(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102559
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】プローバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006536
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】110003535
【氏名又は名称】スプリング弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】細川 仁志
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD03
4M106DD10
4M106DD22
4M106DD23
4M106DH45
4M106DJ02
4M106DJ07
(57)【要約】
【課題】ローダ部内を介さない経路で、冷却用エアを各測定部に供給できるプローバを提供する。
【解決手段】プローバ10は、ウェーハWの搬送ユニット22を有するローダ部114と、複数の測定部30を有し、複数の測定部30の各々に配置されたテスタ43と複数の測定部に設けられたプロービングエリア50とを有する、プローバ本体112と、を備える。ローダ部114とプローバ本体112とは間隙Sをあけて配置され、複数の測定部30は、各々にローダ部114との間に隔壁70を有する。隔壁70には、テスタ43の各々に冷却用エアを供給するための吸気口71と、ローダ部114から測定部30内に搬送物を受け渡すための受け渡し口72とが形成される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの搬送機構を有するローダ部と、
複数の測定部を有し、前記複数の測定部の各々に配置されたテスタと前記複数の測定部に設けられたプロービングエリアとを有する、プローバ本体と、
を備えるプローバであって、
前記ローダ部と前記プローバ本体とは間隙をあけて配置され、
前記複数の測定部は、各々に前記ローダ部との間に隔壁を有し、
前記隔壁には、前記テスタに冷却用エアを供給するための吸気口と、前記ローダ部から前記測定部内に搬送物を受け渡すための受け渡し口とが形成される、
プローバ。
【請求項2】
前記プローバ本体は、前記テスタを通過した前記冷却用エアを、前記ローダ部と反対側に排気する排気口を備える、請求項1に記載のプローバ。
【請求項3】
前記隔壁は、前記受け渡し口を開閉する開閉機構を備える、請求項1又は2に記載のプローバ。
【請求項4】
前記テスタは、前記吸気口の側に前記冷却用エアを吸気するファンを備える、請求項1又は2に記載のプローバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ上に形成された複数の半導体装置(チップ)の電気的特性の検査を行うプローバに関し、特に、複数の測定部を有するマルチプローバに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、多数の工程を有し、品質保証及び歩留まりの向上のために、各種の製造工程で各種の検査が行われる。例えば、ウェーハ上に半導体装置を含む複数のチップが形成された段階で、各チップの電極パッドは、テスタに接続され、テスタから電源及びテスト信号が供給される。そして、各チップ上に形成された半導体装置から出力される信号は、テスタによって測定される。これにより、半導体装置が正常に動作するかを電気的に検査される(ウェーハレベル検査)。
【0003】
ウェーハレベル検査は、ウェーハ上の各チップの電極パッドにプローブを接触させるプローバを使用して行われる。プローブはテスタの端子に電気的に接続され、テスタからプローブを介して各チップに電源及びテスト信号が供給され、各チップからの出力信号をプローブを介してテスタで検出して正常に動作するかを測定する。
【0004】
このウェーハレベル検査において、設置面積の増加や装置コストの増加を抑えつつスループットを向上させるため、複数の測定部を備えるプローバ本体と、ローダ部とを備えるプローバ(マルチプローバ)が提案されている。例えば、特許文献1には、プローバ本体内に複数の測定部が多段状に積層され、ウェーハレベル検査を各測定部に設けられたテスタにより行うマルチプローバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチプローバでは、テスタを冷却するため冷却用に露点の高い外気(冷却用エア)を各測定部に循環させる必要がある。常温から高温状態でウェーハレベル検査を行う場合、各測定部内の温度を所定の検査温度範囲内に維持するために、一般的に、ローダ部内から各測定部に冷却用エアが供給され、テスタを冷却した後、冷却用エアは各測定部の外部に排気される。
【0007】
一方、低温状態でウェーハレベル検査を行う場合、結露を抑制するためにプローバ本体の内部及びローダ部の内部を低露点を有するドライエア(結露防止用エア)で満たしている。そのため、ドライエアで満たされたローダ部内を介さない経路で冷却用エアを各測定部に供給し、テスタを冷却した後の冷却用エアを各測定部から排気することが望ましい。
【0008】
