(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101327
(43)【公開日】2024-07-29
(54)【発明の名称】研削装置及び研削方法
(51)【国際特許分類】
B24B 45/00 20060101AFI20240722BHJP
B24B 7/00 20060101ALI20240722BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240722BHJP
B24B 49/18 20060101ALI20240722BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240722BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240722BHJP
【FI】
B24B45/00 A
B24B7/00 A
B24B41/06 A
B24B41/06 L
B24B49/18
H01L21/304 622L
H01L21/304 631
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005257
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】山口 崇
【テーマコード(参考)】
3C034
3C043
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034BB66
3C034BB73
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3C043EE03
5F057AA12
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5F131CA32
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5F131DB52
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5F131DB76
(57)【要約】
【課題】複数の被加工物を順に加工する研削装置において、研削装置の生産性を低下させることなく研削ホイールの交換を実施可能な研削装置を提供する。
【解決手段】チャックテーブルにより被加工物を保持する保持ユニット、研削ユニット、被加工物を保持できる保持部を有する搬送機構、保持ユニットに搬入される前の被加工物が保持される第1テーブル、保持ユニットから搬出された後の被加工物が保持される第2テーブルを含む研削装置を提供する。保持ユニット、第1テーブル及び第2テーブルの全てが被加工物を保持している状態で、研削ホイールの交換が必要であると判定された場合には、保持ユニットが保持している被加工物を搬送機構の保持部に保持させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被加工物を順に研削する研削装置であって、
チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより該被加工物を保持する保持ユニットと、
研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、
該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、
該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1テーブルと、
該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2テーブルと、
処理装置と記憶装置とを有し、該記憶装置に記憶されているプログラムに従い該搬送機構の動作を制御できるコントローラと、を含み、
該コントローラは、該プログラムに従い、
該保持ユニット、該第1テーブル、及び該第2テーブルの全てが該被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順と、
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させる手順と、を実行することで、該研削ホイールの交換が可能な状態へと遷移する研削装置。
【請求項2】
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において、該コントローラは、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する請求項1記載の研削装置。
【請求項3】
該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、
該コントローラは、該プログラムに従い、
該搬送機構の該保持部が保持している該被加工物を該保持ユニットに保持させる手順を更に実行する請求項1又は請求項2記載の研削装置。
【請求項4】
該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する請求項1又は請求項2記載の研削装置。
【請求項5】
チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより被加工物を保持する保持ユニットと、
研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、
該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、
該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1テーブルと、
