(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103249
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0687 20060101AFI20240725BHJP
H01S 5/02325 20210101ALI20240725BHJP
【FI】
H01S5/0687
H01S5/02325
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007484
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長島 和哉
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】梶 敦次
(72)【発明者】
【氏名】松原 礼高
(72)【発明者】
【氏名】石川 陽三
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC17
5F173MF12
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】例えば、波長検出部に対する迷光の影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュールを得る。
【解決手段】光モジュールは、例えば、筐体と、筐体内に収容された発光素子と、筐体内に収容され発光素子から第一方向に出力された第一光の波長を検出する波長検出部と、筐体内に収容され第一光と略平行な第二光が入力される光デバイスと、を備え、波長検出部の第一光の第一入射面が、光デバイスの第二光の第二入射面に対して、第一方向の反対方向に離れて位置する。また、光モジュールでは、発光素子から第一方向の反対方向に出力された光が、第一光学部品を経由した後、第二光として光デバイスに入力されてもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容された発光素子と、
前記筐体内に収容され前記発光素子から第一方向に出力された第一光の波長を検出する波長検出部と、
前記筐体内に収容され前記第一光と略平行な第二光が入力される光デバイスと、
を備え、
前記波長検出部の前記第一光の第一入射面が、前記光デバイスの前記第二光の第二入射面に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置した、光モジュール。
【請求項2】
前記発光素子から前記第一方向の反対方向に出力された光が、第一光学部品を経由した後、前記第二光として前記光デバイスに入力される、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記光デバイスは、光を前記第一方向の反対方向に折り返す折り返し部を有し、
前記第一入射面が、前記折り返し部に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置した、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第二入射面に対して前記第一方向の反対方向に面し前記第二光が前記第二入射面に入射する前に経由する第二光学部品を備え、
前記第一入射面が、前記第二光学部品に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置した、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記波長検出部は、光フィルタを有し前記第一光が入力される第一部位と、前記第一部位を経由した光の強度を検出する強度検出部を有した第二部位と、を有し、
前記第二部位は、前記第一部位に対して前記第二入射面とは反対側に位置した、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記波長検出部と前記光デバイスとの間に介在した遮光部を備えた、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記遮光部は、光を吸収する光吸収部を有した、請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記遮光部は、電子部品を支持した支持部材の一部である、請求項6に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記光デバイスは、コヒーレントミキサである、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記光デバイスは、変調器である、請求項1に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子、波長検出部、光デバイス等を備え、筐体内で光が伝送される光モジュールが知られている(例えば、特許文献1)。発光素子は、例えば、レーザ素子であり、波長検出部は、例えば、波長ロッカであり、光デバイスは、例えば、コヒーレントミキサや、変調器等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の光モジュールにおいて、波長検出部に、光デバイスでの反射や散乱によって生じた迷光が入射すると、波長の検出精度が低下する虞があるため、好ましくない。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、波長検出部に対する迷光の影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュールを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光モジュールは、例えば、筐体と、前記筐体内に収容された発光素子と、前記筐体内に収容され前記発光素子から第一方向に出力された第一光の波長を検出する波長検出部と、前記筐体内に収容され前記第一光と略平行な第二光が入力される光デバイスと、を備え、前記波長検出部の前記第一光の第一入射面が、前記光デバイスの前記第二光の第二入射面に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置する。
