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特開2023-98095維持回復機構、液体吐出ユニットおよび液体を吐出する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098095
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】維持回復機構、液体吐出ユニットおよび液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20230703BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/165 203
B41J2/165 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214621
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】長谷 貴之
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA24
2C056EC57
2C056JA08
2C056JA13
(57)【要約】
【課題】装置の低コスト化を図ることができる維持回復機構を提供する。
【解決手段】維持回復機構は、吸引キャップ12を保持する保持部材21と、保持部材21を吐出面などのノズル面4aに対する接離方向に移動させるカム42などの移動部材とを備えている。保持部材21は、保湿キャップ11を貫通するように設けられ、弾性部材などのスプリング22を介して保湿キャップ11を接離方向に移動可能に保持する保湿キャップ保持部21aを有している。そして、吸引キャップ12および保湿キャップ11がノズル面4aから離間した離間位置にあるとき、保湿キャップ11のノズル面に当接するキャッピング端部11dが、吸引キャップ12の吐出面に当接するキャッピング端部12dよりも吐出面側に位置するように構成した。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する吐出口が形成された吐出面に当接して前記吐出口を保湿する保湿キャップと、
前記保湿キャップ内に配置され、前記吐出面に当接して前記吐出口から液体を吸引する吸引キャップとを備え、
前記保湿キャップにより前記吐出口の保湿を行うときは、前記吸引キャップを、前記吐出面から離間した離間位置で待機させ、
前記吸引キャップにより前記吐出口から液体を吸引するときは、前記吸引キャップを前記保湿キャップに対して相対的に移動させ、前記吸引キャップを前記吐出面に当接させる維持回復機構において、
前記吸引キャップを保持する保持部材と、
前記保持部材を前記吐出面に対する接離方向に移動させる移動部材とを備え、
前記保持部材は、前記保湿キャップを貫通するように設けられ、弾性部材を介して前記保湿キャップを前記接離方向に移動可能に保持する保湿キャップ保持部を有し、
前記吸引キャップおよび前記保湿キャップが前記吐出面から離間した離間位置にあるとき、前記保湿キャップの前記吐出面に当接するキャッピング端部が、前記吸引キャップの前記吐出面に当接するキャッピング端部よりも前記吐出面側に位置することを特徴とする維持回復機構。
【請求項2】
請求項1に記載の維持回復機構において、
前記吸引キャップおよび前記保湿キャップは、下方に向いた吐出面に当接するものであって、
前記保持部材は、前記保湿キャップの底部開口を貫通するように設けられ、
前記保湿キャップ保持部は、前記保湿キャップよりも下方に位置し、弾性部材を介して保湿キャップを昇降可能に保持していることを特徴とする維持回復機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載の維持回復機構において、
前記保湿キャップのキャッピング端部と、前記吸引キャップのキャッピング端部との間には隙間が形成されていることを特徴とする維持回復機構。
【請求項4】
請求項3に記載の維持回復機構において、
前記吸引キャップのキャッピング端部と前記保湿キャップのキャッピング端部との隙間は、前記吐出口から前記吐出面の端部までの距離よりも狭いことを特徴とする維持回復機構。
【請求項5】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドの液体の吐出を維持回復する維持回復機構とを備える液体吐出ユニットにおいて、
前記維持回復機構として、請求項1乃至4いずれか一項に記載の維持回復機構を用いたことを特徴とする液体吐出ユニット。
【請求項6】
液体吐出ユニットを備えた液体を吐出する装置において、
