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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023097779
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ガス燃料加熱炉の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F23C 99/00 20060101AFI20230703BHJP
   F23D 14/02 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
F23C99/00 324
F23D14/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214071
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】海田 諒
(72)【発明者】
【氏名】溝口 耕平
(72)【発明者】
【氏名】萩原 義之
(72)【発明者】
【氏名】山本 康之
(72)【発明者】
【氏名】羽路 智之
【テーマコード(参考)】
3K017
3K065
【Fターム(参考)】
3K017AA02
3K017AA06
3K017AB07
3K017AC02
3K017AD05
3K065TA01
3K065TA04
3K065TA19
3K065TC03
3K065TD01
3K065TD05
3K065TE02
3K065TE04
3K065TE06
3K065TF03
3K065TG04
3K065TH02
3K065TL02
3K065TL04
3K065TM03
3K065TN09
3K065TN11
3K065TN13
(57)【要約】
【課題】燃料ガスを吐出するセンターノズルの周囲に酸素や空気などの支燃性ガスを吐出する外側ノズルを配置させた複合ノズルを用いたガス燃料加熱炉において、高効率で安定的な燃焼を与える制御方法の提供。
【解決手段】センターノズルからの燃料ガスに完全燃焼状態から酸素量を低減させた状態となるように酸素を加えた上で燃焼させ火炎を得るとともに、火炎の周囲の燃焼反応界面に外側ノズルから酸素及び空気を供給し、COとNOxの発生を低減させるように制御するにあたって、センターノズルからの燃料ガスの流量を増加させつつ外側ノズルからの酸素の供給量比を減少させる高燃焼制御ステップと、センターノズルからの燃料ガスの流量を減少させつつ外側ノズルからの酸素の供給量比を増加させる低燃焼制御ステップと、を切り替え制御することを特徴とする。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスを略水平に吐出するセンターノズルの周囲に酸素量を調整された空気を吐出する外側ノズルを配置させた複合ノズルを具備するガス燃料加熱炉の制御方法であって、
前記センターノズルからの前記燃料ガスに完全燃焼状態から酸素量を低減させた状態となるように酸素を加えた上で燃焼させ火炎を得るとともに、前記火炎の周囲の燃焼反応界面に前記外側ノズルから酸素及び空気を供給し、COとNOxの発生を低減させるように制御するにあたって、
前記センターノズルからの前記燃料ガスの流量を増加させつつ前記外側ノズルからの酸素の供給量比を減少させる高燃焼制御ステップと、
前記センターノズルからの前記燃料ガスの流量を減少させつつ前記外側ノズルからの酸素の供給量比を増加させる低燃焼制御ステップと、を切り替え制御することを特徴とするガス燃料加熱炉の制御方法。
【請求項2】
前記センターノズル及び前記外側ノズルの設けられた炉壁面の下部には、排ガスを導出するダクトが設けられていることを特徴とする請求項1記載のガス燃料加熱炉の制御方法。
【請求項3】
前記高燃焼制御ステップでは、前記外側ノズルからの前記空気の供給とともに、前記ダクトからの巻込空気の供給を伴うことを特徴とする請求項2記載のガス燃料加熱炉の制御方法。
【請求項4】
前記ダクト内で熱交換されて加熱されて前記外側ノズルから前記空気を吐出させることを特徴とする請求項3記載のガス燃料加熱炉の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略水平に延ばした火炎によって鋼塊を均一に加熱するためのガス燃料加熱炉の制御方法に関し、特に、燃料ガスを吐出するセンターノズルの周囲に酸素や空気などの支燃性ガスを吐出する外側ノズルを配置させたガス燃料加熱炉である制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス燃料加熱炉は、例えば、スラブやビレットといった加工工程に供する前の鋼塊の内外温度差を抑えて均一な加工を与えるための均熱炉に用いられ、連続炉などのその他の鋼塊用加熱炉にも用いられている。例えば、炉室の内部に複数の鋼塊を配置するとともに、略直方体の炉室の長手方向の一方の端部壁に設けられたガスバーナから火炎を直接、鋼塊に当たらないようにしつつ鋼塊の上部で炉室内に略水平に延びるように形成させて加熱を行うのである。
