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特開2024-102096光源のキャビティの圧力制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102096
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】光源のキャビティの圧力制御システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20240723BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20240723BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20240723BHJP
   H01S 3/13 20060101ALI20240723BHJP
   G02F 1/37 20060101ALN20240723BHJP
   H01L 21/66 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
G01N21/956 A
H01S3/00 F
G01N21/84 E
H01S3/13
G02F1/37
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064789
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2021574967の分割
【原出願日】2020-06-16
(31)【優先権主張番号】62/862,890
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/719,868
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲーマネンコ イゴール
(57)【要約】
【課題】光源のキャビティにおける圧力を制御するためのシステムを提供する。
【解決手段】1つのシステムは、光源のキャビティの圧力を測定するために構成された気圧センサを備える。システムは、キャビティの1種類以上のガスの量を制御するために構成された1つ以上のガスフロー要素もまた含む。さらに、システムは、制御サブシステムを備え、制御サブシステムは、測定された圧力を圧力の値の所定範囲と比較するために構成され、測定された圧力が所定範囲から外れる場合、比較の結果に基づき、1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更するために構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源の光を生成するためのガス状活性物質を含むキャビティ内の圧力を制御するように構成されたシステムであって、
前記レーザ光源の前記キャビティ内の前記圧力を測定するように構成された気圧センサと、
前記キャビティ内の1つ以上のガスの量を制御するように構成された1つ以上のガスフロー要素と、
測定された前記圧力を前記圧力に対する値の所定範囲と比較し、測定された前記圧力が前記所定範囲外にあるとき、前記比較の結果に基づいて前記1つ以上のガスフロー要素のガスフローに関係する少なくとも1つのパラメータを変更するように構成された制御サブシステムと、
前記レーザ光源によって生成された光を試料に向けるように構成された照明サブシステムと、
前記試料からの光を検出するように構成された検出サブシステムと、
前記検出サブシステムによって生成された検出光に応答する出力に基づいて前記試料上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムと、
を含むシステム。
【請求項2】
前記試料は、ウェーハであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レーザ光源は、単波長光を発生するレーザであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記レーザ光源は、狭帯域光を生成するように構成されたレーザであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記キャビティは、前記レーザ光源の高調波発生キャビティであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記キャビティは、前記レーザ光源の赤外線キャビティであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記キャビティは、前記レーザ光源のメインキャビティであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
レーザ光源の光を生成するためのガス状活性物質を含むキャビティ内の圧力を制御するように構成されたシステムであって、
前記レーザ光源のキャビティ内の圧力を測定するように構成された気圧センサと、
前記キャビティ内の1つ以上のガスの量を制御するように構成された1つ以上のガスフロー要素であって、前記キャビティ及びクリーンドライエア源に連結された第1のガスフロー導管と、前記キャビティおよび排気装置に結合された第2のガスフロー導管を含み、前記第1および第2のガスフロー導管、前記クリーンドライエア源、および前記排気装置は、前記キャビティ内に正圧を生じさせるように構成され、さらに、前記キャビティに結合されたパージ導管と、前記パージ導管に結合された背圧調整器とを備える1つ以上のガスフロー要素と、
測定された前記圧力を前記圧力の値の所定範囲と比較し、測定された前記圧力が前記所定範囲外である場合、比較の結果に基づいて、前記1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更するように構成された制御サブシステムと、
を含み、前記制御サブシステムによって変更されるパラメータは、前記背圧調整器のパラメータを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、光源のキャビティにおける圧力を制御するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の記載および実施例は、この項目に含まれることを理由として、先行技術とは認められない。
【0003】
論理デバイスやメモリデバイスなどの半導体装置を製造することは、通常、多くの半導体製造工程を用いて半導体ウェーハなどの基板を処理し、半導体装置のさまざまな特徴および複数の高さを形成することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェーハに配置されたレジストにパターンを転写することを含む半導体製造工程である。半導体製造工程のさらなる実施例には、化学機械研磨(CMP)、エッチング、蒸着、イオン注入が含まれるが、これらに限定されない。複数の半導体装置を単一の半導体ウェーハに配置して製造し、その後、個々の半導体装置に分離してもよい。
【0004】
検査工程は、半導体製造工程の間、さまざまな段階に用いられ、ウェーハや他の基材の欠陥を検知し、製造工程において、より高い歩留りと、それに伴うより高い利益率を推進する。検査はこれまでも常に集積回路(IC)などの半導体装置の製造において重要な一部であった。しかし、半導体装置の寸法が小さくなるにつれて、より小さな欠陥が装置の故障を引き起こすことがあるため、検査は許容できる半導体装置の正常な製造にとって、より一層重要になってきている。
【0005】
これらの有用性を制限するように検査結果に悪影響を与え得るいくつかのばらつきが存在する。例えば、ウェーハを形成するのに用いられる工程におけるばらつきは、ウェーハの欠陥を必ずしも引き起こさないものの、検査によってそのように検知され得る、ウェーハの変化を(例えば、ウェーハからウェーハおよび/またはウェーハ全体に対して)引き起こす。検査工程または検査ツールにおけるばらつきもまた、検査結果に悪影響を与える。例えば、検査ツールパラメータは、時間とともにドリフトすることがあり、検査結果に悪影響を与えることがある。具体的には、検査ツールのパラメータが予期せずにシフトする場合、検査ツールはウェーハの欠陥の異常数を検知することがあるが、その多くは、実際の欠陥ではない。検査ツールパラメータのシフトが検出されずに検査結果に影響を与えると、ツールがドリフトしたことが検査結果から明白でない限り、その検査結果は、検査試料に対して行われた工程を変更するために役立たない、および/または、好ましくない方法で用いられる。
