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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104973
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】駆動伝達装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240730BHJP
【FI】
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009445
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】川崎 涼裕
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171FA04
2H171GA03
2H171GA12
2H171KA04
2H171KA08
2H171LA04
2H171LA11
2H171QA03
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
(57)【要約】
【課題】ハウジングの剛性を確保しつつ、組み付け性を向上させる。
【解決手段】ハウジング43は、ベルト部材の駆動回転体に巻き掛けられる部分が収容されるベルト収容部430からベルト部材を外側へ露出させる開口部43aを有し、駆動回転体の回転軸とは直交する面上においてベルト収容部430の内面43eに接触する内接円Cの周長は、ベルト部材の周長よりも短く、駆動回転体の回転軸とは直交する面上における開口部43aの幅Wは、内接円Cの直径D以下であり、開口部43aは、その縁全周に渡ってハウジング43により閉じられている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源の駆動力を駆動対象部材へ伝達する駆動伝達装置であって、
前記駆動源により駆動される駆動回転体と、
前記駆動回転体と従動回転体とに掛け渡されて前記駆動回転体から前記駆動対象部材へ駆動力を伝達するベルト部材と、
前記駆動回転体を収容するハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記ベルト部材の前記駆動回転体に巻き掛けられる部分が収容されるベルト収容部から前記ベルト部材を外側へ露出させる開口部を有し、
前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記ベルト収容部の内面に接触する内接円の周長は、前記ベルト部材の周長よりも短く、
前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上における前記開口部の幅は、前記内接円の直径以下であり、
前記開口部は、その縁全周に渡って前記ハウジングにより閉じられていることを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項2】
前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記内接円の中心と前記開口部の両端とを通る二直線間の開口部側の角度が、180°以下に設定される請求項1に記載の駆動伝達装置。
【請求項3】
前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記開口部の両端が、曲率半径0.3mm以下の縁により構成される請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。
【請求項4】
前記ベルト部材の重心位置が、前記開口部よりも前記ハウジングの外側にある請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。
【請求項5】
前記ハウジングと前記駆動回転体との間の隙間が、前記ベルト部材の厚さ以下に設定される請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。
【請求項6】
前記ハウジングが、前記駆動対象部材とは別の駆動対象部材に対して駆動力を伝達する駆動軸を支持する請求項1又は2に記載の駆動伝達装置。
【請求項7】
請求項1又は2の駆動伝達装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動伝達装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタなどの画像形成装置に搭載される駆動伝達装置として、無端状のベルト部材を備えるものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1(特許第6387943号公報)においては、ベルト部材が巻き掛けられる駆動回転体(プーリ)をハウジング(カバー部)内に収容した駆動伝達装置の構成が記載されている。このようなハウジングを備える駆動伝達装置においては、ベルト部材をハウジングの外側(駆動対象部材側)へ露出させるための開口部が設けられている。
