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特開2023-99521高反応性材料のサンプルリフトアウトを実施するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099521
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】高反応性材料のサンプルリフトアウトを実施するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20230706BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20230706BHJP
   G01N 1/32 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
G01N1/28 N
H01J37/317 D
G01N1/28 F
G01N1/32 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022211699
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】17/566,904
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー トンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン エリス
(72)【発明者】
【氏名】アダム ストークス
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ケリー
(72)【発明者】
【氏名】セドリック ブーシェ-マルキス
【テーマコード(参考)】
2G052
5C101
【Fターム(参考)】
2G052AA11
2G052AB01
2G052AD12
2G052AD32
2G052AD52
2G052BA27
2G052CA04
2G052CA46
2G052EC18
2G052FD06
2G052GA33
5C101AA02
5C101AA32
5C101AA37
5C101EE73
5C101FF19
5C101FF22
5C101FF31
5C101FF50
(57)【要約】
【課題】
高反応性材料のサンプルリフトアウトを実施するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】
荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための方法及びシステムが、本明細書に開示される。方法は、サンプルマニピュレータがサンプルに近接するようにサンプルマニピュレータを並進させることと、サンプルマニピュレータの部分を、部分が除去されるようにミリングすることと、を含む。サンプルに近接するサンプルマニピュレータの部分は、高スパッタ収率材料から構成されており、高スパッタ収率材料は、サンプルマニピュレータから除去されるように荷電粒子ビームでミリングされる材料であり得る。本開示によれば、サンプルマニピュレータの部分は、除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部が再堆積してサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を形成するようにミリングされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
サンプルマニピュレータを、前記サンプルマニピュレータがサンプルに近接するように並進させるステップであって、前記サンプルに近接する前記サンプルマニピュレータの部分は、高スパッタ収率材料から構成されている、並進させるステップと、
荷電粒子ビームで、前記高スパッタ収率材料を、前記高スパッタ収率材料の部分が前記サンプルマニピュレータから除去されるようにミリングするステップであって、前記除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、前記サンプルマニピュレータと前記サンプルとの間に取り付け部を形成する、ミリングするステップと、の実施を開始させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記高スパッタ収率材料は、銅である、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記サンプルマニピュレータを前記並進させることは、前記サンプルマニピュレータを、前記高スパッタ収率材料から構成された前記部分が10ミクロン以内にあるように並進させることを含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記サンプルマニピュレータを前記並進させることは、前記高スパッタ収率材料から構成された前記部分が1ミクロン以内にあるように、前記サンプルマニピュレータを並進させることを含む、請求項3に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記サンプルマニピュレータは、前記高スパッタ収率材料から構成されているプローブを備える、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記サンプルマニピュレータは、前記高スパッタ収率材料でコーティングされているプローブを備え、前記高スパッタ収率材料に照射することは、前記サンプルに近接する前記コーティングの部分をミリング除去することを含む、請求項1に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記サンプルマニピュレータは、プローブに取り付けられた中間体を備え、前記中間体は、前記高スパッタ収率材料から構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記中間体は、
前記サンプルマニピュレータのプローブ部分を、前記プローブ部分が前記中間体に近接するように並進させることと、
前記荷電粒子ビームで、前記プローブに近接する前記中間体の部分をミリングすることであって、前記除去された中間体の少なくとも一部は、再堆積して、前記プローブ部分と前記中間体との間に取り付け部を形成する、ミリングすることと、を含むプロセスによって、前記サンプルマニピュレータの前記プローブ部分に取り付けられる、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記中間体は、ガス堆積によって前記サンプルマニピュレータのプローブ部分に取り付けられる、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
荷電粒子システム内で前記サンプルマニピュレータと前記サンプルとの間に取り付け部を作成するための方法は、従前の取り付け方法よりも低減された量の前駆体ガスを必要とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記非一時的コンピュータ可読媒体が前記プロセッサに実行させる方法は、極低温において荷電粒子システムで実施される、請求項1~6のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記高スパッタ収率材料をミリングすることは、前記サンプルに近接する前記高スパッタ収率材料上の複数の場所をミリングすることを含み、前記複数の場所の各々は、前記サンプルに近接する前記高スパッタ収率材料のエッジに位置する、請求項1~6のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記複数の場所の間に、ミリング除去されていない、前記サンプルに近接する前記エッジに沿った前記高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域があり、前記除去された高スパッタ収率材料の前記少なくとも一部は、再堆積して、前記サンプルと、ミリング除去されていない、前記サンプルに近接する前記エッジに沿った、前記高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域と、の間に少なくとも1つの取り付け部を形成する、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記サンプルに近接する前記サンプルの前記エッジに沿った、ミリング除去されていない、前記高スパッタ収率材料の複数の領域があり、前記除去された高スパッタ収率材料の前記少なくとも一部は、再堆積して、前記サンプルと、ミリング除去されていない、前記サンプルに近接する前記エッジに沿った前記高スパッタ収率材料の前記少なくとも1つの領域の個々の領域と、の間に複数の取り付け部を形成する、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
荷電粒子システムであって、
サンプルに向けて荷電粒子を放出するように構成された荷電粒子エミッタと、
前記サンプルを支持するように構成されたサンプルホルダと、前記荷電粒子を前記サンプルに入射するように誘導するように構成された光学カラムと、
前記荷電粒子による照射に起因する前記サンプルからの放出を検出するように構成された検出器システムと、
1つ以上のプロセッサと、
非一時的コンピュータ可読命令を記憶しているメモリと、を備え、前記非一時的コンピュータ可読命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
サンプルマニピュレータを、前記サンプルマニピュレータがサンプルに近接するように並進させるステップであって、前記サンプルに近接する前記サンプルマニピュレータの部分は、高スパッタ収率材料から構成されている、並進させるステップと、
荷電粒子ビームで、前記高スパッタ収率材料を、前記高スパッタ収率材料の部分が前記サンプルマニピュレータから除去されるようにミリングするステップであって、前記除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、前記サンプルマニピュレータと前記サンプルとの間に取り付け部を形成する、ミリングするステップと、を実施させる、荷電粒子システム。
【請求項16】
前記高スパッタ収率材料をミリングすることは、前記サンプルに近接する前記高スパッタ収率材料上の複数の場所をミリングすることを含み、前記複数の場所の各々は、前記サンプルに近接する前記高スパッタ収率材料のエッジに位置する、請求項15に記載の荷電粒子システム。
【請求項17】