【0006】
検査試料および検査ツールパラメータの非欠陥に関係するばらつきに対して最小化および/または補償を試み、検査結果に対するそのようなばらつきの影響を最小化するために、多くのエネルギーと時間が費やされてきた。さらに、多くの検査工程および検査ツールが、最大性能限界で、または最大性能限界付近で作動しているため、かつて重要ではなかったかもしれないパラメータのばらつきは、近頃、検査結果に対し重大な悪影響を及ぼしている。発明者が発見した、検査結果に対して重大な悪影響を及ぼすことがあるそのような1つのパラメータは、検査ツールレーザの、および/または、検査ツールレーザの周りの気圧変化である。しかし、現在のレーザで気圧を安定させるための方法が利用されているとは考えられていない。具体的に、最新式の方法は、レーザ内部の光学調整を用いて気圧変化を補償する方法、または、まったく補償を行わない方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4977573号
【特許文献2】国際公開第2019/040300号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、現在利用されている検査安定化プロセスおよび検査安定システムにはいくつかの課題がある。例えば、上記のとおり、発明者により潜在的な問題として特定されるいくつかのパラメータのばらつきは、何らかの方法によって監視または制御されるとは考えられていない。さらに、気圧変化を補償するために現在利用されている方法は、反応時間が比較的遅く、補償範囲、補償アルゴリズムの全体的な複雑さから十分なものではない。さらに、気圧変化に対応するフィードバックループで用いられる単一のパラメータがない。
【0009】
したがって、上記の1つ以上の課題を有しない、光源のキャビティにおける圧力を制御するためのシステムおよび/または方法を開発することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下のさまざまな実施形態の記載は、添付された特許請求の範囲の発明の主題を限定するように解釈されない。
【0011】
1つの実施形態は、光源のキャビティにおける圧力を制御するように構成されたシステムに関する。システムは、光源のキャビティにおける圧力を測定するために構成された気圧センサを含む。システムはまた、キャビティの1種類以上のガスの量を制御するために構成された、1つ以上のガスフロー要素を含む。さらに、システムは、測定された圧力を、圧力の値の所定範囲と比較し、測定された圧力がその所定範囲から外れる場合、比較の結果に基づいて1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更するために構成された制御サブシステムを含む。システムは、本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。
【0012】
別の実施形態は、光源のキャビティにおける圧力を制御するための、コンピュータ実装方法に関する。この方法は、光源のキャビティにおける圧力を測定し、1つ以上のガスフロー要素を用いてキャビティの1種類以上のガスの量を制御することを含む。この方法は、測定された圧力を、圧力の値の所定範囲と比較することを含む。測定された圧力が、その所定範囲から外れる場合、本方法は、比較の結果に基づいて1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更することをさらに含む。
【0013】
上記の方法におけるそれぞれのステップが、本明細書にさらに記載されるように行われてもよい。さらに、上記の方法には、本明細書に記載される他の方法が含まれてもよい。さらに、上記の方法は、本明細書に記載されるシステムのいずれかによって行われてもよい。
【0014】
さらなる実施形態は、光源のキャビティの圧力を制御するためにコンピュータ実装方法を行うための、コンピュータシステムで実施可能なプログラム命令を格納する、非一時的コンピュータ可読媒体に関する。コンピュータ実装方法は、上記の方法のステップを含む。コンピュータ可読媒体は、本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。コンピュータ実装方法のステップは、本明細書にさらに記載されるとおりに行われてもよい。加えて、プログラム命令が実施可能であるコンピュータ実装方法は、本明細書に記載される他の方法のうち、他のステップを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の詳細な説明を読み、以下の添付図面を参照することにより、本発明のその他の目的および利点が明らかになるであろう。
図1】光源のキャビティにおける圧力を制御するように構成されたシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
図2】光源のキャビティにおける圧力を制御するように構成されたシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
図3】本明細書に記載されるシステムの実施形態に含まれてもよい背圧調整器の一実施形態の断面図を示す概略図である。
図4】光源のキャビティにおける圧力を制御するように構成されたシステムの実施形態の側面図を示す概略図である。
図5】本明細書に記載のとおり構成されたシステムの実施形態により圧力が制御されてもよい光源を含む、光学システムの一実施形態の側面図を示す概略図である。
図6】光源のキャビティにおける圧力を制御するための方法に含まれるステップの一実施形態を示すフローチャートである。
図7】本明細書に記載される1つ以上のコンピュータ実装方法を実施するための、コンピュータシステムで実施可能なプログラム命令を格納する、非一時的コンピュータ可読媒体の一実施形態を示すブロック図である。
【0016】
本発明は、さまざまな変更や代替形態が可能であるが、その具体的な実施形態が図面における例を用いて示され、本明細書で詳細に示される。しかし、図面および詳細な説明は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを目的とせず、それとは対照的に、添付された特許請求の範囲により定義される本発明の趣旨と範囲に対応する全ての変更、均等物、および、代替物を対象とすることを意図することが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、図面は一律の縮尺に従わずに描かれている。具体的には、図面のいくつかの構成要素の縮尺は、構成要素の特徴を強調するように大幅に誇張される。また、図面は、同じ縮尺で描かれない。同じように構成されてもよい1つ以上の図面に示される構成要素は、同一の参照符号を用いて示される。そうでないことが本明細書で記載されない限り、記載され描かれる構成要素はいずれも、適宜、市販の構成要素を含んでもよい。
【0018】
本明細書に記載される実施形態は、全体として、改善されたレーザまたは他の光源性能の気圧安定化に関する。本明細書に記載される実施形態は、信頼性、安定性、および長寿命化の観点から、レーザなどの光源を改良する。複数の実施形態は、全体としてレーザまたは他の光源ハウジング内部の気圧を制御し、気圧変化のばらつきの影響を受けないように構成される。
【0019】
現在、使用されているいくつかの検査ツールは、熱電冷却機(TEC)(例えば、ニュージャージー州、ニュートン、Thorlabsから市販されるTEC XXXX型)を用いてエタロンの温度を最適化することによって、気圧変化を補償するためにバックグラウンドで赤外線(IR)エンジンの実行時における最適化を常に行うレーザを含む。発明者が収集したデータによれば、レーザ圧力降下は、付近の荒天に起因する気圧の変化に対応することが観察された。圧力降下は、TEC調整と相互に関係する。また、圧力が上昇し始め、位置ずれによりレーザが強まったり弱まったりした後、TECもまたより良い方向に上昇することを発明者は観測した。エタロン作動設定値は不安定なため、レーザ環境補償制御が範囲を超える。TEC設定値は、臨界温度(例えば、20℃)に非常に近い場合があるため、調節を必要とする場合がある。設定値は、赤外線(IR)最適化を実行することにより調節できる。