【0007】
前記光モジュールでは、前記発光素子から前記第一方向の反対方向に出力された光が、第一光学部品を経由した後、前記第二光として前記光デバイスに入力されてもよい。
【0008】
前記光モジュールでは、前記光デバイスは、光を前記第一方向の反対方向に折り返す折り返し部を有し、前記第一入射面が、前記折り返し部に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置してもよい。
【0009】
前記光モジュールは、前記第二入射面に対して前記第一方向の反対方向に面し前記第二光が前記第二入射面に入射する前に経由する第二光学部品を備え、前記第一入射面が、前記第二光学部品に対して、前記第一方向の反対方向に離れて位置してもよい。
【0010】
前記光モジュールでは、前記波長検出部は、光フィルタを有し前記第一光が入力される第一部位と、前記第一部位を経由した光の強度を検出する強度検出部を有した第二部位と、を有し、前記第二部位は、前記第一部位に対して前記第二入射面とは反対側に位置してもよい。
【0011】
前記光モジュールは、前記波長検出部と前記光デバイスとの間に介在した遮光部を備えてもよい。
【0012】
前記光モジュールでは、前記遮光部は、光を吸収する光吸収部を有してもよい。
【0013】
前記光モジュールでは、前記遮光部は、電子部品を支持した支持部材の一部であってもよい。
【0014】
前記光モジュールでは、前記光デバイスは、コヒーレントミキサであってもよい。
【0015】
前記光モジュールでは、前記光デバイスは、変調器であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、例えば、改善された新規な構成を備えた光モジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態の光モジュールの例示的かつ模式的な平面図である。
【
図2】
図2は、第2実施形態の光モジュールの例示的かつ模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、第3実施形態の光モジュールの内部構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
【
図4】
図4は、第4実施形態の光モジュールの内部構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
【
図5】
図5は、第5実施形態の光モジュールの内部構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
【
図6】
図6は、第5実施形態の光モジュールの内部構成の一部の例示的かつ模式的な正面図である。
【
図7】
図7は、第6実施形態の光モジュールの内部構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
【
図8】
図8は、第6実施形態の光モジュールの内部構成の一部の例示的かつ模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0019】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0020】
本明細書において、序数は、部材や、部位、光、方向等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
【0021】
また、各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の光モジュール100A(100)の平面図である。
図1に示されるように、光モジュール100A(100)は、筐体10と、チップオンサブマウント20と、波長検出部30A(30)と、光デバイス40と、を備えている。
【0023】
筐体10は、箱状に構成されており、チップオンサブマウント20や、波長検出部30A、光デバイス40、温調装置(不図示)等を収容している。筐体10は、底壁や、周壁(側壁)、天壁等(不図示)を有している。収容物を支持する底壁は、例えば、銅タングステン(CuW)、銅モリブデン(CuMo)、酸化アルミニウム(Al2O3)のような、熱伝導率の高い材料で作られうる。また、周壁や天壁は、例えば、例えば、Fe-Ni-Co合金、酸化アルミニウム(Al2O3)のような、熱膨張係数の低い材料で作られうる。
【0024】
