(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098276
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、コンテンツ提供システムおよびコンテンツ提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230703BHJP
A63F 13/63 20140101ALI20230703BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20230703BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F13/63
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021214935
(22)【出願日】2021-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】UGCの審査に有用な新しい技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、提供者ユーザ2xから受け付けたUGC7x(User Generated Content)を複数のユーザ2に提供するコンピュータシステムである。サーバシステム1100は、提供者ユーザ2xからUGC7xを受け付けると、ユーザ2の中から審査ユーザ3を選定する。そして、審査ユーザ3のユーザ端末1500と通信を行って、受け付けられた受付UGC7xを審査ユーザ3に審査させ、審査に合格すると受付UGC7xは登録されて、コンテンツマーケットにてユーザ2へ提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザ端末と所定の通信を行うことで、提供者ユーザから受け付けたUGC(User Generated Content)を複数のユーザに提供するコンピュータシステムであって、
前記提供者ユーザから前記UGCを受け付ける受付手段と、
前記ユーザの中から審査ユーザを選定する審査ユーザ選定手段と、
前記審査ユーザのユーザ端末と通信を行って、前記受付手段により受け付けられた受付UGCを前記審査ユーザが審査する審査処理の実行を制御する審査制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記ユーザ別に、前記UGCの利用および/又は作成に関するコンテンツ経験情報を含むユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段、
を更に備え、
前記審査ユーザ選定手段は、前記コンテンツ経験情報を用いて前記審査ユーザを選定する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記審査ユーザ選定手段は、前記受付UGCの属性を更に用いて前記審査ユーザを選定する、
請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記審査ユーザ選定手段は、前記受付UGCの作成情報を更に用いて前記審査ユーザを選定する、
請求項2又は3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記審査ユーザ選定手段は、前記提供者ユーザの前記コンテンツ経験情報を更に用いて前記審査ユーザを選定する、
請求項2から4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
ユーザ間の関係を管理する関係管理手段、
を更に備え、
前記審査ユーザ選定手段は、前記提供者ユーザに係る前記ユーザ間の関係に基づいて、前記審査ユーザを選定する、
請求項1から5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記審査結果に基づいて前記審査ユーザを評価する審査ユーザ評価処理の実行を制御する審査ユーザ評価制御手段、
を更に備える請求項1から6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記審査ユーザ評価制御手段は、前記審査処理で審査された前記受付UGCの前記提供が開始されて所定時間が経過した後に、前記審査ユーザ評価処理を実行する、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記審査ユーザ評価処理は、利用ユーザによる前記UGCの利用評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である、
請求項7又は8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記審査ユーザ評価処理は、前記利用評価を一意に決定することができる所定の利用評価決定条件を満たした場合の当該一意の前記利用評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である、
請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記審査ユーザ評価処理は、当該コンピュータシステムの運用者による前記UGCの評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である、
請求項7又は8に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記審査ユーザ別に、審査経験および/又は審査レベルを少なくとも含む審査個人情報を管理し、前記審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて前記審査個人情報を変更する審査個人情報管理手段、
を更に備え、
前記審査ユーザ選定手段は、前記審査個人情報を用いて前記審査ユーザを選定する、
請求項7から11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて前記審査ユーザに特典を付与する特典付与手段、
を更に備える請求項7から12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記特典は、前記UGCを作成する際に利用可能な情報である、
請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記審査結果に基づいて、前記受付UGCを前記提供の対象とするか否かを決定する提供是非決定手段、
を更に備える請求項1から14の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記提供のための前記UGCの選択画面を前記ユーザ端末に表示させる制御を行うUGC選択画面制御手段であって、前記審査結果に基づいて前記UGCの表示順を制御するUGC選択画面制御手段、
を更に備える請求項1から15の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
請求項1から16の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記ユーザ端末と、
を具備するコンテンツ提供システム。
【請求項18】
各ユーザ端末と所定の通信を行うことで、コンピュータシステムが、提供者ユーザから受け付けたコンピュータ読取可能なコンテンツであるUGC(User Generated Content)を複数のユーザに提供するコンテンツ提供方法であって、
前記提供者ユーザから前記UGCを受け付けることと、
前記ユーザの中から審査ユーザを選定することと、
前記審査ユーザのユーザ端末と通信を行って、前記受け付けられた受付UGCを前記審査ユーザが審査する審査処理の実行を制御することと、
前記審査処理の審査結果を、少なくとも前記提供者ユーザに公開することと、
を含むコンテンツ提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UGC(User Generated Content)を複数のユーザに提供するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、一般ユーザによって作られたコンピュータが読取可能なコンテンツ(以下、「UGC」(User Generated Content)という)を公開するシステムが人気である。例えば、UGCが動画の場合、動画投稿サイトが当該システムに該当する。ユーザは自身のUGCを動画投稿サイトに投稿して、他のユーザに視聴してもらうことができる。また、UGCがイラストの場合、イラスト投稿サイトがこれに該当する。UGCの属性(例えば、音楽、3DCG、小説、音声、など)に応じた投稿サイトが存在する。特許文献1にはUGCを評価する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが作成するコンテンツは、不適切な表現を含む場合ある。例えば、他人の著作権を侵害する表現や、公序良俗に抵触する表現である。また、コンテンツが、原作コンテンツ(例えば、オンラインゲームや、漫画、アニメなど)の2次著作物や、原作コンテンツで利用可能なアイテムとなるコンテンツである場合には、原作コンテンツの世界観や登場キャラクタのイメージを損なうような表現も、不適切な表現に該当する。動画コンテンツの場合、光過敏性のユーザに影響を及ぼし得る画面の明滅が含まれる場合も、不適切な表現に該当する。
【0005】
こうした不適切な表現を含むUGCの公開を中止する方策として、システム運用者が1つ1つのUGCを審査する方策が考えられる。UGCの数が少ない場合には問題とならないが、一定数を超えて多大となると、その方策で対処することは非現実的となり得る。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、UGCの審査に有用な新しい技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための第1の発明は、各ユーザ端末と所定の通信を行うことで、提供者ユーザから受け付けたUGC(User Generated Content)を複数のユーザに提供するコンピュータシステムであって、
前記提供者ユーザから前記UGCを受け付ける受付手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、受付部214、
図12の登録申請受付データ700、
図16のステップS14からステップS22)と、
前記ユーザの中から審査ユーザを選定する審査ユーザ選定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、審査ユーザ選定部216、
図13の審査ユーザアカウントリスト715、
図16のステップS24)と、
前記審査ユーザのユーザ端末と通信を行って、前記受付手段により受け付けられた受付UGCを前記審査ユーザが審査する審査処理の実行を制御する審査制御手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、審査制御部218、
図13の審査制御データ710、
図16のステップS72)と、を備えるコンピュータシステムである。
【0008】
