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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103263
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ソースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/00 20160101AFI20240725BHJP
【FI】
A23L23/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007503
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】狩野 香織
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 美鈴
【テーマコード(参考)】
4B036
【Fターム(参考)】
4B036LC01
4B036LF04
4B036LH13
4B036LH22
4B036LH26
4B036LH39
4B036LK01
4B036LP01
(57)【要約】
【課題】乳風味に優れ、コク味と口どけが良好なソースの製造方法を提供すること。
【解決手段】乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1である原料を加熱する工程を含む、ソースの製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1である原料を加熱する工程を含む、ソースの製造方法。
【請求項2】
前記パーム系油脂がヨウ素価35~70である、請求項1に記載のソースの製造方法。
【請求項3】
前記全脂大豆粉がNSI20以上である、請求項1又は2に記載のソースの製造方法。
【請求項4】
前記ソースがホワイトソースである、請求項1に記載のソースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホワイトソースやベシャメルソースなどに代表されるクリームソースは、濃厚なコクと乳風味や口どけが特徴であり、この特徴的な風味を出すために、バターや生クリームを原料に加えて製造されている。しかし、バターや生クリーム等の乳製品は、乳牛の飼料やエネルギーのコストの上昇を受けて、国際価格が急騰し、需給が逼迫する懸念がある。
他方、フレーバーによる乳風味の付与は、比較的安価に効果を得やすい。しかし、フレーバーでの乳風味の付与は、風味の厚みに乏しい、安定で持続した風味の発現が困難、加熱による風味の消失など、その効果に限度があった。
【0003】
フレーバーの利用以外に乳風味を強化する方法として、クリーム系ソースに特定量の非熟成チーズを配合する方法(特許文献1)や、水分活性を0.9以下とし、冷水溶解性増粘剤を配合して80℃以上に加熱しないクリームソースの製造方法(特許文献2)などが報告されている。そしてさらに、バターや生クリームなどの乳製品を多く配合しなくても、乳風味を強化し、コク味や口どけが良好なソースの開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2018/143213号公報
【特許文献2】特開2011-142830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を鑑み、乳風味に優れ、コク味と口どけが良好なソースの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来のソースの配合に、油脂としてパーム系油脂を特定量配合し、穀粉として全脂大豆粉を特定量配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。具体的に、本発明は以下を提供する。
【0007】
(1)乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1である原料を加熱する工程を含む、ソースの製造方法。
(2)前記パーム系油脂がヨウ素価35~70である、(1)に記載のソースの製造方法。
(3)前記全脂大豆粉がNSI20以上である、(1)又は(2)に記載のソースの製造方法。
(4)前記ソースがホワイトソースである、(1)に記載のソースの製造方法。
