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特開2024-104167デジタルスコアボード、およびデジタルスコアシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104167
(43)【公開日】2024-08-02
(54)【発明の名称】デジタルスコアボード、およびデジタルスコアシステム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A63B71/06 B
A63B71/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008254
(22)【出願日】2023-01-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】彼島 雄一郎
(57)【要約】
【課題】操作性に優れたデジタルスコアボードを提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るデジタルスコアボードは、複数の対象それぞれのスコアをデジタル表示する表示部と、前記表示部と同じ側に配置され、押圧されることで前記表示部に前記スコアを表示させる表示開始部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを加算可能な加算部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを減算可能な減算部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象それぞれのスコアをデジタル表示する表示部と、
前記表示部と同じ側に配置され、押圧されることで前記表示部に前記スコアを表示させる表示開始部と、
前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを加算可能な加算部と、
前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを減算可能な減算部と、を備えることを特徴とするデジタルスコアボード。
【請求項2】
前記加算部は、前記減算部および前記表示開始部の形状よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項3】
前記表示開始部、前記加算部および前記減算部は、前記表示部に表示されるスコアの横であって上から順に配置されていること特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項4】
前記表示部、前記加算部、前記減算部および前記表示開始部を一の群としたとき、
前記群を複数備えたことを特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項5】
前記群の前記表示開始部は、独立して前記表示部の表示および非表示を切り替えることを特徴とする請求項4に記載のデジタルスコアボード。
【請求項6】
前記表示開始部、加算部および減算部のそれぞれは、押圧される操作ボタンを含み、
前記操作ボタンは、前記表示部が配置される側の面から突出していることを特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項7】
前記表示部は、電子ペーパーを含み、前記スコアを変更する時のみ電力を使用することを特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項8】
前記表示部は、前記デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側に配置され、前記デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側に前記スコアをデジタル表示することを特徴とする請求項1に記載のデジタルスコアボード。
【請求項9】
前記表示開始部、前記加算部および前記減算部のそれぞれは、前記デジタルスコアボードの正面側のみに配置されることを特徴とする請求項8に記載のデジタルスコアボード。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のデジタルスコアボードと、
前記デジタルスコアボードの前記表示部に表示された情報を送信する送信部と、
前記送信部により送信された情報を表示する表示装置と、を備えることを特徴とするデジタルスコアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスコアボード、およびデジタルスコアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツ競技のうち、競技者またはチームが獲得した得点で勝敗が決まる、テニス、卓球、バトミントン、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、野球、サッカー等の得点競技が知られている。この得点競技では、競技者、観客、審判等の試合関係者に試合の状況を認識させるために、競技中のスコアを表示するスコアボードが使用される。
【0003】
上記スコアボードとして、プレー数を入力するプレー入力キーと、プレーが成功したとき入力するプレー成功キーと、入力されたプレー数とプレー成功数を表示する表示部と、を備えるデジタルスコアボードが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のデジタルスコアボードでは、競技者がデジタルスコアボードの背面に回り込んで入力操作しなければならないため、操作性の観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、操作性に優れたデジタルスコアボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るデジタルスコアボードは、複数の対象それぞれのスコアをデジタル表示する表示部と、前記表示部と同じ側に配置され、押圧されることで前記表示部に前記スコアを表示させる表示開始部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを加算可能な加算部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを減算可能な減算部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作性に優れたデジタルスコアボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るデジタルスコアボードの一例を示す正面図である。
図2図1におけるII-II線の断面図である。
図3】第1実施形態に係るデジタルスコアボードの構成例を示すブロック図である。
図4】デジタルスコアボードにおける操作ボタンの群の一例を示す図である。
図5】第1実施形態に係るデジタルスコアボードの設置状態の第1例の図である。
図6】第1実施形態に係るデジタルスコアボードの設置状態の第2例の図である。
図7】第1実施形態に係るデジタルスコアボードによる表示例の第1図である。
図8】第1実施形態に係るデジタルスコアボードによる表示例の第2図である。
図9】第1実施形態に係るデジタルスコアボードによる表示例の第3図である。
図10】第1実施形態に係るデジタルスコアボードによる表示例の第4図である。
図11】第1実施形態に係るデジタルスコアボードによる表示例の第5図である。
図12】第1実施形態に係るデジタルスコアボードの動作例を示すフロー図である。
図13】第2実施形態に係るデジタルスコアボードの一例を示す正面図である。
図14】第2実施形態に係るデジタルスコアボードの一例を示す背面図である。
図15図13におけるXV-XV線の断面図である。
図16】第3実施形態に係るデジタルスコアボードの一例を示す正面図である。
図17図16におけるXVII-XVII線の断面図である。
図18】第4実施形態に係るデジタルスコアシステムの構成例を示す図である。
図19】第4実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成例のブロック図である。