第1の発明によれば、コンピュータシステムは、ユーザの中から審査ユーザを選定し、提供者ユーザから受け付けたUGCを審査させることができる。審査ユーザが審査を行うことで、システム運用者がUGCの審査に要していた人的・時間的なコストを削減できる。それでいながら、ユーザの中から審査ユーザを選定することで、システム運用者がUGCを審査する場合に比べて一般ユーザが抱いている審査基準で審査できるようになる。第1の発明によれば、UGCの審査に有用な技術を提供することができる。
【0009】
第2の発明は、前記ユーザ別に、前記UGCの利用および/又は作成に関するコンテンツ経験情報を含むユーザ情報を管理するユーザ情報管理手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、ユーザ情報管理部202、
図4のコンテンツ経験情報618、
図16のステップS116、
図19のステップS90)、を更に備え、前記審査ユーザ選定手段は、前記コンテンツ経験情報を用いて前記審査ユーザを選定する(例えば、
図18のステップS52からステップS70)、第1の発明のコンピュータシステムである。
【0010】
第2の発明によれば、コンピュータシステムは、UGCの利用や作成の経験が豊かなユーザを識別して審査ユーザに選定することができる。よって、審査の質を向上できる。
【0011】
第3の発明は、前記審査ユーザ選定手段が、前記受付UGCの属性を更に用いて前記審査ユーザを選定する(例えば、
図18のステップS62,ステップS64)、第2の発明のコンピュータシステムである。
【0012】
UGCの属性とは、コンテンツとしてのカテゴリー(例えば、動画、静止画、音楽、小説、ゲーム内で利用可能なアイテム、など)や、コンテンツの様式(例えば、静止画であればCGレンダリング画像、手描きイラスト、など)、コンテンツ利用に係る年齢制限レート、などを含む。
【0013】
第3の発明によれば、コンピュータシステムは、審査対象の受付UGCの属性と同じ属性のUGCについて利用や作成の経験が豊かなユーザを審査ユーザに選定できるようになる。よって、審査の質を更に向上できる。
【0014】
第4の発明は、前記審査ユーザ選定手段が、前記受付UGCの作成情報を更に用いて前記審査ユーザを選定する、第2又は第3の発明のコンピュータシステムである。
【0015】
受付UGCの作成情報とは、当該UGCが作成された状況や環境に関する情報である。例えば、作成完了日時、作成に要した時間長、作成が行われた時間帯、作成場所(例えば、作成した地域、国、自宅/オフィスの区分、など)、作成に使用したツール情報(ソフトや道具、作成環境など)、である。
第4の発明によれば、コンピュータシステムは、審査対象の受付UGCの作成情報に基づいて審査ユーザを選定できるようになる。
【0016】
第5の発明は、前記審査ユーザ選定手段が、前記提供者ユーザの前記コンテンツ経験情報を更に用いて前記審査ユーザを選定する(例えば、
図18のステップS62,ステップS64)、第2から第4の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第5の発明によれば、コンピュータシステムは、提供者ユーザのコンテンツ経験情報を更に用いて審査ユーザを選定することができる。例えば、提供者ユーザのコンテンツ経験を基準として、これよりもコンテンツ経験が豊富なユーザを審査ユーザとして選定できるようになる。よって、更に審査の質を向上できる。
【0018】
第6の発明は、ユーザ間の関係を管理する関係管理手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、関係管理部203、
図3のフレンドリスト607)を更に備え、前記審査ユーザ選定手段は、前記提供者ユーザに係る前記ユーザ間の関係に基づいて、前記審査ユーザを選定する(例えば、
図18のステップS48)、第1から第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第6の発明によれば、コンピュータシステムは、提供者ユーザに対するユーザ間の関係に基づいて審査ユーザを選定できる。
【0020】
第7の発明は、前記審査結果に基づいて前記審査ユーザを評価する審査ユーザ評価処理の実行を制御する審査ユーザ評価制御手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、審査ユーザ評価部224、
図3の審査ユーザ評価642、
図20のステップS156からステップS166)、を更に備える第1から第6の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第7の発明によれば、コンピュータシステムは、審査ユーザを、当該審査ユーザが下した審査結果に基づいて評価できる。よって、審査ユーザを選定する際に当該評価を利用することで、より評価が高く適切な審査を行った実績のあるユーザを審査ユーザに選定できるようになる。
【0022】
第8の発明は、前記審査ユーザ評価制御手段が、前記審査処理で審査された前記受付UGCの前記提供が開始されて所定時間が経過した後に、前記審査ユーザ評価処理を実行する(例えば、
図17のステップS132、ステップS172)、第7の発明のコンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、例えば、受付UGCがユーザに提供されるようになってから所定時間が経過して周知されるまでの時間的猶予を設けた上で、当該受付UGCに係る審査ユーザ評価処理を行うことができるようになる。
【0024】
第9の発明は、前記審査ユーザ評価処理が、利用ユーザによる前記UGCの利用評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である(例えば、
図17のステップS130からステップS136)、第7又は第8の発明のコンピュータシステムである。
【0025】
第9の発明によれば、コンピュータシステムは、利用ユーザが利用したUGCへの評価(利用評価)と、審査ユーザが当該UGCについて下した審査結果とを考慮して審査ユーザを評価することができる。例えば、審査結果と利用ユーザの利用評価とが適合している審査ユーザを高く評価することができる。この結果、ユーザ全体の評価基準に近い審査を行った実績のあるユーザを審査ユーザとして選定することができるようになる。
【0026】
また、第10の発明は、前記審査ユーザ評価処理が、前記利用評価を一意に決定することができる所定の利用評価決定条件を満たした場合の当該一意の前記利用評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である、第9の発明のコンピュータシステムである。
【0027】
第10の発明によれば、例えば、利用評価決定条件を、利用評価の数が所定数となり、トップ評価となった利用評価を、一意の利用評価として決定する条件とするならば、そのUGCについて総じてどのような評価であるかを一意に決定できるようになる。
【0028】
第11の発明は、前記審査ユーザ評価処理が、当該コンピュータシステムの運用者による前記UGCの評価と、当該UGCに関する前記審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理である(例えば、
図17のステップS170からステップS176)、第6又は第7の発明のコンピュータシステムである。
【0029】
第11の発明によれば、コンピュータシステムは、運用者によるUGCへの評価と、審査ユーザが当該UGCについて下した審査結果とを考慮して当該審査ユーザを評価できる。例えば、審査結果と運用者の評価とが適合している審査ユーザを高く評価することができる。この結果、運用者の評価基準に近い審査を行った実績のあるユーザを審査ユーザとして選定することができるようになる。
【0030】
第12の発明は、前記審査ユーザ別に、審査経験および/又は審査レベルを少なくとも含む審査個人情報を管理し、前記審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて前記審査個人情報を変更する審査個人情報管理手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、
図5の審査個人情報644、
図19のステップS84)、を更に備え、前記審査ユーザ選定手段は、前記審査個人情報を用いて前記審査ユーザを選定する(例えば、
図18のステップS46)、
第7から第11の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0031】
第12の発明によれば、コンピュータシステムは、審査ユーザ別に、審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて変更される審査個人情報を管理し、その審査個人情報を用いて審査ユーザを選定する。審査個人情報は、そのユーザの審査ユーザとしての実績を表す。よって、審査実績の高い審査ユーザを選定できるようになる。
【0032】
第13の発明は、前記審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて前記審査ユーザに特典を付与する特典付与手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、特典付与部240、
図11の特典定義データ512、
図17のステップS200)、を更に備える第7から第12の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0033】
また、第14の発明は、前記特典が、前記UGCを作成する際に利用可能な情報である、第13の発明のコンピュータシステムである。
【0034】
第13又は第14の発明によれば、コンピュータシステムは、審査ユーザになったユーザに謝礼としての特典を付与することができる。特典の付与は審査ユーザになることへのインセンティブとなる。
【0035】
第15の発明は、前記審査結果に基づいて、前記受付UGCを前記提供の対象とするか否かを決定する提供是非決定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、提供是非決定部220、
図14のUGC登録データ720、
図19のステップS92)、を更に備える第1から第14の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0036】
第15の発明によれば、コンピュータシステムは、審査結果に基づいて、受付UGCをユーザへ提供するか否かを決定できる。
【0037】
第16の発明は、前記提供のための前記UGCの選択画面を前記ユーザ端末に表示させる制御を行うUGC選択画面制御手段であって、前記審査結果に基づいて前記UGCの表示順を制御するUGC選択画面制御手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、UGC選択画面制御部232、
図16のステップS112)、を更に備える第1から第15の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0038】
第16の発明によれば、コンピュータシステムは、UGCの選択画面におけるUGCの表示順を、当該UGCの審査結果に基づいて決定することができる。
【0039】
第17の発明は、第1から第16の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステムと、前記ユーザ端末と、を具備するコンテンツ提供システムである。
【0040】
第17の発明によれば、上述したコンピュータシステムの作用効果を奏するコンテンツ提供システムを実現できる。
