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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010466
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】コネクタホルダ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240117BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20240117BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20240117BHJP
   H01R 13/73 20060101ALI20240117BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20240117BHJP
   H02G 3/16 20060101ALI20240117BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20240117BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H01R13/46 304Z
H01R13/52 D
H01R13/73 Z
H02G3/04 037
H02G3/14
H02G3/16
H05K5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111814
(22)【出願日】2022-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】古田 高之
【テーマコード(参考)】
4E360
5E087
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AB12
4E360BA03
4E360BC06
4E360EA27
4E360ED03
4E360ED23
4E360EE02
4E360GA08
4E360GA28
5E087FF02
5E087FF12
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR15
5E087RR25
5G357DA10
5G357DB01
5G357DB02
5G357DB03
5G357DC12
5G357DC20
5G357DD02
5G357DD06
5G357DE05
5G357DE08
5G357DE10
5G357DF01
5G357DG01
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC02
5G361AC03
5G361AC13
5G361AD01
5G361BA07
5G361BB01
5G361BC01
5G361BC02
(57)【要約】
【課題】収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止できるコネクタホルダを提供する。
【解決手段】本実施形態に係るコネクタホルダ1は、収容空間Sに収容されたコネクタ5を把持する把持構造26,28を有し、把持構造26,28は、一対のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bにより構成され、少なくとも一方のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bが、収容空間Sにコネクタ5を圧入することにより、コネクタ5との当接部分が変形するリブ261,262,281,282を有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを収容する収容空間が設けられたコネクタホルダであって、
前記収容空間に収容された前記コネクタを把持する把持構造を有し、
前記把持構造は、一対の把持体により構成され、
少なくとも一方の前記把持体が、前記収容空間に前記コネクタを圧入することにより、当該コネクタとの当接部分が変形する圧入変形部を有する
コネクタホルダ。
【請求項2】
前記圧入変形部は、前記収容空間の内側に向かって突出するリブである
請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項3】
前記リブは、前記コネクタに当接する端縁部分に薄肉の潰しリブを有する
請求項2に記載のコネクタホルダ。
【請求項4】
一対の前記把持体による前記コネクタの把持方向が、前記コネクタの収容方向に対して交差する交差方向に沿う
請求項2に記載のコネクタホルダ。
【請求項5】
前記収容空間を構成する一対の側方部を有し、
一対の前記側方部のそれぞれに前記把持体が設けられ、
前記リブは、前記収容空間の開口側から底方側に向かって延設されており、当該リブの開口側端部における突出高さが前記収容空間の底方側に向かうにつれて徐々に高く形成された
請求項4に記載のコネクタホルダ。
【請求項6】
一対の前記把持体による前記コネクタの把持方向が、前記コネクタの収容方向に沿う
請求項2に記載のコネクタホルダ。
【請求項7】
前記収容空間を構成する底部と、
前記収容空間の開口を塞ぐ蓋部とを有し、
前記底部及び前記蓋部のそれぞれに前記把持体が設けられ、
少なくとも一方の前記把持体が前記リブを有する
請求項6に記載のコネクタホルダ。
【請求項8】
前記収容空間を構成する底部と、
前記収容空間を構成する側方部とを有し、
前記底部及び前記側方部のそれぞれに前記把持体が設けられ、
前記側方部に設けられた前記把持体が前記収容空間に収容された前記コネクタを係止する係止部である
請求項6に記載のコネクタホルダ。
【請求項9】
複数の前記把持構造を有しており、
少なくとも一の前記把持構造における少なくとも一方の前記把持体が、収容空間に収容される前記コネクタに押されて変形することにより、他方の前記把持体に向かって前記コネクタを付勢する付勢部を有する