図20】変形例に係るデジタルスコアボードについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るデジタルスコアボードおよびデジタルスコアシステムについて図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するためのデジタルスコアボードおよびデジタルスコアシステムを例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。
【0010】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を備える直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は互いに略直交する。Z軸に沿うZ方向において、矢印が向く方向である+Z方向は、実施形態に係るデジタルスコアボードの正面方向に対応する。矢印が向く方向とは反対方向である-Z方向は、実施形態に係るデジタルスコアボードの背面方向に対応する。本明細書において、「正面視」とは、実施形態に係るデジタルスコアボードを正面方向(+Z方向)から視ることをいう。但し、これらの方向表現は、実施形態の方向を限定するものではなく、実施形態に係るデジタルスコアボードの使用時における向きは任意である。
【0011】
[第1実施形態]
<デジタルスコアボード100の構成例>
図1図4を参照して、デジタルスコアボード100の構成の一例について説明する。図1は、第1実施形態に係るデジタルスコアボード100の一例を示す正面図である。図2は、図1におけるII-II線の断面図である。図3は、デジタルスコアボード100の構成の一例を示すブロック図である。図4は、デジタルスコアボード100における操作ボタンの群の一例を示す図である。
【0012】
デジタルスコアボード100は、スポーツ競技のうち、競技者またはチームが獲得した得点で勝敗が決まる得点競技において、競技者、観客、審判、試合関係者等に試合の状況を認識させるために、競技中のスコアを表示する電子機器である。本明細書に示すデジタルスコアボード100は、一例としてテニスで使用されるものである。
【0013】
本明細書では、一例として、2人の競技者によるテニスの試合で使用されるデジタルスコアボード100を説明する。テニスの試合は、複数のセットにより構成される。また1つのセットは、複数のゲームにより構成される。テニスの試合では、2人の競技者のうち、1つのセット内で決められたゲーム数を取得した方が、該セットの勝者となる。また、2人の競技者のうち、1試合で決められたセット数を取得した方が該試合の最終的な勝者となる。なお、1つのゲームを取得することは、1つのゲームに勝つことを意味する。また1つのセットを取得することは、1つのセットに勝つことを意味する。また、実施形態に係るデジタルスコアボードを用いたテニスの試合は、2人の競技者によるものに限らず、複数名の競技者により構成されるチームによるものであってもよい。
【0014】
デジタルスコアボード100は、例えば、テニスコート脇の壁に取り付けられた状態で使用される。デジタルスコアボード100は、2人の競技者のスコアを視認可能に表示する。本明細書において、スコアとは、得点競技における得点に関する情報をいう。「得点競技における得点に関する情報」は、例えばテニスの場合には、2人の競技者のそれぞれが取得した、セットを特定する情報、ゲームを特定する情報、セット数を示す情報、ゲーム数を示す情報等である。
【0015】
実施形態に係るデジタルスコアボードは、テニスに限らず、卓球、バトミントン、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、野球、サッカー等の他の得点競技にも適用可能である。
【0016】
図1図3に示すように、本実施形態では、デジタルスコアボード100は、表示部1と、表示開始部2と、加算部3と、減算部4と、を備える。またデジタルスコアボード100には、競技者名表示領域5と、制御部6と、電源部7と、が設けられている。本実施形態では、デジタルスコアボード100は、操作者によりデジタルスコアボード100に入力されたスコアを表示することができる。操作者とは、デジタルスコアボード100を操作する者をいう。操作者は、例えばテニスを行う競技者である。但し、操作者は競技者以外の者であってもよい。競技者以外の者は、審判、大会関係者等である。
【0017】
表示部1は、複数の対象の一例である複数の競技者それぞれのスコアをデジタル表示する。図1に示す例では、表示部1は、第1表示部11と、第2表示部12と、第3表示部13と、第4表示部14と、第5表示部15と、第6表示部16と、を含む。第1表示部11~第6表示部16のそれぞれは、一例として7セグメントディスプレイである。表示部1は、第1表示部11~第6表示部16を用いて、2人の競技者それぞれの3セット分のスコアをデジタル表示する。表示部1は、Y軸に沿うY方向に、2人分のスコアを並べてデジタル表示する。また表示部1は、X軸に沿うX方向に、「1st」~「3rd」の3セット分のスコアを並べてデジタル表示する。なお、本明細書において、デジタル表示とは、デジタル方式で情報を表示することをいう。
【0018】
表示部1は、デジタルスコアボード100の正面側(+Z方向側)に配置される。表示部1は、例えば液晶を含んで構成された電子ペーパーを含む。電子ペーパーは、消費電力が小さく、電池による駆動が可能であるため、商用電源に接続することが難しい屋外で使用されるデジタルスコアボード100の表示部1に適している。電子ペーパーには、特開2006-293029号公報に開示されている電気泳動方式のもの等を使用できる。但し、電子ペーパーの表示方式は、電気泳動方式に限らず、様々な表示方式であってもよい。また表示部1は、電子ペーパーに限らず、液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を用いたディスプレイ装置により構成されてもよい。
【0019】
表示開始部2は、表示部1と同じ側に配置され、押圧されることで表示部1にスコアを表示させる。図1に示す例では、表示開始部2は、第1表示開始部21と、第2表示開始部22と、第3表示開始部23と、を含む。表示開始部2は、表示部1と同じ側、すなわち、ここではデジタルスコアボード100の正面側に配置される。第1表示開始部21~第3表示開始部23のそれぞれは、例えばプッシュスイッチ型の操作ボタンを含む。表示開始部2が表示部1と同じ側に配置されることで、操作者はデジタルスコアボード100の正面側から表示開始部2を操作でき、また表示部1に表示されるスコアを視認しながら表示開始部2を操作できる。
【0020】
第1表示開始部21は、押圧されることで第1表示部11および第2表示部12のそれぞれにスコアを表示させる。第2表示開始部22は、押圧されることで第3表示部13および第4表示部14のそれぞれにスコアを表示させる。第3表示開始部23は、押圧されることで第5表示部15および第6表示部16のそれぞれにスコアを表示させる。
【0021】
より詳しくは、第1表示開始部21は、例えば1stセットの競技開始時に、操作者により1回押圧されることで、第1表示部11に「0」、第2表示部12に「0」を、それぞれ表示させる。第2表示開始部22は、例えば2ndセットの競技開始時に、操作者により1回押圧されることで、第3表示部13に「0」、第4表示部14に「0」を、それぞれ表示させる。第3表示開始部23は、例えば3rdセットの競技開始時に、操作者により1回押圧されることで、第5表示部15に「0」、第6表示部16に「0」を、それぞれ表示させる。また、第1表示開始部21~第3表示開始部23のそれぞれは、例えば3rdセットの競技終了時に、操作者により1回押圧されることでスコアを非表示(オフ)にすることができる。
【0022】
加算部3は、表示部1と同じ側に配置され、表示開始部2が押圧された後に、押圧されることで表示部1に表示されたスコアを加算可能である。加算部3は、1回押圧されることで、スコアを1点加算する。図1に示す例では、加算部3は、第1加算部31と、第2加算部32と、第3加算部33と、第4加算部34と、第5加算部35と、第6加算部36と、を含む。加算部3は、表示部1と同じ側、すなわち、ここではデジタルスコアボード100の正面側に配置される。第1加算部31~第6加算部36のそれぞれは、例えばプッシュスイッチ型の操作ボタンを含む。加算部3が表示部1と同じ側に配置されることで、操作者はデジタルスコアボード100の正面側から加算部3を操作でき、また表示部1に表示されるスコアを視認しながら加算部3を操作できる。
【0023】