前記液体吐出ユニットとして請求項5に記載の液体吐出ユニットを用いたことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体を吐出する装置において、
前記液体は生体組織・細胞を含む液体であることを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、維持回復機構、液体吐出ユニットおよび液体を吐出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を吐出する吐出口が形成された吐出面に当接して前記吐出口を保湿する保湿キャップと、保湿キャップ内に配置され、吐出面に当接して吐出口から液体を吸引する吸引キャップとを備え、保湿キャップにより吐出口の保湿を行うときは、吸引キャップを、吐出面から離間した離間位置で待機させ、吸引キャップにより吐出口から液体を吸引するときは、吸引キャップを保湿キャップに対して相対的に移動させ、吸引キャップを吐出面に当接させる維持回復機構が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記維持回復機構として、下向きの吐出面に当接して、吐出口の保湿を行う保湿キャップと、保湿キャップ内に配置された吸引キャップとを備えてものが記載されている。保湿キャップ内には、吸引キャップを保湿キャップに対して相対的に昇降移動させる吸引用移動部材たる吸引用カムが配置されている。保湿キャップにより吐出口の保湿を行うときは、保湿キャップを保湿用移動部材たる保湿用カムにより、保湿キャップを上昇させて保湿キャップのキャッピングを行う。吸引キャップにより吐出口から液体を吸引するときは、吸引用カムにより吸引キャップを保湿キャップに対して相対的に上昇させ、吸引キャップのキャッピングを行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、装置のコストが高くなってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、液体を吐出する吐出口が形成された吐出面に当接して前記吐出口を保湿する保湿キャップと、前記保湿キャップ内に配置され、前記吐出面に当接して前記吐出口から液体を吸引する吸引キャップとを備え、前記保湿キャップにより前記吐出口の保湿を行うときは、前記吸引キャップを、前記吐出面から離間した離間位置で待機させ、前記吸引キャップにより前記吐出口から液体を吸引するときは、前記吸引キャップを前記保湿キャップに対して相対的に移動させ、前記吸引キャップを前記吐出面に当接させる維持回復機構において、前記吸引キャップを保持する保持部材と、前記保持部材を前記吐出面に対する接離方向に移動させる移動部材とを備え、前記保持部材は、前記保湿キャップを貫通するように設けられ、弾性部材を介して前記保湿キャップを前記接離方向に移動可能に保持する保湿キャップ保持部を有し、前記吸引キャップおよび前記保湿キャップが前記吐出面から離間した離間位置にあるとき、前記保湿キャップの前記吐出面に当接するキャッピング端部が、前記吸引キャップの前記吐出面に当接するキャッピング端部よりも前記吐出面側に位置することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るインクジェット記録装置の要部構成を示す側面図。
図2図1の矢印A方向から見た概略図。
図3】吸引キャップと、保湿キャップとの構造を示す概略図。
図4】保湿キャップおよび吸引キャップの昇降について説明する図。
図5】保湿キャップのキャッピング端部と、吸引キャップのキャッピング端部との寸法関係を示す図。
図6】吸引キャップと、保湿キャップの構造の他の例を示す概略図。
図7】キャッピング動作の動作フロー図。
図8】バイオプリンタの概略図。
図9】バイオプリンタの維持回復機構の概略構成図。
図10】液体吐出ユニットの構成の一例を示す図。
図11】液体吐出ユニットの別の構成の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、液体を吐出する装置であるインクジェット記録装置の維持回復機構に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
なお、本発明は、以下に例示する実施形態によって限定されるものではない。
【0009】
まず、実施形態に係るインクジェット記録装置100の基本構成について説明する。
図1は、実施形態に係るインクジェット記録装置100の要部構成を示す側面図であり、図2は、図1の矢印A方向から見た概略図である。
【0010】
