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特開2024-105216研磨パッドの摩耗補償による基板層の厚さの決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024105216
(43)【公開日】2024-08-06
(54)【発明の名称】研磨パッドの摩耗補償による基板層の厚さの決定
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/013 20120101AFI20240730BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240730BHJP
   B24B 51/00 20060101ALI20240730BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20240730BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B24B37/013
B24B49/12
B24B51/00
B24B49/10
H01L21/304 622R
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028235
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2022544052の分割
【原出願日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】63/043,716
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュー, クン
(72)【発明者】
【氏名】シェリアン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】チエン, チュン
(72)【発明者】
【氏名】シュレスタ, キラン ロール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ニューラルネットワークをトレーニングする方法を提供する。
【解決手段】ニューラルネットワークをトレーニングする方法は、試験基板について2つのグラウンドトゥルース厚さプロファイルを取得することと、試験基板が異なる厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定される試験基板についての2つの厚さプロファイルを取得することと、2つのプロファイルの間を補間することによって、2つの厚さ値の間にある別の厚さ値についての推定された厚さプロファイルを生成することと、推定された厚さプロファイルを使用してニューラルネットワークをトレーニングすることとを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューラルネットワークをトレーニングする方法であって、
異なる厚さプロファイルを有する複数の試験基板の各試験基板について、
前記試験基板のグラウンドトゥルース厚さプロファイルを取得することと、
第1の厚さ値を取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、前記第1の厚さ値に対応する第1の厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定されている前記試験基板に対応する第1の測定された厚さプロファイルを取得することと、
第2の厚さ値を取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、前記第2の厚さ値に対応する第2の厚さの研磨パッド上にある間に、前記インシトゥモニタシステムによって測定されている前記試験基板に対応する第2の測定された厚さプロファイルを取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、前記試験基板についての前記第1のプロファイルと前記第2の厚さプロファイルとの間を補間することによって、前記第1の厚さ値と前記第2の厚さ値との間にある第3の厚さ値についての推定された第3の厚さプロファイルを生成することと、
各試験基板について、前記ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、前記第3の厚さ及び前記推定された第3の厚さプロファイルを複数の入力ノードに適用し、前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することによって、前記ニューラルネットワークをトレーニングすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の厚さ値を取得することは、前記第1及び第2の研磨パッドの厚さを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1又は第2の厚さプロファイルを取得することは、前記第1又は第2の厚さの研磨パッド上に前記試験基板を載置することと、インシトゥモニタシステムで前記試験基板を走査することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ニューラルネットワークをトレーニングすることは、前記ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、前記第1又は第2の厚さ及び前記推定された第1又は第2の厚さプロファイルを複数の入力ノードに適用し、前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ニューラルネットワークをトレーニングすることは、前記ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、第4の厚さ及び推定された第4の厚さプロファイルを複数の入力ノードに適用し、前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記補間が線形補間である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
研磨システムであって、
研磨パッドを支持するためのプラテンと、
基板を保持し、前記基板を前記研磨パッドと接触させるためのキャリアヘッドと、
導電層が前記研磨パッドによって研磨されている間に、前記基板上の前記導電層の厚さに依存する信号を生成するためのインシトゥモニタシステムと、
コントローラと
を備え、前記コントローラは、
前記導電層の研磨前の厚さの寸法を受信することと、
