(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105171
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/024 20060101AFI20240730BHJP
H01S 5/023 20210101ALI20240730BHJP
【FI】
H01S5/024
H01S5/023
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141543
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2023009224
(32)【優先日】2023-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宮田 忠明
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼鶴 一真
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MA08
5F173MB02
5F173MC12
5F173MC13
5F173MD16
5F173MD18
5F173MD84
5F173ME03
5F173ME12
5F173ME22
5F173ME56
5F173ME57
(57)【要約】
【課題】駆動時に半導体レーザ素子から発せられる熱によって発光装置内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置が求められている。
【解決手段】発光装置は、実装面を有する放熱部材と、前記放熱部材に固定され、上面を有する枠体と、前記実装面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、を備え、前記サブマウントの前記下面は、前記実装面に接合された第1領域と、前記枠体の前記上面に対向し、かつ、前記枠体の前記上面に接合されていない第2領域と、を有する。
【選択図】
図1F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有する放熱部材と、
前記放熱部材に固定され、上面を有する枠体と、
前記実装面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、
前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、
を備え、
前記サブマウントの前記下面は、
前記実装面に接合された第1領域と、
前記枠体の前記上面に対向し、かつ、前記枠体の前記上面に接合されていない第2領域と、
を有する、発光装置。
【請求項2】
前記枠体は、前記放熱部材を囲み、
前記枠体の前記上面は、前記実装面の法線方向から見て、前記実装面の外側に位置する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記サブマウントの前記下面における前記第2領域、および前記枠体の前記上面は、互いに離隔している、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記放熱部材および/または前記枠体を支持する支持面を基準として、前記放熱部材の前記実装面の高さは、前記枠体の前記上面の高さよりも高い、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記放熱部材の前記実装面に対して垂直な方向から見て、前記半導体レーザ素子は前記実装面の内側に位置する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項6】
前記サブマウントの前記上面は、前記第2領域とは反対側に位置する第3領域を有し、
前記半導体レーザ素子に電気的に接続される導電性部材をさらに備え、前記導電性部材の一部は前記第3領域に設けられている、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項7】
前記サブマウントは、本体部と、前記本体部に設けられた金属膜とを備え、
前記金属膜は、前記導電性部材および前記半導体レーザ素子に電気的に接続されている、請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第2領域は、前記第1領域を基準として、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向とは異なる方向に位置する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項9】
前記放熱部材の熱膨張係数と、前記枠体の熱膨張係数との差の絶対値は、1.0×10-6K-1以上5.0×10-5K-1以下である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項10】
前記放熱部材は、上面視で、一辺が7mmである正方形の内側に位置する、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記放熱部材の熱伝導率は、10W/m・K以上2000W/m・K以下である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項12】
前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の出力は10W以上である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項13】
第1上面と、前記第1上面よりも下方に位置する第2上面とを有する放熱部材と、
第1下面と、前記第1下面よりも上方に位置する第2下面とを有する枠体であって、前記第2下面が前記放熱部材の前記第2上面に接合された枠体と、
前記第1上面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、
前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、
を備え、
前記サブマウントの前記下面は、
前記第1上面に接合された第1領域と、
前記第1上面に接合されていない第2領域と、
を有する、発光装置。
【請求項14】
前記第2領域は、前記枠体の前記上面に対向しない、請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記第2領域は、前記第1領域の両側方に位置する、請求項13または14に記載の発光装置。
【請求項16】
前記サブマウントの前記上面は、前記第2領域とは反対側に位置する第3領域を有し、
前記半導体レーザ素子に電気的に接続される導電性部材をさらに備え、前記導電性部材の一部は前記第3領域に設けられている、請求項13または14に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ素子を含む発光装置は、プロジェクタ、照明器具、および加工機などの装置に利用される。そのような発光装置は、駆動時に半導体レーザ素子から発せられる熱によって膨張するため、熱膨張係数の差異が小さくなるように材料およびサイズを決定することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駆動時に半導体レーザ素子から発せられる熱によって発光装置内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の発光装置は、ある実施形態において、実装面を有する放熱部材と、前記放熱部材に固定され、上面を有する枠体と、前記実装面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、を備え、前記サブマウントの前記下面は、前記実装面に接合された第1領域と、前記枠体の前記上面に対向し、かつ、前記枠体の前記上面に接合されていない第2領域と、を有する。
【0006】
