(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101014
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】酸性液状調味料
(51)【国際特許分類】
A23L 27/60 20160101AFI20240719BHJP
A23L 27/00 20160101ALI20240719BHJP
【FI】
A23L27/60 A
A23L27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024086611
(22)【出願日】2024-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠美子
(72)【発明者】
【氏名】松村 夕貴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 元紀
(57)【要約】
【課題】低カロリー及び低糖質でありながら、旨味の引き立った酸性液状調味料の提供。
【解決手段】本発明は、カロリーが5.0kcal/100g未満及び糖質が0.5g/100g未満であり、かつ、酸味料(但し、果汁を除く)、砂糖代替甘味料、タンパク質源及び食塩を含む酸性液状調味料であって、
前記酸性液状調味料が、果汁、野菜汁、だし汁、及び香辛料からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含み、
前記酸性液状調味料中のタンパク質由来カロリーのカロリー全体に対する割合が7%以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カロリーが5.0kcal/100g未満及び糖質が0.5g/100g未満であり、かつ、酸味料(但し、果汁を除く)、砂糖代替甘味料、タンパク質源及び食塩を含む酸性液状調味料であって、
前記酸性液状調味料が、果汁、野菜汁、だし汁、及び香辛料からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含み、
前記酸性液状調味料中のタンパク質由来カロリーのカロリー全体に対する割合が7%以上であることを特徴とする、
酸性液状調味料。
【請求項2】
前記酸性液状調味料中のタンパク質、脂質、炭水化物、及び有機酸由来のカロリーが、下記の条件:
タンパク質:0.1kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
炭水化物:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
有機酸:0.1kcal/100g以上2.5kcal/100g未満
の少なくとも1つを満たすことを特徴とする
請求項1に記載の酸性液状調味料。
【請求項3】
前記酸性液状調味料中の炭水化物の含有量が1.0質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項4】
前記酸性液状調味料の20℃における粘度が、50mPa・s以上1000mPa・s以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項5】
前記酸性液状調味料のpHが2.5以上4.6以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項6】
前記酸性液状調味料中の食塩相当量が5.5質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項7】
前記酸味料が、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種の有機酸を含むことを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項8】
前記酸性液状調味料中の有機酸の含有量が0.7質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項9】
前記酸性液状調味料中の野菜汁及びだし汁の合計含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項10】
前記砂糖代替甘味料が、高甘味度甘味料及び糖アルコールの少なくとも1種であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【請求項11】
前記高甘味度甘味料が、ステビア、スクラロース、アスパルテーム、アドバンテーム、ネオテーム、及びアセスルファムカリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
請求項11に記載の酸性液状調味料。
【請求項12】
前記タンパク質源が、酵母エキス、動物エキス、グルタミン酸ナトリウム、及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性液状調味料に関し、詳細には、低カロリー及び低糖質の酸性液状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドレッシングやマヨネーズ等の酸性液状調味料には、様々な原料が配合されている。例えば、健康志向のためにオイル分を低減した低カロリーのノンオイルドレッシングが開発されているが、オイル低減に代わって味を出すために比較的塩分や糖分が多めの設計となっていた。
【0003】
例えば、特許文献1では、適度な甘味を有し、低カロリーの低油脂液状調味料として、油脂の含有量が8%以下であり、香味油脂とスクラロースが配合されている低油脂液状調味料が提案されている。
また、特許文献2では、低カロリーでナトリウム含有量が低く、かつ風味の優れるドレッシング類として、100g当たりのナトリウム含有量が1450mg以下であり、100g当たりのエネルギー量が40kcal以下であり、ステビア等の高甘味度甘味料を含むドレッシング類が提案されている。