(5)乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1であるソース原料を加熱する、ソースへの乳風味の付与方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乳風味に優れ、コク味と口どけが良好なソースの製造方法が提供される。ここで、本発明において「乳風味」とは、ソースを食した時に、牛乳等の動物乳の風味と同様の風味が感じられることを指す。また、本発明において「コク味」とは、ソースを食した時の味が、濃厚感と広がり(口中で感じる味の持続性)がある感覚を指す。また、本発明において「口どけ」とは、ソースを食した時の食感が、滑らかで口中に広がる感覚を指す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、以下で例示する好ましい態様やより好ましい態様等は、「好ましい」や「より好ましい」等の表現にかかわらず適宜相互に組み合わせて使用することができる。また、数値範囲の記載は例示であって、「好ましい」や「より好ましい」等の表現にかかわらず各範囲の上限と下限、並びに実施例の数値とを適宜組み合わせた範囲も好ましく使用することができる。さらに、「含有する」又は「含む」等の用語は、適宜「本質的になる」や「のみからなる」と読み替えてもよい。また、本発明の実施の形態において、A(数値)~B(数値)は、A以上B以下を意味する。
【0010】
[ソース]
本願発明におけるソースは、乳汁、パーム系油脂、小麦粉、及び全脂大豆粉を含有する原料を加熱して得られる、流動性又は可塑性を有する食品である。本願発明におけるソースは、グラタン、ドリア、シチュー、クリームコロッケ、パスタソース等の加工食品及び冷凍食品に利用することができる。本願発明におけるソースは、好ましくは、ホワイトソース、ベシャメルソース、クリームソースのいずれかである。
【0011】
[ソースの製造方法]
本願発明のソースの製造方法は、乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1である原料を加熱する工程を含む。具体的には、例えば、加熱して流動性を高めた油脂に、穀粉(小麦粉、全脂大豆粉等)を投入し、焦がさないように、なめらかになるまで混ぜ合わせる。次に加熱撹拌しながら乳汁(牛乳等)を徐々に添加して均一に混合する。加熱条件は所望の性状(流動性、硬さ)を調整できればよく、特に限定されないが、例えば、品温80~100℃で30分以上加熱することが好ましい。また、本願発明のソースの製造方法は、加熱により、加熱前の重量の80~90%となるように煮詰める(水分を飛ばして味を凝縮させる)ことが好ましい。前記のように煮詰めることで、乳風味とコク味により優れたソースが得られる。さらに、本願発明のソースの製造方法は、水を添加して所望の性状(流動性、硬さ)に調整することもできる。
本願発明のソースの製造方法は、上記の加熱を終了後、常温まで冷却してもよい。また、加熱終了直後に氷水等を用いて粗熱をとった後、常温まで冷却してもよい。
【0012】
[乳汁]
本発明における乳汁は、牛乳、粉乳液等や、それらに乳加工品を添加したもの、さらに水で希釈したものも含まれる。前記乳加工品をしては、全脂練乳、脱脂練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳等が挙げられる。本発明における乳汁は、前記の各種乳汁を2種以上使用してもよい。また、本発明における乳汁は、乳脂肪の含有量(複数種の乳汁の混合物の場合は全体中の含有量)が好ましくは0~6質量%、より好ましくは0.1~5質量%、最も好ましくは1~4質量%である。乳脂肪の含有量が上記の範囲にあると、コク味により優れたソースが得られる。また、本発明における乳汁は、無脂乳固形分の含有量(複数種の乳汁の混合物の場合は全体中の含有量)が好ましくは5~15質量%、より好ましくは6~12質量%、最も好ましくは7~10質量%である。無脂乳固形分の含有量が上記の範囲にあると、コク味により優れたソースが得られる。本発明における乳汁は、好ましくは牛乳であり、より好ましくは成分無調整の牛乳である。
【0013】
[パーム系油脂]
本発明におけるパーム系油脂は、パーム油、パーム油の分別油、及びそれらの加工油(硬化、エステル交換及び分別のうち1以上の処理がなされたもの)から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。より具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン、パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション、パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)等が例示できる。また、それらの1種以上とパーム系油脂以外の油脂との混合油を原料油としたエステル交換油や硬化油の場合、原料油脂中のパーム系油脂含量に応じた量をパーム系油脂として扱う。パーム系油脂は、食用油脂の製造において通常行われる、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の精製処理を施すことにより、食用に供される。また、パーム核油は、パームの種子から搾油される油脂であるが、パーム油とは特性が異なり、本発明に使用するパーム系油脂にはパーム核油由来の油脂は含まない。
【0014】
本発明におけるパーム系油脂は、ヨウ素価が好ましくは35~70、より好ましくは40~60、最も好ましくは40~50である。ヨウ素価は、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法 2.3.4.1-2013 ヨウ素価(ウィイス-シクロヘキサン法)」に準拠して測定することができる。ヨウ素価が上記の範囲にあると、乳風味とコク味により優れたソースが得られる。また、本発明におけるパーム系油脂は、パーム分別油を含有すること好ましく、該パーム分別油はパームミッドフラクションであることが好ましい。