本開示の発光装置は、ある実施形態において、第1上面と、前記第1上面よりも下方に位置する第2上面とを有する放熱部材と、第1下面と、前記第1下面よりも上方に位置する第2下面とを有する枠体であって、前記第2下面が前記放熱部材の前記第2上面に接合された枠体と、前記第1上面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、を備え、前記サブマウントの前記下面は、前記第1上面に接合された第1領域と、前記第1上面に接合されていない第2領域と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、駆動時に半導体レーザ素子から発せられる熱によって発光装置内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態1による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Bに示す分離された状態の4つの部分のうち、一番下の部分の分解斜視図である。
【
図1D】
図1Dは、
図1Bに示す分離された状態の4つの部分のうち、一番下の部分の他の分解斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の実施形態1による発光装置の変形例の構成を模式的に示す、XY平面に対して平行な断面図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の実施形態1による発光装置の変形例の構成を模式的に示す、YZ平面に対して平行な断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の例示的な実施形態2による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態による発光装置を説明する。複数の図面に表れる同一符号の部分は同一または同等の部分を示す。
【0010】
さらに、以下に説明する実施形態は、本発明の技術思想を具体化するために例示しているのであって、本発明を以下に限定しない。また、構成要素のサイズ、材質、形状、その相対的配置などの記載は、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図している。各図面が示す部材の大きさおよび位置関係は、理解を容易にするために誇張している場合がある。
【0011】
本明細書または特許請求の範囲において、三角形または四角形などの多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取りなどの加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶ。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶ。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本明細書および特許請求の範囲で記載される“多角形”の解釈に含まれる。
【0012】
(実施形態1)
まず、
図1Aおよび
図1Bを参照して、本開示の実施形態1による発光装置の構成例を説明する。図面では、参考のために、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸が模式的に示されている。X軸の矢印の方向を+X方向と称し、その反対方向を-X方向と称する。±X方向を区別しない場合、単にX方向と称する。Y方向およびZ方向についても同様である。本明細書では、説明のわかりやすさのために、+Y方向を「上方」と称し、-Y方向を「下方」と称し、+Z方向を「前方」と称し、-Z方向を「後方」と称する。このことは、発光装置の使用時における向きを制限するわけではなく、発光装置の向きは任意である。
【0013】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態1による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図1Aに示す発光装置100Aは、レーザ光Lを前方に出射する。
図1Aに示す矢印は、レーザ光Lの進行方向を表す。レーザ光Lは、発光装置100Aの内部に収容された半導体レーザ素子から出射される。
図1Bは、
図1Aに示す発光装置100Aの分解斜視図である。発光装置100Aは、
図1Bに示すように、放熱部材10と、放熱部材10に固定された枠体20と、第1サブマウント30aと、第2サブマウント30bと、これら2つのサブマウントの間に位置する半導体レーザ素子40および中継部材42と、半導体レーザ素子40に電気的に接続された2つの導電性部材40wとを備える。放熱部材10は第1上面12aを有し、第1上面12aは第1サブマウント30aを支持する。発光装置100Aは、さらに、第1サブマウント30a、第2サブマウント30b、および半導体レーザ素子40を囲む側壁50Aと、半導体レーザ素子40を収容する空間を封止する封止部材60Aと、封止部材60A上に配置される放熱ブロック70とを備える。発光装置100Aは、ツェナーダイオードのような保護素子および/またはサーミスタのような内部温度を測定するための温度測定素子をさらに備えてもよい。本明細書において、第1サブマウント30aを単に「サブマウント」とも称し、第2サブマウント30bを「他のサブマウント」とも称する。
【0014】
図1Cは、
図1Bに示す分離された状態の4つの部分のうち、一番下の部分の分解斜視図である。第1サブマウント30aは上面32aおよび下面34aを有する。第1サブマウント30aの上面32aは、半導体レーザ素子40および中継部材42を支持する。第2サブマウント30bは、第1サブマウント30aと同様に、上面32bおよび下面34bを有する。
【0015】
図1Dは、
図1Bに示す分離された状態の4つの部分のうち、一番下の部分の他の分解斜視図である。
図1Eは、
図1Dに示す構成のうち、枠体20を下方から見た斜視図である。
図1Fは、
図1Aに示す発光装置の、YZ平面に対して平行な断面図である。
図1Fに示す破線によって囲まれた領域には、放熱部材10および第1サブマウント30a、ならびにそれらの周辺の構成が拡大して示されている。
図1Gは、
図1Aに示す発光装置の、XY平面に対して平行な断面図である。
【0016】
後で詳しく説明するが、実施形態1による発光装置100Aにおいて、第1サブマウント30aの下面34aは、
図1Fに示すように、第1上面12aに接合された第1領域33aと、枠体20の上面22aに対向し、かつ、枠体20の上面22aに接合されていない第2領域33bとを有する。第2領域33bがあるので、第1サブマウント30aの上面32aが広くなる。したがって、半導体レーザ素子40を設ける領域を広くすることが可能になる。
【0017】
半導体レーザ素子40から発せられる熱によって放熱部材10が膨張する場合、放熱部材10および枠体20の位置にずれが生じ得る。その場合でも第2領域33bは枠体20の上面22aに接合されていないので、第1サブマウント30aおよび枠体20にかかる負荷を低減することができる。
【0018】
したがって、実施形態1によれば、駆動時に半導体レーザ素子から発せられる熱によって発光装置内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置を実現することができる。
【0019】
以下に、発光装置100Aの各構成要素を詳細に説明する。
【0020】
<放熱部材10>
放熱部材10は、
図1Dに示すように、第1平板部分10aと、+Y方向から見る上面視で第1平板部分10aよりも広い第2平板部分10bとを有する。第1平板部分10aは、第2平板部分10bから+Y方向に突出した部分である。放熱部材10の第1上面12aは、第1平板部分10aの上面に相当する。本明細書において、第1上面12aを「実装面」とも称する。第1上面12aの法線方向は+Y方向である。面の法線方向とは、面の垂直方向であって、当該面を有する物体から離れる方向を意味する。放熱部材10は、第1上面12aに加えて、第2上面12bを有する。第2上面12bは、第2平板部分10bの上面のうち、第1上面12aの法線方向から見る上面視で第1上面12aに重ならない領域に相当する。第2上面12bは、上面視で、第1上面12aを囲む。第2上面12bは、第1上面12aよりも下方に位置する。放熱部材10は、さらに下面14を有し、下面14は第2平板部分10bの下面に相当する。
