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特開2024-101843フロートガラス製造装置及びフロートガラスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024101843
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】フロートガラス製造装置及びフロートガラスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 18/16 20060101AFI20240723BHJP
   C03B 18/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
C03B18/16
C03B18/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006004
(22)【出願日】2023-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】赤木 直人
(72)【発明者】
【氏名】生嶋 洋之
(57)【要約】
【課題】溶融ガラスからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できるフロートガラス製造装置を提供する。
【解決手段】フロートガラス製造装置は、溶融ガラスを溶融金属の上で流動させながら帯状のガラスリボンに成形し、フロートガラスを製造するフロートガラス製造装置であって、前記溶融金属を貯留する浴槽と、前記浴槽の周囲に配置されるケーシングと、前記ケーシングの外表面に向けて冷媒を噴射する冷却ノズルと、一端が前記ケーシング側に設けられ、他端が前記冷却ノズル側に設けられた熱電素子と、前記熱電素子と電気的に接続されている電気設備と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融ガラスを溶融金属の上で流動させながら帯状のガラスリボンに成形し、フロートガラスを製造するフロートガラス製造装置であって、
前記溶融金属を貯留する浴槽と、
前記浴槽の周囲に配置されるケーシングと、
前記ケーシングの外表面に向けて冷媒を噴射する冷却ノズルと、
一端が前記ケーシング側に設けられ、他端が前記冷却ノズル側に設けられた熱電素子と、
前記熱電素子と電気的に接続されている電気設備と、
を備えるフロートガラス製造装置。
【請求項2】
前記浴槽が、前記溶融金属に接する複数のレンガを備える請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
【請求項3】
前記冷却ノズル及び前記熱電素子の少なくとも一方が、前記ケーシングの底面視において、隣り合う前記レンガの間の目地に沿って配置される請求項2に記載のフロートガラス製造装置。
【請求項4】
前記冷却ノズル及び前記熱電素子が、前記ケーシングの底面視において、矩形格子状に配列されている請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
【請求項5】
前記冷媒が、空気、水、又は空気と水の混合物である請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
【請求項6】
前記電気設備が、検出器及びアクチュエータの少なくとも1つ以上である請求項1に記載のフロートガラス製造装置。
【請求項7】
請求項1に記載のフロートガラス製造装置を用いて、前記溶融ガラスを前記溶融金属の上で流動させながら前記ガラスリボンに成形し、前記熱電素子で生じた電力を前記電気設備に供給するフロートガラスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートガラス製造装置及びフロートガラス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融ガラスをフロート法でガラスリボンに成形するフロートガラス成形装置が用いられている。フロートガラス製造装置は、浴槽内の溶融金属の上に溶融ガラスを連続的に供給し、溶融金属の上で溶融ガラスを流動させ、溶融ガラスを帯板状のガラスリボンに成形する。ガラスリボンを徐冷した後、ガラスリボンの幅方向両端部を切除することで、フロートガラスが得られる。得られたフロートガラスは、フラットパネルディスプレイ(FPD)のガラス基板等に用いられる。
【0003】
フロートガラス製造装置として、例えば、箱状の金属ケーシングと、金属ケーシングの底面に載置され溶融金属の側面に接する複数のサイド煉瓦と、金属ケーシングの底面に載置され溶融金属の下面に接する複数のボトム煉瓦とを有する浴槽と、金属ケーシングの下面に空気等の冷却ガスを吹き付ける冷却ノズルとを備えるフロートガラス製造装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このフロートガラス製造装置では、冷却ノズルから金属ケーシングの下面に冷却ガスを吹き付けてケーシングを冷却して、サイド煉瓦及びボトム煉瓦同士の間の目地に流れ込んだ溶融金属と金属ケーシングとの反応を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-94222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1のフロートガラス製造装置のように、従来のフロートガラス製造装置では、フロートガラスの製造に多くのエネルギーが消費されているが、そのエネルギーの全てを有効に活用できていない。例えば、浴槽内の溶融金属の熱は、ボトムレンガから金属ケーシングを伝ってフロートガラス製造装置の外部に放熱され、エネルギーの無駄が生じている。そのため、フロートガラス製造装置を用いてフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効活用する方法が求められている。
