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特開2024-103316熱伝導シート、及び熱伝導シートの製造方法
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  • 特開-熱伝導シート、及び熱伝導シートの製造方法 図1
  • 特開-熱伝導シート、及び熱伝導シートの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103316
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】熱伝導シート、及び熱伝導シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20240725BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240725BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C08J5/18 CER
C08J5/18 CEZ
B32B27/00 B
B32B27/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007584
(22)【出願日】2023-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100213997
【弁理士】
【氏名又は名称】金澤 佑太
(72)【発明者】
【氏名】村上 康之
【テーマコード(参考)】
4F071
4F100
【Fターム(参考)】
4F071AA12
4F071AA21
4F071AB22
4F071AD05
4F071AF13
4F071AF43
4F071AF44
4F071AH12
4F071BB04
4F071BC01
4F071BC12
4F100AA14
4F100AA14A
4F100AA14C
4F100AK01
4F100AK01A
4F100AK01C
4F100AK29
4F100AK29A
4F100AK29C
4F100AN02
4F100AN02A
4F100AN02C
4F100BA03
4F100BA06
4F100CB00
4F100CB00B
4F100EJ19
4F100EJ30
4F100GB41
4F100JB16
4F100JB16A
4F100JB16C
4F100JJ01
4F100JK05
4F100JL11
4F100JL11B
(57)【要約】
【課題】高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートの提供。
【解決手段】本発明は、主面内において複数の条片を直接又は間接的に並列接合してなる熱伝導シートであって、前記条片が、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含み、前記主面に対する前記窒化ホウ素の配向角度が60°以上90°以下であり、前記条片中における前記窒化ホウ素の含有割合が、60体積%以上84体積%以下であり、前記条片の幅が、550μm以上1200μm以下である、熱伝導シートである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面内において複数の条片を直接又は間接的に並列接合してなる熱伝導シートであって、
前記条片が、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含み、
前記主面に対する前記窒化ホウ素の配向角度が60°以上90°以下であり、
前記条片中における前記窒化ホウ素の含有割合が、60体積%以上84体積%以下であり、
前記条片の幅が、550μm以上1200μm以下である、熱伝導シート。
【請求項2】
互いに隣接する前記条片の間に位置する接着層を更に備える、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項3】
前記接着層の幅に対する前記条片の幅の比が、60以上である、請求項2に記載の熱伝導シート。
【請求項4】
前記熱伝導シートの厚みをTとし、厚み方向に0.9MPaで加圧した状態における前記熱伝導シートの厚みをT0.9として、下記式(1):
C=100×{1-(T0.9/T)}[%]・・・(1)
により算出される圧縮率Cが、5%以上20%以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂が、固体の熱可塑性樹脂及び液体の熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載の熱伝導シート。
【請求項6】
熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む組成物を、第一ロールと、前記第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させてロール成形してシート状に成形し、厚みが550μm以上1200μm以下の一次シートを得る一次シート成形工程と、
前記一次シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、前記一次シートを折畳又は捲回して、積層体を得る積層体形成工程と、
前記積層体を積層方向に対して45°以下の角度でスライスし、二次シートを得るスライス工程と、を含む、熱伝導シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導シート、及び熱伝導シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パワー半導体(IGBTモジュール等)及び集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子機器では、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
【0003】
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。そして、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、発熱体と放熱体との間に熱伝導性が高いシート状の部材(以下、「熱伝導シート」と称する場合がある。)を用いる。
【0004】
熱伝導シートとして、樹脂中に窒化ホウ素粒子を充填した熱伝導シートが提案されている。例えば、特許文献1では、樹脂中に窒化ホウ素粒子を充填した熱伝導シートとして、フッ素樹脂と窒化ホウ素を含有する熱伝導フィラーとを含む組成物を加圧してシート状に成形してなるプレ熱伝導シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、折畳又は捲回して得た積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスしてなる熱伝導シートが提案されている。このような熱伝導シートは、フッ素樹脂と窒化ホウ素を含有する熱伝導フィラーとを含む条片が、熱伝導シートの主面内において並列接合してなる構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7024213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、従来の熱伝導シートには、熱伝導性を高めるという点において更なる改善が求められている。
