IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 学校法人立命館の特許一覧 ▶ 独立行政法人産業技術総合研究所の特許一覧

<>
  • 特開-管内走行装置 図1
  • 特開-管内走行装置 図2
  • 特開-管内走行装置 図3
  • 特開-管内走行装置 図4
  • 特開-管内走行装置 図5
  • 特開-管内走行装置 図6
  • 特開-管内走行装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024104981
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】管内走行装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20240730BHJP
   F16L 55/32 20060101ALI20240730BHJP
   B62D 57/02 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B25J15/00 A
F16L55/32
B62D57/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009454
(22)【出願日】2023-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】加古川 篤
(72)【発明者】
【氏名】山本 知生
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS14
3C707CS01
3C707HS27
3C707WA16
3C707WA25
(57)【要約】
【課題】牽引力を向上させることで高い走破性を実現することができる管内走行装置を提供する。
【解決手段】配管Hの管軸方向に沿って延びるように回転軸2が設けられている。そして、この回転軸2に対して、所定間隔を空けて複数の走行体3が設けられている。この走行体3は、回転軸2に固定されるハブ30を備えている。そして、回転軸2と交差する方向となるようにこのハブ30に取り付けられるディスク部31を備えている。そしてさらに、ディスク部31の周方向に取り付けられると共に、外部から所定の流体が流入すると膨張し、該所定の流体が排出されると収縮する流体膜33を備えている。なお、このディスク部31と流体膜33との間には、ベアリングが設けられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の管軸方向に沿って延びるように設けられている回転軸と、
前記回転軸に対して、所定間隔を空けて設けられている複数の走行体と、を有し、
前記走行体は、
前記回転軸に固定されるハブと、
前記回転軸と交差する方向となるように前記ハブに取り付けられているディスク部と、
前記ディスク部の周方向に取り付けられ、外部から所定の流体が流入すると膨張し、該所定の流体が排出されると収縮する流体膜と、
前記ディスク部と前記流体膜との間に配置され、前記ディスク部の周方向に回転自在に前記ディスク部と前記流体膜とを連結する軸受と、を有し、
前記ハブは、前記ディスク部の中心点から偏心した位置に配置されると共に、前記回転軸が前記ディスク部の面に対して所定の角度傾くように、前記ディスク部に貫通して設けられている管内走行装置。
【請求項2】
前記複数の走行体は、隣り合う走行体と所定の回転角度ずらした状態で前記回転軸に設けられてなる請求項1に記載の管内走行装置。
【請求項3】
前記回転軸は、フレキシブルシャフトにて形成されてなる請求項1又は2に記載の管内走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管内走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガス管、水道管、プラントなどの配管の老朽化が深刻化しており、配管内部を点検する必要がある。しかしながら、配管の内径がφ50mm以下の場合、高い走破性を有する管内走行装置がほとんど存在しないことから、配管内部の点検が困難であるという問題があった。
【0003】
