(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100180
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】再生制御装置、受信装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/435 20110101AFI20240719BHJP
H04N 21/443 20110101ALI20240719BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20240719BHJP
H04H 40/18 20080101ALI20240719BHJP
【FI】
H04N21/435
H04N21/443
H04N5/93
H04H40/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003984
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大礎
(72)【発明者】
【氏名】大亦 寿之
【テーマコード(参考)】
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053JA21
5C053LA06
5C053LA11
5C164FA04
5C164SB11S
5C164TA04S
5C164UB10P
5C164UB11S
5C164UB23S
5C164UB24S
5C164UB51P
5C164UD65S
(57)【要約】
【課題】ウェブブラウザーが持つMSE機能を用いてMPEG2-TSの再生を行うことができるようにする装置等を提供する。
【解決手段】再生制御装置は、コーデック情報取得部と、MPEG2-Video取得部と、再生可能化処理部とを備える。コーデック情報取得部は、MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定する。MPEG2-Video取得部は、前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡す。再生可能化処理部は、前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、
前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、
前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、
を備える再生制御装置。
【請求項2】
前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおけるMPEG2-TSコンテナのサポートを有効化する処理を行う、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項3】
前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおけるMPEG2-VideoのMIME typeを有効化する処理を行う、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項4】
前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおいて呼び出されるデコーダー部が、MPEG2-Videoをデコードすることができるようにする処理を行う、
請求項1に記載の再生制御装置。
【請求項5】
放送信号を受信するチューナー機能部と、
前記放送信号に基づいて前記チューナー機能部が出力するMPEG2-TSを供給するウェブサーバーと、
MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、
前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、
前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、
を備え、
前記コーデック情報取得部は、前記ウェブサーバーから供給される前記MPEG2-TSから前記コーデック情報を取得するものであり、
前記MPEG2-Video取得部は、前記ウェブサーバーから供給される前記MPEG2-TSから前記MPEG2-Videoを取得するものである、
受信装置。
【請求項6】
MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、
前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、
前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、
を備える再生制御装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生制御装置、受信装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送においては独自の規格を用いてコンテンツ(映像や音声や字幕テキストやその他の情報)の信号が配信されている。従来のテレビ放送の受信装置は、放送コンテンツの視聴に特化した専用のアーキテクチャーに基づいて、その機能が構成され、実現されている。
