(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097210
(43)【公開日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230630BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230630BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213448
(22)【出願日】2021-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 祥平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】機器管理者が管理機器の検索に手間をかけずに管理機器の一括登録を実施可能とする情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、通信管理装置と管理機器とを有する情報処理システムであって、前記管理機器のうち登録可能な管理機器を表示して、前記管理機器の一括登録を実行するアプリケーション、を備え、前記通信管理装置は、前記管理機器の出荷時に登録された当該管理機器の識別情報と、前記管理機器から受信した当該管理機器の識別情報と、を照合して登録可能な前記管理機器か否かを判定して前記アプリケーションに通知し、前記管理機器は、前記管理機器の設置時、前記通信管理装置に対して当該管理機器の前記識別情報を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信管理装置と管理機器とを有する情報処理システムであって、
前記管理機器のうち登録可能な管理機器を表示して、前記管理機器の一括登録を実行するアプリケーション、を備え、
前記通信管理装置は、前記管理機器の出荷時に登録された当該管理機器の識別情報と、前記管理機器から受信した当該管理機器の識別情報と、を照合して登録可能な前記管理機器か否かを判定して前記アプリケーションに通知し、
前記管理機器は、前記管理機器の設置時、前記通信管理装置に対して当該管理機器の前記識別情報を送信する、情報処理システム。
【請求項2】
前記通信管理装置は、登録可能な前記管理機器と判定された場合、機器管理者の情報処理端末に対して、登録可能な前記管理機器を通知する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記管理機器は、前記通信管理装置への前記識別情報の送信をモバイル通信で実施する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記管理機器は、前記識別情報に加えて、当該管理機器の位置情報を前記通信管理装置に送信する、請求項1から3のいずれか一に記載の情報処理システム。
【請求項5】
通信管理装置で実行される情報処理方法であって、
管理機器から、当該管理機器の識別情報を受信する工程と、
管理機器の出荷時に登録された当該管理機器の識別情報と、前記管理機器から受信した識別情報と、を照合して登録可能な前記管理機器か否かを判定する工程と、
前記管理機器のうち登録可能な前記管理機器を表示して前記管理機器の一括登録を実行するアプリケーションに対して、登録可能と判定された前記管理機器を通知する工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項6】
コンピュータを、
管理機器から、当該管理機器の識別情報を受信する識別情報受信部と、
前記管理機器の出荷時に登録された当該管理機器の識別情報と、前記管理機器から受信した識別情報と、を照合して登録可能な前記管理機器か否かを判定し、前記管理機器のうち登録可能な前記管理機器を表示して前記管理機器の一括登録を実行するアプリケーションに対して、登録可能と判定された前記管理機器を通知する登録可否判定部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi-Function Printer)等のオフィス機器、産業機器、医療機器等、ネットワークにつながる様々な管理機器、ネットワークに接続できない「モノ」にセンサを取り付けて状態を監視する技術が考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、状態を監視する管理機器の一括登録では、社内LAN(Local Area Network)等のローカルネットワーク環境で機器管理者が機器登録ツールにアドレス情報(ローカルIP等)を手入力して登録可能な管理機器を検索する必要があり、管理機器の登録に手間がかかる、という課題がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、機器管理者が管理機器の検索に手間をかけずに管理機器の一括登録を実施可能とする情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信管理装置と管理機器とを有する情報処理システムであって、前記管理機器のうち登録可能な管理機器を表示して、前記管理機器の一括登録を実行するアプリケーション、を備え、前記通信管理装置は、前記管理機器の出荷時に登録された当該管理機器の識別情報と、前記管理機器から受信した当該管理機器の識別情報と、を照合して登録可能な前記管理機器か否かを判定して前記アプリケーションに通知し、前記管理機器は、前記管理機器の設置時、前記通信管理装置に対して当該管理機器の前記識別情報を送信する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、機器管理者が管理機器の検索に手間をかけずに管理機器の一括登録を実施可能とする、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する通信管理装置および情報処理装置のハードウェア構成図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する管理機器の一例であるMFPのハードウェア構成図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される画面UIの一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される画面UIの一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける管理機器の登録処理の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機器管理アプリにより表示される画面UIの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおける管理機器の登録処理の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの概要を説明するための図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図1に示すように、通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3を有する。通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