請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項10】
複数の前記把持構造を有しており、
一の前記把持構造による前記コネクタの把持方向と他の前記把持構造による前記コネクタの把持方向とが交差している
請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項11】
前記収容空間を構成する底部を有しており、
前記底部に前記収容空間の内側から外側まで貫通する貫通孔が設けられた
請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項12】
請求項1に記載のコネクタホルダにコネクタを収容した
コネクタユニット。
【請求項13】
請求項1に記載のコネクタホルダを有する
プロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタを収容する収容空間が設けられたコネクタホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コネクタを収容する収容空間が設けられたコネクタホルダが公知とされている。特許文献1に開示されたコネクタホルダには、コネクタの位置を規制するリブと、コネクタを係止する係止構造とが設けられている。
【0003】
ところで、このようなコネクタホルダであっても、収容されたコネクタに振動が伝わることで、コネクタがガタついてしまうおそれがあった。例えば、コネクタホルダの振動がコネクタに伝わったり、電線の振動がコネクタに伝わったりすることで、コネクタがガタついてしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-87251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止できるコネクタホルダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、コネクタを収容する収容空間が設けられたコネクタホルダであって、収容空間に収容されたコネクタを把持する把持構造を有し、把持構造は、一対の把持体により構成され、少なくとも一方の把持体が、収容空間にコネクタを圧入することにより、コネクタとの当接部分が変形する圧入変形部を有することを特徴としている。
なお、本発明における一対の把持体とは、収容空間に収容されたコネクタを把持すべく、収容空間を隔てて配置された複数一組の把持体を意味している。そのため、一方の把持体と他方の把持体とがともに一つずつ存在することに限定されない。すなわち、一方の把持体と他方の把持体の数が異なっていてもよい。
【0007】
また、この発明には、前述のコネクタホルダにコネクタを収容したコネクタユニットならびに前述のコネクタホルダを有するプロテクタが含まれる。ここで、コネクタホルダを有するプロテクタとは、コネクタホルダとして機能する部分を備えたプロテクタであることを意味している。かかるプロテクタには、電気接続箱、すなわちジャンクションボックスが含まれるものとする。
【0008】
この発明によれば、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止することができる。
詳述すると、本願発明に係るコネクタホルダは、収容空間に収容されたコネクタを把持する把持構造を有している。かかる把持構造は、一対の把持体により構成され、少なくとも一方の把持体が、収容空間にコネクタを圧入することにより、コネクタとの当接部分が変形する圧入変形部を有する。そのため、収容空間に収容されたコネクタを挟み込むことができる。つまり、収容空間にコネクタを圧入することにより、収容空間の内側に突出している圧入変形部がコネクタに押されて潰されるため、かかるコネクタと把持体との間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタの側面に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタの反対側の側面には、少なくとも付勢力によって押されたことに対する反作用としてコネクタを押し返す力である対向力が作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタを挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止することができる。
【0009】
この発明の態様として、圧入変形部は、収容空間の内側に向かって突出するリブであってもよい。
なお、本発明におけるリブとは、収容空間を形成する側方部から収容空間の内側に向かって突出した突出板を意味している。
【0010】
この発明により、収容空間あるいはコネクタの側面が湾曲等していても、コネクタに対してリブが延設方向に沿って直線状に当接するため、コネクタの側面に確実に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタの反対側の側面には、少なくともコネクタを押し返す力である対向力が確実に作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタを挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止することができる。
【0011】
またこの発明の態様として、リブは、コネクタに当接する端縁部分に薄肉の潰しリブを有してもよい。
なお、本発明における潰しリブとは、リブの端縁部分から収容空間の内側に向かって突出した突出片を意味している。
【0012】
この発明により、潰しリブがコネクタに押されて潰されるため、かかるコネクタとリブとの間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタの側面に確実に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタの反対側の側面には、少なくともコネクタを押し返す力である対向力が確実に作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタを挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止することができる。
