(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097533
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】研磨装置および研磨方法
(51)【国際特許分類】
B24B 21/00 20060101AFI20230703BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20230703BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20230703BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20230703BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
B24B21/00 A
B24B41/06 L
B24B55/06
H01L21/304 621B
H01L21/304 622G
H01L21/68 N
H01L21/304 644B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021213702
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】内山 圭介
(72)【発明者】
【氏名】山本 暁
【テーマコード(参考)】
3C034
3C047
3C158
5F057
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB75
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3C047HH15
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3C158DA17
5F057AA12
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5F157AB90
5F157BA07
5F157BA22
5F157BA31
5F157BG91
(57)【要約】
【課題】基板を円運動させつつ、該基板をその軸心を中心に回転させる基板保持装置を用いても、基板の表面に供給された洗浄液を該基板から効果的に排出させることが可能な研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨装置は、基板Wの周縁部に接触する複数のローラ11A~11Dと、複数のローラ11A~11Dがそれぞれ固定される複数の偏心軸70と、を有し、該偏心軸70を回転させることで、基板Wをその軸心まわりで回転させるとともに、基板Wを円運動させる基板保持部10と、基板保持部10に保持された基板Wの第1の面2aに研磨具3を押し付けて、該第1の面2aを研磨する少なくとも1つの研磨ヘッド20A~20Dと、円運動する基板Wの第2の面2bに洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル60と、基板Wの第2の面2bの少なくとも一部に接触して、第2の面2b上で洗浄液の円運動を妨害する少なくとも1つの液流阻害部材62と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の周縁部に接触する複数のローラと、前記複数のローラがそれぞれ固定される複数の偏心軸と、を有し、前記偏心軸を回転させることで、前記基板をその軸心まわりで回転させるとともに、前記基板を円運動させる基板保持装置と、
前記基板保持装置に保持された基板の下面である第1の面に研磨具を押し付けて、該第1の面を研磨する少なくとも1つの研磨ヘッドと、
前記円運動する基板の上面である第2の面に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと、
前記円運動する基板の第2の面の少なくとも一部に接触して、前記第2の面上で洗浄液の円運動を妨害する少なくとも1つの液流阻害部材と、を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
前記液流阻害部材は、前記円運動する基板の周縁部からはみ出ないように調整された全長を有する、請求項1に記載の研磨装置。
【請求項3】
前記円運動する基板の周縁部から前記液流阻害部材がはみ出ないように、前記基板の円運動と同期して前記液流阻害部材を揺動させる揺動機構をさらに備える、請求項1または2に記載の研磨装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの研磨ヘッドは、複数の研磨ヘッドであり、
前記少なくとも1つの液流阻害部材は、前記複数の処理ヘッドのそれぞれの直上方に配置された複数の液流阻害部材である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項5】
