、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択する。さらに、管理サーバ10は、選択した一の通信装置14と、端末装置111とに、リレーサーバ13への接続を指示する。
【0037】
上記の処理により、本実施形態によれば、ローカルネットワーク100内の情報処理装置102が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置111等から利用する通信システム1において、ユーザの増加に効率的に対応できるようになる。
【0038】
なお、
図1に示した通信システム1のシステム構成は一例である。例えば、
図1の例では、ローカルネットワーク100は、通信装置14を介して外部ネットワークに接続している。ただし、これは一例であり、ローカルネットワーク100は、ルータ、及びファイアウォール等を介して、外部ネットワークに接続していても良い。この場合、通信装置14は、ルータ、及びファイアウォールを介して、サービスプラットフォーム12、及びリレーサーバと通信する。
【0039】
また、通信装置14は、通信機能を有し、所定のプログラムを実行するサーバ装置等であっても良い。
【0040】
<ハードウェア構成>
端末装置111、情報処理装置102、及び管理端末15等は、例えば、
図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有している。また、アプリサーバ11、サービスプラットフォーム12、リレーサーバ13、及び管理サーバ10等は、1つ以上のコンピュータ200によって実現される。
【0041】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、
図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HD(Hard Disk)204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ206、外部機器接続I/F(Interface)207、1つ以上のネットワークI/F208、キーボード209、ポインティングデバイス210、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ212、メディアI/F214、及びバスライン215等を備えている。
【0042】
これらのうち、CPU201は、コンピュータ200全体の動作を制御するプロセッサである。ROM202は、例えば、IPL(Initial Program Loader)等のコンピュータ200の起動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、例えば、CPU201のワークエリア等として使用される。HD204は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーション、デバイスドライバ等のプログラムや、各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、例えば、CPU201の制御に従ってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0043】
ディスプレイ206は、例えば、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。なお、ディスプレイ206は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。外部機器接続I/F207は、コンピュータ200に、外部装置を接続するためのインタフェースである。1つ以上のネットワークI/F208は、例えば、通信ネットワーク、ローカルネットワーク100、又はリモートネットワーク110等を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。
【0044】
キーボード209は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス210は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行なう入力手段の一種である。なお、キーボード209、及びポインティングデバイス210は、コンピュータ200の外部に設けられていても良い。
【0045】
DVD-RWドライブ212は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW211に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RW211は、DVD-RWに限らず、DVD-R等であっても良い。メディアI/F214は、フラッシュメモリ等のメディア213に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン215は、上記の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス及び各種の制御信号等を含む。
【0046】
なお、
図2に示すコンピュータ200の構成は一例である。コンピュータ200は、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、ネットワークI/F208、及びバスライン215を有していれば、他は任意の構成であって良い。また、画像形成装置103等の電子機器は、通信機能と、コンピュータの構成を備えていれば良く、他のハードウェアは任意の構成であって良い。
【0047】
<機能構成>
続いて、通信システム1に関連する各装置の機能構成について説明する。なお、管理端末15は、ウェブブラウザの機能を有する一般的なコンピュータなので、ここでは説明を省略する。
【0048】