【0013】
またこの発明の態様として、一対の把持体によるコネクタの把持方向が、コネクタの収容方向に対して交差する交差方向に沿ってもよい。
なお、本発明における交差方向に沿ってとは、一方の把持体による付勢力と他方の把持体による対向力がそれぞれ交差方向に沿って作用すればよいことを意味している。そのため、互いに相対する付勢力と対向力が一の直線上で作用することに限定されない。すなわち、互いに相対する付勢力と対向力が所定の間隔を隔てて並行して作用してもよい。
【0014】
この発明により、コネクタの収容方向に対して交差する交差方向にコネクタを挟み込むことができる。つまり、交差方向に沿って相対する付勢力と対向力が作用し、コネクタを挟み込むことが可能となる。したがって、特に交差方向へのコネクタのガタつきを防止することができる。
【0015】
またこの発明の態様として、収容空間を構成する一対の側方部を有し、一対の側方部のそれぞれに把持体が設けられ、リブは、収容空間の開口側から底方側に向かって延設されており、リブの開口側端部における突出高さが収容空間の底方側に向かうにつれて徐々に高く形成されてもよい。
【0016】
この発明により、リブの開口側端部に傾斜面が形成される。そのため、収容空間にコネクタを圧入する際に、リブの開口側端部に形成された傾斜面に沿ってコネクタを案内することができる。また、コネクタが底方側に向かうにつれて徐々に強く挟み込まれていくので、かかるコネクタを傾くことなく真っすぐに圧入することができる。したがって、コネクタを収容する作業が容易となる。
【0017】
またこの発明の態様として、一対の把持体によるコネクタの把持方向が、コネクタの収容方向に沿ってもよい。
なお、本発明における収容方向に沿ってとは、一方の把持体による付勢力と他方の把持体による対向力がそれぞれ収容方向に沿って作用すればよいことを意味している。そのため、互いに相対する付勢力と対向力が一の直線上で作用することに限定されない。すなわち、互いに相対する付勢力と対向力が所定の間隔を隔てて並行して作用してもよい。
【0018】
この発明により、コネクタの収容方向にコネクタを挟み込むことができる。つまり、収容方向に沿って相対する付勢力と対向力が作用し、コネクタを挟み込むことが可能となる。したがって、特に収容方向へのコネクタのガタつきを防止することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、収容空間を構成する底部と、収容空間の開口を塞ぐ蓋部とを有し、底部及び蓋部のそれぞれに把持体が設けられ、少なくとも一方の把持体がリブを有してもよい。
【0020】
この発明により、コネクタを収容空間に収容する際に、かかるコネクタに対して互いに相対する付勢力と対向力が作用しない。そのため、コネクタを収容する作業が容易となる。そして、コネクタを収容空間に収容した状態で蓋部を閉じると、コネクタにリブが当接して付勢力と対向力が作用することとなる。したがって、コネクタを収容する作業を容易としつつ、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを防止することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、収容空間を構成する底部と、収容空間を構成する側方部とを有し、底部及び側方部のそれぞれに把持体が設けられ、側方部に設けられた把持体が収容空間に収容されたコネクタを係止する係止部であってもよい。
【0022】
この発明により、コネクタを収容空間に収容するだけで、収容方向にコネクタを挟み込むことができる。つまり、コネクタを収容空間に収容するだけで、収容方向に沿って相対する付勢力と対向力が作用し、コネクタを挟み込むことが可能となる。また、コネクタを係止したときの節度感が得られるため、コネクタを収容する作業が完了したことが分かる。
【0023】
またこの発明の態様として、複数の把持構造を有しており、少なくとも一の把持構造における少なくとも一方の把持体が、収容空間に収容されるコネクタに押されて変形することにより、他方の把持体に向かってコネクタを付勢する付勢部を有してもよい。
【0024】
この発明により、付勢部が元の形状に戻ろうとしてコネクタの側面に強い付勢力を作用させることができ、コネクタの反対側の側面にも反作用による強い対向力が作用することとなる。したがって、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを確実に防止することができる。
【0025】
またこの発明の態様として、複数の把持構造を有しており、一の把持構造によるコネクタの把持方向と他の把持構造によるコネクタの把持方向とが交差してもよい。
この発明により、収容空間に収容されたコネクタを多方向に拘束できる。したがって、収容空間に収容されたコネクタのガタつきを確実に防止することができる。
【0026】
またこの発明の態様として、収容空間を構成する底部を有しており、底部に収容空間の内側から外側まで貫通する貫通孔が設けられてもよい。
この発明により、電線等を伝って侵入した水や埃を貫通孔から排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】コネクタホルダの斜視図。
図2】コネクタホルダの分解斜視図。
図3】ロアケースの斜視図。
図4】ロアケースの平面図。
図5図4における領域Raの拡大図及びA-A矢視断面図。
図6】ケースカバーの斜視図。
図7】ケースカバーの底面図。
図8図7における領域Rbの拡大図及びB-B矢視断面図。
図9】ロアケースにコネクタを収容する状況を示す概略説明図。
図10】ロアケースにケースカバーを取り付ける状況を示す概略説明図。
図11】他の実施形態に係るコネクタホルダのロアケースの部分断面図。