前記液流阻害部材は、前記基板の第2の面に接触して、該第2の面を洗浄する洗浄具である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項6】
前記液流阻害部材は、前記研磨ヘッドの直上方に配置されたロールスポンジである、請求項5に記載の研磨装置。
【請求項7】
基板の周縁部に接触する複数のローラがそれぞれ固定された複数の偏心軸を回転させることで、前記基板をその軸心まわりで回転させるとともに、前記基板を円運動させ、
少なくとも1つの研磨ヘッドを用いて、前記基板の下面である第1の面に研磨具を押し付けて、該第1の面を研磨し、
前記円運動する基板の上面である第2の面に洗浄液を供給し、
前記円運動する基板の第2の面の少なくとも一部に、少なくとも1つの液流阻害部材を接触させて、前記第2の面上で洗浄液の円運動を妨害する、研磨方法。
【請求項8】
前記液流阻害部材は、前記円運動する基板の周縁部からはみ出ないように調整された全長を有する、請求項7に記載の研磨方法。
【請求項9】
前記円運動する基板の周縁部から前記液流阻害部材がはみ出ないように、前記基板の円運動と同期して前記液流阻害部材を揺動させる、請求項7または8に記載の研磨方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの研磨ヘッドは、複数の研磨ヘッドであり、
前記少なくとも1つの液流阻害部材は、前記複数の処理ヘッドのそれぞれの直上方に配置された複数の液流阻害部材である、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の研磨方法。
【請求項11】
前記液流阻害部材は、前記基板の第2の面に接触して、該第2の面を洗浄する洗浄具である、請求項7乃至10のいずれか一項に記載の研磨装置。
【請求項12】
前記液流阻害部材は、前記研磨ヘッドの直上方に配置されたロールスポンジである、請求項11に記載の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハなどの基板を研磨する研磨装置および研磨方法に関し、特に、基板の裏面に研磨具を押し付けて該裏面を研磨する研磨装置および研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリー回路、ロジック回路、イメージセンサ(例えばCMOSセンサー)などのデバイスは、より高集積化されつつある。これらのデバイスを形成する工程においては、微粒子や塵埃などの異物がデバイスに付着することがある。デバイスに付着した異物は、配線間の短絡や回路の不具合を引き起こしてしまう。したがって、デバイスの信頼性を向上させるために、デバイスが形成された基板(例えば、ウエハ)の表面を洗浄して、異物を基板の表面から除去する必要がある。
【0003】
基板の裏面(例えば、ベアシリコン面)にも、上述したような微粒子や粉塵などの異物が付着することがある。このような異物が基板の裏面に付着すると、基板が露光装置のステージ基準面から離間したり、基板の表面がステージ基準面に対して傾いたりして、パターニングのずれや焦点距離のずれが生じることとなる。このような問題を防止するために、基板の裏面に研磨具を接触させて、付着した異物を除去する必要がある。
【0004】
最近では、基板の表面および/または裏面の全体をより効率的に処理することができる装置への要請が高まっている。そこで、複数の偏心軸に連結された複数のローラによって基板の周縁部を把持し、偏心軸自体の位置は静止したままで各偏心軸をその軸心を中心に回転させることで、基板を円運動させつつ、該基板をその軸心を中心に回転させる基板保持装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、本明細書において、円運動とは、対象物が円軌道上を移動する運動と定義される。
【0005】
このような基板保持装置を使用した研磨装置では、ローラが処理具(例えば、研磨具)に接触することなく、処理具は、基板の表面および/または裏面の最外部を含む面全体を処理する(例えば、研磨する)ことができる。また、このような円運動と基板の軸心を中心とした回転との組み合わせは、基板の表面上の各点での速度を上げることができ、結果として、基板の処理(例えば、研磨処理)の効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基板の裏面に研磨具を押し付けて、該基板の裏面を研磨する研磨装置では、研磨処理中に、基板の表面に洗浄液を供給する。基板の表面に供給された洗浄液によって、研磨処理で発生した研磨屑などの異物が基板の表面に付着することが防止される。基板の表面に供給された洗浄液は、回転する基板に発生する遠心力によって、研磨屑などの異物とともに基板表面から排出される。
