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特開2023-98683ガス供給ユニットおよびガス供給ユニットを含む基材プロセッシング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023098683
(43)【公開日】2023-07-10
(54)【発明の名称】ガス供給ユニットおよびガス供給ユニットを含む基材プロセッシング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20230703BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20230703BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022207227
(22)【出願日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】63/294,105
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】吉川 潤
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA01
4K030EA03
4K030EA04
4K030EA06
5F045AA08
5F045AD01
5F045AE01
5F045BB02
5F045DP03
5F045DQ10
5F045DQ17
5F045EE02
5F045EE05
5F045EF05
5F045EF09
5F045EF14
5F045EH13
(57)【要約】
【課題】ガス供給ユニットおよびガス供給ユニットを含む基材プロセッシング装置を提供する。
【解決手段】ガス供給ユニットが開示される。例示的なガス供給ユニットは、中央注入穴および複数の外注入穴を含む、複数の注入穴が提供された上部プレートと、注入穴からのガスの流れを案内するために、上部プレートに対して構築され、かつ配設された分配プレートと、中央注入穴に流体連結された第1のガスラインと、複数の外注入穴に流体連結された複数の第2のガスラインと、を含む。複数の外注入穴は、中央注入穴の周りに同心で配設される。分配プレートには、中央注入穴と流体連通する中央貫通穴が提供され、かつ上部プレートに向かって延在する複数の突出部が提供され、それによって複数のゾーンを作り出し、ゾーンの各々が外注入穴のうちの1つと流体連通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給ユニットであって、
複数の注入穴が提供された上部プレートであって、前記複数の注入穴が、中央注入穴および複数の外注入穴を含む、上部プレートと、
前記注入穴からのガスの流れを案内するために、前記上部プレートに対して構築および配設された、分配プレートと、
前記中央注入穴へと流体連結された第1のガスラインと、
前記複数の外注入穴に流体連結された複数の第2のガスラインと、を備え、
前記複数の外注入穴が、前記中央注入穴の周りに同心で配設され、かつ
前記分配プレートには、前記中央注入穴と流体連通する中央貫通穴が提供され、かつ前記上部プレートに向かって延在する複数の突出部が提供され、それによって複数のゾーンを作り出し、前記ゾーンの各々が前記外注入穴のうちの1つと流体連通する、ガス供給ユニット。
【請求項2】
前記第1のガスラインの上流へと接続するように構成された第1の液体ガスラインおよび第1の乾燥ガスラインをさらに備える、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項3】
前記第2のガスラインの上流へと接続するように構成された第2の液体ガスラインおよび第2の乾燥ガスラインをさらに備える、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項4】
前記ゾーンのうちの少なくとも1つが、実質的に台形形状で提供される、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項5】
前記ゾーンの数が4つであり、1つのゾーンのサイズが他の3つのゾーンのサイズより大きい、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項6】
前記突出部が、中心から外側へと半径方向に配設された、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項7】
前記ガス供給ユニットの外側のガスの流れを案内するための複数の穴が提供されたシャワープレートをさらに備え、前記シャワープレートが前記上部プレートの下面に取り付けられる、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項8】
前記上部プレートの上面に接続された絶縁体をさらに備え、前記絶縁体には、前記中央注入穴と流体連通する中央穴が提供され、かつその各々が前記外注入穴と流体連通する複数の外穴が提供される、請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項9】