前記導電層の研磨開始時に前記インシトゥモニタシステムから初期信号値を取得することと、
前記研磨前の厚さに基づいて前記導電層の期待信号値を決定することと、
前記初期信号値と前記期待信号値に基づいて利得を計算することと、
利得関数を用いて前記利得から研磨パッド厚さ値を決定することと、
前記導電層の研磨中に前記インシトゥモニタシステムから信号を受信して、前記層上の複数の異なる場所についての複数の測定信号を生成することと、
前記複数の測定信号から前記層上の前記複数の異なる場所についての複数の厚さ値を決定することと、
ニューラルネットワークを通して前記複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、前記複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、前記場所についての修正された厚さ値を生成することであって、前記複数の厚さ値及び前記研磨パッド厚さ値の前記少なくともいくつかは、前記ニューラルネットワークに入力され、前記修正された厚さ値は、前記ニューラルネットワークによって出力される、前記場所についての修正された厚さ値を生成することと、
前記複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うことと
を実行するように構成される、研磨システム。
【請求項8】
前記ニューラルネットワークは、複数の入力ノードと、複数の出力ノードと、複数の中間ノードとを含み、前記複数の厚さ値のうちの前記少なくともいくつかは、前記入力ノードのうちの少なくともいくつかに適用され、前記研磨パッド厚さを表す値は、前記複数の中間ノードから1つの中間ノードに直接適用され、前記複数の出力ノードのうちの少なくともいくつかは、前記複数の修正された厚さ値を出力する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記インシトゥモニタシステムは、渦電流モニタシステムを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記研磨前の測定を実行するためのインライン計測システムを更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記利得関数は、線形関数を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
研磨を制御する方法であって、
基板上の導電層の研磨前の厚さの寸法を受信することと、
前記基板上の前記導電層を研磨システム内の研磨パッドと接触させ、研磨を開始することと、
前記導電層の前記研磨の開始時にインシトゥモニタシステムからの初期信号値を取得することと、
前記研磨前の厚さに基づいて前記導電層の期待信号値を決定することと、
前記初期信号値及び前記期待信号値に基づいて利得を計算することと、
利得関数を使用して前記利得から研磨パッド厚さ値を決定することと、
前記層上の複数の異なる場所についての複数の測定信号を生成するために、前記導電層の研磨中に前記インシトゥモニタシステムから信号を受信することと、
前記複数の測定信号から前記層上の前記複数の異なる場所について複数の厚さ値を決定することと、
ニューラルネットワークを通して前記複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、前記複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、前記場所についての修正された厚さ値を生成することであって、前記複数の厚さ値及び前記研磨パッド厚さ値の少なくともいくつかは、前記ニューラルネットワークに入力され、前記修正された厚さ値は、前記ニューラルネットワークによって出力される、前記場所についての修正された厚さ値を生成することと、
前記複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うことと
を含む、方法。
【請求項13】
研磨前の厚さの前記寸法を受信することは、独立型計測ステーションで前記研磨前の厚さを測定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
研磨前の厚さの前記寸法を受信することは、前記研磨システムのインライン計測ステーションで前記研磨前の厚さを測定することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記インシトゥモニタシステムは、渦電流モニタシステムを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記利得関数は、線形関数を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
非一過性のコンピュータ可読媒体において有形に具現化されるコンピュータプログラム製品であって、1つ又は複数のプロセッサに、
研磨パッド厚さを表す値を受信することと、
導電層の研磨中にインシトゥモニタシステムから信号を受信して、前記層上の複数の異なる場所について複数の測定信号を生成することと、
前記複数の測定信号から前記層上の前記複数の異なる場所についての複数の厚さ値を決定することと、
試験パッドの厚さ値、試験層の推定厚さプロファイル、及び試験層のグラウンドトゥルース厚さプロファイルの複数のタプルを使用して、トレーニングされたニューラルネットワークを通して前記複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、前記複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、前記場所についての修正された厚さ値を生成することであって、前記複数の厚さ値及び前記研磨パッド厚さ値の前記少なくともいくつかは、前記ニューラルネットワークに入力され、前記修正された厚さ値は、前記ニューラルネットワークによって出力される、前記場所についての修正された厚さ値を生成することと、
前記複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うことと
を実行させるための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記研磨パッド厚さを表す前記値を受信するための前記命令は、
導電層の研磨前の厚さの測定値を受信することと、
前記導電層の研磨開始時に前記インシトゥモニタシステムから初期信号値を取得することと、
前記研磨前の厚さに基づいて前記導電層の期待信号値を決定することと、
前記初期信号値及び前記期待信号値に基づいて利得を計算することと、
利得関数を使用して前記利得から研磨パッド厚さ値を決定することと