【0003】
一方で、インターネット等の通信回線を用いた動画配信サービス(ネット動画)では、MSEなどのウェブ技術を用いて動画コンテンツの再生が行われる。インターネット関連の技術の発展に伴い、ネット動画配信のサービスの拡張が可能である。
【0004】
コンテンツをある方式から別の方式に変換する技術も存在する。例えば特許文献1に記載されている発明は、ARIB標準規格に準拠した字幕データに基づいて、WebVTT規格の下で字幕の表示開始及び終了を正しく制御することができる技術を提供することを目的の一つとしている(特許文献1の段落0008の記載)。また、同文献に記載されている発明は、トランスポートストリーム形式で伝送される放送サービス用のコンテンツをそのままソースにして、WebVTT規格に準拠した情報通信端末装置上のビューアで利用することができるようにする技術を提供することを目的としている(特許文献1の段落0009の記載)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、テレビ放送として配信される動画を汎用的なウェブブラウザーで視聴することができないという問題がある。テレビの放送信号はMPEG2-TS(TSは「トランスポートストリーム」の略)で伝送されている。しかしながら、汎用的なウェブブラウザーは放送信号(MPEG2-TS)の動画符号化形式(MPEG2-Video)に対応しておらず、放送信号をそのまま汎用的なウェブブラウザーで再生することができないという問題がある。つまり、放送を視聴するためには、専用のソフトウェアあるいは放送機能に特化したブラウザーが必要である。放送機能に特化したブラウザーはobjectタグを用いて放送信号を再生するものであり、つまり、放送で配信される動画とvideoタグを用いるネット動画とを同一の仕組みで再生することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、ウェブブラウザーが持つMSE機能を用いてMPEG2-Videoの再生を行うことができるようにすることのできる再生制御装置、受信装置、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による再生制御装置は、MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、を備えるものである。
【0009】
[2]また、本発明の一態様は、上記[1]の再生制御装置において、前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおけるMPEG2-TSコンテナのサポートを有効化する処理を行う、というものである。
【0010】
[3]また、本発明の一態様は、上記[1]または[2]の再生制御装置において、前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおけるMPEG2-VideoのMIME typeを有効化する処理を行う、というものである。
【0011】
[4]また、本発明の一態様は、上記[1]から[3]までのいずれかの再生制御装置において、前記再生可能化処理部は、前記有効化処理として、前記ウェブブラウザーにおいて呼び出されるデコーダー部が、MPEG2-Videoをデコードすることができるようにする処理を行う、ものである。
【0012】
[5]また、本発明の一態様による受信装置は、放送信号を受信するチューナー機能部と、前記放送信号に基づいて前記チューナー機能部が出力するMPEG2-TSを供給するウェブサーバーと、MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、を備え、前記コーデック情報取得部は、前記ウェブサーバーから供給される前記MPEG2-TSから前記コーデック情報を取得するものであり、前記MPEG2-Video取得部は、前記ウェブサーバーから供給される前記MPEG2-TSから前記MPEG2-Videoを取得するものである、という受信装置である。
【0013】
[6]また、本発明の一態様は、MPEG2-TSからコーデック情報を取得し、取得した前記コーデック情報をウェブブラウザー内のMSE処理部に渡すことによって前記MSE処理部の処理パラメーターを指定するコーデック情報取得部と、前記MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得した前記MPEG2-Videoを前記MSE処理部に渡すMPEG2-Video取得部と、前記ウェブブラウザーが前記MPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する再生可能化処理部と、を備える再生制御装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ウェブブラウザーのMSE(Media Source Extensions、メディアソース拡張)により、放送信号(MPEG2-TS)の再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態による受信装置の動作手順例を示すシーケンス図であり、主として、再生制御装置内の再生可能化処理部がウェブブラウザーにおけるMPEG2-Videoの再生のための処理を有効化する処理の手順を示す。