【0007】
また、熱伝導シートは、通常、発熱体と放熱体との間に挟まれ、所定の圧力をかけられた状態で使用され得るものであるところ、発熱体及び放熱体等の被着体との密着性を高める観点から、熱伝導シートは加圧した際につぶれやすいことが望ましい。言い換えると、熱伝導シートは、高い圧縮性を有することが望ましい。
【0008】
しかしながら、従来の熱伝導シートにおいては、高い熱伝導性及び高い圧縮性を両立させることについて改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、まず、熱伝導シートの熱伝導性を高めることを目的として、熱伝導シート中の窒化ホウ素の含有割合に着目し、窒化ホウ素の含有割合を増加させることを試みた。そして、熱可塑性樹脂と窒化ホウ素とを含む組成物を、外周速度が異なる2つのロールを用いてロール成形して一次シート(プレ熱伝導シート)を形成し、この一次シートを用いて熱伝導シートを作製することにより、熱伝導シートに含まれる条片中の窒化ホウ素の含有割合を増加できることを新たに見出した。しかしながら、条片中の窒化ホウ素の含有割合を所定値以上に増加させると、今度は熱伝導シート内にクラックが発生するという新たな問題が生じた。
【0010】
そこで、本発明者は、上記クラックの発生を抑制することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、窒化ホウ素を所定値以上で含有する条片を備える熱伝導シートであっても、条片の幅を所定の上限以下とすることで、熱伝導シート内のクラックの発生を抑制し、熱伝導シートの耐クラック性を高めることができることを新たに見出した。また、本発明者は、上記条片の幅を所定の下限以上とすることで、熱伝導シートの圧縮性を高めることができることを新たに見出した。即ち、本発明者は、主面内において複数の条片を直接又は間接的に並列接合してなる熱伝導シートであって、条片が、所定の方向に配向した窒化ホウ素を所定の高い割合で含有し、条片の幅が所定の範囲内である熱伝導シートであれば、高い熱伝導性及び高い圧縮性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れることを新たに見出し、本発明を完成させた。
また、本発明者は、熱伝導シートの製造方法において、熱可塑性樹脂と窒化ホウ素とを含む組成物を、第一ロールと、前記第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させて、厚みが所定の範囲内の一次シートに成形し、一次シートを厚み方向に積層等して得られる積層体を積層方向にスライスすることにより、高い熱伝導性及び高い圧縮性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを得ることができることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、[1]本発明は、主面内において複数の条片を直接又は間接的に並列接合してなる熱伝導シートであって、前記条片が、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含み、前記主面に対する前記窒化ホウ素の配向角度が60°以上90°以下であり、前記条片中における前記窒化ホウ素の含有割合が、60体積%以上84体積%以下であり、前記条片の幅が、550μm以上1200μm以下である、熱伝導シートである。
上記のような熱伝導シートは、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる。
本明細書において、熱伝導シートの「主面」は、当該熱伝導シートにおける最大面積を有する面を意味する。そして、熱伝導シートの主面に対する窒化ホウ素の配向角度は、実施例に記載の方法により測定できる。
本明細書において、条片の幅は、実施例に記載の方法により測定できる。
本明細書において、樹脂にはゴムが含まれる。
【0012】
[2]上記[1]の熱伝導シートは、互いに隣接する前記条片の間に位置する接着層を更に備えることが好ましい。
熱伝導シートが上記接着層を更に備えれば、条片間の密着性を更に強化できる。
【0013】
[3]上記[2]の熱伝導シートにおいて、前記接着層の幅に対する前記条片の幅の比は、60以上であることが好ましい。
接着層の幅に対する条片の幅の比が上記下限以上であれば、熱伝導シートに占める条片の割合を高めることができ、その結果、熱伝導シートの熱伝導性を効果的に向上できる。
本明細書において、接着層の幅は、実施例に記載の方法により測定できる。
【0014】
[4]上記[1]~[3]の何れかの熱伝導シートにおいて、前記熱伝導シートの厚みをTとし、厚み方向に0.9MPaで加圧した状態における前記熱伝導シートの厚みをT0.9として、下記式(1):
C=100×{1-(T0.9/T)}[%]・・・(1)
により算出される圧縮率Cは、5%以上20%以下であることが好ましい。
上記圧縮率Cが上記下限以上であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。
一方、上記圧縮率Cが上記上限以下であれば、熱伝導シートの耐クラック性を向上できる。
本明細書において、「熱伝導シートの厚み方向」とは、当該熱伝導シートの主面方向に対して垂直な方向を意味する。また、熱伝導シートの「厚み」及び「圧縮率」は、実施例に記載の方法により測定できる。
【0015】
[5]上記[1]~[4]の何れかの熱伝導シートにおいて、前記熱可塑性樹脂は、固体の熱可塑性樹脂及び液体の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂が固体の熱可塑性樹脂及び液体の熱可塑性樹脂を含めば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。
【0016】
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、[6]本発明は、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む組成物を、第一ロールと、前記第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させてロール成形してシート状に成形し、厚みが550μm以上1200μm以下の一次シートを得る一次シート成形工程と、前記一次シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、前記一次シートを折畳又は捲回して、積層体を得る積層体形成工程と、前記積層体を積層方向に対して45°以下の角度でスライスし、二次シートを得るスライス工程と、を含む、熱伝導シートの製造方法である。
上記のような熱伝導シートの製造方法であれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを得ることができる。
本明細書において、一次シートの厚みは、実施例に記載の方法により測定できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを提供できる。
また、本発明によれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の熱伝導シートの一例を示す概略斜視図である。