【0004】
ここで、ベルト部材をハウジング内に押し込んで組み付けるにあたって、組み付け作業を行いやすくするには、ハウジングの開口部を大きく形成したり、開口する方向を多くしたりすることが好ましい。開口部を大きくしたり、開口する方向を多くしたりすると、開口部を通してベルト部材をハウジング内に押し込む作業が行いやすくなる。
【0005】
しかしながら一方で、開口部を大きくしたり、開口する方向を多くしたりすると、ハウジングの剛性が低下するといった課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明においては、ハウジングの剛性を確保しつつ、組み付け性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、駆動源の駆動力を駆動対象部材へ伝達する駆動伝達装置であって、前記駆動源により駆動される駆動回転体と、前記駆動回転体と従動回転体とに掛け渡されて前記駆動回転体から前記駆動対象部材へ駆動力を伝達するベルト部材と、前記駆動回転体を収容するハウジングを備え、前記ハウジングは、前記ベルト部材の前記駆動回転体に巻き掛けられる部分が収容されるベルト収容部から前記ベルト部材を外側へ露出させる開口部を有し、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記ベルト収容部の内面に接触する内接円の周長は、前記ベルト部材の周長よりも短く、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上における前記開口部の幅は、前記内接円の直径以下であり、前記開口部は、その縁全周に渡って前記ハウジングにより閉じられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハウジングの剛性を確保しつつ、組み付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】本実施形態に係るベルトクリーニング装置の概略構成図である。
図3】本実施形態に係る駆動装置の平面図である。
図4】本実施形態に係る駆動装置の斜視図である。
図5】本実施形態に係る駆動装置の分解斜視図である。
図6】ハウジングがブラケットに対して組み付けられた状態を、ハウジング側から見た図である。
図7】ハウジング内にベルト部材の一部が押し込まれた状態を示す断面図である。
図8】ハウジングのベルト収容部の断面図である。
図9】開口部の幅の下限値を示す図である。
図10】本発明の他の実施形態の構成を示すベルト収容部の断面図である。
図11】本発明の別の実施形態の構成を示すベルト収容部の断面図である。
図12】本発明のさらに別の実施形態の構成を示すベルト収容部の断面図である。
図13】ハウジング内にベルト部材が押し込まれた状態を横方向から見た断面図である。
図14】ハウジングと駆動プーリとの間の隙間を示す断面図である。
図15】ハウジングと駆動プーリとの間の他の隙間を示す断面図である。
図16】本発明とは異なるベルト収容部の断面図である。
図17】本発明とは異なる他のベルト収容部の断面図である。
図18】比較例の構成を示すハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
【0012】
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部200と、記録媒体に画像を定着させる定着部300と、記録媒体を画像形成部200へ供給する記録媒体供給部400と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部500を備えている。
【0013】
画像形成部200には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが備える感光体2に静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
【0014】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面を清掃する感光体クリーニング装置5を備えている。
【0015】
転写装置8は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。また、転写装置8は、中間転写ベルト11の表面を清掃するベルトクリーニング装置10を備えている。
【0016】