第1加算部31は、操作者により押圧されることで第1表示部11に表示されたスコアを加算する。第2加算部32は、操作者により押圧されることで第2表示部12に表示されたスコアを加算する。第3加算部33は、操作者により押圧されることで第3表示部13に表示されたスコアを加算する。第4加算部34は、操作者により押圧されることで第4表示部14に表示されたスコアを加算する。第5加算部35は、操作者により押圧されることで第5表示部15に表示されたスコアを加算する。第6加算部36は、操作者により押圧されることで第6表示部16に表示されたスコアを加算する。
【0024】
減算部4は、表示部1と同じ側に配置され、表示開始部2が押圧された後に、押圧されることで表示部1に表示されたスコアを減算可能である。減算部4は、加算部3による加算操作を間違えた場合等に、1回押圧されることで、スコアを1点減算する。図1に示す例では、減算部4は、第1減算部41と、第2減算部42と、第3減算部43と、第4減算部44と、第5減算部45と、第6減算部46と、を含む。減算部4は、表示部1と同じ側、すなわち、ここではデジタルスコアボード100の正面側に配置される。第1減算部41~第6減算部46のそれぞれは、例えばプッシュスイッチ型の操作ボタンを含む。減算部4が表示部1と同じ側に配置されることで、操作者はデジタルスコアボード100の正面側から減算部4を操作でき、また表示部1に表示されるスコアを視認しながら減算部4を操作できる。
【0025】
第1減算部41は、操作者により押圧されることで第1表示部11に表示されたスコアを減算する。第2減算部42は、操作者により押圧されることで第2表示部12に表示されたスコアを減算する。第3減算部43は、操作者により押圧されることで第3表示部13に表示されたスコアを減算する。第4減算部44は、操作者により押圧されることで第4表示部14に表示されたスコアを減算する。第5減算部45は、操作者により押圧されることで第5表示部15に表示されたスコアを減算する。第6減算部46は、操作者により押圧されることで第6表示部16に表示されたスコアを減算する。
【0026】
競技者名表示領域5は、対戦する競技者名の表示に使用される領域である。競技者名表示領域5は、例えば競技者名が記載された用紙が貼り付けられることで、競技者名を表示する。第1競技者名表示領域51は、2人の競技者のうちの一方の競技者名を表示する。第2競技者名表示領域52は、2人の競技者のうちの他方の競技者名を表示する。
【0027】
競技者名表示領域5は、電子ペーパー、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を含んで構成され、これらを用いてデジタル表示することで競技者名を表示してもよい。この場合には、競技者名表示領域5は、大会本部等の遠隔地から送信されてきた情報に基づいて競技者名を表示してもよい。例えば、デジタルスコアボード100は、大会本部等の遠隔地から送信されてきた情報を受信し、この受信した情報に基づいて競技者名を表示してもよい。これにより、競技者名表示領域5へ競技者名を表示する操作を簡略化することができる。なお、競技者名表示領域5は、競技者個人の氏名だけでなく、複数の競技者からなるチームの名称等を表示してもよい。
【0028】
制御部6は、デジタルスコアボード100全体の動作を制御する。制御部6は、表示開始部2、加算部3および減算部4に対する操作者の押圧操作に応じて、表示部1によるスコアのデジタル表示を制御できる。制御部6は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、並びにROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
【0029】
図3に示すように、制御部6は、送信部60を含む。送信部60は、表示部1に表示されたスコアに関する情報を外部装置に送信する。送信部60は、電気回路等により構成される。制御部6は、表示部1に表示されるスコアに関する情報を、送信部60を介して外部装置に送信できる。ここでの外部装置は、外部PC(Personal Computer)、外部サーバ等である。制御部6は、競技者名表示領域5に表示する競技者名の情報等を外部装置から受信する受信部をさらに備えてもよい。また、送信部60は、制御部6に含まれる構成に限定されず、制御部6とは別の構成部としてデジタルスコアボード100に設けられてもよい。
【0030】
電源部7は、表示部1、制御部6等に電力を供給するバッテリである。図2に示す例では、電源部7は、制御部6が実装された基板上に配置されている。バッテリには、一次電池、二次電池等を使用できる。電源部7は、太陽光パネルを含み、太陽光パネルにより発電された電力を表示部1、制御部6等に供給してもよい。あるいは電源部7は、太陽光パネルと二次電池とを含み、太陽光パネルにより発電され、二次電池に蓄電された電力を表示部1、制御部6等に供給してもよい。また電源部7は、バッテリに限らず、商用電源であってもよい。また、図2において、電源部7はデジタルスコアボード100の内側に配置されているが、外側に配置されてもよい。
【0031】
図1に示すように、本実施形態では、競技者等の操作者は、デジタルスコアボード100の表示部1と同じ側からスコア変更操作を行うことができる。これにより、本実施形態では、操作性に優れたデジタルスコアボード100を提供することができる。
【0032】
また、本実施形態では、加算部3は、減算部4および表示開始部2の形状よりも大きい。例えば、正面視において、表示開始部2、加算部3および減算部4それぞれの操作ボタンは、略円形の外形形状を備える。正面視において、加算部3の操作ボタンの外形直径は、表示開始部2および減算部4の操作ボタンの外形直径よりも大きい。スコアは一般に加算されるため、加算部3に対する操作頻度は、表示開始部2および減算部4に対する操作頻度よりも高い。操作頻度が高い加算部3の操作ボタンの外形サイズを相対的に大きくすることで、操作者は、スコアを加算するために加算部3を操作できることを直感的に認識できる。これにより、本実施形態では、操作性に優れたデジタルスコアボード100を提供することができる。なお、表示開始部2、加算部3および減算部4それぞれの操作ボタンの正面視における外形形状は、略円形に限定されず、略矩形、略楕円形、略多角形であってもよい。
【0033】
本実施形態では、表示開始部2、加算部3および減算部4は、表示部1に表示されるスコアの横であって上から順に配置されている。例えば、図1に示すように、表示開始部2、加算部3および減算部4は、表示部1に表示されるスコアの-X方向側の隣であって、鉛直方向に沿う方向であるY方向に沿って鉛直上方から鉛直下方に、表示開始部2、加算部3、減算部4の順に配置されている。これにより、操作者は鉛直方向に視線を移すだけで、表示開始部2、加算部3および減算部4それぞれの操作ボタンの位置を容易に認識できる。また加算部3および減算部4それぞれの操作ボタンは、第1表示部11~第6表示部16それぞれの横に配置されている。このため、操作者は、ボタンの操作に応じて更新される第1表示部11~第6表示部16それぞれの表示スコアを視認しながらボタンを操作できる。さらに、操作者は、表示部1に視線を向けることで、加算部3および減算部4が視野に入るため、加算部3および減算部4に対して操作できることを直感的に認識できる。
【0034】
図2に示すように、本実施形態では、表示開始部2、加算部3および減算部4のそれぞれは、押圧される操作ボタンを含む。操作ボタンは、表示部1が配置される側、すなわちデジタルスコアボードの正面側(+Z方向側)の面から突出している。これにより、操作者は、表示開始部2、加算部3および減算部4それぞれの位置を容易に認識し、押圧することで表示開始部2、加算部3および減算部4それぞれ容易に操作できる。この結果、デジタルスコアボード100の操作性が向上する。
【0035】
図1に示すように、本実施形態では、表示開始部2は、表示部1に隣接し(ここでは上方の隣)、且つセット名(1st、2nd、3rd)の領域内に配置されている。また表示開始部2には「S」が表示されている。これらにより、操作者は、表示部1に視線を向けることで、表示開始部2が視野に入るため、表示開始部2が各セットを開始させる操作ボタンであることを直感的に認識できる。この結果、本実施形態では、操作性に優れたデジタルスコアボード100を提供することができる。
【0036】