前記分配プレートの下面と前記シャワープレートの上面との間に配置され、かつ前記中央貫通穴および前記ゾーンの周辺と流体連通するように構成されたガス流チャネルをさらに備える、請求項7に記載のガス供給ユニット。
【請求項10】
前記ガス流チャネル内に配置されたガス分配器をさらに備える、請求項9に記載のガス供給ユニット。
【請求項11】
前記ガス分配器がリング形状である、請求項10に記載のガス供給ユニット。
【請求項12】
前記ガス分配器から縁部へと半径方向に配設されたガス分配器突出部をさらに備える、請求項11に記載のガス供給ユニット。
【請求項13】
その各々が前記外穴と流体連通する、複数のガススプリッタをさらに備える、請求項8に記載のガス供給ユニット。
【請求項14】
前記ガススプリッタの流量を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項13に記載のガス供給ユニット。
【請求項15】
基材プロセッシング装置であって、
反応チャンバと、
基材を支持するように構築され、かつ配設された前記反応チャンバ内に位置付けられたサセプタであって、前記装置が請求項1に記載のガス供給ユニットを備え、かつシャワープレートが前記サセプタに面するように構築され、かつ配設された、サセプタと、を備える、基材プロセッシング装置。
【請求項16】
前記反応チャンバの側壁に配置された基材搬送管をさらに備え、前記ゾーンのうちの最大のゾーンが、前記基材搬送管の近傍に配置される、請求項15に記載の基材プロセッシング装置。
【請求項17】
前記反応チャンバの側壁に配置された真空ポートをさらに備え、前記ゾーンのうちの最大のゾーンが、前記真空ポートの近傍に配置される、請求項14に記載の基材プロセッシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ガス供給ユニットおよびガス供給ユニットを含む基材プロセッシング装置に関し、ならびにより具体的には、基材の特定の部分上の膜堆積を制御する能力を有するガス供給ユニット、およびガス供給ユニットを含む基材プロセッシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスでは、回路線幅が減少するにつれ、より精密なプロセス制御が要求されてきた。膜堆積プロセスでは、高い膜均一性を達成するための様々な努力がなされてきた。
【0003】
均一な膜堆積を達成するための主要な要因のうちの1つは、ガス供給ユニットである。シャワープレートは、共通ガス供給ユニットのために使用される。シャワープレートは、基材の上へと同軸の形状でガスを均一に供給する能力を有する。しかしながら、基材の縁部部分における膜の厚さおよび基材の中心部分における膜の厚さは、例えば、排気ポートおよびゲート弁内のガス流に起因して同じではない場合がある。
【0004】
このセクションに記載される問題および解決策の考察を含む任意の考察は、本開示に対する状況を提供する目的のためにのみこの開示に含まれており、本発明がなされた、または別の方法で先行技術を構成する時点で、考察のいずれかまたはすべてが既知であったことを認めたものと取られるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この「発明の概要」は、選択された概念を単純化した形態で紹介するために提供される。これらの概念は、下記の開示の例示の実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に記述される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図しない。
【0006】
本開示の例示的な実施形態によると、ガス供給ユニットが提供される。ガス供給ユニットは、中央注入穴および複数の外注入穴を含む、複数の注入穴が提供された上部プレートと、注入穴からのガスの流れを案内するために、上部プレートに対して構築され、かつ配設された分配プレートと、中央注入穴に流体連結された第1のガスラインと、複数の外注入穴に流体連結された複数の第2のガスラインと、を備える。前記複数の外注入穴は、中央注入穴の周りに同心で配設される。分配プレートには、中央注入穴と流体連通する中央貫通穴が提供され、かつ上部プレートに向かって延在する複数の突出部が提供され、それによって複数のゾーンを作り出し、ゾーンの各々が前記外注入穴のうちの1つと流体連通する。
【0007】
様々な実施形態では、第1の液体ガスラインおよび第1の乾燥ガスラインは、第1のガスラインの上流に接続するように構成されてもよい。
【0008】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、第2のガスラインの上流へと接続するように構成された第2の液体ガスラインおよび第2の乾燥ガスラインをさらに備えてもよい。
【0009】
様々な実施形態では、ゾーンのうちの少なくとも1つは、実質的に台形形状で提供されてもよい。
【0010】
様々な実施形態では、ゾーンの数は、4つであってもよく、1つのゾーンのサイズは、他の3つのゾーンのサイズより大きくてもよい。