前記サンプルに近接する前記サンプルの前記エッジに沿った、ミリング除去されていない、前記高スパッタ収率材料の複数の領域があり、前記除去された高スパッタ収率材料の前記少なくとも一部は、再堆積して、前記サンプルと、ミリング除去されていない、前記サンプルに近接する前記エッジに沿った前記高スパッタ収率材料の前記少なくとも1つの領域の個々の領域と、の間に複数の取り付け部を形成する、請求項16に記載の荷電粒子システム。
【請求項18】
前記非一時的コンピュータ可読命命令は、前記1つ以上のプロセッサに、前記サンプルが極低温にある間に前記ステップを実施させる、請求項15に記載の荷電粒子システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高反応性材料のサンプルリフトアウトを実施するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型荷電粒子顕微鏡及び透過型荷電粒子顕微鏡では、荷電粒子ビームを使用して、サンプル上の関心領域を画像化するか、又は別様に調査する。多くの場合、関心領域を画像化及び/又は調査する前に、システム内でサンプルを調製及び/又は操作して、関心領域が露出されること、又は別様に調製されることを可能にする必要があることが多い。現行のシステムでは、そのような調製は、荷電粒子ビームを使用してサンプルをより大きい試料から調製することと、サンプルを操作プローブに取り付けて、サンプルを顕微鏡システム内で並進させることを可能にすることと、サンプルを、サンプル上の関心領域を処理、画像化、及び/又は別様に調査することができるように、サンプルホルダに取り付けることと、のうちの1つ以上の方途を含むことが多い。
【0003】
現行のシステムでは、サンプルは、前駆体ガス又は貯留させた液体を使用して、プローブ及び/又はサンプルホルダに取り付けられる。具体的には、いくつかの取り付け方法では、サンプルの周囲の容積に前駆体ガスが導入され、ここでガス分子は、荷電粒子ビームが照射されると、サンプル、プローブ、及び/又はサンプルホルダ上に堆積物を形成する。別の現行の取り付け方法では、サンプル、プローブ、及び/又はサンプルホルダにまず液体が導入され、液体が硬化するように液体に荷電粒子ビームが照射され、サンプルとプローブ及び/又はサンプルホルダとの間に取り付け部結合が形成される。しかしながら、これらのシステムは、多くの一般的な用途に有効であるが、それらは各々、それらを一部の顕微鏡調査に対して不適にする欠点を抱えている。
【0004】
例えば、荷電粒子顕微鏡システムは、光学コンポーネントの汚染を低減すること、荷電粒子ビームに対する不所望の粒子の影響を低減すること、及びサンプル上に不要な堆積物を有することについて、封止されたチャンバ内でサンプルを調査する。前駆体ガス及び/又は液体の導入は、荷電粒子顕微鏡システムのチャンバに追加の材料を追加し、これらの不所望の影響を増加させる。加えて、ガス又は液体を導入するには、新しい荷電粒子システムの設計及び実装態様を複雑にする特別に適合化された機構が必要であると同時に、新しいユーザが正確に実装することが難しい複雑な処理手順も追加される。最後に、高反応性のサンプルの場合、従前の前駆体ガスを使用することができず、これは、ガスの導入が、続いて取り付け後のミリング又は画像化が実施される場合に、サンプル表面の劣化を引き起こし、及び/又はサンプルを荷電粒子ビームに対してより反応しやすくすることがあるためである。このため、高反応性材料の画像化及び調査を可能にする新しい取り付け及びサンプル操作システム及びプロセスに対する要望が存在する。
【発明の概要】
【0005】
荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための方法及びシステムが、本明細書に開示される。方法は、サンプルマニピュレータを、サンプルマニピュレータがサンプルに近接するように並進させることと、サンプルマニピュレータの部分を、部分が除去されるようにミリングすることと、を含む。サンプルに近接するサンプルマニピュレータの部分は、高スパッタ収率材料から構成されており、高スパッタ収率材料は、サンプルマニピュレータから除去されるように荷電粒子ビームでミリングされる材料であり得る。本開示によれば、サンプルマニピュレータの部分は、除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部が再堆積してサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を形成するようにミリングされる。
【0006】
本開示による荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するためのシステムは、サンプルに向けて荷電粒子を放出するように構成された荷電粒子エミッタと、サンプルを支持するように構成されたサンプルホルダと、荷電粒子をサンプルに入射するように誘導するように構成された光学カラムと、荷電粒子による照射に起因するサンプルからの放射を検出するように構成された検出器システムと、を備え得る。システムは、1つ以上のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読命令を記憶しているメモリとを含み、非一時的コンピュータ可読命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、顕微鏡システムに、サンプルマニピュレータをサンプルに近接するように並進させることと、サンプルマニピュレータの高スパッタ収率部分をミリングし、これにより、ミリングによって除去された材料が再堆積してサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を形成することと、を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
詳細な説明は、添付の図を参照して説明される。図では、参照番号の最も左の数字は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図の同じ参照番号は、類似又は同一の項目を示している。
【0008】
図1】高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための、及び/又は荷電粒子顕微鏡システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例示的なシステムを例解する。
図2】荷電粒子顕微鏡システム内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための例解的なプロセスのフロー図。
図3】荷電粒子顕微鏡システム内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための例示的な実施を例証する一連の捕捉された画像である。
図4A】本開示による高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的な結果を示す捕捉された画像。
図4B】本開示による高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的な結果を示す捕捉された画像。
図4C】本開示による高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的な結果を示す捕捉された画像。
図5】荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例解的なプロセスのフロー図を例解する。
図6A】荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例示的な実施形態を示す。
図6B】荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例示的な実施形態を示す。
図6C】荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例示的な実施形態を示す。
図7】ベベルエッジを有するサンプルホルダを使用した高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的なプロセスの例示的な実施を例証する一連の画像を示す。
【0009】
同じ参照番号は、図面のいくつかの図全体にわたって、対応する部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
荷電粒子顕微鏡システム内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための方法及びシステムが開示される。より具体的には、本開示は、入れ子状空隙が支持構造内に作成される方法及びシステムを含み、サンプルが、サンプルの少なくとも一部分が入れ子状空隙内に位置するように並進され、次いで、入れ子状空隙を画定する支持構造の領域からの材料が、ミリング除去される。支持構造の領域からの材料は、除去された材料の少なくとも一部が再堆積してサンプルと支持構造の残りの部分との間に1つ以上の取り付け結合部を形成するように、サンプルに近接して位置する。このようにして、荷電粒子システムに前駆体ガス又は他のタイプの取り付け媒体を追加する必要なく、サンプルをサンプルホルダに取り付けることができる。加えて、取り付け部は、ミリングされた材料の受動的な再堆積によって形成されるため、サンプルに対する反応及び/又は他のタイプの損傷の可能性は、はるかに小さい。これにより、リチウムベースのバッテリ技術で見られるような高反応性材料から構成されたサンプルを、サンプルを損傷することなくサンプルホルダに取り付けることが可能になる。この方途でサンプルがサンプルホルダに取り付けられると、サンプルに対する連続セクショニング断層撮影法、サンプルに対する拡張された挿入可能な後方散乱検出器(CBS)分析、及びサンプルに対する電子後方散乱回折(EBSD)分析などであるがこれらに限定されないような1つ以上の方法論を使用して、サンプルの1つ以上の関心領域を画像化及び/又は調査することができる。
【0011】
加えて、荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための方法及びシステムもまた、本明細書に開示される。具体的には、本開示は、サンプルに近接する高スパッタ収率材料の照射によってサンプルをホルダ又はマニピュレータに取り付ける方法及びシステムを含む。最初に、サンプルマニピュレータは、高スパッタ収率材料で作製されたマニピュレータの一部分がサンプルに近接して(例えば、ミクロン内で)位置するように並進される。次いで、サンプルに近接する高スパッタ収率材料の領域が、荷電粒子ビームを使用してミリング除去され、これにより、除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部が再堆積して、サンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を形成する。本開示によれば、高スパッタ収率材料は、特定のイオンビーム種及び電圧で照射されたときに、シリコン又はタングステンよりも大きい原子数/イオンを生じる材料に対応する。例えば、高スパッタ収率材料は、銅又は亜鉛などの、材料が30kVのGa+集束イオンビームで照射されたときに、5、7、8、又は10よりも大きい原子数/イオンを放出する材料として定義される高スパッタ収率材料である。