また、従来、デジタルスコアボードにかかるコストが高いことや、デジタルスコアボードに電力供給する電源の配置方法が困難であること等の観点から、得点競技においてデジタルスコアボードを導入することが難しかった。本実施形態では、表示部1は、電子ペーパーを含み、スコアを変更する時のみ電力を使用する。例えば、表示部1は、スコアを変更する時のみ、スコアを表示するために電力を使用し、スコアの表示を保持するためには電力を使用しない。本実施形態では、表示部1が電子ペーパーを含むことで、屋外の太陽光の下での視認性をよくすることができる。また、本実施形態では、表示部1がスコアを変更する時のみ電力を使用することで、デジタルスコアボード100の消費電力を低減できる。また、本実施形態では、表示部1が電子ペーパーを含むことで、軽量かつ薄型で大型表示も可能なデジタルスコアボード100を実現できる。以上のことから、本実施形態では、得点競技への導入に適したデジタルスコアボード100を提供することができる。
【0037】
本実施形態では、セットごとに表示開始部2を設け、表示開始部2の操作ボタンが押圧されたセットについてのみ、スコアを表示させる。これにより、開始されていないセットにおけるスコア表示をしなくてもよいため、本実施形態では、デジタルスコアボード100の消費電力を低減することができる。
【0038】
本実施形態では、表示部1の隣に配置された加算部3および減算部4を競技者等の操作者が操作することで、手間と時間をかけることなくデジタルスコアボード100に表示されるスコアを変更できる。デジタル表示されたスコアの情報は、送信部60により送信されることで、外部装置と共有可能となる。
【0039】
本実施形態では、デジタルスコアボード100は、表示部1、加算部3、減算部4および表示開始部2を一の群としたとき、この群を複数備える。具体的には、図4に示すように、デジタルスコアボード100は、それぞれが表示部1、加算部3、減算部4および表示開始部2からなる3つの群110を備える。3つの群110は、第1群111と、第2群112と、第3群113と、を含む。
【0040】
第1群111は、第1表示部11、第2表示部12、第1加算部31、第2加算部32、第1減算部41、第2減算部42および第1表示開始部21からなる。第2群112は、第3表示部13、第4表示部14、第3加算部33、第4加算部34、第3減算部43、第4減算部44および第2表示開始部22からなる。第3群113は、第5表示部15、第6表示部16、第5加算部35、第6加算部36、第5減算部45、第6減算部46および第3表示開始部23からなる。
【0041】
本実施形態では、デジタルスコアボード100が3つの群110を備えることで、1st~3rdの3つのセットごとで、スコアの入力操作およびデジタル表示が可能となる。これにより、本実施形態では、操作性に優れたデジタルスコアボード100を提供することができる。
【0042】
本実施形態では、3つの群110それぞれにおける表示開始部2は、独立して表示部1の表示および非表示を切り替えることができる。3つの群110のそれぞれは、1stセット~3rdセットの各セットに対応している。本実施形態では、表示開始部2により独立して表示部1の表示または非表示を切り替えることで、デジタルスコアボード100の視認者に各セットの進行状況を容易に認識させることができる。例えば、デジタルスコアボード100は、第1群111のスコアを表示し、第2群112および第3群113のスコアを非表示とする。これにより、デジタルスコアボード100は、現在、1stセットが行われており、2ndセットおよび3rdセットがまだ行われていないことを、視認する者に容易に認識させることができる。
【0043】
<デジタルスコアボード100の設置状態の他の例>
デジタルスコアボード100は、上述したテニスコート脇の壁に取り付けられる設置状態の他にも様々な状態で設置可能である。図5および図6は、デジタルスコアボード100の設置状態の他の例を示す図であり、図5は第1例、図6は第2例である。
【0044】
図5では、デジタルスコアボード100は、吊り下げ台101に吊り下げられた状態で設置されている。図6では、デジタルスコアボード100は、架台102上に載置された状態で設置されている。架台102には、審判が着座する台である審判台やネットポール、テニスコート脇に設置されたベンチ等を使用できる。
【0045】
<デジタルスコアボード100の使用方法例>
デジタルスコアボード100の使用方法の一例を説明する。競技するセットに対応する表示開始部2の操作ボタンが競技開始時に操作者により押圧されることで、競技するセットに対応する表示部1は、スコア「0」を表示する。例えば、1stセットが行われる場合には、第1表示開始部21が押圧され、第1表示部11および第2表示部12は、それぞれ「0」を表示する。競技の進行に応じてスコアが加算される場合には、2人の競技者のうち、加算される側の競技者に対応する加算部3が操作者により押圧され、表示部1は加算されたスコアを表示する。加算にミスがあった場合には、操作者は減算部4を押圧操作し、表示部1は、この押圧操作に応じて減算することで、表示されたスコアを修正する。3rdセットが終了して競技を終了する時には、操作者は第3表示開始部23を押圧操作し、表示部1は、この押圧操作に応じて、第1表示部11~第6表示部16それぞれに表示されていたスコアを非表示にする。
【0046】
<デジタルスコアボード100によるスコア表示例>
図7図11を参照して、デジタルスコアボード100によるスコア表示の一例を説明する。図7図11は、デジタルスコアボード100によるスコア表示の一例を示す図である。図7は第1図、図8は第2図、図9は第3図、図10は第4図、図11は第5図である。なお、図7図11において、第1表示部11~第6表示部16に数字が示されている状態は、表示部1がスコアを表示している状態を表している。一方、第1表示部11~第6表示部16に何も示されていない状態は、表示部1がスコアを非表示にしている状態を表している。
【0047】
図7は、起動された直後のデジタルスコアボード100を表している。第1表示部11~第6表示部16では、スコアが非表示となっている。
【0048】
図8は、1stセットの競技を開始する場合に、操作者により第1表示開始部21が押圧された後のデジタルスコアボード100を表している。1stセットのスコアを表示する第1表示部11および第2表示部12では、スコア「0」が表示されている。2ndセットのスコアを表示する第3表示部13および第4表示部14、並びに3rdセットのスコアを表示する第5表示部15および第6表示部16では、スコアは非表示となっている。デジタルスコアボード100の視認者は、競技者が1stセットを競技していることを視認できる。競技が進行し、スコアが変化すると、図9に示すように、第1表示部11および第2表示部12に表示されるスコアが更新される。
【0049】
図10は、2ndセットの競技を開始する場合に、操作者により第2表示開始部22が押圧された後のデジタルスコアボード100を表している。2ndセットのスコアを表示する第3表示部13および第4表示部14は、スコア「0」を表示している。また1stセットのスコアを表示する第1表示部11は、1stセット終了後のスコア「6」を表示し、第2表示部12は、1stセット終了後のスコア「3」を表示している。3rdセットのスコアを表示する第5表示部15および第6表示部16は、スコアを非表示としている。デジタルスコアボード100の視認者は、競技者が2ndセットを行っていることを認識できる。競技が進行し、スコアが変化すると、第3表示部13および第4表示部14は、表示するスコアを更新する。
【0050】
図11は、3rdセットの競技を開始する場合に、操作者により第3表示開始部23が押圧された後のデジタルスコアボード100を表している。3rdセットのスコアを表示する第5表示部15および第6表示部16は、スコア「0」を表示している。また1stセットのスコアを表示する第1表示部11は、1stセット終了後のスコア「6」を表示し、第2表示部12は、1stセット終了後のスコア「3」を表示している。2ndセットのスコアを表示する第3表示部13は、2ndセット終了後のスコア「0」を表示し、第4表示部14は、2ndセット終了後のスコア「6」を表示している。デジタルスコアボード100の視認者は、競技者が2ndセットを行っていることを認識できる。競技が進行し、スコアが変化すると、第5表示部15および第6表示部16は、表示するスコアを更新する。
【0051】