図2】本発明の熱伝導シートの一例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明の熱伝導シートは、発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用され得る。即ち、本発明の熱伝導シートは、放熱部材として機能し得るものであり、ヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体と共に放熱装置を構成できる。本発明の熱伝導シートは、後述する本発明の熱伝導シートの製造方法を用いて製造できる。
【0020】
(熱伝導シート)
本発明の熱伝導シートは、熱伝導シートの主面内において複数の条片を直接又は間接的に並列接合してなり、任意に、互いに隣接する条片の間に位置する接着層を更に備え得る。そして、本発明の熱伝導シートに含まれる条片は、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む。熱可塑性樹脂は、圧縮性に優れているため、熱可塑性樹脂を含む条片を備える熱伝導シートであれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。他方、窒化ホウ素は、熱伝導性に優れているため、窒化ホウ素を含む条片を備える熱伝導シートであれば、熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。
また、本発明の熱伝導シートにおいて、熱伝導シートの主面に対する窒化ホウ素の配向角度は60°以上90°以下である。窒化ホウ素の配向角度が上記範囲内であれば、窒化ホウ素が熱伝導シートの厚み方向に良好に配向しているため、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導性を向上できる。
また、本発明の熱伝導シートにおいて、条片中における窒化ホウ素の含有割合は、60体積%以上84体積%以下である。条片中における窒化ホウ素の含有割合が上記下限以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性を一層高めることができる。一方、条片中における窒化ホウ素の含有割合が上記上限以下であれば、熱伝導シートを効率的に製造できる。即ち、熱伝導シートの生産性等を向上できる。
【0021】
ここで、本発明の熱伝導シートにおいて、条片の幅は、550μm以上1200μm以下である。
本発明の熱伝導シートは、条片の幅を1200μm以下とすることにより、条片中における窒化ホウ素の含有割合を60体積%以上とした場合であっても、耐クラック性に優れている。即ち、高い熱伝導性を備えると共に、耐クラック性に優れている。ここで、熱伝導シートの主面に対する窒化ホウ素の配向角度を60°以上90°以下とすると、条片中の窒化ホウ素は、窒化ホウ素の主面(窒化ホウ素における最大面積を有する面)が、条片の長手方向(例えば、後述する図1及び図2ではY方向)と熱伝導シートの厚み方向(例えば、後述する図1及び図2ではZ方向)とから形成される面とおおよそ平行になるように配置され得るところ、このように窒化ホウ素が配置されると、条片中で窒化ホウ素同士は良好に重なり合い、その結果、条片の長手方向及び熱伝導シートの厚み方向において熱伝導シートの強度(例えば、曲げ強度や剪断強度等)が向上すると推察される。そして、条片中における窒化ホウ素の含有割合が増加すると、上記方向における熱伝導シートの強度はより向上すると推察される。しかしながら、条片中における窒化ホウ素の含有割合を増加させても、熱伝導シートの条片の幅方向(例えば、後述する図1及び図2ではX方向)では、上記したような熱伝導シートの強度は向上せず、反対に、条片中のおける樹脂の含有割合が相対的に減少する等の理由により、条片の幅方向における熱伝導シートの強度が低下し、その結果、熱伝導シートにクラックが発生すると推察される。本発明の熱伝導シートにおいては、条片の幅を1200μm以下とすることにより、熱伝導シートの主面内の柔軟性が向上したため、耐クラック性に優れる熱伝導シートとすることができたと推察される。そして、熱伝導シートが耐クラック性に優れていれば、各種性能(例えば、耐絶縁破壊性等)に優れる熱伝導シートとすることができる。
他方、本発明の熱伝導シートは、条片の幅を550μm以上とすることにより、高い圧縮性を備える。この理由は、条片の幅を550μm以上とすることにより、熱伝導シートの厚み方向の柔軟性が向上し、その結果、熱伝導シートが厚み方向につぶれやすくなったためであると推察される。また、上記条片の幅は、後述する一次シートの厚みに依存し得るところ、熱伝導シートに含まれる条片の幅が550μm以上であれば、一次シートの積層数、折畳数又は捲回数が削減されており、その結果、このような熱伝導シートは、例えば、後述する積層体形成速度が向上され、生産性に優れている。
【0022】
以下、図1及び図2を参照して、本発明の熱伝導シートの一例を説明するが、本発明の熱伝導シートはこれらに限定されるものではない。
【0023】
図1に示す熱伝導シート10は、熱伝導シート10の主面内において複数の条片11を直接並列接合してなる構造を有する。より詳細には、図1に示す熱伝導シート10では、熱伝導シート10の主面内において、各条片11と、隣接する他の条片11とが、長手方向(図1ではY方向)に延びる辺を共有するように(図1ではX方向に)接合されている。ここで、図1におけるX方向は、条片11の幅方向に相当する。
【0024】
図2に示す熱伝導シート10は、熱伝導シート10の主面内において、条片11と、互いに隣接する条片11の間に位置する接着層12とを並列接合してなる構造を有する。即ち、図2に示す熱伝導シート10は、熱伝導シート10の主面内において、複数の条片11を間接的に並列接合してなる構造を有する。より詳細には、図2に示す熱伝導シート10では、熱伝導シート10の主面内において、条片11と接着層12が、長手方向(図2ではY方向)に延びる辺を共有するように(図2ではX方向に)接合されている。ここで、図2におけるX方向は、条片11及び接着層12の幅方向に相当する。
なお、図2では、条片11及び接着層12の幅(条片11及び接着層12のX方向の長さ)が略等しい場合を示しているが、条片11及び接着層12の幅は異なっていてもよい。
【0025】
熱伝導シート10は、条片11及び接着層12以外の層(以下、「任意の層」と称する場合がある。)を更に備えていてもよい。但し、熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮性を向上させる観点、並びに、生産性の観点から、熱伝導シートは、条片のみからなること、或いは、条片及び接着層のみからなることが好ましい。そして、熱伝導シートの厚み方向(図1及び図2ではZ方向)に窒化ホウ素の長軸を配向させて、熱伝導シートの熱伝導性を効果的に向上させる観点から、熱伝導シートは、条片及び接着層のみからなることがより好ましい。
【0026】
<条片>
条片は、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む。
そして、条片の幅は、550μm以上である必要があり、700μm以上であることが好ましく、800μm以上であることがより好ましく、1200μm以下である必要があり、1100μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。
条片の幅が上記下限以上であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。また、熱伝導シートの生産性を向上できる。
一方、条片の幅が上記上限以下であれば、熱伝導シートの耐クラック性を向上できる。
【0027】
〔熱可塑性樹脂〕