実施形態に係るインクジェット記録装置100は、シリアル型装置であり、記録媒体であるロール紙6を給紙する給紙装置7と、ロール紙6に液体を吐出するための液体吐出ユニット8とが配置されている。なお、記録媒体としてカット紙を使用する構成でもよい。
【0011】
図1に示すように、液体吐出ユニット8に対してロール紙6の搬送方向上流側と、下流側には、ロール紙6を加熱する加熱ヒータ30A,30Bが配置されている。液体吐出ユニット8に対して搬送方向下流側の加熱ヒータ30Bと対向して乾燥ファンヒータ31が配置されており、温風を当てることで、ロール紙上の液体たるインクを早期に乾燥させる。
【0012】
液体吐出ユニット8は、液体たるインクを吐出する複数の液体吐出ヘッド4を搭載したキャリッジ3が主走査方向(ロール紙の幅方向)に往復移動可能に配置されている。また、図1において、点線の矢印55は、液体吐出ヘッド4からロール紙6に向けて吐出される液滴を示している。また、キャリッジ3に対向配置されたガイド手段としてプラテン32が配置されている。このプラテン32にも加熱ヒータを配置して、ロール紙を加熱するようにしてもよい。
【0013】
キャリッジ3は、図2に示すように、装置の側板に横架されたガイドロッド5に主走査方向に移動可能に保持されている。キャリッジ3は、駆動源たる主走査モータを駆動することによって主走査方向に往復移動する。
【0014】
キャリッジ3に搭載された複数の液体吐出ヘッド4は、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向(ロール紙搬送方向)に配列し、滴吐出方向を下方に向けて搭載している。
【0015】
液体吐出ヘッド4のヘッドタンクには、装置本体の主走査方向の一方側(図2の左側)に交換可能に装着されるインクカートリッジ20から供給チューブを介してインクが供給される。また、キャリッジ3の主走査方向の他方側(図2の右側)には、液体吐出ヘッド4のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復を行う維持回復機構10が配置されている。
【0016】
維持回復機構10は、液体吐出ヘッドにそれぞれ対応して設けられ、液体吐出ヘッド4の吐出面たるノズル面をキャッピングして液体吐出ヘッド内のインクの水分蒸発を防ぐ保湿キャップ11を備えている。また、維持回復機構10は、増粘したインクを排出するために画像形成に寄与しないインクを吐出させる空吐出を行うときのインクを受ける空吐出受け15を備えている。また、各保湿キャップ11内には、吸引キャップ12が配設されている。各吸引キャップ12は、吸引手段たる吸引ポンプ13が接続されており、吸引キャップ12により液体吐出ヘッド4のノズル面をキャッピングした状態で、吸引ポンプ13で吸引し、ノズルの壁面及びノズルの吐出開口部周囲に付着している増粘のインクを取り除く。吸引ポンプ13により吸引されたインクは、廃液タンク14に貯留される。
【0017】
本インクジェット記録装置100は、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド4を駆動することにより、給紙装置7から給紙されたロール紙6にインク滴を吐出して画像形成する。本実施形態では、ロール紙6を加熱ヒータ30A,30Bで加熱することで、ロール紙6に付着したインクを早期に乾燥させることができ、画像の乱れが発生するのを抑制できる。さらに、本実施形態では、乾燥ファンヒータ31によりロール紙上のインクに温風を当てることで、より早期にインクを乾燥させることができ、画像の乱れの発生を良好に抑制できる。
【0018】
図3は、吸引キャップ12と、保湿キャップ11との構造を示す概略図である。
図3に示すように、保湿キャップ11は、底部と上部の全体が開口した枠体形状であり、保湿キャップ11の底部開口11cを貫通するように吸引キャップ12を保持する保持部材21が設けられている。
【0019】
保持部材21は、保湿キャップ11の底部開口11cに対して僅かに狭い形状で、保持部材21により、ほぼ、保湿キャップ11の底部開口11cを塞いでいる。保持部材21には、保湿キャップ11と下方から対向し、保湿キャップ11を弾性部材たるスプリング22を介して、昇降可能に保持する保湿キャップ保持部21aを有している。吸引キャップ12は、保持部材21の上面21bに載置されるような形で保持されている。
【0020】
保持部材21の下部には、移動部材としてのカム42が当接している。カム42を回転駆動するカムモータ41のモータ軸には、ウォームギヤのウォーム41aが形成されており、このウォーム41aにカム42のカム軸に形成されたウォームホイール42aが噛み合っている。本実施形態では、カム42とカムモータ41とで保湿キャップ11と吸引キャップ12を昇降させる昇降機構40を構成している。