【0021】
図1Fおよび
図1Gに示すように、XZ平面において、放熱部材10と枠体20との間には、より具体的には、第1平板部分10aと枠体20との間、および第2平板部分10bと枠体20との間には、隙間が空いている。当該隙間があることにより、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって放熱部材10が膨張しても、枠体20が破損する可能性を低減できる。
【0022】
図1Dに示す例において、第1上面12aは概略的に矩形形状を有し、第2上面12bは概略的に矩形環状の形状を有し、下面14は概略的に矩形形状を有する。放熱部材10の下面14は、発光装置100Aを支持する支持部材に、はんだ材のような無機接合部材を介して接合される。支持部材は、例えば、発光装置100Aの過度な温度上昇を低減するヒートシンク、または発光装置100Aから発せられる熱を別途用意されたヒートシンクに伝えるヒートスプレッダであり得る。
【0023】
放熱部材10の熱伝導率は、例えば10W/m・K以上2000W/m・K以下であり得る。そのような高い熱伝導率を有する放熱部材10により、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱を、放熱部材10を介して発光装置100Aの外部に効果的に伝えることができる。
【0024】
放熱部材10および枠体20が互いに異なる材料から形成される場合、放熱部材10の熱膨張係数は、枠体20の熱膨張係数とは異なり得る。放熱部材10の熱膨張係数と、枠体20の熱膨張係数との差の絶対値は、例えば、1.0×10-6K-1以上5.0×10-5K-1以下であり得る。両者の熱膨張係数にそのような差がある場合、放熱部材10のX方向およびZ方向における寸法が大きいと、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって放熱部材10が膨張し、その結果、放熱部材10および枠体20の接合が外れる可能性がある。放熱部材10が、上面視で、一辺が7mmの正方形の内側に位置する場合、放熱部材10のX方向およびZ方向における寸法はそれほど大きくないので、放熱部材10の熱膨張が原因で放熱部材10および枠体20の接合が外れる可能性を低減できる。
【0025】
放熱部材10は、例えば、Cu、Al、およびAgからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料から形成され得る。放熱部材10のX方向における最大の寸法は、例えば1mm以上10mm以下であり、Y方向における最大の寸法は、例えば1mm以上20mm以下であり、Z方向における最大の寸法は、例えば0.1mm以上1mm以下であり得る。
【0026】
<枠体20>
放熱部材10に固定された枠体20は、
図1Cに示すように、放熱部材10を囲む。枠体20は上面22aを有し、上面22aは、上面視で、放熱部材10の第1上面12aの外側に位置する。枠体20の上面22aは側壁50Aを支持する。
図1Cに示す例において、放熱部材10の第1上面12aは、枠体20の上面22aよりも上方に位置する。これら2つの上面の高さの関係によって得られる効果については後述する。
【0027】
なお、
図1Cに示す例に限定されず、放熱部材10の第1上面12aおよび枠体20の上面22aは、同じ平面上に位置していてもよい。あるいは、第1サブマウント30aおよび放熱部材10を、はんだ材のような無機接合部材を介して接合することが可能であれば、放熱部材10の第1上面12aは、枠体20の上面22aよりも下方に位置していてもよい。
【0028】
上面22aには、互いに電気的に絶縁された第1導電領域26aおよび第2導電領域26b、ならびに互いに電気的に絶縁された第3導電領域26cおよび第4導電領域26dが設けられている。導電領域26a~26dの各々は、概略的に矩形形状を有するが、この形状に限定されない。導電領域26a~26dの各々の形状は、例えば、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。第1導電領域26aおよび第3導電領域26cは、内部配線を介して、互いに電気的に接続されている。第2導電領域26bおよび第4導電領域26dについても同様である。第3導電領域26cおよび第4導電領域26dは、
図1Bに示すように、導電性部材40wを介して、半導体レーザ素子40に電気的に接続されている。第1導電領域26aと第2導電領域26bとの間に電圧を印加することにより、半導体レーザ素子40に給電することができる。
【0029】
上面22aには、さらに、第1接合領域28aが設けられている。第1接合領域28aは、
図1Cに示すように、上面視で、第3導電領域26c、第4導電領域26d、および放熱部材10の第1上面12aを囲む。第1接合領域28aは、枠体20および
図1Bに示す側壁50Aを、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に、接合強度を向上させる。
【0030】
枠体20は、さらに、
図1Eに示すように、第1下面24aと、第2下面24bとを有する。第2下面24bは第1下面24aよりも上方に位置し、-Y方向から見る下面視で第1下面24aによって囲まれる。第2下面24bは、概略的に矩形環状の形状を有する。
図1Dに示す放熱部材10のうち、第2平板部分10bの一部または全部は、第1下面24aと第2下面24bとの段差によって囲まれた空間に収容される。枠体20を透過して見たとき、上面視で、第2下面24bの外周は、放熱部材10の第2上面12bの内周および外周を囲む。第2下面24bの内周は、放熱部材10の第2上面12bの内周を囲む。第2下面24bの内周は、放熱部材10の第2上面12bの外周によって囲まれる。
【0031】
第2下面24bの全体には、第2接合領域28bが設けられている。放熱部材10の第2上面12bは、第2下面24bに、より具体的には第2下面24bに設けられた第2接合領域28bに接合される。第2接合領域28bは、放熱部材10および枠体20を、ろう材のような無機接合部材を介して接合する際に、接合強度を向上させる。ろう材の融点は、はんだ材の融点よりも高い。したがって、ろう材を加熱して放熱部材10および枠体20を接合し、次に、はんだ材を加熱して放熱部材10および第1サブマウント30aを接合する場合に、はんだ材に加えられる熱が原因で放熱部材10および枠体20の接合が外れる可能性を低減できる。
【0032】
図1Eに示す例において、第2下面24bの全体に第2接合領域28bが設けられているが、第2下面24bの一部に第2接合領域28bが設けられていてもよい。なお、第1下面24aには接合領域が設けられていないが、第1下面24aの一部または全体に、接合領域を設けてもよい。その場合、放熱部材10の下面14だけでなく枠体20の第1下面24aも、はんだ材のような無機接合部材を介して発光装置100Aの支持部材に接合できるので、接合強度をさらに向上させることができる。
【0033】
図1Fに示す例において、枠体20の第1下面24aは、放熱部材10の下面14よりも上方に位置する。したがって、放熱部材10の下面14を発光装置100Aの支持部材に無機接合部材を介して接合する際に、枠体20は接合の妨げにならない。さらに、枠体20は接合の妨げにならないことから、無機接合部材を薄くできるので、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱を、放熱部材10を介して支持部材に効果的に伝えることができる。
【0034】
あるいは、枠体20の第1下面24aは、放熱部材10の下面14と同一平面上に位置していてもよい。放熱部材10を発光装置100Aの支持部材に接合する際に、無機接合部材が厚く、枠体20が接合の妨げにならないのであれば、枠体20の第1下面24aは、放熱部材10の下面14よりも下方に位置していてもよい。