【0012】
概して、図では、所与の例において含まれる可能性が高い要素は、実線で例解されているのに対し、所与の例において任意選択的である要素は、破線で例解されている。しかしながら、実線で例解されている要素は、本開示の全ての例に必須であるわけではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の例から省略され得る。
【0013】
図1は、高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための、及び/又は荷電粒子顕微鏡システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例示的なシステム100を例解する。具体的には、図1は、サンプルマニピュレータ106とサンプル108との間に取り付け部を作成し、及び/又はサンプルリフトアウト及び高反応性材料の保護キャップ配置をin situで実施するための例示的な顕微鏡システム104を含む例示的な環境102を示す。本開示は、顕微鏡を含む環境に限定されるものではないこと、及びいくつかの実施形態では、環境100は、サンプル108を操作し、及び/又は別様に調べるように構成された異なるタイプのシステムを含み得ることに留意されたい。
【0014】
例示的な顕微鏡システム104は、限定されるものではないが、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、荷電粒子顕微鏡(CPM)、極低温互換顕微鏡、集束イオンビーム(FIB)顕微鏡、デュアルビーム顕微鏡システム、又はそれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の種々のタイプの光学顕微鏡、及び/又は荷電粒子顕微鏡であり得るか、又はこれらを含み得る。図1は、例示的な顕微鏡システム104を、STEMカラム110及びFIBカラム112を含むデュアルビーム顕微鏡システムであるとして示している。
【0015】
図1は、例示的な顕微鏡システム104を、サンプル108に荷電粒子ビーム114で照射するためのSTEMカラム110を含むものとして描示している。STEMカラム110は、電子放出軸118に沿ってサンプル108に向けて電子ビーム114を放出する電子源116(例えば、熱電子源、ショットキー放出源、電界放出源など)を含む。電子放出軸118は、電子源116からサンプル108を通って例示的な顕微鏡システム104の長さに沿って延びる中心軸である。図1は、例示的な顕微鏡システム104を、電子源116を含むものとして描示しているが、他の実施形態では、STEMカラム110は、サンプル108に向けて複数の荷電粒子を放出するように構成された、イオン源などの荷電粒子源を備え得る。
【0016】
加速レンズ120は、電子ビーム114を電子集束カラム122に向けて加速/減速、集束、及び/又は誘導する。電子集束カラム122は、電子ビーム114を、電子ビームがサンプル108の少なくとも一部分に入射するように集束させる。加えて、集束カラム122は、電子ビーム114の収差(例えば、幾何学的収差、色収差)を補正及び/又は調節し得る。いくつかの実施形態では、電子集束カラム122は、電子源116からの電子をサンプル108上の小さいスポットに一斉に集束させるアパーチャ、デフレクタ、伝送レンズ、走査コイル、コンデンサレンズ、対物レンズなどのうちの1つ以上を含み得る。デフレクタ及び/又は走査コイルによって電子ビームの方向を調整することによって、サンプル108の種々の場所が走査され得る。このようにして、電子ビーム114は、サンプルの表層(すなわち、STEMカラム104に近接し、かつ/又は電子ビーム114によって照射される、層の表面)中にわたって走査される画像化ビームとして機能し得る。サンプル108の表層のこの照射は、電子ビーム114の成分電子に、サンプルの成分電子/分子/特徴と相互作用させ、これにより、成分電子/分子/特徴は、サンプル108によって放出物124を放出させる。放出される特定の放出物は、それらを放出させる対応する元素/分子/特徴に基づいており、それにより、放出物が分析されて対応する元素/分子に関する情報が判定できる。加えて、図1は放出物124をサンプル108の下流に移動するものとして例解しているが、当業者であれば、放出物が、荷電粒子源116の方を含むが、これに限定されない、他の方向に放出され得ることを理解するであろう。
【0017】
図1は、サンプル108に入射する電子ビーム114から結果として生じる放出物124を検出するための検出器システム126(a)及び126(b)を更に例解している。検出器システム126は、そのような放出物を検出するように位置決めされるか、又は別様に構成された1つ以上の検出器を備え得る。例えば、本発明による荷電粒子システムは、サンプル108の下方に位置決めされた検出器システム126(a)、サンプル108の上方に位置決めされた検出器システム126(b)、又はその両方を含み得る。様々な実施形態では、異なる検出器及び/又は単一検出器の異なる部分は、異なる種類の放出物を検出するように構成することができるか、又は放出物の異なるパラメータが異なる検出器及び/若しくは異なる部分によって検出されるように構成することができる。検出器システム126は、検出された放出物に対応するデータ/データ信号を生成し、かつデータ/データ信号を1つ以上のコンピューティングデバイス128に伝送するように更に構成されている。
【0018】
図1はまた、例示的な顕微鏡システム104を、顕微鏡チャンバ130中のサンプル108又は他の物体の部分を除去するためのFIBカラム112を含むものとして描示している。例えば、FIBカラム112は、試料本体の部分をミリング除去して、サンプル108を露呈し得るか、又は別様に作成し得る。他の実施形態では、例示的な顕微鏡システム104は、レーザ、機械的ブレード(例えば、ダイヤモンドブレード)、電子ビームなどの、他のタイプのディレイヤリングコンポーネントを含み得る。FIBカラム112は、イオン放出軸136に沿って複数のイオン134を放出するように構成された荷電粒子エミッタ132を含むものとして示されている。
【0019】
イオン放出軸136は、荷電粒子エミッタ132からサンプル108を通って延びる中心軸である。FIBカラム112は、荷電粒子エミッタ132からのイオンをサンプル108上の小さいスポットに一斉に集束させるアパーチャ、デフレクタ、伝送レンズ、走査コイル、コンデンサレンズ、対物レンズなどのうちの1つ以上を備えるイオン集束カラム138を更に含む。このようにして、イオン集束カラム138中の要素は、荷電粒子エミッタ132によって放出されたイオンに、サンプル108又は他の本体の1つ以上の部分をミリング除去させ得るか、又は別様に除去させ得る。例えば、FIBカラム112は、スライスアンドビュー画像化中に、画像取得の間に、既知の厚さを有するサンプル108の表層をサンプル108から除去するように構成され得る。
【0020】
図1は、例示的な顕微鏡システム104を、サンプルホルダ140、サンプルマニピュレータ106、及びサンプルローディングチャンバ142を更に含むものとして例解している。サンプルホルダ140は、サンプル108を保持するように構成されており、例示的な顕微鏡システム104に対してサンプル108を並進、回転、及び/又は傾斜させることができる。例えば、サンプルホルダ140は、サンプル又は試料が取り付けられ、及び/又は別様に保持されることとなるグリッド又は構造物を備え得る。加えて、サンプルマニピュレータ108は、サンプルが並進、角度付け、及び/又は回転され得るような、サンプル108と相互作用することができる顕微鏡チャンバ130中の機構である。例えば、図1は、サンプルマニピュレータを、本体から延在し、かつサンプルが取り付けられ得るプローブ部分を備えるものとして示している。サンプルローディングチャンバ142は、顕微鏡チャンバ130から封止可能であり得、サンプルホルダ140がサンプルローディングチャンバ142中にある間にユーザがサンプルホルダ140にアクセス及び/又は相互作用することができるように、サンプルホルダ140をサンプルローディングチャンバ142中に退避させることが可能であり得る。
【0021】
環境100はまた、1つ以上のコンピューティングデバイス128を含むものとして示されている。当業者であれば、図1に描示されるコンピューティングデバイス128は単なる例解であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。コンピューティングシステム及びデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネット器具、PDA、無線電話、コントローラ、オシロスコープ、増幅器などを含む、指定された機能を実施することができるハードウェア又はソフトウェアの任意の組み合わせを含み得る。コンピューティングデバイス128はまた、図示されていない他のデバイスに接続され得るか、又は代わりに、スタンドアロンシステムとして動作し得る。
【0022】
コンピューティングデバイス128のうちの1つ以上は、例示的な顕微鏡システム104のコンポーネントであり得るか、ネットワーク通信インターフェースを介して例示的な顕微鏡システム104と通信する例示的な顕微鏡システム104とは別個のデバイスであり得るか、又はそれらの組み合わせであり得ることにも留意されたい。例えば、例示的な顕微鏡システム104は、例示的な顕微鏡システム104のコンポーネント部分であり、かつ例示的な荷電粒子顕微鏡システム104の動作を駆動するコントローラとして機能する(例えば、走査コイルを動作させることによってサンプル上の走査場所を調整するなど)、第1のコンピューティングデバイス128を含み得る。そのような実施形態では、例示的な顕微鏡システム104はまた、例示的な顕微鏡システム104から分離されたデスクトップコンピュータであり、かつ検出器システム126から受信されたデータを処理して、サンプル108の画像を生成し、及び/又は検出器データの他のタイプの分析若しくは後処理を実施するように実行可能である、第2のコンピューティングデバイス128を含み得る。コンピューティングデバイス128は、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチスクリーンなどを介してユーザ選択を受け付けるように更に構成され得る。コンピューティングデバイス128は、検出器システム126からのデータ及び/又はデータ信号に基づいて、例示的な顕微鏡システム104内のサンプル108の表層の画像を生成するように構成されている。