【0021】
本実施形態では、保湿キャップ11内に吸引キャップ12を配置することで、保湿キャップ11の外に吸引キャップを配置する場合に比べて、維持回復機構10を小型化でき、インクジェット記録装置100全体のサイズダウンを図ることができる。
【0022】
図4は、保湿キャップ11および吸引キャップ12の昇降について説明する図である。図4(a)は、保湿キャップ11、吸引キャップ12いずれもノズル面4aをキャッピングしていないデキャップ状態を示す図である。図4(b)は、保湿キャップ11をキャッピングした保湿キャップ状態を示す図であり、図4(c)は、吸引キャップをキャッピングした吸引キャップ状態を示す図である。
【0023】
図4(a)に示すように、デキャップ状態のときは、保湿キャップ11のノズル面4aに当接するキャッピング端部11dが、吸引キャップ12のキャッピング端部12dよりも上方に位置している。この状態から、カムモータ41を駆動して、カム42を回転させると、保湿キャップ11と吸引キャップ12とが上昇する。
【0024】
保湿キャップ11のノズル面4aに当接するキャッピング端部11dが、吸引キャップ12のキャッピング端部12dよりも上方に位置している。そのため、図4(b)に示すように、保湿キャップ11のキャッピング端部11dが、吸引キャップ12のキャッピング端部12dよりも先に、ノズル面4aに当接する。この図4(b)に示す状態で、カムモータ41の駆動を停止することで、吸引キャップ12をノズル面4aから離間させた状態で、ノズルの保湿を行うことができる。また、保持部材21により保湿キャップ11の底部開口11cがほとんど隙間なく塞がれているので、ノズルの乾燥を問題なく抑制できる。また、保持部材21の上面21bの縁に保湿キャップ11の内壁面に摺動するゴム材などの摺動部材を設けて、保湿キャップ11の底部開口11cと保持部材21とを摺動部材でシールしてもよい。
【0025】
吸引キャップ12は、インク吸引時にノズルから排出されたインクがキャップ内部やキャッピング端部12dに付着する場合がある。保湿キャップ状態のときに、吸引キャップ12が、ノズル面4aに当接していると、キャッピング端部12dに付着したインクがノズル面4aに転移しノズル面を汚してしまうおそれがある。特に、吸引キャップ12がノズル面4aに当接している状態で、長期間放置された場合は、キャッピング端部12dに付着したインクがノズル面4a上で蒸発し、ノズル面に吸引キャップ12の跡が形成される所謂キャップ痕が付いてしまう。
【0026】
本実施形態では、図4(b)に示すように、保湿キャップ11のみノズル面4aに当接し、吸引キャップ12は、ノズル面4aから離間して、ノズルの保湿を行うことができる。これにより、保湿時に吸引キャップに付着したインクがノズル面に付着するなどしてノズル面が汚れるのを防止できる。
【0027】
吸引キャップ12でノズルからインクを吸引するときは、図4(b)に示す状態から、カムモータ41を駆動して、カム42により保持部材21を上昇させる。すると、スプリング22が圧縮変形し、保持部材21に保持された吸引キャップ12が保湿キャップ11(具体的には、保湿キャップ11の側壁)に対して相対的に上昇する。そして、図4(c)に示すように、吸引キャップ12のキャッピング端部12dがノズル面4aに当接し、吸引キャップ状態となる。
【0028】
このように、本実施形態では、ひとつの昇降機構40で、保湿キャップ11の昇降と、吸引キャップ12の保湿キャップ11に対する相対的な昇降とを行うことができる。これにより、保湿キャップ11を昇降させる昇降機構と、吸引キャップ12の保湿キャップ11に対する相対的な昇降を行う昇降機構とを設ける場合に比べて、部品点数の削減を図ることができる。また、保湿キャップ11を昇降させる昇降機構と、吸引キャップ12の保湿キャップ11に対する相対的な昇降を行う昇降機構とを設ける場合に比べて、装置の簡素化を図ることができる。これにより、装置のコストダウンを図ることができる。
【0029】
図5は、保湿キャップ11のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12のキャッピング端部12dとの寸法関係を示す図である。図5(a)は、液体吐出ヘッド4を副走査方向から見た図であり、図5(b)は、液体吐出ヘッド4を主走査方向から見た図である。
