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特開2024-103694傾き角度検出装置及び傾き角度検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024103694
(43)【公開日】2024-08-01
(54)【発明の名称】傾き角度検出装置及び傾き角度検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240725BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/66 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024089936
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2023078568の分割
【原出願日】2017-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃
(72)【発明者】
【氏名】飛山 亜矢子
(72)【発明者】
【氏名】海老名 卓志
(57)【要約】
【課題】従来の方式ではプリアライメントできない四角い形状の基板をプリアライメントする。
【解決手段】搬送部(搬送アーム48)により搬送方向(引き出し方向B)に沿って搬送される四角形状の基板Wの傾き角度θを検出する傾き角度検出装置において、基板Wに平行で且つ搬送方向に垂直な方向を垂直方向とした場合に、垂直方向に間隔をあけて設けられた第1センサ及び第2センサにより構成される幅・角度検出センサ61であって、基板Wが搬送方向に沿って搬送されるときに、搬送方向とは異なる方向に離れた基板Wの両縁のみを検出する幅・角度検出センサ61と、幅・角度検出センサ61により検出した基板Wの両縁から基板Wの傾き角度θを検出する検出部(制御部25)と、第1センサ及び第2センサの垂直方向の間隔を調整する間隔調整部(駆動モータ63)と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送部により搬送方向に沿って搬送される四角形状の基板の傾き角度を検出する傾き角度検出装置において、
前記基板に平行で且つ前記搬送方向に垂直な方向を垂直方向とした場合に、前記垂直方向に間隔をあけて設けられた第1センサ及び第2センサにより構成される幅・角度検出センサであって、前記基板が前記搬送方向に沿って搬送されるときに、前記搬送方向とは異なる方向に離れた前記基板の両縁のみを検出する幅・角度検出センサと、
前記幅・角度検出センサにより検出した前記基板の両縁から前記基板の傾き角度を検出する検出部と、
前記第1センサ及び前記第2センサの前記垂直方向の間隔を調整する間隔調整部と、
を備える傾き角度検出装置。
【請求項2】
搬送部により搬送方向に沿って搬送される四角形状の基板の傾き角度を検出する傾き角度検出方法において、
前記基板に平行で且つ前記搬送方向に垂直な方向を垂直方向とした場合に、前記垂直方向に間隔をあけて設けられた第1センサ及び第2センサにより構成される幅・角度検出センサにおける、前記第1センサ及び前記第2センサの前記垂直方向の間隔を調整するステップと、
前記基板が前記搬送方向に沿って搬送されるときに、前記幅・角度検出センサにより、前記搬送方向とは異なる方向に離れた前記基板の両縁のみを検出するステップと、
前記幅・角度検出センサにより検出した前記基板の両縁から前記基板の傾き角度を検出するステップと、
を有する傾き角度検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ上に形成された複数のチップの電気的な検査を行うプローバおよびそのプリアライメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しいパッケージの製造手段としてFOWLP(Fan Out Wafer Level Package)が注目されている。この基板は、特許文献1および2のような従来の円形のシリコンウェーハとは異なり、四角い形状で製作される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-192484号公報
【特許文献2】特開2016-157883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象となる四角の基板を搬送しようとした時に、従来の円形のウェーハで行っていたようなプリアライメント方式が適用できない。例えば、検査関連装置であるプローバでワークを検査する検査台(チャック)までワークを搬送する場合に、ワークの向きをある程度合わせなければいけない(プリアライメント)。従来行っていたようにウェーハの中心を保持し回転させることで、オリフラやノッチをセンサで検出する方式は、四角い形状のためにできない。また、基板にウェーハのオリフラやノッチに相当する位置決めの形状もない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来の方式ではプリアライメントできない四角い形状の基板をプリアライメントできるプローバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、四角形状の基板が格納された格納部から基板をプリアライメント部に搬送し、プリアライメント部によってプリアライメントされた基板を検査部に搬送し、検査部によって基板を検査するプローバにおいて、基板が格納部からプリアライメント部に搬送されるときに、基板の搬送方向に沿った長さを検出する長さ検出センサと、基板が格納部からプリアライメント部に搬送されるときに、基板の搬送方向に直交する方向に沿った幅を連続的に検出する幅検出センサと、を備えるプローバを提供する。