【0004】
しかし、近年では、糖質制限ダイエットが流行していることもあり、低カロリーだけでなく低糖質の調味料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-230366号公報
【特許文献2】特開2003-219834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1および2に記載の調味料はいずれも、低糖質とは言えないものであった。そこで、本発明者等は、カロリー及び糖質を低減するために、単にカロリー源及び糖質源となる原料の配合量を減らして調味料を調製したが、風味に乏しく物足りない味になってしまった。そこで、風味を増強するために、カロリー及び糖質にあまり影響しない塩や酸を配合してみたところ、逆に旨味を損ない風味が悪くなってしまうという想定外の結果となった。そのため、本発明の目的は、低カロリー及び低糖質でありながら、旨味の引き立った酸性液状調味料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、特定の原料を配合した上で、カロリーのバランスを特定の範囲内とすることによって、低カロリー及び低糖質でありながら、旨味の引き立った酸性液状調味料が得られることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] カロリーが5.0kcal/100g未満及び糖質が0.5g/100g未満であり、かつ、酸味料(但し、果汁を除く)、砂糖代替甘味料、タンパク質源及び食塩を含む酸性液状調味料であって、
前記酸性液状調味料が、果汁、野菜汁、だし汁、及び香辛料からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含み、
前記酸性液状調味料中のタンパク質由来カロリーのカロリー全体に対する割合が7%以上であることを特徴とする、
酸性液状調味料。
[2] 前記酸性液状調味料中のタンパク質、脂質、炭水化物、及び有機酸由来のカロリーが、下記の条件:
タンパク質:0.1kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
炭水化物:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
有機酸:0.1kcal/100g以上2.5kcal/100g未満
の少なくとも1つを満たすことを特徴とする
[1]に記載の酸性液状調味料。
[3] 前記酸性液状調味料中の炭水化物の含有量が1.0質量%以下であることを特徴とする、
[1]または[2]に記載の酸性液状調味料。
[4] 前記酸性液状調味料の20℃における粘度が、50mPa・s以上1000mPa・s以下であることを特徴とする、
[1]~[3]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[5] 前記酸性液状調味料のpHが2.5以上4.6以下であることを特徴とする、
[1]~[4]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[6] 前記酸性液状調味料中の食塩相当量が5.5質量%以下であることを特徴とする、
[1]~[5]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[7] 前記酸味料が、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸、及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種の有機酸を含むことを特徴とする、
[1]~[6]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[8] 前記酸性液状調味料中の有機酸の含有量が0.7質量%以下であることを特徴とする、
[1]~[7]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[9] 前記酸性液状調味料中の野菜汁及びだし汁の合計含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする、
[1]~[8]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
[10] 前記砂糖代替甘味料が、高甘味度甘味料及び糖アルコールの少なくとも1種であることを特徴とする、
[1]~[9]に記載の酸性液状調味料。
[11] 前記高甘味度甘味料が、ステビア、スクラロース、アスパルテーム、アドバンテーム、ネオテーム、及びアセスルファムカリウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
[10]に記載の酸性液状調味料。
[12] 前記タンパク質源が、酵母エキス、動物エキス、グルタミン酸ナトリウム、及び核酸からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、
[1]~[11]のいずれかに記載の酸性液状調味料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低カロリー及び低糖質でありながら、旨味の引き立った酸性液状調味料を提供することができる。このような酸性液状調味料は消費者の食欲を惹起することができ、酸性液状調味料のさらなる市場拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<酸性液状調味料>