【0041】
第18の発明は、各ユーザ端末と所定の通信を行うことで、コンピュータシステムが、提供者ユーザから受け付けたコンピュータ読取可能なコンテンツであるUGC(User Generated Content)を複数のユーザに提供するコンテンツ提供方法であって、前記提供者ユーザから前記UGCを受け付けることと、前記ユーザの中から審査ユーザを選定することと、前記審査ユーザのユーザ端末と通信を行って、前記受け付けられた受付UGCを前記審査ユーザが審査する審査処理の実行を制御することと、前記審査処理の審査結果を、少なくとも前記提供者ユーザに公開することと、を含むコンテンツ提供方法である。
【0042】
第18の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏するコンテンツ提供方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図2】親コンテンツであるオンラインゲームと、それに係るUGCと、UGCの審査と、について説明するための図。
【
図6】審査ユーザの選定に係るUGC登録申請履歴データとUGC利用履歴データの利用について説明するための図。
【
図7】審査ユーザの選定に係る審査経験データの利用について説明するための図(その1)。
【
図8】審査ユーザの選定に係る審査経験データの利用について説明するための図(その2)。
【
図9】ユーザ情報に基づく審査ユーザの選定について説明するための図。
【
図10】サーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図11】サーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図12】登録申請受付データのデータ構成例を示す図。
【
図14】UGC登録データのデータ構成例を示す図。
【
図15】ユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図16】サーバシステムの処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図18】審査ユーザ選定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図19】頒布前審査処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図20】頒布取り下げ処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図21】変形例におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図22】変形例におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0045】
図1は、ゲームシステム1000の構成例を示す図である。
ゲームシステム1000は、登録ユーザがオンラインゲームをプレイ可能なオンラインゲームサービスと、当該ゲームに係る2次著作物であるUGCの提供(投稿)を受け付けて、UGCをユーザに提供(公開・頒布)する投稿サービスと、を実施するシステムである。
【0046】
ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、ユーザ別のユーザ端末1500とを具備し、ユーザ端末1500をマン・マシン・インターフェース(Man Machine Interface:MMIF)とするコンピュータシステムであり、オンラインゲームおよびUGCを提供するコンテンツ提供システムである。
図1では、ユーザ端末1500を4台描いているが、実際のシステム運用においては、ユーザ端末1500の台数は問わない。サーバシステム1100とユーザ端末1500とは、互いにネットワーク9を介してデータ通信が可能であり、ユーザ端末1500同士もネットワーク9を介してデータ通信が可能である。
【0047】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0048】
サーバシステム1100は、本体装置1101、キーボード、タッチパネル、ストレージ1140を有し、本体装置1101に制御基板1150を搭載する。制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153、が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0049】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、(1)ユーザ登録等に係る情報を管理するユーザ管理機能と、(2)ユーザにプレーヤとしてオンラインゲームをプレイさせるゲーム管理機能と、(3)UGC作成機能を提供するUGC作成サービス機能と、(4)オンラインゲームに係るUGCの投稿を受け付けて公開・頒布する投稿サービス機能と、を実現する。
【0050】
なお、サーバシステム1100を、1台のサーバ装置であるかのように描いているが、複数の装置で実現する構成であってもよい。例えば、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。また、サーバシステム1100を構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
【0051】
ユーザ端末1500は、ユーザがゲームシステム1000を利用するために使用するコンピュータシステムである。ユーザ端末1500は、ゲームシステム1000におけるマン・マシン・インターフェースの機能を担っている。そのため、ゲームシステム1000は、ユーザ端末1500を具備する、ということができる。
【0052】
図1では、ユーザ端末1500を、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として表しているが、コンピュータシステムであれば、スマートウォッチ、スマートグラスなどのウェアラブルコンピュータや、携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、パソコン、などでもよい。スマートフォンと、当該スマートフォンに通信接続されたスマートウォッチとの組み合わせといった複数の電子機器が通信可能に接続することで1つの機能を果たす場合にはこれらの複数の電子機器を1つのユーザ端末1500とみなすことができる。
【0053】
ユーザ端末1500は、操作入力デバイス(例えば、タッチパネル1506、キーボード、ゲームコントローラ、マウスなど)と、画像表示デバイス(例えば、タッチパネル1506、ビデオモニタ、ヘッドマウントディスプレイなど)と、制御基板1550と、を備える。
【0054】
制御基板1550は、CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する通信モジュール1553、などを搭載する。制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、ユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0055】
ユーザ端末1500は、所定のアプリケーションプログラムを実行することにより、ゲームシステム1000を利用するためのMMIFとしての機能、具体的には、ゲームクライアントとしての機能、UGCを作成するための端末としての機能、公開・頒布されているUGCを視聴しゲームで利用する機能、を実現することができる。
【0056】
なお、ユーザ端末1500は、アプリケーションプログラムやその実行に必要な各種データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカードなどの記憶媒体から読み出す構成としてもよい。
【0057】
図2は、親コンテンツであるオンラインゲームと、それに係るUGCと、UGCの審査と、について説明するための図である。本実施形態では、UGCの審査は、当該UGCを公開・頒布する前に行うこととして説明する。そのため、当該審査を「頒布前審査」と呼称として説明する。また、親コンテンツの「親」とは、UGCに対する相対的なコンテンツの立場を示す表記である。UGCを作成する際の動機付けとなったコンテンツを示す用語として「親コンテンツ」を用いる。
【0058】
サーバシステム1100は、複数のユーザ2(2a,2b,…)が登録可能であり、登録済みユーザ2に対して、それぞれのユーザ端末1500にて親コンテンツとしてオンラインゲームをプレイさせることができる。
図2の例では、ゲーム画面W2に、プレーヤキャラクタ4が敵NPC6と戦うMMORPGの画面が例示されているが、ゲームジャンルはこれに限らず適宜設定可能である。
【0059】
UGC7(7a,7b,…)は、サーバシステム1100が提供するコンテンツマーケットにて、UGC属性別に区分されて公開・頒布され、ユーザ2に提供される。
【0060】
UGC属性は、例えば、UGC7のカテゴリーを採用することができる。カテゴリーとしては、例えば、動画、静止画、音楽、プレーヤキャラクタ4等に使用可能なスキンデータ、プレーヤキャラクタ4等に使用可能な装飾品、プレーヤキャラクタ4等に使用可能な配色違いの武器や防具などのアイテム、ゲーム世界やプレーヤキャラクタ4を題材とした小説などの文章、などがある。動画には、例えば、プレイ動画、プレーヤキャラクタ4やゲーム世界を題材としたファンムービー、MADムービなどがある。静止画には、例えば、プレーヤキャラクタ4を題材としたイラスト、チャットに添付可能なスタンプ画像、などがある。音楽には、例えば、BGMや効果音、呼出音などがある。
【0061】
コンテンツマーケットを利用する際にユーザ端末1500に表示されるUGC選択画面W4には、例えば、公知のオンラインショッピングサイトと同様にして、ユーザ2から提供されて公開・頒布の対象として登録されたUGC7(7a,7b,…)の一覧が表示される。
図2の例では、UGC7をそれぞれテキストで表しているが、アイコンで表示されるとしてもよい。
【0062】
コンテンツマーケットを利用するユーザ2は、ユーザ端末1500にて表示されるUGC選択画面W4にて利用したいUGC7の選択操作を入力する。選択されたUGC7によっては、課金して対価を支払ってその利用が可能になる。
【0063】
UGC選択画面W4にて選択されたUGC7は、単独で視聴・鑑賞することは勿論のこと、ゲームで使用可能なアイテムであれば、ゲームプレイにて使用可能とされる。例えば、ゲームにて元々提供されているオリジナルとは配色が異なる武器アイテムや、プレーヤキャラクタ4のスキンなどがその良い例といえる。ゲームで使用可能なアイテムは、当該ユーザ2のセーブデータに登録される。
【0064】
UGC7は、作成者ユーザでありUGC7の提供者ユーザであるユーザ2により作成される。UGC7は、所定の登録申請手続を経て当該ユーザ2からゲームシステム1000へ提供されて、サーバシステム1100によりコンテンツマーケットで公開・頒布される対象として登録される。言い換えると、UGC7は、ユーザ端末1500とサーバシステム1100とが所定の通信を行うことで、提供者ユーザからサーバシステム1100へ受け付けられ、コンテンツマーケットを介して複数のユーザに提供される。
図2では、提供者ユーザ2xが作成したUGC7xに関する登録申請を示している。
【0065】