【0008】
しかしながら、研磨処理で、基板を円運動させつつ、該基板をその軸心を中心に回転させる場合、基板の回転速度は、基板の円運動の速度よりも低い。そのため、基板の表面に供給された洗浄液が基板の回転による遠心力に抗して基板の表面上で円運動してしまい、その結果、洗浄液を基板から排出するのが困難となる場合がある。洗浄液が基板の表面に残ると、洗浄液とともに異物も基板上に残ることとなり、デバイスの信頼性が低下するおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、基板を円運動させつつ、該基板をその軸心を中心に回転させる基板保持装置を用いても、基板の表面に供給された洗浄液を該基板から効果的に排出させることが可能な研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、基板の周縁部に接触する複数のローラと、前記複数のローラがそれぞれ固定される複数の偏心軸と、を有し、前記偏心軸を回転させることで、前記基板をその軸心まわりで回転させるとともに、前記基板を円運動させる基板保持装置と、前記基板保持装置に保持された基板の下面である第1の面に研磨具を押し付けて、該第1の面を研磨する少なくとも1つの研磨ヘッドと、前記円運動する基板の上面である第2の面に洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルと、前記円運動する基板の第2の面の少なくとも一部に接触して、前記第2の面上で洗浄液の円運動を妨害する少なくとも1つの液流阻害部材と、を備えたことを特徴とする研磨装置が提供される。
【0011】
一態様では、前記液流阻害部材は、前記円運動する基板の周縁部からはみ出ないように調整された全長を有する。
一態様では、前記研磨装置は、前記円運動する基板の周縁部から前記液流阻害部材がはみ出ないように、前記基板の円運動と同期して前記液流阻害部材を揺動させる揺動機構をさらに備える。
一態様では、前記少なくとも1つの研磨ヘッドは、複数の研磨ヘッドであり、前記少なくとも1つの液流阻害部材は、前記複数の処理ヘッドのそれぞれの直上方に配置された複数の液流阻害部材である。
【0012】
一態様では、前記液流阻害部材は、前記基板の第2の面に接触して、該第2の面を洗浄する洗浄具である。
一態様では、前記液流阻害部材は、前記研磨ヘッドの直上方に配置されたロールスポンジである。
【0013】
一態様では、基板の周縁部に接触する複数のローラがそれぞれ固定された複数の偏心軸を回転させることで、前記基板をその軸心まわりで回転させるとともに、前記基板を円運動させ、少なくとも1つの研磨ヘッドを用いて、前記基板の下面である第1の面に研磨具を押し付けて、該第1の面を研磨し、前記円運動する基板の上面である第2の面に洗浄液を供給し、前記円運動する基板の第2の面の少なくとも一部に、少なくとも1つの液流阻害部材を接触させて、前記第2の面上で洗浄液の円運動を妨害する、研磨方法が提供される。
【0014】
一態様では、前記液流阻害部材は、前記円運動する基板の周縁部からはみ出ないように調整された全長を有する。
一態様では、前記円運動する基板の周縁部から前記液流阻害部材がはみ出ないように、前記基板の円運動と同期して前記液流阻害部材を揺動させる。
一態様では、前記少なくとも1つの研磨ヘッドは、複数の研磨ヘッドであり、前記少なくとも1つの液流阻害部材は、前記複数の処理ヘッドのそれぞれの直上方に配置された複数の液流阻害部材である。
【0015】
一態様では、前記液流阻害部材は、前記基板の第2の面に接触して、該第2の面を洗浄する洗浄具である。
一態様では、前記液流阻害部材は、前記研磨ヘッドの直上方に配置されたロールスポンジである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、液流阻害部材が基板上での洗浄液の円運動を妨害する。その結果、洗浄液を異物とともに基板から排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る研磨装置を示す側面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す研磨装置の研磨ヘッドの変形例を示す図である。
【
図5】
図5は、ベルヌーイチャックの一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、液流阻害部材の変形例を示す側面図である。
【
図7】
図7は、液流阻害部材の他の変形例を示す側面図である。
【
図8】
図8(a)は、液流阻害部材の配置の一例を模式的に示す上面図であり、
図8(b)は、液流阻害部材の配置の他の例を模式的に示す上面図であり、
図8(c)は、液流阻害部材の配置のさらに他の例を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る研磨装置を示す側面図であり、