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、任意の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、ポリブテン、ブチルゴム、ニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム)、スチレンブタジエンゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、及びシリコンゴムが挙げられる。これらの中でも特に、ポリブテン、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム及びシリコンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、ポリブテン、ニトリルブタジエンゴム及びスチレンブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いることがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0028】
熱可塑性樹脂としては、液体の熱可塑性樹脂及び固体の熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、熱可塑性樹脂は、熱伝導シートの圧縮性を向上させる観点から、液体の熱可塑性樹脂及び固体の熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂として液体の熱可塑性樹脂と固体の熱可塑性樹脂とを併用する場合、液体の熱可塑性樹脂と固体の熱可塑性樹脂との質量比は、本発明の所望の効果が得られる範囲内で調整できる。
【0029】
液体の熱可塑性樹脂としては、常温常圧下で液体である熱可塑性樹脂を用いることができる。なお、本明細書において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。
【0030】
条片が液体の熱可塑性樹脂を含む場合、液体の熱可塑性樹脂の含有量は、条片に含まれる熱可塑性樹脂の含有量を100質量部とした場合に、40質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、90質量部以下であることが好ましく、80質量部以下であることがより好ましく、70質量部以下であることが更に好ましい。
液体の熱可塑性樹脂の含有量が上記下限以上であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。
一方、液体の熱可塑性樹脂の含有量が上記上限以下であれば、熱伝導シートの強度を向上できる。
【0031】
固体の熱可塑性樹脂としては、常温常圧下で液体でない限り、特に限定されず、例えば、常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0032】
条片における熱可塑性樹脂の含有割合は、16体積%以上であることが好ましく、18体積%以上であることがより好ましく、20体積%以上であることが更に好ましく、40体積%以下である必要があり、30体積%以下であることが好ましく、25体積%以下であることがより好ましい。
条片中における熱可塑性樹脂の含有割合が上記下限以上であれば、熱伝導シートの耐クラック性を向上できる。
一方、条片中における熱可塑性樹脂の含有割合が上記上限以下であれば、条片中における窒化ホウ素の含有割合を増加させることができ、その結果、熱伝導シートの熱伝導性を効果的に向上できる。
【0033】
〔窒化ホウ素〕
窒化ホウ素は、その結晶構造により、例えば、六方晶窒化ホウ素(h-BN)、立方晶窒化ホウ素(c-BN)、ウルツ鉱窒化ホウ素(w-BN)、菱面体晶窒化ホウ素(r-BN)、乱層構造窒化ホウ素(t-BN)に分類ができる。窒化ホウ素としては、これらを、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、熱伝導シートの熱伝導性及び圧縮性を向上させる観点から、六方晶窒化ホウ素(h-BN)が好ましい。なお、六方晶窒化ホウ素は、通常、板状(鱗片状)粒子である。
【0034】
窒化ホウ素の体積平均粒子径は、15μm以上であることが好ましく、17μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが更に好ましく、25μm以上であることが更により好ましく、27μm以上であることがより一層好ましく、70μm以下であることが好ましい。
窒化ホウ素の体積平均粒子径が上記下限以上であれば、窒化ホウ素の間の接触抵抗を低減することが可能となり、結果的に熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。
一方、窒化ホウ素の体積平均粒子径が上記上限以下であれば、条片中に窒化ホウ素を適度に充填することが可能となり、熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。
なお、本明細書において「体積平均粒子径」は、JISZ8825に準拠して測定でき、レーザー回折法で測定された粒度分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径を表す。
【0035】
条片中の窒化ホウ素の含有割合は、60体積%以上である必要があり、70体積%以上であることがより好ましく、75体積%以上であることが更に好ましく、84体積%以下である必要があり、82体積%以下であることがより好ましく、80体積%以下であることが更に好ましい。
条片中の窒化ホウ素の含有割合が上記下限以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性を一層高めることができる。
一方、条片中の窒化ホウ素の含有割合が上記上限以下であれば、熱伝導シートを効率的に製造できる。即ち、熱伝導シートの生産性を向上できる。また、条片中の窒化ホウ素の含有割合が上記上限以下であれば、熱伝導シートの耐クラック性を向上できる。
ここで、驚くべきことに、熱伝導シートにおいて、条片の幅が700μm以上である場合、条片中の窒化ホウ素の含有割合が70体積%以上であると、熱伝導シートは圧縮性に優れている。この理由は必ずしも明らかとはなっていないが、後述の実施例及び比較例によれば、熱伝導シートにおいて、条片の幅が700μm以上であり、且つ、条片中の窒化ホウ素の含有割合が70体積%以上であるときに、熱伝導シートが圧縮性に優れていることは明らかである。
【0036】
〔その他の成分〕
条片は、上記した熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素以外に、その他の成分を更に含んでいてもよい。条片が含み得るその他の成分は、特に限定されず、公知のものを使用できる。
【0037】
<接着層>
本発明の熱伝導シートは、互いに隣接する条片の間に位置する接着層を更に備えることが好ましい。
熱伝導シートが上記接着層を更に備えれば、条片間の密着性を更に強化できる。
【0038】
接着層は、条片同士を接合可能であれば特に限定されるものではない。接着層は、市販の接着テープや、接着剤を塗布して形成した膜等の層状の接着材料を用いて形成できる。また、高温(例えば100℃程度)で溶解する樹脂シートも層状の接着材料として用いることできる。
【0039】
接着層の幅は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることが更に好ましい。