ユーザ2は、サーバシステム1100がWebアプリなどとして提供するUGC作成サービスを利用してUGC7を作成することができる。例えば、UGC属性別にWebアプリ(例えば、動画編集、CG作成、音楽作成、テキストエディター、などのアプリ)が用意されており、ユーザ2は、所定の課金を行うことでそのWebアプリの利用権を獲得する。勿論、UGC7は、ユーザ2が独自に用意した動画編集ソフトや、CGソフト、音楽ソフト、テキストエディター、などのアプリケーションで作成することとしてもよい。
【0066】
登録申請によりサーバシステム1100に受け付けられたUGC7は、直ぐにコンテンツマーケットにて提供(公開・頒布)されるわけではない。頒布前審査を受けて合格することで登録され、コンテンツマーケットにて提供される。
【0067】
頒布前審査は、審査ユーザ3(3a,3b,…)により行われる。審査ユーザ3(3a,3b,…)は、審査員の役割を担うユーザ2であって、サーバシステム1100によって、登録されているユーザ2の中から選択される。また、審査ユーザ3は、ユーザ登録手続等において審査役となることを許諾したユーザの中から選択される。
図2の例では、UGC7xの審査ユーザ3は3名で、審査ユーザ別審査結果が「合格(OK)が2票、不合格(NG)が1票」の例を示している。この場合、UGC7xは、多数決で総合審査結果が「合格」となる。
【0068】
頒布前審査の方式は、
図2の例に限らず適宜設定可能である。例えば、審査ユーザ3の人数は適宜設定可能である。また、合格/不合格の2択に限らず、審査ユーザ毎に持ち点内でUGC7xに点数を付け、その合計値が合格基準値に達したら合格とする方式でもよい。
【0069】
図3は、登録済みのユーザ2毎にサーバシステム1100が作成・管理するユーザ情報600のデータ構成例を示す図である。ユーザ情報600は、所定のユーザ登録手続を経て登録されたユーザ2別に用意され、当該ユーザ2に係る各種データを格納する。各種データは、当該ユーザ2の「ユーザ属性」のデータともいえる。
【0070】
1つのユーザ情報600は、例えば、固有のユーザアカウント601と、年齢603と、趣味嗜好申告データ605と、フレンドリスト607と、ゲームセーブデータ609と、を含む。
【0071】
年齢603および趣味嗜好申告データ605は、自己申告制である。趣味嗜好については、予め用意されている選択肢の中からユーザ2が自身の趣味嗜好に該当すると思われる項目をチェックして申告する方式でもよい。
【0072】
フレンドリスト607は、ゲーム内外で知り合った他ユーザのうち友人として相互に申告したユーザ2のユーザアカウント601のリストである。
【0073】
また、ユーザ情報600は、審査役許諾フラグ610と、UGC作成サービス利用権所有データ614と、UGC7の利用および作成に関するコンテンツ経験情報618とを含む。
【0074】
審査役許諾フラグ610は、ユーザ2が審査ユーザ3の役割を担ってもよい旨の所定の意志表示操作をすると「1」に設定される。初期設定は「0(未許可)」である。
【0075】
UGC作成サービス利用権所有データ614は、ユーザ2が、ゲームシステム1000が提供する当該UGC作成サービスの利用権を有する場合に作成される。利用権は、当初から全員が有するとしてもよいし、所定の課金手続を経ることで獲得・所有するとしてもよい。
図3の例では、1つのUGC作成サービス利用権所有データ614は、a)取得日時と、b)作成可能なUGC7のUGC属性を示す作成可能UGC属性と、c)作成サービスを利用した作業に係る各種データである作業セーブデータと、d)当該サービスで機能追加可能なプラグインやアドイン、アドオンのなどの追加機能を利用可能であるかを示す追加機能情報と、を対応付けて格納している。勿論、UGC作成サービス利用権所有データ614は、これら以外のデータも適宜格納できる。
【0076】
図4は、コンテンツ経験情報618の構成例を示す図である。コンテンツ経験情報618は、UGC登録申請履歴データ620と、UGC利用履歴データ630と、を含む。どちらかを省略した構成も可能である。
【0077】
UGC登録申請履歴データ620は、当該ユーザ2がUGC7を作成して、当該UGC7をコンテンツマーケットでの公開・頒布の対象とするための登録申請をすると作成される。UGC登録申請履歴データ620は、当該登録申請に係る各種データを格納する。登録申請とは、ユーザ2がUGC7をサーバシステム1100へ提供する手続である。よって、UGC登録申請履歴データ620は、当該ユーザ2がUGC7を作成してサーバシステム1100へ提供した作成提供履歴データでもある。
【0078】
1つのUGC登録申請履歴データ620は、例えば、登録申請日時622(提供者ユーザの立場からみると提供日時)と、登録申請毎に固有に付与される登録申請ID626と、登録申請したUGC7のUGC属性626と、総合審査結果628と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0079】
UGC利用履歴データ630は、当該ユーザ2がコンテンツマーケットにてUGC7を利用する毎に作成される。UGC7を利用するユーザ2は、利用ユーザということができる。1つのUGC利用履歴データ630は、例えば、利用日時632と、利用したUGC7を示す利用UGC登録ID634と、利用UGC属性636と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0080】
図3に戻って、ユーザ情報600は、当該ユーザ2が審査ユーザ3に選ばれると自動的に付与される審査ユーザID640と、審査ユーザ評価642と、審査個人情報644と、不適格者フラグ670と、を含む。
【0081】
審査ユーザ評価642は、当該ユーザ2の審査ユーザ3としての評価を示す。本実施形態では審査ユーザ評価642は、初期値が「100P(ポイント)」であり、評価が向上すると加点され、評価が下がると減点される。なお、審査ユーザ評価642は、評価が変更された日時と、評価が変更された点数と、を対応づけて時系列に記憶する評価履歴であってもよい。
【0082】
図5は、審査個人情報644の構成例を説明するための図である。審査個人情報644は、審査経験データ650と、審査レベル658と、を含む。
【0083】
審査経験データ650は、当該ユーザ2が審査ユーザ3として頒布前審査を行う毎に作成される。1つの審査経験データ650は、審査日時652と、審査対象を示す審査UGC登録ID654と、当該ユーザ2が下した審査結果を示す審査ユーザ別審査結果656と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0084】
審査レベル658は、審査ユーザ評価642と、審査経験データ650とから所与のレベル設定基準に基づいて自動的に決定され、レベルが高いほど正しい審査を行った実績が豊富であり、信頼性の高い審査を行うユーザであることを表す。
【0085】
なお、審査経験データ650や審査レベル658を省略して、審査ユーザ評価642で代用する構成も可能である。
【0086】
図3に戻って、不適格者フラグ670は、当該ユーザ2が審査ユーザ3として選択されると作成され、当該ユーザ2が審査ユーザ3として不適格であると判定された場合に「1(不適格)」に設定される。初期値は「0(適格)」である。当該フラグが「1」のユーザ2は審査ユーザ3としては選ばれなくなる。
【0087】
サーバシステム1100は、ユーザ情報600に含まれる各種情報に基づいてユーザ2の中から審査ユーザ3を選択する。
【0088】
図6は、審査ユーザの選定に係るUGC登録申請履歴データ620およびUGC利用履歴データ630の利用について説明するための図である。
審査ユーザ3は、UGC7に詳しい人物ほど、より具体的には動画なら動画、音楽なら音楽に詳しい人物ほど適切な審査が期待できる。どれほどUGC7に詳しいユーザ2であるかは、当該ユーザ2のUGC登録申請履歴データ620の数と、UGC利用履歴データ630の数と、とで推察する。
【0089】
サーバシステム1100は、ユーザ2別に、UGC登録申請履歴データ620の数に応じたポイントと、UGC利用履歴データ630に応じたポイントと、を付与し、その合算値を当該ユーザ2がUGC7に関する経験の豊富さを示す指標値、言い換えると審査ユーザ3としての適正指標の1つとみなす。
図6の例では、ユーザ2aおよびユーザ2bが、審査ユーザ3の候補ユーザである。ユーザ2a、ユーザ2bそれぞれに、UGC登録申請履歴データ620に基づく1提供毎に10Pを付与し、UGC利用履歴データ630に基づく1利用毎に1Pを付与する。その結果、ユーザ2aは「100P」、ユーザ2bは「20P」を獲得している。よってこの例では、ユーザ2aの方が、審査ユーザ3としての適性が高いと判断できる。
【0090】
なお、UGC作成サービス利用権所有データ614も、UGC登録申請履歴データ620やUGC利用履歴データ630と同様にポイントに換算して適正指標の要素として用いることができる。
【0091】
図7および
図8は、審査ユーザの選定に係る審査経験データ650の利用について説明するための図である。サーバシステム1100は、審査水準の維持のために、公開・頒布されているUGC7に対するユーザ評価と運用者評価とを受け付け、次の審査ユーザ3の選定に反映させる仕組みを有している。
【0092】
具体的には、
図7に示すように、コンテンツマーケットにてUGC7を利用した利用ユーザ2cは、利用したUGC7についいて、当該ユーザ2が考える利用評価として、公開・頒布されるには不適当だと見なす不適格評価を入力することができる。不適格評価の入力は、ユーザ端末1500にて所定の不適各評価開始操作をすることにより可能となる。
図7の例では、利用ユーザ2cが、利用したUGC7cについて不適格である旨の評価を入力している。
【0093】
また
図8に示すように、運用者8は、公開・頒布されているUGC7について、当該UGC7が公開・頒布されるのに不適格である旨の評価を入力することができる。
図8の例では、運用者8がUGC7cについて不適格で有る旨の評価を入力している。なお、運用者8による当該評価の入力は、サーバシステム1100から行っても良いし、サーバシステム1100をリモート操作可能なユーザ端末1500uで行っても良い。
【0094】
サーバシステム1100は、公開・頒布されているUGC7への不適格評価があると、審査経験データ650を参照して当該UGC7を頒布前審査した審査ユーザ3を検索する。そして、当該審査ユーザ3による審査ユーザ別審査結果656が「合格(OK)」である場合、つまりユーザ評価や運用者評価と異なる審査結果を下していた審査ユーザ3の審査ユーザ評価642を減点する。
図7および
図8の例では、審査ユーザ3dはUGC7cを「不合格(NG)」と判断したので、その審査ユーザ評価642dは維持されるが、UGC7cを「合格(OK)」と判断した審査ユーザ3eの審査ユーザ評価642eが減点されている。そして、次の審査ユーザ3の選定においては、更新された各々の審査ユーザ評価642が参照される。
【0095】
図9は、ユーザ情報600に基づく審査ユーザ3の選定について説明するための図である。
サーバシステム1100は、審査ユーザ3の選定に際し、登録されているユーザ2のうち審査役許諾フラグ610が「1」のユーザ2を、審査ユーザ3の候補ユーザ2kと見なし、そこから不適格者フラグ670が「1(不適格者に該当)」のユーザ2と、審査ユーザ評価642が所定基準値以下になったユーザ2と、を候補ユーザ2kから除外する。