を実行するための命令を含む、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記利得関数は、線形関数を含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記ニューラルネットワークは、複数の入力ノードと、複数の出力ノードと、複数の中間ノードとを含み、前記複数の厚さ値のうちの前記少なくともいくつかは、前記入力ノードのうちの少なくともいくつかに適用され、前記研磨パッド厚さを表す前記値は、前記複数の中間ノードから1つの中間ノードに直接適用され、前記複数の出力ノードのうちの少なくともいくつかは、前記複数の修正された厚さ値を出力する、請求項17に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板の研磨中のインシトゥモニタリング及びプロファイル再構成に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、通常、シリコンウエハ上に導電層、半導電層又は絶縁層を連続的に堆積させ、その後、層を処理することによって、基板(例えば、半導体ウエハ)上に形成される。
【0003】
ある製造工程は、非平面の表面上に充填層を堆積させ、非平面の表面が露出するまで充填層を平坦化することを含む。例えば、絶縁層のトレンチ又は孔を充填するために、パターニングされた絶縁層上に導電性の充填層を堆積させることができる。次に、絶縁層の隆起パターンが露出するまで、充填層を研磨する。平坦化された後に、絶縁層の隆起パターンの間に残された導電層の部分が、基板上の薄膜回路間の導電経路を提供するビア、プラグ及びラインを形成する。加えて、平坦化は、リソグラフィのために基板表面を平坦化するために使用されてもよい。
【0004】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの容認された方法である。この平坦化方法は、通常、基板がキャリアヘッド上に装着される必要がある。基板の露出面は、回転する研磨パッドに当たるように載置される。キャリアヘッドは、基板上に制御可能な負荷をかけて、基板を研磨パッドに押し当てる。研磨パッドの表面には、砥粒研磨粒子を含むスラリなどの研磨液が供給される。研磨パッドをウエハ間で均一な研磨状態に維持するために、研磨パッドは、コンディショニングプロセスにさらされる(例えば、研磨コンディショナディスクによって研磨される)。複数の基板を研磨する過程にわたって、研磨パッドの厚さは、研磨パッドを摩耗させるコンディショナディスクのために変化しうる。
【0005】
半導体処理の間に、基板又は基板上の層の1つ又は複数の特性を決定することが重要でありうる。例えば、CMPプロセスの間に、導電層の厚さを知ることが重要であり、その結果、プロセスを正しい時間に終了させることができる。基板特性を決定するために、いくつかの方法が使用されうる。例えば、化学機械研磨中に基板のインシトゥモニタリングを行うために、光学センサが使用されうる。代替的には(又は追加的には)、基板上の導電性領域に渦電流を誘導し、導電性領域の局所的な厚さなどのパラメータを決定するために、渦電流感知システムが使用されてもよい。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、ニューラルネットワークをトレーニングする方法は、異なる厚さプロファイルを有する複数の試験基板の各試験基板について、グラウンドトゥルース厚さプロファイルを取得することと、第1の厚さ値を取得することと、複数の試験基板の各試験基板について、第1の厚さ値に対応する第1の厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定されている試験基板に対応する第1の測定された厚さプロファイルを取得することと、第2の厚さ値を取得することと、複数の試験基板の各試験基板について、第2の厚さ値に対応する第2の厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定されている試験基板に対応する第2の測定された厚さプロファイルを取得することと、複数の試験基板の各試験基板について、試験基板についての第1のプロファイルと第2の厚さプロファイルとの間を補間することによって、第1の厚さ値と第2の厚さ値との間にある第3の厚さ値についての推定された第3の厚さプロファイルを生成することと、各試験基板について、ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、第3の厚さ及び推定された第3の厚さプロファイルを複数の入力ノードに適用し、グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することによって、ニューラルネットワークをトレーニングすることとを含む。
【0007】
別の態様では、研磨システムは、研磨パッドを支持するためのプラテンと、基板を保持し、基板を研磨パッドと接触させるためのキャリアヘッドと、導電層が前記研磨パッドによって研磨されている間に、基板上の導電層の厚さに依存する信号を生成するためのインシトゥモニタシステムと、コントローラとを含む。コントローラは、導電層の研磨前の厚さの寸法を受信することと、導電層の研磨開始時にインシトゥモニタシステムから初期信号値を取得することと、研磨前の厚さに基づいて導電層の期待信号値を決定することと、初期信号値及び期待信号値に基づいて利得を計算することと、利得関数を使用して利得から研磨パッド厚さ値を決定することと、導電層の研磨中にインシトゥモニタシステムから信号を受信し、層上の複数の異なる場所についての複数の測定信号を生成することと、複数の測定信号から層上の複数の異なる場所について複数の厚さ値を決定することと、複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、ニューラルネットワークを通して複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、場所についての修正された厚さ値を生成することであって、複数の厚さ値及び研磨パッド厚さ値の少なくともいくつかは、ニューラルネットワークに入力され、修正された厚さ値は、ニューラルネットワークによって出力される、場所についての修正された厚さ値を生成することと、複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うこととを実行するように構成される。
【0008】