【0035】
枠体20は、例えば、AlN、SiN、SiC、およびアルミナからなる群から選択されるセラミックスから形成され得る。枠体20のX方向における寸法は、例えば2mm以上10mm以下であり、Y方向における最大の寸法は、例えば4mm以上20mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.4mm以上2.0mm以下であり得る。
【0036】
第1~第4導電領域26a~26dならびに第1および第2接合領域28a、28bは、例えば、Ag、Cu、W、Au、Ni、Pt、Ti、およびPdからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料から形成され得る。第1~第4導電領域26a~26dおよび第1接合領域28aは、例えば、上面22aの全体に金属膜を設け、当該金属膜をエッチングによってパターニングすること、またはめっきにより、形成され得る。
【0037】
<第1サブマウント30a>
第1サブマウント30aは、
図1Cに示すように、XZ平面に沿って広がる板状の本体部30a0と、本体部30a0の上面に設けられる第1上部金属膜36a1および第2上部金属膜36a2と、本体部30a0の下面に設けられる下部金属膜38aとを備える。第1上部金属膜36a1および第2上部金属膜36a2はX方向に沿って並んで配置されており、互いに電気的に絶縁されている。第1サブマウント30aの上面32aは、第1上部金属膜36a1の上面および第2上部金属膜36a2の上面に相当する。第1サブマウント30aの下面34aは、下部金属膜38aの下面に相当する。
【0038】
第1上部金属膜36a1および第2上部金属膜36a2は、半導体レーザ素子40への給電および放熱に用いられる。第1上部金属膜36a1は、
図1Bに示す一方の導電性部材40wおよび半導体レーザ素子40に電気的に接続されている。第2上部金属膜36a2は、
図1Bに示す他方の導電性部材40wおよび
図1Cに示す中継部材42に電気的に接続されている。第1上部金属膜36a1は、第1サブマウント30aおよび半導体レーザ素子40を、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。第2上部金属膜36a2は、第1サブマウント30aおよび中継部材42を、同様の無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。下部金属膜38aは、第1サブマウント30aおよび放熱部材10を、同様の無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。
【0039】
第1サブマウント30aの下面34aは、
図1Fに示すように、第1上面12aに接合された第1領域33aと、枠体20の上面22aに対向し、かつ、枠体20の上面22aに接合されていない第2領域33bとを有する。第1サブマウント30aの上面32aは、第2領域33bの反対側に位置する第3領域33cと、第1領域33aの反対側に位置する第4領域33dとを有する。
【0040】
本明細書において、「第2領域33bが枠体20の上面22aに対向する」とは、放熱部材10の第1上面12aに対して垂直な方向において、第2領域33bの一部または全部が、枠体20の上面22aの一部または全部に重なることを意味する。
【0041】
図1Fに示す例において、第2領域33bは、第1領域33aの後方に位置する。したがって、第1サブマウント30aのうち、第2領域33bと第3領域33cとの間に位置する部分はレーザ光Lの進行の妨げにならない。当該部分がレーザ光Lの進行の妨げにならないのであれば、第2領域33bは、例えば、第1領域33aの側方に位置していてもよい。上面視で、半導体レーザ素子40が延びる方向を長手方向とし、長手方向に対して垂直な方向を短手方向とすると、側方は短手方向に相当する。
【0042】
このように、第2領域33bは、第1領域33aを基準として、半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lの出射方向とは異なる方向に位置する。レーザ光Lの出射方向とは異なる方向は、例えば、レーザ光Lの出射方向とは反対の方向、またはレーザ光Lの出射方向に交差する方向であり得る。
【0043】
第1サブマウント30aの上面32aが第3領域33cを有しない構成では、発熱量が相対的に多い半導体レーザ素子40だけでなく、発熱量が相対的に少ない各導電性部材40wの一部も第4領域33dに設ける必要がある。その結果、第4領域33dにおいて、半導体レーザ素子40を設ける領域が狭くなる。
【0044】
これに対して、実施形態1による発光装置100Aでは、第1サブマウント30aの上面32aのうち、第3領域33cには、各導電性部材40wの一部が設けられており、第4領域33dには、半導体レーザ素子40が優先的に設けられている。半導体レーザ素子40は、上面視で放熱部材10の第1上面12aの内側に位置する。言い換えれば、半導体レーザ素子40は、上面視で放熱部材10の第1上面12aからはみ出していない。したがって、半導体レーザ素子40から発せられる熱を、第1サブマウント30aを介して放熱部材10に効果的に伝えることができる。なお、第3領域33cには、発熱量が相対的に少ない前述の保護素子および/または温度測定素子を設けてもよい。
【0045】
半導体レーザ素子40から出射されるレーザ光Lの出力が10W以上のように高くなると、それに伴って、半導体レーザ素子40のX方向、Y方向、およびZ方向における寸法は大きくなる。そのような半導体レーザ素子40から発せられる熱を発光装置100Aの外部に効果的に伝えるために、放熱部材10のX方向およびZ方向における寸法を大きくすると、放熱部材10の熱膨張が原因で放熱部材10および枠体20の接合が外れる可能性がある。
【0046】
これに対して、実施形態1による発光装置100Aでは、第3領域33cに各導電性部材40wの一部を設けるので、放熱部材10のX方向およびZ方向における寸法が大きくなくても、第4領域33dには、寸法が大きい半導体レーザ素子40を設ける余裕がある。このように、実施形態1による発光装置100Aでは、レーザ光Lの出力が10W以上である半導体レーザ素子40であっても、半導体レーザ素子40から発せられる熱を発光装置100Aの外部に効果的に放出することが可能である。
【0047】
半導体レーザ素子40から発せられる熱によって放熱部材10が膨張する場合、放熱部材10および枠体20の接合が外れなくても、放熱部材10および枠体20の位置にずれが生じ得る。その場合でも第2領域33bは枠体20の上面22aに接合されていないので、第1サブマウント30aおよび枠体20にかかる負荷を低減することができる。
図1Fに示す例において、発光装置100Aの支持部材のうち、放熱部材10および/または枠体20を支持する支持面を基準として、放熱部材10の第1上面12aの高さは、枠体20の上面22aの高さよりも大きい。これら2つの上面の高さの関係により、第2領域33bおよび枠体20の上面22aは互いに離隔している。したがって、放熱部材10の熱膨張によって放熱部材10および枠体20の位置にずれが生じても、第1サブマウント30aおよび枠体20にかかる負荷をさらに低減することができる。本明細書において、「AおよびBが互いに離隔している」とは、AとBとの最短距離が10μm以上である場合を意味する。
【0048】
なお、
図1Fに示す例に限定されず、第1サブマウント30aの第2領域33bおよび枠体20の上面22aは、互いに接合されていないのであれば、必ずしも互いに離隔している必要はない。両者が互いに接合されていないのであれば、両者の距離は10μm未満であってもよいし、両者は互いに接触していてもよい。
【0049】
<第2サブマウント30b>
第2サブマウント30bは、
図1Cに示すように、XZ平面に沿って広がる板状の本体部30b0と、本体部30b0の上面に設けられる上部金属膜36bと、本体部30a0の下面に設けられる下部金属膜38bとを備える。第2サブマウント30bの上面32bは、上部金属膜36bの上面に相当する。第2サブマウント30bの下面34bは、第2サブマウント30bの下部金属膜38bの下面に相当する。