接着層の幅が上記範囲内であれば、条片同士の接着強度を向上できる。
【0040】
本発明の熱伝導シートが接着層を備える場合、接着層の幅に対する条片の幅の比(条片の幅/接着層の幅)は、60以上であることが好ましく、80以上であることがより好ましく、90以上であることが更に好ましい。
接着層の幅に対する条片の幅の比が上記下限以上であれば、熱伝導シートに占める条片の割合を高めることができ、その結果、熱伝導シートの熱伝導性を効果的に向上できる。
一方、接着層の幅に対する条片の幅の比は、例えば500以下であり、300以下でもよく、100以下でもよい。
【0041】
<熱伝導シートの性状>
熱伝導シートにおける窒化ホウ素の配向角度は、熱伝導シートの主面に対して60°以上90°以下である必要がある。
そして、熱伝導シートにおける窒化ホウ素の配向角度は、熱伝導シートの主面に対して、70°以上であることが好ましく、75°以上であることがより好ましく、80°以上であることが更に好ましく、85°以上であることが更により好ましい。
窒化ホウ素の配向角度が上記下限以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性を一層高めることができる。
【0042】
熱伝導シートは、熱伝導シートの厚みをTとし、厚み方向に0.9MPaで加圧した状態における熱伝導シートの厚みをT0.9として、下記式(1):
C=100×{1-(T0.9/T)}[%]・・・(1)
により算出される圧縮率Cが、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、11%以上であることが更に好ましく、20%以下であることが好ましく、17%以下であることがより好ましく、14%以下であることが更に好ましい。
上記圧縮率Cが上記下限以上であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。
一方、上記圧縮率Cが上記上限以下であれば、熱伝導シートの耐クラック性を向上できる。
なお、熱伝導シートの圧縮率Cは、熱伝導シートに含まれる材料及び成分(熱可塑性樹脂、窒化ホウ素等)の種類及び割合、並びに、熱伝導シートの製造方法及び製造条件により調整できる。
【0043】
熱伝導シートの厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.10mm以上であることがより好ましく、0.50mm以下であることが好ましく、0.40mm以下であることがより好ましく、0.35mm以下であることが更に好ましい。
熱伝導シートの厚みが上記下限以上であれば、熱伝導シートの強度を向上できる。
一方、熱伝導シートの厚みが上記上限以下であれば、熱伝導シートの圧縮性及び耐クラック性を向上できる。
【0044】
熱伝導シートは、耐電圧試験値が、9kV/mm以上であることが好ましく、10V/mm以上であることがより好ましい。
一方、熱伝導シートの耐電圧試験値は、例えば100kV/mm以下であり、50kV/mm以下でもよく、20kV/mm以下でもよい。
本明細書において、熱伝導シートの耐電圧試験値は、実施例に記載の方法により測定できる。
【0045】
熱伝導シートは、0.1MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値が、0.800℃/W以下であることが好ましく、0.500℃/W以下であることがより好ましく、0.400℃/W以下であることが更に好ましい。一方、熱伝導シートにおける0.1MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値は、例えば0.050℃/W以上であり、0.150℃/W以上でもよく、0.250℃/W以上でもよい。
また、熱伝導シートは、0.5MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値が、0.500℃/W以下であることが好ましく、0.300℃/W以下であることがより好ましく、0.200℃/W以下であることが更に好ましい。一方、熱伝導シートにおける0.5MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値は、例えば0.020℃/W以上であり、0.100℃/W以上でもよく、0.140℃/W以上でもよい。
更に、熱伝導シートは、0.9MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値が、0.300℃/W以下であることが好ましく、0.200℃/W以下であることがより好ましく、0.150℃/W以下であることが更に好ましい。一方、熱伝導シートにおける0.9MPaの圧力を加えた時の熱抵抗値は、例えば0.010℃/W以上であり、0.080℃/W以上でもよく、0.105℃/W以上でもよい。
本明細書において、熱伝導シートの各熱抵抗値は、実施例に記載の方法により測定できる。
【0046】
熱伝導シートは、熱伝導率が、20W/m・K以上であることが好ましく、35W/m・K以上であることがより好ましい。
一方、熱伝導シートの熱伝導率は、例えば300W/m・K以下であり、200W/m・K以下でもよく、100W/m・K以下でもよい。
本明細書において、熱伝導シートの熱伝導率は、実施例に記載の方法により測定できる。
【0047】
(熱伝導シートの製造方法)
本発明の熱伝導シートの製造方法は、(A)熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む組成物を、第一ロールと、第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させてロール成形してシート状に成形し、厚みが550μm以上1200μm以下の一次シートを得る一次シート成形工程と、(B)一次シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、一次シートを折畳又は捲回して、積層体を得る積層体形成工程と、(C)積層体を積層方向に対して45°以下の角度でスライスし、二次シートを得るスライス工程と、を含む。そして、このようにして得られた熱伝導シートは、熱伝導シートの主面内において所定の複数の条片が直接又は間接的に並列接合した構造を有している。
上記のような熱伝導シートの製造方法であれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを得ることができる。そして、本発明の熱伝導シートの製造方法によれば、上述した本発明の熱伝導シートを効率的に製造できる。
なお、本発明の熱伝導シートの製造方法は、任意で、上記(A)~(C)以外の工程を更に含んでいてもよい。
【0048】
<(A)一次シート成形工程>
一次シート成形工程では、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む組成物を、第一ロールと、第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させてロール成形してシート状に成形し、厚みが550μm以上1200μm以下の一次シートを得る。
【0049】
〔組成物〕
組成物は、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む。熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素としては、「熱伝導シート」の項で上述した熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を、上述した比率で用いることができる。また、組成物は、任意にその他の成分を更に含んでいてもよい。