【0007】
上記のプローバは、長さ検出センサの検出した基板の長さと、幅検出センサの連続的に検出した基板の幅とから、所定の基準座標に対する基板の偏芯量およびウェーハの搬送方向に対する基板の傾き角度を算出する算出部を備え、プリアライメント部は、算出部の算出した所定の基準座標に対する基板の偏芯量および傾き角度に基づいて、基板のプリアライメントを行うことが好ましい。
【0008】
また、長さ検出センサはファイバアンプで構成されることが好ましい。
【0009】
また、幅検出センサは測距センサで構成されることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、四角形状の基板が格納された格納部から基板をプリアライメント部に搬送し、プリアライメント部によってプリアライメントされた基板を検査部に搬送し、検査部によって基板を検査するプローバであって、基板が格納部からプリアライメント部に搬送されるときに、基板の搬送方向に沿った長さを検出する長さ検出センサと、基板が格納部からプリアライメント部に搬送されるときに、基板の搬送方向に直交する方向に沿った幅を連続的に検出する幅検出センサと、を備えるプローバが、長さ検出センサの検出した基板の長さと、幅検出センサの連続的に検出した基板の幅とから、所定の基準座標に対する基板の偏芯量および基板の搬送方向に対するウェーハの傾き角度を算出するステップと、所定の基準座標に対する基板の偏芯量および傾き角度に基づいて、基板のプリアライメントを行うステップと、を実行するプリアライメント方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搬送アームが移動する際に四角い形状の基板をプリアライメントできるので、プリアライメントのためだけに要する時間がなく、従来のウェーハのプリアライメントと比較して大きく時間削減ができ、スループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】プローバ10の構成を示した上面図
図2】検査部16の側面図
図3】基板用チャック20の上面斜視図
図4】ローダ部14の上面斜視図
図5】基板用カセット46の上面斜視図
図6】プリアライメントセンサユニット60の構成を示した斜視図
図7】校正治具Qの中心座標を説明するための図
図8】基板Wの偏芯量および傾き角度を説明するための図
図9】プリアライメントの処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に従って本発明に係るプローバの好ましい実施形態について詳説する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態のプローバ10の構成を示した上面図である。
【0015】
〔プローバ10の構成〕
プローバ10は、プローバ本体12と、プローバ本体12に隣接されたローダ部14とから構成される。プローバ本体12は、基板Wが載置される保持面18を有する基板用チャック20を有する。基板Wは四角形状すなわち正方形または長方形であってもよい。
【0016】
また、ローダ部14は、搬送ユニット40、ロードポート45、基板用カセット46、およびプリアライメントセンサユニット60を有する。搬送ユニット40は、搬送アーム48、搬送ユニット40側のサブチャック50aを有する。ローダ部14は、搬送ユニット40側のサブチャック50aとは異なるステージ上にサブチャック50bを有する。サブチャック50bは反りの大きな基板Wを回転させるためのものである。
【0017】
基板用カセット46は、ロードポート45に載せられる専用カセットである。基板用カセット46内の基板Wは、図示しないマッピングセンサにより検出する。基板Wが反っていることが想定されるので、基板用カセット46の基板W取り出し側面と反対面に相対するロードポート45の正面中央部にマッピングセンサを配置するとよい。
【0018】
図2は、プローバ本体12(図1参照)の内部に配置された検査部16の側面図である。また、基板用チャック20は縦断面を示している。
【0019】
検査部16は、基板Wが載置される保持面(基板保持面)18を有する基板用チャック20と、基板用チャック20の保持面18に載置された基板Wの半導体デバイス(不図示)に接触されて半導体デバイスの電気的特性を検査するプローブ22と、を備える。
【0020】
〔基板用チャック20の構成〕
図2に示すように、基板用チャック20の保持面18には、基板用チャック20の中心軸を中心とした吸着溝19が設けられる。吸着溝19は、真空経路21を介して真空源23に接続される。真空源23によって真空経路21の空気を吸引することにより、基板用チャック20の保持面18に載置された基板Wが吸着溝19によって真空吸着されて基板用チャック20の保持面18に吸着保持される。また、真空経路21には、真空経路21を大気開放する電磁バルブ24が設けられ、電磁バルブ24の開閉は制御部25によって制御されている。
【0021】
基板用チャック20には、鉛直方向に貫通した複数の貫通孔26が備えられており、これらの貫通孔26には、例えば3本の直棒状のピン(突き上げ部材)28A、28B、28Cがそれぞれ挿入されている。ピン28A、28B、28Cは、基板用チャック20の中心軸を中心とした同心円上に沿って配置されている。すなわち、ピン28A、28B、28Cは互いに離れた位置に設けられている。