ローダ部内を介さない経路で冷却用エアを各測定部に供給ためには、冷却用エア専用の経路をローダ部側又はプローバ本体側に設けることが考えられる。しかし、冷却用エアが漏出することを抑制するために冷却用エア専用の経路をローダ部に対して気密に構成する(シールを設ける)ことが必要となり、その分だけプローバが大型化するという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ローダ部内を介さない経路で、冷却用エアを各測定部に供給できるプローバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1態様のプローバは、ウェーハの搬送機構を有するローダ部と、複数の測定部を有し、複数の測定部の各々に配置されたテスタと複数の測定部に設けられたプロービングエリアとを有する、プローバ本体と、を備え、ローダ部とプローバ本体とは間隙をあけて配置され、複数の測定部は、各々にローダ部との間に隔壁を有し、隔壁には、テスタに冷却用エアを供給するための吸気口と、ローダ部から測定部内に搬送物を受け渡すための受け渡し口とが形成される。
【0011】
第2態様のプローバにおいて、プローバ本体は、テスタを通過した冷却用エアを、ローダ部と反対側に排気する排気口を備える。
【0012】
第3態様のプローバにおいて、隔壁は、受け渡し口を開閉する開閉機構を備える。
【0013】
第4態様のプローバにおいて、テスタは、吸気口の側に冷却用エアを吸気するファンを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ローダ部内を介さない経路で、冷却用エアを各測定部に供給することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係るプローバを、ローダ部側から見た外観斜視図である。
【
図3】プローバ本体の内部構造を示す図(正面図)である。
【
図5】プローバ全体での冷却用エアの経路の概要を示す図である。
【
図6】プローバ本体をローダ部側から見た外観斜視図である。
【
図9】プローバ本体のメンテナンスエリア側の側面を示す図である。
【
図11】測定部内における冷却用エアの経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0017】
[プローバ]
まず、本実施形態に係るプローバ(マルチプローバ)の一例について説明する。
図1は、プローバ100をローダ部114の側から見た外観斜視図である。
図2は、
図1に示すプローバ100の平面図である。なお、図中のXYZ軸は互いに直交する軸であり、XY軸が水平方向に平行な軸であり、Z軸が水平方向に直交する軸である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るプローバ100は、ローダ部114とプローバ本体112とを備える。ローダ部114は、検査するウェーハW(
図4参照)を供給及び回収する。プローバ本体112は、ローダ部114に隣接して配置され、複数の測定部30を有する。
【0019】
また、詳しくは後述するが、本実施形態に係るプローバ100は、テスタ43を冷却する冷却用エアの吸気経路として、プローバ本体112とローダ部114との間に間隙Sが設けられる。
【0020】
ローダ部114から各測定部30にウェーハW(検査対象)が供給されると、各測定部30でそれぞれウェーハWの各チップの電気的特性の検査(ウェーハレベル検査)が行われる。そして、各測定部30で検査されたウェーハWはローダ部114により回収される。なお、プローバ100は、操作パネル121、及び、各部を制御する制御装置(不図示)等も備える。
【0021】
ローダ部114は、ロードポート118と搬送ユニット122(本発明の搬送機構の一例)とを有する。ロードポート118にはウェーハカセット120及びプローブカードカセット123が載置される。搬送ユニット122(
図2参照)は、プローバ本体112の各測定部30とウェーハカセット120との間でウェーハWを搬送し、更に、各測定部30とプローブカードカセット123との間でプローブカード42(
図3及び
図4参照)を搬送する。なお、プローブカード42はカードホルダ(不図示)に載置された状態で搬送ユニット122により搬送される。以下、ウェーハW及びプローブカード42を搬送物と総称する。
【0022】
搬送ユニット122は、図示しない搬送ユニット駆動機構を備え、X、Z方向に移動可能に構成されるとともに、θ方向(Z方向周り)に回転可能に構成されている。また、搬送ユニット122は、搬送アーム124を備えており、上記搬送ユニット駆動機構により搬送アーム124を前後に伸縮させることが可能である。搬送アーム124の上面部には図示しない吸着パッドが設けられており、搬送アーム124は、この吸着パッドで搬送物の裏面を真空吸着して搬送物を保持する。これにより、搬送物は、ロードポート118から搬送ユニット122の搬送アーム124によって取り出され、その上面に保持された状態でプローバ本体112の各測定部30に搬送される。また、検査の終了した場合、搬送物は逆の経路で各測定部30から取り出される。
【0023】
図3は、
図1のプローバ本体112の内部構造を正面側(ローダ部114の側)から見た図である。