【0007】
本発明の一態様は、溶融ガラスからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できるフロートガラス製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るフロートガラス製造装置は、
溶融ガラスを溶融金属の上で流動させながら帯状のガラスリボンに成形し、フロートガラスを製造するフロートガラス製造装置であって、
前記溶融金属を貯留する浴槽と、
前記浴槽の周囲に配置されるケーシングと、
前記ケーシングの外表面に向けて冷媒を噴射する冷却ノズルと、
一端が前記ケーシング側に設けられ、他端が前記冷却ノズル側に設けられた熱電素子と、
前記熱電素子と電気的に接続されている電気設備と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様は、溶融ガラスからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係るフロートガラス製造装置の断面図である。
図2図1のI-I断面図である。
図3】フロートガラス製造装置の平面図である。
図4図1のII-II方向視の部分拡大図である。
図5】フロートガラス製造装置の他の構成の一例を示す断面図である。
図6】フロートガラス製造装置の他の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の符号を付して、重複する説明は省略する。また、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0012】
本発明の実施形態に係るフロートガラス製造装置について説明する。図1は、本実施形態に係るフロートガラス製造装置の断面図であり、図2は、図1のI-I断面図である。なお、各図面において、3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の3次元直交座標系を用い、X軸方向及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向である。X軸方向が、ガラスリボンの幅方向であり、Y軸方向が、フロートガラス製造装置において成形されるガラスリボンの搬送方向である。フロートガラス製造装置の下から上に向かう方向を+Z軸方向とし、その反対方向を-Z軸方向とする。以下の説明において、+Z軸方向を上又は上方といい、-Z軸方向を下又は下方という場合があるが、普遍的な上下関係を表すものではない。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るフロートガラス製造装置1は、浴槽10、ルーフ20、ヒータ30、スパウトリップ40、ツイール50、ケーシング60、トップロール70、冷却ノズル80、磁石90、熱電素子100及び電気設備110を備える。フロートガラス製造装置1は、浴槽10内に貯留してある溶融金属Mの上に供給した溶融ガラスGを、浴槽10の上流側から下流側に流動させながら帯状のガラスリボンGRに成形する。
【0014】
フロートガラス製造装置1は、浴槽10の底面と冷却ノズル80との間に熱電素子100を備えることで、浴槽10の底面から放出される溶融金属Mによる熱と冷却ノズル80から放出された冷媒との温度差により熱電素子100で電力を生じさせる。これにより、フロートガラス製造装置1は、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できる。
【0015】
浴槽10は、溶融金属Mを貯留する。溶融金属Mとしては、例えば溶融スズが用いられる。溶融スズの他に、溶融スズ合金等も使用可能であり、溶融金属Mは溶融ガラスGよりも高い密度を有するものであればよい。溶融ガラスGは、溶融金属Mの上に連続的に供給され、溶融金属Mの平滑な液面を利用して、帯板状のガラスリボンGRに成形される。
【0016】
浴槽10は、ケーシング60のボトムケーシング61内に設置される。浴槽10は、略水平に配置された複数のレンガ11を含む。レンガ11は、四角形状に形成されている。
【0017】
レンガ11は、ケーシング60のサイドケーシング62に沿って枠状に配列されるサイドレンガ111と、残りのボトムレンガ112を有する。サイドレンガ111は、ボトムレンガ112よりも上方に突出し、溶融金属Mの液面よりも上方に突出する。ボトムレンガ112は、溶融金属Mの液面よりも下方に設けられる。複数のボトムレンガ112は、X軸方向及びY軸方向に2次元的に配列される。複数のサイドレンガ111は、複数のボトムレンガ112を囲むように、ボトムケーシング61の内側側面に沿って四角環状に配列される。ボトムケーシング61の外表面は、外気に曝され、自然冷却される。ボトムレンガ112は、ボトムケーシング61のボトム部611の内側底面を保護し、サイドレンガ111は、ボトムケーシング61のサイド部612の内側側面を保護する。