【0003】
ここで、特許文献1では、ガス燃料加熱炉として均熱炉における燃焼効率を高めるべく、蓄熱体を有する2本のガスバーナを一対とした複数のガスバーナを用い、燃料、空気、排ガスの切替弁、熱焼用空気ブロワ、排気ファン及びそれらを制御する制御装置等で構成された「リジェネバーナシステム」を開示している。一方のガスバーナが燃焼しているときは、他方のガスバーナから燃焼排ガスを排気して蓄熱体を加熱する。次に、この一対のガスバーナの燃焼と排気とを切替えることにより、蓄熱体に蓄熱された熱量を燃焼用空気で回収し、燃焼室内に還元する。この切替えを数10秒~数分の短周期で繰返すことで、燃焼用空気を高い温度まで予熱し、高効率で廃熱回収をしながら燃焼させるシステムを得ることができるとしている。
【0004】
高効率のガス燃料加熱炉のシステムとして、酸素比率を高めた空気(酸素富化空気)、又は純酸素にて燃焼を行うことでガスバーナの燃焼温度を高め、より高い燃焼効率を達成しようとする試みも行われている。
【0005】
例えば、特許文献2では、ガスバーナの火炎について、円筒状の燃焼室に接線方向から燃料と酸化剤を供給する管状火炎では、内側は高温の燃焼ガス、外側は未燃の混合ガスに覆われており、これにより管状火炎は高い断熱性を持ち、断熱火炎温度に近い高温場を形成することが可能となることを述べている。その上で、燃焼室に導入される酸化剤ガスにおける酸素の濃度が60%以上の状態で燃料ガスを燃焼させて管状の火炎を形成する酸素富化燃焼管状火炎ガスバーナを用いたときの間欠的な燃焼(振動燃焼)を抑制でき安定した燃焼を確保するガスバーナの構造及び炉システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-282137号公報
【特許文献2】特開2017-3220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
燃料ガスを略水平に吐出するセンターノズルの周囲に酸素や空気などの支燃性ガスを吐出する外側ノズルを配置させて火炎の燃焼反応界面の制御を可能としたガス燃料加熱炉がある。かかるガス燃料加熱炉では、火炎に沿った局所的な温度上昇を抑制するように燃焼反応界面を制御することでサーマルNOxを低減し、結果として、高効率で安定的な燃焼を与えることが期待される。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、燃料ガスを吐出するセンターノズルの周囲に酸素や空気などの支燃性ガスを吐出する外側ノズルを配置させた複合ノズルを用いたガス燃料加熱炉において、高効率で安定的な燃焼を与える制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるガス燃料加熱炉の制御方法は、燃料ガスを略水平に吐出するセンターノズルの周囲に酸素量を調整された空気を吐出する外側ノズルを配置させた複合ノズルを具備するガス燃料加熱炉の制御方法であって、前記センターノズルからの前記燃料ガスに完全燃焼状態から酸素量を低減させた状態となるように酸素を加えた上で燃焼させ火炎を得るとともに、前記火炎の周囲の燃焼反応界面に前記外側ノズルから酸素及び空気を供給し、COとNOxの発生を低減させるように制御するにあたって、前記センターノズルからの前記燃料ガスの流量を増加させつつ前記外側ノズルからの酸素の供給量比を減少させる高燃焼制御ステップと、前記センターノズルからの前記燃料ガスの流量を減少させつつ前記外側ノズルからの酸素の供給量比を増加させる低燃焼制御ステップと、を切り替え制御することを特徴とする。
【0010】
かかる特徴によれば、センターノズルに酸素富化バーナを用いながらCOとNOxの発生を低減させ、高効率で安定的な燃焼を得られる。また、ガス燃料加熱炉として速やかに均熱処理温度に炉内を昇温できて、結果として、処理の効率を向上させ得るのである。
【0011】
上記した発明において、前記センターノズル及び前記外側ノズルの設けられた炉壁面の下部には、排ガスを導出するダクトが設けられていることを特徴としてもよい。そして、前記高燃焼制御ステップでは、前記外側ノズルからの前記空気の供給とともに、前記ダクトからの巻込空気の供給を伴うことを特徴としてもよい。また、前記ダクト内で熱交換されて加熱されて前記外側ノズルから前記空気を吐出させることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、酸素の制御を介して火炎を安定させ、高効率で安定的な燃焼を得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明において用いるガス燃料加熱炉の1実施例を示す断面図である。