図12】他の実施形態に係るコネクタホルダのロアケースの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願においては、全ての図面でコネクタホルダ1の方向を示している。詳しくは、矢印Fが前方側を示し、矢印Bが後方側を示し、矢印Rが右方側を示し、矢印Lが左方側を示している。そして、矢印Uが上方側を示し、矢印Dが下方側を示している。加えて、本願においては、前後方向をX、左右方向をY、上下方向をZとして説明する。
【0029】
図1はコネクタホルダ1の斜視図である。図2はコネクタホルダ1の分解斜視図である。図3はロアケース2の斜視図であり、図4はロアケース2の平面図であり、図5図4における領域Raの拡大図及びA-A矢視断面図である。また、図6はケースカバー3の斜視図であり、図7はケースカバー3の底面図であり、図8図7における領域Rbの拡大図及びB-B矢視断面図である。
【0030】
さらに、図9はロアケース2にコネクタ5を収容する状況を示す概略説明図である。図9(a)はロアケース2にコネクタ5を収容する前の状態を示し、図9(b)はロアケース2にコネクタ5を収容した後の状態を示している。図9(a)及び(b)は、図5におけるC-C矢視断面における概略説明図である。そして、図9(c)は図9(b)におけるD-D矢視断面図を示している。
【0031】
さらに、図10はロアケース2にケースカバー3を取り付ける状況を示す概略説明図である。図10(a)はロアケース2にケースカバー3を取り付ける前の状態を示し、図10(b)はロアケース2にケースカバー3を取り付けた後の状態を示している。図10(a)及び(b)は、図5におけるC-C矢視断面における概略説明図である。そして、図10(c)は図10(b)におけるE-E矢視断面図を示している。
【0032】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るコネクタホルダ1は、コネクタ5を収容するものである。コネクタホルダ1は、主にロアケース2とケースカバー3とで構成されている。以下に、ロアケース2とケースカバー3の構造を説明し、ロアケース2にコネクタ5を収容する状況ならびにロアケース2にケースカバー3を取り付ける状況について述べる。
【0033】
まず、図2を用いて、コネクタ5について簡単に説明する。
コネクタ5は、電線4を電気的に接続するものである。コネクタ5は、主にソケットハウジング51とインサートハウジング52とで構成されている。ソケットハウジング51に対してインサートハウジング52を挿入すると、電線4につながっているそれぞれに収容されたバスバが接触するため、電気的に接続することができる。
【0034】
次に、図3から図5を用いて、ロアケース2について説明する。
ロアケース2は、底壁部20と、底壁部20の外周端部に配置された各壁部21~24とを有している。底壁部20は、前後方向Xならびに左右方向Yに広がる板状部分であり、主に左後方側から導入されて右前方側から導出されるワイヤーハーネスの幹線Wm(図1参照)ならびに幹線Wmから分岐して左前側から導出される枝線Wb(図1参照)に沿うように形成されている。
【0035】
前壁部21は、底壁部20の前端縁に沿って設けられた段差部分201から上下方向Zに延設された部位を指す。段差部分201よりも上方側Uの前壁部21には、ロアケース2の内側に向かって突出するリブ211が形成されており、前壁部21の上端部分には、ロアケース2の外側に向かって突出する係止環212が形成されている。係止環212は、前壁部21の外側面に対して僅かな隙間を隔てて平行に延びる係止板を有している。
【0036】
後壁部22は、底壁部20の後端縁に沿って設けられた段差部分202から上下方向Zに延設された部位を指す。段差部分202よりも上方側Uの後壁部22には、ロアケース2の内側に向かって突出するリブ221が形成されており、後壁部22の上端部分には、ロアケース2の外側に向かって突出する係止環222が形成されている。係止環222は、後壁部22の外側面に対して僅かな隙間を隔てて平行に延びる係止板を有している。
【0037】
右壁部23は、底壁部20の右端縁に沿って設けられた段差部分203から上下方向Zに延設された部位を指す。段差部分203よりも上方側Uの右壁部23には、ロアケース2の内側に向かって突出するリブ(後述する前板部251及び後板部252と一体である)が形成されており、右壁部23の上端部分には、ロアケース2の外側に向かって突出する係止環232が形成されている。係止環232は、右壁部23の外側面に対して僅かな隙間を隔てて平行に延びる係止板を有している。
【0038】
なお、右壁部23は、前壁部21の右方側端部に連結されておらず、かかる隙間が幹線Wm(図1参照)を導出するための開口孔Haとされている。底壁部20は、その一部が下方側Dに向かって延設されており、開口孔Haから導出される幹線Wmを図示しない結束バンド等を用いて巻き留めることを可能としている。
【0039】
左壁部24は、底壁部20の左端縁に沿って設けられた段差部分204から上下方向Zに延設された部位を指す。段差部分204よりも上方側Uの左壁部24には、ロアケース2の内側に向かって突出するリブ241が形成されており、左壁部24の上端部分には、ロアケース2の外側に向かって突出する係止環242が形成されている。係止環242は、左壁部24の外側面に対して僅かな隙間を隔てて平行に延びる係止板を有している。
【0040】
なお、左壁部24は、前壁部21の左方側端部に連結されておらず、かかる隙間が枝線Wb(図1参照)を導出するための開口孔Hbとされている。底壁部20は、その一部が下方側Dに向かって延設されており、開口孔Hbから導出される枝線Wbを図示しない結束バンド等を用いて巻き留めることを可能としている。
【0041】
また、左壁部24は、後壁部22の左方側端部に連結されておらず、かかる隙間が幹線Wm(図1参照)を導入するための開口孔Hcとされている。底壁部20及び左壁部24は、その一部が後方側Bに向かって延設されており、開口孔Hcから導入される幹線Wmを図示しない結束バンド等を用いて巻き留めることを可能としている。