該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2テーブルと、を含む研削装置を用いて複数の該被加工物を順に研削する研削方法であって、
該保持ユニットに保持されている第1被加工物を該研削ホイールで研削するステップと、
該第1被加工物が該研削ホイールで研削された後に、該保持ユニットに保持されている該第1被加工物を該搬送機構により該第2テーブルに搬送し、該第1テーブルに保持されている第2被加工物を該搬送機構により該保持ユニットに搬送し、第3被加工物を該搬送機構により該第1テーブルに搬送するステップと、
該保持ユニットが該第2被加工物を保持し、該第1テーブルが該第1被加工物を保持し、且つ該第2テーブルが該第3被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップと、
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて該研削ユニットの該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該第2被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させるステップと、を含む研削方法。
【請求項6】
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する請求項5記載の研削方法。
【請求項7】
該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、該搬送機構の該保持部が保持している該第2被加工物を該保持ユニットに保持させるステップを更に含む請求項5又は請求項6記載の研削方法。
【請求項8】
該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する請求項5又は請求項6記載の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を研削するための研削装置及び研削方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC(Integrated Circuit)及びLSI(Large-Scale Integration)等の複数個のデバイスが形成されたウェーハ等の被加工物は、研削装置により裏面が研削されて所定の厚みになるように加工される。その後、ダイシング装置等の分割装置により個々のデバイスに分割され、携帯電話及びパソコン等の電子機器に利用される。
【0003】
研削装置の例として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、ウェーハの上面に研削水を供給しながら、研削砥石が環状に配置された研削ホイールを備えた研削ユニットにより、ウェーハの上面を研削する研削装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
研削装置が被加工物の研削を行う際には、被加工物との接触により研削ホイールの研削砥石が適切に消耗することで、研削砥石のコンディションが安定する。このような研削装置では、一般に、研削装置を制御するコントローラにより研削砥石の先端部の残量(以下、刃先残量)が算出され、この刃先残量が所定の長さ以下となった場合に、ホイール交換が実施される。
【0006】
例えば、研削装置は、複数の被加工物が収容されたカセットから被加工物を順次搬送し、これを連続的に研削する。そして、このような研削装置の連続的な加工動作中に研削ホイールの刃先残量が所定の長さ以下となった場合には、ホイール交換を実施するために加工動作が中断される。
【0007】
ところで、研削ホイールの交換が実施される際に、交換の対象となる研削ホイールの直下に配置されているチャックテーブルに被加工物があると、研削ホイールそれ自体や、研削ホイールの交換時に生じる塵等が、被加工物の上に落下してしまうことがある。
【0008】
そこで、このような場合には、研削装置は、チャックテーブルにある被加工物を、一時的にカセットに回収して退避させる。そして、研削ホイールが交換された後に、研削装置は、退避させたこの被加工物をカセットからチャックテーブルまで再び搬送して元の位置に戻す。
【0009】
上述したように、研削ホイール交換時に、チャックテーブルにある被加工物を一時的に退避させるためにカセットまで搬送する時間と、研削ホイールの交換後に被加工物をカセットからチャックテーブルまで再び搬送する時間とがかかることにより、研削装置の実質的な稼働時間が減少していた。
【0010】
よって、本発明の目的は、複数の被加工物を順に加工する研削装置において、研削装置の実質的な稼働時間の減少を抑えながら研削ホイールの交換を実施可能な研削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面によれば、複数の被加工物を順に研削する研削装置であって、チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより該被加工物を保持する保持ユニットと、研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1テーブルと、該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2テーブルと、処理装置と記憶装置とを有し、該記憶装置に記憶されているプログラムに従い該搬送機構の動作を制御できるコントローラと、を含み、該コントローラは、該プログラムに従い、該保持ユニット、該第1テーブル、及び該第2テーブルの全てが該被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順と、該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させる手順と、を実行することで、該研削ホイールの交換が可能な状態へと遷移する研削装置が提供される。