【0015】
本発明におけるパーム系油脂は、本願発明のソースの製造方法において、乳汁100質量部に対し、好ましくは6~22質量部、より好ましくは8~20質量部、さらにより好ましくは10~18質量部、最も好ましくは10~16質量部となるように配合される。パーム系油脂の配合量が上記の範囲にあると、乳風味とコク味により優れたソースが得られる。
【0016】
[全脂大豆粉]
本発明における全脂大豆粉は、具体的には、脱皮した丸大豆を粉砕した未加熱全脂大豆粉、及び全脂大豆粉を加熱脱臭した脱臭全脂大豆粉から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。本発明に使用する全脂大豆粉末は、好ましくは脱臭全脂大豆粉である。
【0017】
本発明おける全脂大豆粉は、水溶性窒素指数(以下、NSIともいう。)が好ましくは20以上、より好ましくは25~90、さらにより好ましくは40~85、最も好ましくは50~70の全脂大豆粉である。全脂大豆粉のNSIが上記の範囲にあると、乳風味と口どけにより優れたソースが得られる。
NSIは、大豆粉に含まれる全窒素を100としたときに、大豆粉の水抽出液に含まれる窒素量を相対量(単位;%)として表した数値である。全脂大豆粉のNSIは、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法 1.8.1-2013水溶性窒素指数(40℃法)」に準拠して測定することができる。
なお、本発明に使用する全脂大豆粉は、市販品を使用することもできる。全脂大豆粉の市販品として、例えば、日清オイリオグループ(株)製の未加熱全脂大豆粉(商品名:ソーヤフラワーNSA、NSI:約75)、日清オイリオグループ(株)製の脱臭全脂大豆粉(商品名:アルファプラスHS-600、NSI:約60)、日清オイリオグループ(株)製の脱臭全脂大豆粉(商品名:アルファプラス5600、NSI:約30)等が挙げられる。
【0018】
[小麦粉]
本発明における小麦粉は、ソースにとろみを付与するために通常用いられているものであれば特に制限なく用いることができる。従って、本発明の小麦粉は、その由来品種や粒径等について特に制限されることはない。本発明における小麦粉は、例えば、強力粉・中力粉・薄力粉、全粒粉が挙げられ、それらの内少なくとも1種又は2種以上を使用することができる。本発明における小麦粉は、強力粉及び薄力粉から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、薄力粉を使用することがより好ましい。
【0019】
本発明における小麦粉及び全脂大豆粉は、本願発明のソースの製造方法において、乳汁100質量部に対し、小麦粉と全脂大豆粉とを合わせて、好ましくは6~12質量部、より好ましくは7~11質量部、さらにより好ましくは8~11質量部、最も好ましくは8~10質量部となるように配合される。小麦粉と全脂大豆粉の合計配合量が上記の範囲にあると、乳風味と口どけにより優れたソースが得られる。
【0020】
本発明における小麦粉及び全脂大豆粉は、本願発明のソースの製造方法において、配合原料中の小麦粉と全脂大豆粉との質量比(小麦粉:全脂大豆粉)が、好ましくは5:5~9:1、より好ましくは5:5~8:2、最も好ましくは6:4~8:2となるように配合される。小麦粉と全脂大豆粉との質量比が上記の範囲にあると、乳風味とコク味により優れたソースが得られる。
【0021】
[他の原料]
本願発明のソースの製造方法は、本発明の効果を損なわない範囲で、配合原料に乳汁、パーム系油脂、小麦粉、及び全脂大豆粉以外の原料を含んでもよい。他の原料として、例えば、バター、生クリーム、調味料、香辛料、香料等が挙げられる。
また、原料コストの観点から、ソースの原料中のバターの配合量は10質量%以下であってもよい。また、ソースの原料中の生クリームの含有量は25質量%以下であってもよい。本発明におけるソースは、バター又は生クリームの配合量が上記の範囲であっても、乳風味に優れる。
【0022】
[ソースへの乳風味の付与方法]
本発明のソースへの乳風味の付与方法は、乳汁100質量部に対し、パーム系油脂を5~25質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計5~12質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比4:6~9:1であるソース原料を加熱する方法である。ここで、前記ソースの好ましい態様、製造条件、各種原料の好ましい態様、各種原料の含有量等は、上述したソースの製造方法に記載した内容と同様である。
【実施例0023】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に何ら限定されるものではない。
【0024】
[ホワイトソースの製造]