図5(a)、図5(b)に示すように、保湿キャップ11は、ノズル面4aの端部付近に当接している。図5(a)に示すように、保湿キャップ11の液体吐出ヘッドの短手方向のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12の短手方向のキャッピング端部12dとの間には、隙間D2が形成されている。また、図5(b)に示すように、保湿キャップ11の液体吐出ヘッドの長手方向のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12の長手方向のキャッピング端部12dとの間には、隙間d2が形成されている。このように、液体吐出ヘッドの短手方向および長手方向いずれの方向においても、保湿キャップ11のキャッピング端部と、吸引キャップのキャッピング端部との間は、隙間を有している。
【0030】
本実施形態では、吸引キャップ12を用いてノズル4cからインクを吸引しているときも、保湿キャップ11のキャッピング端部11dは、ノズル面4aに当接している。そして、吸引動作終了後に図4(a)に示すデキャップ状態にする場合、吸引キャップ12がノズル面4aから離間したのち、保湿キャップ11がノズル面4aから離間する。吸引キャップ12がノズル面4aから離間する際に、吸引キャップ12のキャッピング端部12dに付着していたインクがノズル面4aに転移する場合がある。保湿キャップ11のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12のキャッピング端部12dとの間に隙間がない場合は、ノズル面4aに転移したインクが、保湿キャップ11のキャッピング端部11dに付着するおそれがある。しかし、本実施形態は、保湿キャップ11のキャッピング端部と、吸引キャップのキャッピング端部との間に隙間を設けている。これにより、ノズル面4aに転移した吸引キャップのキャッピング端部12dのインクが保湿キャップに付着するのを抑制でき、保湿キャップがインクにより汚れるのを抑制することができる。
【0031】
また、図5(a)、図5(b)に示すように、吸引キャップ12のキャッピング端部12dと保湿キャップ11のキャッピング端部11dとの隙間D2,d2は、ノズル4cからノズル面端部までの最短距離D1、d1よりも狭くなっている。このような関係を有することで、吸引キャップが、すべてのノズル4cをキャッピングすることができる。
【0032】
上記では、保湿キャップ11の底部全体を開口させていたが、図6に示すように、保湿キャップ11の底部の一部を開口させ、この底部開口11cに保持部材21を貫通させてもよい。かかる構成としても、図4で説明した動作と同様の動作で、保湿キャップ11および吸引キャップ12を昇降させることができる。また、保湿キャップ11の底部開口11cの縁部に、保持部材21の外壁面に摺動する摺動部材を設けて、保持部材21と底部開口11cとの隙間をシールするのが好ましい。
【0033】
また、上記では、保湿キャップ11を保持する保湿キャップ保持部21aが、保湿キャップの外側にあるが、保湿キャップ保持部21aは、保湿キャップの内側であってもよい。この場合は、例えば、保湿キャップ11の内壁面から突出する被保持部を保湿キャップ11に設け、この保湿キャップ11の被保持部と、保湿キャップ11の内部に設けた保持部材21の保湿キャップ保持部21aとの間にスプリング22を設けるようにすればよい。
【0034】
また、カム42を保湿キャップの外側に配置し、保持部材21を保湿キャップ11から貫通させて、保湿キャップの外側に配置されたカム42に当接させる構成とすることで、以下の利点を得ることができる。すなわち、カムを保湿キャップの内部に配置する場合に比べて、保湿キャップの大型化、装置の複雑化を抑制することができるという利点である。
【0035】
図7は、キャッピング動作の動作フロー図である。
画像形成動作が終了して、キャッピング動作を開始する際に、まず、吸引動作を行うかどうかを判断する(S2)。吸引動作を行わない場合(S2のNO)の場合は、保持部材21を上昇させ、保湿キャップ11がノズル面4aに当接し、図4(b)に示す保湿キャッピング状態で、保持部材21の上昇を停止する(S7)。
【0036】
一方、例えば、装置の操作パネル等により、画像形成動作終了時に、吸引動作を行うようにユーザーが設定している場合(S2のYES)は、図4(a)に示すデキャッピング状態から、吸引キャップ12がノズル面に当接するまで保持部材21を上昇させ(S3)、図4(c)に示す吸引キャップ状態にする。
【0037】