更に、サーバシステム1100は、審査ユーザ評価642や申請経験、審査レベルが、頒布前審査の対象とされるUGC7の提供者ユーザ(作成者ユーザ)よりも低いユーザ2を、候補ユーザから除外する。
図9の例では、除外されたユーザ2のシルエットを破線で示している。
【0096】
更に、サーバシステム1100は、候補ユーザ2kそれぞれのフレンドリスト607を参照して、頒布前審査の対象とされるUGC7の提供者ユーザ(作成者ユーザ)と友人関係に有るユーザ2を候補ユーザ2kから除外する。これは、友人関係があると審査に手心が加えられる可能性があると判断した場合である。勿論、友人関係にあるユーザの方が、日頃から提供者ユーザ(作成者ユーザ)のUGC7を目にする機会があるので、適正に審査してもらえると考えることもできる。この場合、友人関係にないユーザ2を候補ユーザから除外すればよい。
【0097】
なお、これらの除外を順に実行する際には、除外を行う前に、除外後に残る候補ユーザ2kの数が所定の目標数を下回る場合には、当該除外を行わないとするのが好適である。
【0098】
次いで、サーバシステム1100は、残った候補ユーザ2kのそれぞれについて、ユーザ情報600が含むデータのうち審査適正指標に該当するデータに基づいてソート用のポイントを算出する。
【0099】
「審査適正指標に該当するデータ」は、UGC作成サービス利用権所有データ614、UGC登録申請履歴データ620、およびUGC利用履歴データ630、を用いることができる。これらのデータは、それぞれUGC7のUGC属性に関する情報(作成可能UGC属性、UGC属性626(
図4参照)、利用UGC属性636(
図4参照))を含んでいる。そのため、これらのデータを頒布前審査の対象とされるUGC7のUGC属性と照合し、同じUGC属性のデータは高ポイント、異なるUGC属性のデータは低ポイントとしてポイントを算出する。UGC作成サービス利用権所有データ614、UGC登録申請履歴データ620、およびUGC利用履歴データ630、のデータ種類に応じた重み付けは、
図6の例以外にも適宜設定可能である。
【0100】
また、サーバシステム1100は、趣味嗜好申告データ605を参照して、頒布前審査の対象とされるUGC7の提供者ユーザ(作成者ユーザ)と同じ趣味嗜好の数に応じてソート用のポイントを加算する。これは、趣味嗜好が似ている候補ユーザ2kは、頒布前審査の対象とされるUGC7の価値をより適切に見抜き、適確な審査ができるとの推測に基づくものである。
【0101】
そして、サーバシステム1100は、ソート用のポイントの合算値で候補ユーザ2kをソートし、その内の上位所定数の候補ユーザ2k’を選抜して、更にそれぞれの審査ユーザ評価642のポイントでソートする。そして、審査ユーザ評価642のポイント上位から所定数を審査ユーザ3として選定する。
【0102】
次に、ゲームシステム1000の機能構成について説明する。
図10は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0103】
操作入力部100sは、サーバシステム1100の管理のための各種操作を入力するための手段である。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、などがこれに該当する。
【0104】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0105】
サーバ処理部200sは、ユーザ情報管理部202と、ゲーム管理部204と、UGC提供制御部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0106】
ユーザ情報管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各種の情報の受け付け、ユーザ情報600(
図3参照)の記憶の管理に係る制御を行う。ユーザ情報600にはユーザ間の関係の1つである友人関係を示すフレンドリスト607が含まれている。そのため、ユーザ情報管理部202は、ユーザ間の関係を管理する関係管理部203としての機能も有する
【0107】
ゲーム管理部204は、オンラインゲームの実行に係る各種制御を実行する。ゲーム管理部204は、親コンテンツの管理部である。
【0108】
UGC提供制御部210は、UGC7の作成から提供までに係る各種制御を行う。
例えば、UGC提供制御部210は、UGC作成制御部212と、受付部214と、審査ユーザ選定部216と、審査制御部218と、提供是非決定部220と、審査結果通知制御部222と、審査ユーザ評価部224と、審査個人情報管理部226と、マーケット管理部230と、特典付与部240と、を有する。
【0109】
UGC作成制御部212は、ユーザ2がUGC7を作成するための各種サービスの実行に係る制御を行う。例えば、UGC7が動画コンテンツならば、動画編集機能をユーザ端末1500にて実現させるための制御、例えば動画編集するWebアプリの提供など、を行うとしてもよい。
【0110】
受付部214は、提供者ユーザからUGC7を受け付けるための制御を行う。具体的には、提供者ユーザから提供されるUGC7に関する登録申請の受け付けに係る制御と、登録申請で受け付けられたUGC7のデータの保存に係る制御とを行う。
【0111】
審査ユーザ選定部216は、ユーザ2の中から審査ユーザ3を選定する制御を行う。具体的には、審査ユーザ選定部216は、コンテンツ経験情報618を用いて審査ユーザ3を選定する(
図3から
図9参照)。より具体的には、審査ユーザ選定部216は、(1)受付UGCのUGC属性、(2)提供者ユーザのコンテンツ経験情報618、(3)提供者ユーザに係るユーザ間の関係(例えば、フレンドリスト607が示す友人関係)、(4)審査ユーザ評価642或いは審査個人情報644、に基づいて審査ユーザ3を選定する。
【0112】
審査制御部218は、審査ユーザ3のユーザ端末1500と通信を行って、受付部214により受け付けられた受付UGCを審査ユーザ3が審査する審査処理の実行を制御する。頒布前審査に係る制御がこれに該当する(
図2参照)。
【0113】
提供是非決定部220は、審査結果に基づいて、受付部214により受け付けられたUGC(受付UGC)を提供の対象とするか否かを決定する。具体的には、頒布前審査にて「合格」すれば受付UGCをコンテンツマーケットでの公開・頒布によりユーザ2へ提供し、「不合格」であれば提供はしない、と決定する。
【0114】
審査結果通知制御部222は、審査対象とされたUGC7の提供者ユーザに総合審査結果(合格/不合格)を通知する制御を行う。
【0115】
審査ユーザ評価部224は、受付部214により受け付けられたUGC7(受付UGC)についての頒布前審査の審査結果に基づいて、審査ユーザ3を評価する審査ユーザ評価処理の実行を制御する。
【0116】
具体的には、審査ユーザ評価部224は、受付UGCのコンテンツマーケットでの提供(公開・頒布)が開始されて所定時間が経過した後に、(1)利用ユーザによるUGC7の利用評価と、当該UGC7に関する審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGC7を審査した審査ユーザ3を評価する処理と、(2)ゲームシステム1000の運用者8によるUGC7の評価と、当該UGC7に関する審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGC7を審査した審査ユーザ3を評価する処理と、を行う。なお、これらの処理の一方を省略した構成も可能である。
【0117】
審査個人情報管理部226は、審査ユーザ3別(審査ユーザ3に選ばれたことのあるユーザ2別)に、審査経験および/又は審査レベルを少なくとも含む審査個人情報644(
図5参照)を管理し、審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて審査個人情報644を変更する。
【0118】
マーケット管理部230は、コンテンツマーケットを介したUGC7の利用に係る各種制御を行う。具体的には、マーケット管理部230は、UGC選択画面制御部232と、UGC利用制御部234と、を有する。
【0119】
UGC選択画面制御部232は、ユーザ端末1500にてコンテンツマーケットのUGC選択画面W4(
図2参照)を表示させる。具体的には、審査結果に基づいてUGC選択画面W4におけるUGC7の表示順を制御する。例えば、審査ユーザ別審査結果のうち「合格」の数が多い順に表示するとしもよい。頒布前審査を点数制とする構成では、獲得点数が多い順に表示するとしてもよい。
【0120】
UGC利用制御部234は、当該画面で提示されたUGC7の中からユーザ2により選択されたUGC7を当該ユーザ2に利用可能とさせる制御を行う
【0121】
特典付与部240は、審査ユーザ評価処理の評価結果に基づいて審査ユーザに特典を付与する。
【0122】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の各種計時を行う。
【0123】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や、UGC7の作成サービス、オンラインゲームの提供に係る操作音や効果音、BGM、音声通話、などの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
音出力部390sは、スピーカ等により実現され、音声信号に基づいて放音する。
【0124】
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理のための各種管理画面の画像生成を行い、画像データを画像表示部392sに出力する。画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。また、画像生成部292sは、UGC7の作成サービス、ゲームプレイ、コンテンツマーケットに係る各種画像の生成を行う。例えば、ゲームプレイに関する画像であれば、各ユーザ端末1500に表示させるゲーム画像の元になる仮想3次元空間を仮想カメラで撮影したゲーム空間画像のレンダリングも実行するとしてもよい。
【0125】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153がこれに該当する。
【0126】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では本体装置1101が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。オンラインストレージをサーバ記憶部500sに含めてもよい。
【0127】
図11は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、ゲーム初期設定データ510と、特典定義データ512と、ユーザ情報600(
図3参照)と、登録申請受付データ700と、審査制御データ710と、UGC登録データ720と、プレイデータ750と、コンテンツマーケット制御データ760と、UGC作成サービス制御データ770と、現在日時900と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
【0128】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、サーバシステム1100を、ユーザ情報管理部202、ゲーム管理部204、UGC提供制御部210、として機能させるためのプログラムである。