図3に示すように、プローバ本体112は、複数の測定部30が多段状に積層された階層構造(多段構造)を有しており、各測定部30はX方向及びZ方向に沿って2次元的に配列されている。本実施形態では、一例として、X方向に4つの測定部30がZ方向に3段積み重ねられている。
【0024】
プローバ本体112は、複数の測定部30をそれぞれ区画する筐体を備える。筐体は、複数のフレームを格子状に組み合わせた格子形状を有している。
【0025】
次に、
図4を用いて測定部の構成について説明する。各測定部30は、基本的に同一の構成を有する。
図4に示すように、各測定部30は、ヘッドプレート44と、テスタ43と、プローブカード42と、テスタ43とプローブカード42との間に介在するポゴフレーム41とを備える。
【0026】
テスタ43は、図示しないテスタ保持部によりヘッドプレート44の上方に支持されている。テスタ43は、プローブカード42のプローブ66に電気的に接続され、電気的検査のために各チップに電源及びテスト信号を供給するとともに、各チップからの出力信号を検出して正常に動作するかを測定する。
【0027】
ヘッドプレート44は、プローバ本体112の筐体に支持されており、ポゴフレーム41の平面形状に対応した円形状の開口からなるポゴフレーム取付部53を有する。ポゴフレーム取付部53は位置決めピン63を有しており、ポゴフレーム41は位置決めピン63により位置決めされた状態でポゴフレーム取付部53に固定される。ポゴフレーム41の固定方法としては特に限定されるものでないが、例えば、図示しない吸引手段により、ポゴフレーム41をポゴフレーム取付部53の支持面(吸着面)に真空吸着させることにより固定する方法が好適である。なお、真空吸着以外の固定手段として、例えばネジ等の機械的な固定手段を用いてもよい。
【0028】
ポゴフレーム41は、テスタ43の下面(ポゴフレーム41に対向する面)に形成される各端子とプローブカード42の上面(ポゴフレーム41に対向する面)に形成される各端子とを電気的に接続する多数のポゴピン(不図示)を備えている。また、ポゴフレーム41の上面(テスタ43に対向する面)及び下面(プローブカード42に対向する面)の外周部には、それぞれリング状のシール部材60、62が形成されている。そして、図示しない吸引手段により、テスタ43とポゴフレーム41とシール部材60で囲まれた空間、及びプローブカード42とポゴフレーム41とシール部材62で囲まれた空間が減圧されることにより、テスタ43、ポゴフレーム41、及びプローブカード42が一体化される(
図4参照)。
【0029】
プローブカード42は、ウェーハWの各チップの電極に対応した多数のプローブ66を有する。各プローブ66は、プローブカード42の下面(ウェーハチャック150に対向する面)から下方に向けて突出して形成されており、プローブカード42の上面(ポゴフレーム41に対向する面)に設けられる各端子に電気的に接続されている。したがって、テスタ43、ポゴフレーム41、及びプローブカード42が一体化されると、各プローブ66は、ポゴフレーム41を介してテスタ43の各端子に電気的に接続される。なお、本例のプローブカード42は、検査するウェーハWの全チップの電極に対応した多数のプローブ66を備えており、各測定部30ではウェーハチャック150に保持されたウェーハW上の全チップの同時検査が行われる。
【0030】
ウェーハチャック150は、真空吸着等によりウェーハWを吸着して固定する。ウェーハチャック150は、後述するアライメント装置13に着脱自在に支持され、アライメント装置13によってX、Y、Z、θ方向に移動可能となっている。また、ウェーハチャック150の上面(ウェーハ載置面)の外周部にはリング状のシール部材64が設けられている。そして、図示しない吸引手段により、プローブカード42とウェーハチャック150とシール部材64で囲まれた空間が減圧されることにより、ウェーハチャック150がプローブカード42に向かって引き寄せられる。これにより、プローブカード42の各プローブ66がウェーハWの各チップの電極パッドに接触して検査を開始可能な状態となる。
【0031】
ウェーハチャック150の内部には、チップを高温状態(例えば、最高で150℃)、又は低温状態(例えば最低で-40℃)で電気的特性検査が行えるように、加熱/冷却源としての加熱冷却機構(不図示)が設けられている。加熱冷却機構としては、公知の適宜の加熱器/冷却器が採用できるものであり、例えば、面ヒータの加熱層と冷却流体の通路を設けた冷却層との二重層構造にしたものや、熱伝導体内に加熱ヒータを巻き付けた冷却管を埋設した一層構造の加熱/冷却装置など、様々のものが考えられる。また、電気加熱ではなく、熱流体を循環させるものでもよく、またペルチエ素子を使用してもよい。
【0032】
プローバ本体112はさらに、ウェーハチャック150を着脱自在に支持するアライメント装置13を備えている。アライメント装置13は、それぞれの段毎に設けられており、図示しないアライメント装置駆動機構によって、各階層(各段)に配置された複数の測定部30間で相互に移動可能に構成されている。すなわち、アライメント装置13は、同一の階層(段)に配置される複数(本例では4つ)の測定部30間で共有されており、同一の階層に配置された複数の測定部30間を相互に移動する。
【0033】