チップオンサブマウント20は、例えば、サブマウント21と、当該サブマウント21上に設けられたレーザ素子22と、を有している。レーザ素子22は、例えば、半導体レーザ素子であり、Y方向に主たる出力光を出力するとともに、Y方向の反対方向に波長モニタ用の出力光としてのレーザ光L1を出力している。レーザ素子22は、発光素子の一例であり、Y方向の反対方向は、第一方向の一例である。言い換えると、Y方向は、第一方向の反対方向の一例である。また、レーザ光L1は、第一光の一例である。
【0025】
波長検出部30A(30)は、光フィルタを含む導波路構造を有した第一部位31と、第一部位31を透過した光の強度を検出する強度検出部を含む第二部位32と、を有している。第一部位31に含まれる光フィルタは、波長に応じて透過率が異なる波長フィルタであり、その波長-透過率特性は、例えば、中心波長で光の透過率が最も高くなるとともに波長が中心波長から離れるにつれて透過率が徐々に低くなるよう、設定されている。したがって、第一部位31を透過した光の第二部位32に含まれる強度検出部での受光強度に応じて、当該第一部位31を透過した光、すなわちレーザ素子22から出力された光の波長を検出することができる。この場合、第一部位31は、中心波長が異なる複数の光フィルタを有してもよいし、光フィルタを有しないリファレンス用の導波路を有してもよい。また、第二部位32は、複数の強度検出部を有し、各強度検出部は、対応する光フィルタを透過した光の強度や、光フィルタを有しない導波路の光の強度を検出してもよい。光フィルタは、例えば、リング共振器や、マッハツェンダ干渉計として構成することができる。強度検出部は、例えば、フォトダイオードとして構成することができる。波長検出部30の入射面30aには、Y方向の反対方向に向かうレーザ光L1が入力される。入射面30aは、第一入射面の一例である。
【0026】
光デバイス40は、例えば、国際公開第2020/138337号に開示されるような公知のコヒーレントミキサや、変調器等である。コヒーレントミキサは、入力されたレーザ光L2と入力信号光(不図示)とを干渉させた処理信号光(不図示)を生成する。処理信号光から、X偏波のI成分およびQ成分と、Y偏波のI成分およびQ成分が取得される。他方、変調器は、レーザ光L2を変調して変調光を生成するものである。変調器は、たとえばInPを構成材料に用いたマッハツェンダ型の位相変調器であり、変調器ドライバ(不図示)によって駆動されてIQ変調器として機能する公知のものである。このような位相変調器は、たとえば国際公開第2016/021163号に開示されるものと同様のものである。光デバイス40の入射面40aには、Y方向の反対方向に向かうレーザ光L2が入力される。レーザ光L2は、レーザ光L1と略平行である。入射面40aは、第二入射面の一例である。また、レーザ光L2は、第二光の一例である。
【0027】
ここで、
図1に示されるように、本実施形態では、入射面30aは、入射面40aに対して、Y方向に離れて位置している。この場合、仮に、レーザ光L2の入射面40aでの散乱によって迷光が生じたとしても、波長検出部30の入射面30aは、入射面40aに対してY方向に離れるとともに、入射面40aに対して第一部位31の陰に位置しているため、当該迷光は入射面30aに到達し難くなる。
【0028】
すなわち、本実施形態によれば、例えば、波長検出部30に対する迷光の影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100A(100)を得ることができる。
【0029】
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態の光モジュール100B(100)の平面図である。
図2に示されるように、光モジュール100B(100)は、筐体10と、チップオンサブマウント20と、波長検出部30A(30)と、光デバイス40としてのコヒーレントミキサ41および変調器42と、複数の光学部品50と、を備えている。光モジュール100B(100)は、国際公開第2020/138337号に開示される光モジュールと同様の構成を備えている。
【0030】
複数の光学部品50は、例えば、ミラーやビームスプリッタ等であって、レーザ素子22からY方向へ出力されたレーザ光を、レーザ光L21,L22(L2)に分岐するとともに折り返し、Y方向の反対方向へ向かわせる。すなわち、レーザ光L21およびレーザ光L22は、いずれもY方向の反対方向へ向かい、互いに平行であり、かつレーザ光L1と平行な光となる。レーザ光L21(L2)は、コヒーレントミキサ41へ入力され、レーザ光L22(L2)は、変調器42へ入力される。このような構成により、本実施形態では、レーザ素子22からY方向に出力されたレーザ光L1は、複数の光学部品50を経由した後、レーザ光L2として光デバイス40に入力される。複数の光学部品50は、第一光学部品の一例である。また、レーザ光L21,L22(L2)は、第二光の一例である。
【0031】
そして、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、波長検出部30の入射面30aは、コヒーレントミキサ41の入射面40aおよび変調器42の入射面40aに対して、Y方向に離れて位置している。
【0032】
したがって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様に、入射面40aで生じた迷光の波長検出部30に対する影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100B(100)を得ることができる。
【0033】