【
図3】同実施形態による受信装置の動作手順例を示すシーケンス図であり、チューナー機能部が受信した放送信号を基に、放送信号に含まれるMPEG2-Videoをウェブブラウザー上で再生するまでの処理の手順を示す。
【
図4】同実施形態による受信装置が持つコンピューターの内部構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態において使用する用語を説明する。PCは、「パーソナルコンピューター」の略である。スマホは、「スマートフォン」の略であり、通信機能(電話を含む)を備えた情報端末機器である。URLは、ユニフォームリソースロケーター(Uniform Resource Locator)の略である。APIは、アプリケーションプログラムインターフェース(Application Programme Interface)の略である。MSEは、Media Source Extensionsの略であり、ウェブベースでのストリーミングメディアを可能にするしくみである。EMは、Event Messageの略であり、放送規格においてイベントの情報を伝送する方式である。MPEG2は、ビデオやオーディオ等に関する標準規格である。MPEG2の正式名称は、「Generic coding of moving pictures and associated audio information」である。MPEG2-TSの「TS」は、「Transport Stream」の略であり、映像や音声等を伝送するためのストリームである。MPEG2-Videoは、MPEG2の規格を用いて符号化された動画(映像)のデータである。MIME typeは、例えば伝送されるデータファイルの種類を表す情報である。
【0017】
本実施形態では、汎用のウェブブラウザーの機能を拡張することにより、MSE処理機能を用いてMPEG2-TSの再生を可能とする。本実施形態の受信装置1の特徴は、ウェブブラウザー40の機能を拡張するための機能を有する再生制御装置50を備える点である。
【0018】
図1は、本実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置1は、チューナー機能部11と、MPEG2-TSファイル記憶部21と、通信部22と、ウェブサーバー30と、ウェブブラウザー40と、再生制御装置50とを含んで構成される。これらの機能は、例えば、電子回路を用いて実現され得る。また、これらの機能の各々は、必要に応じて記憶装置を備える。この記憶装置は情報を記憶するものであり、例えば、磁気ハードディスク装置や半導体メモリー等によって実現される。受信装置1を構成する各部の機能は、次の通りである。
【0019】
チューナー機能部11(単に「チューナー」とも呼ぶ)は、放送信号を受信する。放送信号は、高周波(RF)の信号であり、電波あるいはケーブルテレビの信号等として伝送され得るものである。チューナー機能部11は、選局機能を持つ。つまり、チューナー機能部11は、複数(多数)の放送サービスの中から特定の放送サービスを選択的に受信することができる。高周波信号を扱うチューナー機能部11の少なくとも一部は、専用の回路として構成され得る。チューナー機能部11は、例えば、ウェブブラウザー40等からの指示にしたがって、電源のオン/オフを行ったり、受信対象とするサービス(チャンネル)を選局したりする。本実施形態においてチューナー機能部11が受信する放送信号の形式は、MPEG2-TSである。チューナー機能部11は、受信したMPEG2-TSをウェブサーバー30に渡す。
【0020】
MPEG2-TSファイル記憶部21は、MPEG2-TSファイルを記憶する。MPEG2-TSファイル記憶部21に記憶されているMPEG2-TSファイルは、ウェブサーバー30により読み出され得る。
【0021】
通信部22は、インターネット等の通信回線を介して外部の装置との間で通信を行う機能を持つ。通信部22は、例えば、インターネットプロトコル(IP)などのプロトコルを用いて、外部の装置との間での通信を行う。通信部22の機能により、受信装置1内の各部は、外部の装置との間でデータの交換などを行うことができる。
【0022】
例えばMSE処理部41が外部のサーバー装置(映像配信サーバー装置)のURLあるいはアドレス等を指定した場合に、通信部22は、そのサーバー装置にアクセスし、そのサーバー装置から配信される動画(ネット配信動画)を受信することができる。この場合には、外部のサーバー装置から配信される動画のデータ(ファイル)は、順次、MSE処理部41に渡され、処理され、さらにデコーダー部42においてデコードされてから、プレイヤー部43によって再生・表示される。
【0023】
ウェブサーバー30は、チューナー機能部11あるいはMPEG2-TSファイル記憶部21から取得するMPEG2-TSファイルを少なくとも一時的に蓄積する。また、ウェブサーバー30は、そのMPEG2-TSファイルを、コーデック情報取得部52やMPEG2-Video取得部53に渡すことができる。ウェブサーバー30は、ウェブブラウザー40側から見て、間に再生制御装置50を介して、サーバーとして機能する。つまり、ウェブサーバー30は、チューナー機能部11が受信したMPEG2-TS形式の放送信号を、再生制御装置50およびウェブブラウザー40の側に提供する。言い換えれば、ウェブサーバー30は、チューナー機能部11が受信したMPEG2-TSを、再生制御装置50側(即ち、ウェブブラウザー40側)に供給する。また、ウェブサーバー30は、予めMPEG2-TSファイル記憶部21に記憶されていたMPEG2-TSのデータを、同様に、再生制御装置50およびウェブブラウザー40の側に提供することもできる。