【0020】
エタロン作動設定値が不安定である場合、または、レーザ環境補償制御がその他の点について不安定である場合、それが、レーザからの光を用いて試料に生成された画像に影響を及ぼすことがある。例えば、レーザの不安定性が試料の画像に高周波強度の発振を引き起こすことがある。強度振動は、試料画像に垂直バンディングとして現れることがあり、検査の感度に変化を引き起こすことがある。具体的には、高周波強度の発振によって、より大きく検出され得る最小サイズの欠陥が生じることがある(検査の感度はより低くなることを意味する)。したがって、気圧変化により、検査結果における欠陥の数が少なくなり、また、気圧変化は、検査結果における欠陥の数に相関する。発明者が本明細書で提案するのは、エタロンの温度を調整して、気圧変化を補償するのではなく、レーザヘッド(または他の光源)内部の圧力を安定させて、レーザ(または他の光源)が気圧変化に対する影響をより受けにくくすることである。
【0021】
一実施形態は、光源のキャビティにおける圧力を制御するように構成されたシステムに関する。一実施形態において、光源は、単波長光を生成するように構成されたレーザである。別の実施形態において、光源は、狭帯域光を生成するように構成されたレーザである。「狭帯域光」とは、本明細書全体を通じて、10nm未満の波長帯におよぶ1つ以上の波長を有する光(例えば、190nmから200nm)として定義される。例えば、本明細書に記載される実施形態は、単一モード(または単波長)狭帯域、CWレーザにとって特に有利である。そのようなレーザによって生成される光は、赤外(IR)、可視、紫外(UV)、深紫外(DUV)光であってもよい。本明細書に記載される実施形態は、多重モードレーザに用いられてもよいが、周囲圧力に対する波長依存性の効果は、そのようなレーザにとって特に不可欠なものではない。しかし、特定の応用分野において、出力光の波長安定性が重要である場合、マルチモードレーザ、パルスレーザ、または、モードロックレーザであっても有益になり得る。これらの実施形態は、ダイオードおよびファイバーレーザにおける圧力を安定化させるために利用されてもよい。したがって、一般的に、本明細書に記載される実施形態は、波長安定性が重要かつ波長安定性が光源の圧力のばらつきに依存する、光源の圧力を制御するために用いられてもよい。実施形態のいくつかは、レーザについて本明細書に具体的に記載されるが、いずれの実施形態もレーザ光源に限定されない。
【0022】
本明細書に記載される実施形態は、エキシマーレーザ、アルゴンレーザなどのいくつかのガスレーザで実施されるものとは異なる圧力制御を提供する。例えば、いくつかのガスレーザは、光が生成された後、レーザによって発せられる、ガス状活性媒質を含むキャビティを有する。そのようなレーザにおいて、活性媒質の圧力は、それが収容されるキャビティで制御されてもよい(例えば、活性媒質をゲイン制御するため)。しかし、その圧力は、本明細書で記載される実施形態により制御されている圧力ではない。具体的には、本明細書で記載される実施形態により制御される圧力は、光源のキャビティ内の大気圧(気圧)である。したがって、レーザのガス状活性媒質の圧力は、光源内の気圧とは異なっていてもよい。そのような一実施形態において、ガス状活性媒質は、光源内のキャビティに収容されてもよく、キャビティ内の圧力は制御されてもよい。しかし、そのような圧力制御は、光源内(光源の1つ以上の他のキャビティの気圧を含んでもよい)を除き、キャビティの外側の気圧に影響を与えたり、制御を行ったり、またはその他の方法で変更を行ったりするものではない。同様に、本明細書で記載される実施形態が、そのような光源のキャビティの気圧を制御するために用いられる場合、気圧制御は、光源内のあらゆるガス状の活性媒質の圧力を変更しないように設計される。このように、本明細書で記載される実施形態により制御される圧力は、光源の活性媒質の圧力を含まない。さらに、本明細書で記載される実施形態は、ガスレーザ、固体レーザ、本明細書で記載される他のあらゆる光源の気圧を制御するように構成されてもよい。
【0023】
一実施形態において、キャビティは、光源の高調波発生キャビティである。例えば、高調波発生キャビティは、第二次高調波発生(SHG)キャビティ、第三次高調波発生(THG)キャビティ、第四次高調波発生(FHG)キャビティなどであってよい。別の実施形態において、キャビティは、光源の赤外キャビティである。追加的な実施形態において、キャビティは、光源のメインキャビティである。例えば、図1に示すように、レーザヘッドとして構成されてもよい光源100は、メインキャビティ102およびキャビティ104を含んでもよい。キャビティ104は、高調波発生キャビティ、赤外キャビティ、または本明細書に記載される別の種類のキャビティであってもよい。キャビティはまた、図1に示される、例えば、メインキャビティの内部にある赤外キャビティまたは高調波発生キャビティのように、1つ以上のキャビティを別のキャビティの内部に含む、1つ以上のキャビティのいくつかの配置を含んでもよい。
【0024】
本明細書で使用される「キャビティ」という用語は、光が光源により生成されるいくつかのハウジング要素によって形成される筐体(または部分的な筐体)として一般的に定義される。本明細書に記載される「キャビティ」は、一般的に空ではなく、検査システムなどのシステムで使用するために、キャビティ内で光を生成するのに必要とされ、光源の外部へ光を発する(例えば、キャビティ内のウィンドウおよび光源のハウジングのウィンドウを介して)いかなる構成要素(図示せず)を含んでもよい。したがって、本明細書に記載されるキャビティに含まれる構成および要素は、光源ごとに異なってもよく、本明細書に記載される実施形態は、それらが使用されるキャビティの種類または構成に限定されない。本明細書に記載されるあらゆる具体的なキャビティは、本明細書に記載される気圧制御から特に利点を得られる場合がある、光源およびそのキャビティの種類の単なる例示である。
【0025】
システムは、光源のキャビティの圧力を測定するために構成される気圧センサを含む。例えば、図1に示すように、システムは、光源100のキャビティ104における圧力を測定するために構成された気圧センサ106を含んでもよい。この気圧センサおよび本明細書に記載されるあらゆる他の種類の気圧センサは、当該技術分野において周知である、市販の適切な気圧センサを含んでもよい。市販されている、適した気圧センサの一例は、イリノイ州ヴァーノン・ヒルズのコールパーマー(Cole-Parmer)から市販されている圧力伝送器GE Druck PMP5073である。気圧センサ106ならびにこのさまざまな構成およびその他の気圧センサがさらに記載される。
【0026】
システムはまた、キャビティの1種類以上のガスの量を制御するために構成された1つ以上のガスフロー要素を含む。1つ以上のガスフロー要素に適した複数の構成が本明細書にさらに記載される。一般的に、ガスフロー要素は、1種類以上のガスが、その気圧が制御されているキャビティの中に流入するおよび/またはキャビティの外へ流出することを可能にする、あらゆるガスフロー要素を含んでもよい。1つ以上のガスフロー要素はまた、本明細書でさらに記載される制御サブシステムからの、制御信号、制御値、制御命令などに応答して、光源のキャビティの特定の圧力(正圧または負圧)を作り出すために用いられることができる1つ以上の要素を含むことが好ましい。1種類以上のガスは、好適なあらゆるガスを含んでもよく、特に好適な一例は、クリーンドライエア(CDA)である。
【0027】
システムは、測定された圧力を、圧力の値の所定範囲と比較し、測定された圧力が、所定範囲から外れる場合、比較の結果に基づき、1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更するために構成された制御サブシステムをさらに含む。制御サブシステムの複数の適切な構成は、本明細書にさらに記載される。制御サブシステムは、機械構成要素のみ、コンピュータ要素のみ、または異なる種類の構成要素を含んでもよい。また、制御サブシステムは、デジタルまたはアナログであってもよい。圧力の値の所定範囲は、ユーザーによって決定されてもよく、場合によっては、1つの圧力値を含んでもよいが、少なくとも圧力の値のいくらかの範囲を含むことが多い。光源とそれが含まれるシステムの比較的安定した性能を確実にするために、システムの構成要素によってどの程度圧力が制御されるかにより、および/または、どの程度圧力が制御される必要があるかにより、値の範囲は比較的小さくても比較的大きくてもよい。