図2は、
図1に示す研磨装置の上面図である。
図1および
図2に示す研磨装置は、基板の一例であるウエハWを保持しながら、該ウエハWを円運動させ、かつウエハWをその軸心を中心に回転させるように構成された基板保持部10を備えている。研磨装置は、さらに、研磨具の一例である研磨テープ3を、基板保持部10に保持されたウエハWの第1の面2aに接触させてウエハWの第1の面2aを研磨する複数の研磨ヘッド20A~20Dと、研磨テープ3を研磨ヘッド20A~20Dに供給し、研磨ヘッド20A~20Dから研磨テープ3を回収する研磨テープ供給機構30を備えている。研磨ヘッド20A~20Dは、ウエハWの表面を研磨する研磨ヘッドの一例である。
【0019】
本実施形態では、ウエハWの第1の面2aは、デバイスが形成されていない、またはデバイスが形成される予定がないウエハWの裏面、すなわち非デバイス面である。第1の面2aとは反対側のウエハWの第2の面2bは、デバイスが形成されている、またはデバイスが形成される予定である面、すなわちデバイス面である。本実施形態では、ウエハWは、その第1の面2aが下向きの状態で、基板保持部10に水平に支持される。
【0020】
基板保持部10は、ウエハWの周縁部2cに接触可能な複数のローラ11A~11Dと、ローラ11A~11Dをそれぞれ回転させるための複数のローラ回転装置12を備えている。複数のローラ11A~11Dは、対応するローラ回転装置12に複数の偏心軸70を介してそれぞれ連結されている(
図1では2つのローラ回転装置12と2つの偏心軸70のみが描かれている)。複数のローラ11A~11Dは、基準中心点CPの周りに配列されている。
【0021】
ローラ回転装置12は、サーボモータなどの電動機を有しており、複数のローラ回転装置12は同期して複数の偏心軸70を同じ速度かつ同じ位相で回転させるように構成されている。一実施形態では、単一のローラ回転装置が同期ベルトなどを介して複数の偏心軸70にトルクを伝達し、これら偏心軸70を同じ速度かつ同じ位相で回転させるようにしてもよい。本実施形態では、4つの偏心軸70と、これら偏心軸70にそれぞれ固定されたローラ11A~11Dとが設けられているが、5つまたはそれよりも多い偏心軸およびローラが設けられてもよい。一実施形態では、3つの偏心軸70と、これら偏心軸70にそれぞれ固定されたローラとが設けられてもよい。
【0022】
複数の偏心軸70のそれぞれは、ローラ回転装置12に連結された第1軸部70aと、第1軸部70aから偏心した第2軸部70bと、を備えている。複数のローラ11A~11Dは複数の偏心軸70の第2軸部70bの一端にそれぞれ固定され、複数の偏心軸70の第1軸部70aの一端は、複数のローラ回転装置12にそれぞれ連結されている。複数の第1軸部70aの他端と複数の第2軸部70bの他端は、複数の板体を介して互いに連結されている。本実施形態では、各偏心軸70は、第1軸部70aと第2軸部70bが距離eだけ偏心したクランク形状を有している。しかしながら、各偏心軸70の形状は、第2軸部70bが第1軸部70aから所定の距離eだけ偏心している限りにおいて本実施形態に限定されない。
【0023】
各ローラ回転装置12は、偏心軸70をその第1軸部70aを中心に回転させるように構成されている。偏心軸70の第2軸部70bは、第1軸部70aから距離eだけ偏心しているので、ローラ回転装置12が作動すると、ローラ11A~11Dのそれぞれは、第2軸部70bを中心に回転しながら半径eの円運動を行う。各ローラ11A~11Dの軸心は、第2軸部70bの軸心と一致している。すなわち、各ローラ11A~11Dは、その軸心を中心に回転しながら、第1軸部70aの軸心の周りで半径eの円運動を行う。
【0024】
複数のローラ回転装置12を同じ速度かつ同じ位相で回転させると、全ての偏心軸70が、第1軸部70aの軸心を中心に、同じ方向に同じ回転速度および同じ位相で回転する。全てのローラ11A~11Dは、その軸心を中心に同じ方向に同じ回転速度および同じ位相で回転しながら、第1軸部70aの軸心を中心に円運動する。したがって、ウエハWがローラ11A~11Dによって保持されているときに、ローラ回転装置12を作動させることにより、ウエハWは、その軸心を中心に回転しながら、半径eの円運動を行う。なお、ウエハWの回転速度は、ウエハWの円運動の速度よりも低い。例えば、ウエハWの回転速度は、ウエハWの円運動の速度の1/10程度である。
【0025】
このように、基板保持部10は、簡単な構造でウエハWを円運動させながら、ウエハWをその軸心を中心に回転させることができる。このような円運動とウエハWの軸心を中心とした回転との組み合わせは、ウエハWの表面上の各点での速度を上げることができる。したがって、研磨テープ3をウエハWの表面に押し付けたときの、研磨テープ3とウエハWの表面との相対速度が増し、ウエハWの研磨レートを向上させることができる。
【0026】