【0042】
ところで、ロアケース2の内側には、四つのコネクタ収容部25が形成されている。これらのコネクタ収容部25は、前述の右壁部23に沿うようにして配置されている。そして、最も前方側Fのコネクタ収容部25は、前述の開口孔Haに隣接し、最も後方側Bのコネクタ収容部25は、前述の後壁部22に隣接している。ここでは、前方側Fから二番目に設けられたコネクタ収容部25に着目して説明する。
【0043】
図5に示すように、コネクタ収容部25は、コネクタ5を収容するための収容空間Sが設けられた部位を指す。収容空間Sは、底壁部20と、右壁部23と、底壁部20から上方側Uに向かって延設された各板部251,252,254とによって形成されている。以降においては、説明の簡単化のため、収容空間Sを形成する右壁部23の一部を右板部253とし、同じく収容空間Sを形成する底壁部20の一部を底板部255として説明する。
【0044】
前板部251は、左右方向Yならびに上下方向Zに広がる板状部分であり、収容空間Sに収容されたコネクタ5の前側面に沿うように形成されている。前板部251には、把持構造26を構成する一方のコネクタ把持部26Aが形成されている。
【0045】
コネクタ把持部26Aは、上方側Uから視て後方側Bに向かって突出する二枚一組のリブ261を有している。リブ261の後端縁部分には、リブ261よりも薄肉の潰しリブ261dが設けられている。かかる潰しリブ261dは、上方側Uから視て後方側Bに向かうにつれて細くなる略楔形に形成されている。また、潰しリブ261dは、リブ261の後端縁部分に沿って上下方向Zに延設されている。
【0046】
後板部252は、前板部251から収容空間Sを前後方向Xに隔てた位置に配置されている。後板部252は、左右方向Yならびに上下方向Zに広がる板状部分であり、収容空間Sに収容されたコネクタ5の後側面に沿うように形成されている。後板部252には、把持構造26を構成する他方のコネクタ把持部26Bが形成されている。
【0047】
コネクタ把持部26Bは、上方側Uから視て前方側Fに向かって突出する二枚一組のリブ262を有している。リブ262の前端縁部分には、リブ262よりも薄肉の潰しリブ262dが設けられている。かかる潰しリブ262dは、上方側Uから視て前方側Fに向かうにつれて細くなる略楔形に形成されている。また、潰しリブ262dは、リブ262の前端縁部分に沿って上下方向Zに延設されている。
【0048】
右板部253は、前板部251と後板部252の間に挟まれた右壁部23の一部である。右板部253は、前後方向Xならびに上下方向Zに広がる板状部分であり、収容空間Sに収容されたコネクタ5の右側面に沿うように形成されている。右板部253には、把持構造27を構成する一方のコネクタ把持部27Aが形成されている。
【0049】
コネクタ把持部27Aは、上方側Uから視て左方側Lに向かって突出する二枚一組のリブ271を有している。リブ271の左端縁部分には、潰しリブが設けられていない構成とされている。リブ271は、その左端縁部分が前述の段差部分203における内側面に対して上下方向Zに連続するように形成されている。そのため、コネクタ把持部27Aは、リブ271と段差部分203で構成されているともいえる。
【0050】
左板部254は、右板部253から収容空間Sを左右方向Yに隔てた位置に配置されている。左板部254は、前後方向Xならびに上下方向Zに広がる板状部分であり、収容空間Sに収容されたコネクタ5の左側面に沿うように形成されている。左板部254には、右方側Rに向かって突出するリブ及び潰しリブが設けられていないものの、把持構造27を構成する他方のコネクタ把持部27Bとして機能する。
【0051】
なお、左板部254は、前板部251の左方側端部に連結されておらず、かかる隙間がコネクタ5から延出される電線4を配索するための開口孔Hdとされている。加えて、前述の後板部252と左板部254の連接部分には、それぞれに対して滑らかにつながる円弧部25rが形成されている。円弧部25rを形成したのは、後方側Bに収容されたコネクタ5の電線4が角当たりして、かかる電線4の被覆がむけてしまうことの防止を図るためである。
【0052】
底板部255は、前板部251と後板部252と右板部253と左板部254とに囲まれた底壁部20の一部である。底板部255は、前後方向Xならびに左右方向Yに広がる板状部分であり、収容空間Sに収容されたコネクタ5の底側面に沿うように形成されている。底板部255には、上方側Uに向かって突出するリブ及び潰しリブが設けられていないものの、把持構造28を構成する一方のコネクタ把持部28Aとして機能する。
【0053】
なお、前方側Fから一番目に設けられたコネクタ収容部25には、上方側Uに向かって突出するリブ281が設けられている。このように、リブ281を設けたのは、かかるコネクタ収容部25に収容されるコネクタ5の高さ寸法が小さいからである。加えて、底板部255には、収容空間Sの内側から外側まで貫通する貫通孔25hが形成されている。かかる貫通孔25hは、電線4等を伝って侵入した水や埃を排出するという効果を発揮する。また、貫通孔25hは、リブ271を伝ってきた水が底板部255の上に溜まらないよう、リブ271の近傍に配置されている。
【0054】
次に、図6から図8を用いて、ケースカバー3について説明する。
ケースカバー3は、蓋板部30と、蓋板部30の外周端部に配置された各縁部31~34とを有している。蓋板部30は、前後方向Xならびに左右方向Yに広がる板状部分であり、ロアケース2の開口を塞ぐように形成されている。すなわち、蓋板部30は、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けた状態において、底壁部20に対向するとともに、各壁部21~24に囲まれた開口を塞ぐように形成されている。
【0055】