定着部300においては、定着装置20が設けられている。定着装置20は、ヒータなどの加熱源により加熱される定着回転体21と、定着回転体21に対して加圧されて定着ニップを形成する加圧回転体22を備えている。
【0017】
記録媒体供給部400には、記録媒体としての用紙Pを収容するシート収容部としての給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
【0018】
記録媒体排出部500には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18が設けられている。
【0019】
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
【0020】
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置8の中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触することにより静止し、用紙Pに転写される画像が形成されるまで用紙Pの搬送が一旦停止される。
【0021】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電装置3によって、感光体2の表面を均一な高電位に帯電させる。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)に露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。
【0022】
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、トナー画像が中間転写ベルト11へ転写された後、各感光体2上に残留するトナーは、各感光体クリーニング装置5によって除去される。
【0023】
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。また、用紙Pへ転写しきれなかった中間転写ベルト11上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置10によって除去される。
【0024】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置20へと搬送される。定着装置20においては、用紙Pが定着回転体21と加圧回転体22との間の定着ニップへ進入することにより、用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧され、トナー画像が用紙Pに定着される。
【0025】
その後、用紙Pは、記録媒体排出部500へ搬送され、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。これにより、一連の印刷動作が終了する。
【0026】
続いて、図2に基づき、本実施形態に係るベルトクリーニング装置の概略構成及び基本動作について説明する。
【0027】
図2に示されるように、本実施形態に係るベルトクリーニング装置10は、クリーニングブラシローラ31と、回収ローラ32と、掻き取りブレード33と、搬送スクリュー34を備えている。
【0028】
クリーニングブラシローラ31は、中間転写ベルト11の表面に付着する残留トナー及びその他の異物などの付着物を中間転写ベルト11から除去するクリーニング部材である。クリーニングブラシローラ31は、中間転写ベルト11のトナー画像担持面である外周面に接触するように配置されている。また、クリーニングブラシローラ31が接触する箇所の中間転写ベルト11の内周面には、クリーニング対向ローラ19が接触するように配置されている。クリーニングブラシローラ31は、回転可能に支持される金属製の回転軸31aと、その回転軸31aの外周面に設けられる複数の起毛から成るブラシ部31bを有している。起毛は、例えば、内部が導電性カーボンなどの導電性材料から成り、表面部がポリエステルなどの絶縁性材料から成る二層構造の芯鞘構造となっている。クリーニングブラシローラ31の回転軸31aには、所定の電圧が印加される。これにより、クリーニングブラシローラ31が中間転写ベルト11上の残留トナーとは逆極性に帯電するため、残留トナーがクリーニングブラシローラ31へ静電的に吸着される。
【0029】
回収ローラ32は、クリーニングブラシローラ31に接触しながら回転し、クリーニングブラシローラ31から残留トナーを回収する回収部材である。本実施形態においては、回収ローラ32に対して所定の電圧が印加されることにより、クリーニングブラシローラ31上の残留トナーが回収ローラ32へ静電的に転移される。回収ローラ32としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)製のローラなどが用いられる。