次に、ローラ11A~11Dについて説明する。ローラ11A~11Dは同じ形状を有しているので、以下、ローラ11Aについて
図3を参照して説明する。
図3は、ローラ11Aの一例を示す側面図である。ローラ11Aは、ウエハWの周縁部2cに接触可能な基板保持面15を有している。ウエハWの周縁部2cは、ウエハWの最も外側の環状の湾曲面であり、第1の面2aの外周部と第2の面2bの外周部の両方に接続されている。周縁部2cはベベル部とも呼ばれることがある。基板保持面15は、内側にくびれた円筒形状を有している。このような形状を有した基板保持面15は、研磨中のウエハWの傾きや、ウエハWの高さおよび鉛直方向への動きを制限することができる。
【0027】
次に、研磨ヘッド20A~20Dについて説明する。
図1および
図2に示すように、複数の研磨ヘッド20A~20Dは、基板保持部10に保持されているウエハWの下側に配置されている。これら研磨ヘッド20A~20Dは、ウエハWの直径方向に配列されている。
【0028】
研磨ヘッド20Aは、研磨テープ3をウエハWの第1の面2aに対して押し付ける押圧部材21Aと、押圧部材21Aに押圧力を付与するアクチュエータ22Aを備えている。アクチュエータ22Aは、押圧部材21Aを上方に押し上げ、押圧部材21Aは研磨テープ3をその裏側からウエハWの第1の面2aに押し付けることでウエハWの第1の面2aを研磨する。
【0029】
研磨ヘッド20B~20Dは、研磨ヘッド20Aと同じ構成を有している。すなわち、研磨ヘッド20B~20Dは、研磨テープ3をウエハWの第1の面2aに対して押し付ける押圧部材21B~21Dと、押圧部材21B~21Dに押圧力を付与するアクチュエータ22B~22Dをそれぞれ備えている。
【0030】
なお、
図2に示すように、最も外側に位置する研磨ヘッド20Aの押圧部材21Aの一部は、円運動するウエハWの周縁部2cから外側にはみ出ている。この構成により、研磨ヘッド20Aは、研磨テープ3をウエハWの第1の面2aの最外部まで接触させることができるので、研磨テープ3は、ウエハWの全面を研磨することができる。
【0031】
本実施形態では、4つの研磨ヘッド20A~20Dが設けられているが、研磨ヘッドの数は本実施形態に限られない。例えば、
図4に示すように、研磨装置は、ウエハWの半径方向に延びるブレード状の押圧部材21と、押圧部材21に押圧力を付与するアクチュエータ22と、を備えた1つの研磨ヘッド20を有していてもよい。この場合も、押圧部材21の一方の端部は、円運動するウエハWの周縁部2cから外側にはみ出ている。
図4は、
図1に示す研磨装置の研磨ヘッド20A~20Dの変形例を示す図である。
【0032】
研磨テープ供給機構30は、研磨テープ3の一端が接続されたテープ巻き出しリール31と、研磨テープ3の他端が接続されたテープ巻き取りリール32と、研磨テープ3の進行方向を案内する複数のガイドローラ33を備えている。研磨テープ3は、テープ巻き出しリール31から研磨ヘッド20A~20Dを経由してテープ巻き取りリール32に進行する。
【0033】
テープ巻き出しリール31およびテープ巻き取りリール32は、図示しないリールモータにそれぞれ連結されている。これらリールモータはテープ巻き出しリール31およびテープ巻き取りリール32に逆方向に回転するトルクを付与し、これにより研磨テープ3のテンションを発生させる。テープ巻き取りリール32に加えられるトルクは、テープ巻き出しリール31に加えられるトルクよりも大きい。ウエハWの研磨中は、テープ巻き取りリール32がリールモータによって回転されると、研磨テープ3にはテンションが付与されながら、研磨テープ3は、テープ巻き出しリール31から研磨ヘッド20A~20Dを経由してテープ巻き取りリール32に進行する。
【0034】
一実施形態では、テープ巻き出しリール31、テープ巻き取りリール32、およびリールモータとは別に、研磨テープ3をその長手方向に送るテープ送り装置を備えてもよい。さらに他の実施形態では、テープ巻き出しリール31とテープ巻き取りリール32の位置は、逆に配置されてもよい。
【0035】
図1および
図2に示すように、研磨装置は、ウエハWの第1の面(下面)2aを流体を介して非接触で支持する複数のベルヌーイチャック50をさらに備えていてもよい。これらベルヌーイチャック50は、研磨ヘッド20A~20Dと同様に、基板保持部10によって保持されたウエハWの第1の面2aの下側に配置され、第1の面2aに対向するように配置されている。本実施形態では、これらベルヌーイチャック50は、複数の研磨ヘッド20A~20Dの押圧部材21A~21Dに隣接して配置されている。
図2に示す例では、6つのベルヌーイチャック50が研磨テープ3の両側に配置されているが、ベルヌーイチャック50の数および配置は
図2の例に限定されない。
【0036】
図5は、ベルヌーイチャック50の一例を示す断面図である。
