(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104738
(43)【公開日】2024-08-05
(54)【発明の名称】情報処理装置および振動制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/22 20140101AFI20240729BHJP
A63F 13/285 20140101ALI20240729BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240729BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240729BHJP
【FI】
A63F13/22
A63F13/285
A63F13/426
A63F13/533
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004591
(22)【出願日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】63/481,217
(32)【優先日】2023-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(71)【出願人】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 ゆりか
(72)【発明者】
【氏名】黒川 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】ウップルリ サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】久松 史明
(72)【発明者】
【氏名】澤田 高志
(72)【発明者】
【氏名】上野 翠
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ローブ マックス
(72)【発明者】
【氏名】ジョニンス ドミトリス
(57)【要約】
【課題】ユーザアクセシビリティを向上する技術を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、左側振動子を有する左側把持部と、右側振動子を有する右側把持部とを備えた入力装置と無線または有線で接続する。フォーカス制御部124は、画面内にフォーカスを配置する。受付部110が、入力装置から送信される方向入力を受け付けると、フォーカス制御部124は、受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを移動させる。駆動制御部130は、フォーカスの移動に応じて左側振動子および/または右側振動子を振動させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左側振動子を有する左側把持部と、右側振動子を有する右側把持部とを備えた入力装置と無線または有線で接続する情報処理装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
画面内にフォーカスを配置し、
入力装置から送信される方向入力を受け付け、
受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを移動させ、
フォーカスの移動に応じて左側振動子および/または右側振動子を振動させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスの移動方向に応じて、左側振動子および/または右側振動子を振動させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスが画面の左方向に移動する場合、左側振動子を振動させ、フォーカスが画面の右方向に移動する場合、右側振動子を振動させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスが画面の上方向に移動する場合、左側振動子および右側振動子を第1振動強度で振動させ、フォーカスが画面の下方向に移動する場合、左側振動子および右側振動子を第1振動強度とは異なる第2振動強度で振動させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスが移動する位置に応じた第1振動強度で左側振動子を振動させ、当該位置に応じた第2振動強度で右側振動子を振動させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスが画面の左方向に移動するほど、左側振動子の第1振動強度を高く、右側振動子の第2振動強度を低く設定し、フォーカスが画面の右方向に移動するほど、右側振動子の第2振動強度を高く、左側振動子の第1振動強度を低く設定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、
フォーカスが画面の上方向に移動するほど、左側振動子の第1振動強度および右側振動子の第2振動強度を高く設定し、フォーカスが画面の下方向に移動するほど、左側振動子の第1振動強度および右側振動子の第2振動強度を低く設定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、
画面に表示された複数の表示要素のうち、選択されている1つの表示要素にフォーカスを配置し、
受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを別の表示要素に移動させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、
画面に表示されたバーに、選択された位置を示すスライダをフォーカスとして配置する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、
第1画面でフォーカスを移動するときの振動子の振動強度の最大値と、第2画面でフォーカスを移動するときの振動子の振動強度の最大値とを異ならせる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
左側振動子を有する左側把持部と、右側振動子を有する右側把持部とを備えた入力装置と無線または有線で接続する情報処理装置において、振動子の振動を制御する方法であって、
画面内にフォーカスを配置し、
入力装置から送信される方向入力を受け付け、
受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを移動させ、
フォーカスの移動に応じて左側振動子および/または右側振動子を振動させる、
振動制御方法。
【請求項12】
振動子を備えた電子機器と無線または有線で接続する情報処理装置であって、ゲームプレイに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報を保持する記憶部と、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備え、
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付け、
ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が前記記憶部に保持されていれば、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にし、
ユーザインタフェースの表示時に、振動子を振動させる、