【0010】
本実施の形態にかかる情報処理システムでは、管理機器2の出荷時等に、予め、管理機器2の識別情報(例えば、MACアドレス、シリアル番号)を、通信管理装置1に登録する(ステップS11)。次に、管理機器2は、当該管理機器2の設置時に、通信管理装置1に対して、当該管理機器2の識別情報を送信する(ステップS12)。
【0011】
次に、通信管理装置1は、管理機器2の出荷時に登録した識別情報と、管理機器2から受信した識別情報と、を照合し、その管理機器2が登録可能か判定する(ステップS13)。管理機器2が登録可能な管理機器2であれば、情報処理装置3の機器管理アプリケーション(以下、機器管理アプリという。アプリケーションの一例。)は、当該機器管理アプリにより表示される画面UI上に、登録可能な管理機器2を表示する(ステップS14)。
【0012】
その後、機器管理アプリは、登録する管理機器2を選択して、当該選択した管理機器2の一括での機器登録を実施する(ステップS15)。これにより、機器管理者は管理機器2の検索のための手間をかけずに管理機器2の一括登録を実施できる。
【0013】
図2は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する通信管理装置および情報処理装置のハードウェア構成図である。ここでは、通信管理装置1(例えば、サーバ)のハードウェア構成について説明する。
【0014】
図2に示されているように、通信管理装置1は、コンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0015】
これらのうち、CPU501は、通信管理装置1全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御に従ってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。
【0016】
外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、プリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。データバス510は、
図2に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0017】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0018】
図3は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムが有する管理機器の一例であるMFPのハードウェア構成図である。
図3に示されているように、MFP(Multi-function Peripheral/Product/Printer)2は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0019】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、および、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0020】
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0021】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムおよびデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリ等として用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0022】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931およびプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0023】
MEM-C907は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出または書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0024】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0025】
さらに、エンジン制御部930は、スキャナ部931およびプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値および選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーおよびコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931またはプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれている。
【0026】
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0027】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920およびネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0028】
図4は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態では、情報処理システムは、
図4に示すように、通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3を有する。
【0029】
情報処理装置3は、通信管理装置1を利用してMFPおよびその他の機器である管理機器2を一元的に管理するアプリケーションである機器管理アプリがインストールされる。
【0030】
具体的には、機器管理アプリは、通信管理装置1を通して管理機器2を監視および制御する。また、機器管理アプリは、管理機器2のうち登録可能な管理機器2を表示して、当該管理機器の一括登録を実行するアプリケーションの一例である。
【0031】
通信管理装置1は、
図4に示すように、登録情報管理部601、機器情報管理部602、通信部603、識別情報管理部604、識別情報受信部605、および登録可否判定部606を有する。
【0032】
登録情報管理部601は、機器管理アプリケーションおよび管理機器2を登録した際の関連情報(例えば、管理機器2がどの機器管理アプリケーションの配下なのか)を管理する。
【0033】