【0129】
配信用クライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されて実行されるクライアントプログラムのオリジナルである。
【0130】
ゲーム初期設定データ510は、親コンテンツであるオンラインゲームに関する各種の定義データや初期設定データを格納する。
【0131】
特典定義データ512は、審査ユーザ3として頒布前審査をしたユーザ2に対して謝礼として付与する特典の種類毎に用意される。1つの特典定義データ512は、当該定義データが適用されるために満たすべき条件である適用要件と、特典内容を示すデータと、が対応づけて格納されている。
【0132】
特典定義データ512の適用要件は、適宜設定可能である。例えば、「審査ユーザ評価642の最新値が基準値以上」「審査ユーザ評価642が100×N(Nは自然数)ポイントに達する毎」などとしてもよい。例えば、「審査ユーザ評価642が100ポイント以上を維持している期間がM日(Mは自然数)継続される毎」などとしてもよい。また、頒布前審査の回数で条件を記述してもよい。
【0133】
特典内容は、a)親コンテンツで利用可能な内容(例えば、ゲーム内通貨、プレーヤキャラクタ4に装備できるアイテム、スキン、など)、b)UGC作成サービスで利用可能なプラグイン(Plug-In)やアドオン(Add-On)などのソフトウェアに一部機能を拡張するパッケージデータやソフトウェア、c)画像処理や音声合成等のフィルター、d)画像や音声などの素材データ、などの情報、といった具合に適宜設定可能である。
【0134】
登録申請受付データ700は、ユーザ2がUGC7をコンテンツマーケットにて公開・頒布するための所定の登録申請手続を経て受け付けされる毎に作成される。言い換えると、登録申請受付データ700は、提供者ユーザによりUGC7が提供される毎に作成される。
【0135】
1つの登録申請受付データ700は、例えば
図12に示すように、固有の受付ID701と、受付日時702と、登録申請をしたユーザ2(UGC7を提供した提供者ユーザ、提供されたUGC7の作成者ユーザ)を示す提供者ユーザアカウント703と、受付対象のUGC7それ自体のデータであってコンピュータ読取可能なデータである受付UGCデータ705と、受付対象のUGC7のUGC属性707と、UGC作成情報709と、を含む。勿論、これら以外のデータ、例えば、UGC7のタイトルや紹介文のデータ、なども適宜含めることができる。
【0136】
UGC作成情報709は、当該UGC7が作成された状況や環境に関する情報である。例えば、作成完了日時、作成に要した時間長、作成が行われた時間帯、作成場所(例えば、作成した地域、国、自宅/オフィスの区分、など)、作成に使用したツール情報(ソフトや道具、作成環境など)、である。これらの情報は、登録申請時に、提供者ユーザ2x(
図2参照)が申込画面にて申告・入力するものとする。
【0137】
図11に戻って、審査制御データ710は、頒布前審査に係る各種データを格納する。
審査制御データ710は、例えば
図13に示すように、審査対象を示す審査対象受付ID711(
図12の受付ID701に対応)、審査ユーザ3を選定するための候補ユーザ2kを示す候補ユーザアカウントリスト713、候補ユーザ別ソートポイント714、審査ユーザ3の選定結果を示す審査ユーザアカウントリスト715、審査ユーザ別審査結果716、および総合審査結果717、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0138】
図11に戻って、UGC登録データ720は、頒布前審査で合格し、コンテンツマーケットにて公開・頒布可能になったUGC7毎に用意され、当該UGC7に係る各種データを格納する。1つのUGC登録データ720は、例えば
図14に示すように、固有のUGC登録ID721と、登録日時723と、提供者ユーザアカウント725と、登録UGCデータ727と、登録UGC属性728と、利用評価集計データ730と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、コンテンツマーケットにてUGC7を選択肢として表示するためのアイコンデータ、当該UGC7についての紹介文のテキストデータ、ユーザ2の年齢などの利用制限情報、利用課金額、などの情報も適宜含めることができる。
【0139】
利用評価集計データ730は、当該UGC7を利用したユーザ(利用ユーザ)が、当該UGC7を視聴したり、読んだり、ゲームで使った結果として抱いたユーザ評価、すなわち利用評価の蓄積データである。本実施形態では、利用評価として、利用ユーザ2cが入力した不適格評価(
図7参照)の履歴である不適格評価履歴データ732を含む。1つの不適格評価履歴データ732は、例えば、評価日時と、評価者ユーザのアカウントと、を対応づけて格納する。
【0140】
図11に戻って、プレイデータ750は、オンラインゲームをプレイする毎に作成され、最新のプレイ状況、ゲーム進行状況を記述する各種データを格納する。オンラインゲームは本実施形態における親コンテンツであるので、プレイデータ750は親コンテンツ提供管理データであるともいえる。親コンテンツが動画の配信であれば、動画配信サイトの制御に係る制御がプレイデータ750に格納されることになる。
【0141】
コンテンツマーケット制御データ760は、ユーザ2がコンテンツマーケットを利用する毎に作成され、最新の利用状態を記述する各種データを格納する。
【0142】
UGC作成サービス制御データ770は、ユーザ2がUGC作成サービスを利用すると作成され、関連する各種データを格納する。例えば、1つのUGC作成サービス制御データ770は、利用者を示す利用者ユーザアカウントと、作成作業中のUGCセーブデータと、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0143】
図15は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0144】
操作入力部100は、ユーザ2によってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、などによって実現できる。
【0145】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
【0146】
そして、本実施形態における端末処理部200は、クライアント制御部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
【0147】
クライアント制御部260は、ゲームシステム1000におけるクライアントとしての制御として、ユーザ端末1500をMMIF(マン・マシン・インターフェース)として機能させる各種制御を行う。具体的には、クライアント制御部260は、操作入力情報提供部261と、表示制御部262と、を有する。
【0148】
操作入力情報提供部261は、操作入力部100からの入力に応じて操作入力情報をサーバシステム1100へ送信する制御を行う。
【0149】
表示制御部262は、サーバシステム1100から受信したデータに基づいて各種画像を表示させるための制御を行う。
【0150】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0151】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。音出力部390は、スピーカなど音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
【0152】
画像生成部292は、クライアント制御部260の制御に基づく画像を画像表示部392へ表示させる画像信号を生成・出力する。
図1の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)や、グラフィックコントローラ、グラフィックボード、などがこれに該当する。画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0153】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信モジュール1553がこれに該当する。
【0154】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図1の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552がこれに該当する。
【0155】
具体的には、端末記憶部500は、ユーザ端末1500をクライアント制御部260として機能させるためのクライアントプログラム504(アプリケーションプログラム)と、現在日時900と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。
【0156】
図16および
図17は、サーバシステム1100におる処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図16に示すように、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にて所定のUGC作成サービスの利用開始操作が入力されると(ステップS10のYES)、UGC作成サービスを提供する制御、すなわちUGC作成制御を実行する(ステップS12)。
【0157】
具体的には、サーバシステム1100は、UGC7のUGC属性別にサービスの利用権を販売し、購入者であるユーザのユーザ情報600にUGC作成サービス利用権所有データ614(
図3参照)を作成する。そして、利用権に係るUGC属性のUGC作成サービスを提供する。例えば、UGC属性が「動画」の作成サービスの利用権を所有するユーザ2には、動画を作成するための動画編集機能を有するWebアプリをユーザ端末1500で使用可能とさせる。利用状況の最新状況や、作業中や作成完了したUGC7のデータ、利用中のプラグインやアドインなどについての追加機能情報は、UGC作成サービス制御データ770に格納されている。
【0158】
作成したUGC7を公開・頒布したいと望むユーザ2(すなわちゲームシステム1000を介して作成したUGC7を他のユーザ2へ提供したいと望む作成者ユーザ)は、ユーザ端末1500にて所定の登録申請開始操作をして申請者ユーザであり、且つ当該UGC7の提供者ユーザとなる。
【0159】
サーバシステム1100は、登録申請開始操作を検出すると(ステップS14のYES)、当該操作を検出したユーザ端末1500に所定の登録申請画面を表示させて、提供に必要な情報(例えば、UGC7のタイトル、紹介文、作成者名、UGC属性の指定、UGC作成情報709となる内容、など)とデータとを受け付ける。具体的には、サーバシステム1100は、登録申請した申請者ユーザ(提供者ユーザ)のユーザアカウントなど提供に必要な情報を受け付け(ステップS16)、登録申請するUGC7のデータを受け付ける(ステップS18)。そして、受け付けたUGC7のUGC属性を設定し(ステップS20)、登録申請受付データ700を作成する(ステップS22;
図12参照)。
【0160】
そして、サーバシステム1100は、登録申請で受付されたUGC7を頒布前審査の対象として審査ユーザ選定処理を実行する(ステップS24)。
【0161】
図18は、審査ユーザ選定処理の流れを説明するためのフローチャートである。