【0012】
好ましくは、該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において、該コントローラは、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する。
【0013】
好ましくは、該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、該コントローラは、該プログラムに従い、該搬送機構の該保持部が保持している該被加工物を該保持ユニットに保持させる手順を更に実行する。
【0014】
好ましくは、該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する。
【0015】
また、本発明の他の一側面によれば、チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより該被加工物を保持する保持ユニットと、研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1のテーブルと、該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2のテーブルと、を含む研削装置を用いて複数の該被加工物を順に研削する研削方法であって、該保持ユニットに保持されている第1被加工物を該研削ホイールで研削するステップと、該第1被加工物が該研削ホイールで研削された後に、該保持ユニットに保持されている該第1被加工物を該搬送機構により該第2テーブルに搬送し、該第1テーブルに保持されている第2被加工物を該搬送機構により該保持ユニットに搬送し、第3被加工物を該搬送機構により該第1テーブルに搬送するステップと、該保持ユニットが該第2被加工物を保持し、該第1テーブルが該第1被加工物を保持し、且つ該第2テーブルが該第3該被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップと、該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて該研削ユニットの該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該被第2被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させるステップと、を含む研削方法が提供される。
【0016】
好ましくは、該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する。
【0017】
好ましくは、該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、該搬送機構の該保持部が保持している該第2の被加工物を該保持ユニットに保持させるステップを更に含む。
【0018】
好ましくは、該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面に係る研削装置は、研削ホイールを交換する際に、保持ユニットに保持されている被加工物を搬送機構の保持部に保持させる。これにより、被加工物を保持ユニットから他のテーブル等まで搬送する時間と、研削ホイールの交換後に他のテーブル等から再び保持ユニットまで搬送するための時間と、を削減することができる。この結果、研削装置の実質的な稼働時間の減少を抑えながら研削ホイールの交換を実施可能な研削装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る研削装置の一部を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る研削方法を示すフロー図である。
【
図3】
図3は、
図2の第1保持ステップにおける搬送機構、保持ユニット及び研削ユニットの一部を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る研削装置2の一部を模式的に示す斜視図である。なお、
図1では、研削装置2を構成する一部の要素が機能ブロックで表現されている。また、以下の説明において使用されるX軸(装置の左右の方向に沿う軸)、Y軸(装置の前後の方向に沿う軸)、及びZ軸(装置の上下の方向に沿う軸)は、互いに垂直である。
【0022】
図1に示されるように、研削装置2は、この研削装置2を構成する各種の要素を支持する基台4を備えている。基台4の上面前端側には、上端が基台4の上面に開口した凹状の収容空間4aが設けられており、この収容空間4a内には、板状の被加工物11の搬送に使用される第1搬送機構(搬送機構)6が収容されている。第1搬送機構6は、代表的には、複数の関節を持つロボットアームであり、被加工物11を保持する保持パッド(保持部)6aを有する。第1搬送機構6は、被加工物11を搬送できるだけでなく、被加工物11の上下を反転させることもできる。
【0023】
被加工物11は、例えば、シリコン等の半導体材料で構成される円盤状のウェーハである。つまり、この被加工物11は、円形状の表面11aと、表面11aとは反対側の円形状の裏面11bと、を有している。被加工物11の表面11a側は、例えば、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)で複数の小領域に区画されており、各小領域には、IC等のデバイスが形成されている。
【0024】
本実施形態の研削装置2は、例えば、この被加工物11の裏面11b側を研削する際に使用される。なお、被加工物11の裏面11b側を研削する際には、樹脂等の材料で構成される保護部材(不図示)が被加工物11の表面11a側に貼付されることが望ましい。被加工物11の表面11a側に保護部材が貼付されることで、裏面11b側の研削の際に表面11a側に加わる衝撃が緩和され、被加工物11のデバイス等が保護される。