また、アライメント装置13は、各測定部30に移動すると図示しない位置決め固定装置に固定され、上述したアライメント装置駆動機構によりウェーハチャック150をX、Y、Z、θ方向に移動させて、ウェーハチャック150に保持されたウェーハWとプローブカード42との相対的な位置合わせを行う。なお、図示は省略したが、アライメント装置13は、ウェーハチャック150に保持したウェーハWのチップの電極とプローブ66との相対的な位置関係を検出するために、針位置検出カメラと、ウェーハアライメントカメラとを備えている。
【0034】
なお、アライメント装置13は、真空吸着等によりウェーハチャック150を吸着して固定するが、ウェーハチャック150を固定できるものであれば、真空吸着以外の固定手段でもよく、例えば機械的手段等で固定するようにしてもよい。また、アライメント装置13には、ウェーハチャック150との相対的な位置関係が常に一定となるように位置決め部材(不図示)が設けられている。
【0035】
次に、プローバ100を用いた検査方法の概要について説明する。プローバ100を用いて検査が行われる場合、ローダ部114において、ウェーハカセット120内からウェーハWを搬送アーム124によって取り出し、搬送アーム124の上面に保持された状態でプローバ本体112の各測定部30にウェーハWを搬送する。
【0036】
一方、プローバ本体112では、各階層(各段)ごとに設けられたアライメント装置13が所定の測定部30に移動し、アライメント装置13の上面にウェーハチャック150を位置決めして吸着により固定する。
【0037】
続いて、アライメント装置13は、ウェーハチャック150を所定の受渡し位置に移動させる。そして、ローダ部114の搬送ユニット122からウェーハWが受け渡されると、そのウェーハWはウェーハチャック150の上面に保持される。
【0038】
次に、アライメント装置13は、ウェーハWを保持したウェーハチャック150を所定のアライメント位置に移動させ、図示しない針位置検出カメラ及びウェーハアライメントカメラにより、ウェーハチャック150に保持されたウェーハWのチップの電極とプローブ66との相対的な位置関係を検出し、検出した位置関係に基づいて、ウェーハチャック150をX、Y、Z、θ方向に移動させて、ウェーハチャック150に保持されたウェーハWとプローブカード42との相対的な位置合わせを行う。
【0039】
この位置合わせが行われた後、アライメント装置13は、ウェーハチャック150を所定の測定位置(プローブカード42に対向する位置)に移動させ、ウェーハチャック150を所定の高さ(具体的には、ウェーハチャック150の上面に形成されるシール部材64がプローブカード42の下面(ウェーハチャック150に対向する面)に接触する高さ)となるまでウェーハチャック150を上昇させる。
【0040】
このとき、シール部材64がプローブカード42の下面に接触する前(すなわち、プローブカード42とウェーハチャック150とシール部材64とで囲まれた空間が密閉空間となる前)に、図示しない吸引手段による吸引が開始されていることが好ましい。これにより、ウェーハチャック150を上昇させても、吸引手段による吸引が行われた状態となっているので、上記空間の圧縮による反力の影響を防止することが可能となる。なお、シール部材64がプローブカード42の下面に接触するのと同時に吸引手段による吸引を開始するようにしてもよい。
【0041】
その後、アライメント装置13は、ウェーハチャック150の固定を解除する。これにより、ウェーハチャック150は、アライメント装置13から離脱する。そして、吸引手段による吸引によって、プローブカード42とウェーハチャック150とシール部材64とで囲まれた空間が減圧されることにより、ウェーハチャック150はプローブカード42に向かって引き寄せられ、プローブカード42とウェーハチャック150は密着状態となり、プローブカード42の各プローブ66は均一な接触圧でウェーハWの各チップの電極パッドに接触する。
【0042】
これにより、
図4に示すように、測定部30は、テスタ43、ポゴフレーム41、プローブカード42、及びウェーハチャック150が一体化された状態となり、ウェーハレベル検査を開始可能な状態となる。
【0043】
その後、テスタ43からウェーハWの各チップに電源及びテスト信号が供給され、チップから出力される信号を検出して電気的な動作検査が行われる。
【0044】
以下、他の測定部30についても、同様の手順で、ウェーハチャック150上にウェーハWを供給し、各測定部30においてアライメント動作及びコンタクト動作が完了した後、ウェーハWの各チップの同時検査が順次行われる。すなわち、各測定部30では、テスタ43からウェーハWの各チップに電源及びテスト信号が供給され、チップから出力される信号を検出して電気的な動作検査が行われる。
【0045】
各測定部30において検査が完了した場合には、アライメント装置13を各測定部30に順次移動させて検査済ウェーハWが保持されるウェーハチャック150を回収する。
【0046】
つまり、検査が終了した測定部30にアライメント装置13が移動すると、アライメント装置13はその上面がウェーハチャック150に当接する位置まで上昇する。これにより、プローブカード42とウェーハチャック150とシール部材64で囲まれた空間の減圧が解除される。そして、アライメント装置13は、その上面にウェーハチャック150を位置決めして固定する。
【0047】