吸引キャップ状態となったら、吸引ポンプ13を駆動し、吸引動作を実行する(S4)。吸引動作が終了したら、所定のメンテナンス動作を行う(S5)。メンテナンス動作の一例としては、ノズル面に付着したインクをクリーニングブレードで除去するクリーニング動作や、インクメカニカスを回復する回復動作などを挙げることができる。クリーニング動作は、キャッピング位置(ホームポジション)から、液体吐出ヘッド4が空吐出受け15に対向する位置までキャリッジ3を移動するまでの間に行われる。すなわち、保持部材21を下降させて、図4(c)の吸引キャップ状態から、図4(a)に示すデキャップ状態にした後、液体吐出ヘッド4が空吐出受け15に対向する位置へキャリッジ3を移動させる。ことのとき、空吐出受け15と保湿キャップとの間に配置されたクリーニングブレードを上昇させ、空吐出受け移動する液体吐出ヘッドのノズル面にクリーニングブレードを当接させて、ノズル面に付着したインクを除去することで、クリーニング動作が行われる。
【0038】
そして、クリーニング動作などの所定のメンテナンス動作が実行されたら、空吐出受け15にインクを吐出する空吐出を実行する(S6)。空吐出実行後に、再び、キャリッジが、キャッピング位置(ホームポジション)へ戻ったら、保持部材21を上昇させ、保湿キャップ11がノズル面4aに当接し、図4(b)に示す保湿キャッピング状態となったら、保持部材21の上昇を停止する(S7)。
【0039】
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0040】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0041】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0042】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0043】
前記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0044】
前記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイルなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0045】
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
【0046】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0047】
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0048】
図8は、「液体を吐出する装置」の一例としてのバイオプリンタの概略図である。
バイオプリンタ200は、ガラス基板等の培養容器が載置される載置台230が設けられている。載置台230は、昇降機構231により装置の上下方向(=Z軸方向)に昇降可能に支持されている。載置台230の上方には、生体組織・細胞を含む液体を吐出する液体吐出ヘッド204が設けられている。液体吐出ヘッド204を保持するキャリッジ203は、装置の左右方向(=X軸方向)に延びるガイド軸205に装置の左右方向に移動可能に保持されている。ガイド軸205の両端は、装置の前後方向(=Y軸方向:図2中の紙面と直交する方向)に延びる前後ガイド部材221に装置の前後方向に移動可能に保持されている。
【0049】
バイオプリンタ200は、ガイド軸205を装置の前後方向に移動させるY軸移動機構と、キャリッジ203を装置の左右方向に移動させるX軸移動機構とを備えている。昇降機構231と、Y軸移動機構とX軸移動機構とを制御しながら、液体吐出ヘッド204のノズル204cから生体組織・細胞を含む液体を吐出することで、生体組織や臓器などを造形する。
【0050】
キャリッジ203が待機するホームポジション位置には、維持回復機構210が設けられている。
図9は、バイオプリンタの維持回復機構210の概略構成図である。
図9に示すように、バイオプリンタに用いられる液体吐出ヘッド204は、円筒形状であり、保湿キャップ211および吸引キャップ212も円筒形状である。そして、液体吐出ヘッド204の吐出面204aは、ノズル204cに向けて先細る略円錐傾斜面であるため、保湿キャップ211のキャッピング端部211dは、すり鉢状の傾斜面となっている。これにより、保湿キャップ211のキャッピング端部211dを、隙間なく液体吐出ヘッド204の吐出面204aに当接させることができ、ノズル204cを保湿することができる。
【0051】
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0052】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0053】