本発明の酸性液状調味料は、少なくとも酸味料、砂糖代替甘味料、タンパク質源及び食塩を含み、果汁、野菜汁、だし汁、及び香辛料からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含む。酸性液状調味料は、糖質系甘味料、増粘剤、水、及び調味料等の他の原料をさらに含んでもよい。
【0011】
酸性液状調味料としては、例えば、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられる。これらの中でも、ドレッシングが好ましい。
【0012】
(酸性液状調味料の栄養成分)
酸性液状調味料は、カロリーが5.0kcal/100g未満及び糖質が0.5g/100g未満である。すなわち、本発明において、酸性液状調味料の「低カロリー」とは、食品表示法の規定により定められた食品表示基準における「ゼロカロリー」(5kcal/100g未満)を満たすものであり、かつ、「低糖質」とは、当該食品表示基準の0と表示することができる量を満たすものである。
本発明においては、酸性液状調味料のカロリーは、好ましくは4.8kcal/100g以下であり、より好ましくは4.6kcal/100g以下であり、さらに好ましくは4.5kcal/100g以下である。酸性液状調味料の糖質は、好ましくは0.45g/100g以下であり、より好ましくは0.4g/100g以下であり、さらに好ましくは0.35g/100g以下であり、さらにより好ましくは0.3g/100g以下である。なお、カロリー及び糖質は、酸性液状調味料100gを基準とする値である。
【0013】
酸性液状調味料の総カロリーは5.0kcal/100g未満であることを前提として、さらに、酸性液状調味料中のタンパク質、脂質、炭水化物、及び有機酸由来のカロリーは、好ましくは、下記の条件:
タンパク質:0.1kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
炭水化物:0kcal/100g以上3.0kcal/100g以下
有機酸:0.1kcal/100g以上2.5kcal/100g未満
の少なくとも1つを満たし、
より好ましくは、下記の条件:
タンパク質:0.2kcal/100g以上2.5kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上2.0kcal/100g以下
炭水化物:0.3kcal/100g以上2.9kcal/100g以下
有機酸:0.3kcal/100g以上2.2kcal/100g以下
の少なくとも1つを満たし、
さらに好ましくは、下記の条件:
タンパク質:0.3kcal/100g以上2.0kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上1.5kcal/100g以下
炭水化物:0.5kcal/100g以上2.9kcal/100g以下
有機酸:0.5kcal/100g以上2.0kcal/100g以下
の少なくとも1つを満たし、
さらにより好ましくは、下記の条件:
タンパク質:0.4kcal/100g以上1.8kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上1.0kcal/100g以下
炭水化物:0.7kcal/100g以上2.8kcal/100g以下
有機酸:0.7kcal/100g以上2.0kcal/100g以下
の少なくとも1つを満たす。
最も好ましくは、下記の条件:
タンパク質:0.4kcal/100g以上1.5kcal/100g以下
脂質:0kcal/100g以上0.5kcal/100g以下
炭水化物:0.8kcal/100g以上2.8kcal/100g以下
有機酸:0.9kcal/100g以上2.0kcal/100g以下
の少なくとも1つを満たす。
【0014】
酸性液状調味料中のタンパク質由来カロリーのカロリー全体に対する割合は、下限値が7%以上であり、好ましくは8%以上であり、より好ましくは9%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、また、上限値が好ましくは45%以下であり、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは35%以下である。
酸性液状調味料中の有機酸由来カロリーのカロリー全体に対する割合は、下限値が好ましくは10%以上であり、より好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは20%以上であり、上限値が好ましくは50%未満であり、より好ましくは48%以下であり、さらに好ましくは45%以下である。
【0015】
酸性液状調味料中の炭水化物の含有量は、風味のバランスに優れ、旨味を引き立たせる観点から、上限値が好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下であり、さらにより好ましくは0.5質量%以下である。
【0016】
酸性液状調味料中の食塩相当量は、下限値が好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらにより好ましくは1.5質量%以上であり、上限値が好ましくは5.5質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましくは4.5質量%以下であり、さらにより好ましくは4.0質量%以下であり、最も好ましくは3.5質量%以下である。酸性液状調味料中の塩味相当量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料は低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引き立ち易くなる。なお、本発明において、食塩相当量とは、原料として配合した食塩量および他の原料に含まれる食塩量の合計である。食塩相当量は、例えば、モール法、原子吸光法、電位差滴定法等により、ナトリウムまたは塩化物イオンをそれぞれ基準成分として測定し、食塩含有量を塩化ナトリウム含有量として求めることができる。