【0018】
ルーフ20は、側壁21と、横架材22、天井23を備える。
【0019】
側壁21は、浴槽10の上方に設けられる。側壁21は、複数のレンガ211を有し、レンガ211と浴槽10との間に隙間を有してよい。レンガ211は、鉛直方向に複数並べられてもよい。
【0020】
横架材22は、ケーシング60のサイドケーシング62の内面62aに、ケーシング60の天板63と天井23との間に隙間が設けられるように架設されている。横架材22は、ケーシング60と天井23との間に位置する。横架材22は、支持部材24により天井23を吊り下げた状態で支持している。
【0021】
支持部材24には、例えば、フック型のハンガー組立体が用いられる。ハンガー組立体は、例えば、天井23から吊り下げられた鋼線製の索条体と、索条体の下端に接合され、下端部に索条体に対して直角に延出したT字型のフック部を有し、索条体を天井23の貫通孔に挿通して、フック部で天井23の下端面を支持する。
【0022】
天井23は、浴槽10及びスパウトリップ40の上方に設けられ、浴槽10の上方を覆っている。天井23は、略水平に配置された、複数のルーフレンガ231を含む。
【0023】
浴槽10と天井23との間の空間Sは、溶融金属Mの酸化を防止するめ、還元性ガスで満たされ、大気圧よりも高い気圧に維持される。還元性ガスは、例えば、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスであり、窒素ガスを85体積%~98.5体積%、水素ガスを1.5体積%~15体積%含んでいる。還元性ガスは、天井23のルーフレンガ231同士の目地及び天井23のヒータ30の挿入用の孔から供給される。
【0024】
ヒータ30は、浴槽10の天井23から吊り下げられ、下方を通過するガラスリボンGRを加熱する。ヒータ30は、ガラスリボンGRの搬送方向(Y軸方向)と幅方向(X軸方向)に行列状に複数配列される。ヒータ30としては、例えば、SiCヒータ等の電気ヒータが用いられる。複数のヒータ30の出力を制御することにより、ガラスリボンGRの温度分布を制御でき、ガラスリボンGRの板厚分布を制御できる。
【0025】
図1に示すように、スパウトリップ40は、浴槽10の上流側の上部に設けられ、不図示の溶解装置で得られた溶融ガラスGが浴槽10に供給される供給流路に連結された流路である。スパウトリップ40は、浴槽10内の溶融金属Mの上に溶融ガラスGを連続的に供給する。
【0026】
ツイール50は、スパウトリップ40に設けられている。ツイール50は、スパウトリップ40に対して上下に移動自在であり、スパウトリップ40の上を流れる溶融ガラスGの流量を調整する。ツイール50とスパウトリップ40との間隔が狭くなるほど、スパウトリップ40の上を流れる溶融ガラスGの流量が少なくなる。
【0027】
ツイール50は、耐火物で構成される。ツイール50には、ツイール50と溶融ガラスGとの接触を防止する保護膜が形成されてよい。保護膜は、例えば白金又は白金合金で形成される。
【0028】
図1及び図2に示すように、ケーシング60は、浴槽10及びルーフ20の外周に設けられ、外気の混入を防止する。ケーシング60は、例えば、金属板を溶接して構成される。ケーシング60は、鉄等の磁性材料を含んでよい。
【0029】
ケーシング60は、ボトムケーシング61、サイドケーシング62及び天板63を有する。
【0030】
ボトムケーシング61は、略水平となるように設けられ、上面に浴槽10が設置される。ボトムケーシング61は、略水平に設けられた板状のボトム部611と、ボトム部611から周端から上方に突出したサイド部612とを有する。
【0031】
サイドケーシング62は、鉛直に設けられている。サイドケーシング62は、ボトムケーシング61の周縁から上方に突出する。サイドケーシング62は、ツイール50との間に隙間が形成されるように設けられる。
【0032】
天板63は、サイドケーシング62の上端に略水平に設けられている。
【0033】
図1に示すように、トップロール70は、ガラスリボンGRの幅方向端部を押さえながら回転し、ガラスリボンGRを送り出す。トップロール70は、図3に示すように、ガラスリボンGRの幅方向両側に一対設けられ、ガラスリボンGRの幅方向の収縮を抑制する。これにより、ガラスリボンGRの板厚を平衡厚みよりも薄くできる。一対のトップロール70は、ガラスリボンGRの流れ方向に間隔をおいて複数設けられる。
【0034】
図1及び図2に示すように、冷却ノズル80は、ボトムケーシング61のボトム部611の下方に設けられている。冷却ノズル80は、送風管81の複数の分岐管の先端に接続されている。冷媒は、不図示の送風機より、送風管81を通って、それぞれの冷却ノズル80に供給される。冷却ノズル80は、先端に噴射口80aを有し、噴射口80aから、ボトムケーシング61の下面(ボトム部611の下面611a)に向けて冷媒を真上に噴射する。冷却ノズル80は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに向けて冷媒を噴射することで、ボトムケーシング61の熱を吸収してボトムケーシング61を冷却し、ボトムケーシング61と溶融金属Mの反応を抑制する。