【0030】
掻き取りブレード33は、回収ローラ32に接触して、回収ローラ32の表面から残留トナーを掻き取る掻き取り部材である。掻き取りブレード33は、例えば、厚さ0.1[mm]程度のSUS(ステンレス鋼)製の弾性体、あるいは厚さ1.5[mm]~3[mm]程度のウレタンゴム製の弾性体などにより構成される。
【0031】
搬送スクリュー34は、掻き取りブレード33によって掻き取られた残留トナーを廃トナー貯留部などへ搬送する搬送部材である。搬送スクリュー34は、回転することによって軸方向(図2における紙面直交方向)へ残留トナーを搬送する。
【0032】
図3は、上記ベルトクリーニング装置10を駆動させる駆動装置の平面図である。
【0033】
図3に示されるように、駆動装置9は、駆動源であるモータ7と、モータ7の駆動力をベルトクリーニング装置10の駆動対象部材へ伝達する駆動伝達装置40と、転写装置のフレームあるいは画像形成装置本体などの本体部品に取り付けられる取付部材としてのブラケット50を備えている。
【0034】
図4は、本実施形態に係る駆動装置9の斜視図、図5は、その駆動装置9の分解斜視図である。
【0035】
図4及び図5に示されるように、駆動装置9が備えるモータ7及び駆動伝達装置40は、ブラケット50を介して組み付けられる。ブラケット50には上記本体部品に固定される複数の突片部50aが設けられており、これら突片部50aがねじなどによって本体部品に固定されることにより、駆動装置9が転写装置又は画像形成装置本体に取り付けられる。また、ブラケット50を本体部品から取り外すことにより、駆動対象部材を本体部品に残したまま駆動装置9を取り外すことができる。
【0036】
駆動伝達装置40は、無端状のベルト部材41と、ベルト部材41が巻き掛けられる駆動プーリ42と、ベルト部材41の一部及び駆動プーリ42を収容するハウジング43を備えている。
【0037】
駆動プーリ42は、モータ7により回転駆動される駆動回転体である。駆動プーリ42には、モータ7の回転軸7aと噛み合う第一ギア部42aと、ベルト部材41と噛み合う第二ギア部42bを有している。駆動プーリ42が第一ギア部42aを介してモータ7の回転軸7aと噛み合い、さらに、駆動プーリ42が第二ギア部42bを介してベルト部材41と噛み合うことにより、モータ7の駆動力が駆動プーリ42を介してベルト部材41へ伝達可能となる。すなわち、モータ7の回転軸7aが回転すると、駆動プーリ42が回転し、駆動プーリ42の回転によってベルト部材41が回転する。
【0038】
ベルト部材41は、可撓性を有する無端状の部材である。ベルト部材41の内周面には、多数の凹凸が形成されており、この凹凸が駆動プーリ42(第二ギア部42b)と噛み合う。また、ベルト部材41は、駆動プーリ42のほか、駆動対象部材に駆動力を伝達する従動プーリ25(図3参照)にも掛け渡される。
【0039】
従動プーリ25は、駆動対象部材である上記ベルトクリーニング装置10の搬送スクリュー34(図2参照)に対して間接的又は直接的に連動連結されている。このため、モータ7が駆動すると、駆動プーリ42が回転することにより、ベルト部材41が回転すると共に従動プーリ25が従動回転し、駆動力が搬送スクリュー34に伝達される。
【0040】
また、図4及び図5に示されるように、本実施形態に係る駆動伝達装置40は、上記搬送スクリュー34とは別の駆動対象部材である上記クリーニングブラシローラ31(図2参照)に対して駆動伝達する駆動軸44を備えている。駆動軸44は、駆動伝達装置40がブラケット50を介してモータ7と組み付けられた状態において、モータ7の回転軸7aと噛み合うように配置される。このため、モータ7が駆動すると、その駆動が駆動軸44を介してクリーニングブラシローラ31へ伝達される。
【0041】
続いて、本実施形態に係る駆動装置9の組み付け方法(組み付け手順)について説明する。
【0042】
図5に示されるように、組み付け前の状態において、まず、モータ7の回転軸7aをブラケット50の孔部50cに挿通し、モータ7をブラケット50に対して組み付けて固定する。ブラケット50に対するモータ7の固定は、ねじなどの固定部材を用いて行う。
【0043】
次に、ブラケット50に対して駆動プーリ42を組み付ける。具体的には、ブラケット50に設けられる支軸50bに対して駆動プーリ42を嵌め込む。これにより、駆動プーリ42がブラケット50に対して回転可能に支持される。また、駆動プーリ42がモータ7の回転軸7aと噛み合った状態となる。
【0044】