【0017】
酸性液状調味料中の有機酸の含有量は、下記の酸味料や果汁の種類やカロリーバランスに応じて適宜調節することができる。酸性液状調味料中の有機酸の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、また、上限値が好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.7質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下である。酸性液状調味料中の有機酸の含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料は低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引き立ち易くなる。
【0018】
(酸性液状調味料の粘度)
酸性液状調味料は、20℃における粘度が、好ましくは50mPa・s以上1000mPa・s以下である。当該粘度の下限値はより好ましくは60mPa・s以上であり、さらに好ましくは70mPa・s以上であり、さらにより好ましくは80mPa・s以上であり、最も好ましくは100mPa・s以上であり、また、上限値はより好ましくは800mPa・s以下であり、さらに好ましくは500mPa・s以下であり、さらにより好ましくは300Pa・sm以下であり、最も好ましくは200mPa・s以下である。
なお、酸性液状調味料の粘度は、BH型粘度計を用いて、品温20℃、回転数20rpmの条件で、ローターNo.2を使用し、測定開始後ローターが5回転した時の示度により算出した値である。
【0019】
(酸性液状調味料のpH)
酸性液状調味料のpHは、好ましくは2.5以上4.6以下である。当該pHの下限値はより好ましくは2.8以上であり、さらに好ましくは3.0以上であり、さらにより好ましくは3.2以上であり、最も好ましくは3.4以上であり、また、上限値がより好ましくは4.5以下であり、さらに好ましくは4.3以下であり、さらにより好ましくは4.2以下であり、最も好ましくは4.0以下である。酸性液状調味料のpHが上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。本発明においては、酸味料の種類や配合量を調節することで、酸性液状調味料のpHを上記の好適な数値範囲に調整することができる。なお、酸性液状調味料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
【0020】
(酸性液状調味料の水分含有量)
酸性液状調味料の水分含有量は、特に限定されず、各成分の配合量に応じて適宜、調節することができる。酸性液状調味料の水分含有量は、下限値が好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、さらにより好ましくは80質量%以上であり、最も好ましくは85質量%以上であり、また、上限値が好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下であり、さらに好ましくは97質量%以下である。
【0021】
(酸味料)
酸味料としては、特に限定されず、従来公知の酸性液状調味料用の酸味料を用いることができる。酸味料としては、例えば、食酢(酢酸)、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸が挙げられる。これらの有機酸は、酸性液状調味料中では、ナトリウム塩やカリウム塩等の有機酸塩の形態で存在してもよい。但し、酸味料には、下記の果汁自体は含まれない。これらの酸味料の中でも、酢酸およびクエン酸が好ましい。これらの酸味料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの酸味料を配合することで、酸性液状調味料のpHを所望の数値範囲内に調節したり、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にしたりすることができる。また、低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引きたった酸性液状調味料を調製できることから、酢酸を高酸度食酢として含有させることが好ましい。高酸度食酢とは通常の食酢が4%程度の酸度であるのに対して、その倍以上の酸度を有する食酢である。
【0022】
(果汁)
果汁としては、特に限定されず、従来公知の酸性液状調味料用の果汁を用いることができる。果汁としては、ライム果汁、柚子果汁、レモン果汁、リンゴ果汁、及びオレンジ果汁等を用いることができる。これらの果汁の中でも、レモン果汁が好ましい。上記の酸味料で列挙した有機酸は、果汁中にも含まれていてもよい。これらの果汁は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの果汁を配合することで、酸性液状調味料のpHを所望の数値範囲内に調節したり、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にしたりすることができる。
【0023】
(野菜汁、だし汁、及び香辛料)
野菜汁、だし汁、及び香辛料は特に限定されず、従来公知の酸性液状調味料用の野菜汁、だし汁、及び香辛料を用いることができる。野菜汁としては、例えば、トマト汁、タマネギ汁、白菜汁、及び生姜汁等が挙げられる。だし汁としては、例えば、カツオだし、昆布だし、及び焼きあごだし等が挙げられる。上記の酸味料で列挙した有機酸は、野菜汁及びだし汁中にも含まれていてもよい。香辛料としては、例えば、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、唐辛子、及びシナモン等が挙げられる。これらの野菜汁、だし汁、及び香辛料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