更にアライメント装置13は、ウェーハチャック150を所定の受け渡し位置にウェーハチャック150を移動させ、ウェーハチャック150から検査済ウェーハWの固定を解除し、検査済ウェーハWを搬送ユニット122に受け渡す。搬送ユニット122に受け渡された検査済ウェーハWは、搬送アーム124に保持され、ローダ部114に配置されるウェーハカセット120に戻される。
【0048】
なお、
図3に示す構成では、各測定部30に対してそれぞれ1つずつウェーハチャック150が割り当てられているが、ウェーハチャック150は複数の測定部30間で共有されていてもよい。この場合、アライメント装置13は、ウェーハチャック150を共有する複数の測定部30間でウェーハチャック150を相互に移動させる。
【0049】
プローブカード42はウェーハWの種類に応じて設けられており、必要に応じて不図示の制御装置の制御に従って適宜交換される。プローブカード42を交換する際には、まず、ポゴフレーム41とプローブカード42との間の固定を解除し、搬送ユニット122にプローブカード42を受け渡す。搬送ユニット122に受け渡されたプローブカード42は搬送アーム124によってローダ部114に配置されるプローブカードカセット123に戻される。続いて、プローブカード42をローダ部114に戻す場合とは逆の手順で新たなプローブカード42を測定部30に搬送する。
【0050】
[冷却用エアの経路の概要]
次に、プローバ100におけるテスタ43の冷却用エアの経路について説明する。上記のように、プローバ100ではプローバ本体112は複数の測定部30を有し、各測定部30において並列的にウェーハレベル検査が行われる。各測定部30内の温度を所定の検査温度範囲内に維持するために、各測定部30のテスタ43で発生した熱を除去するように冷却用エアを各測定部30内に循環させる必要がある。
【0051】
特に、低温状態でウェーハレベル検査を行う場合、結露を抑制するためにプローバ本体112及びローダ部114を、比較的低露点を有するドライエアで満たしている。そのため、ドライエアで満たされたローダ部114内を介さない経路で冷却用エアを各測定部30に供給し、テスタ43を冷却した後の冷却用エアを各測定部30から排気することが望ましい。
【0052】
そこで、本実施形態では、ローダ部114の内部を介さないで冷却用エアを各測定部30に供給及び排気できるように経路を工夫している。まず、
図5を用いて、本実施形態に係るプローバ100全体での冷却用エアの経路の概要について説明する。
【0053】
図5は、Z方向上側からプローバ100の内部を見た場合の冷却用エアの経路の概要を示す図である。
図5において、冷却用エアの経路を太い点線の矢印Aで示す。
図5に示すように、プローバ本体112とローダ部114とは間隙Sをあけて隣接して配置される。好ましくは、間隙Sの幅は、10mm~20mmである。
【0054】
プローバ本体112の各測定部30はその内部にテスタ43を有する。プローバ本体112の4つの側面のうち、ローダ部114に対向する側面(後述の側面112A)には、各テスタ43に対応する位置に吸気口71が設けられる。吸気口71の大きさはテスタ43の発熱量を考慮して適宜決定されるが、できるだけ大きくすることが好ましい。
【0055】
更に、プローバ本体112の4つの側面のうち、ローダ部114とは反対側にある側面(後述の側面112B)には、各テスタ43に対応する位置に排気口73が設けられる。
【0056】
プローバ本体112とローダ部114とは間隙Sだけ離隔しているため、矢印Aで示すように、間隙S及び吸気口71を介してテスタ43を冷却するための冷却用エアを各測定部30に供給することができる。これにより、ローダ部114の内部を介さずに冷却用エアを測定部30内に供給することが可能となる。
【0057】
更に、矢印Aで示すように、吸気口71から供給された冷却用エアはテスタ43内を通過して、排気口73から排出される。ここで、
図5に示すように、プローバ本体112において吸気口71が設けられる側面は、排気口73が設けられる側面とは異なる。これにより、排気された冷却用エアによって吸気口近傍の冷却用エアの温度が上昇して、各テスタ43の冷却効率が落ちることを抑制することが可能となる。
【0058】
また、
図5に示すように、プローバ本体112において冷却用エアの経路上にファン47を設けてもよい。吸気口71から排気口73まで冷却用エアをファン47によって強制的に循環させることができるため、冷却効率を向上させることが可能となる。
【0059】
[冷却用エアの経路に関連する具体的構成]
以下、プローバ100の外部から冷却用エアを取り込む吸気口71から、冷却用エアをプローバ100の外部に排気する排気口73までの経路に関連する具体的構成について順に説明する。
【0060】
まず、冷却用エアの吸気口71について説明する。
図6は、
図1に示すプローバ100からローダ部114を除去して、プローバ本体112だけをローダ部114の側から見た外観斜視図である。
【0061】
図6に示すように、プローバ本体112の外形は略直方体であり、プローバ本体112の筐体は、Z方向に平行に(略垂直に)立設された4つの側面を有する。以下、プローバ本体112の4つの側面のうち、ローダ部114に対向する側面を側面112Aと称し、ローダ部114とは反対側に設けられた側面を側面112Bと称し、側面112Aと側面112Bとの間に設けられた2つの側面をそれぞれ側面112C及び側面112Dと称する。