情報処理装置。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付けたときに、ゲームプレイに関する振動機能が無効であることを示す情報が前記記憶部に保持されていれば、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にしない、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付けたときに、ゲームプレイに関する振動機能が無効であることを示す情報が前記記憶部に保持されていれば、ゲームプレイに関する振動機能を有効にするためのダイアログを表示する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、
ゲームプレイに関する振動機能が有効にされた後、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にする、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサは、
ユーザインタフェースに関する振動機能が有効である場合に、ユーザ操作にもとづいて、一部のユーザインタフェースに関する振動機能を無効にする、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項17】
振動子を備えた電子機器と無線または有線で接続する情報処理装置において、振動子の振動を制御する方法であって、
ゲームプレイに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報を保持し、
ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付け、
ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が保持されていれば、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にし、
ユーザインタフェースの表示時に、振動子を振動させる、
振動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、振動子を有するゲームコントローラなどの電子機器を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、振動子を有するゲームコントローラが普及している。特許文献1は、振動子を有するゲームコントローラと、ゲームの進行状況に応じて振動制御信号をゲームコントローラに送信するゲーム装置とを備えたゲームシステムを開示する。このゲームシステムにおいて、ゲームコントローラに搭載される振動子は、ゲームプログラムから提供される振動制御信号にもとづいて振動して、ユーザにゲームプレイのフィードバックを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示者は、ユーザインタフェースの開発にあたり、ゲームコントローラに搭載された振動子の利用可能性に着目した。本開示は、振動子を利用してユーザアクセシビリティを向上する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報処理装置は、左側振動子を有する左側把持部と、右側振動子を有する右側把持部とを備えた入力装置と無線または有線で接続する情報処理装置であって、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備える。1つ以上のプロセッサは、画面内にフォーカスを配置し、入力装置から送信される方向入力を受け付け、受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを移動させ、フォーカスの移動に応じて左側振動子および/または右側振動子を振動させる。
【0006】
本開示の別の態様の振動制御方法は、左側振動子を有する左側把持部と、右側振動子を有する右側把持部とを備えた入力装置と無線または有線で接続する情報処理装置において、振動子の振動を制御する方法であって、画面内にフォーカスを配置し、入力装置から送信される方向入力を受け付け、受け付けた方向入力にもとづいてフォーカスを移動させ、フォーカスの移動に応じて左側振動子および/または右側振動子を振動させる。
【0007】
本開示のさらに別の態様の情報処理装置は、振動子を備えた電子機器と無線または有線で接続する情報処理装置であって、ゲームプレイに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報を保持する記憶部と、ハードウェアを有する1つ以上のプロセッサを備える。1つ以上のプロセッサは、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付け、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が記憶部に保持されていれば、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にし、ユーザインタフェースの表示時に、振動子を振動させる。
【0008】
本開示のさらに別の態様の振動制御方法は、振動子を備えた電子機器と無線または有線で接続する情報処理装置において、振動子の振動を制御する方法であって、ゲームプレイに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報を保持し、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付け、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が保持されていれば、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にし、ユーザインタフェースの表示時に、振動子を振動させる。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
【
図5】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図6】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図8】フォーカスが移動したメニュー画面の例を示す図である。
【
図9】フォーカスの移動方向と、振動子の振動態様の例を示す図である。
【
図10】左右の振動子の振動強度の例を示す図である。
【
図11】ユーザインタフェース画面の別の例を示す図である。
【
図13】ゲーム画面に重畳表示される通知の例を示す図である。
【
図14】アクセシビリティの設定画面の例を示す図である。
【
図15】ユーザインタフェースに関する振動機能を設定する画面の例を示す図である。
【
図16】アクセシビリティの設定画面の別の例を示す図である。
【
図17】ユーザインタフェースに関する振動機能を設定する画面の例を示す図である。
【
図18】設定画面に重畳表示されるダイアログの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本開示の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ユーザ端末装置である情報処理装置10、補助記憶装置2および出力装置4を備える。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は、無線または有線経由でAP8に接続する。