【0025】
また、本実施形態では、シリコン等の半導体材料で構成される円盤状のウェーハが被加工物11として用いられているが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等は、この態様に制限されない。例えば、他の半導体、セラミックス、樹脂、金属等の材料で構成される基板等が被加工物11として用いられ得る。同様に、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等も、上述の態様に制限されない。被加工物11には、デバイスが形成されていなくても良い。
【0026】
図1に示されるように、収容空間4aの斜め前方には、複数の被加工物11を収容できるカセット8が載せられる2つのカセット載置領域10が設けられている。収容空間4aの斜め後方には、被加工物11の位置を調整するための位置調整機構12が設けられている。
【0027】
位置調整機構12は、被加工物11に比べて直径が小さい円盤状の位置調整用テーブル(第1テーブル)12aと、位置調整用テーブル12aの周囲に配置された複数のピン12bと、を含んでいる。
【0028】
位置調整用テーブル12aの径方向に沿って複数のピン12bを移動させることで、例えば、カセット8から第1搬送機構6によって搬出され位置調整用テーブル12aに載せられた被加工物11の中心が、X軸に沿う方向及びY軸に沿う方向で所定の位置に合わせられる。なお、被加工物11は、その被研削面(本実施形態では、裏面11b)が上方に露出するように、位置調整用テーブル12aに載せられる。
【0029】
位置調整機構12の側方には、被加工物11を保持して後方に搬送する第2搬送機構(搬送機構)14が設けられている。第2搬送機構14は、例えば、アーム14bと、アーム14bの先端部に接続され被加工物11の上面(被研削面)側を吸引して保持できる保持パッド(保持部)14aと、を含み、アーム14bによって保持パッド14aを旋回させることで、位置調整機構12で位置が調整された被加工物11を後方に搬送する。
【0030】
第2搬送機構14の後方には、ターンテーブル16が設けられている。ターンテーブル16は、モーター等の回転駆動源(不図示)に接続されており、この回転駆動源の動力によって、Z軸に対して概ね平行な回転軸の周りに回転する。ターンテーブル16の上面には、被加工物11を保持する保持ユニット52を構成する円盤状の3組のチャックテーブル18が、ターンテーブル16の周方向に沿って概ね等しい角度の間隔で設けられている。ただし、保持ユニット52が有するチャックテーブル18の数や配置等は、この態様に制限されない。
【0031】
各チャックテーブル18は、例えば、セラミックス等の材料によって構成された円盤状の枠体を含む。枠体の上部には、上端が枠体の上面に円形状に開口した凹部が設けられている。この凹部には、セラミックス等の材料で多孔質の円盤状に構成された保持板が固定されている。
【0032】
保持板の上面(保持面)18aは、例えば、円錐の側面に相当する形状に構成されており、被加工物11を保持する保持面として機能する。なお、円錐の頂点に相当する保持板の上面18aの中心と、保持板の上面18aの外周縁と、の高さの差(高低差)は、10μm~30μm程度である。
【0033】
保持板の下面側は、枠体の内部に設けられた流路や、枠体の外部に配置されたバルブ等を介して、エジェクタ等(不図示)の吸引源に接続されている。そのため、保持板の上面18aに被加工物11等が接触した状態で、バルブが開かれ、吸引源の負圧が作用すると、このチャックテーブル18により被加工物11が吸引される。つまり、被加工物11は、チャックテーブル18の保持面により保持される。
【0034】
各チャックテーブル18は、モーター等の回転駆動源(不図示)に接続されており、この回転駆動源の動力によって、Z軸に対して概ね平行な回転軸、又はZ軸に対して僅かに傾いた回転軸の周りに回転する。なお、各チャックテーブル18は、角度調整機構(不図示)を介してターンテーブル16に支持されており、各チャックテーブル18の回転軸の角度は、この角度調整機構によって調整される。
【0035】
ターンテーブル16が回転することにより、各チャックテーブル18は、例えば、第2搬送機構14に隣接する搬入搬出領域A、搬入搬出領域Aの後方の粗研削領域B、粗研削領域Bの側方の仕上げ研削領域C、及び搬入搬出領域Aの順に移動する。第2搬送機構14は、保持パッドで保持した被加工物11を、位置調整機構12の位置調整用テーブル12aから、搬入搬出領域Aに配置されたチャックテーブル18へと搬送する。
【0036】
図1に示されるように、粗研削領域B及び仕上げ研削領域Cの後方(つまり、ターンテーブル16の後方)には、それぞれ、柱状の支持構造20が設けられている。各支持構造20の前面側には、Z軸移動機構22が設けられている。各Z軸移動機構22は、その長手方向がZ軸に対して概ね平行な一対のガイドレール24を備えており、ガイドレール24には、移動プレート26がスライドできる態様で取り付けられている。
【0037】
各移動プレート26の後面側(裏面側)には、ボールねじを構成するナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、ガイドレール24に対して概ね平行なねじ軸28が回転できる態様で連結されている。各ねじ軸28の一端部には、モーター等の回転駆動源30が接続されている。回転駆動源30によってねじ軸28を回転させることで、移動プレート26は、ガイドレール24に沿って移動する。
【0038】
各移動プレート26の前面(表面)には、研削ユニット32が支持されている。各研削ユニット32は、移動プレート26に固定されたスピンドルハウジング34を備える。各スピンドルハウジング34には、Z軸に対して平行な回転軸、又はZ軸に対して僅かに傾いた軸心を持つスピンドル36が、その軸心の周りに回転できる態様で収容されている。