【0062】
なお、プローバ本体112から見てローダ部114とは反対側には一般的にはメンテナンスエリアが設けられているため、側面112Bをメンテナンスエリア側の側面と称することもある。
【0063】
ローダ部114に対向する側面112Aは、測定部30毎に区画された隔壁70(ローダ部114の側の隔壁70)を有する。本例の場合、プローバ本体112は12つの測定部30を有するため、側面112Aは、12つの測定部30に対応して12つの隔壁70を有する。
【0064】
隔壁70は、ローダ部114及び外部環境から各測定部30の内部を隔離又は概略隔離するものである。隔壁70は、例えば、10mm~30mmの厚さを有する金属製である。なお、この例示は隔壁70の材料及び厚さを限定する趣旨ではない。
【0065】
各隔壁70には、吸気口71と、受け渡し口72とが形成されている。吸気口71は、テスタ43を冷却する冷却用エアを外部環境から測定部30内に供給するための開口である。好ましくは、吸気口71は、X方向及びY方向において、測定部30内のテスタ43に対応する位置に設けられる。これにより、冷却用エアを効果的に測定部30内に供給することができる。
【0066】
受け渡し口72は、搬送物をローダ部114とプローバ本体112との間で受け渡しするための開口である。受け渡し口72の形状は、一般的には、略板状の搬送物の外形に合わせた長方形である。好ましくは、受け渡し口72は、X方向及びZ方向において、測定部30内のポゴフレーム41及びウェーハチャック150等に対応する位置に設けられる。これにより、搬送物をスムーズにローダ部114とプローバ本体112との間で受け渡しすることができる。
【0067】
なお、好ましくは、受け渡し口72とローダ部114との間を、トンネル状の通路92を介して連通する(
図11参照)。これにより、プローバ本体112とローダ部114とが間隙Sだけ離隔していても、外部環境から冷却用エアがプローバ本体112の内部に入り込むことを抑制することができる。
【0068】
以下、各測定部30の隔壁70の構成についてより詳しく説明する。
図7は、
図6における1つの測定部30の隔壁70を、ローダ部114の側から、つまり、測定部30の外側から見た図である。
【0069】
図7に示すように、吸気口71からは、測定部30内に設けられたテスタ43及びファン47(
図6参照)を視認することができる。また、受け渡し口72からは、測定部30内に設けられたポゴフレーム41及びウェーハチャック150等の一部を視認することができる。なお、吸気口71及び受け渡し口72の形状の理解を容易にするため、
図7において測定部30内の構造物を破線で示している。
【0070】
図8は隔壁70を測定部30の内側から見た図である。
図8に示すように、測定部30内には、受け渡し口72を開閉するシャッタ80が設けられる。シャッタ80は本発明の開閉機構の一例である。
図8の符号8Aは、受け渡し口72が開放されている状態を示し、
図8の符号8Bは、受け渡し口72が閉鎖された状態を示す。
【0071】
シャッタ80は、遮蔽板81と、一対のガイドレール82と、エアシリンダ83とを備える。遮蔽板81の大きさは、受け渡し口72を確実に覆うことができるように、受け渡し口72より大きいことが好ましい。遮蔽板81の形状は特に限定されない。本実施形態では、例として遮蔽板81は台形形状である。
【0072】
一対のガイドレール82は長方形の受け渡し口72の長手方向の両側に設けられ、遮蔽板81は一対のガイドレール82に沿って上下方向(Z方向)に移動可能である。
【0073】
エアシリンダ83は上下方向(Z方向)に伸縮自在に構成される。エアシリンダ83の伸縮方向の両端のうち、一端は遮蔽板81に連結され、他端は測定部30の底部に連結される。受け渡し口72を介して搬送物を測定部30内に供給する場合、不図示の制御装置の制御によってエアシリンダ83の長さは収縮され、遮蔽板81を受け渡し口72より下の位置に移動させる。これにより、受け渡し口72が開放された状態になる。
【0074】
好ましくは、受け渡し口72を介して搬送物を供給する場合以外は、不図示の制御装置の制御によってエアシリンダ83の長さは伸長され、遮蔽板81を受け渡し口72を完全に覆う位置に移動させる。これにより、受け渡し口72が閉鎖された状態になる。なお、シャッタ80の構造を例示したが、受け渡し口72を開閉できればその構造は限定されない。
【0075】
搬送物の受け渡し時以外ではシャッタ80により受け渡し口72を閉鎖することにより、ローダ部114の側から測定部30のプロービングエリア50(
図4参照)へ比較的露点の高いドライエアが流入することを防止することができる。なお、プロービングエリア50は、ヘッドプレート44の下側に配置された空間部であり、当該空間部にはプローブカード42及びウェーハチャック150が配置される。すなわち、プロービングエリア50には、プローブカード42のプローブ66とウェーハWの各チップの電極パッドとが接触する部分が含まれる。
【0076】
次に、冷却用エアの排気口73について説明する。
図9は、プローバ本体112のメンテナンスエリア側(ローダ部114とは反対側)の側面112Bを示す図である。
【0077】