前縁部31は、蓋板部30の前端縁から上下方向Zに延設された部位を指す。前縁部31は、その下端部分に下方側Dに向かって突出する係止片312が形成されている。係止片312の下方側端部には、ケースカバー3の外側に向かって突出する係止爪が形成されている。そのため、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けると、前縁部31がロアケース2を構成する前壁部21の上端部分に外嵌するとともに、係止片312の係止爪がロアケース2に形成された係止環212の係止板に引っ掛かることとなる。
【0056】
後縁部32は、蓋板部30の後端縁から上下方向Zに延設された部位を指す。後縁部32は、その下端部分に下方側Dに向かって突出する係止片322が形成されている。係止片322の下方側端部には、ケースカバー3の外側に向かって突出する係止爪が形成されている。そのため、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けると、後縁部32がロアケース2を構成する後壁部22の上端部分に外嵌するとともに、係止片322の係止爪がロアケース2に形成された係止環222の係止板に引っ掛かることとなる。
【0057】
右縁部33は、蓋板部30の右端縁から上下方向Zに延設された部位を指す。右縁部33は、その下端部分に下方側Dに向かって突出する係止片332が形成されている。係止片332の下方側端部には、ケースカバー3の外側に向かって突出する係止爪が形成されている。そのため、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けると、右縁部33がロアケース2を構成する右壁部23の上端部分に外嵌するとともに、係止片332の係止爪がロアケース2に形成された係止環232の係止板に引っ掛かることとなる。
【0058】
左縁部34は、蓋板部30の左端縁から上下方向Zに延設された部位を指す。左縁部34は、その下端部分に下方側Dに向かって突出する係止片342が形成されている。係止片342の下方側端部には、ケースカバー3の外側に向かって突出する係止爪が形成されている。そのため、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けると、左縁部34がロアケース2を構成する左壁部24の上端部分に外嵌するとともに、係止片342の係止爪がロアケース2に形成された係止環242の係止板に引っ掛かることとなる。
【0059】
ところで、蓋板部30は、ロアケース2の開口を塞ぐと同時に、各コネクタ収容部25の開口を塞ぐことができる。蓋板部30における各コネクタ収容部25に対向する部分は、収容空間Sに収容されたコネクタ5の上側面に沿うように形成されている。そして、収容空間Sに収容されたコネクタ5の上側面に対向する位置には、把持構造28を構成する他方のコネクタ把持部28Bが形成されている。
【0060】
コネクタ把持部28Bは、前後方向X及び左右方向Yから視て下方側Dに向かって突出する一つのリブ282を有している。リブ282の下端縁部分には、潰しリブが設けられていない構成とされている。また、リブ282は、下方側Dから視て略四角形状に形成されている。そのため、ロアケース2に対してケースカバー3を取り付けた状態において、四つの各辺が収容空間Sに収容されたコネクタ5に対して当接することとなる。但し、複数のリブ282であってもよいし、他の形状に形成されていてもよい。
【0061】
次に、図9を用いて、ロアケース2にコネクタ5を収容する状況について述べる。
コネクタ5の収容方向は、上下方向Zであり、より詳しくは、上方側Uから下方側Dに向かう方向である。収容空間Sにコネクタ5を圧入する際には、コネクタ5が収容空間Sを隔てて配置されたリブ261,262に沿って下方側Dに押し込まれる。このとき、リブ261の後端縁部分に設けられた潰しリブ261dがコネクタ5に押されて潰されるため、かかるコネクタ5とリブ261との間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタ5の前側面に付勢力を作用させることができる(矢印Fa参照)。
【0062】
他方で、本実施形態に係るコネクタホルダ1においては、リブ262の前端縁部分にも潰しリブ262dが設けられている。潰しリブ262dもコネクタ5に押されて潰されるため、かかるコネクタ5とリブ261との間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタ5の後側面に付勢力を作用させることができる(矢印Fb参照)。この点、リブ262の前端縁部分に潰しリブ262dが設けられていなくても、コネクタ5の後側面には、コネクタ5を押し返そうとする反作用による対向力が作用することとなる。
【0063】
次に、図10を用いて、ロアケース2にケースカバー3を取り付ける状況について述べる。
ケースカバー3の取付方向は、上下方向Zであり、より詳しくは、上方側Uから下方側Dに向かう方向である。本実施形態に係るコネクタホルダ1においては、底板部255におけるコネクタ把持部28Aにリブ及び潰しリブが設けられていない、あるいはリブ281は設けられているものの、潰しリブが設けられていない構成である。そのため、コネクタ5を収容空間Sに収容すると、底板部255の内側面又は底板部255に設けられたリブ281に対してコネクタ5の底側面が直接的に当接した状態となる。
【0064】
他方で、本実施形態に係るコネクタホルダ1においては、蓋板部30におけるコネクタ把持部28Bにリブ282が設けられているものの、潰しリブが設けられていない構成である。そのため、ロアケース2にケースカバー3を取り付けると、リブ282がコネクタ5に直接的に当接した状態となり、コネクタ5の上側面に付勢力を作用させることができる(矢印Fa参照)。このとき、コネクタ5の反対側の底側面には、少なくともコネクタ5を押し返そうとする反作用による対向力が作用することとなる(矢印Fb参照)。
【0065】