図3は、一実施形態に係る通信システム1の機能構成の例を示す図である。ここでは、通信装置14a、14bが、ローカルネットワーク100内の第1のローカルネットワーク100aに接続されており、管理サーバ10、リレーサーバ13、及び端末装置111が、外部ネットワークの一例である通信ネットワーク300に接続しているものとして以下の説明を行う。なお通信ネットワーク300には、例えば、リモートネットワーク110、インターネット、無線WAN、及びLAN等の様々なネットワークが含まれ得る。
【0049】
(管理サーバの機能構成)
管理サーバ10は、例えば、1つ以上のコンピュータ200が所定のプログラムを実行することにより、通信部301、受付部302、選択部303、通信制御部304、設定管理部305、及び記憶部306等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0050】
通信部301は、ネットワークI/F208等を用いて、管理サーバ10を通信ネットワーク300に接続し、例えば、通信装置14、リレーサーバ13、端末装置111、又は管理端末15等と通信する通信処理を実行する。
【0051】
受付部302は、例えば、端末装置111から、情報処理装置102(又は画像形成装置103)等が提供するサービスの利用を要求する利用要求を受け付ける受付処理を実行する。
【0052】
選択部303は、受付部302が受け付けた利用要求に応じて、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14(例えば、通信装置14a、14b)のうち、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択処理を実行する。
【0053】
好ましくは、選択部303は、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14の各々が使用している、又は使用可能なリソースの情報に基づいて、一の通信装置を選択する。
【0054】
通信制御部304は、利用要求を送信した端末装置111と、選択部303が選択した一の通信装置とに、リレーサーバ13への接続を指示する通信制御処理を実行する。例えば、通信制御部304は、セッションを識別する識別情報(以下、セッションIDと呼ぶ)を含むリレーサーバ13への接続指示を、一の通信装置14、及び端末装置111に送信する。
【0055】
設定管理部305は、通信システム1の設定を管理する設定画面を表示するウェブページ、又はウェブAPI(Application Programming Interface)等を管理端末15等に提供し、設定された情報を管理する設定管理処理を実行する。例えば、設定管理部305は、記憶部306等に、装置リスト311、グループリスト312、接続先リスト313、及びユーザリスト314等を記憶して、管理する。
【0056】
図4(A)は、設定管理部305が管理する装置リスト311の一例のイメージを示している。装置リスト311には、通信システム1に登録されている通信装置14を識別する識別情報である装置IDと、各通信装置14の表示名等の情報である装置情報とが対応付けて登録されている。なお、装置リスト311には、例えば、管理サーバ10にMQTTの接続を要求する通信装置14を認証するための認証情報等が、さらに登録されていてもよい。
【0057】
図4(B)は、設定管理部305が管理するグループリスト312の一例のイメージを示している。
図4(B)の例では、グループリスト312には、項目として、「グループID」、「グループ情報」、「選択方法」、及び「通信装置」等の情報が登録されている。
【0058】
「グループID」は、情報処理装置102が提供するサービスに対応する通信装置14のグループである通信装置グループ101を識別する識別情報である。「グループ情報」は、通信装置グループ101の表示名等の情報である。「選択方法」は、選択部303が、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14から、他の通信装置より負荷が低い一の通信装置を選択する選択方法を指定する情報である。「通信装置」は、通信装置グループ101に登録されている通信装置14の装置IDのリストである。
【0059】
図4(C)は、設定管理部305が管理する接続先リスト313の一例のイメージを示している。
図4(C)の例では、接続先リスト313には、項目として、「接続先ID」、「サービス種別」、「サービス情報」、「宛先情報」、「グループID」、「状態」、「利用者」、「利用している通信装置」、及び「最終利用日時」等の情報が登録されている。
【0060】
「接続先ID」は、ローカルネットワーク内でサービスを提供する情報処理装置102、又は画像形成装置103等の情報処理装置(接続先)を識別する識別情報である。「サービス種別」は、情報処理装置(接続先)が提供するサービスの種別を示す情報である。例えば、サービス種別「RDP(Remote Desktop Protocol)」は、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを示し、サービス種別「FAX」は、画像形成装置103が提供するFAXサービスを示している。「サービス情報」は、各サービスの表示名等を示す情報である。「宛先情報」は、サービスを提供する情報処理装置102、又は画像形成装置103等のサービスを提供する情報処理装置に接続するためのIP(Internet Protocol)アドレス、又はURL(Uniform Resource Locator)等の情報である。
【0061】
「グループID」は、サービスに対応する通信装置グループ101を識別するグループIDである。「状態」は、サービスの状態(利用可、利用中等)を示す情報である。「利用者」は、サービスを利用している利用者の名前等の情報である。「利用している通信装置」は、サービスが利用中の通信装置14を識別する装置IDである。「最終利用日時」は、サービスが最後に利用された日時等を示す情報である。
【0062】
ここで、