【0024】
ウェブブラウザー40は、サーバー側から取得したコンテンツ(テキスト、ウェブページ、映像、および音声など)を適宜デコードし、ユーザーに対して提示する。ウェブブラウザー40内のさらに詳細な構成については後で説明する。ウェブブラウザー40としては、汎用のウェブブラウザーを用いてもよい。ただし後述するように、ウェブブラウザー40に関しては、MPEG2-Videoの再生およびが可能となるように、再生可能化処理部51によるMPEG2-Videoの再生等の処理の「有効化」が行われる。
【0025】
再生制御装置50は、ウェブブラウザー40による動画再生の制御を行う。具体的には、再生制御装置50は、放送信号から抽出された動画(MPEG2-Video)がウェブブラウザー40において再生可能となるための制御を行う。再生制御装置50のより詳細な構成、およびその処理内容については、さらに後で詳細に説明する。
【0026】
上記の機能のうち、例えば、MPEG2-TSファイル記憶部21と、通信部22と、ウェブサーバー30と、ウェブブラウザー40と、再生制御装置50との機能を、コンピューター(ハードウェア)およびプログラム(ソフトウェア)を用いることによって実現してもよい。この場合、コンピューター70は、チューナー機能部11が受信した放送信号(MPEG2-TS)を受け取る。また、コンピューター70は、チューナー機能部11の動作を制御することができる。チューナー機能部11に対する制御とは、電源のオン/オフの制御や、放送信号の特定のサービス(チャンネル)を受信するようにするための選局(チューニング)の制御を含む。コンピューター70は、例えば、PC、スマホ、タブレット端末、あるいはその他のウェアラブル端末であってよい。つまり、受信装置1は、チューナー機能部11を付加したコンピューター70を主要な構成要素として実現することができる。
【0027】
なお、コンピューターを用いて実現する機能の範囲は任意である。つまり、上で例示した範囲に限らず、チューナー機能部11と、MPEG2-TSファイル記憶部21と、通信部22と、ウェブサーバー30と、ウェブブラウザー40と、再生制御装置50とのうちの所望の機能のみをコンピューターで実現するようにして、それ以外の機能を該コンピューターに有線または無線で接続してもよい。
【0028】
ウェブブラウザー40のさらに詳細な機能構成は、次の通りである。
図1に示すように、ウェブブラウザー40は、MSE処理部41と、デコーダー部42と、プレイヤー部43とを含んで構成される。
【0029】
MSE処理部41は、ウェブブラウザー40がストリーミング再生を可能にするために、ストリーミングデータを受信してデコーダー部42に渡す役割の処理を行う。MSE処理部41は、URLを指定することによってストリーミング配信を要求する。つまり、MSE処理部41は、放送コンテンツを受信する場合には、MPEG2-Video取得部53に相当するURLを指定してストリーミング配信を受ける。また、MSE処理部41は、通信(ネット配信)によるコンテンツを受信する場合には、そのコンテンツ(外部コンテンツ)に相当するURLを指定してストリーミング配信を受ける。
【0030】
本実施形態においては、MSE処理部41は、コーデック情報取得部52からコーデック情報(符号化および復号の方式に関する情報)を受け取る。このコーデック情報は、MSE処理部41が持つパラメーターの具体的な値を指定するものである。MSE処理部41がMPEG2-Video取得部53からMPEG2-Videoを受け取る場合には、MSE処理部41がコーデック情報取得部52から受け取るコーデック情報は、その動画がMPEG2-Videoであることを表す情報である。
【0031】
デコーダー部42は、MSE処理部41から渡される映像および音声のそれぞれをデコードする。デコーダー部42は、映像デコーダーの機能と音声デコーダーの機能との両方を持つ。本実施形態におけるデコーダー部42は、ウェブブラウザー40の一部分として実装される。つまり、デコーダー部42は、ウェブブラウザー40のプログラムの一部として実現され、そのプログラムが実行される形態であってよい。ただし、デコーダー部42の機能のうちの映像デコーダーと音声デコーダーとの少なくともいずれかの機能が、ウェブブラウザー40の外部に存在していてウェブブラウザー40が映像あるいは音声をデコードする際にその外部の機能を呼び出す形態として実現されてもよい。なお、このとき、映像デコーダーや音声デコーダーは、ソフトウェア(プログラム)として実現されるものであってもよいし、専用のハードウェア(電子回路)として実現されるものであってもよい。また、ソフトウェアとハードウェアとの両方が協調動作する形態のものであってもよい。
【0032】
プレイヤー部43は、映像や音声などを再生するためのウェブブラウザー40上の機能である。つまり、プレイヤー部43は、デコーダー部42によってデコードされた映像および音声のそれぞれを再生する。プレイヤー部43は、再生する映像を画面に表示する。また、プレイヤー部43は、再生する音声をスピーカー等(イヤフォン等を含む)から音声として出力する。