続いて、ベルト部材41の一部を、ハウジング43に設けられる開口部43aを通してハウジング43内に押し込む。そして、ベルト部材41の一部がハウジング43内に押し込まれた状態を保持したまま、ハウジング43をブラケット50に組み付けて固定する。具体的には、図5に示されるように、ハウジング43を、ブラケット50のモータ7が組み付けている面とは反対側の面(図の上側の面)から組み付ける。これにより、ブラケット50に組み付けられている駆動プーリ42は、ハウジング43内に収容される。なお、ハウジング43の図の下側(ブラケット50側)は、少なくとも駆動プーリ42がハウジング43内に収容される程度に開口している。
【0045】
また、ハウジング43が組み付けられる際、駆動プーリ42がベルト部材41の内側に挿入されることにより、ベルト部材41が駆動プーリ42の外周面(第二ギア部42b)に対して巻き掛け可能な状態となる。また、このような状態となることにより、ベルト部材41は開口部43aから外側へ脱落しないように駆動プーリ42によって保持される。
【0046】
駆動軸44は、ハウジング43の嵌合孔43bに対してあらかじめ挿入されて組み付けられている。このため、ハウジング43がブラケット50に組み付けられると、駆動軸44がブラケット50の嵌合孔50dに嵌合し、駆動軸44がハウジング43の嵌合孔43bとブラケット50の嵌合孔50dとの二箇所の軸支持部によって回転可能に支持される。なお、駆動軸44とハウジング43の嵌合孔43bとの間、及び、駆動軸44とブラケット50の嵌合孔50dとの間には、軸受が配置されている。
【0047】
図6は、ハウジング43がブラケット50に対して組み付けられた状態を、ハウジング43側から見た図である。
【0048】
図6に示されるように、ハウジング43がブラケット50に対して組み付けられた状態においては、ハウジング43がブラケット50に対して支軸50bと位置決め突起50eとの二箇所において位置決めされる。詳しくは、ハウジング43の軸挿入孔43cに対してブラケット50の支軸50bが挿入されて嵌合されると共に、ハウジング43の位置決め孔43dに対してブラケット50の位置決め突起50eが挿入されて嵌合されることにより、ハウジング43がブラケット50に対して位置決めされる。また、ブラケット50に対するハウジング43の固定は、モータ7と同じように、ねじなどの固定部材を用いて行われる。
【0049】
以上のようにして、本実施形態に係る駆動装置9の組み付けが完了する。また、組み付けられた駆動装置9を本体部品に固定することにより、ベルト部材41を上記従動プーリ25(図3参照)に対して掛け渡すことができるようになる。すなわち、この状態において、ハウジング43の開口部43aは従動プーリ25側を向くように配置されるため、ベルト部材41をハウジング43の開口部43aから従動プーリ25側へ引っ張って伸ばすことにより、従動プーリ25に対してベルト部材41を掛け渡すことができる。
【0050】
ところで、上記のように、ハウジング43内に押し込まれるベルト部材41に対して、ブラケット50上の駆動プーリ42を組み付ける際、ベルト部材41がハウジング43内において位置ずれしたり捩れたりすると、駆動プーリ42をベルト部材41の内側へうまく挿入できない場合がある。
【0051】
このような課題に対し、例えば、図18に示されるように、開口部43aを大きくし、開口部43aを図の下方にも開口するように形成すると、組み付け時に開口部43aを通してベルト部材41の位置調整を行いやすくなるため、ベルト部材41と駆動プーリ42との組み付け性が向上する。しかしながら一方で、開口部43aを大きくしたり、開口方向を多くしたりすると、ハウジング43の剛性が低下する問題が生じる。
【0052】
特に、上記のような駆動軸44がハウジング43によって支持される構成においては、ハウジング43の剛性が低下すると、ハウジング43が変形しやすくなるため、駆動軸44の位置精度及び回転精度が低下する虞がある。また、駆動軸44に大きな荷重が作用した場合に、ハウジング43が破損する虞もある。
【0053】
そこで、本実施形態に係る駆動伝達装置40においては、ハウジング43の剛性を確保しつつ、ベルト部材41と駆動プーリ42との組み付け性を向上させるため、次のような構成を採用している。以下、本発明の実施形態に係る構成について詳しく説明する。
【0054】
図7は、本実施形態において、ハウジング43内にベルト部材41の一部が押し込まれた状態を示す断面図である。
【0055】
図7に示されるように、本実施形態に係るハウジング43は、ベルト部材41が押し込まれる円筒状のベルト収容部430を有する。このベルト収容部430は、ベルト部材41のほか、駆動プーリ42の第二ギア部42bが収容される部分である。すなわち、駆動プーリ42が組み付けられた状態において、駆動プーリ42(第二ギア部42b)に巻き掛けられるベルト部材41の部分は、ベルト収容430内に収容される。
【0056】