図3に戻り、管理サーバ10の機能構成の説明を続ける。記憶部306は、例えば、CPU201が実行するプログラム、HD204、及びHDDコントローラ205等によって実現され、例えば、装置リスト311、グループリスト312、接続先リスト313、及びユーザリスト314等の様々な情報を記憶する。なお、ユーザリスト314には、例えば、通信システム1に登録されている利用者、又は管理者等のユーザID、認証情報、表示名等が予め登録されているものとする。
【0063】
(リレーサーバの機能構成)
リレーサーバ13は、例えば、1つ以上のコンピュータ200が所定のプログラムを実行することにより、通信部321、接続管理部322、及び転送部323等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0064】
通信部321は、例えば、ネットワークI/F208等を用いて、リレーサーバ13を通信ネットワーク300に接続し、端末装置111、通信装置14、及び管理サーバ10等と通信する通信処理を実行する。
【0065】
接続管理部322は、リレーサーバ13への接続を要求する端末装置111、及び通信装置14等のリレーサーバ13への接続を管理する接続管理処理を実行する。例えば、接続管理部322は、同じセッションIDを用いてリレーサーバ13に接続を要求する端末装置111と、通信装置14とを同じセッションに参加させる。
【0066】
転送部323は、同じセッションに参加する端末装置111と、通信装置14との間の通信を転送(中継)する転送処理を実行する。例えば、転送部323は、端末装置111が送信したデータを通信装置14に転送し、通信装置14が送信したデータを端末装置111に転送する。
【0067】
(端末装置の機能構成)
端末装置111は、例えば、CPU201で所定のプログラムを実行することにより、通信部331、接続部332、表示制御部333、操作受付部334、及び記憶部335等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0068】
通信部331は、例えば、ネットワークI/F208を用いて端末装置111を通信ネットワーク300に接続し、管理サーバ10、及びリレーサーバ13等と通信する通信処理を実行する。
【0069】
接続部332は、例えば、管理サーバ10から通知されるセッションID(識別情報)を用いて、リレーサーバ13と接続し、セッションを確立する接続処理を実行する。
【0070】
表示制御部333は、管理サーバ10、又は通信装置14等から送信される表示画面(Web UI、HTML画面等)を、ディスプレイ206等の表示部に表示する表示制御処理を実行する。また、表示制御部333は、表示画面に音声データ等が含まれている場合、音声の再生等も制御する。
【0071】
操作受付部334は、表示制御部333が表示する表示画面に対する、利用者(又は管理者)等による操作を受け付ける。
【0072】
記憶部335は、例えば、CPU201で実行されるプログラム、HD204、及びHDDコントローラ205等によって実現され、様々な情報又はデータ等を記憶する。
【0073】
(通信装置の機能構成)
図5は、一実施形態に係る通信装置の機能構成の例を示す図である。通信装置14は、例えば、CPU201が所定のプログラムを実行することにより、通信部501、中継部502、変換部503、及び装置制御部504、及び記憶部505等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0074】
通信部501は、例えば、ネットワークI/F208を用いて、通信装置14をローカルネットワーク100等に接続し、他の装置と通信する通信処理を実行する。
【0075】
中継部502は、管理サーバ10からの指示に従って、ローカルネットワーク100内からリレーサーバ13に接続し、リレーサーバ13と、ローカルネットワーク100内でサービスを提供する情報処理装置との間の通信を中継する中継処理を実行する。
【0076】
変換部503は、リレーサーバ13との間でデータを送受信するプロトコルと、サービスを提供する情報処理等との間でデータを送受信するプロトコルが異なる場合、相互にプロトコルを変換する変換処理を実行する。例えば、変換部503は、端末装置111がデータの送受信に用いるWSSプロトコルと、サービスを提供する情報処理装置102がデータの送受信に用いるRDPプロトコルとを相互に変換する。なお、変換部503は、リレーサーバ13が有していてもよい。
【0077】
装置制御部504は、例えば、起動時に、管理サーバ10に対して、MQTTプロトコル等による接続を要求して通信を確立し、管理サーバ10と通信可能な状態を維持する装置制御処理を実行する。また、装置制御部504は、管理サーバ10からの要求に応じて、例えば、通信装置14が利用可能な通信帯域、又はCPU、メモリ等のリソースの使用率等を計測して、計測結果を管理サーバ10に送信する機能も有している。
【0078】
記憶部505は、例えば、CPU201が実行するプログラム、HD204、及びHDDコントローラ205等によって実現され、通信装置14の設定情報等の様々な情報を記憶する。
【0079】
なお、
図3に示した通信システム1の機能構成は一例である。例えば、管理サーバ10が有する機能構成は、複数のサーバ装置に分散して設けられていても良い。また、リレーサーバ13が有する機能構成のうち、少なくとも一部は、管理サーバ10が有していてもよい。同様に、管理サーバ10が有する機能構成のうち、少なくとも一部は、リレーサーバ13が有していてもよい。
【0080】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る通信制御方法の処理の流れについて説明する。
【0081】
(通信システムの処理)