【0023】
加えて、コンピューティングデバイス128は、FIBカラム112、サンプルマニピュレータ106、及び/又はサンプルホルダ140を制御して、荷電粒子顕微鏡システム104内での高反応性材料に対するサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の実施を可能にするように構成されている。例えば、コンピューティングデバイス128は、FIBカラム112に、複数のイオン134を使用して、支持構造物(例えば、サンプルグリッド、サンプルホルダ、又はサンプルが取り付けられたときにサンプルを画像化/調査することを可能にする他の構造物)中に入れ子状空隙をミリングさせ得る。1つ以上のユーザ選択、自動化プログラム、又はそれらの組み合わせにより、コンピューティングデバイス128は、サンプルホルダ140又はサンプル操作デバイス106を、サンプル108の少なくとも一部分が入れ子状空隙内に位置決めされるように、並進(例えば、並進、角度付け、及び/又は回転)させることが可能になる。サンプル108が少なくとも部分的に入れ子状空隙内に位置決めされると、コンピューティングデバイス128は、FIBカラム112に、サンプルの一部の近くの、及び/又は入れ子状を画定する、支持構造物の部分をミリング除去させ得る。ユーザ選択、自動化プログラム、又はそれらの組み合わせは、このようにしてミリングされる結果、ミリングされた材料が入れ子状空隙に再堆積して支持構造とサンプル108の部分との間に取り付け部を形成することとなる、支持構造物の部分を選択する。このようにして、サンプル108と支持構造物との間に相互接続が形成される結果、堆積ガス又は他の材料を顕微鏡チャンバ130に追加する必要なく、サンプル108が更なる処理/画像化のために所定位置に保持される。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス128は、例示的な顕微鏡システム104に、取り付け前にサンプル108を調製する(例えば、より大きい試料本体からサンプルを除去し、関心の表面/構造物を露呈する)こと、サンプルを処理して、画像化/調査のためにサンプルを調製すること、又はサンプル108の1つ以上の領域の画像化/調査を実施することを行わせるように更に構成され得る。
【0024】
代替的に、又は加えて、コンピューティングデバイス128は、顕微鏡チャンバ130に追加の堆積ガス又は他の材料を追加する必要なしに、荷電粒子システム104内でサンプルマニピュレータ106とサンプル108との間に1つ以上の取り付け部を作成するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイス128は、高スパッタ収率材料(例えば、銅)をサンプル108に近接するように位置決めさせ得る。高スパッタ収率材料は、任意選択的に、サンプルマニピュレータに取り付けられ得、サンプルマニピュレータ自体が、高スパッタ収率材料を含み得る(例えば、そのようなコーティングとともに購入されたか、又はin situ若しくはex situでの堆積によってコーティングが追加された場合には、なしで購入された)。
【0025】
次いで、ユーザ選択、自動化プログラム、又はそれらの組み合わせは、コンピューティングデバイス128に、FIBカラム112を起動して、サンプルに近接する高スパッタ収率材料の部分をミリング除去する一方、サンプルマニピュレータに近接して位置する高スパッタ収率材料の1つ以上の他の部分をミリングされないまま残すことを行わせ得る。このようにして、サンプルの近くの高スパッタ収率材料のいくつかの部分が除去される一方、依然としてサンプルに10ミクロン以内に、1ミクロン以内に、又はより接近して存在する材料部分が残る。したがって、ミリングされた高スパッタ収率材料が再堆積すると、サンプルとサンプルマニピュレータとの間に1つ以上の取り付け結合部が形成される。
【0026】
図1は、コンピューティングデバイス128の例示的なコンピューティングアーキテクチャ150を例解する概略図を更に含む。例示的なコンピューティングアーキテクチャ150は、本開示で記載される技法を実装するために使用され得る、ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの追加の詳細を例解する。当業者であれば、コンピューティングアーキテクチャ150が単一のコンピューティングデバイス128で実施され得るか、又は複数のコンピューティングデバイスにまたがって実装され得ることを理解するであろう。例えば、コンピューティングアーキテクチャ150に描示される個々のモジュール及び/又はデータ構成は、種々のコンピューティングデバイス128によって実行され、及び/又はこれらに記憶され得る。このようにして、本明細書に開示される本発明の方法の種々のプロセスステップは、別個のコンピューティングデバイス128によって、かつ本開示の範囲内の様々な順序で実行及び/又は実施され得る。換言すれば、例解されるコンポーネントにより実現される機能は、いくつかの実装態様では、より少ないコンポーネントに組み合わされ得るか、又は追加のコンポーネントに分散され得る。同様に、いくつかの実装態様では、例解される構成要素のうちのいくつかのコンポーネントの機能は提供されない場合があり、及び/又は他の追加機能が利用可能であり得る。
【0027】
例示的なコンピューティングアーキテクチャ150では、コンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサ152と、1つ以上のプロセッサ152に通信可能に結合されたメモリ154と、を含む。限定することを意図するものではないが、例示的なコンピューティングアーキテクチャ150は、メモリ154に記憶された制御モジュール156を含むものとして示されている。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、考察の目的で実行可能な命令の例示的な区分を表すように意図されており、あらゆるタイプの要件又は必要な方法、方式、又は編成を表すようには意図されていない。したがって、様々な「モジュール」が説明されているが、それらの機能及び/又は同様の機能は、異なって配置されることができる(例えば、より少数のモジュールに結合、より多数のモジュールに分割など)。更に、特定の機能及びモジュールは、本明細書ではプロセッサ上で実行可能なソフトウェア及び/又はファームウェアによって実装されるものとして記載されているが、他の事例では、任意又は全てのモジュールは、記載された機能を実行するようにハードウェア(例えば、特殊な処理ユニットなど)によって全体又は部分的に実装され得る。上記で考察されるように、様々な実装態様では、例示的なコンピューティングアーキテクチャ150に関連して本明細書に記載されるモジュールを、複数のコンピューティングデバイス128にまたがって実行することができる。
【0028】
制御モジュール156は、コンピューティングデバイス128及び/又は例示的な顕微鏡システム104に、1つ以上のアクションを行わせ、及び/又はシステムの機能若しくは保守を実施させるように、プロセッサ152によって実行可能であり得る。いくつかの実施形態では、制御モジュール156は、例示的な顕微鏡システム204に、荷電粒子顕微鏡システム104内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び/又は保護キャップ配置を実施させ得る。例えば、制御モジュール156は、例示的な顕微鏡システム204に、図2~4に関する注釈に記載される例示的なプロセスを使用してそのようなプロセスを実施させ得る。代替的に、又は加えて、制御モジュール156は、例示的な顕微鏡システム204に、顕微鏡チャンバ130に追加の堆積ガス又は他の材料を追加する必要なしに、荷電粒子システム104内でサンプルマニピュレータ106とサンプル108との間に1つ以上の取り付け部を作成させるように構成され得る。例えば、制御モジュール156は、例示的な顕微鏡システム204に、図5~7に関する注釈に記載される例示的なプロセスを使用してそのようなプロセスを実施させ得る。
【0029】
上記で考察されるように、コンピューティングデバイス128は、1つ以上のプロセッサ152を含み、1つ以上のプロセッサ152は、これらの1つ以上のプロセッサにとってアクセス可能なメモリ154に記憶された命令、アプリケーション、又はプログラムを実行するように構成されている。いくつかの実施例では、1つ以上のプロセッサ152は、限定されるものではないが、ハードウェア中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)などを含む、ハードウェアプロセッサを含み得る。多くの事例では、本技法は、1つ以上のプロセッサ152によって実施されるものとして本明細書に記載されているが、いくつかの事例では、本技法は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、又はそれらの組み合わせなどの、1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実装され得る。
【0030】
1つ以上のプロセッサ152にとってアクセス可能なメモリ154は、コンピュータ可読媒体の実施例である。コンピュータ可読媒体は、2つのタイプのコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータのような情報の記憶のための任意の方法又は技術において実装される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び固定の媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、これらに限定されないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、若しくは他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶デバイス若しくは他の磁気記憶デバイス、又は所望の情報を記憶するように使用され得、かつコンピューティングデバイスによってアクセスされ得る、任意の他の非伝送媒体を含む。一般に、コンピュータ記憶媒体は、1つ以上の処理ユニットによって実行されると、本明細書に記載される様々な機能及び/又は操作を実施するようにする、コンピュータ実行可能命令を含み得る。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、若しくは搬送波のような変調データ信号における他のデータ、又は他の伝送機構を具体化する。本明細書において定義されるように、コンピュータ記憶媒体は、通信媒体を含まない。
