(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101151
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】圧力センサモジュール、圧力センサモジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01L 9/00 20060101AFI20240722BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240722BHJP
B81C 1/00 20060101ALI20240722BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
G01L9/00 303F
B81B3/00
B81C1/00
H01L29/84 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004931
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金丸 昌敏
(72)【発明者】
【氏名】青野 宇紀
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕
(72)【発明者】
【氏名】田上 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋一郎
【テーマコード(参考)】
2F055
3C081
4M112
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD05
2F055EE13
2F055FF11
2F055FF43
2F055GG01
2F055GG11
3C081AA01
3C081AA11
3C081AA17
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA77
3C081CA14
3C081CA20
3C081CA32
3C081CA42
3C081DA03
3C081EA03
4M112AA01
4M112BA01
4M112CA15
4M112DA03
4M112DA05
4M112DA09
4M112DA16
4M112DA18
4M112EA02
4M112EA13
4M112GA01
(57)【要約】
【課題】
分注装置のノズル近傍に配置することができ、吸引吐出の微小な圧力変化を計測可能な小型かつ高精度な圧力センサモジュールを提供する。
【解決手段】
内部に流路および前記流路から分岐された分岐路を有する流路基板と、ピエゾ抵抗素子を有し、前記分岐路の開口部を覆うように配置された半導体チップと、前記ピエゾ抵抗素子を覆うように前記半導体チップ上に接合され、前記半導体チップとの間でキャビティを形成するキャップと、を備え、前記キャップまたは前記キャップと前記半導体チップとの接合部に前記キャビティと外部とを連通する通気路が形成されており、法線方向において、前記分岐路の開口部の形状と、前記キャビティの形状とが、略相似形状であることを特徴とする。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路および前記流路から分岐された分岐路を有する流路基板と、
ピエゾ抵抗素子を有し、前記分岐路の開口部を覆うように配置された半導体チップと、
前記ピエゾ抵抗素子を覆うように前記半導体チップ上に接合され、前記半導体チップとの間でキャビティを形成するキャップと、を備え、
前記キャップまたは前記キャップと前記半導体チップとの接合部に前記キャビティと外部とを連通する通気路が形成されており、
法線方向において、前記分岐路の開口部の形状と、前記キャビティの形状とが、略相似形状であることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力センサモジュールであって、
前記圧力センサモジュールを平面視した際、前記分岐路の開口部の形状と、前記キャビティの形状とが、略相似形状であることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の圧力センサモジュールであって、
前記キャビティの形状は、前記圧力センサモジュールの長辺方向と短辺方向で長さが異なり、かつ、前記キャビティの中心点に対して対称の長さとなっていることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の圧力センサモジュールであって、
前記通気路は、前記キャップの前記キャビティ内の法線方向に形成されていることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載の圧力センサモジュールであって、
前記キャップと前記半導体チップは、樹脂材料を介して接合されており、
前記通気路は、前記樹脂材料に形成されていることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載の圧力センサモジュールであって、
前記半導体チップは、接着層を介して前記流路基板に接合されており、