図7に示されるように、ベルト部材41の一部がベルト収容部430内に押し込まれた状態においては、ベルト部材41がその弾性復元力によりベルト収容部430の内面43eに対して接触又は接近するように広がる。また、ベルト部材41が広がることによって、ベルト部材41がハウジング43の開口部43aの縁43fに対して押し当てられる。これにより、ベルト部材41がハウジング43の開口部43aから外側へ脱落しないようにハウジング43内において安定して保持される。
【0057】
上記のように、本実施形態においては、ベルト部材41がハウジング43内から脱落せずハウジング43内において安定して保持される。このようにするため、本実施形態においては、ハウジング43を次のように構成している。
【0058】
まず、本実施形態に係るハウジング43おいては、ベルト部材41がベルト収容部430内において安定して保持されるようにするため、図8に示される内接円Cの周長(円周)を、ベルト部材41の周長よりも短く設定している。この内接円Cは、駆動プーリ42の回転軸とは直交する面上(図8における紙面方向と平行な面上)において、ベルト収容部430の内面43eに対して接触する内接円である。
【0059】
上記内接円Cの周長を、ベルト部材41の周長よりも短く設定することにより、ベルト部材41の一部がベルト収容部430内に押し込まれた際に、ベルト部材41がその弾性復元力によってベルト収容部430の内面43eに対して押し当てられるようになる。一方、内接円Cの周長が、ベルト部材41の周長よりも長い場合は、ベルト部材41がベルト収容部430内に収容されても、ベルト部材41がベルト収容部430の内面43eに対して押し当てられない。従って、本実施形態のように、内接円Cの周長をベルト部材41の周長よりも短くすることにより、ベルト部材41がベルト収容部430の内面43eに対して押し当てられ、ベルト部材41が開口部43aから脱落しにくくなる。
【0060】
次に、本実施形態においては、ベルト部材41の脱落を生じにくくするため、図8に示される開口部43aの幅Wを、内接円Cの直径Dよりも小さく設定している。この開口部43aの幅Wは、駆動プーリ42の回転軸とは直交する面上(図8における紙面方向と平行な面上)における開口部43aの幅を意味する。なお、図8に示されるように、開口部43aの幅Wがハウジング43の内側から外側へ向かって変化する場合は、最も小さい幅を上記開口部43aの幅Wとする。
【0061】
このように、開口部43aの幅Wを、内接円Cの直径Dよりも小さくすることにより、図7に示されるように、ベルト部材41はその弾性復元力によって開口部43aの位置よりもベルト収容部430内へ向かって広がるように配置される。このため、ベルト部材41が開口部43aから脱落しにくくなる。
【0062】
開口部43aの幅Wは小さくなるほど、ベルト部材41が脱落しにくくなるが、開口部43aの幅Wが小さくなり過ぎると、ベルト部材41が開口部43aの縁43fと干渉し、その干渉によりベルト部材41が摩耗したり傷ついたりする虞がある。そのため、開口部43aの幅Wの下限値は、図9に基づく下記式(1)により決定される。
【0063】
図9に示されるように、ベルト部材41は、駆動プーリ42と従動プーリ25に掛け渡された状態において、駆動プーリ42の直径をd1、従動プーリ25の直径をd2、これらプーリ42,25の中心間の距離をL、駆動プーリ42の中心から開口部43aまでの距離をXとすると、開口部43aの幅Wの下限値は下記式(1)により表される。
【0064】
【数1】
【0065】
開口部43aの幅Wが上記式(1)を満たすように設定されることにより、開口部43の縁43fとベルト部材41との干渉(接触)を抑制でき、ベルト部材41の摩耗及び損傷を回避できる。
【0066】
上記のように、本実施形態においては、ベルト収容部430の内接円Cの周長を、ベルト部材41の周長よりも短く設定し、さらに、開口部43aの幅Wを、内接円Cの直径Dよりも小さく設定することにより、ベルト部材41が、ハウジング43内において安定して保持されると共に、開口部43aから脱落しにくくなる。これにより、ベルト部材41と駆動プーリ42との組み付け性が向上する。すなわち、ベルト部材41がベルト収容部430内において位置ずれしたり捩れたりするのを抑制できるため、駆動プーリ42をベルト部材41の内側へ挿入して組み付けやすくなる。
【0067】
このように、本実施形態の構成によれば、ベルト部材41と駆動プーリ42との組み付け性が向上するため、図18に示される例のように、開口部43aを図の下方へ広げて開口面積を大きく確保したり、開口方向を増やしたりしなくてもよくなる。従って、本実施形態によれば、図4に示されるように、開口部43aを、その縁全周に渡ってハウジング43によって閉じられた形状に形成することができ、ハウジング43の剛性を向上させることができる。
【0068】