機器情報管理部602は、管理機器2の状態等の管理情報と、管理機器2のアドレス情報を管理(記憶)する。
【0034】
通信部603は、アプリケーション(例えば、機器管理アプリ)または管理機器2と、外部ネットワークを介して通信する。
【0035】
識別情報管理部604は、管理機器2の出荷時に、情報処理システムに当該管理機器2を登録する際に利用する、管理機器2の識別情報(例えば、MACアドレス、シリアル番号)を管理(記憶)する。
【0036】
識別情報受信部605は、管理機器2の設置時に、通信部603を介して、管理機器2から、当該管理機器2の識別情報を受信する。
【0037】
登録可否判定部606は、管理機器2の出荷時に登録される識別情報(識別情報管理部604に記憶される識別情報)と、識別情報受信部605により管理機器2から受信する識別情報と、を照合して、登録可能な管理機器2か否かを判定する。そして、登録可否判定部606は、管理機器2のうち登録可能な管理機器2を機器管理アプリに通知する。
【0038】
管理機器2は、IoTで接続するネットワーク機能を備えた様々な機器(例えば、MFP)である。管理機器2は、
図4に示すように、通信部611、機器情報送信部612、および識別情報送信部613を有する。
【0039】
通信部611は、通信管理装置1と外部ネットワークを介して通信する。
【0040】
機器情報送信部612は、通信部611を介して、管理機器2自身の機器情報を通信管理装置1に送信する。
【0041】
識別情報送信部613は、通信部611を介して、管理機器2自身の識別情報を通信管理装置1に送信する。
【0042】
図5および
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される画面UIの一例を説明するための図である。本実施の形態では、情報処理装置3の機器管理アプリは、
図5に示すように、ログインユーザが管理機器2を登録可能なユーザである場合、管理機器2の一覧を含む機器一覧画面G1を表示する。機器一覧画面G1は、機器登録ボタンB1を含んでいても良い。
【0043】
ログインユーザによって、機器登録ボタンB1がクリックされると、機器管理アプリは、
図6に示すように、機器登録ダイアログG2を表示する。機器登録ダイアログG2には、管理機器2のうち、登録可能な管理機器2の識別情報(例えば、IPアドレス、モデル名、シリアル番号)、および当該登録可能な管理機器2にインストール可能なパッケージ(例えば、デバイスライセンスパッケージA(50)、デバイスライセンスパッケージB(10))が表示される。ここで、パッケージは、管理機器2のセットアップの際にインストールするアプリケーションおよび設定情報の集まり等である。
【0044】
ログインユーザは、機器登録ダイアログG2においてパッケージを選択した上で、管理機器2の登録およびセットアップを実施することもできるが、どのアプリケーションをインストールすべきか分からない場合は、簡単登録セットアップボタンB2をクリックしてインストールが推奨されるパッケージを自動でインストールすることも可能である。
【0045】
図7は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける管理機器の登録処理の一例を説明するための図である。本実施の形態では、通信管理装置1の識別情報管理部604が、管理機器2の出荷時等に、予め、管理機器2の識別情報を、通信管理装置1に登録する(ステップS11)。次に、管理機器2の識別情報送信部613は、当該管理機器2の設置時に、通信管理装置1に対して、当該管理機器2の識別情報を送信する(ステップS12)。その際、ファイアウォール等のネットワークセキュリティの関係で、管理機器2から通信管理装置1への通信が難しく、識別情報送信部613が、通信管理装置1に対して識別情報を送信できない場合が考えられる。
【0046】
したがって、識別情報送信部613は、5G,4G,3G等のモバイル通信によって、管理機器2の識別情報を通信管理装置1に対して送信しても良い。これにより、ファイアウォール等のネットワークセキュリティの関係で、管理機器2から通信管理装置1への通信が難しい環境でも、管理機器2から通信管理装置1に識別情報を送信できる。
【0047】
また、管理機器2の識別情報送信部613は、管理機器2の設置時に、識別情報だけでなく、管理機器2の設置場所の情報(位置情報)を通信管理装置1に送信することも可能である。これにより、複数の拠点の管理機器2を管理している機器管理者が、管理機器2の設置場所を参考にして、管理機器2のセットアップ時にインストールするアプリケーションおよび設定情報を決定することができる。例えば、識別情報送信部613は、GPS(Global Positioning System)等により取得される管理機器2の位置情報を通信管理装置1に送信しても良い。
【0048】
次に、通信管理装置1の登録可否判定部606は、管理機器2の出荷時に登録した識別情報(識別情報管理部604により記憶される識別情報)と、識別情報受信部605により管理機器2から受信した識別情報と、を照合し、その管理機器2が登録可能な対象機器2か否かを判定する(ステップS13)。管理機器2が登録可能な対象機器2であると判定された場合、登録可否判定部606は、通信部603を介して、機器管理者の情報処理装置3の機器管理アプリに対して、メール等によって、管理機器2が登録可能な対象機器2であることを通知する(ステップS704)。
【0049】
これにより、機器管理者が管理機器2の設置時に、機器管理アプリの画面UIにアクセスして、能動的に、管理機器2の設置が完了して登録できるか否かを確認する必要がなくなるので、管理機器2の登録の手間を軽減できる。その際、登録可否判定部606は、対象機器2から受信した位置情報も、機器管理者の情報処理装置3の機器管理アプリに通知しても良い。
【0050】
情報処理装置3の機器管理アプリは、当該機器管理アプリにより表示される画面UI上に、登録可否判定部606により通知される対象機器2を表示する。その際、機器管理アプリは、通信管理装置1の登録可否判定部606から通知される対象機器2の位置情報を、当該機器管理アプリにより表示される画面UI上に表示しても良い。
【0051】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムの機器管理アプリにより表示される画面UIの一例を示す図である。本実施の形態では、機器管理アプリは、機器登録ボタンB1がクリックされると、
図8に示すように、対象機器2の識別情報、および対象機器2にインストール可能なパッケージに加えて、通信管理装置1から受信する対象機器2の位置情報(例えば、設置情報)を含む機器登録ダイアログG2を表示する。これにより、複数の拠点の管理機器2を管理している機器管理者が、管理機器2の設置場所を参考にして、管理機器2のセットアップ時にインストールするアプリケーションおよび設定情報を決定することができる。
【0052】
図7に戻り、その後、機器管理アプリは、登録する対象機器2を選択して、当該選択した対象機器2の一括での機器登録を実施する(ステップS15)。