【0012】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザが操作した情報を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10は入力装置6から操作情報を受け付けると、システムソフトウェアやゲームソフトウェアの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。
【0013】
実施例において、情報処理装置10はゲームプログラムを実行するゲーム装置(ゲームコンソール)であり、入力装置6はゲームコントローラなど情報処理装置10に対してユーザの操作情報を供給する電子機器であってよい。なお入力装置6は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースであってもよい。
【0014】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの大容量記憶装置であり、内蔵型記憶装置であってよく、またUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記憶装置であってもよい。出力装置4は画像を出力する表示装置および音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置4は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線接続されてもよい。
【0015】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。
図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。
【0016】
図2は、入力装置の上面図を示し、
図3は、入力装置の斜視図を示す。入力装置6は、左側把持部80a、右側把持部80bおよび中央筐体部80cから構成される筐体80を備える。左側把持部80aおよび右側把持部80bは、中央筐体部80cを挟んで設けられ、左側把持部80aはユーザの左手で把持され、右側把持部80bはユーザの右手で把持される。左側把持部80aおよび右側把持部80bの端部の内部空間には、ユーザの手に触覚を提示するための振動子がそれぞれ設けられる。
【0017】
中央筐体部80cには、ユーザが操作するための各種操作子が配置される。中央筐体部80cの上面には、方向キー70、アクションボタン71、左アナログスティック72a、右アナログスティック72b、タッチパッド73、クリエイトボタン74、オプションボタン75、ホームボタン76、ミュートボタン77、スピーカ78およびマイク79が設けられる。方向キー70は、上キー70a、右キー70b、下キー70cおよび左キー70dから構成され、アクションボタン71は、△ボタン71a、○ボタン71b、×ボタン71cおよび□ボタン71dから構成される。左アナログスティック72aは、押し込まれるとオンされるL3ボタンを兼ねており、同様に右アナログスティック72bは、押し込まれるとオンされるR3ボタンを兼ねている。またタッチパッド73は、押し込まれるとオンされるタッチパッドボタンとしても機能する。
【0018】
中央筐体部80cの背面には、USB端子81、L1ボタン82a、R1ボタン82b、L2ボタン83aおよびR2ボタン83bが設けられる。L2ボタン83aおよびR2ボタン83bはトリガー式ボタンであり、ユーザがトリガー式ボタンを指で押し込むときの抵抗を動的に変更するアクチュエータを接続される。たとえばゲームにおけるアクションにより、L2ボタン83aおよび/またはR2ボタン83bの押し込み抵抗が動的に変更されることで、ゲームの臨場感が高められる。
【0019】
図4は、入力装置の機能ブロックを示す。入力装置6は、筐体80の内部に、無線通信モジュール86、処理部90、モーションセンサ84、スピーカ78、マイク79、左側振動子87a、右側振動子87b、左側アクチュエータ88aおよび右側アクチュエータ88bを備える。無線通信モジュール86は、情報処理装置10の無線通信モジュールとの間でデータを送受信する機能をもつ。入力装置6は図示しないバッテリを搭載し、入力装置6における各構成は、バッテリから電力供給を受けて作動する。
【0020】
処理部90は、制御部91、入力受付部92、センサデータ取得部93、音声出力部94、音声入力部95、第1駆動部96a、第2駆動部96b、第3駆動部97aおよび第4駆動部97bを有する。制御部91は、入力装置6における様々な処理を実施する。
【0021】
入力受付部92は、方向キー70、アクションボタン71、左アナログスティック72a、右アナログスティック72b、タッチパッド73、クリエイトボタン74、オプションボタン75、ホームボタン76、ミュートボタン77、L1ボタン82a、R1ボタン82b、L2ボタン83a、R2ボタン83bなどの入力部からユーザの操作情報を受け付け、制御部91に送る。制御部91は、受け取った操作情報を無線通信モジュール86に供給し、無線通信モジュール86は、操作情報を情報処理装置10に送信する。
【0022】
モーションセンサ84は、3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサを有する。3軸加速度センサは、xyzの3軸方向の加速度を検出し、3軸ジャイロセンサは、xz平面、zy平面、yx平面における角速度を検出する。3軸加速度センサおよび3軸ジャイロセンサは、筐体80内の中央近傍の位置に配置されてよい。モーションセンサ84は、所定の周期で加速度および角速度を検出し、センサデータ取得部93が、モーションセンサ84が検出したセンサデータを取得すると、制御部91は、センサデータを無線通信モジュール86に供給し、無線通信モジュール86は、センサデータを情報処理装置10に送信する。
【0023】
無線通信モジュール86が情報処理装置10から音声データを受信すると、制御部91は音声データを音声出力部94に供給し、音声出力部94は、スピーカ78から音声を出力する。音声入力部95がマイク79からユーザの音声データを受け付けると、制御部91が、ユーザ音声データを無線通信モジュール86に供給し、無線通信モジュール86は、ユーザ音声データを情報処理装置10に送信する。入力装置6がスピーカ78およびマイク79を備えることで、ユーザは、フレンドと音声チャットを楽しむことができる。
【0024】
左側振動子87aは、左側把持部80aの突出した端部に内蔵され、右側振動子87bは、右側把持部80bの突出した端部に内蔵される。左側振動子87aおよび右側振動子87b(以下、特に区別しない場合には「振動子87」と呼ぶこともある)は、ユーザの手で把持されるグリップ部分の端部に内蔵されることで、ユーザの手に触覚を提示することが可能となる。振動子87は、偏心した重りを有する振動モータを備えて構成されてよい。
【0025】
無線通信モジュール86は情報処理装置10から、左側振動子87a用の制御信号と右側振動子87b用の制御信号を受信すると、制御部91に供給し、制御部91は、左側振動子87a用の制御信号をもとに第1駆動部96aを制御し、右側振動子87b用の制御信号をもとに第2駆動部96bを制御する。第1駆動部96aおよび第2駆動部96b(以下、特に区別しない場合は「駆動部96」と呼ぶこともある)は、それぞれ左側振動子87aおよび右側振動子87bに供給する電圧のデューティ比を可変とするPWM制御部として構成されてよい。この場合、左側振動子87a用の制御信号は、左側振動子87aに供給する電圧のデューティ比を定め、右側振動子87b用の制御信号は、右側振動子87bに供給する電圧のデューティ比を定める。駆動部96が振動子87に供給する電圧のデューティ比が高いと、振動子87が振動する強度は高くなり、一方、供給電圧のデューティ比が低いと、振動子87が振動する強度は低くなるため、情報処理装置10は、供給電圧のデューティ比を調整することで、振動子87を所望の振動強度で振動させることができる。