【0039】
各スピンドル36の下端部は、スピンドルハウジング34の下端面から露出しており、この下端部には、円盤状のマウント38が固定されている。例えば、各マウント38の外縁部には、マウント38を厚みの方向に貫通する複数の孔(不図示)が設けられており、各孔には、固定具であるボルト(不図示)が挿入される。
【0040】
粗研削領域B側の研削ユニット32のマウント38の下面には、粗研削用の研削ホイール40がボルトで取り付けられている。つまり、粗研削領域B側のスピンドル36には、粗研削用の研削ホイール40が装着されている。また、粗研削領域B側の研削ユニット32のスピンドルハウジング34の上部には、スピンドル36の上端側に接続されるモーター等の回転駆動源42が設けられている。この回転駆動源42の動力によって、スピンドル36とともに粗研削用の研削ホイール40が回転する。
【0041】
一方で、仕上げ研削領域C側の研削ユニット32のマウント38の下面には、仕上げ研削用の研削ホイール40がボルトで取り付けられている。つまり、仕上げ研削領域C側のスピンドル36には、仕上げ研削用の研削ホイール40が装着されている。また、仕上げ研削領域C側の研削ユニット32のスピンドルハウジング34の上部には、スピンドル36の上端側に接続されるモーター等の回転駆動源42が設けられている。この回転駆動源42の動力によって、スピンドル36とともに仕上げ研削用の研削ホイール40が回転する。
【0042】
各研削ホイール40は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属を用いて形成された環状のホイール基台40aを含む。ホイール基台40aの下面には、ダイヤモンド等の砥粒がビトリファイドやレジノイド等の結合剤に分散されてなる複数の研削砥石40bが、ホイール基台40aの周方向に沿って環状に配列されるように固定されている。
【0043】
なお、仕上げ研削用の研削ホイール40が備える研削砥石40bに含まれる砥粒の平均粒径は、粗研削用の研削ホイール40が備える研削砥石40bに含まれる砥粒の平均粒径よりも小さい。これにより、粗研削に適した研削ホイール40と、仕上げ研削に適した研削ホイール40と、が実現されている。具体的な砥粒の大きさは、研削後の被加工物11に求められる品質等に応じて適切に設定される。
【0044】
各研削ホイール40の傍には、チャックテーブル18に保持された被加工物11と研削砥石40bとが接触する部分に純水等の液体(研削液)を供給できるノズル(不図示)が配置されている。なお、このノズルの代わりに、又は、このノズルとともに、液体の供給に使用される液体供給口が研削ホイール40等に設けられても良い。
【0045】
また、粗研削領域B及び仕上げ研削領域Cの側方には、それぞれ、研削中の被加工物11の厚み等を測定する際に用いられる厚み測定器44が配置されている。厚み測定器44は、代表的には、チャックテーブル18の枠体の上面の高さを測定できる第1ハイトゲージと、チャックテーブル18に保持された被加工物11の上面の高さを測定できる第2ハイトゲージと、を含んでいる。第1ハイトゲージの測定値と、第2ハイトゲージの測定値と、の差が、被加工物11の厚みとして採用される。
【0046】
粗研削領域Bのチャックテーブル18に保持されている被加工物11は、上述した粗研削領域B側の研削ユニット32で上面側を研削される。また、仕上げ研削領域Cのチャックテーブル18に保持されている被加工物11は、上述した仕上げ研削領域C側の研削ユニット32で上面側を研削される。
【0047】
つまり、被加工物11を保持したチャックテーブル18が、搬入搬出領域A、粗研削領域B、及び仕上げ研削領域Cの順に移動することで、被加工物11の粗研削と、粗研削の後の仕上げ研削と、が連続的に行われる。被加工物11の仕上げ研削が終了すると、仕上げ研削領域Cのチャックテーブル18は、再び搬入搬出領域Aに配置される。
【0048】
搬入搬出領域Aの前方、且つ第2搬送機構14の側方の位置には、研削後の被加工物11を保持して前方に搬送する第3搬送機構(搬送機構)46が設けられている。第3搬送機構46は、アーム46bと、アーム46bの先端部に接続され被加工物11の上面(被研削面)側を吸引して保持できる保持パッド(保持部)46aと、を含み、アーム46bによって保持パッド46aを旋回させることで、研削後の被加工物11を搬入搬出領域Aのチャックテーブル18から前方に搬送する。
【0049】
第3搬送機構46の側方には、第3搬送機構46で搬出された被加工物11を洗浄する洗浄ユニット54が設けられている。洗浄ユニット54は、例えば、被加工物11の下面側を保持部56aで保持した状態で回転するスピンナーテーブル(第2テーブル)56と、スピンナーテーブル56の保持部56aによって保持された被加工物11の上面側に洗浄用の流体を噴射する洗浄用ノズル(不図示)と、を含む。
【0050】
洗浄ユニット54で使用される洗浄用の流体は、代表的には、水とエアとが混合した混合流体(二流体)である。もちろん、エアと混合していない水等が洗浄用の流体として用いられても良い。洗浄ユニット54で洗浄された被加工物11は、第1搬送機構6で搬送され、例えば、搬送元のカセット8に収容される。
【0051】
研削装置2の各要素には、コントローラ50が接続されている。このコントローラ50は、例えば、処理装置50aと、記憶装置50bと、を含むコンピュータによって構成され、被加工物11が適切に研削されるように、上述した研削装置2の各要素の動作等を制御する。
【0052】
処理装置50aは、代表的には、CPU(Central Processing Unit)であり、上述した要素を制御するために必要な種々の処理を行う。記憶装置50bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置と、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の補助記憶装置と、を含む。このコントローラ50の機能は、例えば、記憶装置50bに記憶されているプログラム等のソフトウェアに従い処理装置50aが動作することによって実現される。