【0050】
上部金属膜36bは、
図1Fおよび
図1Gに示すように、第2サブマウント30bおよび封止部材60Aを、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。下部金属膜38bは、半導体レーザ素子40への給電に用いられる。下部金属膜38bは、さらに、第2サブマウント30bおよび半導体レーザ素子40を、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。下部金属膜38bは、さらに、第2サブマウント30bおよび中継部材42を、同様の無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。
【0051】
<半導体レーザ素子40>
半導体レーザ素子40は端面出射型の半導体レーザ素子であり、
図1Cに示すように、出射用の端面40eを有する。端面40eは、X方向に延び、XY平面に対して平行な矩形形状の平面である。半導体レーザ素子40は、Z方向に沿って延びる共振器を有し、端面40eからレーザ光Lを+Z方向に出射する。半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lは、YZ平面において相対的に速く広がり、XZ平面において相対的に遅く広がる。レーザ光Lの速軸方向はY方向に対して平行であり、遅軸方向はX方向に対して平行である。
【0052】
半導体レーザ素子40は、
図1Fおよび
図1Gに示すように、放熱部材10、枠体20、側壁50A、および封止部材60Aによって封止されている。この封止は気密封止であることが好ましい。気密封止による効果は、半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光の波長が短くなるほど高くなる。気密封止されず、半導体レーザ素子40の出射面が外気に接している構成では、レーザ光の波長が短くなるほど、集塵によって動作中に出射面の劣化が進行していく可能性が高くなるからである。
【0053】
半導体レーザ素子40の上面は、
図1Gに示すように、第2サブマウント30bの下部金属膜38bの下面に電気的に接続されている。第2サブマウント30bの下部金属膜38bの下面は、中継部材42の上面に電気的に接続されている。中継部材42の下面は、第1サブマウント30aの第2上部金属膜36a2の上面に電気的に接続されている。第2上部金属膜36a2の上面は、
図1Bに示す導電性部材40wを介して、第4導電領域26dに電気的に接続されている。
【0054】
半導体レーザ素子40の下面は、
図1Gに示すように、第1サブマウント30aの第1上部金属膜36a1の上面に電気的に接続されている。第1上部金属膜36a1の上面は、
図1Bに示す導電性部材40wを介して、第3導電領域26cに電気的に接続されている。
【0055】
上記の電気的な接続関係により、第1導電領域26aと第2導電領域26bとの間に電圧を印加することよって半導体レーザ素子40に給電することができる。
【0056】
半導体レーザ素子40は、可視領域における紫色、青色、緑色もしくは赤色のレーザ光L、または不可視領域における赤外もしくは紫外のレーザ光Lを出射し得る。紫色光の発光ピーク波長は、400nm以上420nm以下の範囲内にあることが好ましく、400nm以上415nm以下の範囲内にあることがより好ましい。青色光の発光ピーク波長は、420nmより大きく495nm以下の範囲内にあることが好ましく、440nm以上475nm以下の範囲内にあることがより好ましい。緑色光の発光ピーク波長は、495nmより大きく570nm以下の範囲内にあることが好ましく、510nm以上550nm以下の範囲内にあることがより好ましい。赤色光の発光ピーク波長は、605nm以上750nm以下の範囲内にあることが好ましく、610nm以上700nm以下の範囲内にあることがより好ましい。
【0057】
紫色、青色および緑色のレーザ光Lを出射する半導体レーザ素子40としては、窒化物半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。窒化物半導体材料としては、例えば、GaN、InGaN、およびAlGaNを用いることができる。赤色のレーザ光Lを出射する半導体レーザ素子40としては、例えば、InAlGaP系、GaInP系、GaAs系、およびAlGaAs系の半導体材料を含むレーザダイオードが挙げられる。
【0058】
半導体レーザ素子40から出力されるレーザ光Lの出力は、例えば10W以上であり得る。
【0059】
<中継部材42および導電性部材40w>
中継部材42および導電性部材40wは、半導体レーザ素子40の給電に用いられる。中継部材42は、
図1Dに示すように、Z方向に沿って延びる直方体の形状を有する。中継部材42のZ方向における寸法は、半導体レーザ素子40のZ方向における寸法とほぼ同じである。中継部材42の上面および下面の面積が大きいほど、中継部材42の電気抵抗値を低下させることができる。
【0060】
導電性部材40wは、例えばワイヤであり得る。
図1Bに示す例において、導電性部材40wの数は2個であるが、3個以上であってもよい。3個以上の導電性部材40wのうち、一部が、
図1Cに示す第3導電領域26cおよび第1上部金属膜36a1に電気的に接続され、残りの部分が第4導電領域26dおよび第2上部金属膜36a2に電気的に接続されてもよい。
【0061】
中継部材42および導電性部材40wは、例えばAu、Ag、Cu、およびAlからなる群から選択される少なくとも1つの金属材料から形成され得る。
【0062】
<側壁50A>
側壁50Aは、
図1Fおよび
図1Gに示すように、枠体20の上面22aによって支持されており、半導体レーザ素子40、第1サブマウント30a、および第2サブマウント30bを囲む。側壁50Aは、半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lを透過させる。側壁50Aのうち、レーザ光Lが透過する部分は、レーザ光Lに対して、例えば60%以上の透過率を有し、好ましくは80%以上の透過率を有し得る。側壁50Aのうち、残りの部分はそのような透光性を有してもよいし、有していなくてもよい。
【0063】
側壁50Aは、
図1Bに示すように、上面52Aおよび下面54Aを有する。上面52Aには上部接合領域56A1が設けられており、下面54Aには下部接合領域56A2が設けられている。上部接合領域56A1は、側壁50Aおよび封止部材60Aを、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。下部接合領域56A2は、側壁50Aおよび枠体20を、同様の無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。
【0064】
側壁50Aは、例えば、ガラス、シリコン、石英、合成石英、サファイア、透明セラミックス、シリコーン樹脂、およびプラスチックからなる群から選択される少なくとも1つの透光性材料から形成され得る。接合領域56A1、56A2は、例えば、第1~第3導電領域26a~26cならびに第1および第2接合領域28a、28bと同様に、前述の金属材料から形成され得る。接合領域56A1、56A2は、例えば、スパッタおよびめっきなどの成膜処理によって形成され得る。
【0065】
<封止部材60A>
封止部材60Aは、
図1Fおよび
図1Gに示すように、側壁50Aの上面52Aによって支持されており、側壁50Aによって囲まれる空間を封止する。封止部材60Aは、さらに、第2サブマウント30bの上面32bによって支持されている。
【0066】
図1Fおよび
図1Gに示す例において、発光装置100Aの支持部材のうち、放熱部材10および/または枠体20を支持する支持面を基準として、第2サブマウント30bの上面32bの高さは、側壁50Aの上面52Aの高さよりも大きい。封止部材60Aが金属箔である場合、金属箔は屈曲性を有するので、これら2つの面の高低差を吸収することができる。