審査ユーザ選定処理において、サーバシステム1100は、登録されている全てのユーザ2のうち、審査役許諾フラグ610が「1」のユーザ2のユーザアカウントを候補ユーザアカウントリスト713に設定し、審査ユーザ3の初期状態の候補ユーザ2kとする(ステップS40;
図6参照)。
【0162】
次に、サーバシステム1100は、不適格者フラグ670が「1(不適格者に該当)」のユーザ2を候補から除外し(ステップS42)、審査ユーザ評価642が所定基準値以下のユーザ2を候補から除外する(ステップS44)。
【0163】
また、サーバシステム1100は、審査ユーザ評価642(
図3参照)、審査経験回数(
図5の審査経験データ650の数)、審査レベル658の何れかが、提供者ユーザのそれよりも低いユーザ2を候補ユーザ2kから除外する(ステップS46)。
【0164】
次に、サーバシステム1100は、提供者ユーザのフレンドリスト607を参照して、友人関係にあるユーザ2を候補から除外し(ステップS48)、所定の年齢制限に該当するユーザ2を候補ユーザ2kから除外する(ステップS50)。
【0165】
なお、ステップS42からステップS50においては、除外を実行する前に、除外後に残る候補ユーザ2kの予定数が、審査ユーザ3の選定数を下回るか否かを判定し、下回る場合には除外を行わないものとする。
【0166】
次に、サーバシステム1100は、残された候補ユーザ2k別に対応づけたソートポイントを「0」に初期化し(ステップS52)、候補ユーザ2k毎にループAを実行して、各候補ユーザ2kのソートポイントを算出する(ステップS60からステップS68)。サーバシステム1100は、ユーザ情報600が含むデータのうち審査適正指標に該当するデータに基づいてソートポイントを算出する。
【0167】
ループAにおいて、サーバシステム1100は、先ず、頒布前審査の対象UGCのUGC属性707と同UGC属性のUGC登録申請履歴データ620の数に応じたポイントを、処理対象の候補ユーザ2kのソートポイントに加算する(ステップS62)。
【0168】
次に、サーバシステム1100は、頒布前審査の対象UGCのUGC属性707と同UGC属性のUGC利用履歴データ630の数に応じたポイントを、処理対象の候補ユーザ2kのソートポイントに加算する(ステップS64)。
【0169】
次に、サーバシステム1100は、提供者ユーザの趣味嗜好申告データ605と、ループA処理対象の候補ユーザ2kの趣味嗜好申告データ605とを照合して、同じ趣味嗜好の数に応じてソートポイントを加算し(ステップS66)、ループAを終了する(ステップS68)。
【0170】
そして、サーバシステム1100は、全ての候補ユーザ2kについてループAを実行したならば、ソートポイントの合算値の上位から所定数の候補ユーザ2kを選択する。そして、選択した所定数の候補ユーザ2kを、それぞれの審査ユーザ評価642で順位付けし(ステップS70)、当該順位の上位から所定数を審査ユーザ3として決定する(ステップS72)。
【0171】
なお、ステップS70は、審査ユーザ評価642に加えて,或いは審査ユーザ評価642に代えて、審査個人情報644で順位付けしてもよい。具体的には、審査経験データ650の数で順位付けしたり、審査レベル658の高低で順位付けしたりすることができる。
【0172】
図16に戻って、次にサーバシステム1100は、頒布前審査処理を実行する(ステップS72)。
【0173】
図19は、分布前審査処理の流れを説明するためのフローチャートである。
分布前審査処理において、サーバシステム1100は、審査ユーザ3のユーザ端末1500と通信して、当該ユーザ端末1500にて審査画面を表示させ、そこで審査対象UGCをその登録UGC属性728に応じた形式で出力する(ステップS80)。例えば、審査対象UGCが動画であれば、審査画面に動画を再生させて審査ユーザ3が視聴できるようにする。
【0174】
次いで、サーバシステム1100は、審査ユーザ3別に、各々の審査結果の入力を受け付けて審査ユーザ別審査結果716を記憶し(ステップS82;
図13参照)、各審査ユーザ3の審査ユーザ評価642へ謝礼・審査報酬とする所定ポイントを加算し、加算後の審査ユーザ評価642に基づいて審査個人情報644を更新する(ステップS84)。すなわち、審査経験データ650を作成し、審査レベル658を更新する。
【0175】
そして、サーバシステム1100は、審査ユーザ別審査結果716から総合審査結果717を決定し(ステップS86)、提供者ユーザ(登録申請者ユーザ)へ総合審査結果717を通知する(ステップS88)。通知方法は適宜設定可能である。例えば、所定のウェブサイトにて掲示板を用意してそこで通知するとしてもよいし、ユーザ登録時に申告した電子メールのアドレスへ宛てて通知のメールを送るとしてもよい。
【0176】
次に、サーバシステム1100は、提供者ユーザのユーザ情報600のコンテンツ経験情報618にUGC登録申請履歴データ620を追加する(ステップS90;
図4参照)。
次いで、サーバシステム1100は、総合審査結果717が「合格」であれば(ステップS92のYES)、提供されたUGC7を頒布対象として追加登録する(ステップS94)。これにより、新しいUGC登録データ720が作成され、当該登録データを参照するコンテンツマーケットでは、この新たに頒布前審査に合格したUGC7が新たに利用可能・提供可能になる。
【0177】
次に、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にて所定のマーケット利用開始操作の入力を検出すると(ステップS110のYES)、当該ユーザ端末1500にてコンテンツマーケットのUGC選択画面W4を表示させ、そこでUGC登録データ720のあるUGC7を利用対象の選択肢として提示する(ステップS112)。
【0178】
なお、ステップS112におけるUGC選択画面W4でのUGC7の(アイコンの)表示順は適宜設定できる。例えば、UGC7のタイトルのアルファベット順やあいうえお順、利用履歴数順、登録日時順、利用者ユーザの利用評価順、としてもよい。また例えば当該UGC7の頒布前審査の審査結果に基づいて表示順を決定してもよい。例えば、「合格」と判断した審査ユーザ3の数の多い順としてもよい。頒布前審査を審査ユーザ3が公開・頒布するコンテンツとしての適正度を採点する点数制とする場合は、合計点数で表示順を決定するとしてもよい。
【0179】
次いで、サーバシステム1100は、利用ユーザ(マーケット利用開始操作の入力したユーザ2)が利用したいと思うUGC7の選択入力を受け付け(ステップS114)、利用ユーザのユーザ情報600のコンテンツ経験情報618にUGC利用履歴データ630を追加し(ステップS116;
図4参照)、当該選択されたUGC7の利用開始処理を実行する(ステップS118)。
【0180】
ステップS118において、具体的には、サーバシステム1100は、選択されたUGC7が動画であればユーザ端末1500にて動画を再生し、音楽や音声であればその音を出力する。イラストであればそれを表示し、プレーヤキャラクタ4で利用可能なアイテムやスキンであれば、ゲームセーブデータ609(
図3参照)にそれらを追加する。
【0181】
図17に移って、次に、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にて所定の不適格評価開始操作の入力があれば(ステップS130のYES)、当該ユーザ端末1500にて不適格評価入力画面を表示させる(ステップS132)。
【0182】
不適格評価入力画面では、例えば、当該操作入力したユーザ2のUGC利用履歴データ630を参照して、評価対象とするUGC7の選択入力するための一覧を表示させる。ユーザ2は当該一覧から何れか不適格と思うUGC7を選択入力する。不適格と思う理由を問う選択欄(例えば、他の著作権を侵害していると思う、コンテンツとしての作品レベルが稚拙すぎる、誹謗中傷が含まれる、など)を設けて、理由の入力を求めてもよい。
【0183】
なお、ステップS132にて評価対象の候補として一覧表示されるUGC7は、コンテンツマーケットにて提供開始されてから所定時間が経過したUGC7(例えば、登録日時723(
図14参照)から現在日時900までの経過時間が所定時間長に達したUGC7)に限定してもよい。この場合、多くのユーザ2に当該UGC7が周知されて利用可能とされる前に不適格評価がなされてしまう事態を抑制できる。
【0184】
サーバシステム1100は、不適格評価入力画面での入力結果を不適格評価履歴データ732(
図14参照)として記憶し(ステップS134)、頒布取り下げ処理を実行する(ステップS136)。
【0185】
図20は、頒布取り下げ処理の流れを説明するためのフローチャートである。
頒布取り下げ処理において、サーバシステム1100は、公開・頒布の対象として登録されている全てUGC7についてループBを実行する(ステップS150からステップS168)。
【0186】
ループBでは、サーバシステム1100は、処理対象とするUGC7への不適各評価の累計回数を計算し、それが所定基準値に達している場合(ステップS152のYES)、処理対象とするUGC7のUGC登録データ720(
図14参照)を抹消して、公開・頒布の対象としての登録を抹消・中止する(ステップS154)。なお、当該ステップS154に係り、運用者8に対して、抹消実行/抹消見送りの最終判断の入力を求めるステップを追加し、それに従うとしてもよい。
【0187】
次に、サーバシステム1100は、ループBの処理対象とされるUGC7を頒布前審査した審査ユーザ3毎にループCを実行する(ステップS156からステップS166)。
ループCにおいて、サーバシステム1100は、ループCの処理対象とされる審査ユーザ3の審査個人情報644に格納されている審査経験データ650(
図5参照)の中から、審査UGC登録ID654がループBの処理対象とされるUGC7の登録IDと合致する履歴データを検索して、その審査ユーザ別審査結果656を参照する。
【0188】
そして、参照した審査ユーザ別審査結果656が「合格」である場合(ステップS158の合格)、サーバシステム1100は、当該審査ユーザ3は過去に間違った頒布前審査をしたとみなし、当該審査ユーザ3の審査ユーザ評価642を減点し(ステップS160)、ループCを終了する(ステップS166)。
【0189】
つまり、ステップS136として実行されるステップS160は、利用ユーザ2cによるUGCの利用評価(不適格評価)と、当該UGC7に関する審査処理の審査結果(審査ユーザ別審査結果656)とに基づいて、当該UGC7を審査した審査ユーザ3を評価する処理を実行するステップである、と言うことができる。
【0190】
ループBの処理対象とされるUGC7を頒布前審査した審査ユーザ3全員についてループCを実行したならば、ループBを終了する(ステップS168)。
そして、サーバシステム1100は、公開・頒布の対象として登録されている全てのUGC7についてループBを実行したならば、頒布取り下げ処理を終了する。
【0191】
図17に戻って、次に、サーバシステム1100は、自機にて不適格評価開始操作の入力があれば(ステップS170のYES)、自機にて運用者8向けの不適格評価入力画面を表示する(ステップS172)。運用者8向けの不適格評価入力画面では、例えば、評価対象とするUGC7の選択入力をするための一覧と、不適格と評価される理由の入力欄(例えば、他の著作権を侵害していると思う、コンテンツとしての作品レベルが稚拙すぎる、誹謗中傷が含まれる、など)と、を含む。
【0192】