野菜汁及びだし汁の合計含有量は、風味のバランスに優れ、旨味を引き立たせる観点から、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、上限値が好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下であり、さらに好ましくは0.8質量%以下である。
香辛料の含有量は、風味のバランスに優れ、旨味を引き立たせる観点から、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.03質量%以上であり、また、上限値が好ましくは0.3質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
【0025】
(タンパク質源)
タンパク質源としては、特に限定されず、従来公知の酸性液状調味料用のタンパク質源を用いることができる。タンパク質源としては、例えば、酵母エキス、動物エキス、グルタミン酸ナトリウム、及び核酸が挙げられる。これらのタンパク質源は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
タンパク質源の含有量は、上記のカロリーを満たすように適宜調節することができる。タンパク質源の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、上限値が好ましくは0.7質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。酸性液状調味料中のタンパク質源の含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料は低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引き立ち易くなる。
【0027】
(砂糖代替甘味料)
砂糖代替甘味料は、砂糖のような甘味を呈しつつも砂糖よりもカロリーが大幅に抑えられる甘味料である。砂糖代替甘味料としては、従来公知の砂糖代替甘味料を用いることができる。砂糖代替甘味料としては、高甘味度甘味料及び糖アルコールが挙げられる。高甘味度甘味料は、砂糖の何倍もの甘味度を持つため配合量を大幅に少なくでき、酸性液状調味料全体のカロリーを抑えることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ステビア、スクラロース、アスパルテーム、アドバンテーム、ネオテーム、及びアセスルファムカリウム等が挙げられる。糖アルコールは、砂糖よりも甘味が少ないものの砂糖よりも1gあたりのカロリーが大幅に少ないために、酸性液状調味料全体のカロリーを抑えることができる。糖アルコールとしては、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース、及び還元水あめ等が挙げられる。これらの砂糖代替甘味料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
砂糖代替甘味料の含有量は、砂糖代替甘味料の種類等に応じて適宜調節することができる。砂糖代替甘味料の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.002質量%以上であり、さらに好ましくは0.003質量%以上であり、また、上限値が好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、さらにより好ましくは0.05質量%以下であり、最も好ましくは0.02質量%以下である。酸性液状調味料中の砂糖代替甘味料の含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料は低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引き立ち易くなる。
【0029】
(糖質系甘味料)
糖質系甘味料は、炭水化物(糖質)に分類される甘味料である。糖質系甘味料としては、例えば、グルコース、スクロース、ガラクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖等が挙げられる。なお、糖質系甘味料には、上記の糖アルコールは含まれない。これらの糖質系甘味料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
糖質系甘味料の含有量は、糖質系甘味料の種類等に応じて適宜調節することができるが、低カロリーを実現するために、低減することが好ましい。糖質系甘味料の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、上限値が好ましくは0.50質量%未満であり、より好ましくは0.45質量%以下であり、さらに好ましくは0.40質量%以下であり、さらにより好ましくは0.3%以下であり、また、0質量%であってもよい。酸性液状調味料中の糖質系甘味料の含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料は低カロリー及び低糖質でありながら、旨味が引き立ち易くなる。
【0031】
(増粘剤)
増粘剤としては、特に限定されず、従来公知の液状調味料用の増粘剤を用いることができる。例えば、増粘剤としては、ガム類及び/又は澱粉を用いることができる。
【0032】