【0033】
再生制御装置50のさらに詳細な機能構成は、次の通りである。
図1に示すように、再生制御装置50は、再生可能化処理部51と、コーデック情報取得部52と、MPEG2-Video取得部53とを含んで構成される。
【0034】
再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40がMPEG2-Videoの再生を可能とするための処理を行う。具体的には、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40がMPEG2-TSコンテナをサポートすることを可能にする。また、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40のMPEG2-TSおよびMPEG2-VideoのMIME typeサポートを有効とする。また、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40が有するデコーダー部42に、MPEG2-Videoの適用を可能とさせる。
【0035】
つまり、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40がMPEG2-Videoのデコードおよび再生を行うことを可能にするための有効化処理を実行する。また、再生可能化処理部51は、少なくとも、前記有効化処理として、ウェブブラウザー40におけるMPEG2-TSコンテナのサポートを有効化する処理を行うものであってよい。また、再生可能化処理部51は、少なくとも、前記有効化処理として、ウェブブラウザー40におけるMPEG2-VideoのMIME typeを有効化する処理を行うものであってよい。また、再生可能化処理部51は、少なくとも、前記有効化処理として、ウェブブラウザー40において呼び出されるデコーダー部42が、MPEG2-Videoをデコードすることができるようにする処理を行うものであってよい。
【0036】
コーデック情報取得部52は、ウェブサーバー30から受信するMPEG2-TSファイルのコーデック(codec、符号化および復号)情報を取得する。また、コーデック情報取得部52は、取得したコーデック情報を、ウェブブラウザー40のMSE処理部41に渡すことにより、MSE処理部41が動作するためのパラメーターとして指定する。つまり、コーデック情報取得部52は、放送信号(MPEG2-TS)からコーデック情報を取得し、取得したコーデック情報をウェブブラウザー40内のMSE処理部41に渡すことによってMSE処理部41の処理パラメーターを指定する。なお、コーデック情報は、符号化方式および復号方式に関する情報である。
【0037】
MPEG2-Video取得部53は、ウェブサーバー30から渡されるMPEG2-TS信号を受け取り、MPEG2-TS信号からMPEG2-Videoを取り出す。また、MPEG2-Video取得部53は、取り出したMPEG2-Videoをウェブブラウザー40内のMSE処理部41に渡す。つまり、MPEG2-Video取得部53は、渡されるMPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得して、取得したMPEG2-VideoをMSE処理部41に渡すものである。なお、ウェブサーバー30から渡されるMPEG2-TS信号が動画(映像や音声)以外の情報(例えば、字幕テキストやイベントメッセージ(EM)等)を含む場合には、MPEG2-Video取得部53はそれらの情報を別途処理してウェブブラウザー40に渡す。つまり、字幕テキストやイベントメッセージ等の情報は、動画再生中等にも適宜、ウェブブラウザー40においてユーザーに対して提示され得る。
【0038】
図2および
図3は、受信装置1における処理の流れを示すシーケンス図である。
図2は、主として、再生制御装置内の再生可能化処理部がウェブブラウザーにおけるMPEG2-Videoの再生のための処理を有効化する処理の流れを示す。また、
図3は、チューナー機能部が受信した放送信号を基に、放送信号に含まれるMPEG2-Videoをウェブブラウザー上で再生するまでの処理の流れを示す。これらのシーケンス図では、ウェブブラウザー40内のプレイヤー部43が特定の放送サービスを受信して再生する指示を行うことを前提としている。プレイヤー部43は、ユーザーが行う操作に基づいて、特定の放送サービスの再生を指示する。以下ではこれらのシーケンス図に沿って受信装置1の動作を説明する。
【0039】
まず
図2のステップS11において、再生制御装置50の再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40に対して、MPEG2-TSコンテナサポートを有効化する処理を行う。これにより、ウェブブラウザー40のMPEG2-TSコンテナサポートが有効化される。
【0040】
次に、ステップS12において、再生制御装置50の再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40に対して、MIME typeを有効化する処理を行う。これにより、ウェブブラウザー40において、MPEG2-Videoとして識別されるMIME typeが有効となる。
【0041】