図6~8は、一実施形態に係る通信システムの処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、端末装置111から、ローカルネットワーク100内の情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを利用する際に、通信システム1が実行する処理の一例を示している。なお、
図6に示す処理の開始時点において、端末装置111は、管理サーバ10にログイン済であるものとする。
【0082】
ステップS601において、利用者Aが、端末装置111に対してポータル画面の表示操作を行うと、通信システム1は、ステップS602以降の処理を実行する。
【0083】
ステップS602において、端末装置111の操作受付部334は、利用者Aによるポータル画面の表示操作を受け付けると、管理サーバ10に、ポータル画面の表示を要求する。
【0084】
ステップS603において、管理サーバ10の受付部302は、端末装置111からの要求に応じて、ポータル画面を端末装置111に送信する。これにより、ステップS604において、端末装置111の表示制御部333は、ポータル画面を表示する。
【0085】
ステップS605において、利用者Aが、ポータル画面から、リモートデスクトップ接続(以下、RDP接続と呼ぶ)を選択すると、通信システム1は、ステップS1506以降の処理を実行する。
【0086】
ステップS606において、端末装置111の操作受付部334は、管理サーバ10に、RDP接続用のログイン画面を要求する。
【0087】
ステップS607において、管理サーバ10の受付部302は、端末装置111からの要求に応じて、RDP接続用のログイン画面を端末装置111に送信する。これにより、ステップS608において、端末装置111の表示制御部333は、RDP接続用のログイン情報(以下、PCログイン情報と呼ぶ)を入力するログイン画面を表示する。
【0088】
ステップS609において、利用者Aが、ログイン画面に、PCログイン情報を入力すると、通信システム1は、ステップS610以降の処理を実行する。
【0089】
ステップS610において、端末装置111の操作受付部334は、利用者AによるPCログイン情報(例えば、ユーザ名、パスワード、及びドメイン等)の入力を受け付けると、受け付けたPCログイン情報を含むRDP接続要求を、管理サーバ10に送信する。
【0090】
ステップS611において、管理サーバ10の選択部303は、接続先のリモートデスクトップサービスに対応する通信装置グループを取得する。例えば、選択部303は、
図4(C)に示すような接続先リスト313を用いて、接続先のサービスが「利用者AのPC」へのRDP接続である場合、グループID「BoxGroup_A」を取得する。
【0091】
ステップS612において、選択部303は、取得した通信装置グループに含まれる複数の通信装置14a(端末ID「Box_A01」)と、通信装置14b(端末ID「Box_A02」)とから、より負荷が低い一の通信装置14を選択する通信装置の選択処理を実行する。
【0092】
例えば、選択部303は、
図4(B)に示すようなグループリスト312から、グループID「BoxGroup_A」に登録されている通信装置14の装置ID「Box_A01」、「Box_A02」を取得する。また、選択部303は、
図4(A)に示すような装置リスト311から、装置ID「Box_A01」に対応する通信装置「通信装置_ネットワーク系統A_1台目」(以下、通信装置14aと呼ぶ)の情報を取得する。同様に、選択部303は、装置リスト311から、装置ID「Box_A02」に対応する通信装置「通信装置_ネットワーク系統A_2台目」(以下、通信装置14bと呼ぶ)の情報を取得することができる。なお、選択部303が実行する通信装置の選択処理については、複数の実施形態を例示して後述する。
【0093】
ステップS613において、管理サーバ10の通信制御部304は、セッションを識別するセッションIDを生成する。なお、この処理は、通信制御部304が、リレーサーバ13にセッションIDの生成を要求し、リレーサーバ13がセッションIDを生成するものであってもよい。
【0094】
ステップS614において、管理サーバ10の通信制御部304は、生成したセッションIDを含むリレーサーバ13への接続指示を、ステップS612で選択した通信装置14(例えば、通信装置14a)に送信する。
【0095】
ステップS615において、通信装置14aの中継部502は、通信部501を介して、リレーサーバ13に、管理サーバ10から通知されたセッションIDを含む接続要求を送信する。
【0096】
ステップS616において、リレーサーバ13の接続管理部322は、通信装置14aと、WSSのセッションを確立する。
【0097】
ステップS617において、通信装置14aの中継部502は、リレーサーバ13に接続したことを示す接続完了通知を、管理サーバ10に通知する。
【0098】
上記の処理に続いて、
図7のステップS701において、管理サーバ10の通信制御部304は、
図6のステップS613で生成したセッションIDを含む、リレーサーバ13への接続指示を、端末装置111に送信する。
【0099】
ステップS702において、端末装置111の接続部332は、アプリサーバ11から通知されたセッションIDを含む接続要求を、通信部331を介してリレーサーバ13に送信する。
【0100】
ステップS703において、リレーサーバ13の接続管理部322は、端末装置111と、WSSのセッションを確立する。これにより、端末装置111と、通信装置14aは、リレーサーバ13が提供する同じセッションに参加し、WSSで互いにデータを送受信することができるようになる。
【0101】
ステップS704、S705において、端末装置111は、例えば、
図6のステップS609で受け付けたPCログイン情報を、リレーサーバ13を介して、通信装置14aに送信する。
【0102】
ステップS706において、通信装置14aの変換部503は、端末装置111から受け付けたPCログイン情報を、RDP形式のPCログイン情報にプロトコル変換する。
【0103】