【0067】
なお、
図1Fおよび
図1Gに示す例に限定されず、第2サブマウント30bの上面32bは、側壁50Aの上面52Aよりも低い位置にあってもよいし、これら2つの面は同じ平面上に位置していてもよい。
【0068】
封止部材60Aは、側壁50Aの上面52Aに接合された第1部分60A1と、第2サブマウント30bの上面32bに接合された第2部分60A2と、周縁部分および平板部分を繋ぐ第3部分60A3とを有する。第2部分60A2と第3部分60A3との境界は、上面視で、第2サブマウント30bの上面32bの外縁よりも外側に位置する。第3部分60A3は、第2サブマウント30bとは接触しない。したがって、第2サブマウント30bの角に接触して封止部材60Aが損傷する可能性を低減できる。
【0069】
上記の金属箔の母材は、例えば、アルミニウム、銅、金、コバール、チタン、ステンレス、タングステン、ベリリウム銅、チタン、ニッケル、銀、白金、ニクロム、ステンレス、タンタル、モリブデン、およびニオブからなる群から選択される少なくとも1つまたはその合金であり得る。母材は、例えば金属膜で覆われていることが好ましい。金属膜は、例えば、金、白金、チタン、ニッケル、クロム、パラジウム、ルテニウムからなる群から選択される少なくとも1つの材料から形成され得る。金属膜は、例えばスパッタおよびめっきなどの成膜処理によって母材の表面に形成され得る。金属箔の厚さは、例えば、10μm以上300μm以下であり得る。
【0070】
<放熱ブロック70>
放熱ブロック70は、
図1Fおよび
図1Gに示すように、封止部材60Aの第2部分60A2を介して第2サブマウント30bに熱的に接触している。半導体レーザ素子40から発せられる熱は、第1サブマウント30aおよび放熱部材10をこの順に介して発光装置100Aの外部に効果的に放出されるだけではない。半導体レーザ素子40から発せられる熱は、さらに、第2サブマウント30b、封止部材60A、および放熱ブロック70をこの順に介して発光装置100Aの外部に効果的に放出される。本明細書において、放熱ブロック70を「他の放熱部材」とも称する。
【0071】
図1A、
図1B、
図1F、および
図1Gに示す例において、放熱ブロック70は直方体の形状を有するが、この形状に限定されない。放熱ブロック70の形状は、例えば、円板であってもよいし、球であってもよい。放熱ブロック70は、例えば、放熱部材10と同じ材料から形成され得る。放熱ブロック70のX方向における寸法は、例えば1mm以上10mm以下であり、Y方向における寸法は、例えば4mm以上20mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.1mm以上5mm以下であり得る。
【0072】
以上のことから、実施形態1によれば、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって発光装置100A内の放熱部材10が膨張しても、第1サブマウント30aの第2領域33bは枠体20の上面22aに接合されていなので、第1サブマウント30aおよび枠体20にかかる負荷を低減することができる。このように、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって発光装置100A内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置100Aを実現することができる。
【0073】
(実施形態1の変形例)
次に、
図2Aおよび
図2Bを参照して、本開示の実施形態1による発光装置の変形例を説明する。
図2Aおよび
図2Bは、それぞれ、本開示の実施形態1による発光装置の変形例の構成を模式的に示す、XY平面およびYZ平面に対して平行な断面図である。
図2Aに示す破線によって囲まれた領域には、放熱部材10、枠体20、および第1サブマウント30a、ならびにそれらの周辺の構成が拡大して示されている。
【0074】
図2Aおよび
図2Bに示す発光装置110Aが、
図1Fおよび
図1Gに示す発光装置100Aとは異なる点は、第1サブマウント30aの形状である。発光装置110Aにおいて、第1サブマウント30aの下面34aは、
図2Aに示すように、第1上面12aに接合された第1領域33aと、第1上面12aに接合されていない第2領域33bとを有する。第2領域33bは、
図2Aに示すように第1領域33aの両側方に位置し、
図2Bに示すように第1領域33aの後方には位置しない。第1サブマウント30aの上面32aは、
図2Aに示すように、第2領域33bの反対側に位置する第3領域33cと、第1領域33aの反対側に位置する第4領域33dとを有する。第1サブマウント30aのうち、第2領域33bと第3領域33cとの間に位置する部分はレーザ光Lの進行の妨げにならない。
図2Aの拡大された領域には、第1サブマウント30aのうち、-X方向側の端の構成が示されているが、+X方向側の端も同様の構成を有する。
【0075】
発光装置110Aにおいて、第2領域33bは、上面視で、放熱部材10の第1平板部分10aと枠体20との間の隙間に重なるものの、枠体20の上面22aに対向していない。したがって、第1サブマウント30aは、X方向においてそれほど大きい寸法を有する必要はない。第2領域33bが枠体20の上面22aに対向していなくても、第1サブマウント30aのうち、第2領域33bと第3領域33cとの間に位置する部分が放熱部材10からはみ出しているので、各導電性部材40wの一部を第3領域33cに設けることができる。したがって、第4領域33dには、半導体レーザ素子40を優先的に設けることができる。第3領域33cが狭い場合、導電性部材40wの一部を、第3領域33cおよび第4領域33dに亘って設けてもよい。
【0076】
発光装置110Aでは、実施形態1による発光装置100Aと同様に、第2領域33bが枠体20の上面22aに接合されていない。したがって、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって発光装置110A内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置110Aを実現することができる。
【0077】
(実施形態2)
次に、
図3Aから
図3Cを参照して、本開示の実施形態2による発光装置の構成例を説明する。
図3Aは、本開示の例示的な実施形態2による発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図3Aに示す発光装置100Bは、
図1Aに示す発光装置100Aとは異なり、レーザ光Lを上方に出射する。
図3Bは、
図3Aに示す発光装置100Bの分解斜視図である。
図3Bに示す発光装置100Bが
図1Bに示す発光装置100Aとは異なる点は、発光装置100Bが、側壁50A、封止部材60A、および放熱ブロック70の代わりに、ミラー部材80、側壁50B、および封止部材60Bを備えることである。ミラー部材80は反射面80sを有する。
図3Cは、
図3Aに示す発光装置100Bの、YZ平面に対して平行な断面図である。
【0078】
実施形態2による発光装置100Bにおいて、ミラー部材80の反射面80sは、
図3Cに示すように、半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lを反射してレーザ光の進行方向を放熱部材10の第1上面12aから離れる方向に変化させる。封止部材60Bは、反射面80sで反射されたレーザ光Lを透過させる。
【0079】
以下に、発光装置100Bの構成要素のうち、ミラー部材80、側壁50B、および封止部材60Bを詳細に説明する。
【0080】
<ミラー部材80>
ミラー部材80は、
図3Cに示すように、放熱部材10の第1上面12aによって支持されている。ミラー部材80は、X方向に一様な断面形状を有する。当該断面形状は概略的に三角形である。ミラー部材80は、下面と、背面と、下面および背面を繋ぐ斜面とを有する。下面はXZ平面に対して平行であり、背面はXY平面に対して平行である。当該斜面の法線方向は、YZ平面に対して平行な方向であって、+Y方向と鋭角をなし、かつ-Z方向と鋭角をなす方向である。ミラー部材80の下面と斜面とがなす角度は45°であるが、この角度に限定されず例えば30°以上60°以下であってもよい。