【0031】
当業者であれば、アイテム又はアイテムの部分が、メモリ管理及びデータ完全性の目的で、メモリ154と他の記憶デバイスとの間で転送され得ることも認識するであろう。代替的に、他の実装態様では、ソフトウェアコンポーネントのうちのいくつか又は全ては、別のデバイス上のメモリで実行し得、コンピューティングデバイス128と通信し得る。システムコンポーネント又はデータ構造のうちのいくつか又は全ては、非一時的なコンピュータアクセス可能媒体に記憶する、又は適切なドライブによって読み取られるポータブル製品に記憶することもでき(例えば、命令又は構造化データとして)、その様々な例は、上に説明されている。いくつかの実装態様では、コンピューティングデバイス128とは別個のコンピュータアクセス可能媒体に記憶された命令は、無線リンクなどの通信媒体を介して搬送される電気信号、電磁信号、又はデジタル信号などの伝送媒体又は信号を介して、コンピューティングデバイス128に伝送され得る。様々な実装態様は、コンピュータアクセス可能媒体に関するこれまでの記述に従って実装される命令及び/又はデータを受信する、送信する、又は記憶することを更に含み得る。
【0032】
図2及び5は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る一連の動作を表す、論理フローグラフのブロックの集まりとして示された例解的なプロセスのフロー図である。ソフトウェアの文脈では、ブロックは、1つ以上のプロセッサによって実行されると、列挙された動作を実施する、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実施、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。動作が記載される順序は、限定として解釈されるべきではなく、任意の数の記述ブロックが、処理を実装するために任意の順序で、及び/又は並列に組み合わされることができる。
【0033】
具体的には、図2は、荷電粒子顕微鏡システム内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための例解的なプロセス200のフロー図である。プロセス200は、例示的な荷電粒子顕微鏡セットアップ100に、及び/若しくは上述したコンピューティングアーキテクチャ150によって、又は他の環境及びアーキテクチャに実装され得る。
【0034】
202において、サンプルが、任意選択的に、調製される。例えば、サンプルは、画像化及び/又は調査されることとなる関心領域を露出するように前処理され得る。いくつかの実施形態では、このことは、より大きい試料から、試料の部分をミリング除去して関心領域を含むチャンクを露出させるサンプルリフトアウト手順などのプロセスを使用して、サンプルを形成することを含むことができ、チャンクは、サンプルマニピュレータに取り付けられ、チャンクは、試料の本体から切り離され、サンプルマニピュレータ及び/又は試料は、チャンクが試料本体から離れるように並進される。代替的に、又は加えて、サンプルの表面をミリング除去及び/又は研磨して、関心領域を露出させ、及び/又は表面から損傷を除去して、高品質の画像/調査を可能にし得る。いくつかの実施形態では、試料は、電池又は電池の一部分に対応し得、サンプルは、リチウム、マンガン、リチウムポリマー、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムマンガンコバルト酸化物などのうちの少なくとも1つを含む、試料の一部分であり得る。
【0035】
204において、入れ子状空隙が、支持構造部中に調製される。具体的には、入れ子状空隙は、支持構造物からある体積の材料を除去して、サンプルの少なくとも一部分を収容することができる体積を作成することによって、支持構造物中に調製される。例えば、荷電粒子ビームを使用して、支持構造物から材料をミリング除去することができる。入れ子状空隙は、サンプルの一部分を挿入することができる穴、ポケット、又は嵌め込み体積に対応し得る。いくつかの実施形態では、支持構造物は、ベベルエッジ(例えば、45度のベベルエッジ)を有するサンプルホルダであり得、入れ子状空隙は、集束イオンビームでミリング除去されたベベルエッジの近くのサンプルホルダの一部分であり得る。そのような入れ子状空隙は、サンプルが入れ子状空隙に挿入されると、ベベリングされたホルダの少なくとも一部分がサンプルを越えて延在するように、ミリングされ得る。
【0036】
様々な実施形態では、支持構造物は、サンプルグリッド、サンプルホルダ、又はサンプルが取り付けられたときにサンプルを画像化/調査することを可能にする他の構造物、のうちの1つ以上に対応し得る。支持構造物は、シリコン、アルミニウム、銅などを含むがこれらに限定されない多くの異なる材料から少なくとも部分的に構成され得る。いくつかの実施形態では、支持構造物は、荷電粒子ビームに反応しない不活性材料から構成されている。
【0037】
206において、サンプルは、サンプルの少なくとも一部分が入れ子状空隙内に位置決めされるように、並進される。例えば、サンプルは、サンプルの少なくとも一部分が入れ子状空隙内に収容されるように並進、角度付け、及び/又は回転される可動サンプルマニピュレータ(例えば、サンプルプローブ)に取り付けられ得る。すなわち、サンプルは、サンプルの部分が、ミリング除去された支持構造物の部分が位置していた体積中に位置するように、位置決めされる。
【0038】
208において、支持構造物の部分が、ミリング除去される。具体的には、サンプルの部分の近くの、及び/又は入れ子状空隙を画定する支持構造物の部分が、支持構造物からミリング除去される。いくつかの実施形態では、入れ子状空隙を画定する支持構造物のエッジ/表面は、サンプルの深さに沿ってミリング除去される。代替的に、又は加えて、入れ子状空隙を部分的に画定する支持構造物の複数の部分が、このようにミリング除去され得る。例えば、荷電粒子ビームを使用して、各々が入れ子状空隙の1つ以上の表面に沿って入れ子状空隙を部分的に画定する、支持構造物の複数の別異する部分をミリング除去し得る。支持構造物のそのような複数の別異する部分は、ミリングされた部分の間で、支持構造物の突起がサンプルに近接したままであるように、ミリングされ得る。
【0039】
210において、ミリングされた材料を再堆積させて、サンプルと支持構造物との間に取り付け結合部を形成する。支持構造物の部分がステップ208においてミリング除去される間、及びその直後に、サンプルは、ミリング除去された材料を支持構造物及び/又はサンプルの非ミリング部分上に定着させるように、一定の位置に保持される。このようにして、ミリングされた材料は、支持構造物とサンプルとの間に取り付け結合部を形成するように相互接続する堆積物を形成することが可能になる。このようにして、ミリングされた材料を再堆積させることによって、サンプルと、サンプルを所定位置に保持する支持構造物の非ミリング部分と、の間に、1つ以上の取り付け結合部が作成され得る。これらの取り付け結合部は前駆体ガス又は液体の導入なしで作成されるため、これらの取り付け結合部は、ユーザが作成するのに容易である/容易に自動化されるだけでなく、このプロセス200を使用して、高反応性材料から構成されたサンプルを支持構造物に取り付けることができる。
【0040】
212において、サンプルを、任意選択的に、処理して、サンプルを画像化及び/調査のために調製する。例えば、サンプルの部分を、荷電粒子ビームでミリング除去してサンプル中の関心領域を露出させること、研磨してサンプルの表面から損傷を除去すること、又はそれらの組み合わせを行うことができる。いくつかの実施形態では、露出表面が画像化/調査された後、サンプルは、種々の関心領域が画像化/調査のために露出されるように、更に1回以上処理され得る。いくつかの実施形態では、ステップ212においてサンプルがミリングされるとき、荷電粒子ビームは、サンプルの部分を除去することを開始する前に、荷電粒子ビームが最初に支持構造物の一部分を貫いてミリングするように角度付けされる。このようにして、支持構造物の部分を保護キャップとして使用して、露出したサンプル表面のカーテニングを防止することができる。したがって、前駆体ガスを導入せずに取り付け結合部を作成することに加えて、プロセス200はまた、前駆体ガスを導入せずに保護キャップを利用することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、サンプルを処理することは、サンプルとサンプルマニピュレータとの間の取り付け結合部を、サンプルがサンプルマニピュレータから切り離されるようにミリング除去することを含み得る。他の実施形態では、サンプルを処理することは、サンプルプローブの一部分を、サンプルプローブの先端がサンプルに取り付けられたままであり、かつサンプルプローブの残りの部分がサンプルから切り離されるようにミリング除去することを含み得る。
【0041】
214において、サンプルが、画像化及び/又は調査される。様々な実施形態では、サンプルの画像化及び/又は調査は、サンプル上の関心領域に対する一連のセクショニング断層撮影、関心領域に対する拡張された挿入可能な後方散乱検出器(CBS)分析、及び関心領域に対する電子後方散乱回折(EBSD)分析のうちの1つ以上を実施することに対応する。ステップ212及び214は、サンプル内の複数の関心領域が画像化及び/又は調査され得るように反復され得る。
【0042】
図3及び7は、本開示による高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための例解的なプロセスを例示するビジュアルフロー図である。具体的には、図3は、図2に関する注釈に記載される例示的なプロセス200の例示的な実施を例証する一連の捕捉された画像300を示す。
【0043】
画像302は、試料本体322からのサンプル320の任意選択的な作成を示す。具体的には、画像302は、荷電粒子ビーム(例えば、イオンビーム)を使用して、サンプル320を取り囲む試料本体322の1つ以上の体積324がミリング除去された状態を示す。画像304は、サンプルマニピュレータ326がサンプル320に取り付けられた例示的なプロセスの後続の状態を示す。例えば、サンプル320は、堆積ガスを使用して、又は図5に関連して記載される取り付けプロセスによって、サンプルマニピュレータ326に取り付けられ得る。サンプル320がサンプルマニピュレータ326に取り付けられると、サンプルを試料本体に接続済みであった、試料の最終部分328がミリング除去される。このようにしてサンプル320が試料本体から完全に分離されると、サンプルマニピュレータ326は、試料320を試料本体322から離して並進させることができる。