図5に示すように、各ベルヌーイチャック50は、基板保持部10に保持されたウエハWの第1の面2aに対面する吸引面50aを有している。ベルヌーイチャック50には、吸引面50aの周囲に流体(例えば、ドライエア、不活性ガス等の気体、または純水等の液体)を供給する流体供給ライン53が接続されている。流体は、流体供給ライン53を流れ、吸引面50aの外周部から外側に吐出されることによって、吸引面50aとウエハWの第1の面2aとの間の空間に負圧を形成する。これにより、ベルヌーイチャック50はウエハWの第1の面2aを吸引することができる。吸引面50aの外周部とウエハWの第1の面2aとの間の隙間に流体の流れが形成されるため、ベルヌーイチャック50はウエハWに接触しない。したがって、ベルヌーイチャック50がウエハWの第1の面2aを非接触で支持しながら、基板保持部10のローラ11A~11Dは、ウエハWを円運動させつつ、該ウエハWをその軸心を中心に回転させることができる。
【0037】
図1および
図2に示すように、研磨テープ3をウエハWの第1の面2aに押し付けてウエハWの第1の面2aを研磨するとき、押圧部材21A~21DはウエハWに対して上方向に研磨荷重を加える。本実施形態では、ベルヌーイチャック50によってウエハWは下方向の吸引力を受ける。このような下方向の吸引力は、ウエハWに加えられる上方向の研磨荷重を相殺する。したがって、ベルヌーイチャック50は、ウエハWを撓ませることを低減させることができる。
【0038】
研磨装置は、さらに、ウエハWの第2の面2bに洗浄液(リンス液)を供給する洗浄液供給ノズル60と、ウエハWの第2の面2bの少なくとも一部に接触して、洗浄液の円運動を妨害する少なくとも1つの液流阻害部材62と、を備える。ウエハWの第2の面2bに供給された洗浄液によって、ウエハWの第1の面2aの研磨により生じた研磨屑などの異物がウエハWの第2の面2aに付着するのが防止される。
【0039】
上述したように、ウエハWの回転速度は、ウエハWの円運動の速度よりも低い。そのため、研磨装置が液流阻害部材62を有していないと、ウエハWの第2の面2bに供給された洗浄液がウエハWの回転による遠心力に抗してウエハWの第2の面2b上で円運動してしまい、その結果、洗浄液をウエハWから排出するのが困難となる場合がある。本実施形態では、液流阻害部材62によって、ウエハWの第2の面2b上の洗浄液の円運動が妨害され、その結果、研磨屑などの異物を含んだ洗浄液を効果的にウエハWから排出させることができる。
【0040】
図1に示す実施形態では、液流阻害部材62は、ウエハWの第2の面2bに接触して、洗浄する円柱状のロールスポンジである。ロールスポンジである液流阻害部材62は、ウエハWの直径方向で該ウエハWの略全長にわたって延びている。液流阻害部材62は、電動機65の回転軸63に固定されており、電動機65は、液流阻害部材62を上下方向に移動させる昇降機構67に連結されている。昇降機構67によって、液流阻害部材62をウエハWの第2の面2bから離間させることもできるし、液流阻害部材62を所望の押圧力でウエハWの第2の面2bに押し付けることもできる。
【0041】
昇降機構67により液流阻害部材62を所定の押圧力でウエハWの第2の面2bに押し付け、さらに、電動機65を回転させることで、洗浄液の存在下で液流阻害部材62を回転させ、これにより、ウエハWの第2の面2bを洗浄することができる。
【0042】
図2に示す実施形態では、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20DにウエハWと研磨テープ3とを介して対向するように、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向に沿って延びている。より具体的には、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dの直上方に位置する。このような配置によれば、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dが研磨テープ3を介してウエハWの第1の面2aに加えた研磨荷重をウエハWの第2の面2b側から効果的に支持することができる。すなわち、液流阻害部材62をウエハWの第2の面2bに押し付ける押圧力によって、研磨ヘッド20A~20DによってウエハWの第1の面2aに加えられる研磨荷重が相殺される。したがって、研磨テープ3を大きな研磨荷重でウエハWの第1の面2aに押し付けることができるので、ウエハWの研磨レートが向上し、その結果、研磨装置のスループットを向上させることができる。
【0043】
このように、本実施形態に係る液流阻害部材62によれば、ウエハWの第2の面2b上での洗浄液の円運動を妨害するだけでなく、ウエハWの第2の面2bを洗浄し、さらに、研磨ヘッド20A~20DによってウエハWに加えられた研磨荷重を支持することができる。
【0044】
図1および