図2】ガス燃料加熱炉に備えられる複合ノズルの正面図である。
図3】ガス燃料加熱炉のブロック図である。
図4】燃料流量及び酸素比によるCO及びNOxの濃度に関する表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による1つの実施例としてのガス燃料加熱炉の制御方法について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0014】
図1に示すように、ガス燃料加熱炉1は横型の大気炉であり略直方体の炉室2、火炎fを得るためのガスバーナである複合ノズル10を具備しており、例えば、均熱炉として用いられる。複合ノズル10は炉室2の長手方向の一方の端部の炉壁面3の上部側に備えられる。これによって、火炎fは、炉室2に挿入された鋼塊Sに直接当たらずに炉室2内で鋼塊Sの上部において略水平に延びるように形成される。また、複合ノズル10の備えられる炉壁面3の下部には、排ガスを導出するためのダクトへ通じるガス排出口4が設けられている。ダクトについては後述する。
【0015】
図2を併せて参照すると、複合ノズル10は、燃料ガスを吐出するセンターノズル11と、その周囲に酸素量を調整された空気を吐出する外側ノズル16とを備える。センターノズル11は、複数の略同心円を描く管体からなる環状ノズルであり、内側から中央空気吐出口12、燃料ガス吐出口13、酸素吐出口14、外側空気吐出口15の順に配置されている。つまり、センターノズル11は、燃料ガス、支燃性ガスである空気、さらには酸素を吐出させることができ、燃料ガスを燃焼させることで火炎fを得ることができる酸素富化バーナとされている。特に、燃料ガス吐出口13である環状ノズル部分から燃料ガスを吐出し、その中心に設けられた中央空気吐出口12から空気を吐出することで、火炎fの制御を安定させ得る。なお、燃料ガスとしては、例えば、都市ガスを用いることができる。
【0016】
また、外側ノズル16は、例えば、センターノズル11を中心とする同心円上に等間隔となるよう複数設けられており、ここでは、センターノズル11を中心とする円上の4か所に配置されている。また、外側ノズル16は、それぞれ内側に酸素吐出口17、外側に空気吐出口18を有する二重管状の構造とされている。つまり、センターノズル11及び外側ノズル16は共に酸素を吐出することができ、これらによる複合ノズル10全体としても、酸素富化バーナを形成している。
【0017】
複合ノズル10からの燃料ガスの燃焼によって炉内に形成される火炎fは、略水平に延びて炉内の広範囲を均一に加熱するよう制御される。上記したように、センターノズル11は酸素を吐出できるが、酸素の供給量比を大きくすることで火炎fのエネルギーを高くし得る。一方で、酸素の供給量比を大きくし過ぎると、燃料ガスを短時間で燃え尽きさせてしまい、火炎fを長く延ばすことができない。そこで、センターノズル11の燃料ガス吐出口13から吐出される燃料ガスに対して、これを完全燃焼させる完全燃焼状態から酸素量を低減させた状態となるように酸素を供給する。すなわち、燃料ガスの吐出量に対して、中央空気吐出口12及び酸素吐出口14からの酸素の供給量比を調整し、センターノズル11から供給される酸素だけでは燃料ガスを完全燃焼させられないようにして、燃料ガスを不完全燃焼の状態で火炎fの先端側に向けて移動させる。
【0018】
ここで、外側ノズル16の酸素吐出口17及び空気吐出口18からは火炎fに酸素が供給される。酸素は火炎fの燃焼反応界面f’から火炎fの内部に向けて供給され、未燃焼の燃料ガスを火炎fの先端に達するまでに燃焼させることができる。つまり、炉内を均一に加熱するために火炎fの長さを長くするようセンターノズル11では燃料ガスを不完全燃焼とさせつつも、外側ノズル16からの酸素で燃料ガスを完全に燃焼させるようにしてCOの発生を低減させる。
【0019】
図3に示すように、ガス燃料加熱炉1は、ガス排出口4から続くダクト5を備え排ガスの通る煙道を形成させている。ダクト5にはダクト5内部の排ガスの成分を検出するためのセンサ6が設けられ、COやNOxの濃度をモニタリングできる。また、ダクト5内には、複合ノズル10へ導く空気と排ガスとの熱交換をさせるレキュペレータ7が設けられている。すなわち、レキュペレータ7に空気導入管12’が接続されて、排ガスとの熱交換によって加熱された空気を複合ノズル10の中央空気吐出口12へ導くことができる。これによって燃料ガスの燃焼効率を向上させることができる。また、ダクト5の出口にはダンパ8が設けられ、排ガスの排出量を調整することで炉室2内の圧力を制御することができる。
【0020】
ところで、このような均熱炉は、炉室2に挿入した鋼塊Sを加熱し所定の温度で保持するよう温度調整するためにバーナの出力を制御される。例えば、昇温の際にはバーナの出力を高くして加熱時間を短くし、温度を保持する場合にはこれより出力を小さくして、効率良く操業させる。バーナの出力は、バーナである複合ノズル10からの火炎fの燃焼状態を燃料ガス、空気、酸素の吐出量によって調整することで制御される。