次に、ステップS13において、再生制御装置50の再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40のデコーダー部42に対して、MPEG2-Video対応を有効化する処理を行う。これにより、デコーダー部42のMPEG2-Videoを復号する機能が有効化される。
【0042】
次に、ステップS14において、受信装置1は、チューナー機能部11が所定の状態になるように制御する。チューナー機能部11の制御は、例えば、チューナー機能部11の電源をオンあるいはオフしたり、チューナー機能部11が特定のサービス(チャンネル)を受信するように選局したりするといった制御である。図示する例では、受信装置1は、チューナー機能部11の電源をオンするとともに、選局を行うように制御している。チューナー機能部11の制御を、例えば、ユーザーインターフェースを介したユーザーからの操作に基づいてウェブブラウザー40が行うようにしてよい。本ステップの処理を行うことにより、チューナー機能部11は、所定の放送サービスを受信している状態に遷移する。
【0043】
図3のステップS21において、チューナー機能部11は、放送信号を受信するとともに、その放送信号を復調し、MPEG2-TSのファイルをウェブサーバー30に渡す。ウェブサーバー30はMPEG2-TSファイルを受け取り、そのMPEG2-TSファイルを記憶手段に格納する。
【0044】
なお、ここで説明する手順ではウェブサーバー30はチューナー機能部11からMPEG2-TSファイルを順次受け取って記憶手段に格納しているが、ウェブサーバー30が予めMPEG2-TSファイルを保持しておく(記憶手段に格納しておく)ようにしてもよい。
【0045】
次の処理手順として、ステップS22の処理とステップS24の処理とは、どちらが先に実行されてもよい。また、これらのステップの処理が同時並行的に行われてもよい。
【0046】
次に、ステップS22において、ウェブサーバー30は、MPEG2-TSファイルを再生制御装置50内のコーデック情報取得部52に渡す。コーデック情報取得部52は、そのMPEG2-TSファイルを受け取る。
【0047】
次に、ステップS23において、コーデック情報取得部52は、ステップS22で受け取ったMPEG2-TSファイルのコーデック情報を取得する。コーデック情報は、MPEG2-TSの符号化および復号の方式等に関する情報を含む。コーデック情報取得部52は、具体的には、MPEG2-TSファイル内からコーデック情報を抽出する。そして、コーデック情報取得部52は、そのコーデック情報を用いて、ウェブブラウザー40内のMSE処理部41のパラメーターの指定を行う。これにより、MSE処理部41は、そのコーデック情報に基づいた処理を行うようになる。
【0048】
一方で、ステップS24において、ウェブサーバー30は、MPEG2-TSファイルを再生制御装置50内のMPEG2-Video取得部53に渡す。MPEG2-Video取得部53は、そのMPEG2-TSファイルを受け取る。
【0049】
次に、ステップS25において、MPEG2-Video取得部53は、ステップS24で受け取ったMPEG2-TSファイルから、MPEG2-Videoを抽出する。また、MPEG2-Video取得部53は、抽出したMPEG2-Videoのファイルを順次、ウェブブラウザー40内のMSE処理部41に渡す。MSE処理部41は、MPEG2-Videoのファイルを順次受け取る。
【0050】
次に、ステップS26において、ウェブブラウザー40は、ステップS25で受け取ったMPEG2-Videoを再生し、ユーザーに対して提示する。即ち、ウェブブラウザー40は、動画の映像を画面に表示するとともに、動画の音声をスピーカー等から出力する。本ステップにおいては、MSE処理部41とデコーダー部42とプレイヤー部43とがMPEG2-Videoの処理を順次行う。つまり、MSE処理部41が、MPEG2-Videoを受け付けてその再生のために必要な処理を行う。また、デコーダー部42がMPEG2-Videoをデコードする。また、プレイヤー部43は、デコード処理の結果として得られた映像および音声をユーザーに対して提示する。
【0051】
なお、チューナー機能部11は、連続的に放送信号を受信し続けるものである。つまり、
図3に示した処理は、受信される放送信号に基づいて、繰り返し連続的に行われる。
【0052】
次に、再生制御装置50が持つ機能について、さらに詳細に説明する。
[1]MPEG2-TSコンテナのサポートの有効化
[2]MIME typeの有効化
[3]デコーダー部42のMPEG2-Video対応の有効化
[4]MPEG2-Video取得部53におけるMPEG2-Video取得処理
【0053】
[1]MPEG2-TSコンテナのサポートの有効化
汎用的なウェブブラウザーにおいて、MPEG2-TSの動画を再生するためには、MPEG2-TSコンテナのサポートが必要である。そこで、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザー40におけるMPEG2-TSコンテナのサポートを有効化する処理を行う。この処理により、ウェブブラウザー40のMPEG2-TSコンテナのサポートが有効になる。具体的な方法の一例は、次の通りである。
【0054】