図2に示した例では、研磨装置は、複数のベルヌーイチャック50を有しているが、これらベルヌーイチャック50を省略してもよい。この場合、研磨ヘッド20A~20DによってウエハWの第1の面2aに加えられる研磨荷重は、液流阻害部材62によって支持される。
【0045】
液流阻害部材62がウエハWの第2の面2bに加える押圧力は、研磨ヘッド20A~20DによってウエハWの第1の面2aに加えられる研磨荷重と同等であるのが好ましい。この場合、液流阻害部材62によって、研磨荷重が完全に相殺されるので、研磨荷重に起因するウエハWの撓みが解消される。研磨装置がベルヌーイチャック50を有している場合は、液流阻害部材62がウエハWの第2の面2bに加える押圧力と、ベルヌーイチャック50の吸引力の合計が、研磨ヘッド20A~20DによってウエハWの第1の面2aに加えられる研磨荷重と同等であるのが好ましい。
【0046】
円運動するウエハWの外側に液流阻害部材62が突出すると、液流阻害部材62が最も外側に位置する研磨ヘッド20Aおよび研磨テープ3に接触するおそれがある。そこで、
図2に示すように、液流阻害部材62は、好ましくは、その先端62aが円運動するウエハWの外側にはみ出さないように配置される。
【0047】
より具体的には、円運動するウエハWの第2の面2bに液流阻害部材62が接触する領域の、長手方向における最大長さがウエハWの直径よりも小さくなるように、円運動するウエハWに対する液流阻害部材62の配置およびその先端62aの位置が調整される。例えば、円運動するウエハWに対する液流阻害部材62の配置およびその先端62aの位置は、円運動するウエハWの第2の面2bに液流阻害部材62が接触する領域の、長手方向における長さが、ウエハWの直径と、ウエハWの直径から上述した距離eを減じた値との間の範囲に収まるように調整される。このように液流阻害部材62の配置とその先端62aの位置が調整されている場合、円運動するウエハWの周縁部2cの位置が液流阻害部材62の先端62aの位置に最も近接したとき(例えば、一致したとき)に、円運動するウエハWの第2の面2bに液流阻害部材62が接触する領域の、長手方向における長さが最大となる。このような液流阻害部材62の配置とその先端62aの位置の調整によって、液流阻害部材62が研磨ヘッド20Aおよび研磨テープ3に接触することが避けられるので、液流阻害部材62の摩耗による寿命の減少を防止することができる。
【0048】
一実施形態では、ウエハWの円運動に同期して、液流阻害部材62を揺動させてもよい。例えば、
図1に示すように、研磨装置は、液流阻害部材62をウエハWの直径方向と平行な方向に揺動させる揺動機構68を備えていてもよい。
図1に示す揺動機構68は、昇降機構67に連結されており、昇降機構67をウエハWの直径方向と平行な方向に移動可能に構成されている。このような揺動機構68の例としては、ボールねじとサーボモータの組み合わせ、およびピストンシリンダ装置が挙げられる。
【0049】
揺動機構68をウエハWの円運動と同期させて(例えば、偏心軸70を回転させるローラ回転装置12と同期させて)動作させると、液流阻害部材62は、その先端62aが円運動するウエハWの周縁部2cからはみ出ないように、ウエハWの直径方向と平行な方向に揺動する。このような構成によっても、液流阻害部材62が最も外側に位置する研磨ヘッド20Aおよび研磨テープ3に接触することが防止できる。
【0050】
図6は、液流阻害部材62の変形例を示す側面図である。
図6では、ウエハW、研磨テープ3、研磨ヘッド20A~20D、および液流阻害部材62のみが抽出して描かれている。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
【0051】
図6に示す実施形態では、研磨装置は、複数の(
図6では、3つの)液流阻害部材62を有している。これら液流阻害部材62は、それぞれ、ロールスポンジとして構成されている。各液流阻害部材62は、鉛直断面で略C字形状を有する支持アーム72に回転可能に支持されており、支持アーム72内には液流阻害部材62を回転させる電動機(図示せず)が配置されている。
【0052】
各支持アーム72は、昇降機構67に連結されている。昇降機構67は、研磨装置のフレームなどの静止部材(図示せず)に揺動機構68を介して連結されている。揺動機構68が省略される場合は、昇降機構67が静止部材に連結される。上述したように、昇降機構67を動作させると、液流阻害部材62をウエハWの第2の面2bから離間させることもできるし、液流阻害部材62を所望の押圧力でウエハWの第2の面2bに押し付けることもできる。揺動機構68は、円運動するウエハWと同期させて液流阻害部材62を揺動させ、これにより、該液流阻害部材62が円運動するウエハWの周縁部2cからはみ出ることを防止する。
【0053】