前記流路基板の前記半導体チップとの接合面に、前記半導体チップと同じ材質の膜が形成されていることを特徴とする圧力センサモジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の圧力センサモジュールを製造する圧力センサモジュールの製造方法であって、
(a)複数のピエゾ抵抗素子が形成された第1の基板を準備する工程と、
(b)多層マスク法を用いて、ドライエッチング加工により深さが異なる複数の溝を第2の基板に形成する工程と、
(c)前記第1の基板の表面に樹脂材料を形成し、パターニングを行う工程と、
(d)前記第1の基板の位置合わせマークと前記第2の基板の位置合わせマークを用いて位置決めし、加熱および加圧して前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、
(e)前記(d)工程により一体となった前記第1の基板と前記第2の基板の互いの接合面とは反対側の面を研削して前記第1の基板と前記第2の基板を薄膜化する工程、および前記第1の基板にダイシング加工を行う工程を組み合わせて、一体となった前記第1の基板と前記第2の基板を個片化する工程と、
を有することを特徴とする圧力センサモジュールの製造方法。
ュール構造
【請求項8】
請求項7に記載の圧力センサモジュールの製造方法であって、
一体となった前記第1の基板と前記第2の基板の互いの接合面とは反対側の面を#5000より細かい砥石で研削し、一体となった前記第1の基板と前記第2の基板の厚さを300μm以下にすることを特徴とする圧力センサモジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサモジュールの構造とその製造方法に係り、特に、ピエゾ抵抗型半導体素子を用いた圧力センサモジュールに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な圧力センサは、シリコン材料またはセラミックス等の非導電性材料からなるダイヤフラムの上にピエゾ抵抗素子等を形成または接着することで構成されている。液体もしくは気体の外部圧力によりダイヤフラムが変形し、そのダイヤフラムの変化量をホイートストンブリッチ回路等で抵抗変化として電気的に計測し、圧力値に変換することで圧力を計測する。
【0003】
例えば、半導体基板にダイヤフラムを形成する製造方法では、半導体基板の検出素子が形成された面の反対側の面の一部をシリコンの異方性エッチング法もしくは研削加工法によって薄膜化し、ダイヤフラムを形成する。半導体基板の一部をエッチングや研削加工することで、一定の計測面積が形成できる。また、ピエゾ抵抗素子等が形成された半導体基板のセンシング部は、エッチングや研削加工によって任意の厚さとなるまで薄膜化され、圧力印加時にダイヤフラムを容易に変形させることができる。
【0004】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「歪受感素子が形成された基板を、エッチングまたは研磨加工によって薄膜化する半導体圧力センサの製造方法」が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、「機械的強度および対候性に優れた電子部品およびその製造方法」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-332746号公報
【特許文献2】特開2012-186761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、検体や試料となる液体を吸引吐出する分注装置では、ノズルでの吸引吐出の微小な圧力変化を把握し、分注異常及び分注量推定を高精度に検出するために、ノズルの近傍に配置することができる小型かつ高精度な圧力センサモジュールが求められている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2の技術には以下のような課題があり、分注装置に適用するためには改善の余地がある。
【0009】
上記特許文献1の半導体圧力センサの構造では、歪受感素子が形成されたシリコンウエハをエッチングまたは研磨加工する方法で薄肉化することで、圧力印加時に歪受感素子の感度を増加させることが可能である。
【0010】
しかし、キャップ用基板、歪受感素子が形成されたシリコンウエハ、台座用基板の3層積層構造となっているため、接合部は2箇所必要となり接合プロセスが増加するとともに構造が複雑である。
【0011】
また、キャップの内部にキャビティ空間が存在し、キャップのシリコンウエハと接合する面の一部に溝が形成され、ダイシングによってキャビティ空間と周辺部とが連通する構造となっているが、2箇所の接合では位置ずれ量も2倍となることが予想され、通気路の溝の位置でダイシングを行うには位置ずれを考慮してチップ寸法を大きくしなければならない懸念点がある。
【0012】
また、3層積層構造の厚みも記載されておらず、キャプ用基板に形成されている空隙及び通気路の形成方法はエッチングとだけ記載されており、具体的にどのようなプロセスで形成されているのか記述がない。
【0013】
さらに、歪受感素子が形成されたシリコンウエハからどのように電気的に信号を引き出すのかについても記載がなく、圧力を計測するための半導体圧力センサの取り付け方法に関する記載もない。
【0014】
特許文献2の構造では、キャップ基板の溝をダイシングのハーフカットで形成しているため、溝深さのばらつきが大きくなることが予測でき、ウエハと接合する場合には、樹脂材料の高さの途中で保持すること、すなわち、低荷重の場合には接合不良部が発生し、高荷重の場合には樹脂材料を突き抜けて、複数の電極パターンが形成されたウエハ表面まで到達すること考えられ、荷重制御は困難であると予測できる。
【0015】
また、接合の中空部の空間は高さが小さく、密閉されているため、基板の変形を伴う圧力変動において、中空部の圧力が増加して基板の変形を阻害するため、圧力センサには適用できないと予測できる。
【0016】
また、電気配線の形成方法は、凹凸が存在する表面に金属膜を形成し、フォトリソグラフィで配線形成を実施している。そのため、凹凸が激しい表面での配線形成では、角部での断線を防止するために金属膜を厚く形成する必要があり、生産性に課題があると予測できる。
【0017】
そこで、本発明の目的は、分注装置のノズル近傍に配置することができ、吸引吐出の微小な圧力変化を計測可能な小型かつ高精度な圧力センサモジュール及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明は、内部に流路および前記流路から分岐された分岐路を有する流路基板と、ピエゾ抵抗素子を有し、前記分岐路の開口部を覆うように配置された半導体チップと、前記ピエゾ抵抗素子を覆うように前記半導体チップ上に接合され、前記半導体チップとの間でキャビティを形成するキャップと、を備え、前記キャップまたは前記キャップと前記半導体チップとの接合部に前記キャビティと外部とを連通する通気路が形成されており、法線方向において、前記分岐路の開口部の形状と、前記キャビティの形状とが、略相似形状であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の特徴を有する圧力センサモジュールを製造する圧力センサモジュールの製造方法であって、(a)複数のピエゾ抵抗素子が形成された第1の基板を準備する工程と、(b)多層マスク法を用いて、ドライエッチング加工により深さが異なる複数の溝を第2の基板に形成する工程と、(c)前記第1の基板の表面に樹脂材料を形成し、パターニングを行う工程と、(d)前記第1の基板の位置合わせマークと前記第2の基板の位置合わせマークを用いて位置決めし、加熱および加圧して前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、(e)前記(d)工程により一体となった前記第1の基板と前記第2の基板の互いの接合面とは反対側の面を研削して前記第1の基板と前記第2の基板を薄膜化する工程、および前記第1の基板にダイシング加工を行う工程を組み合わせて、一体となった前記第1の基板と前記第2の基板を個片化する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、分注装置のノズル近傍に配置することができ、吸引吐出の微小な圧力変化を計測可能な小型かつ高精度な圧力センサモジュール及びその製造方法を実現することができる。
【0021】
これにより、分注装置の精度向上及び信頼性向上に寄与できる。
【0022】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】実施例1に係る圧力センサモジュールの構造を示す斜視図である。
【
図1B】実施例1に係る圧力センサモジュールの構造を示す断面図である。
【
図2A】実施例1に係る圧力センサの詳細構造を示す斜視図である。
【
図3】圧力印加時の圧力センサの様子を模式的に示す図である。
【
図5A】分岐路20と流路基板25とキャビティ空間37の位置関係を示す図である。
【
図5B】分岐路20と流路基板25とキャビティ空間37の位置関係を示す図である。
【
図5C】分岐路20と流路基板25とキャビティ空間37の位置関係を示す図である。
【
図6】実施例1に係る分注装置の基本構成を示す図である。
【
図7】液体吸引直後の分注アーム16内における配管8の内部状態を示す図である。
【
図8】キャップ24を形成するためのキャップ基板24aを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図9A】ウエハレベルパッケージングによる製造プロセスの一部を示す図である。
【
図9B】ウエハレベルパッケージングによる製造プロセスの一部を示す図である。
【
図10】ウエハレベルパッケージングにより圧力センサを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図11】実施例2に係るウエハレベルパッケージングにより圧力センサを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図12A】実施例3に係る圧力センサの詳細構造を示す斜視図である。
【
図13】キャップ24を形成するためのキャップ基板24bを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図14】ウエハレベルパッケージングにより圧力センサを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図15】実施例4に係るウエハレベルパッケージングにより圧力センサを製造するプロセスフローを示す図である。
【
図16】実施例1に係る圧力センサモジュールの実装例を示す斜視図である。
【
図17】実施例5に係る圧力センサモジュールの構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
【実施例0025】
図1Aから
図10、及び
図16を参照して、本発明の実施例1に係る圧力センサモジュールとその製造方法について説明する。
【0026】
先ず、
図1A及び
図1Bを用いて、本実施例の圧力センサモジュールの概略構成を説明する。
図1A及び
図1Bは、本実施例の圧力センサモジュール15Aの構造を示す図であり、それぞれ斜視図、断面図を示している。
【0027】
なお、圧力センサモジュール15Aの長辺方向をY方向、短辺方向をX方向、高さ方向をZ方向として示している。
【0028】
流路基板25には、内部に流路19が形成されており、流路入口19a及び流路出口19bには、図示しないネジ部が設けられている。流路19は、
図7を用いて後述する分注装置1の配管8と継手を介して接続可能となっている。また、流路19の内部には、流路基板25の外面(Z方向)に向かって分岐した分岐路20が設けられており、分岐路20の終端部を塞ぐように薄膜のピエゾ抵抗型半導体チップ3が配置されている。
【0029】
具体的には、ピエゾ抵抗型半導体チップ3は、流路基板25に接着層18を介して接合(接着)されている。流路基板25の材質には、耐食性が優れている観点からステンレス鋼を適用すると良い。その他に、耐食性の高い金属であればアルミニウム、チタン等の金属を適用しても良い。さらに、アクリル等の樹脂材料を適用しても良い。接着層18の材料には、銀ペースト、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤、熱拡散接合、熱硬化型接着剤、UV付加型接着剤、低融点ガラス等を適用できる。
【0030】
図2A及び
図2Bに、本実施例の圧力センサの詳細構造を示す。
図2Aは、本実施例の圧力センサの詳細構造を示す斜視図であり、
図2Bは、
図2AのA-A断面図である。
【0031】
なお、圧力センサの長辺方向をY方向、短辺方向をX方向、高さ方向をZ方向として示している。
【0032】
ピエゾ抵抗型半導体チップ3には、中央部にピエゾ抵抗素子17及びチップの外周部に複数の電極46が形成されており、上部にキャップ24が配置されている。キャップ24には、キャビティ空間43及び通気路36aが形成され、接合層45によってピエゾ抵抗型半導体チップ3と接合されている。接合層45の材料にパターニングが可能な感光性樹脂材料を適用することで、任意のパターンを形成できる。また、ピエゾ抵抗素子17と電気的に繋がっている電極46は、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の片側に配置されている場合と、周囲に配置されている場合がある。
【0033】
図3から
図5Cを用いて、分岐路20の平面形状及びキャビティ空間37の平面形状の位置関係について説明する。
【0034】
図3は、圧力印加時の圧力センサの様子を模式的に示す図であり、流路基板25の分岐路20から上の部分を示している。
【0035】
キャップ24には、内部にキャビティ空間37及びキャビティ空間37と外部が繋がるように通気路36aが形成されている。分岐路20に、例えば水圧44が印加された場合、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の中央部は、点線で示すように上方(Z方向)にたわみ変形する(変形領域51)。通気路36aは、キャップ24のキャビティ空間37内の法線方向に形成されている。
【0036】
具体的には、ピエゾ抵抗型半導体チップ3は、流路基板25に周囲を接着層18で固定されているため、固定されていない中央部分だけが変位する。キャップ24に形成されたキャビティ空間37は、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の変形を阻害させないための空間であり、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の変位量に比較して、Z方向に大きな溝として形成されている。また、キャビティ空間37の圧縮による内部圧力増加の影響を抑制するために、外部と連通する通気路36aが形成されている。このたわみ変形によって、ピエゾ抵抗素子17は歪みを感知し、抵抗値変化に変換して圧力を測定する。
【0037】
【0038】
上述したように、分岐路20に水圧44が印加されると、ピエゾ抵抗型半導体チップ3がたわみ変形する。このため、
図4Aに示すように、分岐路20の平面形状は、楕円形状が良い。
【0039】
また、
図4Bに示すように、分岐路20の平面形状は、長方形状でも適用することができる。この長方形状では、ピエゾ抵抗型半導体チップ3がたわみ変形する際に長方形の4か所の角部に応力が集中し易くなることが懸念されるため、分岐路20の平面形状は、角部がない曲線で形成されることが良い。例えば、長方形の角部にR部を設けることが有効である。
【0040】
一方、本発明では、X方向とY方向の変位差から圧力値を換算しているため、完全な円形及び正方形は適用することは困難である。
【0041】
さらに、ピエゾ抵抗型半導体チップ3と流路基板25との接合時には、高精度に位置を合わせることが良い。ピエゾ抵抗型半導体チップ3のピエゾ抵抗素子17が、分岐路20の中央部に配置されることが好ましく、左右の長さY1及び上下の長さX1はそれぞれ同じ長さであると良い。
【0042】
また、ピエゾ抵抗素子17は、圧力変化でピエゾ抵抗型半導体素子3がたわみ変形し、X方向とY方向の歪み差によって抵抗値変化を測定するため、
図4Aに示すように、Y1+Y1>X1+X1のようにY方向の長さに対して、X方向の長さが短いほうが良い。長方形の平面形状の場合でも、
図4Bに示すように、Y2+Y2>X2+X2のようにY方向の長さに対して、X方向の長さが短いほうが良い。
【0043】
次に、
図5Aから
図5Cを用いて、分岐路20と流路基板25とキャビティ空間37の位置関係について説明する。
【0044】
なお、
図5Aから
図5Cに示す平面方向の分岐路20aの大きさ、及び流路基板25の端から各キャビティ空間37a,37b,37cまでの距離X3(接合幅)は、いずれも同寸法である。
【0045】
図5Aは分岐路20aの形状に対してキャビティ空間37aが大きい場合、
図5Bは分岐路20aの形状に対してキャビティ空間37bが略同形状の場合、
図5Cは分岐路20aの形状に対してキャビティ空間37cが小さい場合を示している。
【0046】
図5Aの構造ではキャビティ空間37aが大きく形成でき、ピエゾ抵抗型半導体チップ3のたわみ変形を阻害しないが、流路基板25の全体寸法は大きくなり、小型化は困難となる。一方、
図5Cの構造では流路基板25の全体寸法は小さくなり、小型化に有効であるが、ピエゾ抵抗型半導体チップ3のたわみ変形を阻害するため、圧力センサとしての機能が低下する。そこで、本発明では、
図5Bの構造のように、分岐路20aの形状に対してキャビティ空間37bの形状を略同形状とすることで、流路基板25の全体寸法を小型型でき、かつ、ピエゾ抵抗型半導体チップ3のたわみ変形を阻害しない構造とする。
【0047】
言い換えると、キャビティ空間37bの法線方向において、或いは、圧力センサモジュール15Aを平面視した際に、分岐路20aの開口部の形状とキャビティ空間37bの形状とが略相似形状となるように構成することで、小型かつ高精度な圧力センサモジュールを実現できる。
【0048】
図6は、本発明の圧力センサモジュール15Aを搭載した分注装置1の基本構成を示す図である。
【0049】
本実施例の分注装置1の流路系は、ノズル2と、シリンジポンプ4と、電磁弁5と、ギアポンプ6と、システム水を貯蔵するタンク7から構成され、各部品は配管8で接続されている。また、シリンジポンプ4は、容器9と、プランジャ10と、ボールねじ11と、駆動モータ12で構成される。駆動モータ12は、サンプル分注機構13等を駆動するモータと同様に制御基板14により制御される。分注アーム16内に、本発明の圧力センサモジュール15Aを備える。分注アーム16は、検体や試料となる液体を吸引・吐出する位置に移動するため、回転と上下動作が可能である。
【0050】
図7は、液体吸引直後の分注アーム16内における配管8の内部状態を示す図である。
【0051】
配管8内はシリンジ圧力伝達用の水であるシステム水21で満たされており、シリンジポンプ4による圧力を伝達することにより、ノズル2から液体22を吸引・吐出することができる。システム水21は、タンク7から供給される。
【0052】
ノズル2から液体22を吸引するときは、電磁弁5を閉にした状態で、シリンジポンプ4内のプランジャ10を引く。反対に、ノズル2から液体22を吐出するときは、電磁弁5を閉にした状態で、シリンジポンプ4内のプランジャ10を容器9に押し込む。
【0053】
検体や試料となる液体22を吸引する場合は、液体22が配管8内のシステム水21と混ざらないように、ノズル2で分節するための分節空気23を吸引した後で、液体22の吸引を行う。また、液体22の吐出後には、ノズル2の洗浄を行う。ノズル2の洗浄では、ノズル2の外壁に洗浄用の水を当てると同時に、配管8内のシステム水21を押し出す。洗浄時のノズル2内のシステム水21の押し出しには、電磁弁5を開にしてギアポンプ6の圧力を利用することで、シリンジポンプ4で押し出すときよりも高圧でシステム水21が送り出される。
【0054】
分注動作中に生じる可能性のあるノズル2の詰まりや空吸い等の異常を検知するため、分注アーム16内の配管8の一部に圧力センサモジュール15Aを備えている。圧力センサモジュール15Aは、システム水21の圧力をモニタリングし、ノズル2の詰まりや空吸い等の異常が生じたときに発生する圧力変化を検知する。
【0055】
図7に示すように、本実施例では、ノズル2内の圧力変化を敏感に捉えるため、なるべくノズル2に近い位置である分注アーム16内に圧力センサモジュール15Aを設置しているが、圧力センサモジュール15Aの設置位置は分注アーム16内に限定されない。例えばサンプル分注機構13の側面に設置しても良い。
【0056】
次に、
図8から
図10を用いて、通気路の形成を含めたウエハレベルパッケージングによる圧力センサの製造方法について説明する。
【0057】
図8は、キャップ24を形成するためのキャップ基板24aを製造するプロセスフローを示す図である。
図8には、(a)工程から(i)工程までの各工程における断面図を示している。
【0058】
先ず、(a)工程に示すように、シリコンウエハ30aを準備する。
【0059】
次に、(b)工程において、シリコンウエハ30aの表面及び裏面に熱酸化膜31を形成する。熱酸化膜31は、大量のシリコンウエハを高温で湿式の酸素ガスを供給することで成膜できるため生産性に優れているが、これ以外にも、例えばスパッタ装置を適用して酸化膜を形成しても良い。なお、熱酸化膜31を形成する前に、シリコンウエハ30aの裏面側に位置合わせマークをフォトリソグラフィ及びドライエッチングによって形成しても良い。
【0060】
次に、(c)工程において、シリコンウエハ30aの表面に、フォトリソグラフィによるレジストパターン形成(レジスト塗布、露光、現像)、熱酸化膜31のエッチング、レジスト除去の各処理を行い、熱酸化膜31に開口部32を形成する。
【0061】
次に、(d)工程において、フォトリソグラフィによって、開口部32を埋め込むとともに、熱酸化膜31と部分的に重複するようにレジストパターン33を形成する。
【0062】
その後、(e)工程において、レジストパターン33をマスクとして、熱酸化膜31をエッチングでパターニングする。これで、多層のマスクが完成する。
【0063】
次に、(f)工程において、シリコンのドライエッチング加工を適用して、第1のエッチング溝34a及び34bを形成する。シリコンのドライエッチング加工を適用することによって、平面的な形状は直線形状だけでなく曲線形状の溝を形成することが可能となる。
【0064】
なお、エッチング溝34a及び34bは同じ深さ、例えば、270μm程度に加工する。エッチング溝34bは、通気路36aを形成するためのエッチング溝である。
【0065】
次に、(g)工程において、レジストパターン33を除去する。レジストパターン33を除去することで、新たなシリコン表面が露出する。
【0066】
次に、(h)工程において、熱酸化膜31をマスク材として、シリコンのドライエッチング加工を行う。これによって、シリコンウエハ30aに、第2のエッチング溝35a及び35b、エッチング溝35a及び35bと深さが異なるエッチング溝35cが形成され、深さが異なる多段の溝が形成できる。
【0067】
最後に、(i)工程において、熱酸化膜31を除去することによって、異なる段差(エッチング溝35a,35b,35c)を有するキャップ基板24aが完成する。なお、キャップ基板24aは、6インチまたは8インチサイズのシリコンウエハ30aで形成できる。
【0068】
図9A及び
図9Bに、ウエハレベルパッケージングによる製造プロセスの一部を示す。
【0069】
ウエハレベルパッケージングによる製造方法では、
図9Aに示すように、キャップ基板24aの多段の段差35がある面を下側に配置して、もう一方のピエゾ抵抗型半導体ウエハ40のピエゾ抵抗型半導体チップ3が形成された面を上側に配置し、位置合わせマーク47a及び47bで高精度に位置決めをした後、
図9Bに示すように、積層する。
【0070】
なお、キャップ基板24aの位置合わせマーク47aは、多段の段差35がある面と同じ面に形成しても良く、反対側の面に形成しても良い。
【0071】
図10を用いて、圧力センサの詳細な製造方法について説明する。
図10は、ウエハレベルパッケージングにより圧力センサを製造するプロセスフローを示す図である。
図10には、(a)工程から(g)工程までの各工程における断面図を示している。
【0072】
先ず、(a)工程に示すように、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40を準備する。なお、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40には、複数のピエゾ抵抗素子17及び複数の電極46が形成されている。
【0073】
次に、(b)工程において、ピエゾ抵抗素子17及び電極46が形成されている面上に接合層45となる樹脂材料を形成する。樹脂材料45には感光性の樹脂材料を用いるのが好ましく、例えば、感光性フィルムレジストを適用できる。また、感光性の樹脂材料であれば、スピンコートによって、樹脂を平坦化してパターニングすることもできる。
【0074】
次に、(c)工程において、フォトリソグラフィによって、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40上に任意の樹脂材料パターン45aを形成する。樹脂材料には導電性が無いことから、キャップ基板24aと、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40との絶縁が可能となる。
【0075】
その後、(d)工程において、
図9A及び
図9Bに示す方法で、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の上にキャップ基板24aを高精度に位置合わせして積層する。なお、キャップ基板24aの段差35(エッチング溝35a,35b,35c)は、
図8のエッチング溝35a,35b,35cに対応している。
【0076】
接合時に圧力及び温度を付加することで、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40とキャップ基板24aは、樹脂材料パターン45aを接合層として密着する。なお、接合条件は、印加する圧力を1MPa、温度を300℃で実施した。このとき、樹脂材料は圧力と温度の付加によって収縮する。そのため、接合後の接合層の厚さは50μm以下、特に20μm程度になるように、収縮分を考慮した厚さで接合前の樹脂材料を形成しておく。
【0077】
次に、(e)工程において、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側にバックグラインドテープ41を貼り付け、キャップ基板24aの上面側を研削加工する。研削加工では、はじめに#2000の砥石を適用して粗削りを実施した後、途中から#5000以上の目の細かい砥石を適用して研削する。これによって、キャップ基板24aを複数個のキャップ24bに分離することができる。さらに、分離された個々のキャップ24bに通気路36を同時に形成できる。キャップ24b内に形成されたキャビティ空間43と外部は通気路36を通じて繋がる。
【0078】
なお、キャップ基板24aの薄膜化加工方法には、研削加工及び化学機械研磨加工(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を適用しても薄膜化できる。この方法では、厚さのばらつきが発生しにくく、均一な厚さのピエゾ抵抗型半導体素子をウエハレベルで研削加工できるため、生産性に優れている。粗い砥石、例えば、#2000の砥石を適用して最後まで研削すると、角部にチッピング等が発生するため、研削後のキャップ24b表面は#5000以上の目の細かい砥石で仕上げる必要がある。なお、キャップ24bの厚さは、200μm程度に加工した。
【0079】
次に、(f)工程において、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側をダイシングテープ42で固定した後、ダイシング加工によって、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40に途中までのダイシング溝39a(ハーフダイシング溝)を形成する。これによって、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40には縦横にダイシング溝39aが形成される。
【0080】
最後に、(g)工程において、キャップ24bの上面側にバックグラインドテープ41を貼り付け、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側の研削加工を行う。研削加工方法は、上述した方法と同様である。これにより、ウエハ状態からキャップ24b付きのピエゾ抵抗型半導体チップ3に分離できる。この後、ピエゾ抵抗型半導体チップ3をピックアップすることで、キャップ付きピエゾ抵抗型半導体チップの圧力センサが完成する。
【0081】
なお、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の厚さは、例えば、80μm以下が好ましく、50μm程度が特に良い。シリコンの厚さが薄くなると、微小な圧力変動に対して変形域を拡大することが可能となり、検出精度を向上させることができる。
【0082】
電極46はキャップ24bの外に形成され、外気と繋がる通気路36も個々のピエゾ抵抗型半導体チップ3に形成される。また、キャップ24bのキャビティ空間43に形成された通気路36の位置は、キャビティ空間43の任意の位置に設置が可能であり、各キャップ24bに少なくとも1個以上を形成できる。
【0083】
通気路36の孔径も任意に設定できるが、100μm以下が好ましく、20μm以下が良い。孔径が小さいほど、ごみ等の異物の侵入を防止できる効果がある。また、ドライエッチング加工で形成するため、通気路36の形状も任意に設定できる。
【0084】
なお、ピエゾ抵抗型半導体チップ3を薄膜化加工によって薄くした場合、ピエゾ抵抗素子の構造またはシリコン材料の電気伝導度によって、電気的にリークする場合が想定されるが、本発明では、薄膜化したピエゾ抵抗型半導体チップ3の表面に、薄膜の絶縁物を形成することで対応できる。
【0085】
このように、ウエハレベルパッケージングによる製造方法を適用することによって、圧力センサ全体の厚さを300μm程度に加工でき、キャップを搭載した薄膜のピエゾ抵抗型半導体チップを生産性良く製造することができる。キャップの厚さを変更することで、さらに薄膜化が可能である。なお、チップサイズは2.5mm角程度で実現できた。
【0086】
次に、
図16を用いて、本発明の圧力センサモジュールの実装例を説明する。
図16は、圧力センサモジュール15Bの実装例を示す斜視図である。
図16には、圧力センサモジュール15Bに搭載したピエゾ抵抗型半導体チップ3への電気的配線例を示している。
【0087】
なお、圧力センサモジュール15Bの長辺方向をY方向、短辺方向をX方向、高さ方向をZ方向として示している。
【0088】