【0011】
様々な実施形態では、突出部は、半径方向で中心から外側へと配設されてもよい。
【0012】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、ガス供給ユニットの外側のガスの流れを案内するための複数の穴が提供されたシャワープレートをさらに備え、シャワープレートは上部プレートの下面に取り付けられる。
【0013】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、上部プレートの上面に接続された絶縁体をさらに備えてもよく、絶縁体には、中央注入穴と流体連通する中央穴が提供されてもよく、またその各々が外注入穴と流体連通する複数の外穴が提供されてもよい。
【0014】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、分配プレートの下面とシャワープレートの上面との間に配置され、また中央貫通穴およびゾーンの周辺と流体連通するように構成されたガス流チャネルをさらに備えてもよい。
【0015】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、ガス流チャネル内に配置されたガス分配器をさらに備えてもよい。
【0016】
様々な実施形態では、ガス分配器は、リング形状であってもよい。
【0017】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、その各々が外穴と流体連通する、複数のガススプリッタをさらに備えてもよい。
【0018】
様々な実施形態では、ガス供給ユニットは、ガススプリッタの流量を制御するように構成されたコントローラをさらに備えてもよい。
【0019】
本開示の例示的な実施形態によると、基材プロセッシング装置が提供されてもよい。基材プロセッシング装置は、反応チャンバと、基材を支持するように構築され、かつ配設された反応チャンバ内に位置付けられたサセプタと、を備えてもよく、装置は、ガス供給ユニットを備えてもよく、またシャワープレートはサセプタに面するように構築され、かつ配設されてもよい。
【0020】
様々な実施形態では、基材プロセッシング装置は、反応チャンバの側壁に配置された基材搬送管をさらに備えてもよく、またゾーンのうちの最大のゾーンは、基材搬送管の近傍に配置されてもよい。
【0021】
様々な実施形態では、基材プロセッシング装置は、反応チャンバの側壁に配置された真空ポートをさらに備えてもよく、またゾーンのうちの最大のゾーンは、真空ポートの近傍に配置されてもよい。
【0022】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図に関連して考慮される場合、「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の一実施形態で使用可能な膜を堆積させるためのPECVD(プラズマ強化化学蒸着)装置の概略表現である。
図2図2は、分配プレートを含むガス供給ユニットを示す概略図である。
図3図3は、ガスラインを含むガス供給ユニットを示す概略図である。
図4図4は、本発明の別の実施形態で使用可能なPECVD装置の概略表現である。
図5図5Aは、図4の線A-A’に沿って取られた断面図であり、図5Bは、図4の線B-B’に沿って取られた断面図であり、図5Cは、図4の線C-C’に沿って取られた断面図である。
図6図6A図6Cは、別の実施形態の断面図である。
図7図7A図7Cは、別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために図示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の図示された実施形態の理解を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【0025】
ある特定の実施形態および実施例を以下に開示するが、本開示の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本開示が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、本開示の範囲は、本明細書に記述される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0026】
本明細書に提示された図示は、任意の特定の材料、装置、構造、またはデバイスの実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を記述するために使用される、単なる表現にすぎない。
【0027】