【0028】
制御サブシステムによって変更される少なくとも1つのガスフロー要素のパラメータは、光源のキャビティにおける圧力変化を引き起こす適切なパラメータを含んでもよく、それらのうちのいくつかの実施例は、本明細書にさらに記載され、ガスフロー要素の構成によって異なってもよい。少なくとも1つのガスフロー要素のパラメータの変更は、適切な種類の制御ループ、アルゴリズム、方法、機能などを用いた適切な方法(例えば、実験的または理論的に)で決定されてもよい。一実施形態において、制御サブシステムは、比例積分微分(PID)制御ループを用いたパラメータを変更するために構成される。このような制御ループに対して、制御サブシステムは、気圧センサと制御ループのために適切なPIDゲインを設定するためのバルブなどのガスフロー要素との間に、電流増幅器およびコントローラ(図示せず)を備えてもよい。また、制御サブシステムは、気圧センサとガスフロー要素に較正工程を実行するように構成されてもよい。較正工程は、適切な周知の方法で行われてもよい。
【0029】
一実施形態において、1つ以上のガスフロー要素は、キャビティおよびクリーンドライエア源に連結された第1のガスフロー導管を含む。そのようなガスフロー要素はまた、キャビティおよび排気装置に連結された第2のガスフロー導管を含む。第1のガスフロー導管、第2のガスフロー導管、クリーンドライエア源、排気装置は、キャビティに正圧を発生させるように構成される。例えば、図1に示すように、ガスフロー要素は、キャビティ104およびクリーンドライエア源110に連結されたガスフロー導管108を含んでもよく、キャビティ104および排気装置114に連結されたガスフロー導管112を含んでもよい。ガスフロー導管108は、クリーンドライエア源110からキャビティ104の中へ入るクリーンドライエアのフローを提供するように構成されてもよく、ガスフロー導管112は、キャビティの外へ出るクリーンドライエアのフローを提供するように構成されてもよい。ガスフロー導管は、キャビティ自体と物理的に接触して描かれるものの、ガスフロー導管は、キャビティ自体に物理的に連結されずに、キャビティに連結されてもよい。例えば、ガスフロー導管は、光源のハウジングに物理的に接触し、連結されることにより、キャビティに連結されてもよく(例えば、光源ハウジングに作られた開口部を介して)、ガスをハウジングへ流入およびハウジングから流出させることによって、導管および内部のガスフローは、キャビティ内に正圧を発生させてもよい。したがって、ガスフロー導管は、ガスフロー導管へ入るガスフローおよびガスフロー導管から出るガスフローを介してキャビティに物理的に接触することなく、キャビティに連結されてもよい。
【0030】
ガスフロー導管へ入るガスフローおよびガスフロー導管から出るガスフローは、キャビティおよびガスフロー要素により異なってもよい、適切なパラメータを有してもよい。単に例示することのみを目的として記載される、非限定的な一実施例において、流入するクリーンドライエアフローは、約1.5リットル毎分(LPM)の体積流量および約50psigの圧力を有してもよく、流出するクリーンドライエアフローは、約0.5リットル毎分の体積流量および無調整の圧力を有してもよい。レーザヘッドをクリーンドライエアでパージして、ヘッド内の圧力を約1atmにわずかに上昇させてもよい。このようにして、レーザヘッド内部の圧力を1atmより高く設定してもよい。なお、上記の絶対値および本明細書に記載されるその他のあらゆる絶対値は、発明を単に例示および記載するためのものであり、本発明を特定の絶対値に限定するものではない。例えば、本明細書に記載されるパラメータの適切な絶対値は、光源の種類ごとに異なってもよく、さらに(同じメーカーの同じ型の)光源ユニットごとに異なってもよい。さらに、光源のキャビティで生じる圧力は、本明細書で記載される制御を介して安定している限り、大気圧より高い、または、大気圧未満でもよい(例えば、ポンプなどの1つ以上のガス除去構成要素を介してキャビティに真空を生成することによって大気圧未満が作り出される場合)。第1のガスフロー導管および第2のガスフロー導管ならびに本明細書に記載される他のあらゆる導管は、周知の適切な構成を有してもよい(例えば、適切な材料で構成され、適切な寸法およびその他のフロー特徴を有するチューブまたはパイプ)。
【0031】
そのような一実施形態において、1つ以上のガスフロー要素は、キャビティに連結されたパージ導管およびパージ導管に連結された比例弁をさらに含んでもよく、制御サブシステムにより変更されるパラメータは、比例弁のパラメータである。例えば、図1に示すように、キャビティ104に連結されたパージ導管116およびパージ導管に連結された比例弁118を含んでもよい。パージ導管を通るパージフローは、キャビティおよびガスフロー制御に応じて異なってもよい、適切なパラメータを有してもよい。例示することのみを目的として記載される、非限定な一実施例において、流出するパージフローは、約0.5リットル毎分の体積流量および約16psiaの圧力を有してもよい。パージ導管は、ガスをキャビティから大気へパージするように構成されてもよい。パージ導管は、他のガスフロー導管に関して本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。比例弁は、当該技術分野で周知の適切な比例弁を含んでもよい。
【0032】
図1にさらに示すように、システムは、気圧センサ106および比例弁118に連結される制御サブシステム120を含む。制御サブシステムは、気圧センサからの圧力測定値を受け取ることができる、本明細書にさらに記載される要素など適切な構成要素を含んでもよく、測定された圧力に基づいて、測定された圧力が所定範囲から外れる場合、制御信号(例えば、0~5Vの間の制御電圧)を比例弁118に送る。このような方法で、光源内部の圧力は、設定値で安定するように調整される。例えば、図1に示されるシステム動作の基本原理は、制御サブシステムが、気圧センサにより測定される圧力から決定される制御信号に基づいて、比例弁を開閉させることである。そのような一実施形態において、気圧センサは、光源内部(または光源のキャビティの)の圧力を測定し、制御ループを介して、制御サブシステムは、クリーンドライエア排気装置(図示せず)より前に接続される比例弁を調整する。制御ループがバルブを閉じると、圧力が上昇し、制御ループがバルブを開くと、圧力が低下する。また、バルブの開閉は、それぞれ、一部のみのバルブの開閉を含んでもよい。そのような比例弁の動作は、レーザヘッド内部の圧力のほぼ正確な制御を可能にし、生じ得る気圧の変化に対する影響をほぼ受けない。具体的には、光源内部のほぼ安定した圧力によって、動作中、光源は気圧の作用による影響をほぼ受けない。このように、比例弁はクリーンドライエアの排気フローを調整するために用いることができるため、光源または光源のキャビティの圧力を制御することができる。結果として、キャビティ104の内部圧力は、安定した設定値で維持されることができる(例えば、約1気圧)。
【0033】
別の一実施形態において、気圧センサは、キャビティおよび光源の外側の位置に配置され、パージ導管に連結される。例えば、図1に示すように、気圧センサ106は、光源およびその中に位置するキャビティの外側にあってもよく、パージ導管116に連結される。気圧センサは、周知の安定した方法でパージ導管に連結されてもよい。
【0034】
レーザなどの光源は、いくつかのキャビティを有することができ、それらの間の空気の漏れや深紫外線成分の汚染を防ぐためにプレッシャーリターンを必要とする。いくつかの実施形態において、システムは、光源の追加のキャビティにおける圧力を測定するために構成された追加の気圧センサと、追加のキャビティで1種類以上のガスの量を制御するために構成された1つ以上の追加のガスフロー要素とを含み、制御サブシステムは追加のキャビティで測定された圧力を、追加のキャビティの圧力の値の所定範囲と比較するように構成され、追加のキャビティで測定された圧力が、追加のキャビティの圧力の値の所定範囲から外れる場合、追加のキャビティで測定された圧力を比較した結果に基づき、少なくとも1つ以上の追加のガスフロー要素のパラメータを変更するように構成される。例えば、図1に示すように、システムは、光源の追加のキャビティの圧力を測定するために構成された、追加の気圧センサ122を含んでもよい(例えば、メインキャビティ102)。追加のガスフロー要素(複数可)は、メインキャビティ102に連結されたパージ導管124と、パージ導管に連結された比例弁126とを含む。パージ導管124を通るパージフローは、適切なパラメータを有してもよいが、キャビティとガスフロー制御に基づいて異なってもよい。例示のみを目的として記載される非限定な一実施例において、流出するパージフローは、約0.5リットル毎分の体積流量および約15psiaの圧力を有してもよい。パージ導管は、ガスをキャビティから大気へパージするように構成されてもよい。