また、変調器42は、内部に、Y方向の反対方向へ向かう光を折り返してY方向へ向かわせる折り返し導波路を有している。そして、波長検出部30の入射面30aは、当該折り返し導波路における折り返し部42a、すなわち折り返し導波路のY方向の反対方向の端部に対しても、Y方向に離れて位置するとともに、波長検出部30は、折り返し部42aに対してX方向に並ばず、当該折り返し部42aに対してX方向に並ぶ位置に対してY方向にずれている。したがって、仮に折り返し部42aから漏れた光が迷光となった場合にあっても、入射面30aは、折り返し部42aに対してY方向に離れるとともに、当該折り返し部42aに対して第一部位31の陰に位置しているため、当該迷光は入射面30aに到達し難くなる。また、当該迷光がX方向またはX方向の反対方向に出力された場合、当該迷光は波長検出部30には直接的には到達しない。
【0034】
したがって、本実施形態によれば、例えば、折り返し部42aで生じた迷光の波長検出部30に対する影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100B(100)を得ることができる。
【0035】
[第3実施形態]
図3は、第3実施形態の光モジュール100C(100)の平面図である。なお、
図3では、筐体10の図示を省略している。
【0036】
図3に示されるように、本実施形態の光モジュール100C(100)は、上記第2実施形態と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
ただし、本実施形態では、
図3に示されるように、光モジュール100C(100)は、レーザ光L21,L22が入射面40aに入力される前に経由するレンズ60を備えている。これらレンズ60は、いずれも、入射面40aに対してY方向に隙間をあけて面している。レンズ60は、第二光学部品の一例である。なお、第二光学部品は、レンズ60には限定されない。
【0038】
そして、波長検出部30の入射面30aは、これらレンズ60に対してY方向に離れて位置している。したがって、仮にレンズ60で散乱した光が迷光となった場合にあっても、入射面30aは、レンズ60に対してY方向に離れるとともに、当該レンズ60に対して第一部位31の陰に位置しているため、当該迷光は入射面30aに到達し難くなる。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、例えば、レンズ60で生じた迷光の波長検出部30に対する影響を抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100C(100)を得ることができる。
【0040】
[第4実施形態]
図4は、第4実施形態の光モジュール100D(100)の平面図である。なお、
図4では、筐体10の図示を省略している。
【0041】
図4に示されるように、本実施形態の光モジュール100D(100)は、上記第2実施形態と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
ただし、本実施形態では、
図4に示されるように、波長検出部30D(30)において、第二部位32が、第一部位31に対して、光デバイス40の入射面40aとは反対側に位置している。よって、入射面40aで生じた迷光が強度検出部を含む第二部位32へ到達し難くなる。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、例えば、入射面40aで生じた迷光の波長検出部30に対する影響をより一層抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100D(100)を得ることができる。
【0044】
なお、本実施形態の波長検出部30Dは、他の実施形態の波長検出部30Aに替えて設けることができる。
【0045】
[第5実施形態]
図5は、第5実施形態の光モジュール100E(100)の平面図である。また、
図6は、第5実施形態の光モジュール100E(100)の一部の正面図である。なお、
図5では、筐体10の図示を省略している。
【0046】
図5に示されるように、本実施形態の光モジュール100E(100)は、上記第2実施形態と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0047】
さらに、本実施形態では、
図5,6に示されるように、波長検出部30と光デバイス40としてのコヒーレントミキサ41との間、および波長検出部30と光デバイス40としての変調器42との間のそれぞれに、遮光部70としての光吸収部71が設けられている。光吸収部71は、X方向における略一定の幅、およびZ方向における略一定の高さで、波長検出部30のY方向の端部と光デバイス40のY方向の反対方向の端部との間で、Y方向に延びている。光吸収部71は、例えば、光を吸収する特性を有した黒色樹脂材料で構成される。光吸収部71は、光デバイス40で生じた迷光が波長検出部30に向かうのを遮る遮光部70として機能する。さらに、光吸収部71は、光を吸収する分、迷光がさらに当該遮光部70および他の部位で反射して入射面30aに到達するのを、抑制することができる。なお、
図6に示されるように、波長検出部30、コヒーレントミキサ41、および変調器42は、それぞれ支持部材80を介して筐体10の底壁(不図示)に支持されている。支持部材80は、例えば、TEC(thermo electric cooler)のような、温調装置であってもよい。
【0048】