以上のように、本実施形態に係るコネクタホルダ1は、収容空間Sに収容されたコネクタ5を把持する把持構造26,28を有し、把持構造26,28は、一対のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bにより構成され、少なくとも一方のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bが、収容空間Sにコネクタ5を圧入することにより、コネクタ5との当接部分が変形する圧入変形部(リブ261,262,281,282)を有する。
【0066】
このようなコネクタホルダ1によれば、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。
詳述すると、本願発明に係るコネクタホルダ1は、収容空間Sに収容されたコネクタ5を把持する把持構造26,28を有している。かかる把持構造26,28は、一対のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bにより構成され、少なくとも一方のコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bが、収容空間Sにコネクタ5を圧入することにより、コネクタ5との当接部分が変形する圧入変形部(リブ261,262,281,282)を有する。そのため、収容空間Sに収容されたコネクタ5を挟み込むことができる。つまり、収容空間Sにコネクタ5を圧入することにより、収容空間Sの内側に突出している圧入変形部(リブ261,262,281,282)がコネクタ5に押されて潰されるため、かかるコネクタ5とコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bとの間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタ5の側面に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタ5の反対側の側面には、少なくとも付勢力によって押されたことに対する反作用としてコネクタ5を押し返す力である対向力が作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタ5を挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、圧入変形部(リブ261,262,281,282)は、収容空間Sの内側に向かって突出するリブ261,262,281,282である。
【0068】
このようなコネクタホルダ1によれば、収容空間Sあるいはコネクタ5の側面が湾曲等していても、コネクタ5に対してリブ261,262,281,282が延設方向に沿って直線状に当接するため、コネクタ5の側面に確実に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタ5の反対側の側面には、少なくともコネクタ5を押し返す力である対向力が確実に作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタ5を挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0069】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、リブ261,262は、コネクタ5に当接する端縁部分に薄肉の潰しリブ261d,262dを有している。
【0070】
このようなコネクタホルダ1によれば、潰しリブ261d,262dがコネクタ5に押されて潰されるため、かかるコネクタ5とリブ261,262との間に公差等に起因する隙間が生じず、コネクタ5の側面に確実に付勢力を作用させることができる。このとき、コネクタ5の反対側の側面には、少なくともコネクタ5を押し返す力である対向力が確実に作用することとなる。こうして、互いに相対する付勢力と対向力によってコネクタ5を挟み込むことが可能となる。したがって、収容空間に収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、一対のコネクタ把持部26A,26Bによるコネクタ5の把持方向が、コネクタ5の収容方向である上下方向Zに対して直交する前後方向Xに沿っている。
【0072】
このようなコネクタホルダ1によれば、コネクタ5の収容方向である上下方向Zに対して直交する前後方向Xにコネクタ5を挟み込むことができる。つまり、前後方向Xに沿って相対する付勢力と対向力が作用し、コネクタ5を挟み込むことが可能となる。したがって、特に前後方向Xへのコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0073】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、収容空間Sを構成する前板部251及び後板部252を有し、前板部251及び後板部252のそれぞれにコネクタ把持部26A,26Bが設けられ、リブ261,262は、収容空間Sの開口側から底方側に向かって延設されており、リブ261,262の開口側端部における突出高さが収容空間Sの底方側(下方側D)に向かうにつれて徐々に高く形成されている。
【0074】
このようなコネクタホルダ1によれば、リブ261,262の開口側端部に傾斜面が形成される。そのため、収容空間Sにコネクタ5を圧入する際に、リブ261,262の開口側端部に形成された傾斜面に沿ってコネクタ5を案内することができる。また、コネクタ5が底方側(下方側D)に向かうにつれて徐々に強く挟み込まれていくので、かかるコネクタ5を傾くことなく真っすぐに圧入することができる。したがって、コネクタ5を収容する作業が容易となる。
【0075】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、一対のコネクタ把持部28A,28Bによるコネクタ5の把持方向が、コネクタ5の収容方向である上下方向Zに沿っている。
【0076】