このような高い走破性を有する管内走行装置として、例えば、特許文献1に記載のような管内走行装置が知られている。この特許文献1に記載の発明は、回転波動機構であって、駆動力供給部からの回動力が伝達される駆動回転軸と、駆動回転軸の軸線に沿った所定の間隔をもって駆動回転軸の軸線と交差するように駆動回転軸に固定される複数の揺動円板と、各揺動円板の外周部に回動可能に配され揺動円板の運動に追従する回動部材と、回動部材の回転を所定の回転角に制限するとともに回動部材を直列に連結する可撓性連結部材と、を備えて構成されるので推進運動を生成する機構を複雑な構成とすることなく、外部に接する外周のすべての部分で表面波動を生成し、しかも、可撓性連結部材によって駆動回転軸、複数の揺動円板、および、回動部材を覆うことも可能なので適用された作業ロボットの防塵防水性を達成できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-240158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような管内走行装置は、配管の内壁面と常に接触しているわけではなく、接触したり離れたりすることから、配管に適用させた場合、牽引力が低くなり、高い走破性を得られない可能性があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、牽引力を向上させることで高い走破性を実現することができる管内走行装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1に係る管内走行装置は、配管(H)の管軸(HO)方向に沿って延びるように設けられている回転軸(2)と、
前記回転軸(2)に対して、所定間隔を空けて設けられている複数の走行体(3,3AA)と、を有し、
前記走行体(3,3AA)は、
前記回転軸(2)に固定されるハブ(30)と、
前記回転軸(2)と交差する方向となるように前記ハブ(30)に取り付けられているディスク部(31,31A)と、
前記ディスク部(31,31A)の周方向に取り付けられ、外部から所定の流体が流入すると膨張し、該所定の流体が排出されると収縮する流体膜(33)と、
前記ディスク部(31,31A)と前記流体膜(33)との間に配置され、前記ディスク部(31,31A)の周方向に回転自在に前記ディスク部(31,31A)と前記流体膜(33)とを連結する軸受(ベアリング32)と、を有し、
前記ハブ(30)は、前記ディスク部(31,31A)の中心点(O1)から偏心した位置に配置されると共に、前記回転軸(2)が前記ディスク部(31,31A)の面に対して所定の角度(θ1)傾くように、前記ディスク部(31,31A)に貫通して設けられてなることを特徴としている。
【0009】
請求項2に係る管内走行装置は、上記請求項1に記載の管内走行装置(1)において、
前記複数の走行体(3,3AA)は、隣り合う走行体(第1走行体3A,第2走行体3B,第3走行体3C,第4走行体3D)と所定の回転角度(φ1,φ2,φ3)ずらした状態で前記回転軸(2)に設けられてなることを特徴としている。
【0010】
請求項3に係る管内走行装置は、上記請求項1又は2に記載の管内走行装置(1)において、
前記回転軸(2)は、フレキシブルシャフトにて形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、流体膜(33)が、所定の流体が流入すると膨張し、該所定の流体が排出されると収縮するようになっているから、管内走行装置(1)の運動を螺旋駆動にしたり、回転波動機構にしたりすることができる。
【0013】
したがって、本発明によれば、牽引力を向上させることで高い走破性を実現することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、配管(H)内での走行体(3,3AA)の回転波動機構の運動を実現しやすくなる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、配管(H)の曲がりに柔軟に対応することができ、より高い走破性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る管内走行装置を配管内に配置した状態を示す斜視図である。
図2】(a)は、同実施形態に係る管内走行装置の一部を切り出した斜視図であり、(b)は、同実施形態に係る走行体の平面図を示す図である。
図3】(a)は図2(b)に示すA-A線断面図、(b)は図2(b)に示すB-B線断面図で、流体膜が収縮している状態を示し、(c)は図2(b)に示すB-B線断面図で、流体膜が膨張している状態を示す図である。
図4】(a)は同実施形態に係る管内走行装置の正面図、(b)は隣り合う走行体の配置関係を説明する説明図である。