本実施形態では、研磨装置は、複数の液流阻害部材62を有しているが、複数の液流阻害部材62のうちのいくつかを省略してもよい。すなわち、研磨装置は、ウエハWの第2の面2bの少なくとも一部に接触する少なくとも1つの液流阻害部材62を有していればよい。
【0054】
図7は、液流阻害部材62の他の変形例を示す側面図である。
図7では、ウエハW、研磨テープ3、研磨ヘッド20A~20D、および液流阻害部材62のみが抽出して描かれている。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態の構成と同様であるため、その重複する説明を省略する。
【0055】
図7に示す実施形態では、研磨装置は、複数の研磨ヘッド20A~20Dにそれぞれ対応する複数の液流阻害部材62を備えている。より具体的には、複数の液流阻害部材62は、各研磨ヘッド20A~20Dの直上方に配置されている。最も外側に位置する研磨ヘッド20Aに対応する液流阻害部材62は、円運動するウエハWの周縁部2cからはみ出さないように、その大きさおよび/または配置位置が調整される。
【0056】
本実施形態でも、各液流阻害部材62は、スポンジなどの洗浄具として構成されている。ウエハWの第1の面2aの研磨プロセスでは、研磨後のウエハWの面内均一性を確保するために、研磨ヘッド20A~20Dのアクチュエータ22A~22Dが押圧部材21A~21Dを介して研磨テープ3に付与する研磨荷重をそれぞれ異ならせることがある。本実施形態では、各研磨ヘッド20A~20Dが研磨テープ3に加える研磨荷重に応じて、各昇降機構67が液流阻害部材62を介してウエハWの第2の面2bに加える押付荷重を制御することが可能である。この操作によって、ウエハWの撓みを防止しつつ、精密な研磨制御を行うことができる。
【0057】
上述した実施形態では、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向に沿って配置されているが、液流阻害部材62の配置位置および形状は、ウエハWの第2の面2b上の洗浄液の円運動を妨害できる限り任意である。
図8(a)は、液流阻害部材62の配置の一例を模式的に示す上面図であり、
図8(b)は、液流阻害部材62の配置の他の例を模式的に示す上面図であり、
図8(c)は、液流阻害部材62の配置のさらに他の例を模式的に示す上面図である。
【0058】
図8(a)に示す例では、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向と垂直なウエハWの半径方向に延びている。
図8(b)に示す例では、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向に対して斜めで、かつウエハWの半径方向に延びている。
図8(c)に示す例では、液流阻害部材62は、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向と平行であるが、研磨ヘッド20A~20Dの配列方向とは水平方向にずれている。
【0059】
図8(a)乃至
図8(c)では、これら液流阻害部材62の全長(長手方向の長さ)はウエハWの半径と略同一の全長を有しているが、液流阻害部材62の全長は、ウエハWの第2の面2b上の洗浄液の円運動を妨害できる限り任意である。例えば、液流阻害部材62は、ウエハWの直径と略同一の全長を有していてもよいし、ウエハWの直径の1/4の全長を有していてもよい。
【0060】
さらに、上述した実施形態では、液流阻害部材62は、ロールスポンジなどの洗浄具であるが、ウエハWの第2の面2bを傷つけることがない限り、任意の弾性材から構成されてもよい。例えば、
図8(a)乃至
図8(c)に示す液流阻害部材62は、PVCなどの樹脂から構成された直方体形状を有していてもよい。当然ながら、
図8(a)乃至
図8(c)に示す液流阻害部材62は、ロールスポンジなどの洗浄具であってもよい。
【0061】
上述した実施形態では、研磨テープ3が研磨具として用いられているが、研磨具はウエハWの第1の面2aを所望の研磨レートで研磨できる限り任意である。例えば、研磨具は、研磨布であってもよいし、研磨スポンジであってもよいし、砥石であってもよいし、研磨ブラシであってもよい。
【0062】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0063】
W ウエハ(基板)
2a 第1の面
2b 第2の面
2c 周縁部
3 研磨テープ(研磨具)
10 基板保持部
11A~11D ローラ
12 ローラ回転装置
15 基板保持面
20A~20D 研磨ヘッド
21A~21D 押圧部材
22A~22D アクチュエータ
30 研磨テープ供給機構
31 テープ巻き出しリール
32 テープ巻き取りリール
33 ガイドローラ
50 ベルヌーイチャック
50a 吸引面
53 流体供給ライン
60 洗浄液供給ノズル
62 液流阻害部材
65 電動機
67 昇降機構
68 揺動機構
70 偏心軸