図9に示すように、メンテナンスエリア側の側面112Bは、測定部30毎に区画された、板状のパネル74を有する。本例の場合、プローバ本体112は12つの測定部30を有するため、側面112Bは、12つの測定部30に対応して12つのパネル74を有する。パネル74は、例えば、10mm~30mmの厚さを有する金属製である。なお、この例示はパネル74の材料及び厚さを限定する趣旨ではない。
【0078】
各パネル74には、排気口73と、メンテナンス用開口(不図示)とが形成されている。好ましくは、排気口73は、X方向及びZ方向において、測定部30内のテスタ43に対応する位置に設けられる。これにより、冷却用エアを効果的にテスタ43から排気することができる。
【0079】
また、好ましくは、異物の侵入防止のために、排気口73には金属製の網75が嵌め込まれている。また、例えば、網75の下端には一対のヒンジ76が設けられ、網75を排気口73から容易に外すことが可能である。
【0080】
不図示のメンテナンス用開口は、例えば、排気口73の下側に設けられる。好ましくは、メンテナンス用開口は、測定部30内においてヘッドプレート44の下側に配置された機器に操作者がアクセス可能な位置に設けられる。更に、メンテナンス用開口の上には、メンテナンス用開口を閉鎖するカバー板78が設けられている。カバー板78の上端には一対のヒンジ77が設けられ、カバー板78をメンテナンス用開口から容易に外すことが可能である。
【0081】
必要に応じて網75及びカバー板78を排気口73及びメンテナンス用開口から外すことが可能であるため、測定部30内においてヘッドプレート44の上側及び下側に設けられた各機器のメンテナンス等を操作者が容易に行うことができる。
【0082】
続いて、各測定部30内に設けられたテスタ43について説明する。
図10は、テスタ43の外観斜視図である。
図10の符号10Aはローダ部114の側から見たテスタ43の外観斜視図であり、
図10の符号10Bはローダ部114とは反対側のメンテナンスエリア側から見たテスタ43の外観斜視図である。
図10において、太い点線の矢印Bは冷却用エアの経路を示す。
【0083】
図10に示すように、テスタ43は、全体として概略直方体の形状であり、テスタ43の筐体は、Z方向に平行に(略垂直に)立設された4つの側面43Aから43Dと、XY平面に平行な上面43Eと、XY平面に平行な下面43Fと、を有する。以下、テスタ43の4つの側面のうち、ローダ部114に対向する側面を側面43Aと称し、ローダ部114とは反対側(メンテナンスエリア側)に設けられた側面を側面43Bと称し、側面43Aと側面43Bとの間に設けられた2つの側面をそれぞれ側面43C及び側面43Dと称する。
【0084】
図10の符号10Aに示すように、テスタ43のローダ部114に対向する側面43Aは1以上の開口90を有し、間隙S及び吸気口71を介してプローバ本体112内に吸入された冷却用エアは、開口90からテスタ43内に供給される。そのため、ローダ部114の側から冷却用エアを供給するための冷却用エア専用の経路を設ける必要はない。
【0085】
好ましくは、開口90の近傍に既述のファン47が設けられる(ファン47について
図5及び
図11参照)。これにより、効率的に冷却用エアを吸気口71から取り込み、テスタ43内で循環させることができるため、テスタ43の冷却効率を向上させることが可能になる。
【0086】
更に、
図10の符号10Bに示すように、テスタ43のメンテナンスエリア側の側面43Bは1以上の開口91を有し、テスタ43内を通過した冷却用エアは、開口91及び排気口73を介してテスタ43内からプローバ本体112の外に排気される。
【0087】
また、好ましくは、側面43C、43D、上面43E及び下面43Fは開口を有さない。これにより、テスタ43の外に冷却用エアが逃げることを抑制しつつ、開口90から供給された冷却用エアは、矢印Bに示すように、略筒状(略角管状)に形成されたテスタ43の筐体内を通過して、開口91から排気される。延いてはテスタ43を効率的に冷却することができる。また、ヘッドプレート44の下側にあるプロービングエリア50にテスタ43から冷却用エアが漏洩することを抑制することができるため、プロービングエリア50内の温度を所定の検査温度範囲内に安定的に維持することができる。
【0088】
特に、低温状態でのウェーハレベル検査において、結露を抑制するためにプロービングエリア50(及びローダ部114の内部)をドライエアで満たしている場合、テスタ43からプロービングエリア50への冷却用エアの漏洩を抑制できることの利点は大きい。
【0089】
また、略筒状のテスタ43の筐体内に冷却用エアを通過させるため、プローバ本体112内に冷却用エア専用の経路を設ける必要はない。つまり、ローダ部114の側にもプローバ本体112の側にも冷却用エア専用の経路を設ける必要はないため、その分だけプローバ100のコスト及びサイズを低減することができる。
【0090】
[発明の効果]
以下、
図11を用いて、1つの測定部30内での冷却用エアの経路に即して包括して本実施形態の効果について説明する。
図11は、
図1におけるプローバ100の断面線11-11に沿った断面図であり、3段積みで構成されるプローバ本体112の最上段の測定部30の断面図のみを示す。
図11において、太い点線の矢印Cは冷却用エアの経路を示す。