図5】螺旋駆動の運動を行う場合を説明するための説明図であって、(a)は、モータの軸線と、回転板の中心位置との距離が、回転板の中心位置から配管の内壁面までの距離よりも大きく、(b)は、小さい場合を示している図である。
図6】回転波動機構の運動を行う場合を説明するための説明図であって、(a)は、モータの軸線と、回転板の中心位置との距離に、回転板の中心位置から配管の内壁面までの距離を加算したものより、配管の管軸から内壁面までの距離が大きく、(b)は、小さい場合を示している図である。
図7】他の実施形態に係る走行体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る管内走行装置を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0018】
<管内走行装置の概略説明>
図1に示す本実施形態に係る管内走行装置1は、ガス管、水道管、プラントなどの配管H内に配置され、回転軸2と、走行体3と、で主に構成されるものである。そして、回転軸2が回転すると、走行体3が、上記例示した従来技術と同様、主として回転波動機構の運動をするものである。この点、管内走行装置1の各構成について詳しく説明する事で、詳しく説明することとする。
【0019】
<回転軸の説明>
回転軸2は、図1に示すように、配管Hの管軸方向(図示左右方向)に沿って、直線状に延びるように設けられているもので、柔軟性のあるフレキシブルシャフトにて形成されている。このような回転軸2の基端部2a(図1に示す右側)には、配管H外に配置されているモータMが取り付けられており、このモータMを回転駆動させることにより、回転軸2も回転することとなる。これにより、回転軸2は、回転するようになっている。なお、図3(b)に示すように、回転軸2の内部2bは、中空になっている。また、回転軸2の基端部2a(図1に示す右側)には、モータMを介して、コンプレッサCが取り付けられている。
【0020】
<走行体の説明>
走行体3は、図1に示すように、回転軸2に対して、所定間隔を空けて、回転軸2の軸線方向(図1に示す左右方向)に沿って、複数設けられている。具体的には、走行体3は、図2及び図3に示すように、ハブ30と、一対のディスク部31と、一対のディスク部31の周方向に沿う外周面にそれぞれ設けられているベアリング32と、これらベアリング32を覆うように設けられている流体膜33と、で構成されている。ハブ30は、円筒状に形成され、図3(b)に示すように、回転軸2の中心軸線Oとハブ30の中心線が重なるように、回転軸2の外周面を覆っている。そして、このハブ30は、いもねじ30aによって回転軸2に固定されている。
【0021】
一方、ディスク部31は、図3(a)に示すように、断面視円形状に形成されている。そして、このディスク部31には、図2(a)に示すように、回転軸2と交差する方向で、且つ、ディスク部31の中心点O1から偏心させた位置に、ハブ30が設けられている。さらに詳しく説明すると、このハブ30は、図2(b)に示すように、回転軸2がディスク部31の面に対してθ1傾くようにディスク部31に貫通して設けられている。なお、図3(a)に示すように、ディスク部31には、ハブ30が設けられるように、貫通孔31aが形成されている。
【0022】
かくして、このようにして、ディスク部31は、図2(a)に示すようにハブ30を介して回転軸2に回転可能に取り付けられるようになっている。これにより、回転軸2が中心軸線O(図3(b)参照)周りを回転すると、それに伴ってディスク部31も中心軸線O周りを回転することとなる。なお、ディスク部31は、図2に示すように、ボルト31aによって連結固定されている。
【0023】
ベアリング32は、上記のように構成されるディスク部31の周方向に沿う外周面に、中心軸線O(図3(b)参照)周りに回転不能に取り付けられている。ただし、ベアリング32は、図2に示す上下左右方向に動けるよう(回転自在)に取り付けられている。これにより、本願発明は、上記例示した従来技術と同様、ディスク部31が中心軸線O周りを回転すると、ベアリング32が中心軸線O周りに回転不能であることから、回転波動機構の運動をすることができる。なお、この運動は、上記例示した従来技術と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0024】