なお、ステップS172にて評価対象の候補として一覧表示されるUGC7は、コンテンツマーケットにて提供開始されてから所定時間が経過したUGC7(例えば、登録日時723(
図14参照)から現在日時900までの経過時間が所定時間長に達したUGC7)に限定してもよい。この場合、運用者8に当該UGC7が適切な評価期間を得られる前に不適格評価されてしまう事態を抑制できる。
【0193】
サーバシステム1100は、運用者8向けの不適格評価入力画面での入力結果を不適格評価履歴データ732(
図14参照)として記憶し(ステップS174)、頒布取り下げ処理を実行する(ステップS176)。
【0194】
次に、サーバシステム1100は、自機にて所定の審査ユーザによる直接評価開始操作が入力されると(ステップS190のYES)、自機にて直接評価入力画面を表示する(ステップS192)。当該入力画面には、評価対象の審査ユーザ3を選択するための一覧と、審査ユーザ評価642の増減数を入力する入力欄と、評価理由を選択する選択欄と、評価理由となったUGC7を選択するための一覧と、を含めるとよい。
【0195】
サーバシステム1100は、当該入力画面での入力結果に基づいて、評価対象とされた審査ユーザ3の審査ユーザ評価642を変更し(ステップS194)、評価結果(審査ユーザ評価642の増減数・評価理由・評価理由となったUGC7)を、評価対象とされた審査ユーザ3へ向けて通知する(ステップS196)。例えば、予め登録されている電子メールアドレス宛に通知を送信するとしてもよいし、当該審査ユーザ3がログインした際に通知を表示させるとしてもよい。
【0196】
次に、サーバシステム1100は、審査ユーザ3を経験したユーザ2のそれぞれについて、特典定義データ512(
図11参照)の中から、当該ユーザの審査ユーザ評価642が審査ユーザ評価要件を満たす定義データを検索し、その審査ユーザ評価要件に対応付けられた特典内容に従って当該ユーザ2へ特典を付与する(ステップS200)。
【0197】
次いで、サーバシステム1100は、審査ユーザ3としての経験があるユーザ2のそれぞれについて、所定の審査役不適格要件(例えば、審査ユーザ評価642が所定の下限基準値を下回った、など)を満たしているユーザ2を検索し、当該ユーザ2の不適格者フラグ670を「1(審査役として不適格者に該当)」に設定する(ステップS202)。
【0198】
以上、本実施形態によれば、UGC7の審査に有用な技術を提供することができる。
【0199】
すなわち、ゲームシステム1000は、ユーザ2の中から審査ユーザ3を選定し、提供者ユーザから受け付けたUGC7に係る審査を行わせることができる。審査ユーザ3が審査を行うことで、従来のようなシステムの運用者8がUGC7の審査に要していた人的・時間的なコストを削減できる。また、ユーザ2の中から審査ユーザ3を選定することで、運用者8がUGC7を審査する場合に比べて一般ユーザが抱いている審査基準で審査できるようになる。
【0200】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の一例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0201】
(変形例その1)
上記実施形態では、親コンテンツをオンラインゲームとする例を示したが、親コンテンツはオンラインゲームに限らない。例えば、親コンテンツを、動画や音楽、音声、静止画、小説などのテキストとしてもよい。親コンテンツに、原作としての位置づけがある場合には、その原作の著作物を親コンテンツとしてもよい。また、親コンテンツが存在せず、UGC7(7a,7b,…)が1次著作物であっても良い。例えば、ユーザ2が自作した映像作品をUGC7としてもよい。
【0202】
(変形例その2)
上記実施形態のサーバシステム1100の機能構成に、
図21に示すような、公開・頒布の基準を機械学習した自動審査部242を追加して、当該自動審査部242によるUGC7の審査結果を利用する構成も可能である。
【0203】
自動審査部242は、例えば、公序良俗違反とされる画像データや音声データなどを収集した第1データベース801(
図22参照)を管理し、UGC7とそれらを比較して類似度合を判定し、類似度合が基準値以上の場合は公序良俗違反の疑い有りとして、審査結果を「不合格」とする。また、自動審査部242は、例えばインターネットで公開されている画像データや、音声データ、などを収集した第2データベース802(
図22参照)を管理し、UGC7とそれらを比較して類似度合を判定し、類似度合が基準値以上の場合は著作権侵害の疑い有りとして、審査結果を「不合格」とする。或いは、自動審査部242を、機械学習を用いて審査ユーザ3相当の審査を行うAIとして実現してもよい。
【0204】
そして、審査ユーザ3による審査において、具体的にはステップS86(
図19参照)において、審査ユーザ3の審査ユーザ別審査結果に自動審査部242の審査結果を合わせて総合審査結果717を決定するとしてもよい。
【0205】
また、自動審査部242の審査結果を、審査ユーザ評価642の変更に利用してもよい。
具体的には、例えばステップS130からステップS136の不適格評価の主体、或いはステップS170からステップS176の不適格評価の主体を、自動審査部242に置き換える、としてもよい。また例えば、ステップS160の前に、ループBの処理対象とされるUGC7を自動審査部242で審査するステップを追加し、自動審査部242の審査結果も「不合格」の場合にステップS160を実行する流れとしてもよい。つまり、当該構成では、自動審査部242も「不合格」と判断した場合にステップS160の減点が実行される。
【0206】
(変形例その3)
また、上記実施形態では、ステップS130からステップS136(
図17参照)にて、審査ユーザ評価処理の一例として、利用ユーザ2cによる「不適格評価」の利用評価と、当該UGC7cに関する審査結果とに基づいて当該UGC7を審査した審査ユーザ3を評価する例を示したが、これに限らない。
【0207】
例えば、UGC7の利用評価を一意に決定することができる所定の利用評価決定条件を満たした場合の当該一意の利用評価と、当該UGCに関する審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGCを審査した前記審査ユーザを評価する処理、に置き換えてもよい。
【0208】
複数の利用ユーザによる評価が全て同じ1つである場合は殆どない。評価はユーザによってバラバラであるため、得られる利用評価が様々となる場合が殆どである。この様々な利用評価から1つの結論を出す条件が「所定の利用評価決定条件」である。1つの結論が「一意の利用評価」となる。
【0209】
例えば、利用評価を「Good」「Bad」の2択、或いは利用評価を点数で入力できるようにして、利用評価の入力結果を、UGC登録データ720の利用評価集計データ730(
図14参照)としてUGC7別に蓄積する。そして、サーバシステム1100が、登録日時723から所定時間経過したUGC7、又は利用評価の集計数が所定の多数に達したUGC7について、その利用評価集計データ730が所定の利用評価決定条件を満たした場合に、当該UGC7への利用評価を一意に決定する。例えば、利用評価決定条件を「蓄積された利用評価の80%が、「Good」或いは平均評価点数が5点満点中3点以上である」などとした場合、当該UGC7への利用評価を「適格」の一意に決定する。そして、当該一意の利用評価と、当該UGCに関する審査処理の審査結果とに基づいて、当該UGC7を審査した審査ユーザ3を評価する。
【0210】
(変形例その4)
上記実施形態に、UGC作成情報709(
図12参照)を用いて審査ユーザ3を選定する要素を加えてもよい。例えば、ステップS72(
図18参照)において、候補ユーザ2kを審査ユーザ3として選定する際の審査ユーザ評価順位を、作成時間の長いUGC7ほど上位となるように設定して、審査ユーザ3を選定するとしてもよい。
【0211】
例えば、上記実施形態に、提供者ユーザ2xと活動時間帯が類似する候補ユーザ2kを審査ユーザ3として選択する要素を加えてもよい。例えば、候補ユーザ2kのコンテンツ経験情報618(
図4参照)の登録申請日時622や利用日時632を参照して、当該候補ユーザ2kの活動時間帯を推定する。次いで、
図18のループAの処理において、審査対象UGCのUGC作成情報709に含まれる作成日時に該当する活動時間帯に基づいてソートポイントを加算するステップを追加する。この場合、例えば夜間に作成されたUGC7は、夜間に活動する審査ユーザ3がより選定され易くなり、速やかな審査が期待できる。
【0212】
例えば、ユーザ情報600(
図3参照)に当該ユーザの居住地情報(例えば、地域、行政区、住所、など)を含め、UGC作成情報709(
図12参照)に当該UGC7が作成された作成場所(例えば、作成した地域、国、自宅/オフィスの区分、など)の情報を含めることとする。そして、
図18のループAの処理において、居住地情報の示す場所と作成場所とが近いほど高いソートポイントを加算するステップを追加する。この場合、UGC7が作成された地域や国、作成場所に対して、居住地の近い審査ユーザ3が選定され易くなり、速やかな審査が期待できる。勿論、真逆の観点として、UGC7が作成された場所と、審査ユーザ3の居住地が遠いほど高いソートポイントを加算するステップを加えるとしてもよい。
【0213】
例えば、UGC作成情報709(
図12参照)に作成に使用したツールに関する情報を含まれることとする。そして、
図18のループAの処理において、処理対象である候補ユーザ2kが提供者ユーザ2xであった登録申請受付データ700のUGC作成情報709と、審査対象UGCのUGC作成情報709とを照合して、共通するツールを使ってUGC7の登録申請を行った回数が多いほど高いソートポイントを加算するステップを加える。この場合、同じツールを使ったことのある、つまりUGCの作成の際のテクニックを良く知る審査ユーザ3がより選定され易くなるので、より適切な審査が期待できる。
【符号の説明】
【0214】
2 :ユーザ
3 :審査ユーザ
8 :運用者
200s :サーバ処理部
202 :ユーザ情報管理部
203 :関係管理部
210 :UGC提供制御部
212 :UGC作成制御部
214 :受付部
216 :審査ユーザ選定部
218 :審査制御部
220 :提供是非決定部
222 :審査結果通知制御部
224 :審査ユーザ評価部
226 :審査個人情報管理部
230 :マーケット管理部
232 :UGC選択画面制御部
234 :UGC利用制御部
240 :特典付与部
242 :自動審査部
500s :サーバ記憶部
501 :サーバプログラム
512 :特典定義データ
600 :ユーザ情報
601 :ユーザアカウント
607 :フレンドリスト
618 :コンテンツ経験情報
620 :UGC登録申請履歴データ
630 :UGC利用履歴データ
642 :審査ユーザ評価
644 :審査個人情報
650 :審査経験データ
656 :審査ユーザ別審査結果
658 :審査レベル
700 :登録申請受付データ
705 :受付UGCデータ
707 :UGC属性
710 :審査制御データ
713 :候補ユーザアカウントリスト
715 :審査ユーザアカウントリスト
716 :審査ユーザ別審査結果
717 :総合審査結果
720 :UGC登録データ
730 :利用評価集計データ
732 :不適格評価履歴データ
760 :コンテンツマーケット制御データ
770 :UGC作成サービス制御データ
1000 :ゲームシステム
1100 :サーバシステム
1500 :ユーザ端末