例えば、液体吐出ユニットとして、図10に示す液体吐出ユニット440ように液体吐出ヘッド404とヘッドタンク441が一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッド404とヘッドタンク441が一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0054】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0055】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0056】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0057】
また、液体吐出ユニットとして、図11で示すように、液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
【0058】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0059】
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、前記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
【0060】
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【0061】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
インクなど液体を吐出するノズル4cなどの吐出口が形成されたノズル面4aなどの吐出面に当接して吐出口を保湿する保湿キャップ11と、保湿キャップ11内に配置され、吐出面に当接して吐出口から液体を吸引する吸引キャップ12とを備え、保湿キャップ11により吐出口の保湿を行うときは、吸引キャップ12を、吐出面から離間した離間位置で待機させ、吸引キャップ12により吐出口から液体を吸引するときは、吸引キャップ12を保湿キャップ11に対して相対的に上昇させ、吸引キャップ12を吐出面に当接させる維持回復機構10において、吸引キャップ12を保持する保持部材21と、保持部材21を吐出面に対する接離方向に移動させるカム42などの移動部材とを備え、保持部材21は、保湿キャップ11を貫通するように設けられ、スプリング22などの弾性部材を介して保湿キャップ11を接離方向に移動可能に保持する保湿キャップ保持部21aを有し、吸引キャップ12および保湿キャップ11が吐出面から離間した離間位置にあるとき、保湿キャップ11の吐出面に当接するキャッピング端部11dが、吸引キャップ12の吐出面に当接するキャッピング端部12dよりも吐出面側に位置する。
これによれば、ノズル面4aなどの吐出面が下向きであり、吐出面の垂直方向が、上下方向である場合を例にして説明すると、吸引キャップ12および保湿キャップ11が吐出面から離間した離間位置からカム42などの移動部材により保持部材21を上昇させると、保持部材21にスプリング22などの弾性部材を介して保持された保湿キャップ11が、吸引キャップ12とともに上昇する。保湿キャップ11の吐出面に当接するキャッピング端部11dが、吸引キャップ12の吐出面に当接するキャッピング端部12dよりも吐出面側である上方に位置するため、上昇を続けると、最初に保湿キャップ11のキャッピング端部11dが吐出面に当接しノズル4cなどの吐出口の保湿が行われる。保湿キャップ11のキャッピング端部11dが吐出面に当接したときに、移動部材による上昇を停止することで、保湿キャップ11による吐出口の保湿を行うときに吸引キャップ12を吐出面から離間した離間位置で待機させることができる。これにより、保湿キャップ11により吐出口の保湿中に液体で汚れた吸引キャップ12が吐出面に接触するのを防止でき、吐出面に吸引キャップ12の痕がつくのを防止できる。
態様1では、保湿キャップ11が、弾性部材を介して吸引キャップ12を保持する保持部材21に保持されている。そのため、保湿キャップ11のキャッピング端部11dのみが吐出面に当接した状態から、移動部材により保持部材21をさらに上昇させると、弾性部材が弾性変形して吸引キャップ12が、保湿キャップ11に対して相対的に上昇し、吸引キャップ12のキャッピング端部12dが吐出面に当接する。これにより、吸引キャップ12を用いて、吐出口からの液体の吸引を行うことができる。
このように、態様1では、ひとつの移動部材により、保湿キャップ11の吐出面に対する接離と、吸引キャップ12の保湿キャップ11に対する相対的な移動とを行うことができ、保湿キャップ11を移動させるための保湿用移動部材と、吸引キャップ12を保湿キャップ11に対して相対的に移動させる吸引用移動部材とを備える特許文献1に比べて、部品点数の削減や装置の構造の簡素化を図ることができ、装置の低コスト化を図ることができる。