【0035】
さらに図1に示すように、システムは、気圧センサ122および比例弁126に連結された制御サブシステム128を含む。この制御サブシステムは、気圧センサから測定圧力値を受け取ることができ、その測定値に基づき、測定値が所定範囲外である場合、制御信号(例えば、0~5Vの間の制御電圧)を比例弁126に送ることができる、本明細書にさらに記載されるような適切な要素を含んでよい。例えば、図1に示すようなシステム動作の基本原理は、制御サブシステムが、気圧センサ122により測定される圧力から決定される制御信号に基づいて比例弁を(少なくとも部分的に)開閉させることである。結果として、メインキャビティ102の内部圧力を安定した設定値(例えば、約1atm)で維持することができる。気圧センサ122、パージ導管124、比例弁126、制御サブシステム128は、それぞれ、気圧センサ106、パージ導管116、比例弁118、制御サブシステム120について本明細書に記載されるようにさらに構成されてもよい。
【0036】
そのような一実施形態において、キャビティは光源の高調波発生キャビティであり、追加のキャビティは、光源のメインキャビティである。例えば、図1に示すように、キャビティ104は、高調波発生キャビティまたは本明細書に記載される他の種類のキャビティであってもよく、追加のキャビティは、メインキャビティ102であってもよい。さらに、キャビティ104の圧力および任意のメインキャビティ102の圧力を上記のように制御するのではなく、システムは、メインキャビティの圧力のみを制御するように構成されてもよく、それは本明細書に記載される実施形態にとって十分である可能性がある。そのような場合、図1に示すシステムは、気圧センサ106、パージ導管116、比例弁118、および制御サブシステム120を含まないように変更されてもよい。そのような例において、第1のガスフロー導管108および第2のガスフロー導管112はそれぞれ、上記のとおり、キャビティ104ではなく、メインキャビティ102に連結されてもよい。第1のガスフロー導管および第2のガスフロー導管は、上記のとおり、メインキャビティに連結されてもよく、レーザヘッドをクリーンドライエアでパージして、ヘッド内部の圧力を1atmより高くわずかに上昇させるように構成されてもよい。別の選択肢において、キャビティ内部の圧力を発生させるように構成された第1の導管および第2の導管は、キャビティ自体に連結されなくてもよいが、レーザヘッドのみに連結されてもよい。レーザヘッドにおける圧力を上昇または下降させることにより、1つのまたは複数のキャビティの圧力もまた、対応する(または予測可能な)程度にまで上昇または下降させてもよい。
【0037】
制御サブシステムは、本明細書にさらに記載されるとおりメインキャビティの圧力を制御するように構成されてもよい(例えば、PID制御ループを用いて)。システムが、光源の別々のキャビティの圧力を個別に制御するために用いられる要素を含む場合、1つのキャビティの圧力を制御するために用いられる要素は、別のキャビティの圧力を制御するために用いられる要素とは異なる構成であってもよいし、異なる構成でなくてもよい(例えば、キャビティの構成や生成された光の圧力に対する感度による)。図1に示す制御サブシステムは、2つの異なる制御サブシステムを含み、それぞれが、複数のキャビティのうちの1つのみの圧力を制御するように構成されるものの、システムに含まれる制御サブシステムは、複数のキャビティのうちの1つ以上の圧力を制御するように構成された、1つのみの制御サブシステムを含んでもよい。光源の別々のキャビティで作り出され維持される圧力は、異なっていても異なっていなくてもよい。例えば、図1に示される両方のキャビティで作り出される安定した圧力は、約1atmであってよい。しかし、複数のキャビティのうちの1つにおいて作り出される安定した圧力は、複数のキャビティのうち別の1つキャビティにおいて作り出される圧力よりも高くても低くてもよい。そのような一実施例において、第1のキャビティがより汚染に反応しやすい場合、そのキャビティ内の圧力は、第2のキャビティよりも高く、第2のキャビティから第1のキャビティへの汚染の流入を減少させる。第1のキャビティにおけるより高い圧力は、キャビティに流入する汚染を無視できるほどに少なくする最小圧力値として選択されてもよく、これによって光源内の圧力差を最小値に保つことが可能になり、両方のキャビティの圧力の制御と安定をより簡単に、より確実に、より安定性のあるものにしている。
【0038】
そのようなさらなる実施形態において、気圧センサ、1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つ、および制御サブシステムは、パージ導管に連結された背圧調整器に含まれ、制御サブシステムにより変更されるパラメータは、背圧調整器のパラメータである。例えば、図2に示すように、パージ導管200は、キャビティ104に連結されてもよい。背圧調整器202は、パージ導管に連結されてもよい。光源のどのキャビティ(1つまたは複数)の圧力が制御されているかによって、図2に示すシステムは1つ以上の背圧調整器を含んでもよい。例えば、図2に示すように、システムは、メインキャビティ102に連結されたパージ導管204およびパージ導管に連結された背圧調整器206を含んでもよい。図2に示すパージ導管およびその他の要素は、さらに上記のとおり構成されてもよい。背圧調整器は、同様のまたは異なる構成を有してもよく、適切な一実施例は、図3に示される。
【0039】
本明細書に記載される実施形態で用いられてもよい背圧調整器の一実施形態は、図3に示される。しかし、図3は、背圧調整器の一般的な要素を示すためだけに本明細書に含まれることによって、それらの機能およびそれらがどのように本明細書に記載されるシステムで利用されるかを示す。実施においてシステムに実際に含まれる背圧調整器は、それが含まれる光源およびシステムの正確な構成に基づいて、利用可能な多くの市販の調整器から選択されてもよい。
【0040】
図3に示すように、背圧調整器300は、調整器のさまざまな要素が含まれ他の要素と所望の位置関係において支持される、何らかのハウジング302を備えてもよい。背圧調整器は、図2に示すパージ導管に連結可能な導管304を含んでもよく、その結果、パージ導管のガスは、背圧調整器を、例えば、導管304の矢印で示す方向に通って流れることができる。背圧調整器は、さらに導管304に連結された弁体306も含み、導管304は、背圧調整器に対する負のフィードバック機構として動作する。弁体は、ダイアフラムアセンブリ312を介してダイアフラム308に連結され、ダイアフラムは、背圧調整器のための気圧センサとして機能する。このように、背圧調整器を含む実施形態において、ダイアフラムは、光源のキャビティの圧力を測定するために構成された気圧センサとして機能してもよい(パージ導管および弁体を経由するダイアフラムのキャビティに対する連結を介して)。
【0041】
ダイアフラムは、ダイアフラムアセンブリ312を介してばね310に連結されてもよく、ダイアフラムは、吸込圧力をばねに伝達することができる。ばねは、本明細書に記載されるように、背圧調整器の制御サブシステムとして作用してもよい。ばねは、開口部320内のばねの他端部を拘束する板318を介して調整ねじ316に連結されてもよい。調整ねじは、背圧調整器の設定位置調整部として機能する。例えば、使用者またはシステムは、調整ねじ316を介して光源のキャビティの所望の圧力を設定するように構成されてもよい。ばねは、背圧調整器を常時閉位置に保つ。例えば、ばねがダイアフラムアセンブリを押し下げることにより、弁体を位置付ける。したがって、背圧調整器は、一定の背圧設定になり、圧力の調整を開始することができる。上流圧(本明細書に記載される実施形態において、キャビティ内の圧力)は、ダイアフラムの下で感知される。