【0091】
図11の矢印Cで示すように、ローダ部114の内部を介さずに、プローバ本体112とローダ部114との間隙S及び吸気口71を介して、外部環境から測定部30内に冷却用エアが供給される。低温状態でのウェーハレベル検査において、結露を抑制するためにドライエアでローダ部114を満たしている場合に、この利点は顕著な効果を奏する。
【0092】
また、プローバ本体112とローダ部114との間隙Sから冷却用エアを測定部30内に吸気させることで、プローバ本体112とローダ部114との間隙Sにおける冷却用エアが流動的となる。冷却用エアがプローバ本体112とローダ部114と間に滞留しなくなるため、結露が発生することを抑制できる。低温状態でのウェーハレベル検査において、この利点は顕著な効果を奏する。
【0093】
矢印Cで示すように、テスタ43内の冷却用エアの経路上にファン47を備える。ファン47を駆動することにより、間隙Sからテスタ43の内部に冷却用エアを積極的に取り込むことができ、さらに取り込まれたエアを排気口73に導くことができる。これにより、冷却効率を向上させることができる。好ましくは、ファン47はローダ部114の側に設けられる。これにより、吸気口71から冷却用エアの供給を促進させる。
【0094】
図11に示すように、プローバ本体112とローダ部114とは間隙Sだけ離隔しているが、ローダ部114に対向する側面112Aの大部分は隔壁70により覆われている。そのため、プローバ本体112とローダ部114とが間隙Sだけ離隔していても、外部環境から冷却用エアが間隙Sを介してプローバ本体112のプロービングエリア50に入り込むことを抑制することができる。
【0095】
更に、隔壁70に設けられた受け渡し口72とローダ部114との間は、トンネル状の通路92によって連通されている。プローバ本体112とローダ部114との間の搬送物(ウェーハW及びプローブカード42)の受け渡しは、トンネル状の通路92及び受け渡し口72を介して行われるので、プロービングエリア50内に冷却用エアが入り込むことを抑制できる。
【0096】
更に、受け渡し口72を開閉するシャッタ80が設けられている。搬送物の受け渡し時以外ではシャッタ80により受け渡し口72を閉鎖することにより、ローダ部114の側から測定部30のプロービングエリア50へ比較的露点の高いドライエアが流入することを防止することができる。
【0097】
また、
図11の矢印Cに示すように、吸気口71から供給された冷却用エアは略筒状のテスタ43の筐体内を通過し、排気口73までほぼ直線経路でテスタ43を冷却した後、排出される。従って、テスタ43の冷却を効率的に行うことができる。
【0098】
テスタ43の開口90から供給された冷却用エアは略筒状のテスタ43の筐体内を通過してテスタ43の開口91から排気されるため、プロービングエリア50にテスタ43内から冷却用エアが漏洩することを抑制することができる。延いては、プロービングエリア50内の温度を所定の検査温度範囲内に安定的に維持することができる。
【0099】
また、略筒状のテスタ43の筐体内を冷却用エアが通過するため、プローバ本体112内に冷却用エア専用の経路を設ける必要はない。つまり、ローダ部114の側にもプローバ本体112の側にも冷却用エア専用の経路を設ける必要はないため、その分だけプローバ100のコスト及びプローバ本体112のスペースを低減することができる。
【0100】
吸気口71はプローバ本体112のローダ部114の側の側面112A(各測定部30の隔壁70)に設けられ、排気口73は、プローバ本体112のローダ部114とは反対側の側面112B(各測定部30のパネル74)に設けられる。そのため、吸気口71近傍の冷却用エアの温度が排気口73から排気された冷却用エアによって上昇することを抑制することができる。延いては、冷却効率の低下を抑制することができる。
【0101】
[その他]
本実施形態では、受け渡し口72を開閉するシャッタ80が測定部30内に設けられるが、シャッタ80は測定部30の外に設けられてもよい。
【0102】
以上、本発明に係るプローバについて詳細に説明したが、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、いくつかの改良又は変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0103】
13 アライメント装置、30 測定部、41 ポゴフレーム、42 プローブカード、43 テスタ、43A,43B,43C,43D 側面、43E 上面、43F 下面、44 ヘッドプレート、47 ファン、50 プロービングエリア、53 ポゴフレーム取付部、60,62,64 シール部材、66 プローブ、70 隔壁、71 吸気口、72 受け渡し口、73 排気口、74 パネル、75 網、76,77 ヒンジ、78 カバー板、80 シャッタ、81 遮蔽板、82 ガイドレール、83 エアシリンダ、90,91 開口、92 通路、100 プローバ、112 プローバ本体、112A,112B,112C,112D 側面、114 ローダ部、116 測定部、118 ロードポート、120 ウェーハカセット、121 操作パネル、122 搬送ユニット、123 プローブカードカセット、124 搬送アーム、150 ウェーハチャック、A,B,C 矢印、S 間隙、W ウェーハ