【0044】
画像306は、支持構造物332に入れ子状空隙330が調製された状態を示す。例えば、荷電粒子ビームを使用して、支持構造物332から材料をミリング除去することができる。入れ子状空隙330は、サンプルの一部分を挿入することができる穴、ポケット、空洞、又は嵌め込み体積に対応し得る。画像306には示されていないが、いくつかの実施形態では、入れ子状空隙は、支持構造物の隆起構造物/部分に隣接し、及び/又は当接する領域に対応し得、これにより、サンプルが入れ子状空隙中に並進されると、サンプルの一部分が支持構造物の隆起構造物/部分に近接及び/又は当接する。様々な実施形態では、支持構造物332は、サンプルグリッド、サンプルホルダ、又はサンプルが取り付けられたときにサンプルを画像化/調査することを可能にする他の構造物、のうちの1つ以上に対応し得る。支持構造物は、シリコン、アルミニウム、銅などを含むがこれらに限定されない、多くの異なる材料から少なくとも部分的に構成され得る。
【0045】
画像308は、サンプル320が、サンプルの少なくとも一部分が入れ子状空隙330内に位置決めされるように支持構造物に対して並進、傾斜、回転、又は別様に操作された後の状態を示す。サンプルは、可動サンプルマニピュレータ326(すなわち、サンプルプローブ)に取り付けられているように示されており、サンプルは、サンプル320の少なくとも一部分が入れ子状空隙330内に収容されるように並進、角度付け、及び/又は回転されている。
【0046】
画像310は、画像308の状態を示しており、複数のミリング場所334が、画像308上にマッピングされている。具体的には、画像310は、荷電粒子ビームを使用してミリングされることとなる支持構造物332の一部分に各々が対応する複数のミリング場所334を示す。画像312は、サンプルホルダ332の部分334がミリング除去された後のプロセスの状態を示し、ミリングされた材料を再堆積させて、サンプル320と支持構造物332との間に取り付け結合部336を形成する。
【0047】
図4A~Cは、本開示による、及び先行技術による、高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的な結果を示す捕捉された画像である。図4Aは、図3からのサンプル320の画像410であり、サンプル320を更に処理して、サンプル320を画像化及び/調査のために調製した後のものである。例えば、サンプル320の部分を荷電粒子ビームでミリング除去して、サンプルの関心領域の清浄な表面412を露出させ、次いで、研磨して、サンプルの表面から損傷を除去した。具体的には、図4Aは、清浄な反応表面412(a)(すなわち、反応性材料から構成されたサンプルの一部分の清浄な表面)及び清浄な安定した表面412(b)(すなわち、非反応性材料から構成されたサンプルの一部分の清浄な表面)が露出されるように、サンプル320の部分が除去及び洗浄される実施例を示す。サンプルが安定した材料及び反応性材料の両方から構成されているそのような実施形態では、最初に、安定した材料を貫くミリングが実施され得、これにより、安定した材料は、清浄な反応性表面412(a)におけるカーテニングを低減するキャップとして機能する。代替的に、いくつかの実施形態では、ミリングは、支持構造物322の部分が最初に貫いてミリングされるように実施され得、これにより、支持構造物322は、清浄な反応性表面412(a)におけるカーテニングを低減するキャップとして機能する。本明細書に記載されるプロセスを使用して、高反応性材料の清浄な表面412について、従来の技法ではこれまで可能でなかった高品質のEBSDマップ及び/又はバンドコントラストマップを取得し得る。
【0048】
加えて、いくつかの実施形態で本明細書に記載されるプロセスは、そのような清浄な表面408の部分の獲得された菊池パターンによって証明されるように、高反応性材料の結晶性を維持することが示されている。図4Bは、サンプル422が、支持構造物426中の入れ子状空隙424に挿入されており、かつ本開示による技法を使用して取り付けられている、画像420を示す。図4Bは、サンプル422における関心領域のユーザ処理及び/又は自動処理並びに調査を支援するための428の使用を更に示す。
【0049】
図4Cは、従来技術の技法を使用した高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の結果を示す。分かるように、高反応性サンプル434と支持構造物436との間に取り付け部432が形成されたとき、サンプル434は、甚だしい損傷を受けた。この損傷は、従来技術のシステムの2つの別個のステップにおいて発生する。第一に、サンプル434は、取り付け部を形成するために導入された外部材料(例えば、堆積ガス、結合液)との反応によって損傷を受け得る。第二に、そのような外部材料の導入による損傷が壊滅的でない場合でも、荷電粒子ビームで照射すると、外部材料と高反応性材料434との間の反応は、サンプル434の表面がその後の壊滅的な反応を起こす可能性がある。画像430に示されるように、これらの反応のために、サンプルのin situの取り付けのための先行技術の技法は、高反応性材料には有効でない。
【0050】
図5は、荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための例解的なプロセス500のフロー図である。プロセス500は、例示的なプロセス200~400、例示的な荷電粒子顕微鏡セットアップ100に、及び/若しくは上述したコンピューティングアーキテクチャ150によって、又は他の環境及びアーキテクチャに実装され得る。
【0051】
502において、任意選択的に、サンプルマニピュレータに高スパッタ収率材料を取り付ける。具体的には、銅などの高スパッタ収率材料を、荷電粒子システムのチャンバ内で、そのようなチャンバの外側で、又はそれらの組み合わせで、サンプルマニピュレータに取り付け得る。例えば、高スパッタ収率材料を、サンプルマニピュレータと高スパッタ収率材料との間の領域に前駆体ガスが導入される場合にガス堆積取り付け部を使用して、サンプルマニピュレータのプローブ部分に取り付けることができ、次いで、荷電粒子ビームを使用して、前駆体ガスを堆積させて、取り付け結合部を形成する。別の例示的なプロセスでは、サンプルマニピュレータを移動させて高スパッタ収率材料に極近接させることができ、荷電粒子ビームを使用して、サンプルに近接する高スパッタ収率材料の部分をミリング除去することができ、ミリングされた材料を定着させて、サンプルマニピュレータと高スパッタ収率材料との間に1つ以上の取り付け結合部を形成することができる。
【0052】
代替的に、本プロセスのいくつかの実施形態では、ステップ502を実施することを必要とする代わりに、サンプルマニピュレータは、高スパッタ収率材料(例えば、そのようなコーティングとともに購入されたか、又はin situ若しくはex situでの堆積によってコーティングが追加された場合には、なしで購入された)から構成されたプローブを備える。
【0053】
504において、サンプルを、サンプルマニピュレータに近接させる。具体的には、サンプル及び/又はサンプルマニピュレータは、サンプルに取り付けられることとなるサンプルマニピュレータの一部分(例えば、プローブ、ステップ502において取り付けられた高スパッタ収率材料で作製された中間体など)が互いに10ミクロン以内にあるか、互いに1ミクロン以内にあるか、又はより接近しているように、移動され得る。例えば、サンプル及び/又はサンプルマニピュレータは、移動コンポーネントに取り付けられ、並びに/又は並進、角度付け、及び/若しくは回転されるように別様に構成され得る。
【0054】
506において、高スパッタ収率材料に、荷電粒子ビームで照射する。具体的には、荷電粒子ビームを使用して、高スパッタ収率材料の1つ以上の部分をミリング除去する一方、サンプルマニピュレータに接近して位置する高スパッタ収率材料の1つ以上の他の部分をミリングされないまま残す。このようにして、サンプルの近くの高スパッタ収率材料のいくつかの部分が除去される一方、依然としてサンプルに10ミクロン以内に、1ミクロン以内に、又はより接近して存在する材料部分が残る。例えば、高スパッタ収率材料のエッジ/表面に位置する3つの部分をミリングし得る一方、3つの部分の間に位置する材料の2つの部分をミリングされないままとし得る。
【0055】
508において、ミリングされた高スパッタ収率材料を再堆積させて、サンプルとサンプルマニピュレータとの間に取り付け結合部を形成する。高スパッタ収率材料の部分がステップ506においてミリング除去される間、及びその直後に、サンプルは、ミリング除去された材料を高スパッタ収率材料及び/又はサンプルの非ミリング部分上に定着させるように、一定の位置に保持される。このようにして、ミリングされた材料に堆積物を形成させ、堆積物は、相互接続して、高スパッタ収率材料とサンプルとの間に取り付け結合部を形成する。ミリングされた材料を再堆積させることによって、サンプルと、サンプルを所定位置に保持する、高スパッタ収率材料の非ミリング部分と、の間に、1つ以上の取り付け結合部を作成し得る。これらの取り付け結合部は前駆体ガス又は液体の導入なしで作成されるため、これらの取り付け結合部は、ユーザが作成するのに容易である/容易に自動化されるだけでなく、このプロセス500を使用して、高反応性材料で作製されたサンプルを支持構造物に取り付けることができる。その上、このプロセス500は、特別な顕微鏡機構を、開発することも、荷電粒子システムに含めることも必要なく、かつユーザが複雑なプロセスを習得する必要なく、極低温及び/又は真空中で取り付け結合部を実施することを可能にする。
【0056】
510において、任意選択的に、サンプルを、サンプルマニピュレータによって並進させる。例えば、サンプルマニピュレータは、サンプルが荷電粒子システム内の所望の位置にあるように、サンプルを並進、角度付け、及び/又は回転させ得る。
【0057】
図6A~Cは、荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための異なる例示的な実施形態を示す。例えば、図6Aは、サンプル612が、高スパッタ収率材料で作製されたサンプルプローブに対応するサンプルマニピュレータ614に取り付けられている実施例610を描示している。このようにして、サンプル612に近接するサンプルプローブの部分616がミリング除去されると、ミリングされた材料が少なくとも部分的に再堆積して、サンプル612とサンプルマニピュレータ614との間に取り付け構造物618を形成する。
【0058】