【0022】
ピン28A、28B、28Cの下端は、基板用チャック20の下方において、水平方向に配置されたプレート30の水平面に連結されている。プレート30は、その右端部がボールねじ装置(ウェーハ剥離機構)32のねじ軸34に螺合されたナット36に連結されている。
【0023】
ねじ軸34は、鉛直方向に配置され、また、ナット36には、ナット36の鉛直方向の移動をガイドする直動ガイド38が連結されている。更に、プレート30の左端部には、プレート30の鉛直方向の移動をガイドする直動ガイド40が備えられている。
【0024】
したがって、ボールねじ装置32のモータ42を駆動してねじ軸34を正転、又は逆転させることにより、ナット36をねじ軸34に沿って鉛直方向に移動させることができる。よって、ナット36を上昇移動させると、プレート30を介して3本のピン28A、28B、28Cが一斉に上昇移動され、ピン28A、28B、28Cの上端部が、二点鎖線で示すように基板用チャック20の保持面18から上方に突出される。突出されたピン28A、28B、28Cの上端が基板Wの受け取り位置に移動すると、モータ42の駆動が停止され、図1のローダ部14から搬送されてきた基板Wが、ピン28A、28B、28Cの上端に載置される。
【0025】
この後、ナット36を下降移動させ、3本のピン28A、28B、28Cの上端を、実線で示すように基板用チャック20の保持面18から一斉に没入させる。これにより、基板Wが基板用チャック20の保持面18に載置される。
【0026】
保持面18に載置された基板Wは、前述の如く保持面18に吸着保持され、その後、プローブ22及びテスタ(不図示)によって半導体デバイスの電気的特性が検査される。この電気的特性の検査方法は公知であるので、ここでは省略する。
【0027】
図3は、基板用チャック20の上面斜視図である。基板用チャック20の保持面18には、ウェーハチャック20の中心軸を中心とした矩形状の吸着溝19が設けられる。吸着溝19には供給口27が設けられている。図2の真空源23によって、真空経路21に接続された供給口27から空気を吸引することにより、基板用チャック20の保持面18に載置されたウェーハWが吸着溝19によって真空吸着されて、基板用チャック20の保持面18に基板Wが吸着保持される。
【0028】
図1図4および図5のように、ローダ部14は、ロードポート45に載せられた基板用カセット46、搬送アーム48、サブチャック50a・50b、及びプリアライメントセンサ52等から構成される。
【0029】
図1のように基板用カセット46に収納された検査前の基板Wは、矢印A方向に直進動作された搬送アーム48によって、その下面が真空吸着保持される。その後、ウェーハWは、搬送アーム48の矢印B方向の直進動作によって基板用カセット46から取り出され、サブチャック50aに受け渡される。基板Wは、サブチャック50aに吸着保持される。
【0030】
サブチャック50aには、サブチャック50aを、鉛直軸を中心に回転させる回転部が連結されており、この回転部によってサブチャック50aに吸着されたウェーハWが回転される。回転部による基板Wの回転動作によって、基板Wは、目的の角度に回転されて所定の位置に位置決めされる。以上の動作によって、プローバ本体12の基板用チャック20の保持面18に載置する前のプリアライメントが完了する。
【0031】
プリアライメントが完了すると、基板Wは、搬送アーム48によってその下面が吸着保持される。この後、基板Wは、プローバ本体12に向けて水平方向に90度回動された後、図1の搬送アーム48の矢印C方向の直進動作によってプローバ本体12に搬入され、図2の二点鎖線で示したピン28A~28Cの上端に受け渡される。この後、搬送アーム48は、図1の矢印D方向に直進動作され、元の初期位置に復帰する。また、図2のプローブ22による検査が終了すると、搬送アーム48は、検査終了した基板Wを受け取るために、矢印C方向の直進動作によってプローバ本体12に再度移動される。
【0032】
〔プリアライメントセンサユニット60の構成〕
図6はプリアライメントセンサユニット60の構成を示した要部拡大斜視図である。
【0033】
プリアライメントセンサユニット60は、二対のセンサからなる幅・角度検出センサ61、一対のセンサからなる長さ検出センサ62、駆動モータ63を有する。
【0034】
幅・角度検出センサ61は、公知のレーザー式測距センサなどで構成されうる。長さ検出センサ62は、公知のファイバセンサなどで構成されうる。なおこれらのセンサは画像撮影が可能な撮像装置などによっても代用できる。
【0035】
幅・角度検出センサ61は、搬送アーム48による矢印B方向への基板Wの引き出し時に、B方向に沿った基板Wの両縁に相当する両線分と校正治具Qの両端部(図8参照)との距離とを連続的に検出することで、搬送アーム48による矢印Bの引き出し方向に対する基板Wの傾き角度(以下単に傾き角度と称する)を検出する。なお、基板Wが台形であっても、台形の底辺が基板Wの引き出し方向Bと平行であれば、基板Wの幅を連続的に検出できる。
【0036】
長さ検出センサ62は、搬送アーム48による矢印B方向への基板Wの引き出し時に、矢印B方向に沿った基板Wの長さを検出する。具体的には、基板Wの引き出しに要した時間すなわち基板Wの検出開始から検出終了までの時間を検出し、この引き出し時間に搬送アーム48の引き出し速度を乗算することで検出できる。なお校正治具Qの両端部との距離を検出することで基板Wの長さを検出してもよい。
【0037】