【0035】
また、冷却ノズル80は、熱電素子100よりも下方に位置するように設けられている。これにより、熱電素子100は、冷却ノズル80から噴射される冷媒により冷却され、冷却ノズル80から噴射される冷媒とボトムケーシング61から伝わる熱との温度差を利用して発電させ易くなる。
【0036】
冷媒は、例えば、ボトムケーシング61の温度を溶融金属Mの融点よりも低い温度に冷却し、ボトムケーシング61に達した溶融金属Mを固化させる。冷媒は、例えば、空気である。なお、冷媒は、水、又は空気と水の混合物であってもよい。
【0037】
冷却ノズル80は、ケーシング60の底面視において、それぞれのレンガ11の底面の略中央に位置するように配置されてよい。図4は、図1のII-II方向視の部分拡大図であり、ケーシング60の底面図である。なお、図4では、冷却ノズル80及び送風管81の位置を破線で示し、熱電素子100に連結される導線120は省略する。図4に示すように、隣り合うボトムレンガ112同士の間には、目地12が形成される。隣り合うボトムレンガ112とサイドレンガ111の間には、目地13が形成される。隣り合うサイドレンガ111同士の間には、目地14が形成される。これらの目地12、13、14に溶融金属Mが流れ込み、目地12、13、14を通過すると、ボトムケーシング61に達し、ボトムケーシング61に沿って広がる。冷却ノズル80は、上述のように、噴射口80aが、ボトムケーシング61の底面視において、それぞれのサイドレンガ111又はボトムレンガ112の底面の略中央に位置するように配置される。これにより、冷却ノズル80は、噴射口80aからボトムレンガ112又はサイドレンガ111の底面の略中央に向けて冷媒を噴射できる。冷却ノズル80は、噴射口80aから、目地12、13及び14を通り抜け、目地12、13及び14から横に広がった溶融金属Mに向けて冷媒を噴射できる。ボトムケーシング61は、冷却ノズル80から放出された冷媒により冷却することで、溶融金属Mにより腐食されることが抑えられる。
【0038】
冷却ノズル80は、ケーシング60の底面視において、略矩形格子状に配列され、隣り合うレンガ11の間の目地に略平行となるように配置されてよい。複数のレンガ11がボトムケーシング61内にX軸方向及びY軸方向に2次元的に配列されているため、目地12、13、14は、矩形格子状に形成される。冷却ノズル80が、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列されると、冷却ノズル80は、ケーシング60の底面視において、目地12、13、14に略平行に、サイドレンガ111又はボトムレンガ112の底面の略中央に位置するように配置し易い。なお、冷却ノズル80は、矩形格子状以外に、三角格子状、斜方格子状、六角格子状(千鳥状)等の形状に配列されてよい。
【0039】
また、冷却ノズル80は、噴射口80aを冷却ノズル80の側面に設けてもよい。噴射口80aが熱電素子100の横に位置するため、冷却ノズル80は、噴射口80aから、熱電素子100の真横に向けて冷媒を噴射できる。熱電素子100は、噴射口80aから噴射される冷媒により、熱電素子100の全面が冷却されやすくなるため、冷媒によるケーシング60の冷却効率を向上できる。
【0040】
さらに、冷却ノズル80は、噴射口80aがボトムケーシング61のサイド部612の外表面612aに対向するように設けて、噴射口80aから、例えば、それぞれのサイドレンガ111の側面の略中央に向けて冷媒を噴射させてよい。溶融金属Mは、隣り合うサイドレンガ111同士の間の目地14を通って、サイドレンガ111の側面に広がる。冷媒によってサイドレンガ111の側面の略中央を冷却することで、溶融金属Mの通り道である目地14からサイドレンガ111の側面に広がった溶融金属Mを冷却できる。
【0041】
冷却ノズル80と熱電素子100との上下方向における距離は、ボトムケーシング61及び熱電素子100を冷却できればよく、ボトムケーシング61の大きさ、熱電素子100の設置数、冷却ノズル80又は熱電素子100の配置の仕方等に応じて適宜設計される。
【0042】
図1及び図2に示すように、磁石90は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに取り付けられている。ボトムケーシング61は、例えば、金属板等で形成されるため、磁石90は、ボトムケーシング61に吸着できる。磁石90は、ボトムケーシング61に吸着できれば、磁石以外の金属材料で形成されてもよい。
【0043】
磁石90は、図4に示すように、ボトムケーシング61の底面視において、隣り合うレンガ11の間の目地12、13、14に沿うように、ボトム部611の下面611aに配置してよい。磁石90に熱電素子100が取り付けられることで、熱電素子100を隣り合うレンガ11の間の目地12、13、14に沿うように、ボトム部611の下面611a側に配置できる。
【0044】
磁石90は、ボトムケーシング61の底面視において、矩形格子状に配列してよい。磁石90に熱電素子100が取り付けられることで、熱電素子100を目地12、13、14に沿うように、矩形格子状に、ボトム部611の下面611a側に配置できる。