【0053】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、機器管理者が機器管理アプリ等に管理機器2のアドレス情報を入力して登録可能な管理機器2を検索する必要がなくなるので、管理機器2の登録にかかる手間を軽減することができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、機器管理者により操作される情報処理装置の機器登録の専用のツールによって、登録可能な管理機器2を表示して、当該管理機器2の一括登録を実行する例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0055】
図9は、第2の実施の形態にかかる情報処理システムにおける管理機器の登録処理の一例を説明するための図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、通信管理装置1、管理機器2、および機器管理アプリがインストールされた情報処理装置3に加えて、機器登録ツール(アプリケーションの一例)がインストールされかつ機器管理者により操作される情報処理装置4を有する。ここで、機器登録ツールは、管理機器2の登録を行うための専用のツールであり、登録可能な管理機器2を表示して、当該管理機器2の一括登録を実行するアプリケーションの一例である。情報処理装置4は、
図2に示す通信管理装置1と同様のハードウェア構成を有する。
【0056】
情報処理装置4の機器登録ツールは、通信管理装置1にアクセスして、登録可否判定部606により登録可能と判定された対象機器2のリスト(以下、機器リストという)を取得する(ステップS901)。そして、機器登録ツールは、機器リストに含まる対象機器2のうち、機器管理者により選択された対象機器2の登録を一括で実行する(ステップS902)。
【0057】
このように、第2の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、機器管理者が対象機器2の検索に手間をかけずに、管理機器2を一括で登録することができる。
【0058】
上記で説明した実施の形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0059】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施の形態では、通信管理装置1は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、情報処理装置3,4は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0060】
さらに、通信管理装置1および情報処理装置3,4は、開示された処理ステップ、例えば、
図4を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、通信管理装置1によって実行されるプロセスは、情報処理装置3,4によって実行され得る。同様に、情報処理装置3,4の機能は、通信管理装置1によって実行することができる。また、通信管理装置1と情報処理装置3,4の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0061】
なお、管理機器2は、通信機能を備えた装置であれば、画像形成装置に限られない。管理機器2は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0062】
なお、本実施の形態の通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3,4で実行されるプログラムは、ROM502,902a等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3,4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0063】
さらに、本実施の形態の通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3,4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の通信管理装置1、管理機器2、および情報処理装置3,4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0064】
本実施の形態の通信管理装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部603、識別情報管理部604、識別情報受信部605、および登録可否判定部606)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501(プロセッサの一例)が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部603、識別情報管理部604、識別情報受信部605、および登録可否判定部606が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0065】
本実施の形態の管理機器2で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部611、機器情報送信部612、および識別情報送信部613)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU901(プロセッサの一例)が上記ROM902aからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部611、機器情報送信部612、および識別情報送信部613が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0066】
本実施の形態の情報処理装置3,4で実行されるプログラムは、上述した各部(機器管理アプリまたは機器登録ツール)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU501(プロセッサの一例)が上記ROM502からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、機器管理アプリまたは機器登録ツールが主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0067】
1 通信管理装置
2 管理機器
3,4 情報処理装置
501,901 CPU
502,902a ROM
601 登録情報管理部
602 機器情報管理部
603,611 通信部
604 識別情報管理部
605 識別情報受信部
606 登録可否判定部
612 機器情報送信部
613 識別情報送信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】