【0050】
〔組成物の調製〕
組成物は、特に限定されず、上述した成分を混合することにより調製できる。なお、上述した成分の混合は、特に制限されず、ニーダー;ヘンシェルミキサー、ホバートミキサー、ハイスピードミキサー等のミキサー;二軸混練機;ロール;等の既知の混合装置を用いて行うことができる。
【0051】
混合は、酢酸エチル等の溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒に予め熱可塑性樹脂を溶解又は分散させて樹脂溶液として、窒化ホウ素、及び任意で添加されるその他の成分と混合してもよい。
【0052】
混合時間は、例えば、5分以上60分以下である。
【0053】
混合温度は、例えば、5℃以上160℃以下である。
【0054】
〔組成物の成形〕
調製した組成物は、任意に脱泡及び解砕した後に、ロール成形してシート状に成形できる。このように組成物をロール成形したシート状のものを、一次シートとすることができる。
なお、混合時に溶媒を用いている場合には、溶媒を除去してからシート状に成形することが好ましく、例えば、真空脱泡を用いて脱泡を行えば、脱泡時に溶媒の除去も同時に行うことができる。
【0055】
ここで、ロール成形では、組成物を、第一ロールと、第一ロールよりも外周速度が速い第二ロールとの間を通過させる。このようなロール成形によれば、高い剪断応力を加えて組成物を成形でき、この結果、一次シート中の窒化ホウ素が良好に配向し、これを用いて得られた熱伝導シートは熱伝導性に優れる。また、このようなロール成形によれば、熱伝導シートの窒化ホウ素の含有割合を増加させることが可能となり、その結果、高い熱伝導性を有する熱伝導シートを得ることができる。
【0056】
そして、ロール成形では、厚みが550μm以上1200μm以下の一次シートを得る。一次シートの厚みを上記範囲内とすることにより、熱伝導シートの条片の幅を良好な範囲とすることが可能になり、その結果、高い圧縮性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを得ることができる。
ここで、得られる一次シートの厚みは、700μm以上であることが好ましく、800μm以上であることがより好ましく、1100μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。
なお、一次シートの厚みは、第一ロールと第二ロールとの間隔等によって適宜調整できる。
【0057】
第一ロールに対する第二ロールの外周速度比(「第二ロールの外周速度」/「第一ロールの外周速度」)は、1.03/1以上であることが好ましく、1.05/1以上であることがより好ましく、1.1/1以上であることが更に好ましく、2/1以下であることが好ましく、1.3/1以下であることがより好ましく、1.2/1以下であることが更に好ましい。
第一ロールに対する第二ロールの外周速度比が上記下限以上であれば、より高い剪断応力を加えて組成物を成形できるため、熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。
一方、第一ロールに対する第二ロールの外周速度比が上記上限以下であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。また、第一ロールに対する第二ロールの外周速度比が上記上限以下であれば、一次シートの表面に発生するシワを抑制できる。即ち、一次シートの製品不良の発生を抑制し、これを用いて得られる熱伝導シートの生産性を向上できる。
なお、外周速度比は、ロールの径及び/又は回転速度を変更することで調整できる。
【0058】
第一ロールと第二ロールとの外周速度差(「第二ロールの外周速度」-「第一ロールの外周速度」)は、0.06m/分以上であることが好ましく、0.1m/分以上であることがより好ましく、0.2m/分以上であることが更に好ましく、1m/分以下であることが好ましく、0.7m/分以下であることがより好ましく、0.5m/分以下であることが更に好ましい。
第一ロールと第二ロールとの外周速度差が上記下限以上であれば、より高い剪断応力を加えて組成物を成形できるため、熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。
一方、第一ロールと第二ロールとの外周速度差が上記上限以下であれば、熱伝導シートの圧縮性を向上できる。また、第一ロールに対する第二ロールの外周速度比が上記上限以下であれば、一次シートの表面に発生するシワを抑制できる。即ち、一次シートの製品不良の発生を抑制し、これを用いて得られる熱伝導シートの生産性を向上できる。
なお、外周速度比は、ロールの径及び/又は回転速度を変更することで調整できる。
【0059】
<(B)積層体形成工程>
積層体形成工程では、一次シート成形工程で得られた一次シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、一次シートを折畳又は捲回して、熱可塑性樹脂及び窒化ホウ素を含む一次シートが厚み方向に複数形成された積層体を得る。
また、積層体を得るにあたり、一次シートの表面に層状の接着材料を配置して、一次シートの間に接着材料が介在してなる構造を有する積層体を形成することが好ましい。このような製造方法によれば、熱伝導シートの熱伝導性を向上できる。なお、積層体形成工程で用いられる層状の接着材料としては、市販の接着テープ、接着剤を塗布して形成した膜、高温(例えば100℃程度)で溶解する樹脂シート等が挙げられる。
【0060】
ここで、一次シートの折畳による積層体の形成は、特に制限されることなく、折畳機を用いて一次シートを一定幅で折り畳むことにより行うことができる。また、一次シートの捲回による積層体の形成は、特に制限されることなく、一次シートの短手方向又は長手方向に平行な軸の回りに一次シートを捲き回すことにより行うことができる。また、一次シートの積層による積層体の形成は、特に制限されることなく、積層装置を用いて行うことができる。例えば、シート積層装置(日機装社製、製品名「ハイスタッカー」)を用いれば、層間に空気が入り込むことを抑えることができるため、良好な積層体を効率的に得ることができる。
【0061】
なお、積層体形成工程では、得られた積層体を、加熱しながら、積層方向に加圧しても、全方位から加圧してもよい。ここで、積層体形成工程において、積層体を、積層方向に加圧すること、或いは、全方位から加圧することを二次加圧という。積層体に対して二次加圧を行うことにより、積層された一次シート相互間の融着を促進することができる。なお、全方位からの加圧は、例えば、オートクレーブを用いて実施できる。
以下では、上記加圧前の積層体を「第一積層体」と称し、上記加圧後の積層体(加圧された積層体)を「第二積層体」と称する場合がある。
【0062】
ここで、第一積層体を、積層方向に加圧する際の圧力、或いは、全方位から加圧する際の圧力は、0.05MPa以上0.90MPa以下とすることができる。また、第一積層体の加熱温度は、特に限定されないが、50℃以上170℃以下であることが好ましい。更に、第一積層体の加熱時間は、例えば、10秒間以上30分間以下とすることができる。
【0063】
なお、一次シートを積層、折畳又は捲回して得られる積層体では窒化ホウ素が積層方向に略直交する方向に配向していると推察される。
【0064】
<(C)スライス工程>