【0045】
図1及び図2に示すように、熱電素子100は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに磁石90を介して取り付けられる。熱電素子100は、ボトム部611の下面611aに磁石90を介して取り付けられているため、ボトムケーシング61からの熱を検知できる。なお、熱電素子100は、ボトムケーシング61のサイド部612の外表面612aに取り付けられてもよいし、外表面612aと所定の空間を有するように設けられてよい。
【0046】
また、熱電素子100は、冷却ノズル80よりも上方に位置するように配置される。熱電素子100が、ボトムケーシング61の底面視において、冷却ノズル80と異なる位置に設けられても、熱電素子100は、冷却ノズル80から噴射される冷媒により冷却される。このため、熱電素子100は、ボトムケーシング61からの熱と冷媒による冷却とによる温度差を利用して電力を生じやすい。
【0047】
熱電素子100は、例えば、熱伝導シート、熱伝導グリース、熱伝導テープ等、温度差によって発電可能な一般的な熱伝素子を用いてよい。また、熱電素子100は、一般的な熱伝素子に、放熱フィン等を組み合わせてもよい。
【0048】
熱電素子100は、シート状及び柱状等、適宜任意の形状を有してよい。
【0049】
なお、熱電素子100をボトムケーシング61に固定する方法は、磁石90を用いる方法に限定されず、溶接等一般的な固定方法を用いてよい。
【0050】
熱電素子100の配置場所は、ボトム部611の下面611aに取り付けられる磁石90の配置場所を調整することに調整できる。熱電素子100は、ボトムケーシング61の底面視において、磁石90と略同じ位置に設けられる。
【0051】
熱電素子100は、ボトムケーシング61の底面視において、隣り合うレンガ11の間の目地12、13、14に沿うように、ボトム部611の下面611aに磁石90を介して配置してよい。これにより、熱電素子100は、隣り合うレンガ11の間の目地12、13、14に沿うように、ボトム部611の下面611a側に配置できる。
【0052】
図4に示すように、熱電素子100は、目地12又は目地13に沿って格子状に配置されている。ボトムケーシング61の下面に直交する方向(具体的には下方)から見たときに、熱電素子100は、目地12又は目地13と重なっている。熱電素子100は、溶融金属Mの通り道である目地12又は目地13から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却との間に生じる温度差より発電できる。また、冷却ノズル80から噴射される冷媒により熱電素子100は冷却されているため、目地12又は目地13を熱電素子100により、効率的に冷却でき、冷媒の使用量を低減できる。
【0053】
熱電素子100は、ボトムケーシング61の底面視において、ボトム部611の下面611aに磁石90を介して矩形格子状に配列してよい。これにより、熱電素子100は、矩形格子状に、ボトム部611の下面611a側に配置できる。
【0054】
ボトムレンガ112の下面は、矩形であって、複数の目地12、13から選ばれる4つの目地(例えば4つの目地12、3つの目地12と1つの目地13、又は2つの目地12と2つの目地13)で四方を囲まれている。複数の熱電素子100が矩形格子状に配列されることで、溶融金属Mの通り道である目地12又は目地13から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却との間に生じる温度差を生じさせるため、効率的に発電できる。また、冷却ノズル80から噴射される冷媒により熱電素子100は冷却されているため、目地12又は目地13を熱電素子100により集中的に冷却できる。溶融金属Mの通り道から外れた箇所の冷却を抑制でき、冷媒の使用量を低減できる。
【0055】
また、熱電素子100は、フロートガラス製造装置1を下方から見たとき、即ち、ケーシング60の底面視において、複数の目地12、13から選ばれる4つ又は3つの目地が交差する交点に重なっていてもよい。
【0056】
なお、図示しないが、熱電素子100は、ボトムケーシング61のサイド部612の外表面612aに取り付けられてもよい。この場合、サイド部612に直交する方向(例えば、X軸方向又はY軸方向)から見たときに、熱電素子100は、サイドレンガ111の壁面に位置している。熱電素子100は、サイド部612の外表面612aから伝わる熱と外部の空気との温度差により発電できる。また、熱電素子100は、ボトムケーシング61のサイド部612の外表面612aの目地14に沿って線状に配置されてもよい。溶融金属Mの通り道である目地14から伝わる熱と外部の空気との温度差がより生じることで、熱電素子100は、より効率良く発電できる。
【0057】
フロートガラス製造装置1は、熱電素子100とボトムケーシング61の間に不図示の熱伝導層を備えてもよい。熱伝導層は、熱電素子100とボトムケーシング61との間の熱伝導率を向上させるため、熱電素子100は、ボトムケーシング61から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却とにより温度差をより生じさせることで、効率的に発電できる。