【0081】
ミラー部材80は、上記の斜面に反射面80sを有する。反射面80sは、放熱部材10の第1上面12aに対して傾斜し、斜め上方を向く。本明細書において、斜め上方とは、+Y方向と30°以上60°以下の角度をなす方向を意味する。反射面80sが半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lを受けることができ、かつ、反射面80sの法線方向が+Y方向と30°以上60°以下の角度をなす方向であれば、反射面80sの法線方向は、YZ平面に対して平行であってもよいし、平行でなくてもよい。レーザ光Lが放熱部材10の第1上面12aから離れる方向と、放熱部材10の第1上面12aの法線方向とがなす角度は、例えば、0°以上5°以下であり得る。
【0082】
<側壁50B>
側壁50Bは、実施形態1における側壁50Aと同様に、枠体20の上面22aによって支持されており、半導体レーザ素子40を囲む。一方で、側壁50Bは、側壁50Aとは異なり、レーザ光Lに対して透光性を有しないことが好ましい。発光装置100Bの内部で生じるレーザ光L以外の迷光が側壁50Bから漏れないようにするためである。側壁50Bは、
図3Bに示すように、上面52Bおよび下面54Bを有し、上面52Bには上部接合領域56B1が設けられており、下面54Bには下部接合領域56B2が設けられている。上部接合領域56B1は、側壁50Bおよび封止部材60Bを、はんだ材のような無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。下部接合領域56B2は、側壁50Bおよび枠体20を、同様の無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。
【0083】
側壁50Bは、例えば、枠体20と同様に、前述のセラミックスから形成され得る。側壁50BのX方向における寸法は、例えば1mm以上10mm以下であり、Y方向における最大の寸法は、例えば4mm以上15mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.1mm以上2mm以下であり得る。
【0084】
接合領域56B1、56B2は、例えば、第1~第4導電領域26a~26dならびに第1および第2接合領域28a、28bと同様に、前述の金属材料から形成され得る。接合領域56B1、56B2は、例えば、スパッタおよびめっきなどの成膜処理によって形成され得る。
【0085】
<封止部材60B>
封止部材60Bは、
図3Bに示すように、上面62Bおよび下面64Bを有する。封止部材60Bの下面64Bは放熱部材10の第1上面12aに対向し、封止部材60Bの上面62Bは封止部材60Bの下面64Bの反対側に位置する。本明細書において、「封止部材60Bの下面64Bが放熱部材10の第1上面12aに対向する」とは、放熱部材10の第1上面12aに対して垂直な方向において、封止部材60Bの下面64Bの一部または全部が、放熱部材10の第1上面12aの一部または全部に重なることを意味する。封止部材60Bの下面64Bを「対向面」とも称する。封止部材60Bは、第1サブマウント30a、第2サブマウント30b、および半導体レーザ素子40の上方に位置する。封止部材60Bは、反射面80sで反射されたレーザ光Lを透過させる。
【0086】
封止部材60Bは、下面64Bのうち、レーザ光Lを透過させる透光領域64の少なくとも周囲に遮光膜66を有する。
図3Bに示す例において、透光領域64は、矩形形状を有するが、この形状に限定されない。透光領域64の形状は、例えば、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。
【0087】
あるいは、封止部材60Bは、下面64Bのうち、透光領域64の少なくとも周囲の一部に遮光膜66を有していてもよい。例えば、透光領域64の端の一部が下面64Bの端の一部に一致する場合、遮光膜66は、下面64Bのうち、以下の領域の少なくとも一部に設けられ得る。当該領域は、下面64Bにおいて、透光領域64の端のうち、上記の一部以外の残りの部分に隣接する領域である。
【0088】
遮光膜66は、発光装置100Aの内部で生じるレーザ光L以外の迷光が発光装置100Bの外部に漏れる可能性を低減する。遮光膜66は、さらに、発光装置100Bの外部に出射されたレーザ光Lの戻り光が半導体レーザ素子40に到達する可能性を低減する。戻り光による照射を低減できれば、半導体レーザ素子40は損傷しにくくなる。
【0089】
図3Bに示す例において、遮光膜66は、下面64Bのうち、透光領域64以外の領域の全体に設けられている。そのように設けられた遮光膜66は、上記の迷光が発光装置100Bの外部に漏れる可能性、および上記の戻り光が半導体レーザ素子40に到達する可能性をさらに低減する。
【0090】
封止部材60Bのうち、透光領域64だけでなく、上面視で透光領域64に重なる部分も、レーザ光Lを透過させる。封止部材60Bのうち、レーザ光Lを透過させる部分は、レーザ光Lに対して、例えば60%以上の透過率を有し、好ましくは80%以上の透過率を有し得る。封止部材60Bのうち、残りの部分はそのような透光性を有してもよいし、有していなくてもよい。
【0091】
封止部材60Bは、例えば、実施形態1における側壁50Aと同様に、前述の透光性材料から形成され得る。封止部材60BのX方向における寸法は、例えば1mm以上10mm以下であり、Y方向における寸法は、例えば4mm以上15mm以下であり、Z方向における寸法は、例えば0.1mm以上0.5mm以下であり得る。
【0092】
遮光膜66は、例えば、第1~第4導電領域26a~26dならびに第1および第2接合領域28a、28bと同様に、前述の金属材料から形成され得る。遮光膜66は、例えば、第1~第4導電領域26a~26dおよび第1接合領域28aと同様に、例えば、封止部材60Bの下面64Bの全体に金属膜を設け、当該金属膜をエッチングによってパターニングすること、またはめっきにより、形成され得る。
【0093】
遮光膜66の周縁領域は、側壁50Bの上面52Bに設けられた上部接合領域56B1に、はんだ材のような無機接合部材を介して接合される。遮光膜66が上記の金属材料から形成される場合、遮光膜66は、封止部材60Bおよび側壁50Bを、無機接合部材を介して接合する際に接合強度を向上させる。
【0094】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、駆動時に半導体レーザ素子40から発せられる熱によって発光装置100B内の部品が膨張しても、部品間にかかる負荷を低減できる発光装置100Bを実現することができる。さらに、実施形態2によれば、実施形態1とは異なり、半導体レーザ素子40から出射されたレーザ光Lをミラー部材80の反射面80sで反射することにより、レーザ光Lを上方に出射することができる。
【0095】
なお、実施形態2による発光装置100Bに含まれる第1サブマウント30aの代わりに、
図2Aおよび
図2Bに示す発光装置110Aに含まれる第1サブマウント30aを用いてもよい。
【0096】
本明細書において、実施形態1における側壁50Aおよび封止部材60Aを「キャップ」とも称する。実施形態2における側壁50Bおよび封止部材60Bについても同様である。当該キャップは枠体20の上面22aによって支持されており、第1サブマウント30a、第2サブマウント30b、および半導体レーザ素子40を封止する。
【0097】
(高出力レーザ装置)
実施形態1による発光装置100Aまたは実施形態2による発光装置100Bは、例えば、高出力レーザ装置に利用することができる。以下では、実施形態1による発光装置100Aを例に挙げて説明するが、実施形態2による発光装置100Bを用いてもよい。
【0098】