【0026】
左側アクチュエータ88aは、L2ボタン83aに連結され、右側アクチュエータ88bは、R2ボタン83bに連結される。左側アクチュエータ88aおよび右側アクチュエータ88b(以下、特に区別しない場合には「アクチュエータ88」と呼ぶこともある)は、それぞれL2ボタン83aおよびR2ボタン83bを押し込むユーザの指に抵抗を付与する。アクチュエータ88は、L2ボタン83aおよびR2ボタン83bの押し込み力に対抗する抵抗力を付与する構造を有する。
【0027】
無線通信モジュール86は情報処理装置10から、左側アクチュエータ88a用の制御信号と右側アクチュエータ88b用の制御信号を受信すると、制御部91に供給し、制御部91は、左側アクチュエータ88a用の制御信号をもとに第3駆動部97aを制御し、右側アクチュエータ88b用の制御信号をもとに第4駆動部97bを制御する。第3駆動部97aおよび第4駆動部97b(以下、特に区別しない場合は「駆動部97」と呼ぶこともある)は、それぞれ左側アクチュエータ88aおよび右側アクチュエータ88bに供給する電圧のデューティ比を可変とするPWM制御部として構成されてよい。この場合、左側アクチュエータ88a用の制御信号は、左側アクチュエータ88aに供給する電圧のデューティ比を定め、右側アクチュエータ88b用の制御信号は、右側アクチュエータ88bに供給する電圧のデューティ比を定める。駆動部97がアクチュエータ88に供給する電圧のデューティ比が高いと、アクチュエータ88が生成する抵抗力は強くなり、一方、供給電圧のデューティ比が低いと、アクチュエータ88が生成する抵抗力は弱くなるため、情報処理装置10は、供給電圧のデューティ比を調整することで、アクチュエータ88に所望の抵抗力を発生させることができる。
【0028】
図5は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0029】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。これらの機能はシステムオンチップとして構成されて、1つのチップ上に形成されてよい。メインCPUは補助記憶装置2またはROM媒体44に記録されたゲームプログラムを実行する機能をもつ。
【0030】
サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えず、ゲームプログラムを実行する機能をもたない。サブCPUの回路ゲート数は、メインCPUの回路ゲート数よりも少なく、サブCPUの動作消費電力は、メインCPUの動作消費電力よりも少ない。サブCPUは、メインCPUがスタンバイ状態にある間においても動作し、消費電力を低く抑えるべく、その処理機能を制限されている。
【0031】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。
【0032】
システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。メイン電源がオフ状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オン指示」として取得し、一方で、メイン電源がオン状態にあるときにメイン電源ボタン20が押下されると、システムコントローラ24は、その押下操作を「オフ指示」として取得する。
【0033】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0034】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアであってよい。
【0035】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、AP8を介して外部のネットワークに接続する。
【0036】
図6は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100、通信部102および設定記憶部160を備え、処理部100は、受付部110、メニュー画像生成部120、駆動制御部130、実行部140、表示制御部142および設定部150を備える。メニュー画像生成部120は、配置部122およびフォーカス制御部124を有し、設定部150は、ゲーム振動設定部152およびUI振動設定部154を有する。設定記憶部160は、メモリまたはストレージであって、フラッシュメモリ36や補助記憶装置2などに構成されてよい。
【0037】
図6に示す情報処理装置10はコンピュータを備え、コンピュータがプログラムを実行することによって、
図6に示す様々な機能が実現される。コンピュータは、プログラムをロードするメモリ、ロードされたプログラムを実行する1つ以上のプロセッサ、補助記憶装置、その他のLSIなどをハードウェアとして備える。プロセッサは、半導体集積回路やLSIを含む複数の電子回路により構成され、複数の電子回路は、1つのチップ上に搭載されてよく、または複数のチップ上に搭載されてもよい。
図6に示す機能ブロックは、ハードウェアとソフトウェアとの連携によって実現され、したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
通信部102は、
図5に示す無線通信モジュール38および有線通信モジュール40の機能を併せ持つ構成として表現される。通信部102は、入力装置6の入力部をユーザが操作した操作情報を受信し、受付部110は、通信部102が受信した操作情報を受け付ける。
【0039】
メニュー画像生成部120は、複数の表示要素を含むメニュー画像を生成する機能をもつ。実施例において、メニュー画像に含まれる表示要素は、ゲームのアイコンや、ゲーム以外のアプリケーションのアイコンなどのGUI要素であってよい。ユーザがメニュー画面に含まれる表示要素を選択し、選択した表示要素に対して決定操作を行うと、実行部140が、選択されたアイコンに対応付けられた機能を実行する。たとえばゲームのアイコンが選択されて、決定操作が行われると、実行部140は、選択されたアイコンに対応付けられたゲームプログラムを実行して、ゲーム画像およびゲーム音声を生成する。表示制御部142は、実行部140により生成されるゲーム画像を出力装置4から表示させる。
【0040】
メニュー画像生成部120において、配置部122は、画面を構成する2次元座標上に複数のアイコンを配置して、メニュー画像を生成する。配置部122は、様々なユーザ操作を契機としてメニュー画像を生成してよいが、たとえばメイン電源ボタン20がオン操作されて、情報処理装置10が起動されるときに、配置部122がメニュー画像を生成し、表示制御部142が、メニュー画面を出力装置4に表示してよい。
【0041】
図7は、出力装置4に表示されるメニュー画面の例を示す。