【0058】
図1に示すように、電気設備110は、熱電素子100と導線120で接続されている。熱電素子100で生じた電力は、導線120を介して電気設備110に供給される。電気設備110は、フロートガラス製造装置1で使用される設備であり、例えば、エナジーハーベストセンサ、温度センサ、湿度センサ、温湿度センサ、風速センサ、風速計、温湿度計、風速温度計及び風速温湿度計の検出器、並びにポンプ等のアクチュエータ等である。電気設備110は、これらの一つでもよいし、2つ以上でもよい。
【0059】
上記のように構成されたフロートガラス製造装置1では、浴槽10内の溶融金属Mの上に溶融ガラスGが連続的に供給され、供給された溶融ガラスGは溶融金属Mの上で流動させながら帯状のガラスリボンGRに成形される。
【0060】
溶融ガラスGは、不図示の溶解装置で得られたガラス原料を溶解して製造される。ガラス原料は、複数種類の材料を混ぜて調製される。ガラス原料は、ガラスをリサイクルすべく、ガラスカレットを含んでもよい。ガラス原料は、粉体原料でもよいし、当該粉体原料を造粒した造粒原料でもよい。
【0061】
不図示の溶解装置で得られた溶融ガラスGは、浴槽10に供給されて成形される前に、不図示の清澄装置で溶融ガラス中に含まれる気泡を除去してよい。気泡を除去する方法として、例えば、溶融ガラスの周辺雰囲気を減圧する方法、及び溶融ガラスを高温に加熱する方法から選ばれる1つ以上が用いられる。
【0062】
浴槽10で成形されたガラスリボンGRは、浴槽10の下流域において溶融金属Mから引き上げられた後、不図示の徐冷装置で徐冷され、不図示の加工装置で所望の形状に加工される。加工装置は、ガラスリボンGRの切断、研削、研磨及び所望の膜の形成等の1つ以上を行ってよい。加工装置でガラスリボンGRを加工することで、所望の形状を有するガラス物品であるフロートガラス(板ガラス)が得られる。
【0063】
フロートガラスは、例えば、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス又はソーダライムガラス等である。無アルカリガラスとは、NaO、KO等のアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスを意味する。ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.1質量%以下を意味する。
【0064】
フロートガラスの用途は、特に限定されないが、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等)のカバーガラス、自動車のウィンドシールド等である。フロートガラスの用途がカバーガラス又はウィンドシールドである場合、フロートガラスは化学強化用ガラスである。化学強化用ガラスは、無アルカリガラスとは異なり、アルカリ金属酸化物を含有する。
【0065】
フロートガラスの厚みは、フロートガラスの用途に応じて選択される。フロートガラスの用途がディスプレイのカバーガラスである場合、フロートガラスの厚みは、例えば、0.1mm~5.0mmである。フロートガラスの用途がディスプレイのガラス基板である場合、フロートガラスの厚みは、例えば、0.1mm~0.7mmである。フロートガラスの用途が自動車のウィンドシールドである場合、フロートガラスの厚みは、例えば、0.2mm~3.0mmである。
【0066】
このように、フロートガラス製造装置1は、浴槽10、冷却ノズル80、熱電素子100及び電気設備110を備える。熱電素子100は、浴槽10の底面と冷却ノズル80との間に設けられることで、浴槽10の底面から放出される溶融金属Mによる熱と冷却ノズル80から放出された冷媒との温度差により電力を生じる。生じた電力は、電気設備110に送られ、電気設備110で用いられる。よって、フロートガラス製造装置1は、電気設備110で必要な電力を装置内で生じた電力を用いることができるため、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できる。
【0067】
フロートガラス製造装置1は、浴槽10を、複数のレンガ11を備える。溶融金属Mがレンガ11同士の間に形成された、複数の目地12、13、14を通過して、ケーシング60に達し、ボトムケーシング61に沿って広がる。フロートガラス製造装置1は、複数の熱電素子100を、それぞれのレンガ11の底面の略中央に位置するように配置できる。これにより、フロートガラス製造装置1は、複数の熱電素子100で、ボトムケーシング61から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却とにより生じる温度差を利用して発電できる。また、フロートガラス製造装置1は、ケーシング60を、冷却ノズル80から放出された冷媒により冷却できるため、ケーシング60が溶融金属Mにより腐食されることを抑える。
【0068】