なお、3つの群110それぞれにおける表示開始部2が、独立して表示部1の表示および非表示を切り替えることの例として、図7から図11を用いて説明したが、さらに次のようにしてもよい。図7では、操作者により第2表示開始部22が押されても2ndセットのスコアを表示しない。また、操作者により第3表示開始部23が押されても、3rdセットのスコアを表示しない。すなわち、第2表示開始部22、第3表示開始部23は、前のセットの表示開始部2が押されていないと次のセットに対応する表示開始部2が押されても次のセットのスコアを表示しないようにしてもよい。この場合、上述した制御部6が、上述した前のセットに対応する表示開始部のオンオフの結果によって次のセットに対応する表示開始部2のオンオフを制御すればよい。
【0052】
<デジタルスコアボード100の動作例>
図12は、デジタルスコアボード100の動作の一例を示すフローチャートである。図12は、テニスの1stセットの開始から終了までにおけるデジタルスコアボード100の動作を一例として示している。なお、デジタルスコアボード100の動作は、2ndセットまたは3rdセットにおいても、操作を受け付けるボタンおよびスコアを表示する表示部がセットの順番に応じて異なる点を除き、図12に示す動作とほぼ同じである。デジタルスコアボード100は、操作者による第1表示開始部21の押圧操作を受け付けたタイミングで図12の動作を開始する。
【0053】
まず、ステップS1において、デジタルスコアボード100は、第1表示部11によりスコア「0」をデジタル表示するとともに、第2表示部12によりスコア「0」をデジタル表示する。デジタルスコアボード100の1stセットにおけるスコア表示は、初期状態の「0-0」となる。デジタルスコアボード100は、次に更新されるまで、「0-0」のスコア表示を継続する。
【0054】
続いて、ステップS2において、デジタルスコアボード100は、送信部60により、スコア「0-0」に関する情報を外部装置に送信する。ステップS2の後、2人の競技者は、1つのゲームの対戦を行う。
【0055】
続いて、ステップS3において、デジタルスコアボード100は、制御部6により、加算部3が押圧されたか否かを判定する。制御部6は、ゲームを取得した競技者側の加算部3が押圧されたか否かを判定する。
【0056】
ステップS3では、制御部6は、2つの競技者により1つのゲームの対戦が行われた結果、該ゲームを取得した競技者に対応する加算部3が押圧されたか否かを判定する。1stセットに対応する第1加算部31と第2加算部32の押圧は、相互に排他的な関係にある。例えば制御部6は、ゲームを取得した競技者側の第1加算部31または第2加算部32のどちらか一方が押圧された場合に、加算部3が押圧されたと判定することができる。
【0057】
ステップS3において、加算部3が押圧されていないと判定された場合には(ステップS3、NO)、デジタルスコアボード100は、ステップS3を再度行う。なお、該ゲームを取得した競技者が2人の競技者のうちのどちらであるかは、1つのゲームの対戦が終了するまで分からない。このため、デジタルスコアボード100は、1つのゲームの対戦が終了し、該ゲームを取得した競技者に対応する加算部3が押圧されるまで、ステップS3を繰り返し行う。一方、ステップS3において、加算部3が押圧されたと判定された場合には(ステップS3、YES)、ステップS4において、デジタルスコアボード100は、加算部3により、加算部3が押圧された側、すなわちゲームを取得した競技者側のスコアを加算する。
【0058】
続いて、ステップS5において、デジタルスコアボード100は、加算部3により加算された後のスコア「X-X」を、表示部1により表示する。なお、ここでの「X-X」は、スコアが更新された後の任意の数値を「X」として表したものである。
【0059】
続いて、ステップS6において、デジタルスコアボード100は、加算部3により加算された後のスコア「X-X」を、送信部60により外部装置に送信する。
【0060】
続いて、ステップS7において、デジタルスコアボード100は、制御部6により、セットを終了するか否かを判定する。
【0061】
ステップS7において、セットを終了しないと判定された場合には(ステップS7、NO)、デジタルスコアボード100は、ステップS3以降の動作を再度行う。一方、ステップS7において、セットを終了すると判定された場合には(ステップS7、YES)、ステップS8において、デジタルスコアボード100は、制御部6により、表示開始部2が押圧されたか否かを判定する。
【0062】
ステップS8において、表示開始部2が押圧されていないと判定された場合には(ステップS8、NO)、デジタルスコアボード100は、ステップS8を再度行う。デジタルスコアボード100は、表示開始部2が押圧されたと判定されるまで、ステップS8を繰り返し行う。
【0063】
一方、ステップS8において、表示開始部2が押圧されたと判定された場合には(ステップS8、YES)、デジタルスコアボード100は、表示部1により表示されるスコアを表示開始部2によって非表示にする。デジタルスコアボード100は、スコアを表示していない状態になる。
【0064】
続いて、ステップS10において、デジタルスコアボード100は、セット終了時のスコアに関する情報を、送信部60により外部装置に送信する。送信後に、デジタルスコアボード100は、動作を終了する。
【0065】
以上のようにして、デジタルスコアボード100は、テニス競技の1stセットの開始から終了までの間に、2人の競技者それぞれのスコアを表示することができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るデジタルスコアボードについて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成部には同じ符号を付し、重複する説明を適宜省略する。この点は、以降における他の実施形態においても同様とする。
【0067】
本実施形態は、表示部は、デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側に配置され、デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側にスコアをデジタル表示する点が第1実施形態と主に異なる。本実施形態に係るデジタルスコアボードは、ネットポールまたは審判台に取り付けられ、正面側および背面側の両方向からスコアを視認可能にスコアを表示する。また本実施形態は、1セット分のみのスコアを表示する点が、第1実施形態と異なる。
【0068】
図13図15は、第2実施形態に係るデジタルスコアボード100aの一例を示す図である。図13は正面図、図14は背面図、図15は、図13におけるXV-XV線の断面図である。
【0069】
図13図15に示すように、デジタルスコアボード100aは、表示部1aと、表示開始部2aと、加算部3aと、減算部4aと、リバース部8と、クリア部9と、を備える点が、デジタルスコアボード100と主に異なる。表示開始部2a、加算部3a、減算部4a、リバース部8およびクリア部9のそれぞれは、プッシュスイッチ型の操作ボタンを含む。
【0070】
表示部1aは、第1表示部11aと、第2表示部12aと、を含む点が、表示部1と主に異なる。図15に示すように、例えば、第1表示部11aは、制御部6よりも正面側(+Z方向側)に配置され、第2表示部12aは、制御部6よりも背面側(-Z方向側)に配置される。
【0071】
第1表示部11aは、デジタルスコアボード100aの正面側に向けてスコアをデジタル表示する。また第1表示部11aは、2人の競技者のスコアをX方向に並べて表示する。図13に示す例では、第1表示部11aは、一方の競技者のスコアである「4」を-X方向側に表示し、他方の競技者のスコアである「1」を+X方向側に表示している。また、第1表示部11aは、スコア「4」とスコア「1」との間に、2つのスコア表示を区画するための「-」を表示している。第1表示部11aにおける上記以外の点は、第1表示部11とほぼ同じである。
【0072】
第2表示部12aは、デジタルスコアボード100aの背面側に向けてスコアをデジタル表示する。また第2表示部12aは、2人の競技者のスコアをX方向に並べて表示する。図14に示す例では、第2表示部12aは、一方の競技者のスコアである「4」を-X方向側に表示し、他方の競技者のスコアである「1」を+X方向側に表示している。また、第2表示部12aは、スコア「4」とスコア「1」との間に、2つのスコア表示を区画するための「-」を表示している。つまり、第2表示部12aは、正面側から視認される第1表示部11aが表示するスコアと同じスコアを、背面側から視認可能に表示している。従って、デジタルスコアボード100aの視認者は、デジタルスコアボード100aを正面側から視ても背面側から視ても同じスコアを視認できる。第2表示部12aにおける上記以外の点は、第2表示部12とほぼ同じである。