ガム類としては、例えば、キサンタンガム、コンニャクガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等が挙げられる。これらのガム類の中でも、キサンタンガムを用いることが好ましい。ガム類としては、これらの1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
澱粉としては、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉コーンスターチ(例えば、スイートコーン由来、デントコーン由来、ワキシーコーン由来のコーンスターチ)、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、及び米澱粉等が挙げられる。また、これらの澱粉に、架橋処理、乳化処理、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、湿熱処理、及び湿熱処理等の処理を施したものである加工澱粉も用いることができる。このような処理を施した澱粉としては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及びリン酸化澱粉等が挙げられる。澱粉としては、これらの1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】
増粘剤の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、下限値が好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、上限値が好ましくは0.8質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下であり、さらに好ましくは0.4質量%以下である。増粘剤の含有量が上記数値範囲内であれば、粘度を所望の数値範囲内に調節し易く、また、食感を改善することができる。
【0035】
(食用油脂)
酸性液状調味料には、食用油脂を配合してもよい。食用油脂は、特に限定されず、従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、又はこれらの混合油を用いることが好ましい。
【0036】
食用油脂の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、上限値が好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、さらにより好ましくは0.01質量%以下である。また、酸性液状調味料には、原料として食用油脂を配合しないことが好ましく、食用油脂は含まれなくてもよい。カロリーの観点から、酸性液状調味料中の食用油脂の含有量を低減することが好ましい。
【0037】
(他の原料)
酸性液状調味料には、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で酸性液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し、配合してもよい。例えば、醤油、みりん、胡麻等の調味料、香料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
【0038】
<酸性液状調味料の製造方法>
本発明の酸性液状調味料の製造方法の一例について説明する。例えば、酸味料(食酢等)、砂糖代替甘味料(ステビア等)、タンパク質源(酵母エキス等)、食塩、香辛料、増粘剤、調味料、及び清水を混合し、撹拌することで、酸性液状調味料を得ることができる。
【0039】
酸性液状調味料の製造には、通常の酸性液状調味料の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な撹拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
【実施例0040】
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
【0041】
<酸性液状調味料(ドレッシング)の製造例>
[実施例1]
表1に記載の配合割合に準じ、酸性液状調味料を製造した。具体的には、撹拌タンクに、食酢(アルコール酢、酸度11%)、クエン酸、レモン果汁(5倍濃縮)、酵母エキス、グルタミン酸ナトリウム、ポークエキス、核酸、ステビア、食塩、キサンタンガム、ブラックペッパー、レモン香料、及び清水を投入して均一に混合することにより、酸性液状調味料を製造した。
【0042】
[実施例2]
酵母エキスを配合せず、グルタミン酸ナトリウムの配合量を0.3質量%に変更し、ポークエキスの配合量を0.2質量%に変更し、核酸の配合量を0.15質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0043】
[実施例3]
核酸を配合せず、砂糖を0.4質量%配合した以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0044】
[実施例4]
食酢(アルコール酢、酸度11%)およびクエン酸を配合せずに食酢(米酢、酸度4.5%)を10.0質量%配合し、レモン果汁を配合せずにカツオだしを0.6質量%配合し、ブラックペッパーおよびレモン香料を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0045】
[実施例5]
食酢(アルコール酢、酸度11%)の配合量を4.5質量%に変更し、クエン酸を配合せず、トマト汁(11倍濃縮)を0.3質量%配合し、カツオだしを0.2質量%配合し、酵母エキスおよびポークエキスを配合せず、核酸の配合量を0.2質量%に変更し、食塩の配合量を2.0質量%に変更し、レモン香料を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0046】
[実施例6]