【0021】
ここで、出力を変化させるために燃料ガスの吐出量を変化させると、吐出される燃料ガスに対する吐出される酸素の体積比率である酸素の供給量比(以降、酸素比と称する。)を変化させて火炎fの燃焼状態を変化させてしまう。例えば、酸素比の大きい場合には、燃料ガスは完全燃焼しやすくCOの発生は抑制されるものの、酸素リッチな雰囲気によってNOxを生成しやすくしてしまう。他方、酸素比を小さくすると、NOxの生成を抑制できるものの、燃料ガスリッチな雰囲気によってCOを生成しやすくしてしまう。つまり、燃料ガスの量に対して酸素比をバランスさせてCO及びNOxの発生を抑制させる必要がある。
【0022】
ところで、吐出される酸素は火炎fの内部に供給されて燃料ガスと混合されるが、炉室2内に開放された系であるために、特に外側ノズル16からの酸素の全量を完全に混合させることは難しい。例えば、吐出される燃料ガスの流速などによって酸素の供給の状態が変化する。そのため、実際に火炎f内に供給される燃料ガスと酸素との比率はバーナの出力によって変化してしまう。そこで、発明者らは、ガス燃料加熱炉1について、燃料ガスの吐出量(時間当たりの流量)と酸素比との関係について、NOx及びCOの生成を抑制させる観点から調査した。
【0023】
すなわち、燃料ガスの吐出量と空気及び酸素によって吐出される酸素量を調整し、ダクト5内部の排ガス中のNOx及びCOの濃度をセンサ6で検出し、燃料ガスの流量(燃料流量)及び酸素比と、NOx及びCOの濃度との関係を調査した。かかる調査の結果について、NOx及びCOのそれぞれの濃度について所定濃度以下のときに「〇」を記録し、所定濃度を超えたときに「×」を記録して図4に示した。ここでは所定濃度としてNOxを150ppm以下、COを検出限界以下に定めた。
【0024】
図4に示すように、燃料ガスの吐出量(燃料流量)を一定にした場合、酸素比を大きくすると生成されるCOの濃度を減少させ、NOxの濃度を増加させる傾向にある。つまり、上記したように燃料ガスリッチか酸素リッチかによって生成物の濃度が増減する。
【0025】
さらに、燃料流量の「小」「中」「大」のそれぞれについて、COもNOxも所定濃度以下となる(「〇」となる)場合の酸素比の「小」「中」「大」を確認したところ、「小」-「大」、「中」-「中」、「大」-「小」のときであった。つまり、CO及びNOxの両者をそれぞれ所定濃度以下とできる場合は、燃料流量を大きくしたときに酸素比を小さくした場合となる傾向にあることが判った。
【0026】
これによると、燃料ガスの流量を増加させた高燃焼域において酸素比を減少させ、燃料ガスの流量を低下させた低燃焼域において酸素比を増加させるよう酸素量を制御することで、COとNOxの発生を抑制し得ることになる。よって、バーナの出力を上げるときは燃料ガスの流量を増加させつつ酸素比を減少させる高燃焼制御ステップとし、バーナの出力を下げるときは燃料ガスの流量を減少させつつ酸素比を増加させる低燃焼制御ステップとして制御するよう切り替え制御することで、COとNOxの発生を抑制しつつバーナの出力を制御できる。
【0027】
ところで、上記したような酸素比の大小は火炎fを形成するセンターノズル11から吐出されるガスの流速に影響を受けると考えられる。すなわち、流速の速い高燃焼制御ステップにおいては火炎f内の圧力を低くして火炎fの燃焼反応界面f’からの酸素の供給を促進させるとともに燃料ガスと酸素との混合・攪拌も促進させると考えられる。つまり、外側ノズル16から供給される酸素のうちの比較的多くを燃焼に利用できる。一方、流速の遅い低燃焼制御ステップにおいては、流速の速いときに比べて、火炎f内の圧力を高くして酸素の供給や混合・攪拌を遅延させ、外側ノズル16から供給される酸素のうち燃焼に利用できる酸素を少なくするものと考えられる。そのため、上記した酸素比の増加及び減少についての調整は主として外側ノズル16から吐出される酸素において行う。
【0028】
また、上記したように、高燃焼制御ステップでは火炎f内部の圧力が低くなる。そのため、複合ノズル10の直下にあるガス排出口4から、ダクト5内部の排ガスの一部を吸引して外側ノズル16からの空気及び酸素の流れに巻き込むことがある。この場合、巻き込んだ排ガスの一部を巻込空気として、外側ノズル16からの空気及び酸素とともに火炎fに供給する。また、炉室2内の圧力にもよるが、図示しない扉などの隙間から空気を侵入させることがある。これらを考慮して上記したような制御を行うことも好ましい。
【0029】
以上、本発明の代表的な実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0030】
1 ガス燃料加熱炉
2 炉室
3 炉壁面
4 ガス排出口
5 ダクト
10 複合ノズル
11 センターノズル
16 外側ノズル
f 火炎
f’ 燃焼反応界面


図1
図2
図3
図4