流体膜33は、樹脂などで形成されており、図3(b)に示すように、一対のベアリング32を全て覆うように、一対のベアリング32に溶着や接着等によって取り付け固定されている。そして、このような流体膜33は、図3(b)に示す内部33aが中空となっており、この内部33aに空気などの流体が流入すると、図3(c)に示すように、流体膜33が膨張し、流体が排出されると、図3(b)に示すように、収縮するようになっている。なお、一対のベアリング32は、上記説明したディスク部31と流体膜33との間に配置され、ディスク部31と流体膜33とを回転自在に連結する役割を担っている。
【0025】
かくして、このように構成される走行体3は、回転軸2に対して、所定間隔を空けて、回転軸2の軸線方向(図1に示す左右方向)に沿って、複数設けられることとなる。この点、図4(a)に示す、隣り合う4個の走行体3を用いて配置関係を詳しく説明すると、隣り合う4個の走行体3を第1走行体3A,第2走行体3B,第3走行体3C,第4走行体3Dとした際、図4(b)に示すように、第2走行体3Bは、第1走行体3Aに対してφ1だけ回転させて、回転軸2に設けられている。そして、第3走行体3Cは、図4(b)に示すように、第2走行体3Bに対してφ2だけ回転させて、回転軸2に設けられている。そしてさらに、第4走行体3Dは、図4(b)に示すように、第3走行体3Cに対してφ3だけ回転させて、回転軸2に設けられている。これにより、配管H内での走行体3の回転波動機構の運動を実現し易くすることができる。なお、φ1,φ2,φ3は、全て等しい角度になっており、本実施形態においては、90°としている。
【0026】
かくして、このようにして走行体3は、回転軸2に対して、所定間隔を空けて、回転軸2の軸線方向(図1に示す左右方向)に沿って、複数設けられるようになっている。
【0027】
<管内走行装置の特徴説明>
ところで、上記のように構成される管内走行装置1は、図5及び図6に示すような特徴を備えている。なお、図5及び図6では、理解を容易にするため、走行体3のディスク部31だけを図示して説明することとする。
【0028】
図5及び図6に示すように断面視円形状となる配管Hに走行体3を配置した場合、図5に示すように、配管Hの管軸HOと、モータM(図1参照)の軸線MOが一致しており、モータMの軸線MOと、ディスク部31の中心点O1との距離をe、ディスク部31の中心点O1から配管Hの内壁面Haまでの距離をrとした場合、配管Hの管軸HOから内壁面Haまでの距離R=e+rとなっている。この際、走行体3が、配管Hの内壁面Haと常に接触したままとなるから、螺旋駆動の運動を行うこととなる。なお、図5(a)が、e>rの場合、図5(b)が、e<rの場合を示している。
【0029】
一方、図6に示すように、配管Hの管軸HOと、モータM(図1参照)の軸線MOが不一致の場合、図6(a)に示すように、R>e+r、又、図6(b)に示すように、R<e+rとなる。この際、走行体3が、配管Hの内壁面Haと常に接触せず、接触したり離れたりする回転波動機構の運動を行うこととなる。
【0030】
そこで、本実施形態においては、一対のベアリング32に溶着や接着等によって流体膜33を取り付け固定し、流体膜33を膨張させたり、収縮させたりすることで、上記説明した螺旋駆動の運動と、回転波動機構の運動とを切り替えるようにしている。すなわち、図1に示すように、配管H内に管内走行装置1が配置され、牽引力がより必要な場合、図3(b)に示すように、回転軸2の内部2bは、中空になっているから、矢印Y1方向から、図1に示すコンプレッサCを用いて、内部2bに空気などの流体を流入させる。これにより、図3(b)に示すように、流体が回転軸2の内部2bを通って、さらに、回転軸2に貫通して設けられている貫通孔2c及びハブ30に貫通して設けられている貫通孔30bを通ることとなる。そしてさらに、図3(b)に示すように、ディスク部31には、図3(a)に示すように、中心点O1から放射状に複数(図示では8個)の通気孔31cが形成されてるから、貫通孔30bを通った流体は、通気孔31cを通って、流体膜33の内部33a(図3(b)参照)に移動することとなる。これによって、図3(c)に示すように、流体膜33が膨張し、配管Hの内壁面Haと、その膨張した流体膜33との接触によって回転軸2の位置が変動し、もって、図1に示すモータMの軸線MOの位置も変動することとなる。それゆえ、意図的に、図5に示すように、配管Hの管軸HOと、図1に示すモータMの軸線MOと一致させることができるため、配管H内に配置された管内走行装置1の運動を螺旋駆動にすることができる。
【0031】