【0062】
(態様2)
態様1において、吸引キャップ12および保湿キャップ11は、下方に向いたノズル面4aなどの吐出面に当接するものであって、保持部材21は、保湿キャップ11の底部開口11cを貫通するように設けられ、保湿キャップ保持部21aは、保湿キャップ11よりも下方に位置し、スプリング22などの弾性部材を介して保湿キャップ11を前記昇降可能に保持している。
これによれば、実施形態で説明したように、保湿キャップ11をノズル面4aなどの吐出面に当接させた状態で、吸引キャップ12を吐出面に対して接離させることができる。
【0063】
(態様3)
態様1または2において、保湿キャップ11のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12のキャッピング端部12dとの間には隙間が形成されている。
これによれば、実施形態で説明したように、本態様では、上述したように、保湿キャップ11をノズル面4aなどの吐出面に当接させた状態で、吸引キャップ12を昇降させるため、吸引動作後に、吸引キャップ12を吐出面から離間させるときは、保湿キャップは、吐出面に当接している。吸引キャップ12を吐出面に当接させて、ノズル4cなどの吐出口から液体を吸引しているときに、吸引キャップ12のキャッピング端部12dに付着する場合がある。この場合、吸引動作後に、吸引キャップを吐出面から離間させたときにキャッピング端部12dに付着した液体が吐出面に転移するおそれがある。しかし、吐出面に吸引キャップのキャッピング端部12dのインクが転移しても、保湿キャップ11のキャッピング端部11dと、吸引キャップ12のキャッピング端部12dとの間には所定の隙間が形成されているため、上記吐出面に転移した液体が保湿キャップのキャッピング端部11dへ移動して、保湿キャップのキャッピング端部11dに付着するのを抑制できる。これにより、保湿キャップが、液体により汚れるのを抑制することができる。
【0064】
(態様4)
態様3において、吸引キャップ12のキャッピング端部12dと保湿キャップ11のキャッピング端部11dとの隙間は、ノズル4cなどの吐出口から吐出面端部までの距離よりも狭い。
これによれば、実施形態で説明したように、ノズル4cなどの吐出口を吸引キャップで覆うことができ、かつ、保湿キャップ11をノズル面4aなどの吐出面に当接させることができる。
【0065】
(態様5)
液体を吐出する液体吐出ヘッド4と、液体吐出ヘッド4の液体の吐出を維持回復する維持回復機構10とを備える液体吐出ユニット8において、維持回復機構10として、態様1乃至4いずれかの維持回復機構を用いた。
これによれば、液体吐出ユニットの小型化を図れ、かつ、液体吐出ユニットのコストダウンを図ることができる。
【0066】
(態様6)
液体吐出ユニット8を備えたインクジェット記録装置などの液体を吐出する装置において、液体吐出ユニット8として態様5の液体吐出ユニットを用いた。
これによれば、液体吐出ユニットの小型化を図れ、かつ、液体吐出ユニットのコストダウンを図ることができる。
【0067】
(態様7)
態様6において、液体は生体組織・細胞を含む液体である。
これによれば、生体組成物や臓器などを造形することが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
3 :キャリッジ
4 :液体吐出ヘッド
4a :ノズル面
4c :ノズル
5 :ガイドロッド
6 :ロール紙
8 :液体吐出ユニット
10 :維持回復機構
11 :保湿キャップ
11a :枠体
11b :底面部
11c :貫通孔
11d :キャッピング端部
12 :吸引キャップ
12d :キャッピング端部
13 :吸引ポンプ
14 :廃液タンク
15 :空吐出受け
20 :インクカートリッジ
21 :保持部材
21a :保湿キャップ保持部
22 :スプリング
40 :昇降機構
41 :カムモータ
41a :ウォーム
42 :カム
42a :ウォームホイール
100 :インクジェット記録装置
200 :バイオプリンタ
203 :キャリッジ
204 :液体吐出ヘッド
204a :吐出面
204c :ノズル
210 :維持回復機構
211 :保湿キャップ
211d :キャッピング端部
212 :吸引キャップ
230 :載置台
404 :液体吐出ヘッド
440 :液体吐出ユニット
441 :ヘッドタンク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2010-058268号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11