図7に示されるメニュー画面は、情報処理装置10が起動されたときに出力装置4に表示されるユーザインタフェース画面であってよい。配置部122は、複数のアイコン200a、200b、200c、200d、200e、200f、200g、200h、200i、200j、200k、200l、200m、200n、200o、200p、200q、200r、200s、200t(以下、特に区別しない場合には「アイコン200」と呼ぶ)を配置したメニュー画像を生成する。配置部122は、所定のレイアウト(フォーマット)にしたがって複数のアイコン200を配置してよい。実施例では配置部122が、機能を対応付けられたGUI部品(GUI要素)であるアイコン200を配置するが、他の種類の表示要素を配置してもよい。
【0042】
フォーカス制御部124は、選択された状態にあるアイコン200に、フォーカス202を付与する。フォーカス202は、アイコン200が選択された状態にあることをユーザに提示するための表示要素であってよく、フォーカス制御部124は、選択されたアイコン200を、選択されていないアイコン200とは異なる表示様態で表示する。
図7に示すメニュー画面では、画面の略中央付近に配置されたアイコン200hが選択された状態にあり、フォーカス制御部124は、選択されていることを示すフォーカス202を、アイコン200hの周囲に配置する。ユーザは、フォーカス202を付与されたアイコンを確認することで、アイコン200hが選択されていることを認識できる。
【0043】
この例でフォーカス202は、アイコン200を囲む枠の表示要素である。なお枠以外にも、フォーカス制御部124は、選択された状態にあるアイコン200hを、標準のサイズよりも大きく表示したり、またアイコン200h自体を点滅させるなどして、アイコン200hが選択されている状態にあることをユーザが認識できるようにしてもよい。実施例では、アイコン200h自体の表示態様を通常の表示態様から変更することも、フォーカスを付与する、と呼ぶ。
【0044】
ユーザが操作する入力装置6には、方向キー70および/またはアナログスティックなどの方向を入力するための方向操作子が備えられている。実施例でユーザは、入力装置6の方向操作子を操作して、フォーカス202を所望のアイコン200まで移動させる。
【0045】
メニュー画面が出力装置4に表示された状態で、ユーザが入力装置6の方向操作子を操作すると、受付部110が、入力装置6から送信される方向入力を、アイコン200を選択する操作として受け付ける。フォーカス制御部124は、受け付けた方向入力にもとづいてフォーカス202を移動させる。このとき駆動制御部130は、フォーカス202の移動に応じて、入力装置6における左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させる。
【0046】
具体的に駆動制御部130は、左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。たとえば駆動制御部130は、左側振動子87aおよび右側振動子87bの双方を、同じ振動強度で振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信してよい。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号および右側振動子87b用の制御信号を受け取ると、第1駆動部96aおよび第2駆動部96bを制御して、左側振動子87aおよび右側振動子87bを同じ振動強度で振動させる。左側把持部80aおよび右側把持部80bが振動することで、ユーザは、フォーカス202が移動したことを認識できる。
【0047】
図8は、フォーカス202が移動したメニュー画面の例を示す。
図8に示されるメニュー画面では、フォーカス202が、アイコン200iの周囲に配置されている。
図7に示すメニュー画面の表示中、受付部110が右キー70bの操作を受け付けると、フォーカス制御部124は、右キー70bの操作により選択されるアイコン200iを特定する。
【0048】
複数のアイコン200は、配置部122により所定のレイアウトにしたがって配置されており、アイコン200が配置される各位置には、方向キーを操作されたときのフォーカス202の移動先が定義されている。たとえばアイコン200hが配置されている位置には、上キー70aの操作によりフォーカス202がアイコン200cの位置に移動すること、右キー70bの操作によりフォーカス202がアイコン200iの位置に移動すること、下キー70cの操作によりフォーカス202がアイコン200mの位置に移動すること、左キー70dの操作によりフォーカス202がアイコン200gの位置に移動することが定義されている。
【0049】
以上は、方向操作子が上下左右の方向キー70であるときの移動先の定義情報の説明であるが、方向操作子がアナログスティックである場合、フォーカス202の移動先は、アナログスティックを傾ける方向の角度範囲で定義されてよい。
【0050】
フォーカス制御部124は、移動先の定義情報にしたがって、フォーカス202の移動先となる位置を特定する。
図7に示されるメニュー画面の表示中に、受付部110が右キー70bの操作を受け付けると、フォーカス制御部124は、右キー70bの操作により選択されることになるアイコン200iを特定し、フォーカス202をアイコン200iの周囲に配置する。
【0051】
実施例において駆動制御部130は、フォーカス202の移動方向に応じて、左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させてよい。
図9は、フォーカス202の移動方向と、振動子の振動態様の例を示す。駆動制御部130は、フォーカス202が画面の左方向に移動する場合、左側振動子87aを振動させ、フォーカス202が画面の右方向に移動する場合、右側振動子87bを振動させてよい。したがって
図7に示すメニュー画面において、フォーカス202がアイコン200hからアイコン200gに左移動すると、駆動制御部130は、左側振動子87aを振動させる制御信号を生成し、フォーカス202がアイコン200hからアイコン200iに右移動すると、駆動制御部130は、右側振動子87bを振動させる制御信号を生成する。
【0052】
また駆動制御部130は、フォーカス202が画面の上方向に移動する場合、左側振動子87aおよび右側振動子87bを第1振動強度で振動させ、フォーカス202が画面の下方向に移動する場合、左側振動子87aおよび右側振動子87bを第1振動強度とは異なる第2振動強度で振動させる。第2振動強度は、第1振動強度より低く設定されてよい。
【0053】
以下、説明の便宜上、振動強度を0から100の間で定義する。振動強度0は、振動子87が振動しない状態を示し、振動強度100は、振動子87の最大の振動強度を示す。強度(Ia、Ib)と表現したとき、Iaは左側振動子87aの振動強度を、Ibは右側振動子87bの振動強度を表現し、たとえば強度(30,70)は、左側振動子87aの振動強度が30、右側振動子87bの振動強度が70であることを示す。
【0054】
フォーカス202が画面の左方向に移動する場合、駆動制御部130は、強度(50,0)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aを振動強度50で振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。このとき駆動制御部130は、右側振動子87bを振動させる制御信号を生成しない。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号を受け取ると、第1駆動部96aを制御して、左側振動子87aを振動強度50で振動させる。ユーザは、左側把持部80aが振動することで、フォーカス202が左移動したことを認識できる。
【0055】