【0042】
背圧調整器は、弁体を介してばねの位置を調整するように設計され、(キャビティの)特定の背圧を維持する。例えば、上流圧がばねの設定より高い場合、ばねの設定が制御されることによりばねを圧縮し、結果として、弁体が持ち上げられバルブが開き(必要に応じた分だけ)、圧力が低下する。それに対し、上流圧がばねの設定よりも低い場合、ばねの設定によりばねが伸張し、結果として、弁体が押し下げられ、弁体を閉じ(必要に応じた分だけ)、上流圧が上昇する。したがって、背圧調整器において、バルブの所定範囲は、調整ねじを介して設定することができ、ばねは、本明細書に記載される制御サブシステムとして機能し、弁体は、キャビティ内の1種類以上のガスの量を制御する、少なくとも1つのガスフロー要素として機能する。
【0043】
本明細書で記載される実施形態に使用される適切であり得る市販の背圧調整器の例として、サウス・カロライナ州スパータンバーグに所在するCIRCOR Instrumentationから市販されているものが含まれる。さらに、本明細書に記載される実施形態で使用される適切な例として、ばね式背圧調整器が図3に示されるが、ドームロード式、エアロード式、ベント式、非ベント式を含む他の種類の背圧調整器もまた、本明細書で記載される実施形態に使用されるのに適切であり得るが、これらに限定されない。
【0044】
背圧調整器は、本明細書に記載される実施形態にいくつかの利点をもたらすことができる。例えば、正しくサイズ調整された背圧調整器は、ほぼ正確な制御、信頼性のある性能、比較的高速な反応、比較的小さい騒音、最小限のメンテナンスを実現することができる。背圧調整器はまた、バルブを動作させるために外部電源を必要としないため、有利である。背圧調整器の別の利点は、別個の測定要素またはフィードバックコントローラの必要がないことである。背圧調整器の設計は、比較的簡素で、比較的低いコスト、高い信頼性、簡単なメンテナンスを実現し、さらなる利点を提供する。さらに、背圧調整器は、被制御変数と直接連絡し、実質的に高速な応答を提供する。
【0045】
上記のとおり、気圧センサおよびガスフロー要素は、(可能な限り)光源の外部に位置付けられてもよい。しかし、例えば、サーボループを介して、ガスフロー要素(複数可)の動作を制御するファームウェアを用いて、気圧センサおよび/または1つ以上のガスフロー要素を光源の内部に位置付けて光源の一部としてもよい。例えば、別の実施形態において、気圧センサは、光源のキャビティの内部に配置される。追加的な実施形態において、気圧センサおよび1つ以上のガスフロー要素の少なくとも1つは、光源のキャビティの内部に配置される。そのような一実施形態において、制御サブシステムは、サーボループの動作を制御するために構成されたファームウェアを含む。そのような実施形態は、図4に示される。
【0046】
図4に示すように、気圧センサ400は、光源のキャビティ104に位置付けられてもよい。このように、気圧センサは、図1の気圧センサ106で示されるように光源の外部ではなく、内部にある。気圧センサは、キャビティ104の内部に示されるが、気圧センサは、メインキャビティ102に位置付けられてもよく、または、単に光源のハウジング内(つまり、光源の内部だが、そこに収容されるキャビティの外部)に位置付けられてもよい。気圧センサ400は、他の点について本明細書に記載されるように構成されてもよい。
【0047】
本実施形態において、比例弁402はまた、キャビティ104の内部、つまり、光源の内部に位置して示される。しかし、比例弁402は、光源の外部に位置付けられてもよい(図1の比例弁118により示すとおり)一方、気圧センサは、キャビティまたは光源の内部に配置される。比例弁402は、図4に示すように、キャビティ104の内部にあってもよく、または、単に光源のハウジング内部(つまり、光源の内部だが、そこに収容されるキャビティの外部)であってもよい。図4に示すように、光源のキャビティの圧力、または、光源の内部だが光源内のキャビティの外部の圧力であるかどうかに関わらず、気圧センサは、単にそれが配置された大気の気圧を測定できるため、気圧センサが光源のキャビティの内部に位置する場合、または、そこに収容されるキャビティの外部であるものの光源の内部に配置される場合、気圧センサは、必ずしもパージ導管や他の導管に連結される必要はない。しかし、比例弁402は、図4に示すように、パージ導管404に連結されてもよいため、上述のとおり、比例弁は、パージ導管を通るガスフローを制御することにより、キャビティまたはハウジングの圧力を変更することができる。
【0048】
図4にさらに示すように、制御サブシステム406は、ファームウェア408およびサーボループ410を含んでもよい。ファームウェアおよびサーボループは、測定された圧力を圧力の値の所定範囲と比較した後、それに対する反応の少なくとも1つのガスフロー要素のパラメータを変更するために適した、当該技術分野で周知の構成を有してもよい。図4に示すように、気圧センサは400および比例弁402は、キャビティ104内部に配置されるが、制御サブシステム406は、キャビティおよび光源100の外部に配置される。代替として、制御サブシステム404およびそれに含まれるあらゆる要素は、光源内であるがそれに含まれるキャビティの外部、または、複数のキャビティ自体のうちの1つに位置付けられてもよい。さらに、図4は、1つの気圧センサおよびキャビティ104内部の比例弁、別の気圧センサおよび光源の外部にありメインキャビティ102に連結された比例弁を示すものの、図4に示される気圧センサおよび比例弁はすべて、それぞれのキャビティに位置付けられてもよい。具体的には、1つ以上の気圧バルブ122、比例弁126、制御サブシステム128は、上記と同様に、メインキャビティ102の内部または光源の内部だがそれに収容されるキャビティの外部に位置付けられてもよく、これらの構成要素は、メインキャビティまたは単に光源自体の圧力を制御するために構成されてもよい。
【0049】
本明細書に記載される実施形態は、本明細書に記載されるような光源の動作を制御するためのその他の方法に対して、いくつかの利点を有する。例えば、本明細書に記載される実施形態は、以前に用いられていた補償範囲よりもさらに大きい補償範囲を提供する。さらに、本明細書に記載される実施形態は、より早い反応時間を提供する。また、本明細書に記載される実施形態では、複雑な補償アルゴリズムが不要になり、レーザシステムの全体的な複雑度が減少する。さらに、本明細書に記載される実施形態により、あらゆる種類のレーザにおいて、より高い信頼性と高出力での長寿命化を有するレーザが製造でき、これは本明細書に記載される光源が用いられる、本明細書に記載される種類のシステムにとって極めて重要である。
【0050】
一実施形態において、システムはまた、光源により生成された光を試料に方向付けるために構成された照明サブシステムと、試料からの光を検出するために構成された検出サブシステムと、検出サブシステムにより生成された検出光に応答する出力に基づき試料の欠陥を検出するために構成されたコンピュータサブシステムとを含む。例えば、光源は、以下に記載されるような照明サブシステムに含まれてもよい。検出サブシステムおよびコンピュータサブシステムは、以下に記載されるようにさらに構成されてもよい。
【0051】
そのような一実施形態において、試料はウェーハである。ウェーハは半導体技術で周知のウェーハを含んでもよい。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、1つまたは複数のウェーハに関してもよいが、実施形態は、それらが使用される試料に限定されない。例えば、本明細書に記載される実施形態は、レチクル、平板、パーソナルコンピュータ(PC)基板、その他の半導体試料などの試料に対して用いられてもよい。
【0052】
本明細書に記載されるシステムの実施形態に対して用いられてもよい1つの構成は、図5に示される。システムは、光学(光に基づく)サブシステム500を含み、光学サブシステム500は、光源および検出器を含む検出サブシステムを含む、少なくとも1つの照明サブシステムを含む。光源は、試料に方向付けられる光を生成するように構成される。検出器は、試料からの光を検出し、検出された光に応答して出力を生成するように構成される。図5に示すシステムの実施形態もまた、本明細書にさらに記載されるように、光に基づく処理、検査処理、計測処理を実行するために構成されてもよい。