再生可能化処理部51は、ウェブブラウザーのプログラムをビルド(build)する際に、変数の値を設定することにより、MPEG2-TSコンテナのサポートを有効化する。例えば、変数名がenable_mse_mpeg2ts_stream_parserである場合、再生可能化処理部51は、「enable_mse_mpeg2ts_stream_parser=true」と指定して、ウェブブラウザーをビルドする。これにより、ウェブブラウザー40が持つMPEG2-TSパーサー機能が有効化される。再生可能化処理部51は、一例として、ビルド用スクリプト内に上記の変数設定「enable_mse_mpeg2ts_stream_parser=true」の記述を含め、そのビルド用スクリプトを実行させる。
【0055】
[2]MIME typeの有効化
汎用的なウェブブラウザーにおけるMPEG2-VideoのMIME type・codecが非サポートの状態では、MPEG2-Videoを含むMPEG2-TSを入力バッファーに書き込む(追加する)処理を実行してもエラーとなる。即ち、MPEG2-Videoをバッファーに追加することができない。そこで、再生可能化処理部51は、MPEG2-VideoのMIME type・codecのサポートを追加するための処理を行う。
【0056】
再生可能化処理部51は、例えば、ウェブブラウザーのプログラムのソースコードを改修することによりMIME typeを有効化する。具体的には、再生可能化処理部51は、ウェブブラウザーのソースコード内における、各MIME typeサポート判定処理のロジックにおいて、MPEG2-TSおよびMPEG2-Videoが有効であると判定する処理を追加する。ソースコードの改修は、例えばパッチファイルを記述することにより行えるが、他の方法でソースコードを改修してもよい。再生可能化処理部51は、その改修後のソースコードを用いて、ウェブブラウザーをビルドするためのスクリプトを実行する。これにより、MPEG2-TSおよびMPEG2-Videoのコーデックが有効となる。
【0057】
[3]デコーダー部42のMPEG2-Video対応の有効化
汎用的なウェブブラウザーにおいてMPEG2-Videoのデコード機能が無効となっている状態では、デコーダー部42は、MPEG2-Videoをデコードすることができない。
【0058】
再生可能化処理部51は、デコーダー部42のMPEG2-Videoへの対応を有効化するための処理を行う。例えば、再生可能化処理部51は、下記の[3-1]、[3-2]、および[3-3]の処理を行うことにより、デコーダー部42におけるMPEG2-Videoの有効化を行う。なお、一例としてフリーソフトウェアのFFmpegを用いることができるが、具体的に使用するプログラムはこれに限定されるものではない。再生可能化処理部51は、下記の[3-1]、[3-2]、および[3-3]の処理を行ったうえで、動画再生ソフトウェアのビルドを行う。
[3-1]構成定義においてMPEG2-Videoを有効化
[3-2]コーデック/パーサー/デマクサー(DEMUXER)の処理にMPEG2-Videoへの対応を追加
[3-3]MPEG2-Videoの処理に必要なソースコードを動画再生ソフトウェア(FFmpeg等)のビルド対象に追加
【0059】
[3-1]構成定義においてMPEG2-Videoを有効化
再生可能化処理部51は、動画再生ソフトウェア(例えばFFmpeg)の構成ファイルにおいて、%define文によって設定される変数値を所望の値に設定する。対象のファイルは、一例として、x64/config.h、あるいは、x64/config.asmなどといった名前であってよい。再生可能化処理部51は、これらの構成ファイル内において、例えば、「%define CONFIG_MPEG2VIDEO_DECODER 1」という文(デコーダー機能においてMPEG2-Videoが有効であることを定義する文)や、「%define CONFIG_MPEG2VIDEO_PARSER 1」(パーサー機能においてMPEG2-Videoが有効であることを定義する文)という文が追加されるような改修を行う。
【0060】
[3-2]コーデック/パーサー/デマクサー(DEMUXER)の処理にMPEG2-Videoへの対応を追加
再生可能化処理部51は、動画再生ソフトウェア(例えばFFmpeg)のコーデック、パーサー、およびデマクサーの処理に、MPEG2-Videoへの対応を行うための記述を追加する。対象となるファイルの名前は、例えば、それぞれ、codec_list.cc、parser_list.cc、およびdemuxer_list.ccなどといったものであってよい。
【0061】
[3-3]MPEG2-Videoの処理に必要なソースコードを動画再生ソフトウェア(FFmpeg等)のビルド対象に追加
再生可能化処理部51は、動画再生ソフトウェア(例えばFFmpeg)においてMPEG2-Videoを処理するために必要なソースコードをビルド対象のソースとして追加する。ここで対象となるファイルの名前は、例えば、ffmpeg_generated.gniなどといったものであってよい。
【0062】
[4]MPEG2-Video取得部53におけるMPEG2-Video取得処理