フォーカス202が画面の右方向に移動する場合、駆動制御部130は、強度(0,50)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、右側振動子87bを振動強度50で振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。このとき駆動制御部130は、左側振動子87aを振動させる制御信号を生成しない。入力装置6において制御部91が、右側振動子87b用の制御信号を受け取ると、第2駆動部96bを制御して、右側振動子87bを振動強度50で振動させる。ユーザは、右側把持部80bが振動することで、フォーカス202が右移動したことを認識できる。
【0056】
フォーカス202が画面の上方向に移動する場合、駆動制御部130は、強度(80,80)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動強度80で振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号および右側振動子87b用の制御信号を受け取ると、第1駆動部96aおよび第2駆動部96bを制御して、左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動強度80で振動させる。ユーザは、左側把持部80aおよび右側把持部80bが強く振動することで、フォーカス202が上移動したことを認識できる。
【0057】
フォーカス202が画面の下方向に移動する場合、駆動制御部130は、強度(20,20)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動強度20で振動させる制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号および右側振動子87b用の制御信号を受け取ると、第1駆動部96aおよび第2駆動部96bを制御して、左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動強度20で振動させる。ユーザは、左側把持部80aおよび右側把持部80bが弱く振動することで、フォーカス202が下移動したことを認識できる。
【0058】
以上の実施例では、駆動制御部130が、フォーカス202の移動方向に応じて振動子87を振動させているが、駆動制御部130は、フォーカス202が移動する位置(フォーカス202の移動先)に応じて振動子87を振動させてもよい。
【0059】
具体的に駆動制御部130は、フォーカス202が移動する位置に応じた第1振動強度で左側振動子87aを振動させ、当該位置に応じた第2振動強度で右側振動子87bを振動させる。駆動制御部130は、フォーカス202が画面の左方向に移動するほど、左側振動子87aの第1振動強度を高く、右側振動子87bの第2振動強度を低く設定する。また駆動制御部130は、フォーカス202が画面の右方向に移動するほど、右側振動子87bの第2振動強度を高く、左側振動子87aの第1振動強度を低く設定する。このように振動強度を制御することで、フォーカス202が画面の左方向に行くほど、左側振動子87aの振動がより強く、右側振動子87bの振動がより弱くなり、逆に、フォーカス202が画面の右方向に行くほど、右側振動子87bの振動がより強く、左側振動子87aの振動がより弱くなる。したがってユーザは、フォーカス202の左右方向の移動および位置を認識できる。
【0060】
また駆動制御部130は、フォーカス202が画面の上方向に移動するほど、左側振動子87aの第1振動強度および右側振動子87bの第2振動強度を高く設定し、フォーカス202が画面の下方向に移動するほど、左側振動子87aの第1振動強度および右側振動子87bの第2振動強度を低く設定する。このように振動強度を制御することで、フォーカス202が画面の上方向に行くほど、左側振動子87aの振動および右側振動子87bの振動がより強くなり、逆に、フォーカス202が画面の下方向に行くほど、左側振動子87aの振動および右側振動子87bの振動がより弱くなる。したがってユーザは、フォーカス202の上下方向の移動および位置を認識できる。
【0061】
図10は、左右の振動子87の振動強度の例を示す。
図10において、各アイコン200に示している“Ia”は、左側振動子87aの振動強度を、“Ib”は、右側振動子87bの振動強度を表現している。このメニュー画面では、フォーカス202が、アイコン200hの周囲に配置されている。以下、この状態から、方向キー70が操作されるときの振動子87の振動について説明する。
【0062】
入力装置6の左キー70dが操作されて、フォーカス202がアイコン200gに移動すると、駆動制御部130は、強度(45,22.5)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aを振動強度45で振動させる制御信号と、右側振動子87bを振動強度22.5で振動させる制御信号とを生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号にもとづいて第1駆動部96aを制御して、左側振動子87aを振動強度45で振動させ、右側振動子87b用の制御信号にもとづいて第2駆動部96bを制御して、右側振動子87bを振動強度22.5で振動させる。左側把持部80aおよび右側把持部80bがそれぞれの強度で振動することで、ユーザは、フォーカス202がアイコン200gに移動したことを認識できる。
【0063】
入力装置6の右キー70bが操作されて、フォーカス202がアイコン200iに移動すると、駆動制御部130は、強度(22.5,45)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aを振動強度22.5で振動させる制御信号と、右側振動子87bを振動強度45で振動させる制御信号とを生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号にもとづいて第1駆動部96aを制御して、左側振動子87aを振動強度22.5で振動させ、右側振動子87b用の制御信号にもとづいて第2駆動部96bを制御して、右側振動子87bを振動強度45で振動させる。左側把持部80aおよび右側把持部80bがそれぞれの強度で振動することで、ユーザは、フォーカス202がアイコン200iに移動したことを認識できる。
【0064】
入力装置6の上キー70aが操作されて、フォーカス202がアイコン200cに移動すると、駆動制御部130は、強度(40,40)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aを振動強度40で振動させる制御信号と、右側振動子87bを振動強度40で振動させる制御信号とを生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号にもとづいて第1駆動部96aを制御して、左側振動子87aを振動強度40で振動させ、右側振動子87b用の制御信号にもとづいて第2駆動部96bを制御して、右側振動子87bを振動強度40で振動させる。左側把持部80aおよび右側把持部80bがそれぞれの強度で振動することで、ユーザは、フォーカス202がアイコン200cに移動したことを認識できる。
【0065】