駆動モータ63は、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62をセンサ駆動方向Xに駆動することで、様々なサイズの基板Wの幅、傾き角度および長さの検出を可能にする。なお、長さ検出センサ62は可動せず固定でもよい。
【0038】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータで構成され、搬送アーム48による矢印B方向への基板Wの引き出しに連動して駆動モータ63を動作させるよう制御する。また、制御部25は、基板Wの品種ごとの基板の縦および横サイズを規定した品種データを管理する内蔵型または取り出し可能なメモリを有する。
【0039】
図7および図8は、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62によるプリアライメント計算方法を示す。まず、図7に示すように、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62によって、予め決められた大きさかつ一辺が基板引き出し方向Bと平行に配置された正方形状の校正治具Qをスキャンし、幅および長さを検出する。制御部25は、検出された幅および長さを1/2にすることにより、校正治具Qの中心座標を算出する。そして制御部25は、この校正治具Qの中心座標Oを、プリアライメント計算の座標軸の中心とする。なお校正治具Qの中心座標Oは、サブチャック50aの回転中心と一致しているものとする。
【0040】
次に、制御部25は、搬送アーム48による矢印B方向への基板Wの引き出し時に、矢印B方向に沿った基板Wの傾き角度および長さを検出するよう、幅・角度検出センサ61、長さ検出センサ62、および駆動モータ63を制御する。
【0041】
図8の(a)部分に示すように、制御部25は、検出された基板Wの幅および長さと校正治具Qの中心座標Oとから、搬送アーム48の搬送方向に沿った基板Wの引き出し方向Bに対する基板Wの中心線の傾きを示す一次関数y=α1x+β1と、引き出し方向Bと直交する方向に対する基板Wの中心線の傾きを示す一次関数y=1/α1x+β2とを求める。これらの傾きおよび切片は、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62で検出可能な6つの座標a1 (Xa1,Ya1)、b1(Xb1,Y b1)、c1(Xc1,Yc1)、d1(Xd1,Yd1)、L1a(XL1a,YL1a) 、L1b(XL1b,YL1b)から求められる。
【0042】
図8の(b)部分に示すように、制御部25は、これらの一次式の係数(傾きα1および1/α1,切片β1およびβ2)に基づき、引き出し方向Bに関する校正治具Qの中心座標Oと基板Wの中心とのずれ量(偏芯量)X、引き出し方向Bと直交する方向に関する校正治具Qの中心座標Oと基板Wの中心とのずれ量(偏芯量)Y、引き出し方向Bに対する基板Wの傾き角度θを求める。
【0043】
この基板Wの偏芯量X,Yおよび傾き角度θを相殺する分だけ基板Wを移動および回転させることで、プリアライメントが完了する。
【0044】
図9はプリアライメントの処理の流れを示すフローチャートである。この処理は制御部25によって制御される。またこの処理を規定するプログラムは、制御部25と接続されたメモリに格納されている。
【0045】
S1では、駆動モータ63は、品種データに規定された基板Wのサイズに基づいて、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62を、基板Wの側面端部にあたる位置(図6のP0-61,P0-62参照)に移動させる。この動作は搬送アーム48の移動開始よりも前に行われるため、スループットに影響することはない。この後搬送アーム48が、基板用カセット46から基板Wを引き出す。
【0046】
S2では、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62は、搬送アーム48による基板Wの引き出しに連動して、基板Wの幅と長さを検出する。
【0047】
S3では、幅・角度検出センサ61および長さ検出センサ62による検出結果から、基板Wの偏芯量X,Yおよび傾き角度θが計算される。搬送アーム48は基板Wの偏芯量X,Yを参照し、基板W中心と治具中心Oとが合致するように、基板Wをサブチャック50aに載置する。
【0048】
S4では、サブチャック50aにて、基板Wの傾き角度θを相殺するよう基板Wを回転させる。
【0049】
S5では、搬送アーム48によって、基板Wの中心と基板用20の中心とが一致する位置に、基板Wを搬送する。この後、基板用チャック20に載った基板Wのプロービングが行われる。プロービング後、基板用チャック20から基板Wが搬送アーム48によってアンロードされ、カセット内に収納される。
【0050】
上記の処理により、搬送アーム48が移動する際に四角い形状の基板をプリアライメントできるので、プリアライメントのためだけに要する時間がなく、従来のウェーハのプリアライメントと比較して大きく時間削減ができ、スループットが向上する。
【0051】
なお、従来のプリアライメントセンサ、モータなどもプローバ10に配置してもよい。こうすることにより、従来の円形のウェーハも搬送可能である。
【符号の説明】
【0052】
10…プローバ、20…基板用チャック、48…搬送アーム、50a…サブチャック、61…幅・角度検出センサ、62…長さ検出センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9