図6Bは、サンプル642が、高スパッタ収率材料646でコーティングされたサンプルプローブ644に対応するサンプルマニピュレータに取り付けられている実施例640を描示している。このようにして、サンプル642に近接するコーティングの部分648がミリング除去されると、ミリングされた材料が少なくとも部分的に再堆積して、サンプル642とサンプルマニピュレータとの間に取り付け構造物650を形成する。図6Cは、サンプル662が、高スパッタ収率材料から構成された中間体666に取り付けられているサンプルプローブ664に対応するサンプルマニピュレータに取り付けられている実施例660を描示している。サンプル642に近接する中間体666の部分668がミリング除去されると、ミリングされた材料の少なくとも一部が再堆積して、サンプル662と中間体666との間に取り付け構造物670を形成する。
【0059】
図7は、ベベルエッジを有するサンプルホルダを使用した高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置の例示的なプロセスの例示的な実施を例証する一連の画像700を示す。画像702は、ベベルエッジ722を有するサンプルホルダ720の実施例を示す。本発明によれば、ベベルエッジは、90度未満の任意の角度であり得る。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームを使用して、サンプルホルダ720の部分をミリング除去して、ベベルエッジ722を作成し得る。画像704は、入れ子状空隙724がベベルエッジ722に近接する支持構造物720中に調製される状態を示す。例えば、サンプルの一部分を挿入することができる穴、ポケット、又は嵌め込み体積が作成されるように、荷電粒子ビームを使用して、支持構造物720から材料をミリング除去することができる。
【0060】
画像706は、サンプル726の少なくとも一部分が入れ子状空隙724内に位置決めされるようにサンプルマニピュレータ728で並進されるプロセスにおけるサンプル726を示す。具体的には、画像706は、図5及び6Cに関連して示され、及び記載されるように、サンプル726が、高スパッタ収率材料で作製された中間体730を使用してサンプルマニピュレータ728に取り付けられた実施形態を示す。画像708は、サンプル726が、少なくとも一部分が入れ子状空隙724内に位置決めされるように並進された後の状態を示しており、次いで、サンプル726は、サンプルに近接するサンプルホルダ732の部分をミリング除去することによって、ミリングされた材料が再堆積してサンプル726とサンプルホルダ720との間に取り付け構造物を形成するように、サンプルホルダ720に取り付けられる。
【0061】
画像710は、画像708に描示された状態の断面を示す。画像710は、サンプル726の断面と、サンプル726の表面に沿って延在するサンプルホルダ734の薄い部分と、を示す。画像712は、荷電粒子ビーム736を使用して、平面738に沿ってサンプル726の部分及びサンプルホルダ734の薄い部分をミリング除去して、関心の表面740を露出させている状態を示す。このようにして、サンプルホルダ734の薄い部分は、荷電粒子ビーム736が通って最初に入射する保護キャップとして機能し、したがって、関心領域740に対するカーテニング効果を低減することができる。いくつかの実施形態では、関心領域740は、次いで、任意選択的に、電子ビーム742を使用して画像化され得るか、又は別様に調査され得る。
【0062】
本開示による本発明の主題の例は、以下に列挙される段落で説明される。
【0063】
A1.荷電粒子顕微鏡システム内で高反応性材料のサンプルリフトアウト及び保護キャップ配置を実施するための方法であって、支持構造物中に入れ子状空隙を調製することと、サンプルの少なくとも一部分を入れ子状空隙中に並進させることと、入れ子状空隙を画定する支持構造物の領域から材料をミリングし、これにより、支持構造物からミリングされた材料の少なくとも一部が再堆積して、サンプルと支持構造物の残りの部分との間に取り付け結合部を形成する、方法。
【0064】
A2.入れ子状空隙を調製することは、ある体積の支持構造物をミリング除去することを含み、体積は、サンプルの少なくとも一部分を受容することができる、段落A1の方法。
【0065】
A2.1.入れ子状空隙は、穴であり、サンプルの少なくとも一部分を入れ子状空隙中に並進させることは、サンプルをサンプルの少なくとも一部分が穴の内側にあるように並進させることに対応する、段落A2の方法。
【0066】
A2.2.入れ子状空隙は、サンプルと支持構造物との間に取り付け結合部が形成されると、ミリング除去されたサンプルの体積が位置していた場所にサンプルの少なくとも一部分が位置決めされるように、構成されている、段落A2~A2.1のいずれか1つの方法。
【0067】
A2.3.ある体積の支持構造物は、集束イオンビームでミリング除去される、段落A2~A2.2のいずれか1つの方法。
【0068】
A3.方法は、サンプルに対するセクショニング断層撮影、サンプルに対する拡張された挿入可能な後方散乱検出器(CBS)分析、化学分析、SIMS分析、Eビーム(EDX)分析、ラマン分析、及び電子後方散乱回折(EBSD)分析のうちの1つ以上を実施することを更に含む、段落A1~A2.3のいずれか1つの方法。
【0069】
A3.1.方法は、サンプルの一部分をミリング除去して、関心の表面を露出させることと、関心の表面の少なくとも一部分を画像化することと、を含む、段落A3の方法。
【0070】
A3.1.1.ミリングは、集束イオンビームで実施される、段落A3.1の方法。
【0071】
A3.1.2.支持構造物の少なくとも一部分は、サンプルのミリング中に保護キャップとして使用される、段落A3.1~A3.1.1のいずれか1つの方法。
【0072】
A3.1.2.1.支持構造物の一部分を保護キャップとして使用することは、サンプルの一部分が集束イオンビームによってミリング除去される前に支持構造物の一部分がミリングされるように、集束イオンビームをミリング位置決めすることを含む、段落A3.1.2の方法。
【0073】
A3.1.2.1.1.サンプルの一部分は、FIB又はプラズマFIBを備えた高電流ミルを使用してミリング除去される、段落A3.1.2.1の方法。
【0074】
A3.1.2.2.支持構造物の一部分を保護キャップとして使用することは、集束イオンビームの尾部がサンプルの一部分ミリング除去することを防止する、段落A3.1.2~A3.1.2.1.1のいずれか1つの方法。
【0075】
A3.1.3.画像化は、関心の表面の少なくとも一部分を電子ビームで照射することを含む、段落A3.1~A3.1.2.2のいずれか1つに記載の方法。
【0076】
A3.1.4.プロセスは、サンプルの追加の一部分をミリング除去して、関心の追加の表面を露出させることを更に含む、段落A3.1~A3.1.3のいずれか1つの方法。
【0077】
A3.1.5.プロセスは、サンプルの複数の追加の部分をミリング除去して、関心の複数の追加の表面を露出させることを更に含む、段落A3.1~A3.1.4のいずれか1つの方法。
【0078】
A3.1.6.サンプルの一部分をミリング除去することは、少なくとも部分的にロッキングミルを使用して実施される、段落A3.1~A3.1.5のいずれか1つの方法。
【0079】
A4.支持構造物は、サンプルグリッドである、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0080】
A4.1.サンプルグリッドは、TEM試料グリッドである、段落A4の方法。
【0081】
A5.支持構造物は、サンプルホルダである、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0082】
A6.支持構造物は、少なくとも部分的にシリコンから構成されている、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0083】
A7.支持構造物は、アルミニウムブロックである、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0084】
A8.支持構造物は、集束イオンビームに反応しない不活性材料から構成されている、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0085】
A9.支持構造物は、ベベルエッジを有するベベリングされたホルダである、段落A1~A3.1.6のいずれか1つの方法。
【0086】
A9.1.サンプルが入れ子状空隙に挿入されると、ベベリングされたホルダの少なくとも一部分がサンプルを越えて延在する、段落A9の方法。
【0087】
A9.2.サンプルのセクションをミリング除去することは、ベベルエッジを保護キャップとして使用してベベルエッジを貫いてミリングすることを含む、ことを更に含む、段落A9~A9.1のいずれか1つの方法。
【0088】
A9.3.ベベルエッジは、45度の角度でミリングされる、段落A9~A9.2のいずれか1つの方法。
【0089】
A9.4.ベベルエッジを作成し得るか、又はベベルエッジは、市販購入品であり得る、段落A9~A9.3のいずれか1つの方法。
【0090】
A10.サンプルは、取り付け結合部を介してサンプルプローブに取り付けられ、サンプルの少なくとも一部分を入れ子状空隙中に並進させることは、サンプルプローブを、サンプルの少なくとも一部分が入れ子状空隙中に並進されるように並進させることを含む、段落A1~A9.4のいずれか1つの方法。
【0091】
A10.1.取り付け結合部を、サンプルがサンプルプローブから切り離されるようにミリング除去することを更に含む、段落A10の方法。
【0092】
A10.2.サンプルプローブの一部分を、サンプルプローブの先端がサンプルに取り付けられたままであり、かつサンプルプローブの残りの部分がサンプルから切り離されるようにミリング除去することを更に含む、段落A10の方法。
【0093】
A11.試料からサンプルを調製するステップを更に含む、段落A1~A10.2のいずれか1つの方法。
【0094】
A11.1.試料からサンプルを調製することは、関心領域を取り囲む試料の部分をミリング除去するステップと、関心領域にサンプルプローブを取り付けるステップと、関心領域が試料に取り付けられていなくなるように、試料の一部分をミリング除去するステップと、を含む、段落A11の方法。
【0095】
A11.1.1.試料から試料を調製することは、関心領域が試料から離れるように試料プローブを並進させることを更に含む、段落A11.1の方法。
【0096】
A11.1.2.関心領域は、サンプルに対応する、段落A11.1~A11.1.1のいずれか1つの方法。
【0097】
A11.1.3.サンプルプローブを関心領域に取り付けることは、段落B1~B14.2.2.2.2.1のいずれかの方法を含む、段落A11.1~A11.1.2のいずれか1つの方法。
【0098】