この開示では、「ガス」は、常温および常圧において気体、気化した固体、および/または気化した液体である材料を含んでもよく、また状況に応じて単一の気体または気体の混合物で構成されてもよい。プロセスガス以外のガス、すなわちシャワープレートまたはこれに類するものなどのガス供給ユニットを通過することなく導入されるガスは、例えば、反応空間をシールするために使用されてもよく、また希ガスまたは他の不活性ガスなどのシールガスを含んでもよい。不活性ガスという用語は、かなりの程度まで化学反応に関与しないガス、および/またはプラズマ電力が加えられたときに前駆体を励起することができるガスを指す。前駆体および反応物質という用語は、交換可能に使用することができる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「基材」という用語は、使用されてもよい、またはデバイス、回路、もしくは膜がその上に形成されてもよい、任意の下地材料または材料を指す場合がある。
【0029】
本明細書で使用される場合、「膜」および「薄膜」という用語は、本明細書に開示された方法によって堆積された、任意の連続的または非連続的な構造および材料を指す場合がある。例えば、「膜」および「薄膜」としては、2D材料、ナノロッド、ナノチューブ、もしくはナノ粒子、またはさらには部分的もしくは完全な分子層、または部分的もしくは完全な原子層、または原子および/もしくは分子のクラスタを挙げることができる。「膜」および「薄膜」は、ピンホールを有するが、それでも少なくとも部分的に連続的な材料または層を含んでもよい。
【0030】
プロセスは、例えば、図1に図示する装置を含む任意の好適な装置を使用して実施されてもよい。図1は、PECVD装置の概略図である。この図では、反応チャンバ100の内部に一対の導電性の平板電極30、110を互いに平行かつ向かい合って提供し、一方の側の上部平板電極30に高周波RF電力(例えば、13.56MHzまたは27MHz)を印加し、また他方の側の下部平板電極110を電気的に接地することにより、プラズマが電極間に励起されてもよい。サセプタ110(下部電極)内に温度調整器を備えてもよく、またその上に定置された基材の温度は所与の温度で一定に保持されてもよい。上部平板電極30はシャワープレートとしても機能してもよく、またガスはシャワープレートまたは上部平板電極30を通して反応チャンバ100の中へと導入されてもよい。加えて、反応チャンバ110内には、排気ライン140が提供されてもよく、これを通して反応チャンバ100の内部のガスは排気されてもよい。
【0031】
さらに、反応チャンバ100の下方に配置された移送チャンバ150が提供されてもよく、また移送ゾーンが提供されてもよい。ゲート弁130およびウエハ搬送管135が提供されてもよく、それを通してウエハが移送チャンバ150の中へと、または移送チャンバ150から移送される。一部の実施形態では、ガスを励起するために遠隔プラズマユニットが使用されてもよい。
【0032】
一部の実施形態では、互いに近接して配置されたウエハのプロセッシングのための、多室型モジュール(例えば、2つまたは4つのチャンバまたはコンパートメント)が使用されてもよい。
【0033】
当業者は、本装置が、本明細書の他の箇所に記述された堆積プロセスおよび反応器クリーニングプロセスを行わせるようにプログラムされた、または別の方法で構成された1つ以上のコントローラ(複数可)を含むことを理解し得る。当業者には理解されるように、コントローラ(複数可)は、様々な電源、加熱システム、ポンプ、ロボット、およびガス流量コントローラまたは反応器の弁と連通してもよい。
【0034】
図1および図2の追加的な参照を用いて、ガス供給ユニット1が図示される。ガス供給ユニット1は、中央注入穴5および複数の外注入穴6、7、8、9が提供された上部プレート3を含む。外注入穴6、7、8、9は、中央注入穴5の周りに同心で配設される。
【0035】
ガス供給ユニット1は、上部プレート3に対して構成され、かつ配設された、分配プレート10をさらに含む。分配プレート10は、中央注入穴5と流体連通する中央貫通穴15、およびその各々が外注入穴6、7、8、9と流体連通する複数のゾーン16、17、18、19を有する。
【0036】
ガス供給ユニット1は、分配プレート10から上部プレート3に向かって延在する複数の突出部25、26、27、28をさらに含む。突出部25、26、27、28は、ゾーン16、17、18、19を作り出すように構成されており、また中心から外側へと半径方向に配設されてもよい。すべてのゾーン16、17、18、19は、実質的に同じ台形形状を有してもよく、または一部のゾーンのサイズは、他のゾーンのサイズより大きくてもよい。第1のゾーン16は、ウエハ搬送管135の近傍に配置されてもよい。第2のゾーン18は、真空ポート140の近傍に配置されてもよい。
【0037】
ガス供給ユニット1は、ガスの流れを基材に向かって案内するための複数の穴を有するシャワープレート30をさらに含んでもよい。シャワープレート30は、上部プレート3の下面に取り付けられてもよい。
【0038】
ガス供給ユニット1は、上部プレート3の上面に接続された絶縁体40をさらに含んでもよい。絶縁体40は、中央注入穴5と流体連通する中央穴45、および外注入穴6、7、8、9と流体連通する複数の外穴46、47、48、49を含んでもよい。
【0039】
ガス供給ユニット1は、分配プレート10の下面とシャワープレート30の上面との間に配置され、かつ中央貫通穴15およびゾーン16、17、18、19の周辺と流体連通するように構成されたガス流チャネル60をさらに備えてもよい。