高出力レーザ装置は、ヒートシンク上に一方向に沿って配置される複数の発光装置100Aと、複数の発光装置100Aの各々からレーザ光Lが出射されて得られる複数のレーザ光Lを集束する集光レンズとを備える。高出力レーザ装置は、集光レンズから複数のレーザ光Lが結合された結合光を出射する。発光装置100Aの数が多いほどレーザ光Lの本数が多くなるので、結合光の出力を高くすることができる。
【0099】
本開示は、以下の項目に記載の発光装置を含む。
【0100】
[項目1]
実装面を有する放熱部材と、
前記放熱部材に固定され、上面を有する枠体と、
前記実装面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、
前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、
を備え、
前記サブマウントの前記下面は、
前記実装面に接合された第1領域と、
前記枠体の前記上面に対向し、かつ、前記枠体の前記上面に接合されていない第2領域と、
を有する、発光装置。
【0101】
[項目2]
前記枠体は、前記放熱部材を囲み、
前記枠体の前記上面は、前記実装面の法線方向から見て、前記実装面の外側に位置する、項目1に記載の発光装置。
【0102】
[項目3]
前記サブマウントの前記下面における前記第2領域、および前記枠体の前記上面は、互いに離隔している、項目1または2に記載の発光装置。
【0103】
[項目4]
前記放熱部材および/または前記枠体を支持する支持面を基準として、前記放熱部材の前記実装面の高さは、前記枠体の前記上面の高さよりも大きい、項目1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
【0104】
[項目5]
前記放熱部材の前記実装面に対して垂直な方向から見て、前記半導体レーザ素子は前記実装面の内側に位置する、項目1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【0105】
[項目6]
前記サブマウントの前記上面は、前記第2領域とは反対側に位置する第3領域を有し、
前記半導体レーザ素子に電気的に接続される導電性部材をさらに備え、前記導電性部材の一部は前記第3領域に設けられている、項目1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
【0106】
[項目7]
前記サブマウントは、本体部と、前記本体部に設けられた金属膜とを備え、
前記金属膜は、前記導電性部材および前記半導体レーザ素子に電気的に接続されている、項目6に記載の発光装置。
【0107】
[項目8]
前記第2領域は、前記第1領域を基準として、前記半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の出射方向とは異なる方向に位置する、項目1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
【0108】
[項目9]
前記放熱部材の熱膨張係数と、前記枠体の熱膨張係数との差の絶対値は、1.0×10-6K-1以上5.0×10-5K-1以下である、項目1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
【0109】
[項目10]
前記放熱部材は、上面視で、一辺が7mmである正方形の内側に位置する、項目9に記載の発光装置。
【0110】
[項目11]
前記放熱部材の熱伝導率は、10W/m・K以上2000W/m・K以下である、項目1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
【0111】
[項目12]
前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の出力は10W以上である、項目1から11のいずれか1項に記載の発光装置。
【0112】
[項目13]
前記枠体の前記上面によって支持され、前記半導体レーザ素子および前記サブマウントを封止するキャップをさらに備える、項目1から12のいずれか1項に記載の発光装置。
【0113】
[項目14]
前記キャップは、
前記枠体の前記上面によって支持され、前記半導体レーザ素子および前記サブマウントを囲む側壁であって、上面を有する側壁と、
前記側壁の前記上面によって支持され、前記側壁によって囲まれる空間を封止する封止部材と、
をさらに備える、項目13に記載の発光装置。
【0114】
[項目15]
前記半導体レーザ素子は上面を有し、
前記半導体レーザ素子の前記上面によって支持される他のサブマウントであって、上面を有する他のサブマウントをさらに備え、
前記封止部材は、前記側壁の前記上面および前記他のサブマウントの前記上面によって支持されている、
項目14に記載の発光装置。
【0115】
[項目16]
前記封止部材は金属箔である、項目15に記載の発光装置。
【0116】
[項目17]
前記封止部材は上面を有し、
前記封止部材の前記上面によって支持される他の放熱部材をさらに備える、項目15または16に記載の発光装置。
【0117】
[項目18]
前記側壁は、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を透過させる、項目15から17のいずれか1項に記載の発光装置。
【0118】
[項目19]
前記レーザ光の波長は420nm以上450nm以下である、項目18に記載の発光装置。
【0119】
[項目20]
第1上面と、前記第1上面よりも下方に位置する第2上面とを有する放熱部材と、
第1下面と、前記第1下面よりも上方に位置する第2下面とを有する枠体であって、前記第2下面が前記放熱部材の前記第2上面に接合された枠体と、
前記第1上面によって支持されるサブマウントであって、上面および下面を有するサブマウントと、
前記サブマウントの前記上面によって支持される半導体レーザ素子と、
を備え、
前記サブマウントの前記下面は、
前記第1上面に接合された第1領域と、
前記第1上面に接合されていない第2領域と、
を有する、発光装置。
【0120】
[項目21]
前記第2領域は、前記枠体の前記上面に対向しない、項目20に記載の発光装置。
【0121】
[項目22]
前記第2領域は、前記第1領域の両側方に位置する、項目20または21に記載の発光装置。
【0122】
[項目23]
前記サブマウントの前記上面は、前記第2領域とは反対側に位置する第3領域を有し、
前記半導体レーザ素子に電気的に接続される導電性部材をさらに備え、前記導電性部材の一部は前記第3領域に設けられている、項目20から22のいずれか1項に記載の発光装置。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示の発光装置は、本開示の発光装置は、例えば、高出力のレーザ光源が必要とされる産業用分野、例えば各種材料の切断、穴あけ、局所的熱処理、表面処理、金属の溶接、3Dプリンティングに利用され得る。
【符号の説明】
【0124】
10:放熱部材 10a:第1平板部分 10b:第2平板部分 12a:第1上面 12b:第2上面 14:下面 20:枠体 22a:上面 24a:第1下面 24b:第2下面 26a:第1導電領域 26b:第2導電領域 26c:第3導電領域 26d:第4導電領域 28a:第1接合領域 28b:第2接合領域 30a:第1サブマウント 30a0:本体部 30b:第2サブマウント 30b0:本体部 32a:上面 32b:上面 33a:第1領域 33b:第2領域 33c:第3領域 33d:第4領域 34a:下面 34b:下面 36a1:第1上部金属膜 36a2:第2上部金属膜 36b:上部金属膜 38a:下部金属膜 38b:下部金属膜 40:半導体レーザ素子 40e:端面 40w:導電性部材 42:中継部材 50A、50B:側壁 52A、52B:上面 54A、54B:下面 56A1、56B1:上部接合領域 56A2、56B2:下部接合領域 60A:封止部材 60A1:第1部分 60A2:第2部分 60A3:第3部分 60B:封止部材 62B:上面 64:透光領域 64B:下面 66:遮光膜 70:放熱ブロック 80:ミラー部材 80s:反射面 100A、110A、100B:発光装置 L:レーザ光