表1~4に示す配合のホワイトソースを製造した。すなわち、鍋に油脂を入れ加熱しながら篩った穀粉(小麦粉、全脂大豆粉)を投入し、焦がさないように、なめらかになるまで混ぜ合わせる。次に撹拌しながら牛乳を徐々に添加して均一に混合する。配合重量の85%になるまで煮詰めた後、加熱を止め、塩・胡椒で味を調えてホワイトソース(対照例、実施例1~11、比較例1~5)を得た。
なお、表1~4に示す原料は以下のものを使用した。
牛乳(商品名「明治おいしい牛乳」、(株)明治製、乳脂肪分3.5%、無脂乳固形分8.3%)
小麦粉(商品名「日清バイオレット」、(株)日清製粉ウェルナ製)
バター(商品名「雪印北海道バター食塩不使用」、雪印メグミルク(株)製)
全脂大豆粉-1:脱臭全脂大豆粉(商品名「アルファプラスHS-600」、日清オイリオグループ(株)製、NSI60)
全脂大豆粉-2:未加熱全脂大豆粉(商品名「ソーヤフラワーNSA」、日清オイリオグループ(株)製、NSI75)
全脂大豆粉-3:脱臭全脂質大豆粉(商品名「アルファプラス5600」、日清オイリオグループ(株)製、NSI30)
脱脂大豆粉(商品名「ソーヤフラワーFT-N」、日清オイリオグループ(株)製、NSI20)
パーム系油脂-1:パームミッドフラクション(日清オイリオグループ(株)製造品、ヨウ素価45)
パーム系油脂-2:パームオレイン(日清オイリオグループ(株)製造品、ヨウ素価56)
パーム系油脂-3:パーム加工油(日清オイリオグループ(株)製造品をエステル交換反応し、精製して得られたエステル交換油、ヨウ素価56)
パーム系油脂-4:パーム油(日清オイリオグループ製造品、ヨウ素価52)
キャノーラ油(「日清キャノーラ油」、日清オイリオグループ(株)製)
サフラワー油(「日清べに花油」、日清オイリオグループ(株)製)
【0025】
〈乳風味の評価〉
上記で製造したホワイトソースについて、3人の専門パネルが味見をし、下記の評価基準に従って評価した。なお、評価は3人の専門パネルの合議により決めた。結果を表1~4に示した。
(評価基準)
◎◎:実施例4と同等、またはそれ以上の乳風味がある。
◎:対照例より乳風味があるが、実施例4より劣る。
○:対照例と同等の乳風味がある。
×:対照例よりも乳風味が劣る。
【0026】
〈コク味の評価〉
上記で製造したホワイトソースについて、3人の専門パネルが味見をし、下記の評価基準に従って評価した。なお、評価は3人の専門パネルの合議により決めた。結果を表1~4に示した。
(評価基準)
◎◎:実施例4と同等、またはそれ以上のコク味を感じる。
◎:対照例よりコク味を感じるが、実施例4より劣る。
○:対照例と同等のコク味を感じる。
×:対照例よりもコク味が劣る。
【0027】
〈口どけの評価〉
上記で製造したホワイトソースについて、3人の専門パネルが味見をし、下記の評価基準に従って評価した。なお、評価は3人の専門パネルの合議により決めた。結果を表1~4に示した。
◎◎:実施例4と同等、またはそれ以上の口どけを感じる。
◎:対照例より口どけを感じるが、実施例4より劣る。
○:対照例と同等の口どけを感じる。
×:対照例よりも口どけが劣る。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
【表3】

【0031】
【表4】

【0032】
表1~4の結果より、牛乳100質量部に対し、パーム系油脂を8~20質量部、及び小麦粉と全脂大豆粉とを合計7~10質量部含有し、かつ、該小麦粉と該全脂大豆粉とが質量比5:5~8:2である原料を加熱して得られたホワイトソース(実施例1~11)は、乳風味、コク味、及び口どけが、対照例と比べて同等以上であった。
【0033】
[クリーミーコロッケの製造]
玉ねぎのみじん切り20gを炒め、上記で製造した実施例4のホワイトソース120gと混合し、18g/個となるように小分け・成形し、バッター液にくぐらせた後、パン粉を付けて、1時間冷蔵保存した。次に180℃で油ちょうしてクリーミーコロッケを得た。同様にして、実施例4のホワイトソースの代わりに、上記で製造した対照例のホワイトソースを使用したクリーミーコロッケも製造した。
【0034】
[クリーミーコロッケの評価]
実施例4のホワイトソースを使用したクリーミーコロッケについて、3人の専門パネルが味見をし、乳風味、コク味、及び口どけについて評価したところ、対照例のホワイトソースを使用したクリーミーコロッケと比べて、乳風味、コク味、及び口どけの全てが優れていると合意された結果となった。
【0035】
[グラタンの製造]
上記で製造した実施例4のホワイトソース170gと牛乳30gを均一に混合し、茹でたペンネ120gにのせ、さらにチーズをのせて、オーブンで焼成してグラタンを得た。同様にして、実施例4のホワイトソースの代わりに、上記で製造した対照例のホワイトソースを使用したグラタンも製造した。
【0036】
[グラタンの評価]
実施例4のホワイトソースを使用したグラタンについて、3人の専門パネルが味見をし、乳風味、コク味、及び口どけについて評価したところ、対照例のホワイトソースを使用したグラタンと比べて、乳風味、コク味、及び口どけの全てが優れていると合意された結果となった。