【0040】
図3への追加的な参照では、ガス供給ユニット1は、中央穴45および中央注入穴5へと流体連結された第1のガスライン80を含む。第1のガスライン80は、第1の液体ガスライン90および第1の乾燥ガスライン91の下流へと接続されてもよい。ガス供給ユニット1は、外穴46、47、48、49および外注入穴6、7、8、9に流体連結される、複数の第2のガスライン82、83、84、85をさらに含む。第2のガスライン82、83、84、85は、共通ガスライン81へと接続されてもよい。共通ガスライン81は、第2の液体ガスライン100および第2の乾燥ガスライン101の下流に接続されてもよい。第1のガスライン80は、第1の制御ノブを有してもよく、一方で第2のガスライン82、83、84、85は、第2の制御ノブを有してもよい。別個の制御ノブの使用は、中央および縁部における反応性ガスの総流量および分圧の両方の独立した制御を可能にする場合がある。
【0041】
ガス供給ユニット1は、外穴46、47、48、49とそれぞれ流体連通する、複数のガススプリッタ70をさらに含んでもよい。
【0042】
炭素層を形成するための液体ガスとしての炭素前駆体は、反応チャンバの中へと導入されてもよい。例示的な前駆体は、式CxHyNzによって表される化合物を含み、式中、xは2以上の自然数であり、yは自然数であり、およびzはゼロまたは自然数である。例えば、xは約2~約15の範囲であってもよく、yは約4~約30の範囲であってもよく、またzは約0~約10の範囲とすることができる。前駆体は、2個以上の炭素原子と1個以上の水素原子とを有する鎖状分子または環状分子(上記の式によって表される分子など)を含んでもよい。具体的な例として、前駆体は、少なくとも1つの二重結合を有し一部の事例では2つ以上または3つ以上の二重結合を含む、1つ以上の環状(例えば、芳香族)構造および/または化合物であってもよく、またはそれを含んでもよい。具体的な例として、炭素前駆体は、1,3,5,トリメチルベンゼンまたは2,4,6,トリメチルピリジンであってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0043】
乾燥ガスとしての1つ以上の不活性ガスは、例えば、アルゴン、ヘリウム、および窒素のうちの1つ以上を、任意の組み合わせで含んでもよい。不活性ガスは、反応チャンバ内のプラズマを点火する、またはプラズマの点火を容易にするために、反応チャンバから反応物質および/もしくは副産物をパージするために、使用されてもよく、かつ/または反応チャンバへの前駆体の送達を支援するためのキャリアガスとして使用されてもよい。プラズマを点火および維持するために使用される電力は、約50W~約8,000Wの範囲であってもよい。電力の周波数は、約2.0MHz~約27.12MHzの範囲であってもよい。
【0044】
ガス供給ユニットは、ガススプリッタ70の流量を制御するように構成されたコントローラ200を含んでもよい。流量を調整することによって、各ゾーン16、17、18、19内のガス量を制御してもよい。したがって、特定の周辺部分内に形成される膜の均一性または特性を、選択的に制御してもよい。例えば、ゾーン16および18において堆積される膜の均一性を、選択的に制御してもよい。
【0045】
図4への追加的な参照では、ガス供給ユニット1は、ガス流チャネル60内に配置されたガス分配器170をさらに含んでもよい。図5に示すように、ガス分配器170はリング形状であってもよい。ガス分配器170は、中央と縁部との間の流量の制御可能性をさらに改善する場合がある。
【0046】
図6A図6Cは、別の実施形態の断面図である。この実施形態では、突出部125、126、127、128は、ゾーン116、117、118、119を作り出すように構成されており、また中心から縁部へと半径方向に配設されてもよい。突出部125、126、127、128の使用は、ゾーン116、117、118、および119の間に流量のより大きい差異を作る場合がある。
【0047】
図7A図7Cは、別の実施形態の断面図である。この実施形態では、ガス分配器170は、ガス分配器170から縁部へと半径方向に配設された、ガス分配器突出部175、176、177、178をさらに含んでもよい。ガス分配器突出部175、176、177、178は、突出部125、126、127、128と重なるように配置されてもよい。ガス分配器突出部175、176、177、178の使用は、ゾーン116、117、118、および119の間に流量のはるかにより大きい差異を作る場合がある。
【0048】
これらの実施形態は、本発明の実施形態の単なる実施例にすぎないので、上述の本開示の例示の実施形態は、本発明の範囲を限定しない。任意の均等な実施形態は、本発明の範囲内であることが意図される。実際に、記述される要素の代替的な有用な組み合わせなどの、本明細書に示されかつ記述されるものに加えて、本開示の様々な修正は、当業者には記述から明らかになる場合がある。こうした修正および実施形態もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】