本実施形態によれば、例えば、光デバイス40で生じた迷光の波長検出部30に対する影響をより一層抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100E(100)を得ることができる。
【0049】
[第6実施形態]
図7は、第6実施形態の光モジュール100F(100)の平面図である。また、
図8は、第6実施形態の光モジュール100F(100)の正面図である。なお、
図7では、筐体10の図示を省略している。
【0050】
図7に示されるように、本実施形態の光モジュール100F(100)は、上記第2実施形態と同様の構成を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
また、
図7,8に示されるように、本実施形態でも、上記第5実施形態と同様に、波長検出部30と光デバイス40としてのコヒーレントミキサ41との間、および波長検出部30と光デバイス40としての変調器42との間のそれぞれに、遮光部70が設けられている。
【0052】
ただし、本実施形態では、遮光部70は、セラミックフィードスルー72の一部によって構成されている。セラミックフィードスルー72は、筐体10(
図2参照)の側壁の一部を貫通し、筐体10内のトランスインピーダンスアンプ101や、変調器ドライバ102を支持している。また、セラミックフィードスルー72は、トランスインピーダンスアンプ101や、変調器ドライバ102と、筐体10外の制御装置(不図示)との間での電気的な接続を確立する配線(不図示)を有している。セラミックフィードスルー72は、支持部材の一例である。なお、セラミックフィードスルー72は、筐体10の一部を構成していると言うことができる。また、セラミックフィードスルー72は、貫通部材や、実装基板、回路基板とも称されうる。
【0053】
トランスインピーダンスアンプ101は、コヒーレントミキサ41からの電流信号を電圧信号に変換して出力する。また、変調器ドライバ102は、変調器42を駆動する。トランスインピーダンスアンプ101および変調器ドライバ102は、電子部品の一例である。
【0054】
セラミックフィードスルー72は、基板部72aと、壁部72bと、を有する。また、セラミックフィードスルー72には、切欠72cが設けられている。
【0055】
基板部72aは、Z方向に略一定の厚さで、Z方向と交差して広がっている。基板部72aのZ方向の端部に位置する面72a1は、Z方向を向き、Z方向と交差して広がっている。トランスインピーダンスアンプ101および変調器ドライバ102は、面72a1上に支持されている。面72a1は、実装面とも称されうる。
【0056】
壁部72bは、X方向における略一定の幅、およびZ方向における略一定の高さで、波長検出部30のY方向の端部と光デバイス40のY方向の反対方向の端部との間で、Y方向に延びている。壁部72bは、基板部72a上では、面71a1からZ方向に突出している。
【0057】
また、切欠72cは、Z方向の反対方向に見た場合に、Y方向の端部がY方向の反対方向に凹むように切り欠かれて形成されている。セラミックフィードスルー72には、三つの切欠72cが設けられており、各切欠72cには、波長検出部30や、コヒーレントミキサ41、変調器42等が収容されている。切欠72cは、開口とも称されうる。
【0058】
このような構成において、壁部72bは、光デバイス40からの光が波長検出部30の入射面30aへ向かうのを遮る遮光部70として機能する。なお、壁部72bの、少なくとも光デバイス40と面する表面には、光吸収層が設けられてもよい。当該光吸収層は、例えば、光吸収性を有した黒色塗料によって構成されうる。
【0059】
本実施形態によれば、例えば、光デバイス40で生じた迷光の波長検出部30に対する影響をより一層抑制することが可能となるような、改善された新規な構成の光モジュール100F(100)を得ることができる。
【0060】
なお、本実施形態では、Z方向において、面72a1の位置は、光デバイス40のZ方向の反対方向の端面(底面)の位置と同じであるが、これには限定されず、例えば、光デバイス40のZ方向の端面(頂面)の位置と同じであってもよいし、光デバイス40の底面と頂面との間に位置してもよい。
【0061】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0062】
例えば、本発明は、コヒーレントミキサや変調器以外の光デバイスを備えた光モジュールにも適用することができる。また、発光素子や、波長検出部、光デバイスのレイアウトも種々に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…筐体
20…チップオンサブマウント
21…サブマウント
22…レーザ素子(発光素子)
30,30A,30D…波長検出部
30a…入射面(第一入射面)
31…第一部位
32…第二部位
40…光デバイス
40a…入射面(第二入射面)
41…コヒーレントミキサ(光デバイス)
42…変調器(光デバイス)
42a…折り返し部
50…光学部品(第一光学部品)
60…レンズ(第二光学部品)
70…遮光部
71…光吸収部
72…セラミックフィードスルー
72a…基板部
72a1…面
72b…壁部(遮光部)
72c…切欠
80…支持部材
100,100A~100F…光モジュール
101…トランスインピーダンスアンプ(電子部品)
102…変調器ドライバ(電子部品)
L1…レーザ光(第一光)
L21,L22,L2…レーザ光(第二光)
X…方向
Y…方向(第一方向の反対方向)
Z…方向