以上のように、本実施形態においては、ハウジング43の剛性を確保しつつ、ベルト部材41と駆動プーリ42との組み付け性を向上させることができるため、上記のようなハウジング43が駆動軸44を支持する構成においても、駆動軸44の位置精度及び回転精度を向上させ、組み付け不良の発生も抑制できるようになる。また、ハウジング43の破損も抑制できるようになるため、信頼性の高い駆動伝達装置を提供できるようになる。
【0069】
上記のように、ベルト部材41の脱落を生じにくくするには、開口部43aの幅Wを内接円Cの直径Dよりも小さくすることが好ましいが、図10に示される例のように、開口部43aの幅Wは内接円Cの直径Dと同じであってもよい。
【0070】
これに対して、図16に示される例のように、開口部43aの幅Wが内接円Cの直径Dよりも大きい場合は、開口部43aの幅Wが大きい分、ベルト部材41が開口部43aの縁43fに対して押し当てられにくくなるため、ベルト部材41が押し当てられることによる保持力が得られにくくなる。また、図16中の破線にて示されるように、ベルト部材41が開口部43aの縁43fに押し当てられたとしても、その押し当て力とは反対方向の生じる反力Rが図の斜め下方へ作用するため、この反力Rによってベルト部材41が開口部43aから下方(外側)へ押し出されやすくなる。従って、図16に示される例の場合は、ベルト部材41の脱落が生じやすくなる。
【0071】
一方、図10に示される例においては、開口部43aの幅Wが内接円Cの直径Dと同じであるため、図16に示される例に比べて、ベルト部材41が開口部43aの縁43fに対して押し当てられやすくなる。また、ベルト部材41が押し当てられた際に、ベルト部材41が開口部43aの縁43fから受ける反力Rが、図の横方向(水平方向)に作用するため、ベルト部材41が開口部43aから外側へ押し出されにくくなる。従って、開口部43aの幅Wを内接円Cの直径D以下とすることにより、ベルト部材41の脱落を生じにくくすることができる。
【0072】
また、開口部43aからのベルト部材41の脱落をより生じにくくするには、図8に示されるように、駆動プーリ42の回転軸とは直交する面上において、内接円Cの中心と開口部43aの両端(縁43f)とを通る二直線間の開口部43a側の角度θが、180°未満であることが好ましい。
【0073】
このように、上記角度θが180°未満に設定されることにより、ベルト部材41が開口部43aの縁43fに押し当てられた際に(図7参照)、縁43fからベルト部材41が受ける反力Rが図の斜め上方へ作用するため、ベルト部材41が開口部43aから外側へ押し出されにくくなる。
【0074】
また、図10に示される例のように、上記角度θは180°であってもよい。この場合、図10に示されるように、縁43fから受ける反力Rは、図の横方向(水平方向)に作用するため、ベルト部材41が開口部43aから外側へ押し出されにくい状態を確保できる。
【0075】
一方、図17に示される例のように、上記角度θが180°より大きい場合は、縁43fから受ける反力Rが、図の斜め下方へ作用するため、ベルト部材41が開口部43aから下方(外側)へ押し出されやすくなる。
【0076】
上記実施形態においては、ベルト収容部430が円筒状に形成されている場合を例に挙げて説明したが、ベルト収容部430は円筒状以外の形状であってもよい。
【0077】
例えば、図11に示される例のように、ベルト収容部430の断面形状は、矩形(長方形又は正方形)であってもよい。この場合も、上記実施形態と同じように、ベルト収容部430の内面43eに接触する内接円Cの周長を、ベルト部材41の周長よりも短く設定し、さらに、開口部43aの幅Wを、内接円Cの直径Dよりも小さく設定することにより、ベルト部材41をハウジング43内において安定して保持し、開口部43aからの脱落を抑制できるようになる。さらに、内接円Cの中心と開口部43aの両端(縁43f)とを通る二直線間の開口部43a側の角度θを、180°未満に設定することにより、開口部43aからのベルト部材41の脱落がより生じにくくなる。
【0078】
また、図12に示される例のように、矩形のベルト収容部430において、開口部43aの幅Wを内接円Cの直径Dと同じにしたり、上記角度θを180°にしたりしてもよい。この場合も、開口部43aの幅Wが内接円Cの直径Dよりも大きい場合、あるいは、上記角度θが180°より大きい場合に比べて、開口部43aからのベルト部材41の脱落を抑制できるようになる。要するに、開口部43aの幅Wは内接円Cの直径D以下であり、角度θは180°以下であればよい。
【0079】
また、ベルト部材41がハウジング43内に押し込まれた際に、ベルト部材41が押し当てられる開口部43aの両端(駆動プーリ42の回転軸とは直交する面上における両端)は、曲率半径が0.3mm以下の縁43fにより構成されることが好ましい。これにより、縁43fにおける摩擦力が高くなるので、ベルト部材41が開口部43からより一層脱落しにくくなる。