ステップS707において、通信装置14の変換部503は、RDP形式に変換したPCログイン情報を、情報処理装置102に送信する。なお、ここでは、端末装置111の利用者が、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスの正当なユーザであり、ログインに成功するものとする。
【0104】
ステップS1708において、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスは、ログインに成功したことを示す情報、及びリモートデスクトップ画面等を、RDP形式で通信装置14aに送信する。
【0105】
ステップS709において、通信装置14aの中継部502は、接続に成功したことを示す接続成功通知を、管理サーバ10に送信する。
【0106】
ステップS710において、管理サーバ10の設定管理部305は、通信装置14aから受け付けた接続成功通知に基づいて、
図4(C)に示すような接続先リスト313を更新する。例えば、設定管理部305は、接続先リスト313において、接続先ID「Dest01」に対応する、「状態」を利用中に、「利用者」を利用者Aに、「利用している通信装置」を通信装置14aに、「最終利用日時」を現在の日時に更新する。
【0107】
ステップS711において、通信装置14aの変換部503は、情報処理装置102から受信したリモートデスクトップ画面を、端末装置111が表示可能な形式の画像データに変換する。
【0108】
ステップS712、S713において、通信装置14aの中継部502は、変換部503が変換した画像データを、リレーサーバ13を介して端末装置111に送信する。
【0109】
上記の処理により、ステップS714において、利用者Aは、例えば、端末装置111のウェブブラウザ等を利用して、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスを利用することができるようになる。
【0110】
上記の処理の後に、例えば、
図8のステップS801において、利用者が、リモートデスクトップサービスのログアウト操作を行うと、通信システム1は、ステップS802以降の処理を実行する。
【0111】
ステップS802、S803において、端末装置111は、利用者によるログアウト操作のデータを、リレーサーバ13を介して通信装置14aに送信する。
【0112】
ステップS804、S805において、通信装置14aの変換部503は、端末装置111から受信したログアウト操作のデータを、RDP形式のログアウト操作に変換して、情報処理装置102に送信する。
【0113】
ステップS806において、情報処理装置102が提供するリモートデスクトップサービスは、ログアウトに成功したことを示す情報を、通信装置14aに送信する。
【0114】
ステップS807において、通信装置14aの中継部502は、ログアウトに成功したことを示すログアウト成功通知を、管理サーバ10に送信する。
【0115】
ステップS808において、管理サーバ10の設定管理部305は、通信装置14aから受け付けたログアウト成功通知に基づいて、
図4(C)に示すような接続先リスト313を更新する。例えば、設定管理部305は、接続先リスト313において、接続先ID「Dest01」に対応する、「状態」を利用可に更新し、「利用者」、「利用している通信装置」の情報を削除し、「最終利用日時」を現在の日時に更新する。
【0116】
ステップS809において、通信装置14aの変換部503は、情報処理装置102から受信したログアウトに成功したことを示す情報を、必要に応じて、所定の形式に変換する。
【0117】
ステップS810、S811において、通信装置14aの中継部502は、ログアウトに成功したことを示す情報を、リレーサーバ13を介して端末装置111に送信する。
【0118】
ステップS812において、端末装置111の接続部332は、リレーサーバ13に、セッションの切断を要求する。
【0119】
ステップS813、S814において、リレーサーバ13の接続管理部322は、通信装置14aとのセッションを切断する。また、ステップS815において、接続管理部322は、端末装置111とのセッションを切断する。
【0120】
ステップS816において、端末装置111の表示制御部333は、例えば、ログアウトが完了したことを示す画面を表示する。
【0121】
上記の処理により、本実施形態に係る通信システム1は、端末装置111が、情報処理装置102が提供リモートデスクトップサービスを利用するときに、当該サービスに対応する通信装置14a、14bのうち、より負荷低い通信装置14を利用する。
【0122】
なお、
図6~7では、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14の数が2台である場合の処理の例について説明したが、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14の数は、3台以上の他の数であってよい。
【0123】
(通信装置の選択処理)
[第1の実施形態]
図9は、第1の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、
図6のステップS612において、通信システム1が実行する通信装置の選択処理の一例を示している。なお、ここでは、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、通信装置14a、14bであるものとして、以下の説明を行う。
【0124】
ステップS901において、管理サーバ10の選択部303は、通信装置14aに対して、通信帯域の計測要求を送信する。
【0125】
ステップS902、S903において、通信装置14aの装置制御部504は、例えば、通信装置14aが利用可能な通信帯域を計測し、計測結果を管理サーバ10に送信する。
【0126】
ステップS904において、管理サーバ10の選択部303は、通信装置14bに対して、通信帯域の計測要求を送信する。