【0073】
表示開始部2aは、第1表示開始部21aと、第2表示開始部22aと、を備える点が、表示開始部2と主に異なる。第1表示開始部21aおよび第2表示開始部22aは、X方向においてクリア部9の両側に配置されている。具体的には、第1表示開始部21aは、クリア部9の-X方向側に配置され、第2表示開始部22aは、クリア部9の-X方向側に配置されている。第1表示開始部21aおよび第2表示開始部22aのそれぞれは、1回押圧されることで、対応する競技者のスコアを「0」とし、初期状態にすることができる。
【0074】
第1表示開始部21aが押圧されると、デジタルスコアボード100aは、対応する競技者のスコア(ここでは-X方向側のスコア)の上にバー80を表示する。一方、第2表示開始部22aが押圧されると、デジタルスコアボード100aは、対応する競技者のスコア(ここでは+X方向側のスコア)の上にバー80を表示する。デジタルスコアボード100aは、対応する競技者のスコアの上にバー80を排他的に表示する。バー80は、デジタルスコアボード100aの視認者に、先にサービスを行う競技者を認識させるために用いられる。第1表示開始部21aにおける上記以外の点は、第1表示開始部21とほぼ同じである。第2表示開始部22aにおける上記以外の点は、第2表示開始部22とほぼ同じである。
【0075】
加算部3aは、第1加算部31aと、第2加算部32aと、を含む。第1加算部31aは、その配置位置以外は第1加算部31と同じである。第2加算部32aは、その配置位置以外は第2加算部32と同じである。
【0076】
減算部4aは、第1減算部41aと、第2減算部42aと、を含む。第1減算部41aは、その配置位置以外は第1減算部41と同じである。第2減算部42aは、その配置位置以外は第2減算部42と同じである。
【0077】
リバース部8は、押圧されることで、X方向に並べて表示している2人の競技者ごとのスコアを左右入れ替えることができる。例えば、コートチェンジした場合に、リバース部8が押圧されることで、2人の競技者ごとのスコアが左右入れ替えられる。これにより、デジタルスコアボード100aの視認者は、先にサービスを行った競技者を特定できるため、スコアと、サービスを行う競技者と、を直感的に認識することができる。リバース部8は、第1リバース部81と、第2リバース部82と、を備える。リバース部8は、第1リバース部81および第2リバース部82のどちらが押圧されても、X方向に並べて表示している2人の競技者ごとのスコアを左右入れ替えることができる。
【0078】
クリア部9は、競技終了時に押圧されることで、表示部1aにデジタル表示されたスコアを非表示にすることができる。
【0079】
デジタルスコアボード100aは、競技開始時に表示開始部2aが押圧されることで、表示部1aによりスコア「0-0」を表示する。デジタルスコアボード100aの視認者は、表示部1aが表示するスコア「0-0」を、デジタルスコアボード100aの正面側および背面側の両方向から視認できる。スコアが加算される場合には、スコアが加算される競技者に対応する加算部3aが押圧される。加算ミス等の間違いが修正される場合には、減算部4aが押圧される。デジタルスコアボード100aは、表示するスコアの情報は、制御部6の通信部およびインターネットを介して、外部サーバ等に送信することができる。
【0080】
デジタルスコアボード100aは、コートチェンジ等があった場合には、リバース部8が押圧されることで、スコア表示を左右入れ替えることができる。デジタルスコアボード100aは、競技が終了される場合には、クリア部9が押圧操作されることで、スコアを非表示にできる。
【0081】
<デジタルスコアボード100aの主な作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、表示部1aは、デジタルスコアボード100aの正面側および背面側の両側に配置され、デジタルスコアボード100aの正面側および背面側の両側にスコアをデジタル表示する。この構成により、本実施形態では、デジタルスコアボード100aの視認者に、デジタルスコアボード100aの正面側および背面側の両側からスコアを視認させることができる。そして、視認者が視認しやすいデジタルスコアボード100aを提供することができる。
【0082】
本実施形態では、表示開始部2a、加算部3aおよび減算部4aのそれぞれは、デジタルスコアボード100aの正面側のみに配置されてもよい。これにより、デジタルスコアボード100aの背面側では、操作者は、表示開始部2a、加算部3aおよび減算部4aのそれぞれを押圧操作できない。この結果、本実施形態では、デジタルスコアボード100aの背面側からスコアが不正操作されることを防止できる。
【0083】
本実施形態では、デジタルスコアボード100aが表示開始部2aとは別にクリア部9を備えることで、操作者がスコアの表示開始とクリアを区別しやすくなる。また、デジタルスコアボード100aがリバース部8を備えることで、コートチェンジがあった場合に、1回の押圧操作によりスコア表示を左右入れ替えることができる。また、テニスにおけるサービスを行う競技者のスコアに対応させてバー80を表示することにより、デジタルスコアボード100aの視認者に、テニスにおけるサービスを行う競技者を容易に認識させることができる。
【0084】
本実施形態では、加算部3a、減算部4a、リバース部8、表示開始部2aおよびクリア部9は、正面視において、第1表示部11aの外側に配置されている。また、左右のスコアの横であって、鉛直方向に並べて加算部3aおよび減算部4aを配置しているため、加算部3aを用いた加算操作および減算部4aを用いた減算操作を直感的に行うことができる。
【0085】
本実施形態では、2人の競技者のそれぞれが操作者である場合に、2人の競技者のそれぞれが操作するボタンが左右それぞれに配置されている。2人の競技者のそれぞれが操作するボタンは、例えばリバース部8、加算部3a、減算部4aおよび表示開始部2aそれぞれの操作ボタンである。各競技者が注目する自身のスコア表示の周囲に操作ボタンが配置されているため、各競技者は直感的に操作ボタンを見つけることができる。これにより、本実施形態では、操作性に優れたデジタルスコアボード100aを提供することができる。
【0086】
上記以外の作用効果は、第1実施形態とほぼ同じである。
【0087】
[第3実施形態]
第3実施形態に係るデジタルスコアボードについて説明する。本実施形態は、表示開始部、加算部および減算部等に含まれる操作ボタンの機能がタッチパネル方式の表示装置によって実現されている点が、第1実施形態および第2実施形態と主に異なる。
【0088】
図16は、本実施形態に係るデジタルスコアボード100bの一例を示す正面図である。図17は、図16におけるXVII-XVII線の断面図である。デジタルスコアボード100bは、表示部1bと、表示開始部2bと、加算部3bと、減算部4bと、を備える点が、デジタルスコアボード100と異なる。
【0089】
表示部1bは、タッチパネル方式で操作入力が可能な表示装置である点が表示部1と主に異なる。また表示部1bは、表示部1bに含まれる第1表示部11b~第6表示部16bが相互に物理的に分離されておらず、表示部1b内で区画された6つの領域である点が、表示部1と主に異なる。表示部1bは、例えば液晶を用いたタッチパネル方式の表示装置である。操作者は、表示部1bの正面側の面にタッチすることで、表示開始部2b、加算部3bおよび減算部4bを用いてデジタルスコアボード100bを操作することができる。
【0090】
表示開始部2bは、第1表示開始部21b~第3表示開始部23bを含む点が表示開始部2と主に異なる。第1表示開始部21b~第3表示開始部23bのそれぞれは、押圧されることで表示部1bにスコアを表示させる。第1表示開始部21b~第3表示開始部23bは、表示部1b内で区画された3つの領域である。操作者は、第1表示開始部21b~第3表示開始部23bに対応する各領域にタッチすることで、第1表示開始部21b~第3表示開始部23bのそれぞれを押圧し、押圧に応じて表示部1bにスコアを表示させることができる。第1表示開始部21b~第3表示開始部23bにおける上記以外の点は、第1表示開始部21~第3表示開始部23とほぼ同じである。
【0091】