入力装置6の下キー70cが操作されて、フォーカス202がアイコン200mに移動すると、駆動制御部130は、強度(20,20)とする制御信号を生成して、通信部102から入力装置6に送信する。つまり駆動制御部130は、左側振動子87aを振動強度20で振動させる制御信号と、右側振動子87bを振動強度20で振動させる制御信号とを生成して、通信部102から入力装置6に送信する。入力装置6において制御部91が、左側振動子87a用の制御信号にもとづいて第1駆動部96aを制御して、左側振動子87aを振動強度20で振動させ、右側振動子87b用の制御信号にもとづいて第2駆動部96bを制御して、右側振動子87bを振動強度20で振動させる。左側把持部80aおよび右側把持部80bがそれぞれの強度で振動することで、ユーザは、フォーカス202がアイコン200mに移動したことを認識できる。
【0066】
駆動制御部130は、フォーカス202が別のアイコン200に移動したときに、振動子87を所定時間(たとえば0.5秒間)だけ振動させてよい。なおフォーカス202が、アイコン200の配列の端まで移動して、方向キー70が操作されても、それ以上の移動ができないとき、駆動制御部130は、所定の高い強度で振動子87を振動させて、ユーザに、それ以上の移動ができないことを知らせてよい。たとえば、駆動制御部130は、強度(100,100)とする制御信号を生成して、これ以上の移動ができないことをユーザに知らせてもよい。
【0067】
図11は、ユーザに提供されるユーザインタフェース(UI)画面の別の例を示す。この例で表示制御部142は、スピーカの音量を調整するためのUI画面を出力装置4に表示している。UI画面には、バー204が表示されており、フォーカス制御部124は、バー204上に、バー204における選択された位置(ボリューム)を示すフォーカス206を配置する。フォーカス206はスライダであって、ユーザは、フォーカス206をバー204上で動かすことにより、スピーカの音量を調整する。
【0068】
駆動制御部130は、フォーカス206の移動方向および/または位置に応じて、左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させてよい。
たとえば駆動制御部130は、フォーカス206がバー204上を左方向に移動する場合、左側振動子87aを振動させ、フォーカス206がバー204上を右方向に移動する場合、右側振動子87bを振動させてよい。
【0069】
また駆動制御部130は、フォーカス206が選択するボリューム(音量)の大きさに応じて、左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動させてよい。たとえばボリュームの大きさが20%のとき、駆動制御部130は、強度(20,20)とする制御信号を生成し、ボリュームの大きさが70%のとき、駆動制御部130は、強度(70,70)とする制御信号を生成してよい。この場合、ユーザは、左側把持部80aおよび右側把持部80bの振動の大きさから、選択されているボリュームの大きさを認識できる。
【0070】
また駆動制御部130は、別の基準で左側振動子87aおよび右側振動子87bを振動させてよい。たとえばボリュームの大きさが20%のとき、駆動制御部130は、強度(80,20)とする制御信号を生成し、ボリュームの大きさが70%のとき、駆動制御部130は、強度(30,70)とする制御信号を生成してよい。この場合、ユーザは、左側把持部80aおよび右側把持部80bの振動の大きさの差から、選択されているボリュームの大きさを認識できる。
【0071】
以上、ユーザが操作するユーザインタフェース画面として、メニュー画面や、音量調整画面を示したが、ソフトウェアキーボードを表示するスクリーンキーボード画面においても、駆動制御部130が、フォーカス206の移動および/または位置に応じて、左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させてよい。
【0072】
なお駆動制御部130は、ユーザインタフェース画面ごとに、フォーカスを移動するときの振動子87の振動強度を設定してよい。具体的に駆動制御部130は、ユーザインタフェース画面ごとに、フォーカスを移動するときの振動子の振動強度の最大値を異ならせてよい。たとえば駆動制御部130は、スクリーンキーボード画面における振動子87の振動強度の最大値を、メニュー画面における振動子87の振動強度の最大値より低く設定してよい。スクリーンキーボード画面においては、メニュー画面よりも、フォーカスが移動する頻度が高いことが想定されるため、振動強度を相対的に低く設定することで、ユーザの手に過剰な触覚刺激を付加しないようにしてよい。
【0073】
上記したように、
図7に示すメニュー画面において、ゲームのアイコン200にフォーカス202が付与された状態で入力装置6の決定ボタンが操作されると、実行部140は、選択されたアイコンに対応付けられたゲームプログラムを実行して、ゲーム画像およびゲーム音声を生成し、表示制御部142は、ゲーム画像およびゲーム音声を出力装置4から出力させる。
【0074】
図12は、出力装置4に表示されるゲーム画面の例を示す。ユーザは、ゲーム画面を見ながら入力装置6を操作して、ゲームを進行させる。
【0075】
図13は、ゲーム画面に重畳表示される通知メッセージ210の例を示す。ユーザのゲームプレイ中、通信部102が外部ネットワークに接続されたサーバからメッセージを受信すると、表示制御部142は、ゲーム画面に、通知メッセージ210を重畳表示する。通知メッセージ210が重畳表示される際、駆動制御部130は、左側振動子87aおよび/または右側振動子87bを振動させて、ユーザに通知メッセージ210が届いたことを知らせてもよい。
【0076】
以上のように情報処理装置10は、ユーザインタフェースの表示に関して、入力装置6の振動子87を振動させる機能を備える。実施例において振動子87は、ゲームプレイにおけるフィードバックをユーザに提供することを目的として設けられているため、ユーザインタフェースに関する振動機能は、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを前提として、利用することが可能となる。以下、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にする手順を説明する。
【0077】
図14は、アクセシビリティの設定画面の例を示す。受付部110が、ユーザからアクセシビリティ設定画面の表示要求を受け付けると、表示制御部142は、アクセシビリティの設定画面を出力装置4に表示する。この設定画面の左側には、「表示」、「音声読み上げ」、「コントローラ」、「クローズドキャプション」、「ボイストランスクリプション」の項目が表示されており、選択枠220が「コントローラ」の項目に配置されて、右側の表示領域に、コントローラのアクセシビリティに関する項目が表示されている。設定記憶部160は、コントローラのアクセシビリティに関する設定内容を保持(記憶)している。
【0078】
設定記憶部160は、ボタン割り当てをカスタマイズした設定内容、ボタンの長押し時間の設定内容、ゲームプレイに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報、トリガーエフェクト機能が有効または無効であることを示す情報、UIに関する振動機能が有効または無効であることを示す情報を保持する。この例で設定記憶部160は、ゲームプレイに関する振動機能が有効であって、且つ振動の強さが「強」であることを示す情報、トリガーエフェクト機能が有効であって、且つエフェクトの強さが「強」であることを示す情報、および、UIに関する振動機能が無効であることを示す情報を保持している。
【0079】