【0127】
ステップS905、S906において、通信装置14bの装置制御部504は、例えば、通信装置14bが利用可能な通信帯域を計測し、計測結果を管理サーバ10に送信する。なお、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、3台以上ある場合、選択部303は、3台以上ある通信装置14の各々に対して、例えば、ステップS901~S903と同様の処理を実行する。
【0128】
ステップS907において、選択部303は、通信装置14a、14bのうち、最も通信帯域に余裕がある通信装置14を選択する。
【0129】
このように、選択部303は、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する複数の通信装置14の中から、各通信装置14が利用可能な通信帯域に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0130】
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、
図6のステップS612において、通信システム1が実行する通信装置の選択処理の別の一例を示している。なお、ここでは、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、通信装置14a、14bであるものとして、以下の説明を行う。
【0131】
ステップS1001において、管理サーバ10の選択部303は、通信装置14aに対して、リソース使用率の計測要求を送信する。
【0132】
ステップS1002、S1003において、通信装置14aの装置制御部504は、例えば、通信装置14aのリソース使用率を計測し、計測結果を管理サーバ10に送信する。例えば、装置制御部504は、リソースの使用率として、CPUの使用率、及びメモリの使用率のうち、1つ以上の使用率を計測する。
【0133】
ステップS1004において、管理サーバ10の選択部303は、通信装置14bに対して、リソース使用率の計測要求を送信する。
【0134】
ステップS1005、S1006において、通信装置14bの装置制御部504は、例えば、通信装置14bのリソース使用率を計測し、計測結果を管理サーバ10に送信する。なお、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、3台以上ある場合、選択部303は、3台以上ある通信装置14の各々に対して、例えば、ステップS1001~S1003と同様の処理を実行する。
【0135】
ステップS1007において、選択部303は、通信装置14a、14bのうち、最もリソースの使用率が少ない通信装置14を選択する。例えば、選択部303は、通信装置14a、14bのうち、最もCPUの使用率が少ない通信装置14を選択する。或いは、選択部303は、通信装置14a、14bのうち、最もメモリの使用率が少ない通信装置14を選択してもよい。
【0136】
このように、選択部303は、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する複数の通信装置14の中から、各通信装置14のCPU使用率、又はメモリ使用率等に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0137】
なお、
図10に示す処理は一例である。例えば、リソース使用率には、通信帯域、確立しているセッションの数、又はスループット等の情報が含まれていてもよく、選択部303は、これらの情報に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0138】
[第3の実施形態]
図11は、第3の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すフローチャートである。この処理は、
図6のステップS612において、管理サーバ10の選択部303が実行する通信装置の選択処理の一例を示している。なお、ここでは、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、通信装置14a、14bであるものとして、以下の説明を行う。
【0139】
ステップS1101において、選択部303は、
図4(C)に示すような接続先リスト313を用いて、「利用している通信装置」が、通信装置14aの装置ID「Box_A01」となっているセッションの数を取得する。
【0140】
ステップS1102において、選択部303は、
図4(C)に示すような接続先リスト313を用いて、「利用している通信装置」が、通信装置14bの装置ID「Box_A02」となっているセッションの数を取得する。なお、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、3台以上ある場合、選択部303は、3台以上ある通信装置14の各々に対して、例えば、ステップS1101と同様の処理を実行する。
【0141】
ステップS1103において、選択部303は、複数の通信装置14a、14bのうち、利用中のセッションの数が最も少ない通信装置14を選択する。
【0142】
このように、選択部303は、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する複数の通信装置14の中から、各通信装置14の利用中のセッションの数に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0143】
なお、第1~3の実施形態は、任意の組合せが可能である。例えば、選択部303は、各通信装置14の通信帯域、リソースの使用率、及びセッション数のうち、2つ以上の値を重み付けして、加算又は減算した重み等に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0144】
[第4の実施形態]