スライス工程では、積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスして、積層体のスライス片よりなる二次シートを得る。本工程にて得られた二次シートは本発明の熱伝導シートとしてもよい。このようにして得られた熱伝導シートは、一次シートの切断片(条片)が任意の層状の接着材料の切断片(接着層)を介して条片の幅方向(スライス方向)に接合されてなる構造を有している。
【0065】
積層体をスライスする方法としては、特に限定されず、例えば、マルチブレード法、レーザー加工法、ウォータージェット法、ナイフ加工法等が挙げられる。中でも、二次シートの厚みを均一にし易い点で、ナイフ加工法が好ましい。
【0066】
積層体をスライスする際の切断具としては、特に限定されず、スリットを有する平滑な盤面と、このスリット部より突出した刃部とを有するスライス部材(例えば、鋭利な刃を備えたカンナ及びスライサー)を用いることができる。
【0067】
積層体をスライスする角度は、熱伝導シートの熱伝導性を高める観点からは、積層方向に対して30°以下であることが好ましく、積層方向に対して15°以下であることがより好ましく、積層方向に対して略0°である(即ち、積層方向に沿う方向である)ことが更に好ましい。
【実施例0068】
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り、質量基準である。また、体積分率等の算出に際して、各配合成分の体積として、各配合成分の質量をそれらの理論比重で除した値を採用した。なお、実施例における各種の測定及び評価は以下の方法に従って行った。
【0069】
<一次シートの厚みの測定>
一次シートの厚みは、膜厚計(ミツトヨ製、製品名「デジマチックインジケーター ID-C112XBS」)を用いて測定した。
具体的には、一次シートの中心付近の5点の厚みを測定し、測定した5点の厚みの平均値を「一次シートの厚み」とした。
【0070】
<条片の幅及び接着層の幅の測定>
熱伝導シートにおける条片の幅及び接着層の幅は、三次元形状測定機(株式会社キーエンス製、製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ」)を用いて測定した。
具体的には、三次元形状測定機を用いて、熱伝導シートに含まれる全ての条片及び接着層が収まる倍率まで拡大した画像を取得し、得られた画像の熱伝導シートにおいて、条片の長手方向(例えば、図1及び図2ではY方向)に対して垂直な方向(例えば、図1及び図2ではX方向)に任意の線を1本引き、各条片上を通過する線の長さをそれぞれ測定した。そして、得られた全ての測定値の平均値を「条片の幅」とした。また、接着層に関しては、条片と同様に、各接着層上を通過する線の長さをそれぞれ測定し、得られた全ての測定値の平均値を「接着層の幅」とした。
なお、熱伝導シートの一辺が大きな場合(例えば、熱伝導シートの一辺が10cm以上の場合)には、少なくとも10本の条片が収まる倍率まで拡大した画像を取得して上記測定を行ってもよい。
【0071】
<窒化ホウ素の配向角度>
各実施例及び比較例で得られた熱伝導シート中の窒化ホウ素の配向角度は、熱伝導シートを正八角形に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ製、「SU-3500」)にて当該シートの上端から下端までが収まる倍率で観察して求めた。なお、このときの倍率は700倍であった。具体的には、断面における窒化ホウ素の長軸に50本線を引き、熱伝導シートの表面に対する長軸の角度の平均を算出した。なお、角度が90°以上であった場合には補角を採用した。これを8面に対して実施し、8面の中で最も値の大きなものを熱伝導シート中の窒化ホウ素の配向角度とした。
なお、窒化ホウ素を含む熱伝導シートは絶縁性が高いため、SEM画像が得にくい(所謂、「チャージアップ」する)場合がある。この場合には、適宜白金等の導電被膜を設ける等の処理を実施してもよい。
【0072】
<熱伝導率>
各実施例及び比較例で得られた熱伝導シートについて、それぞれ、厚み方向の熱拡散率α(m/s)、定圧比熱Cp(J/g・K)及び比重ρ(g/m)を以下の方法で測定した。
[厚み方向の熱拡散率α(m/s)]
熱物性測定装置(株式会社ベテル製、製品名「サーモウェーブアナライザTA35」)を使用して、熱伝導シートの厚み方向の熱拡散率を測定した。
[定圧比熱Cp(J/g・K)]
示差走査熱量計(Rigaku製、製品名「DSC8230」)を使用し、10℃/分の昇温条件下における比熱を測定した。
[比重ρ(g/m)]
自動比重計(東洋精機製、商品名「DENSIMETER-H」)を用いて比重(密度)(g/m)を測定した。
そして、得られた測定値を用いて下記式(2):
λ=α×Cp×ρ・・・(2)
に代入し、熱伝導シートの厚み方向の熱伝導率λ(W/m・K)を算出した。
【0073】
<熱伝導シートの熱抵抗値及び圧縮率>
各実施例及び比較例で製造した熱伝導シートの熱抵抗値、圧縮率及び厚みは、熱抵抗試験器(株式会社日立テクノロジーアンドサービス製、製品名「樹脂材料熱抵抗測定装置」)を用いて測定した。ここで、1cm角の略正方形に切り出した熱伝導シートを試料とし、試料温度50℃において、厚み方向に0.1MPa、0.5MPa、0.9MPaの圧力を加えた各状態における熱伝導シートの熱抵抗値及び厚みを測定した。
また、上記試料を加圧する前の厚みをTとし、0.9MPaの圧力を加えた際の上記試料の厚みをT0.9とし、T及びT0.9を用いて下記式(1)に従って圧縮率Cを算出した。
C=100×{1-(T0.9/T)}[%]・・・(1)
【0074】
<耐電圧試験値>
熱伝導シートの耐電圧試験値は、油中試験装置(多摩電測株式会社製、商品名「TJ-20S」)を用いて計測した。
具体的には、3cm角の略正方形に切り出した熱伝導シートを試料とし、当該試料を23℃のシリコーン油中に浸漬した。浸漬から1分後に、昇圧速度0.6kV/秒で電圧の印加を開始し、試料に流れる電流(検知電流)が10mAとなった際の電圧(kV)を測定した。得られた電圧(kV)の値を試料である熱伝導シートの厚み(mm)で除することで、耐電圧試験値(kV/mm)を得た。耐電圧試験値が大きいほど、熱伝導シートが耐絶縁破壊性に優れることを示す。
【0075】
<熱伝導性>
上記で測定した熱伝導率を用いて、以下の基準に従って熱伝導性を評価した。
A:熱伝導率が35W/m・K以上
B:熱伝導率が20W/m・K以上35W/m・K未満
C:熱伝導率が20W/m・K未満
【0076】
<圧縮性>
上記で測定した圧縮率を用いて、以下の基準に従って圧縮性を評価した。
A:圧縮率Cが11%以上
B:圧縮率Cが10%以上11%未満
C:圧縮率Cが5%以上10%未満
D:圧縮率Cが5%未満
【0077】
<耐クラック性>
各実施例及び比較例で得られた熱伝導シートの片面を、直径1.0mmのピンゲージに押し付けて20回折り曲げ動作を繰り返した後、熱伝導シートをひっくり返して反対側の面を同じピンゲージに対して押し付けて20回折り曲げ動作を繰り返した。熱伝導シートの両面において、ピンゲージが当たっていた部分のクラック等を目視で評価した。なお、ピンゲージは熱伝導シートを形成する条片に対して垂直方向にセッティングすることで試験を実施した。かかる折り曲げ試験の評価が良好であることは、熱伝導シートが曲げ強度に優れており、柔軟性に富み、耐クラック性に優れることを意味する。
A:クラックが一切なく、良好な状態であった。
B:条片内でクラックが発生した。
C:条片内でクラックが発生し、更に条片間でもクラックが発生した。
【0078】
(実施例1)
<組成物の調製>