【0053】
本実施形態に係る研削装置2において、複数の被加工物11の研削を連続的に実施する際には、カセット8に収容されている複数の被加工物11のそれぞれが、位置調整用テーブル12a、保持ユニット52(チャックテーブル18)、スピンナーテーブル56の順に搬送される。
【0054】
すなわち、保持ユニット52(チャックテーブル18)に保持され、研削が終了した被加工物11は、第3搬送機構46により保持ユニット52(チャックテーブル18)から搬出されてスピンナーテーブル56へ搬入される。また、被加工物11が搬出された後の保持ユニット52(チャックテーブル18)には、位置調整用テーブル12aにある被加工物11が、第2搬送機構14により搬入される。
【0055】
更に、被加工物11が搬出された後の位置調整用テーブル12aには、カセット8に収容されている被加工物11が、第1搬送機構6により搬入される。このように、複数の被加工物11の研削を連続的に実施する際には、位置調整用テーブル12a、チャックテーブル18及びスピンナーテーブル56は、被加工物11が常に配置されている状態にある。
【0056】
次に、上述した本実施形態に係る研削装置2において、研削ホイール40を交換する際の処理手順について説明する。
図2は、研削ホイール40を交換する際の処理手順を含む研削方法を示すフロー図である。この研削方法では、研削ステップS1において、チャックテーブル18(粗研削領域B及び仕上げ研削領域Cにあるチャックテーブル18)に保持されている被加工物11が研削される。
【0057】
そして、被加工物11の研削が終了すると、ターンテーブル16が回転する。これにより、粗研削領域Bにあるチャックテーブル18が仕上げ研削領域Cに移動し、仕上げ研削領域Cにあるチャックテーブル18が搬入搬出領域Aに移動し、搬入搬出領域Aにあるチャックテーブル18が粗研削領域Bに移動する。そして、搬入搬出領域Aにある研削後の被加工物11が、第3搬送機構46により洗浄ユニット54に搬出され、洗浄ユニット54で洗浄される。
【0058】
例えば、研削ステップS1において被加工物11の研削が開始された後に、コントローラ50は、記憶装置50bに記憶されているプログラムに従い、カセット8に収容されていた研削対象の全ての被加工物11の研削が終了したか否かを判定するステップS2を実行する。全ての被加工物11の研削が終了したと判定された場合(S2の判定が「Yes」の場合)、例えば、洗浄ユニット54で洗浄された研削済みの被加工物11は、第1搬送機構6によりカセット8に収容され、本フローが終了する。
【0059】
一方、全ての被加工物11の研削が終了していないと判定された場合(S2の判定が「No」の場合)、次に研削される被加工物11をチャックテーブル18へと搬送する搬送ステップS3が実行される。研削済みの被加工物11は、既にスピンナーテーブル56へと搬出されており、搬入搬出領域Aのチャックテーブル18は空になっている。
【0060】
そこで、この空になっている搬入搬出領域Aのチャックテーブル18に、位置調整用テーブル12aにある被加工物11が第2搬送機構14により搬送される。そして、カセット8に収容されている被加工物11が第1搬送機構6により位置調整用テーブル12aに搬送される。
【0061】
次に、コントローラ50において、記憶装置50bに記憶されているプログラムに従い、研削ホイール40の交換が必要であるか否かを判定するステップS4が実行される。研削ホイール40の交換の要否の判定は、例えば、研削砥石40bの刃先残量に基づいて行われる。加工品質を維持するためには、所定の残量以上の刃先を有している研削砥石40bで研削が行われることが望ましい。
【0062】
刃先残量は、研削ユニット32の下降量と、被加工物11の厚みとから算出した研削砥石40bの摩耗量から把握することができる。すなわち、被加工物11を研削する際に、研削砥石40bの下面が被加工物11の研削面に接触するよう研削ユニット32が下降する。この時の下降量から、研削砥石40bの下面の位置が算出される。一方、被加工物11の厚みから、被加工物11の表面の位置が算出される。この研削砥石40bの下面の位置と被加工物11の表面の位置との差が、研削砥石40bの摩耗量となる。
【0063】
本実施形態では、研削砥石40bの刃先残量を判定する際の基準となるしきい値が設定され、コントローラ50の記憶部50bに記憶される。このしきい値は、例えば、加工品質が維持できなくなる刃先残量の下限に相当する値である。刃先残量がこのしきい値以上であれば(S4の判定が「No」の場合)、研削ホイール40は交換されず、再び研削ステップS1が実行される。
【0064】
一方、刃先残量がこのしきい値未満である場合(S4の判定が「Yes」の場合)は、コントローラ50は、研削ホイール40の交換を実行できる状態に遷移する。具体的には、コントローラ50の処理装置50aは、第2搬送機構14又は第3搬送機構46の保持部に被加工物11を保持させることで被加工物11を保持ユニット52から一時的に退避させる第1保持ステップS5を実行する。
【0065】
例えば、仕上げ研削領域Cにある研削ホイール40が交換対象となる場合、ターンテーブル16が回転し、仕上げ研削領域Cのチャックテーブル18上にある被加工物11が搬入搬出領域Aに移動し、第2搬送機構14に保持される。
図3は、
図2の第1保持ステップS5における第2搬送機構14、保持ユニット52及び研削ユニット32の一部を模式的に示す断面図である。なお、
図3には、第2搬送機構14の保持部14aにより被加工物11が保持されている態様が示されているが、第3搬送機構46の保持部46aにより被加工物11が保持されても良い。
【0066】