加算部3bは、第1加算部31b~第6加算部36bを含む点が加算部3と主に異なる。第1加算部31b~第6加算部36bのそれぞれは、表示開始部2bが押圧された後に、押圧されることで表示部1bに表示されたスコアを加算可能である。第1加算部31b~第6加算部36bは、表示部1b内で区画された6つの領域である。操作者は、第1加算部31b~第6加算部36bに対応する各領域にタッチすることで、第1加算部31b~第6加算部36bのそれぞれを押圧し、押圧に応じて表示部1bに表示されたスコアを加算することができる。第1加算部31b~第6加算部36bにおける上記以外の点は、第1加算部31~第6加算部36とほぼ同じである。
【0092】
減算部4bは、第1減算部41b~第6減算部46bを含む点が減算部4と主に異なる。第1減算部41b~第6減算部46bのそれぞれは、表示開始部2bが押圧された後に、押圧されることで表示部1bに表示されたスコアを減算可能である。第1減算部41b~第6減算部46bは、表示部1b内で区画された6つの領域である。操作者は、第1減算部41b~第6減算部46bに対応する各領域にタッチすることで、第1減算部41b~第6減算部46bのそれぞれを押圧し、押圧に応じて表示部1bに表示されたスコアを減算することができる。第1減算部41b~第6減算部46bにおける上記以外の点は、第1減算部41~第6減算部46とほぼ同じである。
【0093】
デジタルスコアボード100bにおける表示部1b、表示開始部2b、加算部3b、減算部4b等の各構成部の配置は、デジタルスコアボード100における表示部1、表示開始部2、加算部3、減算部4等の各構成部の配置とほぼ同じである。このため、デジタルスコアボード100bでは、デジタルスコアボード100とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0094】
[第4実施形態]
第4実施形態に係るデジタルスコアシステムについて説明する。本実施形態に係るデジタルスコアシステムは、デジタルスコアボードと、デジタルスコアボードの表示部に表示された情報を送信する送信部と、送信部により送信された情報を表示する表示装置と、を備える点が、上述した実施形態と主に異なる。
【0095】
図18は、本実施形態に係るデジタルスコアシステム1000の全体構成の一例を示す図である。デジタルスコアシステム1000は、一例として、複数の試合が複数のテニスコートで並行して行われるテニス大会において、試合における対戦ごとのスコアを表示し、管理するため等に利用されるシステムである。なお、デジタルスコアシステム1000が利用される得点競技は、テニスに限らず、他の得点競技であってもよい。
【0096】
図18に示すように、デジタルスコアシステム1000は、20台のデジタルスコアボード100と、1つの電子黒板200と、を含む。20台のデジタルスコアボード100のそれぞれは、送信部60を含んでいる。電子黒板200は、電子黒板200に書かれた(描かれた)文字や図形等を電子的に変換可能なホワイトボードである。電子黒板200は、20台のデジタルスコアボード100それぞれの送信部60により送信された情報を表示する表示装置の一例に対応する。なお、この表示装置は、電子黒板200に限らず、表示機能のみを備えるものであってもよい。
【0097】
20台のデジタルスコアボード100のそれぞれは、LPWA(Low Power Wide Area)によりゲートウェイ300と通信可能に接続している。ゲートウェイ300は、インターネット400を介して電子黒板200、外部サーバ500およびスマートフォン600のそれぞれと通信可能に接続している。なお、20台のデジタルスコアボード100がゲートウェイ300、インターネット400等を介して接続する外部サーバ500およびスマートフォン600それぞれの数は、1台に限らず、複数台であってもよい。また、外部サーバ500およびスマートフォン600に代えて、或いはこれらに加えて、外部PCやMFP(Multifunction Peripheral)等が、20台のデジタルスコアボード100と通信可能に接続してもよい。
【0098】
20台のデジタルスコアボード100のうち、16台のデジタルスコアボード100は、16面の室外テニスコート150のそれぞれに1つずつ設けられている。また、20台のデジタルスコアボード100のうち、4台のデジタルスコアボード100は、4面の室内テニスコート160のそれぞれに1つずつ設けられている。なお、デジタルスコアシステム1000が備えるデジタルスコアボード100の数は、20台に限らず、テニス大会の規模等に応じて適宜変更可能である。また、デジタルスコアボード100を設置する室外テニスコート150の面数、室内テニスコート160の面数、1面のテニスコートに設置されるデジタルスコアボード100の台数等も、デジタルスコアシステム1000の使用用途に応じて適宜変更可能である。
【0099】
デジタルスコアシステム1000は、第1実施形態に係るデジタルスコアボード100に代えて、第2実施形態に係るデジタルスコアボード100a、または第3実施形態に係るデジタルスコアボード100bを備えてもよい。またデジタルスコアシステム1000は、デジタルスコアボード100、デジタルスコアボード100aおよびデジタルスコアボード100bを適宜組み合わせて備えてもよい。
【0100】
電子黒板200は、例えば大会本部350に設置される。20台のデジタルスコアボード100それぞれの送信部60により送信された対戦ごとのスコアに関する情報は、電子黒板200に集約され、一元管理される。デジタルスコアシステム1000が備える電子黒板200の台数は、1台に限らず、適宜変更可能である。
【0101】
<電子黒板200のハードウェア構成例>
図19は、電子黒板200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電子黒板200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、SSD(Solid State Drive)204と、ネットワークI/F205(Interface)と、外部機器接続I/F206を備える。
【0102】
CPU201は、電子黒板200全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板200用のプログラム等の各種データを記憶する。ネットワークI/F205は、インターネット400等の通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0103】
また、電子黒板200は、キャプチャデバイス211と、GPU(Graphics Processing Unit)212と、ディスプレイコントローラ213と、接触センサ214と、センサコントローラ215と、を備える。また電子黒板200は、電子ペンコントローラ216と、近距離通信回路219と、近距離通信回路219のアンテナ219aと、電源スイッチ222と、選択スイッチ類223と、を備える。
【0104】
キャプチャデバイス211は、外付けのPC270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。
【0105】
接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法では、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置は、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射する。放射された赤外線は、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射される。受光素子は、放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0106】
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板200の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0107】
電子黒板200は、バスライン210を備えている。バスライン210は、CPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0108】
なお、接触センサ214は、赤外線遮断方式のものに限らず、タッチパネル方式であってもよい。タッチパネル方式には、静電容量変化を検知して接触位置を特定する静電容量方式、対向する2つの抵抗膜の電圧変化で接触位置を特定する抵抗膜方式、物体が表示部に接触することで生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式等がある。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0109】