熱可塑性樹脂として、常温常圧下で液体のニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン製、商品名「Nipole1312」、比重:1.0)55部と、常温常圧下で固体のニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン製、商品名「Nipole3350」、比重:1.0)24部とを準備した。準備した熱可塑性樹脂と、板状(鱗片状)粒子である六方晶窒化ホウ素(h-BN)(Dandong Chemical Engineering製、商品名「HSL-HP50」、体積平均粒子径:27μm、アスペクト比:1.5、比重:2.27)700部とを、加圧ニーダー(日本スピンドル製)を用いて、温度120℃にて20分間撹拌し、組成物を得た。
【0079】
<一次シート成形工程>
次いで、得られた組成物500gを、第一ロール及び第二ロールを用いて、第一ロールと第二ロールとの間隔500μm、ロール温度25℃、シート搬出速度(第一ロールの外周速度)2m/分、第一ロールに対する第二ロールの外周速度比(第二ロール/第一ロール):1.15/1の条件にて圧延加工してシート状にした。シートの搬送方向を同一にして、圧延加工を繰り返した。合計で圧延加工を10回行い、一次シートを得た。得られた一次シートについて厚みを測定した。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは550μmであった。
【0080】
<積層体形成工程>
次いで、得られた一次シートを縦50mm×横50mmに裁断した。また、層状の接着材料としてのアクリル樹脂からなる接着シート(東亜合成製、製品名「アロンマイティAF60」、厚さ:10μm)を縦50mm×横50mmに裁断した。裁断した一次シート上に、裁断した接着シートを載せ、接着シートが一次シート間に位置する、高さ約50mmの第一積層体を得た。
得られた第一積層体を離型PET(polyethylene terephthalate)でキャラメル包装し、テープ止めを行い、PETレトルト包装で真空包装した。これをオートクレーブ(羽生田鉄工所製、小型オートクレーブ「DANDELION」)中にて、150℃の温度で、且つ、全方位から0.8MPaの圧力(絶対圧)で、30分間加熱加圧処理(二次加圧)し、第二積層体を得た。
【0081】
<スライス工程>
その後、第二積層体を積層方向が地面(第二積層体の載置面)に対して垂直方向となるように置き、スライスに必要な長さを第二積層体の積層方向に直交する方向の一端側に残して、設置した第二積層体の上面の全体を金属板で押え、上から0.1MPaの圧力をかけて、第二積層体を固定した。なお、第二積層体における積層方向とは、積層された一次シートの主面の法線方向を意味する。第二積層体の側面、背面の固定は行わなかった。このとき、第二積層体の温度は25℃であった。
次いで、サーボプレス機(放電精密加工研究所製)のプレス部分に、切断刃(片刃、刃角:20°、刃部の最大厚み:3.5mm、材質:超鋼、ロックウェル硬度:91.5、刃面のシリコン加工:なし、全長:200mm)及びガイド部材(長さ:50mm、静止摩擦係数:0.4)よりなるスライス機構(ガイド部材とすくい面との間の間隔:0.5mm)を取り付け、積層方向が地面に対して垂直方向となるように置いた第二積層体を、スライス速度25mm/秒、スライス幅300μmの条件で、積層方向にスライスして、縦50mm×横50mm×厚み(平均厚み)0.30mmの熱伝導シートを得た。なお、スライス時の切断刃の姿勢は、逃げ面の延在方向が第二積層体のスライス面と平行な方向になる姿勢とした。得られた熱伝導シートは、熱伝導シートの主面内において、条片と、互いに隣接する条片の間に位置する接着層とを並列接合してなる構造を有する。なお、熱伝導シートにおいて、条片は一次シートに由来し、接着層は接着シートに由来する。得られた熱伝導シートについて、上記に従って各種測定及び評価を実施した。結果を表1に示す。
【0082】
(実施例2)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは900μmであった。
【0083】
(実施例3)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは1200μmであった。
【0084】
(実施例4)
組成物の調製において、熱可塑性樹脂として、常温常圧下で固体のスチレンブタジエンゴム(日本ゼオン製、商品名「Nipole1502」、比重:0.94)35部と、常温常圧下で液体のポリブテン(日本曹達製、商品名「NISSO-PB B-3000」、比重:0.88)35部とを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0085】
(実施例5)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例4と同様にして、各種操作、測定、及びび評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは900μmであった。
【0086】
(実施例6)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例4と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは1200μmであった。
【0087】
(実施例7)
組成物の調製において、六方晶窒化ホウ素(h-BN)の使用量を700部から270部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。
【0088】
(実施例8)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例7と同様にして、各種操作、測定、及びび評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは900μmであった。
【0089】
(実施例9)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例7と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは1200μmであった。
【0090】
(比較例1)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは1700μmであった。
【0091】
(比較例2)
組成物の調製において、六方晶窒化ホウ素(h-BN)の使用量を700部から260部に変更し、一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは1700μmであった。
【0092】
(比較例3)
一次シート成形工程において、第一ロールと第二ロールとの間隔を変更して一次シートの厚みを調整したこと以外は実施例1と同様にして、各種操作、測定、及び評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた一次シートの厚みは400μmであった。
【0093】
【表1】
【0094】
表1からも明らかなように、実施例1~9の熱伝導シートは、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートを提供できる。
また、本発明によれば、高い圧縮性及び高い熱伝導性を兼ね備えると共に、耐クラック性に優れる熱伝導シートの製造方法を提供できる。
【符号の説明】
【0096】
10:熱伝導シート
11:条片
12:接着層
図1
図2