図3に示されるように、第2搬送機構14の保持部14aに被加工物11を保持が保持されている間に、例えば、オペレーターにより研削ホイール40が交換される研削ホイール交換ステップS6が実施され、研削ホイール40が交換される。そして、研削ホイール40の交換が終了した後に、第2保持ステップS7により、第2搬送機構14又は第3搬送機構46の保持部に保持させていた被加工物11を再び搬入搬出領域Aのチャックテーブル18に保持させる。その後、ターンテーブル16が回転し、搬入搬出領域Aのチャックテーブル18上にある被加工物11が仕上げ研削領域Cに移動する。
【0067】
第2保持ステップS7の後、被加工物11を研削する研削ステップS1が再び実行される。そして、他のステップが同様に繰り返される。
【0068】
本実施形態によれば、研削ホイール40を交換する際に、保持ユニット52に保持されている被加工物11を第2搬送機構14又は第3搬送機構46の保持部に保持させる。これにより、被加工物11を一時的に空いている他のテーブル等に搬送する時間と、研削ホイール40の交換後に他のテーブル等から被加工物11を再び保持ユニット52まで搬送するための時間を削減することができる。この結果、研削装置の実質的な稼働時間の減少を抑えて研削ホイールの交換を実施可能な研削装置を提供することができる。
【0069】
図1においては、保持ユニット52に搬入される前の被加工物11が保持されるテーブル(第1テーブル)が位置調整用テーブル12aであり、保持ユニット52から搬出された後の被加工物11が保持されるテーブル(第2テーブル)が洗浄ユニット54のスピンナーテーブル56である例が示されたが、第1テーブル及び第2テーブルはこれに限られるものではない。第1テーブルが保持ユニット52に搬入される前の被加工物11が保持されるテーブルであり、第2テーブルが保持ユニット52から搬出された後の被加工物11が保持されるテーブルであれば良く、第1テーブル及び第2テーブルはどのユニットのテーブルであっても良い。
【0070】
また、
図1には保持ユニット52のチャックテーブル18を3つ有する場合の構成が示されているが、チャックテーブル18の数は3つに限られず、1つであっても良いし、2つであっても良いし、4つ以上であっても良い。
【0071】
更に、被加工物11の保持ユニット52へ搬入搬出する搬送機構は、第2搬送機構14及び第3搬送機構46に限られるものではなく、これらが一体になった1つの搬送機構であっても良いし、3個以上の搬送機構には分かれていても良い。
【0072】
その他、上述した実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施され得る。
【符号の説明】
【0073】
2 :研削装置
4 :基台
4a :収容空間
6 :第1搬送機構
6a :保持部
8 :カセット
10 :カセット載置領域
12 :位置調整機構
12a :位置調整用テーブル(第1テーブル)
12b :ピン
14 :第2搬送機構
14a :第2搬送機構の保持パッド(保持部)
14b :第2搬送機構のアーム
16 :ターンテーブル
18 :チャックテーブル
18a :上面(保持面)
20 :支持構造
22 :Z軸移動機構
24 :ガイドレール
26 :移動プレート
28 :ねじ軸
30 :回転駆動源
32 :研削ユニット
34 :スピンドルハウジング
36 :スピンドル
38 :マウント
40 :研削ホイール
40a :ホイール基台
40b :研削砥石
42 :回転駆動源
44 :厚み測定器
46 :第3搬送機構
46a :第3搬送機構の保持パッド(保持部)
46b :第3搬送機構のアーム
50 :コントローラ
50a :処理装置
50b :記憶装置
52 :保持ユニット
54 :洗浄ユニット
56 :スピンナーテーブル(第2テーブル)
56a :保持部
11 :被加工物
11a :表面
11b :裏面
21 :ケース
A :搬入搬出領域
B :粗研削領域
C :仕上げ研削領域
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被加工物を順に研削する研削装置であって、
チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより該被加工物を保持する保持ユニットと、
研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、
該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、
該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1テーブルと、
該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2テーブルと、
処理装置と記憶装置とを有し、該記憶装置に記憶されているプログラムに従い該搬送機構の動作を制御できるコントローラと、を含み、
該コントローラは、該プログラムに従い、
該保持ユニット、該第1テーブル、及び該第2テーブルの全てが該被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順と、
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させる手順と、を実行することで、該研削ホイールの交換が可能な状態へと遷移する研削装置。
【請求項2】
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する手順において、該コントローラは、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する請求項1記載の研削装置。
【請求項3】
該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、
該コントローラは、該プログラムに従い、