【0053】
照明サブシステムは、少なくとも1つの光源を含み、その圧力は、本明細書にさらに記載されるように制御される。例えば、図5に示すように、照明サブシステムは、光源504を含む。光源504は、図1、2、4に記載され示されるように構成され、他の要素に連結されてもよい。一実施形態において、照明サブシステムは、光源により生成された光を試料へ、1つ以上の入射角で方向付けるように構成されてもよく、1つ以上の斜角および/または1つ以上の直角を含んでもよい。例えば、図5に示すように、光源504からの光は、光学要素506を通り、その後、レンズ508を通り、ビームスプリッタ510に達するように方向付けられ、ビームスプリッタ510は、光を直角入射角で試料502に方向付ける。入射角は、適切な入射角を含んでよく、例えば、試料の特徴および試料に対して行われる処理によって変化してもよい。
【0054】
照明サブシステムは、光を異なる入射角、異なる回数で、試料に方向付けるように構成されてもよい。例えば、光学サブシステムは、照明サブシステムの1つ以上の要素の、1つ以上の特徴を変更するように構成されることにより、光が図5に示すものとは異なる入射角で試料に方向付けられてもよい。そのような一実施形態において、光学サブシステムは、光源504、光学要素506、レンズ508を移動させるように構成されることにより、光が異なる入射角で試料に方向付けられてもよい。
【0055】
いくつかの例において、光学サブシステムは、光を同時に1つ以上の入射角で試料に方向付けるように構成されてもよい。例えば、照明サブシステムは、1つ以上の照明チャネルを含んでもよく、照明チャネルのうちの1つは、図5に示すように、光源504、光学素子506、レンズ508を含んでもよく、別の照明チャネル(図示せず)は、同様の素子を含んでもよい。同様の素子は、異なって、または、同じように構成されてもよく、または、少なくとも1つの光源と、場合によっては、本明細書にさらに記載されるような1つ以上の他の構成要素とを含んでもよい。そのような光が他の光と同時に試料に方向付けられる場合、異なる入射角で試料に方向付けられた光の1つ以上の特徴(例えば、波長、偏光など)は異なってもよく、結果として試料の照明から異なる入射角で生じる光は検出器で互いに区別される。
【0056】
別の例において、照明サブシステムは、1つのみの光源(例えば、図5に示す光源504)を含んでもよく、光源からの光は、照明サブシステムの1つ以上の光学素子(図示せず)により異なる光路(例えば、波長、偏光などに基づき)に分離されてもよい。そして、異なるそれぞれの光路における光は、試料に方向付けられてもよい。複数の照明チャネルは、同時にまたは異なるタイミング(例えば、異なる照明チャネルを用いて、順に試料を照射する場合など)で光を試料に方向付けるように構成されてもよい。別の例において、同じ照明チャネルは、異なる特徴の試料に光を異なるタイミングで方向付けるように構成されてもよい。例えば、いくつかの例において、光学素子506は、スペクトルフィルタとして構成されてもよく、スペクトルフィルタの特性は、さまざまな異なる方法で変更され(例えば、スペクトルフィルタを交換することによって)、光の異なる波長を、異なる回数で、試料に方向付けられてもよい。照明サブシステムは、異なるまたは同じ特徴を有する光を、異なる入射角または同じ入射角で順にまたは同時に試料に方向付けるための、当該技術分野で周知の他の適切な構成を有してもよい。
【0057】
光源504は、当該技術分野で周知の適切な波長の光を生成するように構成された、当該技術分野で周知の適切なレーザであってもよい。さらに、レーザは、単色光またはほぼ単色光を生成するように構成されてもよい。このように、レーザは、狭帯域レーザであってもよい。光源は、さらに、複数の個別の波長または波長帯の光を生成する多色光源を含んでもよい。
【0058】
光学素子506からの光は、レンズ508によりビームスプリッタ510に集束されてもよい。レンズ508は、単一の屈折光学素子として図5に示されるが、実際には、レンズ508は、光学素子からの光を組み合わせて試料に集束させる、いくつかの屈折素子および/または屈折光学素子を含んでもよい。図5に示され、本明細書に記載される照明サブシステムは、他の適切な光学素子(図示せず)を含んでもよい。そのような光学素子の例としては、偏光素子、スペクトルフィルタ、空間フィルタ、屈折光学素子、アポタイザ、ビームスプリッタ、アパーチャ(いずれも複数可)などが含まれるが、これらに限定されず、当該技術分野で周知の適切な光学素子を含んでもよい。さらに、システムは、用いられる照明の種類に基づいて照明サブシステムの1つ以上の素子を変更するように構成されてもよい。
【0059】
光学サブシステムはまた、光を試料に対してスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含んでもよい。例えば、光学サブシステムは、その上に試料502が配置される台512を含んでもよい。スキャンサブシステムは、光を試料にスキャンできるよう試料を移動させるように構成される適切な機械アセンブリおよび/またはロボットアセンブリ(台512を含む)を含んでもよい。加えて、または、代替的に、光学サブシステムは、光学サブシステムの1つ以上の光学素子が、試料に対する光のスキャンを行うように構成されてもよい。光を適切な方法で試料に対してスキャンしてもよい。
【0060】
検出サブシステムは、1つ以上の検出チャネルを含んでもよい。少なくとも検出チャネルのうちの1つは、試料の照明により試料から光を検出するように構成され、検出光に応答して出力を生成するように構成される検出器を含む。例えば、図5に示す検出サブシステムは、2つの検出チャネルを含み、一方は、検出器514、素子516、検出器518により形成され、他方は、検出器520、素子522、検出器524により形成される。図5に示すように、2つの検出チャネルは、異なる集光角度で、光を集光し、検出するように構成される。いくつかの例において、1つの検出チャネルは、鏡面反射光を検出するように構成され、他の検出チャネルは、試料から非鏡面反射光の光(例えば、散乱光、回折光など)を検出するように構成される。しかし、2つ以上の検出チャネルは、試料からの光と同じ種類(例えば、鏡面反射光)を検出するように構成されてもよい。図5は、2つの検出チャネルを含む検出サブシステムの実施形態を示すものの、検出サブシステムは、異なる数の検出チャネル(例えば、1つのみの検出チャネル、または、2つ以上の検出チャネル)を含んでもよい。コレクタはそれぞれ、単一の屈折光学素子として図5に示されるものの、コレクタはそれぞれ、1つ以上の屈折光学素子および/または1つ以上の反射光学素子を含んでもよい。
【0061】
1つ以上の検出チャネルは、光電子増倍管(PMT)、電荷結合素子(CCD)、時間遅延積分(TDI)カメラなどの技術分野において周知の適切な検出器を含んでもよい。検出器はまた、非イメージング検出器またはイメージング検出器を含んでもよい。検出器が非イメージング検出器の場合、検出器はそれぞれ、強度などの光の特定の特徴を検出するように構成されてもよいが、結像面内の位置関数などの特徴を検出するようには構成されない。そのため、各検出チャネルに含まれる各検出器により生成される出力は、信号またはデータであってもよいが、画像信号または画像データではない。そのような場合、システムのコンピュータサブシステム526のようなコンピュータサブシステムは、検出器の非イメージング出力から試料の画像を生成するように構成されてもよい。しかし、別の例において、検出器は、画像信号または画像データを生成するように構成されたイメージング検出器として構成されてもよい。したがって、システムは、いくつかの方法で、本明細書に記載される出力および/または画像を生成するように構成されてもよい。
【0062】
図5は、全体として、本明細書に記載されるシステムの実施形態に含まれてもよい照明および検出サブシステムの構成を示すために本明細書に提供されることに留意されたい。当然、本明細書に記載される照明および検出サブシステムの構成は、商業用システムを設計するときに通常行われるように、システムの性能を最適化するように変更されてもよい。さらに、本明細書で記載されるシステムは、カリフォルニア州ミルピタスに所在するケーエルエー・テンコール株式会社(KLA Corp.)から市販される29XX、39XX、「Voyager(商標)」、「Puma(商標)」シリーズのツールなど既存の光学システムを用いて(例えば、本明細書に記載される機能性を既存の光学システムに加えることにより)実施されてもよい。そのようないくつかのシステムに対して、本明細書で記載される方法は、(例えば、システムの他の機能に加えて)システムの任意の機能性として提供されてもよい。もしくは、本明細書に記載されるシステムは、「最初から」設計して、完全に新しいシステムを提供してもよい。