図11は、第4の実施形態に係る通信装置の選択処理の例を示すフローチャートである。この処理は、
図6のステップS612において、管理サーバ10の選択部303が実行する通信装置の選択処理の別の一例を示している。なお、ここでは、端末装置111が利用を要求するサービスに対応する通信装置14が、通信装置14a、14bであるものとして、以下の説明を行う。
【0145】
第4の実施形態では、サービス種別に応じた重みを通信装置14に加算する(
図12の例では、サービス種別「RDP」の重みを「5」とし、サービス種別「FAX」の重みを「2」としている。ただし、これは一例であり、サービス種別に応じた重みは、他の値であってもよい。
【0146】
ステップS1201において、選択部303は、
図4(C)に示すような接続先リスト313を用いて、「利用している通信装置」が、通信装置14aの装置ID「Box_A01」となっている接続先の一覧(例えば、接続先IDの一覧)を取得する。
【0147】
ステップS1202において、選択部303は、取得した接続先の一覧の各接続先に対して、ステップS1203~S1206の処理を実行する。
【0148】
ステップS1203において、選択部303は、接続先リスト313を参照して、接続先IDに対応するサービス種別が「RDP」であるか否かを判断する。サービス種別がRDPである場合、選択部303は、処理をステップS1204に移行させる。一方、サービス種別がRDPでない場合、選択部303は、処理をステップS1205に移行させる。
【0149】
ステップS1204に移行すると、選択部303は、装置ID「Box_A01」の通信装置14aの重みに「5」を加算する。
【0150】
一方、ステップS1203からステップS1205に移行すると、選択部303は、接続先リスト313を参照して、接続先IDに対応するサービス種別が「FAX」であるか否かを判断する。サービス種別がFAXである場合、選択部303は、処理をステップS1206に移行させる。一方、サービス種別がRDPでない場合、選択部303は、ステップS1203~S1206の処理を終了する。
【0151】
ステップS1206に移行すると、選択部303は、装置ID「Box_A01」の通信装置14aの重みに「2」を加算する。
【0152】
選択部303は、上記のステップS1203~S1206の処理を、ステップS1201で取得した接続先の一覧の各接続先に対して実行した後、処理をステップS1207に移行させる。
【0153】
ステップS1207に移行すると、選択部303は、
図4(C)に示すような接続先リスト313を用いて、「利用している通信装置」が、通信装置14bの装置ID「Box_A02」となっている接続先の一覧(例えば、接続先IDの一覧)を取得する。
【0154】
ステップS1208において、選択部303は、取得した接続先の一覧の各接続先に対して、ステップS1209~S1212の処理を実行する。
【0155】
ステップS1209において、選択部303は、接続先リスト313を参照して、接続先IDに対応するサービス種別が「RDP」であるか否かを判断する。サービス種別がRDPである場合、選択部303は、処理をステップS1210に移行させる。一方、サービス種別がRDPでない場合、選択部303は、処理をステップS1211に移行させる。
【0156】
ステップS1210に移行すると、選択部303は、装置ID「Box_A02」の通信装置14bの重みに「5」を加算する。
【0157】
一方、ステップS1209からステップS1211に移行すると、選択部303は、接続先リスト313を参照して、接続先IDに対応するサービス種別が「FAX」であるか否かを判断する。サービス種別がFAXである場合、選択部303は、処理をステップS1219に移行させる。一方、サービス種別がRDPでない場合、選択部303は、ステップS1203~S1212の処理を終了する。
【0158】
ステップS1212に移行すると、選択部303は、装置ID「Box_A02」の通信装置14bの重みに「2」を加算する。
【0159】
選択部303は、上記のステップS1209~S1212の処理を、ステップS1207で取得した接続先の一覧の各接続先に対して実行した後、処理をステップS1213に移行させる。
【0160】
ステップS1213に移行すると、選択部303は、通信装置14a、14bのうち、最も重みが少ない通信装置14を選択する。
【0161】
このように、選択部303は、複数の通信装置14a、14bの各々が確立しているセッションの利用用途に応じた重みの合計に基づいて、他の通信装置14より負荷が低い一の通信装置14を選択してもよい。
【0162】
[その他の実施形態]
第1~4の実施形態に示した通信装置の選択処理は一例である。例えば、選択部303は、受付部302が受け付けた利用要求に応じて、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14(例えば、通信装置14a、14b)の中から、一の通信装置を、所定の順番で順次に選択してもよい。或いは、選択部303は、受付部302が受け付けた利用要求に応じて、要求されたサービスに対応する複数の通信装置14(例えば、通信装置14a、14b)の中から、一の通信装置をランダムに選択してもよい。
【0163】
(通信装置の登録処理)
続いて、本実施形態に係る通信装置14の登録処理について説明する。
【0164】
図13は、一実施形態に係る通信装置の登録処理の例を示すフローチャートである。この処理は、通信システム1に、例えば、
図1に示すような通信装置グループ101を登録する処理の例を示している。
【0165】
ステップS1301において、管理サーバ10の設定管理部305は、
図4(A)に示すような、装置リスト311に、装置ID「Box_A01」の通信装置14aを登録する。例えば、設定管理部305は、管理端末15に、通信装置14の登録画面を表示して、管理者等によって入力された装置ID「Box_A01」と、装置情報「通信装置_ネットワーク系統A_1台目」等を、装置リスト311に登録する。