ステビアの配合量を0.0023質量%に変更し、スクラロースを0.002質量%配合した以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0047】
[比較例1]
酵母エキス、ポークエキス、及び核酸を配合せず、大豆油を0.25質量%配合した以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0048】
[比較例2]
酵母エキス、ポークエキス、及び核酸を配合せず、砂糖を0.5質量%配合した以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0049】
[比較例3]
ステビアを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0050】
[比較例4]
レモン果汁(5倍濃縮)及びブラックペッパーを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして酸性液状調味料を製造した。
【0051】
[比較例5]
表1に記載の配合割合に準じ、酸性液状調味料を製造した。具体的には、攪拌タンクに、食酢(アルコール酢、酸度4%)、ライム果汁(5倍濃縮)、柚子果汁、グルタミン酸ナトリウム、スクラロース、食塩、キサンタンガム、及び清水を投入して均一に混合することにより、酸性液状調味料を製造した。
【0052】
実施例1~6及び比較例1~5の酸性液状調味料について、各原料の配合割合を表1に示した。
【0053】
【0054】
<酸性液状調味料(ドレッシング)の評価>
(成分分析)
上記で得られた酸性液状調味料または各配合原料中の各成分(糖質、タンパク質、脂質、炭水化物、有機酸、食塩相当量、水分、灰分、及び食物繊維等)の含有量を下記の分析方法により測定した。糖質含有量、炭水化物含有量、食塩相当量、有機酸含有量の測定又は算出結果を表2に示した。
(分析方法)
・糖質:食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)による計算式:100-(水分+タンパク質+脂質+灰分+食物繊維+酢酸)
・タンパク質:燃焼法、タンパク質換算係数6.25
・脂質:ソックスレー抽出法
・炭水化物:食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)による計算式:100-(水分+タンパク質+脂質+灰分+酢酸)
・有機酸:滴定酸度(酢酸換算)
・食塩相当量:原子吸光光度法、計算式:ナトリウム×2.54
・水分:常圧加熱乾燥法又は減圧加熱乾燥法
・灰分:直接灰化法
・食物繊維:酵素-重量法
【0055】
(カロリーの算出)
上記で得られた酸性液状調味料のカロリー(kcal/100g)は、上記の成分分析の測定結果を基にして、以下の各成分のエネルギー換算係数(各成分1g当たりのカロリー(kcal/g))を用いて算出した。算出結果を表2に示した。
(エネルギー換算係数)
タンパク質:4、脂質:9、炭水化物:4、有機酸:3
なお、上記に定めのないものについては、日本食品成分表2020年版(八訂)に記載の係数に従う。
【0056】
(pH測定)
上記で得られた酸性液状調味料について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。測定結果を表3に示した。
【0057】
(粘度測定)
上記で得られた酸性液状調味料について、BH形粘度計を使用し、品温20℃、回転数20rpmの条件で、ローターNo.2を使用し、測定開始後ローターが5回転した時の示度により算出した。測定結果を表3に示した。
【0058】
(官能評価)
上記で得られた酸性液状調味料の風味を、複数名の訓練されたパネルによって評価した。評価方法は、比較例1の酸性液状調味料(1点)を基準とし、1点~5点の5段階で相対評価を行い、各パネルの点数の平均値を評価点として表3に示した。評価点が3.0点以上であれば、良好な結果であると言える。
[評価基準]
5点:最も風味のバランスに優れ、旨味が際立って引き立っていた。
4点:風味のバランスに優れ、旨味が十分に引き立っていた。
3点:風味のバランスが良好で、旨味が引き立っていた。 2点:旨味を感じにくい、または、違和感のある旨味の感じ方であった。
1点:酸性液状調味料の旨味を全く感じなかった。
【0059】
実施例1~6の酸性液状調味料はいずれも、風味のバランスに優れ、旨味が引き立っていた。
具体的には、実施例1の酸性液状調味料は、実施例5の酸性液状調味料よりも風味のバランスに優れ、旨味が引き立っていた。
実施例2の酸性液状調味料は、最も風味のバランスに優れ、旨味が引き立っていた。
実施例3の酸性液状調味料は、風味のバランスに優れていたが、実施例2よりも旨味がやや薄かった。
実施例4の酸性液状調味料は、だし汁由来の旨味が際立っていた。
実施例5の酸性液状調味料は、トマト汁由来の風味が良く、風味のバランスに優れていた。
実施例6の酸性液状調味料は、砂糖代替甘味料由来の甘味が際立っていた。
一方、比較例1の酸性液状調味料は、旨味を全く感じなかった。食用油脂の配合によって、酸性液状調味料の味がぼやけ、旨味が阻害されたと推察される。
比較例2の酸性液状調味料は、旨味をあまり感じなかった。また、砂糖の配合によって、酸味や塩味を感じにくく、全体の風味が薄く感じられたと推察される。
比較例3の酸性液状調味料は、旨味をあまり感じなかった。砂糖代替甘味料を配合していないため、塩味が際立ち、風味のバランスが悪くなったと推察される。
比較例4の酸性液状調味料は、旨味をあまり感じなかった。野菜汁、だし汁、及び香辛料のいずれも配合していないため、旨味が引き立たなかったと推察される。
比較例5の酸性液状調味料は、旨味をほとんど感じなかった。酸味料由来のカロリーが多く、酸味が強く感じられ、風味のバランスが悪くなったと推察される。
【0060】
【0061】