【0063】
システムのコンピュータサブシステム526は、検出サブシステムの検出器に適切な方法(例えば、「有線」および/または「無線」の伝送媒体を含んでもよい1つ以上の伝送媒体を介して)で連結されてもよいため、コンピュータサブシステムは、試料のスキャンの最中に検出器により生成される出力、画像などを受け取ることができる。コンピュータサブシステム526は、本明細書に記載される検出器の出力、画像などを用いるいくつかの機能や、本明細書にさらに記載されるその他の機能を実行するように構成されてもよい。このコンピュータサブシステムは、本明細書にさらに記載されるように構成されてもよい。
【0064】
このコンピュータサブシステムは(本明細書に記載される他のコンピュータサブシステムと同様に)、本明細書においてコンピュータシステムと称してもよい。本明細書に記載される各コンピュータサブシステムまたは各システムは、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、その他のデバイスを含む、さまざまな形態をとってもよい。一般的に、「コンピュータシステム」という用語は、記憶媒体からの命令を実行する、1つ以上のプロセッサを有するあらゆるデバイスを包含するように広範に定義されてもよい。また、コンピュータサブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなどの当該技術分野で周知の適切なあらゆるプロセッサを含んでもよい。さらに、コンピュータシステムまたはシステムは、単独型またはネットワーク型ツールとして、高速処理や高速ソフトウェアを有するコンピュータプラットホームを含んでもよい。
【0065】
システムが、1つ以上のコンピュータサブシステムを含む場合、本明細書にさらに記載されるように、異なるコンピュータサブシステムが互いに連結されてもよく、画像、データ、情報、命令などがコンピュータサブシステム間で送信されることができる。例えば、コンピュータサブシステム526は、当該技術分野で周知の適切な有線および/または無線の伝送媒体を含んでもよい適切な伝送媒体によって、コンピュータサブシステム(複数可)528(図5の破線により示すように)に連結されてもよい。そのような2つ以上のコンピュータサブシステムもまた共用のコンピュータ可読記録媒体(図示せず)により効果的に連結されてもよい。
【0066】
コンピュータサブシステム(複数可)は、欠陥検出方法を、検出器(複数可)により生成される出力に適用することにより、試料の欠陥を検出するために構成されてもよい。試料の欠陥を検出することを、適切な欠陥検出方法および/またはアルゴリズムを用いて、当該技術分野で周知の適切な方法で実行してもよい(例えば、欠陥検出閾値を出力に適用し、閾値を上回る値を有する出力が、欠陥または起こり得る欠陥に対応するかを判断する)。
【0067】
上記のとおり、コンピュータサブシステムは、検出器(複数可)により生成された出力を使用して試料に対する欠陥を検出してもよい。このように、本明細書に記載されるシステムは、検査システムとして構成されてもよい。別の実施形態において、本明細書に記載されるシステムは、計測または欠陥レビューシステムとして構成されてもよい。具体的には、本明細書に記載され図5に示すシステムの実施形態は、1つ以上のパラメータを修正して、それが用いられる用途によって異なる撮像能力を提供してもよい。そのような実施例において、図5に示す光学サブシステムは、検査ではなく計測に用いられる場合、より高い解像度を有するように構成されてもよい。言い換えると、図5に示すサブシステムの実施形態は、異なる用途にある程度適した異なる撮像能力を有するシステムを製造するために当業者にとって明白であるいくつかの方法に適合させることができる、光学サブシステムのためのいくつかの一般的で種々の構成を記載する。
【0068】
システムのそれぞれの実施形態は、本明細書に記載される他の実施形態に基づいてさらに構成されてもよい。また、本明細書に記載される実施形態は、その全体を本明細書の一部として援用される2015年8月25日に発行のGermanenko他の米国特許第9,116,445号に記載されるように、さらに構成されてもよい。
【0069】
他の実施形態は、光源のキャビティの圧力を制御するためのコンピュータ実装方法に関する。この方法は、図6のステップ600に示すように、光源のキャビティの圧力を測定することを含む。この方法はまた、図6のステップ602に示すように、1つ以上のガスフロー要素を有するキャビティの1種類以上のガスの量を制御することを含む。さらに、この方法は、図6のステップ604に示すように、測定された圧力を、圧力の値の所定範囲と比較することを含む。測定された圧力が所定範囲から外れる場合、この方法は、図6のステップ606に示すように、比較の結果に基づいて、1つ以上のガスフロー要素のうちの少なくとも1つのパラメータを変更することを含む。この方法の各ステップは、さらに本明細書に記載されるように実行されてもよい。この方法は、本明細書に記載されるシステムにより実施されるその他のステップを含んでもよい。この方法のステップは、本明細書に記載されるシステムによって実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態のいずれかに基づいて構成されてもよい。
【0070】
さらなる実施形態は、光源のキャビティの圧力を制御するためのコンピュータ実装方法を実行するための、コンピュータシステムで実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。そのような一実施形態は、図7に示される。具体的には、図7に示すように、非一時的なコンピュータ可読媒体700は、コンピュータシステム704で実行可能なプログラム命令702を含む。コンピュータ実装方法は、本明細書に記載される方法のいずれのステップを含んでもよい。
【0071】
本明細書に記載されるような方法を実行するプログラム命令702は、コンピュータ可読媒体700に基づいてもよい。コンピュータ可読媒体は、磁気ディスクもしくは光学ディスク、磁気テープ、または、当該技術分野で周知の、他の適切な非一時的なコンピュータ可読媒体などの記憶媒体であってよい。
【0072】
プログラム命令は、特に、プロシージャに基づく技術、コンポーネントに基づく技術、および/またはオブジェクト指向の技術を含む、さまざまな方法で実行されてもよい。例えば、プログラム命令は、必要に応じて、アクティブエックスコントロール、C++オブジェクト、ジャバビーンズ、マイクロソフトファンデーションクラス(「MFC」)、ストリーミングSIMD拡張命令(SSE)、または、その他のテクノロジや方法を用いて実行されてもよい。
【0073】
コンピュータシステム704は、本明細書に記載される実施形態のいずれかに基づいて構成されてもよい。
【0074】
本明細書の記載を考慮し、本発明のさまざまな態様のさらなる修正や代替的な実施形態が当業者に明らかになるであろう。例えば、光源のキャビティの圧力を制御するための方法およびシステムが提供される。したがって、本明細書の記載は、単に例示として解釈され、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示することを目的とする。本明細書に描かれ、記載される発明の形態は、出願の時点で好ましい実施形態とすることが理解される。構成要素と材料は、本明細書に例示され記載されるものと置き換えられてもよく、部品を入れ替え、工程の順序を逆にしてもよく、本発明のある特徴は、独立して利用されてもよく、これらはすべて本発明の明細書の記載の利点を得た当業者にとって明らかである。以下の請求項に記載される、発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される構成要素に変更を加えてもよい。
図1
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図7