上の[1]で述べたMPEG2-TSパーサー機能がMPEG2-Videoに対応していない場合には、MPEG2-Video取得部53が、MPEG2-TSからMPEG2-Videoを取得する処理を行えるようにする。具体的な処理として、汎用ウェブブラウザーのメディアデコーダーAPI(デコーダー部42へのAPI)にデータを渡すためには、MPEG2-Videoをフレームごとに切り出すなどといった処理が必要である。そのため、MPEG2-Video取得部53は、MPEG2-TSデータからMPEG2-Videoのビットストリームを取り出す処理を行えるようにする。MPEG2-TSおよびMPEG2-Videoのビットストリームを解析することによって、これらのデータの構成を把握することができる。MPEG2-Video取得部53の具体的な処理としては、スタートコード(picture start)をフレーム境界と認識することによって、1フレーム単位でのデータへの分割を行う。また、MPEG2-Video取得部53の別の処理として、動画の解像度の情報をMPEG2-TS内から取得する。
【0063】
なお、再生可能化処理部51は、上の[1]から[3]までにおいて説明した通り、汎用的なウェブブラウザーを利用してビルドし直すことにより、ウェブブラウザー40がMPEG2-Videoを再生することができるように、機能の有効化(再生可能化)を行う。ただし、再生可能化処理部51は、ソースファイルや構成ファイルを改修してウェブブラウザーのビルドを行う代わりに、ビルド済みのウェブブラウザーのプログラム(モジュール)を導入することによって、ウェブブラウザー40の機能の有効化(再生可能化)を行うようにしてもよい。
【0064】
図4は、受信装置1が持つコンピューター70の内部構成の例を示すブロック図である。前述の通り、受信装置1が持つ機能の少なくとも一部は、コンピューターを用いて実現され得る。図示するように、そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等に記憶されたプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力デバイスである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポートにアクセスする。
【0065】
上述した実施形態における受信装置1の少なくとも一部の機能をコンピューターおよびプログラムで実現することができる。その場合、当該機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0066】
[変形例]
以上、実施形態を説明したが、本発明はさらに次のような変形例でも実施することが可能である。上記の実施形態では、再生制御装置50がMPEG2-Videoの再生を有効化する処理として、[1]MPEG2-TSコンテナのサポートの有効化、[2]MIME typeの有効化、および[3]デコーダー部42のMPEG2-Video対応の有効化の3つの処理を説明した。しかしながら、再生制御装置50がMPEG2-Videoの再生を有効化する処理として、これらのうちの一部のみを行うものであってもよい。つまり、汎用のウェブブラウザーにおいてこれらの[1]、[2]、[3]のうちのいずれかが、最初から有効化されている場合には、再生制御装置は、その有効化のための処理を行う必要がない。
【0067】
以上説明した実施形態(その変形例を含む)によれば、受信装置1が有する再生制御装置50は、チューナー機能部11において受信した放送信号を、汎用的なウェブブラウザーにおいて再生させるようにすることができる。つまり、ユーザーは、汎用的なウェブブラウザーで放送番組を視聴することができる。即ち、ユーザーは、通信コンテンツ(ネット配信動画等)と放送番組とを、共通のブラウザー上で共通の方法(仕組み)で再生させて視聴することができる。本実施形態において、放送信号に含まれていたMPEG2-Videoは、MSE処理部41で処理され、再生される。MSE処理部41においては、再生対象のURLを切り替えるだけで、再生制御装置50経由で供給される放送の動画と、通信部22によって取得されるネット配信動画とを、切り替えて視聴することができる。
【0068】
つまり、この実施形態(その変形例を含む)によれば、ユーザーは、ウェブブラウザーで放送を視聴することが可能となる。また、ユーザーは、同一のウェブアプリケーション上で、放送の視聴とネット動画の視聴とを行うことが可能となる。また、ウェブ技術を用いて放送の再生および提示を可能としていることにより、ウェブ技術の進化・発展に追従しながら、放送によっても新たなサービスを提供することが可能となる。
【0069】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば、コンテンツ配信の事業(放送事業やネット動画配信事業等を含む)や、コンテンツ配信を受信して再生する装置(あるいはプログラム)を供給する事業等に利用することができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
【符号の説明】
【0071】
1 受信装置
11 チューナー機能部
21 MPEG2-TSファイル記憶部
22 通信部
30 ウェブサーバー
40 ウェブブラウザー
41 MSE処理部
42 デコーダー部
43 プレイヤー部
50 再生制御装置
51 再生可能化処理部
52 コーデック情報取得部
53 MPEG2-Video取得部
70 コンピューター
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス