(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101158
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240722BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
H01L21/304 651Z
H01L21/304 651A
H01L21/304 648A
H01L21/304 643A
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004940
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】梅▲崎▼ 翔太
(72)【発明者】
【氏名】林田 貴大
(72)【発明者】
【氏名】中島 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】安永 尚史
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA14
5F131BA37
5F131BB02
5F131BB03
5F131CA06
5F131DA22
5F131DB02
5F157AA09
5F157AB02
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AC04
5F157AC56
5F157BB23
5F157CB14
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157DA21
5F157DB37
(57)【要約】
【課題】基板間の処理のばらつきを低減できる技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様による基板処理装置は、基板の上面に液膜を形成する複数の液膜形成ユニットと、前記液膜を超臨界流体に置換して前記基板を乾燥する乾燥ユニットとを含む単位ブロックと、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間に設けられる搬送ブロックと、を備え、前記搬送ブロックは、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送装置を有し、複数の前記液膜形成ユニットの各々と前記乾燥ユニットとの間で前記基板の搬送経路の長さが等しい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上面に液膜を形成する複数の液膜形成ユニットと、前記液膜を超臨界流体に置換して前記基板を乾燥する乾燥ユニットとを含む単位ブロックと、
複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間に設けられる搬送ブロックと、
を備え、
前記搬送ブロックは、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送装置を有し、
複数の前記液膜形成ユニットの各々と前記乾燥ユニットとの間で前記基板の搬送経路の長さが等しい、
基板処理装置。
【請求項2】
基板の上面に液膜を形成する複数の液膜形成ユニットと、前記液膜を超臨界流体に置換して前記基板を乾燥する乾燥ユニットとを含む単位ブロックと、
複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間に設けられる搬送ブロックと、
を備え、
前記搬送ブロックは、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送装置を有し、
前記搬送装置は、複数の前記液膜形成ユニットの各々と前記乾燥ユニットとの間での前記基板の搬送時間が等しくなるように前記基板を搬送する、
基板処理装置。
【請求項3】
複数の前記液膜形成ユニットは、第1液膜形成ユニットと第2液膜形成ユニットとを有し、
平面視にて、前記第1液膜形成ユニットと前記第2液膜形成ユニットとが、前記乾燥ユニットの中心を通る仮想線を中心に線対称に設けられる、
請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記単位ブロックは、矩形の前記搬送ブロックの長手方向に沿って複数設けられる、
請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
複数の前記単位ブロックは、第1乾燥ユニットを含む第1単位ブロックと、第2乾燥ユニットを含む第2単位ブロックとを有し、
平面視にて、前記第1乾燥ユニットと前記第2乾燥ユニットは前記搬送ブロックの片側に設けられ、前記第1乾燥ユニットと前記第2乾燥ユニットとの間に、前記第1乾燥ユニット及び前記第2乾燥ユニットのメンテナンスを行うためのメンテナンス領域が設けられる、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記メンテナンス領域に設けられ、前記メンテナンスの際に用いられる作業台をさらに備える、
請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
複数の前記単位ブロックは、第1乾燥ユニットを含む第1単位ブロックと、第2乾燥ユニットを含む第2単位ブロックとを有し、
平面視にて、前記第1乾燥ユニットと前記第2乾燥ユニットは前記搬送ブロックの片側に設けられ、前記第1乾燥ユニットと前記第2乾燥ユニットとの間に、中間領域が設けられ、
前記中間領域に設けられ、前記第1乾燥ユニット及び前記第2乾燥ユニットを制御する機器を含む電装ブロックをさらに備える、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1乾燥ユニット及び前記第2乾燥ユニットは、前記搬送ブロックから離隔する方向に移動可能である、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1乾燥ユニット及び前記第2乾燥ユニットは、水平回転可能である、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記電装ブロックは、前記搬送ブロックから離隔する方向に移動可能である、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第1単位ブロック及び前記第2単位ブロックは、それぞれ複数設けられ、
複数の前記第1単位ブロック及び複数の前記第2単位ブロックは、それぞれ鉛直方向に段積みされる、
請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記搬送ブロックは、複数設けられ、
複数の前記搬送ブロックは、鉛直方向に段積みされる、
請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記電装ブロックは、鉛直方向に段積みされた複数の電装ボックスを有し、
複数の前記電装ボックスの各々は、互いに独立して移動可能である、
請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
基板の上面に液膜を形成する複数の液膜形成ユニットと、前記液膜を超臨界流体に置換して前記基板を乾燥する乾燥ユニットとを含む単位ブロックと、
複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間に設けられる搬送ブロックと、
を備える基板処理装置を用いた、基板処理方法であって、
前記搬送ブロックは、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送装置を有し、
複数の前記液膜形成ユニットの各々と前記乾燥ユニットとの間で前記基板の搬送経路の長さが等しく、
当該基板処理方法は、
前記液膜形成ユニットが、前記基板の上面に前記液膜を形成することと、
前記搬送装置が、前記液膜が形成された前記基板を、前記液膜形成ユニットから前記乾燥ユニットに搬送することと、
前記乾燥ユニットが、前記液膜を超臨界流体に置換し、前記基板を乾燥することと、
を有する、
基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超臨界流体を利用して基板を乾燥させる技術が知られている。特許文献1には、液膜形成ユニットと乾燥ユニットとの組を複数組有する装置が開示されている。乾燥ユニットは、液膜形成ユニットにおいて基板の上面に形成された液膜を超臨界流体に置換し、基板を乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板間の処理のばらつきを低減できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板処理装置は、基板の上面に液膜を形成する複数の液膜形成ユニットと、前記液膜を超臨界流体に置換して前記基板を乾燥する乾燥ユニットとを含む単位ブロックと、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間に設けられる搬送ブロックと、を備え、前記搬送ブロックは、複数の前記液膜形成ユニットと前記乾燥ユニットとの間で前記基板を搬送する搬送装置を有し、複数の前記液膜形成ユニットの各々と前記乾燥ユニットとの間で前記基板の搬送経路の長さが等しい。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板間の処理のばらつきを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る基板処理装置の正面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る基板処理装置の側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る基板処理方法を示すタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
【
図24】
図24は、下段メンテナンス時の中間領域を示す図である。
【
図25】
図25は、中上段メンテナンス時の中間領域を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態の第1変形例に係る基板処理装置の平面図である。
【
図27】
図27は、実施形態の第2変形例に係る基板処理装置の平面図である。
【
図28】
図28は、実施形態の第3変形例に係る基板処理装置の平面図である。
【
図29】
図29は、実施形態の第4変形例に係る基板処理装置の平面図である。
【
図32】
図32は、下段メンテナンス時の電装ボックスの動作を示す側面図である。
【
図33】
図33は、中段メンテナンス時の電装ボックスの動作を示す側面図である。
【
図34】
図34は、上段メンテナンス時の電装ボックスの動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。本明細書において、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。
【0009】
〔基板処理装置〕
図1から
図3を参照し、実施形態に係る基板処理装置1について説明する。
図1は、実施形態に係る基板処理装置1の平面図である。
図2は、実施形態に係る基板処理装置1の正面図である。
図3は、実施形態に係る基板処理装置1の側面図である。
【0010】
基板処理装置1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは、X軸方向に隣接して設けられる。
【0011】
搬入出ステーション2は、載置台21と、搬送部22と、受渡部23とを備える。載置台21は、複数のキャリアCが載置されるものである。複数のキャリアCは、それぞれ、水平な基板Wを鉛直方向に間隔をおいて複数枚収容する。
【0012】
基板Wは、シリコンウエハ若しくは化合物半導体ウエハ等の半導体基板、又はガラス基板を含む。基板Wは、半導体基板又はガラス基板の表面に形成される電子回路などのデバイスを更に含んでもよい。基板Wは、その表面に凹凸パターンを有してもよい。
【0013】
搬送部22は、載置台21に隣接して設けられる。搬送部22の内部には、第1搬送装置22aが配置される。第1搬送装置22aは、搬送部22の内部にて基板Wを搬送し、搬送部22の隣に配置される複数の装置間で基板Wを搬送する。
【0014】
第1搬送装置22aは、基板Wを保持する第1搬送アームを含む。第1搬送アームは、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向への移動、並びに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。第1搬送アームの数は、1つでもよいし、複数でもよい。
【0015】
受渡部23は、搬送部22に隣接して設けられる。受渡部23は、基板Wを一時的に収容するトランジション装置23aを有する。
図2に示されるように複数のトランジション装置23aが鉛直方向に段積みされてもよい。但し、トランジション装置23aの配置及び数は、特に限定されない。
【0016】
処理ステーション3は、搬送ブロック31と、複数の処理ブロック32と、電装ブロック33とを備える。
【0017】
搬送ブロック31は、受渡部23に隣接して設けられる。搬送ブロック31は、直方体状である。搬送ブロック31の内部には、第2搬送装置31aが配置される。
【0018】
第2搬送装置31aは、搬送ブロック31の隣に配置される複数の装置間で基板Wを搬送する。第2搬送装置31aは、基板Wを保持する第2搬送アームを含む。第2搬送アームは、水平方向(X軸方向及びY軸方向の両方向)及び鉛直方向への移動、並びに鉛直軸を中心とする旋回が可能である。第2搬送アームの数は、1つでもよいし、複数でもよい。
【0019】
複数の処理ブロック32は、
図1に示されるように、搬送ブロック31のY軸方向両側に設けられる。各処理ブロック32は、搬送ブロック31に隣接して設けられる。複数の処理ブロック32は、
図2に示されるように、鉛直方向に段積みされる。この場合、処理ブロック32の設置面積を低減できる。ただし、処理ブロック32の配置及び数は特に限定されない。複数の処理ブロック32が鉛直方向に段積みされる場合、
図3に示されるように複数の搬送ブロック31が鉛直方向に段積みされてもよい。搬送ブロック31の段数と、処理ブロック32の段数とは、同一である。複数の基板Wを異なる高さで同時に搬送でき、単位時間当たりの基板Wの処理枚数を増加できる。ただし、搬送ブロック31の配置及び数は特に限定されない。
【0020】
複数の処理ブロック32は、液膜形成ユニット32aと、乾燥ユニット32bと、供給ユニット32c、32dと、検査ユニット32eと、中間領域32mとを含む。
【0021】
液膜形成ユニット32aは、平面視にて、Y軸方向負側に位置する処理ブロック32に4つ設けられる。4つの液膜形成ユニット32aは、X軸方向に沿って設けられる。4つの液膜形成ユニット32aは、互いに隣接して配置される。各液膜形成ユニット32aは、矩形の搬送ブロック31の長辺に接する。X軸方向負側に位置する2つの液膜形成ユニット32aと、X軸方向正側に位置する2つの液膜形成ユニット32aとは、仮想線L1を中心に線対称に設けられる。
【0022】
液膜形成ユニット32aは、例えば、基板Wを水平に保持するスピンチャックと、基板Wの上面に液体を吐出するノズルとを含む。ノズルは、回転する基板Wの上面の中心に液体を供給する。液体は、遠心力によって基板Wの上面の中心から周縁に向けて濡れ広がる。液体として、例えば薬液と、リンス液と、乾燥液とが、この順番で供給される。複数種類の薬液が供給されてもよく、一の薬液の供給と別の薬液の供給との間にもリンス液が供給されてもよい。
【0023】
液膜形成ユニット32aは、例えば、水平な基板Wの上面に薬液の液膜を形成し、続いて薬液の液膜をリンス液の液膜に置換し、次いでリンス液の液膜を乾燥液の液膜に置換する。薬液は、例えばSC1(アンモニアと過酸化水素の水溶液)、又はDHF(希フッ酸)等である。リンス液は、例えばDIW(脱イオン水)等である。乾燥液は、例えばIPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤である。
【0024】
乾燥ユニット32bは、平面視にて、Y軸方向正側に位置する処理ブロック32に2つ設けられる。2つの乾燥ユニット32bは、X軸方向に沿って設けられる。各乾燥ユニット32bは、矩形の搬送ブロック31の長辺に接する。2つの乾燥ユニット32bは、仮想線L1を中心に線対称に設けられる。2つの乾燥ユニット32bは、中間領域32mを挟んで設けられる。
【0025】
乾燥ユニット32bは、水平な基板Wの上面に形成された液膜を超臨界流体に置換し、基板Wを乾燥する。超臨界流体は、臨界温度以上の温度と、臨界圧力以上の圧力下におかれた流体であり、液体と気体の区別がつかない状態の流体である。乾燥液等の液膜を超臨界流体に置換することにより、表面張力による基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制できる。
【0026】
供給ユニット32cは、搬送ブロック31のY軸方向負側に設けられる。供給ユニット32cは、4つの液膜形成ユニット32aのX軸方向両側に設けられる。X軸方向負側に位置する供給ユニット32cは、例えばX軸方向負側に位置する2つの液膜形成ユニット32aに流体を供給する。X軸方向正側に位置する供給ユニット32cは、例えばX軸方向正側に位置する2つの液膜形成ユニット32aに流体を供給する。各供給ユニット32cは、搬送ブロック31に隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。供給ユニット32cには、基板Wが搬入出されないからである。
【0027】
供給ユニット32cは、流量計、流量制御器、背圧弁、ヒータなどを含む供給機器群と、供給機器群を収容する筐体とを備える。供給ユニット32cは、流体として例えば薬液、リンス液、乾燥液を、液膜形成ユニット32aに供給する。
【0028】
供給ユニット32dは、搬送ブロック31のY軸方向正側に設けられる。供給ユニット32dは、2つの乾燥ユニット32bのX軸方向両側に設けられる。各供給ユニット32dは、隣り合う乾燥ユニット32bに流体を供給する。各供給ユニット32dは、搬送ブロック31に隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。供給ユニット32dには、基板Wが搬入出されないからである。
【0029】
供給ユニット32dは、流量計、流量調整器、背圧弁、ヒータなどを含む供給機器群と、供給機器群を収容する筐体とを備える。供給ユニット32dは、流体として例えばCO2を、乾燥ユニット32bに供給する。
【0030】
検査ユニット32eは、乾燥ユニット32bの上に配置される。検査ユニット32eは、乾燥ユニット32bの下に配置されもよい。検査ユニット32eと乾燥ユニット32bとは、鉛直方向に段積みされる。この場合、処理ブロック32の接地面積を低減できる。
【0031】
検査ユニット32eは、液膜による基板Wの被覆状態を検査する。検査ユニット32eは、例えば重量計を含み、基板Wの重量を測定することで、基板Wの凹凸パターンが液膜によって被覆されていることを確認する。検査ユニット32eは、膜厚計を含んでもよい。
【0032】
中間領域32mは、2つの乾燥ユニット32bの間に設けられる。中間領域32mは、仮想線L1上に位置する。中間領域32mは、作業者が2つの乾燥ユニット32bをメンテナンスするためのメンテナンス領域である。
【0033】
電装ブロック33は、段積みされた処理ブロック32の上に設けられる。電装ブロック33は、
図3に示されるように、Y軸方向正側に設けられてよい。電装ブロック33は、
図2に示されるように、X軸方向に沿って設けられてよい。電装ブロック33は、乾燥ユニット32bの動作を制御する電子制御機器群と、電子制御機器群を収容する筐体とを備える。
【0034】
処理ステーション3は、第1単位ブロックB1と、第2単位ブロックB2とを有する。第1単位ブロックB1と第2単位ブロックB2とは、X軸方向に沿って隣接して設けられる。第1単位ブロックB1と第2単位ブロックB2とは、仮想線L1を中心に線対称に設けられる。第1単位ブロックB1及び第2単位ブロックB2は、段積みされてよい。処理ステーション3は、第1単位ブロックB1を有し、第2単位ブロックB2を有していなくてもよい。処理ステーション3は、X軸方向に沿って3つ以上の単位ブロックを有してもよい。
【0035】
第1単位ブロックB1は、平面視にて、仮想線L1よりもX軸方向負側に位置する2つの液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとを含む。1つの乾燥ユニット32bと複数の液膜形成ユニット32aとを組み合わせるのは、液膜形成ユニット32aで基板Wを処理する時間が乾燥ユニット32bで基板Wを処理する時間よりも長いからである(
図4参照)。2つの液膜形成ユニット32aは、仮想線L2を中心に線対称に設けられる。乾燥ユニット32bは、仮想線L2上に中心を有する。この場合、2つの液膜形成ユニット32aの各々と乾燥ユニット32bとの間で、基板Wの搬送経路の長さが等しくなる。これにより、2つの液膜形成ユニット32aの各々で基板Wの上面に形成された液膜が乾燥ユニット32bで超臨界流体と置換されるまでの時間を等しくできる。その結果、各液膜形成ユニット32aで処理される基板Wの処理品質のばらつきを低減できる。
【0036】
第2単位ブロックB2は、平面視にて、仮想線L1よりもX軸方向正側に位置する2つの液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとを含む。2つの液膜形成ユニット32aは、仮想線L3を中心に線対称に設けられる。乾燥ユニット32bは、仮想線L3上に中心を有する。この場合、2つの液膜形成ユニット32aの各々と乾燥ユニット32bとの間で、基板Wの搬送経路の長さが等しくなる。これにより、2つの液膜形成ユニット32aの各々で基板Wの上面に形成された液膜が乾燥ユニット32bで超臨界流体と置換されるまでの時間を等しくできる。その結果、各液膜形成ユニット32aで処理される基板Wの処理品質のばらつきを低減できる。
【0037】
平面視にて、第1単位ブロックB1に含まれる乾燥ユニット32bと、第2単位ブロックB2に含まれる乾燥ユニット32bとの間には、両方の乾燥ユニット32bをメンテナンスするための中間領域32mが設けられる。
【0038】
基板処理装置1は、制御装置4を備える。制御装置4は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)41と、メモリ等の記憶媒体42とを備える。記憶媒体42には、基板処理装置1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御装置4は、記憶媒体42に記憶されたプログラムをCPU41に実行させることにより、基板処理装置1の動作を制御する。
【0039】
〔基板処理方法〕
図4から
図22を参照し、実施形態に係る基板処理方法について説明する。
図4は、実施形態に係る基板処理方法を示すタイミングチャートである。
図4では、複数の基板W1~W9に対して連続して基板処理が行われる場合の各基板W1~W9の搬送タイミングを示す。
図5から
図22は、実施形態に係る基板処理方法を示す平面図である。
図5から
図22中の基板W1~W9は、
図4中の基板W1~W9と対応する。
図4から
図22に示される基板処理方法は、制御装置4による制御下で実施される。
【0040】
以下、第2搬送装置31aで行われる基板搬送処理を「PRA」と記載する。また、第1単位ブロックB1に含まれるX軸方向負側及びX軸方向正側の液膜形成ユニット32aで行われる液膜形成処理をそれぞれ「SPIN1」及び「SPIN2」と記載する。また、第1単位ブロックB1に含まれる乾燥ユニット32bで行われる超臨界乾燥処理を「SCC1」と記載する。また、第2単位ブロックB2に含まれるX軸方向負側及びX軸方向正側の液膜形成ユニット32aで行われる液膜形成処理をそれぞれ「SPIN3」及び「SPIN4」と記載する。また、第2単位ブロックB2に含まれる乾燥ユニット32bで行われる超臨界乾燥処理を「SCC2」と記載する。
【0041】
まず、
図5に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W1を取り出し、取り出した基板W1を第1単位ブロックB1のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W1に対して液膜形成処理(SPIN1)が行われる。具体的には、まず、液膜形成ユニット32aが、水平な基板W1の上面に薬液を供給する。薬液は、回転する基板W1の上面の中心に供給され、遠心力によって上面の径方向全体に広がり、液膜を形成する。次に、液膜形成ユニット32aが、水平な基板W1の上面にリンス液を供給する。リンス液は、回転する基板W1の上面の中心に供給され、遠心力によって上面の径方向全体に広がり、液膜を形成する。薬液の液膜がリンス液の液膜に置換される。次に、液膜形成ユニット32aが、水平な基板W1の上面に乾燥液を供給する。乾燥液は、回転する基板W1の上面の中心に供給され、遠心力によって上面の径方向全体に広がり、液膜を形成する。リンス液の液膜が乾燥液の液膜に置換される。
【0042】
次に、
図6に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W2を取り出し、取り出した基板W2を第2単位ブロックB2のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W2に対して液膜形成処理(SPIN3)が行われる。液膜形成処理(SPIN3)は、液膜形成処理(SPIN1)と同じ処理であってよい。
【0043】
次に、
図7に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W3を取り出し、取り出した基板W3を第1単位ブロックB1のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W3に対して液膜形成処理(SPIN2)が行われる。液膜形成処理(SPIN2)は、液膜形成処理(SPIN1)と同じ処理であってよい。
【0044】
次に、
図8に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W4を取り出し、取り出した基板W4を第2単位ブロックB2のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W4に対して液膜形成処理(SPIN4)が行われる。液膜形成処理(SPIN4)は、液膜形成処理(SPIN1)と同じ処理であってよい。
【0045】
次に、
図9に示されるように、第2搬送装置31aが、第1単位ブロックB1のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aから基板W1を取り出し、取り出した基板W1を第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bに搬送する。乾燥ユニット32bでは、
図4に示されるように、基板W1に対して超臨界乾燥処理(SCC1)が行われる。具体的には、乾燥ユニット32bが、水平な基板W1の上面に形成された液膜を超臨界流体に置換し、基板W1を乾燥する。乾燥液等の液膜を超臨界流体に置換すれば、基板W1の凹凸パターンに液体と気体の界面が現れるのを抑制できる。その結果、表面張力の発生を抑制でき、凹凸パターンの倒壊を抑制できる。
【0046】
次に、
図10に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W5を取り出し、取り出した基板W5を第1単位ブロックB1のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W5に対して液膜形成処理(SPIN1)が行われる。
【0047】
次に、
図11に示されるように、第2搬送装置31aが、第2単位ブロックB2のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aから基板W2を取り出し、取り出した基板W2を第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32bに搬送する。乾燥ユニット32bでは、
図4に示されるように、基板W2に対して超臨界乾燥処理(SCC2)が行われる。
【0048】
次に、
図12に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W6を取り出し、取り出した基板W6を第2単位ブロックB2のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W6に対して液膜形成処理(SPIN3)が行われる。
【0049】
次に、
図13に示されるように、第2搬送装置31aが、第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bから基板W1を取り出し、取り出した基板W1をトランジション装置23aに搬送する。
【0050】
次に、
図14に示されるように、第2搬送装置31aが、第1単位ブロックB1のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aから基板W3を取り出し、取り出した基板W3を第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bに搬送する。乾燥ユニット32bでは、
図4に示されるように、基板W3に対して超臨界乾燥処理(SCC1)が行われる。このとき、第1単位ブロックB1の2つの液膜形成ユニット32aが仮想線L2を中心に線対称に設けられ、第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bが仮想線L2上に中心を有する。この場合、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとの間の基板W1の搬送経路の長さと、X軸方向正側の液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとの間の基板W3の搬送経路の長さが等しくなる。これにより、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aで基板W1の上面に形成された液膜及びX軸方向正側の液膜形成ユニット32aで基板W3の上面に形成された液膜が乾燥ユニット32bで超臨界流体と置換されるまでの時間を等しくできる。その結果、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aで処理される基板W1と、X軸方向正側の液膜形成ユニット32aで処理される基板W3との処理品質のばらつきを低減できる。
図4に示されるように、基板W3に対して行われる液膜形成処理(SPIN2)の終了時間は、基板W1に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC1)の終了時間と同じに調整されてよい。この場合、液膜形成処理(SPIN2)が終了した後、基板W3を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。これにより、液膜形成処理(SPIN2)によって基板W3の上面に形成された乾燥液の液膜の乾燥を抑制できる。このため、基板W3の凹凸パターンの倒壊を抑制できる。基板W3に対して行われる液膜形成処理(SPIN2)の終了時間は、基板W1に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC1)の終了時間よりも後になるように調整されてもよい。この場合も、基板W3を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。
【0051】
次に、
図15に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W7を取り出し、取り出した基板W7を第1単位ブロックB1のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W7に対して液膜形成処理(SPIN2)が行われる。
【0052】
次に、
図16に示されるように、第2搬送装置31aが、第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32bから基板W2を取り出し、取り出した基板W2をトランジション装置23aに搬送する。
【0053】
次に、
図17に示されるように、第2搬送装置31aが、第2単位ブロックB2のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aから基板W4を取り出し、取り出した基板W4を第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32bに搬送する。乾燥ユニット32bでは、
図4に示されるように、基板W4に対して超臨界乾燥処理(SCC2)が行われる。このとき、第2単位ブロックB2の2つの液膜形成ユニット32aが仮想線L3を中心に線対称に設けられ、第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32bが仮想線L3上に中心を有する。この場合、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとの間の基板W2の搬送経路の長さと、X軸方向正側の液膜形成ユニット32aと乾燥ユニット32bとの間の基板W4の搬送経路の長さが等しくなる。これにより、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aで基板W2の上面に形成された液膜及びX軸方向正側の液膜形成ユニット32aで基板W4の上面に形成された液膜が乾燥ユニット32bで超臨界流体と置換されるまでの時間を等しくできる。その結果、X軸方向負側の液膜形成ユニット32aで処理される基板W2と、X軸方向正側の液膜形成ユニット32aで処理される基板W4との処理品質のばらつきを低減できる。
図4に示されるように、基板W4に対して行われる液膜形成処理(SPIN4)の終了時間は、基板W2に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC2)の終了時間と同じに調整されてよい。この場合、液膜形成処理(SPIN4)が終了した後、基板W4を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。これにより、液膜形成処理(SPIN4)によって基板W4の上面に形成された乾燥液の液膜の乾燥を抑制できる。このため、基板W4の凹凸パターンの倒壊を抑制できる。基板W4に対して行われる液膜形成処理(SPIN4)の終了時間は、基板W2に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC2)の終了時間よりも後になるように調整されてもよい。この場合も、基板W4を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。
【0054】
次に、
図18に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W8を取り出し、取り出した基板W8を第2単位ブロックB2のX軸方向正側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W8に対して液膜形成処理(SPIN4)が行われる。
【0055】
次に、
図19に示されるように、第2搬送装置31aが、第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bから基板W3を取り出し、取り出した基板W3をトランジション装置23aに搬送する。
【0056】
次に、
図20に示されるように、第2搬送装置31aが、第1単位ブロックB1のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aから基板W5を取り出し、取り出した基板W5を第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32bに搬送する。乾燥ユニット32bでは、
図4に示されるように、基板W5に対して超臨界乾燥処理(SCC1)が行われる。
図4に示されるように、基板W5に対して行われる液膜形成処理(SPIN1)の終了時間は、基板W3に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC1)の終了時間と同じに調整されてよい。この場合、液膜形成処理(SPIN1)が終了した後、基板W5を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。これにより、液膜形成処理(SPIN1)によって基板W5の上面に形成された乾燥液の液膜の乾燥を抑制できる。このため、基板W5の凹凸パターンの倒壊を抑制できる。基板W5に対して行われる液膜形成処理(SPIN1)の終了時間は、基板W3に対して行われる超臨界乾燥処理(SCC1)の終了時間よりも後になるように調整されてもよい。この場合も、基板W5を液膜形成ユニット32aに待機させることなく、乾燥ユニット32bに搬送できる。
【0057】
次に、
図21に示されるように、第2搬送装置31aが、トランジション装置23aから基板W9を取り出し、取り出した基板W9を第1単位ブロックB1のX軸方向負側の液膜形成ユニット32aに搬送する。液膜形成ユニット32aでは、
図4に示されるように、基板W9に対して液膜形成処理(SPIN1)が行われる。
【0058】
次に、
図22に示されるように、第2搬送装置31aが、第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32bから基板W4を取り出し、取り出した基板W4をトランジション装置23aに搬送する。
【0059】
以降、
図11から
図22に示される動作を繰り返すことにより、連続して複数の基板Wに処理を行うことができる。
【0060】
〔中間領域〕
図23を参照し、基板処理装置1の稼働時の中間領域32mの状態について説明する。
図23は、装置稼働時の中間領域32mを示す図である。
図23(a)及び
図23(b)は、それぞれ中間領域32mを含む処理ブロック32の一部を示す平面図及び側面図である。
【0061】
図23(a)及び
図23(b)に示されるように、装置稼働時には、扉101が閉められることにより中間領域32mが外部空間と隔離される。扉101は、例えば観音開き式であってよい。扉101の内面には、乾燥ユニット32bの動作を制御する電子制御機器群が取り付けられてよい。中間領域32mには、作業台103が設けられる。作業台103は、踏台104と梯子105とを含む。踏台104は、中段の乾燥ユニット32bと略同じ高さ位置に固定される。梯子105は、踏台104に固定される。梯子105は、折り畳み可能に構成される。装置稼働時には、梯子105は折り畳まれて踏台104上に載置される。
【0062】
図24を参照し、下段の乾燥ユニット32bをメンテナンスする方法について説明する。
図24は、下段メンテナンス時の中間領域32mを示す図である。
図24(a)及び
図24(b)は、それぞれ中間領域32mを含む処理ブロック32の一部を示す平面図及び側面図である。
【0063】
図24(a)及び
図24(b)に示されるように、下段メンテナンス時には、作業者Pが、扉101を開け、中間領域32mと外部空間とを連通させる。これにより、作業者Pは中間領域32mに入ることができる。作業者Pは、中間領域32mにおいて、作業台103を用いずに、下段の乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。
【0064】
図25を参照し、中段及び上段の乾燥ユニット32bをメンテナンスする方法について説明する。
図25は、中上段メンテナンス時の中間領域32mを示す図である。
図25(a)及び
図25(b)は、それぞれ中間領域32mを含む処理ブロック32の一部を示す平面図及び側面図である。
【0065】
図25(a)及び
図25(b)に示されるように、中上段メンテナンス時には、まず、作業者Pが、扉101を開け、中間領域32mと外部空間とを連通させる。次に、作業者Pが、折り畳まれた梯子105を設置する。これにより、作業者Pは、梯子105上又は踏台104上において中段及び上段の乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。
【0066】
〔基板処理装置の変形例〕
(第1変形例)
図26を参照、実施形態の第1変形例に係る基板処理装置1Aについて説明する。
図26は、実施形態の第1変形例に係る基板処理装置1Aの平面図である。
【0067】
第1変形例では、
図26に示されるように、2つの乾燥ユニット32bは搬送ブロック31の片側(Y軸方向正側)に設けられ、その2つの乾燥ユニット32bの間に中間領域32mが設けられる。中間領域32mはメンテンナンス時に作業者が進入する領域ではなく、中間領域32mの全体に電装ブロック33を設置できる。この場合、基板処理装置1Aの全高を低くできる。第1変形例では、乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eは搬送ブロック31から離隔する方向(Y軸正方向)に移動可能である。この場合、作業者Pは、中間領域32mに入らなくても乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eにおける基板Wの搬入出口付近の部材を修理又は交換できる。なお、乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eは、搬送ブロック31に接近する方向(Y軸負方向)にも移動可能である。
【0068】
なお、第1変形例では、乾燥ユニット32bのみがY軸正方向及びY軸負方向に移動可能であってもよい。
【0069】
(第2変形例)
図27を参照し、実施形態の第2変形例に係る基板処理装置1Bについて説明する。
図27は、実施形態の第2変形例に係る基板処理装置1Bの平面図である。
【0070】
第2変形例では、
図27に示されるように、2つの乾燥ユニット32bは搬送ブロック31の片側(Y軸方向正側)に設けられ、その2つの乾燥ユニット32bの間に中間領域32mが設けられる。中間領域32mはメンテンナンス時に作業者が進入する領域ではなく、中間領域32mの全体に電装ブロック33を設置できる。この場合、基板処理装置1Bの全高を低くできる。第2変形例では、乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eが水平回転可能である。例えば、第1単位ブロックB1の乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eは、反時計回りに90°回転可能であってよい。例えば、第2単位ブロックB2の乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eは、時計回りに90°回転可能であってよい。この場合、乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eの中間領域32mと対向する面がY軸方向正側に向く。これにより、作業者Pは、中間領域32mに入らなくても乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eにおける基板Wの搬入出口付近の部材を修理又は交換できる。なお、乾燥ユニット32b及び検査ユニット32eは、時計回り方向と反時計回り方向の両方向に90°回転可能である。
【0071】
なお、第2変形例では、乾燥ユニット32bのみが水平回転可能であってもよい。
【0072】
(第3変形例)
図28を参照し、実施形態の第3変形例に係る基板処理装置1Cについて説明する。
図28は、実施形態の第3変形例に係る基板処理装置1Cの平面図である。
【0073】
第3変形例では、
図28に示されるように、電装ブロック33が中間領域32mに設けられる。この場合、基板処理装置1Cの全高を低くできる。第3変形例では、電装ブロック33が、搬送ブロック31から離隔する方向(Y軸正方向)に移動可能である。この場合、乾燥ユニット32bをメンテナンスする際、作業者Pが、中間領域32mの外部まで電装ブロック33をY軸方向正側に移動させる。これにより、作業者Pは、中間領域32mに入って乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。なお、作業者Pは、電装ブロック33を中間領域32mの外部に完全に移動させなくてもよい。電装ブロック33を移動させる位置は、作業者Pが中間領域32mに入ることができる位置であればよく、電装ブロック33の一部が中間領域32mに残る位置であってもよい。
【0074】
(第4変形例)
図29から
図31を参照し、実施形態の第4変形例に係る基板処理装置1Dについて説明する。
図29は、実施形態の第4変形例に係る基板処理装置1Dの平面図である。
図30は、電装ブロック33を示す斜視図である。
図31は、電装ブロック33を示す側面図である。
【0075】
第4変形例では、
図29に示されるように、電装ブロック33が中間領域32mに設けられる。この場合、基板処理装置1Dの全高を低くできる。
【0076】
第4変形例では、
図30及び
図31に示されるように、電装ブロック33が、鉛直方向に段積みされた3つの電装ボックス33a、33b、33cを有する。各電装ボックス33a、33b、33cは、互いに独立して移動可能である。この場合、段ごとにメンテナンス空間を確保できる。
【0077】
電装ブロック33は、3つの電装ボックス33a、33b、33cと、保持部120と、を有する。
【0078】
電装ボックス33a、33b、33cは、それぞれ下段、中段、上段に設けられる。電装ボックス33a、33b、33cは、それぞれ下段、中段、上段の乾燥ユニット32bの動作を制御する電子制御機器群と、電子制御機器群を収容する筐体とを備える。
【0079】
保持部120は、第1ベース121と、鉛直ガイドレール122と、鉛直可動部123a、123b、123cと、第2ベース124a、124b、124cと、鉛直可動ロック125a、125b、125cと、水平ガイドレール126a、126cと、水平可動部127a、127cと、水平可動ロック128a、128cとを有する。
【0080】
第1ベース121は、中間領域32mのY軸方向負側の端部に設けられる。第1ベース121は、鉛直方向に沿って処理ステーション3の上端から下端まで延びる。
【0081】
鉛直ガイドレール122は、第1ベース121に固定される。鉛直ガイドレール122は、鉛直方向に沿って第1ベース121の上端から下端まで延びる。鉛直ガイドレール122は、例えばLM(Linear Motion)レールであってよい。
【0082】
鉛直可動部123a、123b、123cは、それぞれ鉛直ガイドレール122に沿って鉛直方向に移動可能に設けられる。鉛直可動部123a、123b、123cは、下方からこの順に設けられる。鉛直可動部123a、123b、123cは、例えばLMブロックであってよい。
【0083】
第2ベース124aは、鉛直可動部123aに固定される鉛直部分と、鉛直部分の下端にてL字状に屈曲してY軸方向正側に延びる水平部分とを有する。第2ベース124bは、鉛直可動部123bに固定される鉛直部分を有する。第2ベース124bには、電装ボックス33bが固定される。第2ベース124cは、鉛直可動部123cに固定される鉛直部分と、鉛直部分の上端にてL字状に屈曲してY軸方向正側に延びる水平部分とを有する。
【0084】
鉛直可動ロック125a、125b、125cは、それぞれ第1ベース121に対する第2ベース124a、124b、124cの鉛直方向に沿った移動をロックする。
【0085】
水平ガイドレール126a、126cは、それぞれ第2ベース124a、124cの水平部分に固定される。水平ガイドレール126a、126cは、Y軸方向に沿って延びる。水平ガイドレール126a、126cは、例えばLMレールであってよい。
【0086】
水平可動部127a、127cは、それぞれ水平ガイドレール126a、126cに沿ってY軸方向に移動可能に設けられる。水平可動部127a、127cには、それぞれ電装ボックス33a、33cが固定される。水平可動部127a、127cは、例えばLMブロックであってよい。
【0087】