「UIに関する振動機能」がオフに設定されているため、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にしたいユーザは、入力装置6を操作して、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするための入力を行う。
図15は、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効設定する画面の例を示す。ユーザが選択枠220を「UIに関する振動機能」に配置すると、表示制御部142は、ユーザインタフェースに関する振動機能をオンまたはオフするための選択肢を提示する。ここでユーザが入力装置6を操作して選択枠220を「オン」に動かし、決定ボタンを操作すると、受付部110が、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付ける。このときUI振動設定部154は、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が設定記憶部160に保持されていることを条件として、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にする。
【0080】
ここで
図15に示す設定状態において、ゲームプレイに関する振動機能はオンに設定されており、したがって設定記憶部160には、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が保持されている。そこでUI振動設定部154は、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効に設定し、設定記憶部160に、ユーザインタフェースに関する振動機能が有効であることを示す情報を記憶する。このようにユーザインタフェースに関する振動機能が有効とされることで、駆動制御部130は、ユーザインタフェースの表示時に、振動子87を振動させることが可能となる。
【0081】
図16は、アクセシビリティの設定画面の別の例を示す。
図14に示す設定画面と比べると、
図16に示す設定画面では、ゲームプレイに関する振動機能がオフに設定されており、つまり設定記憶部160には、ゲームプレイに関する振動機能が無効であることを示す情報が保持されている。この状態で、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にしたいユーザは、入力装置6を操作して、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするための入力を行う。
【0082】
図17は、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効設定する画面の例を示す。ユーザが選択枠220を「UIに関する振動機能」に配置すると、表示制御部142は、ユーザインタフェースに関する振動機能をオンまたはオフするための選択肢を提示する。ここでユーザが入力装置6を操作して選択枠220を「オン」に動かし、決定ボタンを操作すると、受付部110が、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためのユーザ操作を受け付ける。上記したように、UI振動設定部154は、ゲームプレイに関する振動機能が有効であることを示す情報が設定記憶部160に保持されていることを条件として、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にできる。
【0083】
ここで
図17に示す設定状態において、ゲームプレイに関する振動機能はオフに設定されており、したがって設定記憶部160には、ゲームプレイに関する振動機能が無効であることを示す情報が保持されている。UI振動設定部154は、ゲームプレイに関する振動機能が無効であることを示す情報が設定記憶部160に保持されている場合、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にしない。つまりUI振動設定部154は、設定記憶部160に保持されているユーザインタフェースに関する振動機能が無効であることを示す情報を、変更しない。
【0084】
このときUI振動設定部154は、ゲームプレイに関する振動機能を有効にするためのダイアログを生成してよい。
図18は、設定画面に重畳表示されるダイアログ230の例を示す。ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にするためには、ゲームプレイに関する振動機能が有効である必要があるため、UI振動設定部154は、ユーザに対して、ゲームプレイに関する振動機能を有効にするためのダイアログ230を生成し、表示制御部142が、設定画面にダイアログ230を重畳表示する。
【0085】
ユーザがダイアログ230のOKボタンを操作すると、ゲーム振動設定部152は、ゲームプレイに関する振動機能を有効にする。具体的にゲーム振動設定部152は、ゲームプレイに関する振動機能が有効であって、且つ振動の強さが「強」であることを示す情報を、設定記憶部160に記憶する。このようにゲーム振動設定部152がゲームプレイに関する振動機能を有効にした後、UI振動設定部154は、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にしてよい。
【0086】
図19は、ユーザインタフェースに関する振動機能が有効となっている設定画面の例を示す。このように、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にすることで、駆動制御部130は、ユーザインタフェースの表示中に、振動子87を振動させることが可能となる。
【0087】
なおユーザインタフェースに関する振動機能が有効になっている場合に、UI振動設定部154は、ユーザ操作にもとづいて、一部のユーザインタフェースに関する振動機能を無効にしてもよい。たとえばゲームプレイ中、通知メッセージ210がゲーム画面に重畳表示されるが(
図13参照)、このとき駆動制御部130が、振動子87を振動させると、ユーザは、ゲームからのフィードバックと勘違いする可能性がある。そこでユーザは、通知メッセージ210の表示の際には、振動機能を無効とする設定を行ってもよい。なおユーザは、通知メッセージの表示時に限らず、たとえばスクリーンキーボード画面において振動機能を無効としてもよい。このようにユーザが、ユーザインタフェースに関する振動機能を有効にした場合には、振動が不要な状況を任意に選択して、選択した状況において振動機能を無効にできることが好ましい。
【0088】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例では、入力装置6が振動子87を備えているが、入力機能をもたない他の種類の電子機器が振動子87を備えてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1・・・情報処理システム、4・・・出力装置、6・・・入力装置、10・・・情報処理装置、80a・・・左側把持部、80b・・・右側把持部、87a・・・左側振動子、87b・・・右側振動子、96a・・・第1駆動部、96b・・・第2駆動部、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・受付部、120・・・メニュー画像生成部、122・・・配置部、124・・・フォーカス制御部、130・・・駆動制御部、140・・・実行部、142・・・表示制御部、150・・・設定部、152・・・ゲーム振動設定部、154・・・UI振動設定部、160・・・設定記憶部。