フロートガラス製造装置1は、熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、隣り合うレンガ11の間の目地12、13、14に沿うように配置する。溶融金属Mは、目地12、13、14の位置にあるケーシング60と最も接触し易いため、目地12、13、14の位置にあるケーシング60が最も高温となっている。フロートガラス製造装置1は、熱電素子100で、目地12、13、14の位置にあるボトムケーシング61から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却とにより温度差をより生じさせ易くなるため、効率的に発電できる。また、フロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80から放出された冷媒により冷却された熱電素子100を介してボトムケーシング61を冷却できる。よって、フロートガラス製造装置1は、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用すると共に、ケーシング60の溶融金属Mによる腐食を効果的に抑制できる。
【0069】
フロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80及び熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列する。複数のレンガ11の間の目地12、13、14は、矩形格子状に形成される。フロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80を、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列することで、各熱電素子100で生じる電力のばらつきを抑えると共に、ケーシング60を略均等に冷却できる。また、フロートガラス製造装置1は、熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列することで、熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、レンガ11の間の目地12、13、14に沿うように配置できる。これにより、フロートガラス製造装置1は、各熱電素子100から電力を略均等に生じさせると共に、ケーシング60を冷却ノズル80から放出された冷媒により効率良く略均等に冷却できる。よって、フロートガラス製造装置1は、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーをより有効に活用すると共に、ケーシング60の溶融金属Mによる腐食を効果的に抑制できる。
【0070】
フロートガラス製造装置1は、冷媒に、空気、水、又は空気と水の混合物を用いる。これらは、ケーシング60に触れても、ケーシング60に腐食は生じさせず、簡易に低コストで使用できる。よって、フロートガラス製造装置1は、ケーシング60の冷却及び熱電素子100での起電力の生成をより低コストで簡易に行う。
【0071】
フロートガラス製造装置1は、電気設備110に、検出器及びアクチュエータの少なくとも1つ以上を用いる。これにより、フロートガラス製造装置1は、電気設備110に電力を供給できるため、フロートガラス製造装置1の運転コストを抑える。
【0072】
フロートガラス製造装置1は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに磁石90を備える。これにより、フロートガラス製造装置1は、熱電素子100を磁石90を介して下面611aに容易に設けることができる。
【0073】
フロートガラス製造装置1は、熱電素子100をケーシング60に圧着して設ける。熱電素子100がケーシング60に直接接することで、熱電素子100で検知される電力差をより大きくできるため、熱電素子100で生じる電力は増大する。よって、フロートガラス製造装置1は、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーをより効率良く活用すると共に、ケーシング60の溶融金属Mによる腐食を効果的に抑制できる。
【0074】
なお、本実施形態においては、図5に示すように、熱電素子100は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに、磁石90を介して、冷却ノズル80と略同じ位置になるように設けられてよい。即ち、熱電素子100は、ボトムケーシング61のボトム部611の下面611aに、磁石90を介して、それぞれのサイドレンガ111又はボトムレンガ112の底面の略中央に位置するように設けられてよい。
【0075】
本実施形態においては、熱電素子100が、ボトムケーシング61の底面視において、目地12又は目地13と重なる位置に配置されているが、冷却ノズル80と熱電素子100の少なくとも一方が、ボトムケーシング61の底面視において、目地12又は目地13と重なる位置に配置されてよい。
【0076】
例えば、図6に示すように、少なくとも1つの冷却ノズル80は、その噴射口80aがボトムケーシング61の底面視において目地12又は目地13と重なる位置となるように配置してよい。即ち、少なくとも1つの冷却ノズル80は、その噴射口80aが、ケーシング60の底面視において、目地12又は目地13と重なるように配置すると共に、熱電素子100と重なるように配置してよい。これにより、冷却ノズル80は、噴射口80aから、溶融金属Mの通り道である目地12、13に向けて冷媒を噴射できる。
【0077】