水平可動ロック128a、128cは、それぞれ第2ベース124a、124cに対する電装ボックス33a、33cのY軸方向に沿った移動をロックする。
【0088】
係る保持部120によれば、電装ボックス33aは、鉛直可動部123aを鉛直ガイドレール122に沿って移動させることにより昇降し、水平可動部127aを水平ガイドレール126aに沿って移動させることによりY軸方向に沿って水平移動する。電装ボックス33bは、鉛直可動部123bを鉛直ガイドレール122に沿って移動させることにより昇降する。電装ボックス33cは、鉛直可動部123cを鉛直ガイドレール122に沿って移動させることにより昇降し、水平可動部127cを水平ガイドレール126cに沿って移動させることによりY軸方向に沿って水平移動する。
【0089】
図32を参照し、下段の乾燥ユニット32bをメンテナンスする方法について説明する。
図32は、下段メンテナンス時の電装ブロック33の動作を示す側面図である。
【0090】
まず、
図32(a)に示されるように、作業者Pは、中間領域32mから電装ボックス33cを引き出す。具体的には、作業者Pは、水平可動ロック128cによる電装ボックス33cの固定を解除し、水平可動部127cを水平ガイドレール126cに沿ってY軸方向正側に移動させる。
【0091】
次に、
図32(b)に示されるように、作業者Pは、上段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置まで電装ボックス33bを上昇させる。具体的には、作業者Pは、鉛直可動ロック125bによる電装ボックス33bの固定を解除し、鉛直可動部123bを鉛直ガイドレール122に沿ってZ軸方向正側に移動させる。
【0092】
次に、
図33(c)に示されるように、作業者Pは、中段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置まで電装ボックス33aを上昇させる。具体的には、作業者Pは、鉛直可動ロック125aによる電装ボックス33aの固定を解除し、鉛直可動部123aを鉛直ガイドレール122に沿ってZ軸方向正側に移動させる。
【0093】
以上により、中間領域32mにおいて、下段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置に下段メンテナンス空間Maが形成される。その結果、作業者Pは下段メンテナンス空間Maに入って、下段の乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。
【0094】
図33を参照し、中段の乾燥ユニット32bをメンテナンスする方法について説明する。
図33は、中段メンテナンス時の電装ブロック33の動作を示す側面図である。
【0095】
まず、
図33(a)に示されるように、作業者Pは、中間領域32mから電装ボックス33cを引き出す。具体的には、作業者Pは、水平可動ロック128cによる電装ボックス33cの固定を解除し、水平可動部127cを水平ガイドレール126cに沿ってY軸方向正側に移動させる。
【0096】
次に、
図33(b)に示されるように、作業者Pは、上段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置まで電装ボックス33bを上昇させる。具体的には、作業者Pは、鉛直可動ロック125bによる電装ボックス33bの固定を解除し、鉛直可動部123bを鉛直ガイドレール122に沿ってZ軸方向正側に移動させる。
【0097】
以上により、中間領域32mにおいて、中段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置に中段メンテナンス空間Mbが形成される。その結果、作業者Pは中段メンテナンス空間Mbに入って、中段の乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。
【0098】
図34を参照し、上段の乾燥ユニット32bをメンテナンスする方法について説明する。
図34は、上段メンテナンス時の電装ブロック33の動作を示す側面図である。
【0099】
まず、
図34(a)に示されるように、作業者Pは、中間領域32mから電装ボックス33aを引き出す。具体的には、作業者Pは、水平可動ロック128aによる電装ボックス33aの固定を解除し、水平可動部127aを水平ガイドレール126aに沿ってY軸方向正側に移動させる。
【0100】
次に、
図34(b)に示されるように、作業者Pは、下段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置まで電装ボックス33bを下降させる。具体的には、作業者Pは、鉛直可動ロック125bによる電装ボックス33bの固定を解除し、鉛直可動部123bを鉛直ガイドレール122に沿ってZ軸方向負側に移動させる。
【0101】
次に、
図34(c)に示されるように、作業者Pは、中段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置まで電装ボックス33cを下降させる。具体的には、作業者Pは、鉛直可動ロック125cによる電装ボックス33cの固定を解除し、鉛直可動部123cを鉛直ガイドレール122に沿ってZ軸方向負側に移動させる。
【0102】
以上により、中間領域32mにおいて、上段の乾燥ユニット32bと同じ高さ位置に上段メンテナンス空間Mcが形成される。その結果、作業者Pは上段メンテナンス空間Mcに入って、上段の乾燥ユニット32bをメンテナンスできる。
【0103】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0104】
上記の実施形態では、同じ単位ブロックに含まれる複数の液膜形成ユニット32aの各々と乾燥ユニット32bとの間で基板Wの搬送経路の長さが等しい場合を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、同じ単位ブロックに含まれる複数の液膜形成ユニット32aの各々と乾燥ユニット32bとの間で基板Wの搬送時間が等しくなるように第2搬送装置31aが基板Wを搬送するようにしてもよい。この場合にも、2つの液膜形成ユニット32aの各々で基板Wの上面に形成された液膜が乾燥ユニット32bで超臨界流体と置換されるまでの時間を等しくできる。その結果、各液膜形成ユニット32aで処理される基板Wの処理品質のばらつきを低減できる。基板Wの搬送時間は、例えば第2搬送装置31aの移動速度を制御することにより調整されてよい。基板Wの搬送時間は、例えば基板Wの上面に液膜が形成された後に、液膜形成ユニット32a内に待機する時間や第2搬送装置31aに保持された状態で第2搬送装置31aが停止する時間を制御することにより調整されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
31 搬送ブロック
31a 第2搬送装置
32a 液膜形成ユニット
32b 乾燥ユニット
B1 第1単位ブロック
B2 第2単位ブロック
W 基板