このようなコネクタホルダ1によれば、コネクタ5の収容方向である上下方向Zにコネクタ5を挟み込むことができる。つまり、上下方向Zに沿って相対する付勢力と対向力が作用し、コネクタ5を挟み込むことが可能となる。したがって、特に上下方向Zへのコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0077】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、収容空間Sを構成する底板部255と、収容空間Sの開口を塞ぐ蓋板部30とを有し、底板部255及び蓋板部30のそれぞれにコネクタ把持部28A,28Bが設けられ、コネクタ把持部28Bがリブ282を有している。
【0078】
このようなコネクタホルダ1によれば、コネクタ5を収容空間Sに収容する際に、かかるコネクタ5に対して互いに相対する付勢力と対向力が作用しない。そのため、コネクタ5を収容する作業が容易となる。そして、コネクタ5を収容空間Sに収容した状態でケースカバー3を閉じると、コネクタ5にリブ282が当接して付勢力と対向力が作用することとなる。したがって、コネクタ5を収容する作業を容易としつつ、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。
【0079】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、二つの把持構造26,28を有しており、一の把持構造26によるコネクタ5の把持方向(前後方向X)と他の把持構造28によるコネクタ5の把持方向(上下方向Z)とが交差している。
【0080】
このようなコネクタホルダ1によれば、収容空間Sに収容されたコネクタ5を二方向(前後方向X及び上下方向Z)に拘束できる。したがって、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを確実に防止することができる。
【0081】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1において、収容空間Sを構成する底板部255を有しており、底板部255に収容空間Sの内側から外側まで貫通する貫通孔25hが設けられている。
【0082】
このようなコネクタホルダ1によれば、電線4等を伝って侵入した水や埃を貫通孔から排出することが可能となる。
【0083】
この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
コネクタホルダはコネクタホルダ1に対応し、
電線は電線4に対応し、
コネクタはコネクタ5に対応し、
側方部は各板部251,252に対応し、
底部は底板部255に対応し、
貫通孔は貫通孔25hに対応し、
係止部は係止部25fに対応し、
付勢部はバネ板25pに対応し、
把持構造は把持構造26,28に対応し、
把持体はコネクタ把持部26A,26B,28A,28Bに対応し、
リブはリブ261,262,281,282に対応し、
潰しリブは潰しリブ261d,262dに対応し、
蓋部は蓋板部30に対向し、
収容空間は収容空間Sに対応するも、
この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
【0084】
例えば、本実施形態に係るコネクタホルダ1においては、ケースカバー3を有しており、ケースカバー3における蓋板部30にコネクタ把持部26Bが設けられている(図8参照)。しかし、図11に示すように、例えば、後板部252の上端部分に収容空間Sに収容されたコネクタ5を係止する係止部25fが設けられていてもよい。
【0085】
このようなコネクタホルダ1によれば、コネクタ5を収容空間Sに収容するだけで、収容方向である上下方向Zにコネクタ5を挟み込むことができる。つまり、コネクタ5を収容空間Sに収容するだけで、収容方向である上下方向Zに沿って相対する付勢力が作用し、コネクタ5を挟み込むことが可能となる。また、コネクタ5を係止したときの節度感が得られるため、コネクタ5を収容する作業が完了したことが分かる。
【0086】
また、本実施形態に係るコネクタホルダ1においては、二つの把持構造26,28を有しており、前後方向X及び上下方向Zにコネクタ5を把持する。しかし、図12に示すように、例えば、把持構造26における少なくとも一方のコネクタ把持部26Aが、収容空間Sに収容されるコネクタ5に押されて変形することにより、他方のコネクタ把持部26Bに向かってコネクタ5を付勢するバネ板25pを有してもよい。
【0087】
このようなコネクタホルダ1によれば、バネ板25pが元の形状に戻ろうとしてコネクタ5の側面に強い付勢力を作用させることができ、コネクタ5の反対側の側面にも反作用による強い対向力が作用することとなる。したがって、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを確実に防止することができる。
【0088】
最後に、本願発明には、コネクタホルダ1にコネクタ5を収容したコネクタユニットならびにコネクタホルダ1を有するプロテクタが含まれる。ここで、コネクタホルダ1を有するプロテクタとは、コネクタホルダ1として機能する部分を備えたプロテクタであることを意味している。かかるプロテクタには、電気接続箱、すなわちジャンクションボックスが含まれるものとする。
【0089】
これらにおいても、本実施形態に係るコネクタホルダ1と同様の効果を奏する。すなわち、収容空間Sに収容されたコネクタ5のガタつきを防止することができる。その他にも、前述の実施形態において説明したものと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0090】
1…コネクタホルダ
3…ケースカバー
4…電線
5…コネクタ
251…前板部
252…後板部
255…底板部
25h…貫通孔
25f…係止部
25p…バネ板
26…把持構造
28…把持構造
26A…コネクタ把持部
26B…コネクタ把持部
28A…コネクタ把持部
28B…コネクタ把持部
261…リブ
262…リブ
281…リブ
282…リブ
261d…潰しリブ
262d…潰しリブ
30…蓋板部
S…収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12