また、冷却ノズル80及び熱電素子100は、いずれも、フロートガラス製造装置1を下方から見た時、即ちボトムケーシング61の底面視において、複数の目地12、13から選ばれる4つ又は3つの目地が交差する交点に重なっていてもよい。
【0078】
さらに、少なくとも1つの冷却ノズル80は、ボトムケーシング61の底面視において、目地14(図4参照)と重なる位置となるように、配置されてよい。これにより、少なくとも1つの冷却ノズル80は、噴射口80aから目地14(図4参照)に向けて冷媒を噴射できる。
【0079】
図6に示すフロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80及び熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、隣り合うレンガ11同士の間の目地12、13、14に沿うように配置する。溶融金属Mは、目地12、13、14の位置にあるボトムケーシング61と最も接触し易い。フロートガラス製造装置1は、熱電素子100で、目地12、13、14の位置にあるボトムケーシング61から伝わる熱と冷却ノズル80から噴射される冷媒による冷却とにより温度差をより生じさせ易くなるため、効率的に発電できる。また、フロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80から放出された冷媒により熱電素子100を冷却することで、目地12、13、14を集中的に冷却できるため、ボトムケーシング61を効率的に冷却でき、冷媒の使用量を低減できる。よって、フロートガラス製造装置1は、ケーシング60の溶融金属Mによる腐食を効果的に抑えながら、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用できる。
【0080】
また、図6に示すフロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80及び熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列してよい。複数のレンガ11の間の目地12、13、14は、矩形格子状に形成される。フロートガラス製造装置1は、フロートガラス製造装置1は、冷却ノズル80及び熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、矩形格子状に配列することで、冷却ノズル80及び熱電素子100を、ケーシング60の底面視において、レンガ11の間の目地12、13、14に沿うように配置できると共に、ケーシング60を略均等に冷却でき、各熱電素子100で生じる電力のばらつきを抑える。これにより、フロートガラス製造装置1は、各熱電素子100から電力を略均等に生じさせると共に、ボトムケーシング61を冷却ノズル80から放出された冷媒により効率良く冷却できる。よって、フロートガラス製造装置1は、溶融ガラスGからフロートガラスを製造する際に生じるエネルギーを有効に活用すると共に、ケーシング60の溶融金属Mによる腐食を効果的に抑制できる。
【0081】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
なお、本発明の実施形態の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 溶融ガラスを溶融金属の上で流動させながら帯状のガラスリボンに成形し、フロートガラスを製造するフロートガラス製造装置であって、
前記溶融金属を貯留する浴槽と、
前記浴槽の周囲に配置されるケーシングと、
前記ケーシングの外表面に向けて冷媒を噴射する冷却ノズルと、
一端が前記ケーシング側に設けられ、他端が前記冷却ノズル側に設けられた熱電素子と、
前記熱電素子と電気的に接続されている電気設備と、
を備えるフロートガラス製造装置。
<2> 前記浴槽が、前記溶融金属に接する複数のレンガを備える<1>に記載のフロートガラス製造装置。
<3> 前記冷却ノズル及び前記熱電素子の少なくとも一方が、前記ケーシングの底面視において、隣り合う前記レンガの間の目地に沿って配置される<2>に記載のフロートガラス製造装置。
<4> 前記冷却ノズル及び前記熱電素子が、前記ケーシングの底面視において、矩形格子状に配列されている<1>~<3>の何れか一つに記載のフロートガラス製造装置。
<5>前記冷媒が、空気、水、又は空気と水の混合物である<1>~<4>の何れか一つに記載のフロートガラス製造装置。
<6> 前記電気設備が、検出器及びアクチュエータの少なくとも1つ以上である<1>~<5>の何れか一つに記載のフロートガラス製造装置。
<7> <1>~<6>の何れか一つに記載のフロートガラス製造装置を用いて、前記溶融ガラスを前記溶融金属の上で流動させながら前記ガラスリボンに成形するフロートガラスの製造方法。
【符号の説明】
【0083】
1 フロートガラス製造装置
10 浴槽
20 ルーフ
21 側壁
22 横架材
23 天井
30ヒータ
60 ケーシング
62a 内面
61 ボトムケーシング
611 ボトム部
612 サイド部
62 サイドケーシング
63 天板
80 冷却ノズル
90 磁石
100 熱電素子
110 電気設備
M 溶融金属
G 溶融ガラス
GR ガラスリボン
図1
図2
図3
図4
図5
図6