流路基板25には、内部に流路19(図示せず)が形成されており、流路入口19a及び流路出口19b(図示せず)には、図示しないネジ部が設けられ、流路19は、
図6及び
図7に示す分注装置1の配管8と継手を介して接続可能となっている。また、流路19の内部には、流路基板25の外面(Z方向)に向かって分岐した分岐路20(図示せず)が設けられており、分岐路20の終端部を塞ぐように薄膜のピエゾ抵抗型半導体チップ3が配置されている。ピエゾ抵抗型半導体チップ3は、流路基板25に接着層18を介して接合(接着)されている。
【0089】
ピエゾ抵抗型半導体チップ3には電極パッド46aが複数配置されており、架台50に支えられた電気配線用のフレキシブル基板48に形成された電極パッド46bとワイヤ49で接続されている。
【0090】
なお、ワイヤ49には金ワイヤやアルミニウムワイヤを適用することができる。この他に、異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)等を適用して接続しても良い。なお、電気配線用のフレキシブル基板48はプリント基板(PCB:Printed Wiring Board)を適用しても良い。
【0091】
流路基板25内の流路19(図示せず)にシステム水が流れると分岐路20(図示せず)に流入し、ピエゾ抵抗型半導体チップ3に圧力が印加される。圧力が印加されるとピエゾ抵抗型半導体チップ3が変形し、それを電気信号として検知して、フレキシブル基板48に伝達することで、圧力を計測できる。
【0092】
このように、薄膜のピエゾ抵抗型半導体チップ3を分岐路20の終端部に直接設置する構造を適用することで、流路19から分岐路終端部までの距離が短いことから、流路19を流れるシステム水の圧力変化を精度よく検知することができ、なおかつ、圧力を検知する速度が速くなる利点がある。
【0093】
なお、歪み測定方式としては、ピエゾ抵抗素子以外に、歪みゲージや圧電素子等を適用しても良い。
(e)工程において、キャップ基板24aの上面側にバックグラインドテープ41を貼り付け、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側の研削加工を行う。これにより、ピエゾ抵抗型半導体チップ3の厚さを薄く加工できる。
ピエゾ抵抗型半導体チップ3の厚さは、例えば、80μm以下が好ましく、50μm程度が特に良い。シリコンの厚さが薄くなると、微小な圧力変動に対して変形域を拡大することが可能となり、検出精度を向上させることができる。
なお、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の薄膜化加工方法には、研削加工及び化学機械研磨加工(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を適用しても薄膜化できる。この方法では、厚さのばらつきが発生しにくく、均一な厚さのピエゾ抵抗型半導体素子をウエハレベルで研削加工できるため、生産性に優れている。
なお、ピエゾ抵抗型半導体チップ3を薄膜化加工によって薄くした場合、ピエゾ抵抗素子の構造またはシリコン材料の電気伝導度によって、電気的にリークする場合が想定されるが、本発明では、薄膜化したピエゾ抵抗型半導体チップ3の表面に、薄膜の絶縁物を形成することで対応できる。
次に、(f)工程において、薄膜化したピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側にバックグラインドテープ41を貼り付け、キャップ基板24aの上面側を研削加工する。なお、研削加工方法は、上述した方法と同様であり、キャップ24bの厚さは200μm程度に加工した。これによって、キャップ基板24aを複数個のキャップ24bに分離することができる。さらに、分離された個々のキャップ24bに通気路36を同時に形成できる。キャップ24b内に形成されたキャビティ空間43と外部は通気路36を通じて繋がる。
最後に、(g)工程において、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40の下面側をダイシングテープ42で固定した後、ダイシング加工によって、ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40にダイシング溝39b(フルカットダイシング溝)を形成する。ピエゾ抵抗型半導体ウエハ40には縦横にダイシング溝39bが形成される。これにより、ウエハ状態からキャップ24b付きのピエゾ抵抗型半導体チップ3に分離できる。この後、ピエゾ抵抗型半導体チップ3をピックアップすることで、キャップ付きピエゾ抵抗型半導体チップの圧力センサが完成する。
電極46はキャップ24bの外に形成され、外気と繋がる通気路36も個々のピエゾ抵抗型半導体チップ3に形成される。また、キャップ24bのキャビティ空間43に形成された通気路36の位置は、キャビティ空間43の任意の位置に設置が可能であり、各キャップ24bに少なくとも1個以上を形成できる。
通気路36の孔径も任意に設定できるが、100μm以下が好ましく、20μm以下が良い。孔径が小さいほど、ごみ等の異物の侵入を防止できる効果がある。また、ドライエッチング加工で形成するため、通気路36の形状も任意に設定できる。