A12.試料は、電池又は電池の一部分に対応する、段落A1~A11.1.3のいずれか1つの方法。
【0099】
A12.1.試料は、リチウム電池、リチウムイオン電池、電池アノード、電池カソード、電池セパレータ、又はそれらの組み合わせに対応する、段落A12の方法。
【0100】
A13.材料は、リチウム、マグネシウム、リチウムポリマー、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、及び硫化リチウムのうちの少なくとも1つを含む、段落A1~A12.1のいずれか1つの方法。
【0101】
A14.ミリングは、集束イオンビーム及び電子ビームのうちの1つで実施される、段落A1~A13のいずれか1つの方法。
【0102】
A14.1.イオンビームは、プラズマ集束イオンビームである、段落A14の方法。
【0103】
B1.荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための方法であって、サンプルマニピュレータを、サンプルマニピュレータがサンプルに近接するように並進させることであって、サンプルに近接するサンプルマニピュレータの部分は、高スパッタ収率材料から構成されている、並進させることと、荷電粒子ビームで、高スパッタ収率材料を、高スパッタ収率材料の部分がサンプルマニピュレータから除去されるようにミリングすることであって、除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、サンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を形成する、ミリングすることと、を含む、方法。
【0104】
B1.1.高スパッタ収率材料は、特定のイオン種及び電圧で照射されたときに、シリコン又はタングステンよりも大きい原子数/イオンを生じる材料に対応する、段落B1の方法。
【0105】
B1.1.1.高スパッタ収率材料は、材料が30kVの集束イオンビームで照射されたときの、5、7、8、又は10原子数/イオンよりも大きい放出率に対応する、段落B1.1の方法。
【0106】
B1.1.1.1.30kVの集束イオンビームは、Ga+、Xe+、Ar、N+、Cs+、Bi+、又はO+の集束イオンビームのうちの1つである、段落B1.1.1の方法。
【0107】
B1.2.高スパッタ収率材料は、銅又は真鍮である、段落B1~B1.1.1.1のいずれか1つの方法。
【0108】
B2.サンプルマニピュレータを並進させることは、サンプルマニピュレータを、高スパッタ収率材料から構成された部分が10ミクロン以内にあるように並進させることを含む、段落B1~B1.2のいずれか1つの方法。
【0109】
B2.1.サンプルマニピュレータを並進させることは、サンプルマニピュレータを、高スパッタ収率材料から構成された部分が1ミクロン以内にあるように並進させることを含む、段落B2の方法。
【0110】
B3.サンプルマニピュレータは、高スパッタ収率材料から構成されたプローブを備える、段落B1~B2.1のいずれか1つの方法。
【0111】
B4.サンプルマニピュレータは、高スパッタ収率材料でコーティングされているプローブを備える、段落B1~B2.1のいずれか1つの方法。
【0112】
B4.1.高スパッタ収率材料に照射することは、サンプルに近接するコーティングの部分をミリング除去することを含む、段落B4の方法。
【0113】
B5.サンプルマニピュレータは、プローブに取り付けられた中間体を備え、中間体は、高スパッタ収率材料から構成されている、段落B1~B2.1のいずれか1つの方法。
【0114】
B5.1.中間体は、サンプルマニピュレータのプローブ部分に取り付けられている、段落B5の方法。
【0115】
B5.1.1.中間体は、ガス堆積によってサンプルマニピュレータのプローブ部分に取り付けられる、段落B5.1の方法。
【0116】
B5.1.2.中間体は、
【0117】
プローブ部分を、プローブ部分が中間体に近接するように並進させることと、
【0118】
荷電粒子ビームで、プローブに近接する中間体の部分をミリングすることであって、除去された中間体の少なくとも一部は、再堆積して、プローブ部分と中間体との間に取り付け部を形成する、ミリングすることと、を含むプロセスによって、サンプルマニピュレータのプローブ部分に取り付けられる、段落B5.1の方法。
【0119】
B6.荷電粒子ビームは、集束イオンビームである、段落B1~B5.1.2のいずれか1つの方法。
【0120】
B6.1.荷電粒子ビームは、プラズマ集束イオンビームである、段落B6の方法。
【0121】
B7.荷電粒子ビームは、電子ビームである、段落B1~B5.1.2のいずれか1つの方法。
【0122】
B8.荷電粒子システム内でサンプルマニピュレータとサンプルとの間に取り付け部を作成するための方法は、従前の取り付け方法よりも低減された量の前駆体ガスを必要とする、段落B1~B7のいずれか1つの方法。
【0123】
B9.サンプルマニピュレータとサンプルとの間の取り付け部は、追加の前駆体ガスをシステムに追加することなく形成される、段落B1~B8のいずれか1つの方法。
【0124】
B10.前駆体ガスは、白金を含む、段落B8又はB9のいずれかの方法。
【0125】
B11.方法は、極低温で荷電粒子システムにおいて実施される、段落B1~B10のいずれか1つの方法。
【0126】
B12.方法は、真空で荷電粒子システムにおいて実施される、段落B1~B11のいずれか1つの方法。
【0127】
B13.サンプルは、薄層である、段落B1~B12のいずれか1つの方法。
【0128】
B14.高スパッタ収率材料をミリングすることは、サンプルに近接する高スパッタ収率材料上の複数の場所をミリングすることを含む、段落B1~B13のいずれか1つの方法。
【0129】
B14.1.複数の場所の各々は、サンプルに近接する高スパッタ収率材料のエッジに位置する、段落B14の方法。
【0130】
B14.2.複数の場所の間に、ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域がある、段落B14~B14.1のいずれか1つの方法。
【0131】
B14.2.1.除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、試料と、ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域と、の間に取り付け部を形成する、段落B14.2の方法。
【0132】
B14.2.2.サンプルに近接するサンプルのエッジに沿った、ミリング除去されていない、高スパッタ収率材料の複数の領域がある、段落B14.2~B14.2.1のいずれか1つの方法。
【0133】
B14.2.2.1.除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、試料と、ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域のうちの複数と、の間に取り付け部を形成する、段落B14.2.2の方法。
【0134】
B14.2.2.2.除去された高スパッタ収率材料の少なくとも一部は、再堆積して、サンプルと高スパッタ収率材料との間に複数の取り付け部を形成する、段落B14.2.2~B14.2.2.1のいずれか1つの方法。
【0135】
B14.2.2.2.1.複数の取り付け部の各々は、サンプルを、ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域のうちの対応する1つに接続する、段落B14.2.2.2の方法。
【0136】
B14.2.2.2.2.ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の少なくとも1つの領域のうちの複数、段落B14.2.2.2~B14.2.2.2.1のいずれか1つの方法。
【0137】
B14.2.2.2.2.1.サンプルと、ミリング除去されていない、サンプルに近接するエッジに沿った、高スパッタ収率材料の対応する領域と、の間に少なくとも4つの取り付け部が形成される、段落B14.2.2.2.2の方法。
【0138】
C1.荷電粒子システムであって、荷電粒子をサンプルに向けて放出するように構成された荷電粒子エミッタと、サンプルを支持するように構成されたサンプルホルダと、荷電粒子をサンプルに入射するように誘導するように構成された光学カラムと、荷電粒子による照射に起因するサンプルからの放出を検出するように構成された検出器システムと、1つ以上のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読命令を記憶しているメモリと、を備え、非一時的コンピュータ可読命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法を実施させる、荷電粒子システム。
【0139】
C2.サンプルを収容する真空チャンバを更に備える、段落C1の荷電粒子システム。
【0140】
C2.1.命令は、1つ以上のプロセッサに、サンプルが真空にある間に、段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれかの方法を実施させる、段落C2の荷電粒子システム。
【0141】
C2.2.命令は、1つ以上のプロセッサに、真空チャンバ中の真空を破壊することなく、段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法を実施させる、段落C2の荷電粒子システム。
【0142】
C3.命令は、1つ以上のプロセッサに、サンプルが極低温にある間に、段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法を実施させる、段落C1~C2.2のいずれか1つの荷電粒子システム。
【0143】
D1.段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法を実施するための、段落C1~C3のいずれか1つのシステムの使用。
【0144】
E1.命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、段落A1~A14.1及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法の実施を開始させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0145】
F1.段落A1~A12.7及び/又はB1~B14.2.2.2.2.1のいずれか1つの方法を実施するための、段落E1の非一時的コンピュータ可読媒体の使用。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7
【外国語明細書】