<デジタルスコアシステム1000の主な作用効果>
以上説明したように、デジタルスコアシステム1000は、20台のデジタルスコアボード100それぞれの送信部60により送信された対戦ごとのスコアに関する情報を電子黒板200に集約し、一元管理できる。また、外部サーバ500やスマートフォン600は、デジタルスコアシステム1000で一元管理される情報に、インターネット400等を介してアクセス可能である。大会運営者、審判、競技者、観客等は、スマートフォン600等を通してデジタルスコアシステム1000を利用することで、すべての試合の進行状況をリアルタイムに認識することができる。本実施形態では、デジタルスコアシステム1000がデジタルスコアボード100を備えることで、操作性に優れたデジタルスコアシステム1000を提供できる。
【0110】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形および改良が可能である。
【0111】
上述した実施形態では表示するスコアが数字であったが、アルファベットや図形などでもよく、競技種目のスコア形式にあわせて適宜適用することができる。また、表示するスコアの桁数は1桁に限られず2桁以上を表示させてもよい。
【0112】
また、上述した実施形態では表示するスコアが一つのセット内の得点を表示させていたが、競技者の勝敗数を表示するものであってもよい。すなわちスコアに勝敗数を含めてもよい。
【0113】
また、上述した実施形態は、スポーツ競技以外にも適用することが可能である。たとえば、次のページに示すように、学校やグループの出欠数をスコアとして表示させることに使用してもよい。
【0114】
図20は、変形例に係るデジタルスコアボード100cについて説明する図である。図20は、2つのグループ(1-A、1-B)の出席者と欠席者を表示させるスコアボードの一例を示している。最初のメンバーは、自身のグループの表示開始部2bを押下するとともに出席者欄の第1加算部31bを押下してスコア表示させる。同じグループのメンバーは、出席者欄の第1加算部31bを押下し、自身が出席していることをスコア表示させる。
【0115】
別のグループの最初のメンバーは、自身のグループの表示開始部2bを押下するとともに出席者欄の第1加算部31bを押下してスコア表示させる。同じグループのメンバーは、出席者欄の第1加算部31bを押下し、自身が出席していることをスコア表示させる。
【0116】
上述した実施形態と同様に、それぞれの表示開始部2bの操作ボタンおよびスコア表示は、独立して実行することができる。なお、このスコアボードに上述した通信機能を設けることで、すべてのグループの出欠状況を集計することも可能である。
【0117】
実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。
ここで、本明細書における「処理回路」には、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサが含まれる。また、本明細書における「処理回路」には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、従来の回路モジュール等のデバイスが含まれる。
【0118】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 複数の対象それぞれのスコアをデジタル表示する表示部と、前記表示部と同じ側に配置され、押圧されることで前記表示部に前記スコアを表示させる表示開始部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを加算可能な加算部と、前記表示部と同じ側に配置され、前記表示開始部が押圧された後に、押圧されることで前記表示部に表示された前記スコアを減算可能な減算部と、を備えることを特徴とするデジタルスコアボードである。
<2> 前記加算部は、前記減算部および前記表示開始部の形状よりも大きいことを特徴とする前記<1>記載のデジタルスコアボードである。
<3> 前記表示開始部、前記加算部および前記減算部は、前記表示部に表示されるスコアの横であって上から順に配置されていること特徴とする前記<1>または前記<2>に記載のデジタルスコアボードである。
<4> 前記表示部、前記加算部、前記減算部および前記表示開始部を一の群としたとき、前記群を複数備えたことを特徴とする前記<1>から前記<3>のいずれか1つに記載のデジタルスコアボードである。
<5> 前記群の前記表示開始部は、独立して前記表示部の表示および非表示を切り替えることを特徴とする前記<4>に記載のデジタルスコアボードである。
<6> 前記表示開始部、加算部および減算部のそれぞれは、押圧される操作ボタンを含み、前記操作ボタンは、前記表示部が配置される側の面から突出していることを特徴とする前記<1>から前記<5>のいずれか1つに記載のデジタルスコアボードである。
<7> 前記表示部は、電子ペーパーを含み、前記スコアを変更する時のみ電力を使用することを特徴とする前記<1>から前記<6>のいずれか1つに記載のデジタルスコアボードである。
<8> 前記表示部は、前記デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側に配置され、前記デジタルスコアボードの正面側および背面側の両側に前記スコアをデジタル表示することを特徴とする前記<1>から前記<7>のいずれか1つに記載のデジタルスコアボードである。
<9> 前記表示開始部、前記加算部および前記減算部のそれぞれは、前記デジタルスコアボードの正面側のみに配置されることを特徴とする前記<8>に記載のデジタルスコアボードである。
<10> 前記<1>から前記<9>のいずれか1つに記載のデジタルスコアボードと、前記デジタルスコアボードの前記表示部に表示された情報を送信する送信部と、前記送信部により送信された情報を表示する表示装置と、を備えることを特徴とするデジタルスコアシステムである。
【符号の説明】
【0119】
1、1a、1b 表示部
11、11a、11b 第1表示部
12、12b 第2表示部
13、13b 第3表示部
14、14b 第4表示部
15、15b 第5表示部
16、16b 第6表示部
2、2a、2b 表示開始部
21、21a、21b 第1表示開始部
22、22a、22b 第2表示開始部
23、23b 第3表示開始部
3、3a、3b 加算部
31、31a、31b 第1加算部
32、32a、32b 第2加算部
33、33b 第3加算部
34、34b 第4加算部
35、35b 第5加算部
36、36b 第6加算部
4、4a 減算部
41、41a 第1減算部
42、42a 第2減算部
43 第3減算部
44 第4減算部
45 第5減算部
46 第6減算部
5 競技者名表示領域
51 第1競技者名表示領域
52 第2競技者名表示領域
6 制御部
60 送信部
7 電源部
8 リバース部
81 第1リバース部
82 第2リバース部
9 クリア部
100、100a、100b、100c デジタルスコアボード
101 吊り下げ台
102 架台
110 群
111 第1群
112 第2群
113 第3群
150 室外テニスコート
160 室内テニスコート
200 電子黒板
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 SSD
205 ネットワークI/F
206 外部機器接続I/F
210 バスライン
211 キャプチャデバイス
212 GPU
213 ディスプレイコントローラ
214 接触センサ
215 センサコントローラ
216 電子ペンコントローラ
219 近距離通信回路
219a アンテナ
222 電源スイッチ
223 選択スイッチ類
230 USBメモリ
240 マイク
250 スピーカ
260 カメラ
270 PC
280 ディスプレイ
290 電子ペン
300 ゲートウェイ
400 インターネット
500 外部サーバ
600 スマートフォン
1000 デジタルスコアシステム
H 手
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2002-177432号公報
図1
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