該搬送機構の該保持部が保持している該被加工物を該保持ユニットに保持させる手順を更に実行する請求項1又は請求項2記載の研削装置。
【請求項4】
該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する請求項1又は請求項2記載の研削装置。
【請求項5】
チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより被加工物を保持する保持ユニットと、
研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、
該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、
該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1テーブルと、
該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2テーブルと、を含む研削装置を用いて複数の該被加工物を順に研削する研削方法であって、
該保持ユニットに保持されている第1被加工物を該研削ホイールで研削するステップと、
該第1被加工物が該研削ホイールで研削された後に、該保持ユニットに保持されている該第1被加工物を該搬送機構により該第2テーブルに搬送し、該第1テーブルに保持されている第2被加工物を該搬送機構により該保持ユニットに搬送し、第3被加工物を該搬送機構により該第1テーブルに搬送するステップと、
該保持ユニットが該第2被加工物を保持し、該第2テーブルが該第1被加工物を保持し、且つ該第1テーブルが該第3被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップと、
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて該研削ユニットの該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該第2被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させるステップと、を含む研削方法。
【請求項6】
該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて、該研削ホイールの刃先残量に基づき該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定する請求項5記載の研削方法。
【請求項7】
該研削ホイールの交換が可能な状態で該研削ホイールが交換された後に、該搬送機構の該保持部が保持している該第2被加工物を該保持ユニットに保持させるステップを更に含む請求項5又は請求項6記載の研削方法。
【請求項8】
該保持ユニットは、複数の該チャックテーブルを有する請求項5又は請求項6記載の研削方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明の他の一側面によれば、チャックテーブルを有し、該チャックテーブルにより該被加工物を保持する保持ユニットと、研削ホイールが装着されるスピンドルを有し、該保持ユニットにより保持された該被加工物を該研削ホイールで研削する研削ユニットと、該被加工物を保持できる保持部を有し、該被加工物を該保持ユニットに搬入し且つ該保持ユニットから搬出する搬送機構と、該保持ユニットに搬入される前の該被加工物が保持される第1のテーブルと、該保持ユニットから搬出された後の該被加工物が保持される第2のテーブルと、を含む研削装置を用いて複数の該被加工物を順に研削する研削方法であって、該保持ユニットに保持されている第1被加工物を該研削ホイールで研削するステップと、該第1被加工物が該研削ホイールで研削された後に、該保持ユニットに保持されている該第1被加工物を該搬送機構により該第2テーブルに搬送し、該第1テーブルに保持されている第2被加工物を該搬送機構により該保持ユニットに搬送し、第3被加工物を該搬送機構により該第1テーブルに搬送するステップと、該保持ユニットが該第2被加工物を保持し、該第2テーブルが該第1被加工物を保持し、且つ該第1テーブルが該第3被加工物を保持している状態で、該研削ユニットに装着されている該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップと、該研削ホイールの交換が必要であるか否かを判定するステップにおいて該研削ユニットの該研削ホイールの交換が必要であると判定された場合に、該保持ユニットが保持している該被第2被加工物を該搬送機構の該保持部に保持させるステップと、を含む研削方法が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
本実施形態では、研削砥石40bの刃先残量を判定する際の基準となるしきい値が設定され、コントローラ50の記憶装置50bに記憶される。このしきい値は、例えば、加工品質が維持できなくなる刃先残量の下限に相当する値である。刃先残量がこのしきい値以上であれば(S4の判定が「No」の場合)、研削ホイール40は交換されず、再び研削ステップS1が実行される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
図3に示されるように、第2搬送機構14の保持部14aに被加工物1
1が保持されている間に、例えば、オペレーターにより研削ホイール40が交換される研削ホイール交換ステップS6が実施され、研削ホイール40が交換される。そして、研削ホイール40の交換が終了した後に、第2保持ステップS7により、第2搬送機構14又は第3搬送機構46の保持部に保持させていた被加工物11を再び搬入搬出領域Aのチャックテーブル18に保持させる。その後、ターンテーブル16が回転し、搬入搬出領域Aのチャックテーブル18上にある被加工物11が仕上げ研削領域Cに移動する。