【0166】
ステップS1302において、設定管理部305は、
図4(A)に示すような、装置リスト311に、装置ID「Box_A02」の通信装置14bを登録する。例えば、設定管理部305は、管理端末15に、通信装置14の登録画面を表示して、管理者等によって入力された装置ID「Box_A02」と、装置情報「通信装置_ネットワーク系統A_2台目」等を、装置リスト311に登録する。
【0167】
ステップS1303において、設定管理部305は、
図4(B)に示すような、グループリスト312に、通信装置14aと、通信装置14bとを含む通信装置グループ101を登録する。例えば、設定管理部305は、
図14に示すような、通信装置グループの登録画面1400を管理端末15に表示させ、管理者等による登録操作を受け付ける。
【0168】
図14の例では、通信装置グループの登録画面1400には、グループIDの入力欄1401、セキュアボックス(通信装置14)の選択方式を選択するプルダウンメニュー1402、及び追加するセキュアボックスの選択欄1403等が表示されている。
【0169】
管理者等は、グループIDの入力欄1401に、新たに登録する通信装置グループ101のグループIDを入力する。また、管理者等は、セキュアボックス(通信装置14)の選択方式を選択するプルダウンメニュー1402から、例えば、第1~4の実施形態で説明した通信装置の選択処理のうち、いずれの選択処理を実行するかを選択する。さらに、管理者等は、追加するセキュアボックスの選択欄1403から、通信装置グループ101に追加するセキュアボックス(通信装置14a、14b)を選択し、「登録」ボタン1404を選択する。これにより、設定管理部305は、
図4(B)に示すような、グループリスト312に、通信装置14aと、通信装置14bとを含む通信装置グループ101を登録することができる。
【0170】
ステップS1304において設定管理部305は、
図4(C)に示すような、接続先リスト313に、接続先ID「Dest_1」に対応するグループID「BoxGroup_A」を登録する。例えば、設定管理部305は、
図15に示すような、接続先の登録画面1500に表示させ、管理者等による登録操作を受け付ける。
【0171】
図15の例では、通信装置グループの登録画面1500には、接続先IDの入力欄1501と、宛先情報の入力欄1502と、通信装置又は通信装置グループを選択するプルダウンメニュー1503等が表示されている。
【0172】
管理者等は、接続先IDの入力欄1501に、新たに登録する接続先の接続先IDを入力する。また、管理者等は、宛先情報の入力欄1502に、接続先の情報処理装置のIPアドレス等を入力する。さらに、管理者等は、通信装置又は通信装置グループを選択するプルダウンメニュー1503から、グループID「BoxGroup_A」を選択する。例えば、管理者等が、通信装置又は通信装置グループを選択するプルダウンメニュー1503を押下すると、
図16に示すように、通信システム1に登録されている通信装置、及び通信装置グループの一覧1601が表示される。管理者等は、通信装置、及び通信装置グループの一覧1601から、グループID「BoxGroup_A」を選択し、「登録」ボタン1504を選択する。これにより、設定管理部305は、
図4(C)に示すような、接続先リスト313に、接続先ID「Dest_1」に対応するグループID「BoxGroup_A」を登録することができる。
【0173】
ステップS1304において、設定管理部305は、ステップS1304の処理と同様にして、接続先リスト313に、接続先ID「Dest_1」に対応するグループID「BoxGroup_A」を登録する。
【0174】
上記の処理により、管理サーバ10は、
図4(A)に示すような装置リスト311、
図4(B)に示すようなグループリスト312、及び接続先リスト313等を、記憶部306等に記憶して、管理することができる。
【0175】
以上、本発明の各実施形態によれば、ローカルネットワーク100内の情報処理装置102が提供するサービスを、外部ネットワークに接続する端末装置111等から利用する通信システム1において、ユーザの増加に効率的に対応できるようになる。
【0176】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0177】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものに過ぎない。ある実施形態では、管理サーバ10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、リレーサーバ13は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0178】
さらに、管理サーバ10、及びリレーサーバ13は、開示された処理ステップを様々な組合せで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、管理サーバ10によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、リレーサーバ13によって実行することができる。また、リレーサーバ13、及びリレーサーバ13の各要素は、1つの装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【符号の説明】
【0179】
1 通信システム
10 管理サーバ
11 アプリサーバ
12 サービスプラットフォーム
13 リレーサーバ
14、14a、14b、14c 通信装置
102、102a、102b、102c、102d 情報処理装置
103 画像形成装置(情報処理装置の別の一例)
111 端末装置
300 通信ネットワーク(外部ネットワーク)
302 受付部
303 選択部
304 通信制御部
305 設定管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0180】