一方で、牽引力がさほど必要ない場合又は何らかのトラブルが発生し管内走行装置1を回収したい場合、流体膜33の内部33aに流入している流体を、図1に示すコンプレッサCを用いて吸引し排出すれば、図3(b)に示すように、流体膜33が収縮することとなる。これにより、図6に示すように、配管Hの管軸HOと、図1に示すモータMの軸線MOとが不一致となるから、配管H内に配置された管内走行装置1の運動を回転波動機構にすることができる。
【0032】
したがって、このように、流体膜33を膨張させたり、収縮させたりすることで、配管H内に配置された管内走行装置1の運動を螺旋駆動にしたり、回転波動機構にしたりすることができることとなる。それゆえ、本実施形態によれば、上記例示した従来技術のように回転波動機構の運動だけではなく、回転波動機構の運動と、螺旋駆動の運動とを切り替えることができるため、牽引力がより必要な場合に螺旋駆動の運動をさせ、牽引力がさほど必要ない場合又は何らかのトラブルが発生し管内走行装置1を回収したい場合に回転波動機構の運動に切り替えるようにすれば、上記例示した従来技術と比べ、牽引力を向上させることができることとなる。
【0033】
したがって、本実施形態によれば、牽引力を向上させることで高い走破性を実現することができる。
【0034】
<変形例の説明>
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、回転軸2として柔軟性のあるフレキシブルシャフトを例示したが、それに限らず、他のものでも良い。しかしながら、回転軸2としては、柔軟性のあるフレキシブルシャフトを用いた方が好ましい。配管Hの曲がりに柔軟に対応することができ、より高い走破性を実現することができるためである。
【0035】
また、本実施形態においては、流体膜33の内部33aに流体を流入させるにあたって、回転軸2の内部2bを通して流入させる例を示したが、流体膜33の内部33aに直接、流体を流入させるようにしても良い。このようにすれば、流体の漏れなく、流体膜33の内部33aに流体を流入させることができる。
【0036】
また、本実施形態においては、一対のベアリング32を全て覆うように流体膜33を設ける例を示したが、それに限らず、一対のベアリング32を一部だけ(例えば、一対のベアリング32の周方向等間隔置きに、流体膜33を設けるなど)覆うようにしても良い。
【0037】
また、本実施形態においては、ディスク部31として円形状のものを例示したが、それに限らず、ベアリング32が対応可能であれば、楕円形状や卵形状等、どのような形状でも良い。
【0038】
また、本実施形態においてディスク部31として、図7に示すようなものでも良い。以下、ディスク部31の変形例を説明することする。なお、上記説明した部材と同一の部材については同一の符号を付し説明は省略することとする。
【0039】
図7に示す走行体3AAは、ハブ30と、ディスク部31Aと、ディスク部31Aの周方向に沿う外周面に設けられているベアリング32と、ベアリング32を覆うように設けられている流体膜33と、で構成されている。そのため、ディスク部31Aの構成だけが異なっている。
【0040】
ディスク部31Aは、図7に示すように、ベアリング32が周方向に沿う外周面に設けられているリング状のリム31Aaと、リム31Aaとハブ30とを接続する複数(図示では、4個)のスポーク31Abとで構成されている。このスポーク31Abは、内部が中空になっているから、回転軸2に貫通して設けられている貫通孔2c及びハブ30に貫通して設けられている貫通孔3bを通って流入した流体は、スポーク31Ab内を通って、流体膜33の内部33aに移動することとなる。かくして、このような形状であっても、流体膜33を膨張させたり、収縮させたりすることが可能となる。なお、スポーク31Abを中空にせず、リム31Aaはリング状に形成されているから、その空間を利用し、流体を、流体膜33の内部33aに移動させるようにしても良いし、スポーク31Ab以外に貫通孔を設けて、その貫通孔を利用して、流体を、流体膜33の内部33aに移動させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 管内走行装置
2 回転軸
3,3AA 走行体
3A 第1走行体(隣り合う走行体)
3B 第2走行体(隣り合う走行体)
3C 第3走行体(隣り合う走行体)
3D 第4走行体(隣り合う走行体)
30 ハブ
31,31A ディスク部
32 ベアリング(軸受)
33 流体膜
H 配管
HO 管軸
O1 中心点
θ1 所定の角度
φ1,φ2,φ3 所定の回転角度


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7