【0080】
また、ハウジング43内にベルト部材41が押し込まれた状態を横方向から見た図13に示されるように、ベルト部材41の重心位置Gは、開口部43aよりもハウジング43の外側(図における左側)にあることが好ましい。ベルト部材41の重心位置Gが、開口部43aよりも外側にある場合は、図13に示されるように、ベルト部材41が自重によって傾いて、ベルト部材41がベルト収容部430の上面に突き当たって保持されるので、ベルト部材41の脱落が生じにくくなる。
【0081】
また、図14に示されるように、各構成部材が組み付けられた状態において、ハウジング43と駆動プーリ42との間に形成される隙間Sは、ベルト部材41の厚さT以下に設定されることが好ましい。なお、ここでいうベルト部材41の厚さTは、駆動プーリ42の回転軸とは直交する方向におけるベルト部材41の厚さを意味する(図4参照)。このように、ハウジング43と駆動プーリ42との間に形成される隙間Sは、ベルト部材41の厚さT以下に設定されることにより、ベルト部材41がハウジング43と駆動プーリ42との間に入り込みにくくなるため、組付け作業が行いやすくなる。
【0082】
また、駆動プーリ42の回転軸方向から見た図15に示されるように、駆動プーリ42の外周面とハウジング43との間に形成される隙間Sも、ベルト部材41の厚さT以下に設定されることが好ましい。これにより、ベルト部材41がハウジング43と駆動プーリ42との間に入り込みにくくなるため、組付け作業が行いやすくなる。
【0083】
以上説明した本発明の態様をまとめると、本発明には、少なくとも下記の構成を備える駆動伝達装置、画像形成装置が含まれる。
【0084】
[第1の構成]
第1の構成は、駆動源の駆動力を駆動対象部材へ伝達する駆動伝達装置であって、前記駆動源により駆動される駆動回転体と、前記駆動回転体と従動回転体とに掛け渡されて前記駆動回転体から前記駆動対象部材へ駆動力を伝達するベルト部材と、前記駆動回転体を収容するハウジングを備え、前記ハウジングは、前記ベルト部材の前記駆動回転体に巻き掛けられる部分が収容されるベルト収容部から前記ベルト部材を外側へ露出させる開口部を有し、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記ベルト収容部の内面に接触する内接円の周長は、前記ベルト部材の周長よりも短く、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上における前記開口部の幅は、前記内接円の直径以下であり、前記開口部は、その縁全周に渡って前記ハウジングにより閉じられている駆動伝達装置である。
【0085】
[第2の構成]
第2の構成は、前記第1の構成において、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記内接円の中心と前記開口部の両端とを通る二直線間の開口部側の角度が、180°以下に設定される駆動伝達装置である。
【0086】
[第3の構成]
第3の構成は、前記第1又は第2の構成において、前記駆動回転体の回転軸とは直交する面上において前記開口部の両端が、曲率半径0.3mm以下の縁により構成される駆動伝達装置である。
【0087】
[第4の構成]
第4の構成は、前記第1から第3のいずれか1つの構成において、前記ベルト部材の重心位置が、前記開口部よりも前記ハウジングの外側にある駆動伝達装置である。
【0088】
[第5の構成]
第5の構成は、前記第1から第4のいずれか1つの構成において、前記ハウジングと前記駆動回転体との間の隙間が、前記ベルト部材の厚さ以下に設定される駆動伝達装置である。
【0089】
[第6の構成]
第6の構成は、前記第1から第5のいずれか1つの構成において、前記ハウジングが、前記駆動対象部材とは別の駆動対象部材に対して駆動力を伝達する駆動軸を支持する駆動伝達装置である。
【0090】
[第7の構成]
第7の構成は、前記第1から第6のいずれか1つの構成の駆動伝達装置を備える画像形成装置である。
【0091】
7 モータ(駆動源)
9 駆動装置
25 従動プーリ(従動回転体)
31 クリーニングブラシローラ(駆動対象部材)
34 搬送スクリュー(駆動対象部材)
40 駆動伝達
41 ベルト部材
42 駆動プーリ(駆動回転体)
43 ハウジング
43a 開口部
43b 嵌合孔(軸支持部)
44 駆動軸
100 画像形成装置
430 ベルト収容部
C 内接円
D 内接円の直径
G 重心位置
S 隙間
T 厚さ
W 開口部の幅
θ 角度
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特許第6387943号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18