別の態様では、研磨を制御する方法は、基板上の導電層の研磨前の厚さの寸法を受信することと、基板上の導電層を研磨システム内の研磨パッドと接触させ、研磨を開始することと、導電層の研磨開始時にインシトゥモニタシステムから初期信号値を取得することと、研磨前の厚さに基づいて導電層の期待信号値を決定することと、初期信号値及び期待信号値に基づいて利得を計算することと、利得関数を使用して利得から研磨パッド厚さ値を決定することと、層上の複数の異なる場所について複数の測定信号を生成するために、導電層の研磨中にインシトゥモニタシステムから信号を受信することと、複数の測定信号から層上の複数の異なる場所についての複数の厚さ値を決定することと、ニューラルネットワークを通して複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、場所についての修正された厚さ値を生成することであって、複数の厚さ値及び研磨パッド厚さ値の少なくともいくつかは、ニューラルネットワークに入力され、修正された厚さ値は、ニューラルネットワークによって出力される、場所についての修正された厚さ値を生成することと、複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うこととを含む。
【0009】
別の態様では、コンピュータ可読媒体において有形に具現化されたコンピュータプログラム製品は、研磨パッド厚さを表す値を受信することと、導電層の研磨中にインシトゥモニタシステムから信号を受信して、層上の複数の異なる場所について複数の測定信号を生成することと、複数の測定信号から層上の複数の異なる場所についての複数の厚さ値を決定することと、試験パッドの厚さ値、試験層の推定厚さプロファイル、及び試験層のグラウンドトゥルース厚さプロファイルの複数のタプルを使用してトレーニングされたニューラルネットワークを通して、複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、場所についての修正された厚さ値を生成することであって、複数の厚さ値及び研磨パッド厚さ値の少なくともいくつかは、ニューラルネットワークに入力され、修正された厚さ値は、ニューラルネットワークによって出力される、場所についての修正された厚さ値を生成することと、複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うこととを、1つ又は複数のプロセッサに実行させるための命令を含む。
【0010】
別の態様では、コンピュータ可読媒体において有形に具現化されたコンピュータプログラム製品は、研磨パッド厚さを表す値を受信することと、インシトゥモニタシステムから、研磨されている層上の複数の異なる場所ついて複数の測定信号を受信することと、複数の測定信号から層上の複数の異なる場所について複数の厚さ値を決定することと、ニューラルネットワークを通して複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、場所についての修正された厚さ値を生成することと、複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うこととを、1つ又は複数のプロセッサに実行させるための命令を含む。ニューラルネットワークは、複数の入力ノードと、複数の出力ノードと、複数の中間ノードとを含む。複数の厚さ値のうちの少なくともいくつかは、入力ノードのうちの少なくともいくつかに適用され、研磨パッド厚さを表す値は、複数の中間ノードから1つの中間ノードに直接適用され、複数の出力ノードのうちの少なくともいくつかは、複数の修正された厚さ値を出力する。
【0011】
特定の実施態様は、以下の利点の1つ又は複数を含むことができる。インシトゥモニタシステム、例えば渦電流モニタシステムは、基板にわたるセンサ走査として信号を生成することができる。このシステムは、例えば、ウエハ間のパッドの厚さの変化に起因する信号のエッジ部分の歪みを補償しうる。この信号は、例えばキャリアヘッド圧力などの、研磨パラメータの終点制御及び/又は閉ループ制御に使用することができるため、改良されたウエハ内不均一性(within-wafer non-uniformity(WIWNU))及びウエハ間不均一性(water-to-wafer non-uniformity(WTWNU))を提供する。
【0012】
1つ又は複数の実施態様の詳細が、添付図面及び以下の説明に記載される。他の態様、特徴及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】渦電流モニタシステムを含む化学機械研磨ステーションの部分断面の概略側面図である。
図1B】化学機械研磨ステーションの概略平面図である。
図2】基板が研磨装置のセンサヘッドによって走査されている概略上面図である。
図3A】測定された信号に基づいて基板の厚さを決定するための静的公式(static formula)の概略グラフである。
図3B】測定されたインピーダンス信号利得に基づいて研磨パッドの厚さを決定するための関数の概略グラフである。
図4】基板上の場所をモニタリングしながら獲得される測定信号の概略グラフである。
図5】例示的なニューラルネットワークである。
図6】基板を研磨するための一例のプロセスのフロー図である。
図7】測定信号のグループのための変更された信号を生成するためにニューラルネットワークをトレーニングするための例示的なプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
種々の図面における類似の参照記号は、類似の要素を示す。
【0015】
研磨装置は、基板上で研磨されている外層の厚さを検出するために、インシトゥ(in-situ、その場)モニタシステム、例えば渦電流モニタシステムを使用することができる。厚さ測定値は、研磨終点をトリガするために、及び/又は研磨プロセスの処理パラメータをリアルタイムで調整するために使用することができる。例えば、基板キャリアヘッドは、外層の様々なゾーンにおける研磨速度を増減させるために、基板の裏側の圧力を調整することができる。研磨速度は、ゾーンが研磨後に実質的に同じ厚さになるように、及び/又はゾーンの研磨がほぼ同時に完了するように調整されうる。そのようなプロファイル制御は、リアルタイムプロファイル制御(RTPC)と呼ばれることがある。
【0016】
インシトゥモニタシステムは、基板エッジに近い場所での測定において信号歪みを受ける可能性がある。例えば、渦電流モニタシステムは、磁場を生成することがある。基板エッジの近くでは、磁場は、基板の導電層と部分的にのみ重なり、信号を人為的に低下させる。これらの歪みを補償する技術は、厚さ測定値をトレーニングされたニューラルネットワークに供給することである。
【0017】
加えて、渦電流モニタシステムからの信号は、コンディショニングディスクによる磨耗のため研磨パッドが薄くなるにつれて人為的に増加させることができる。パッドの厚さが変化すると、研磨パッドを通して基板の特性を読み取る1つ又は複数のセンサからの信号も変化しうる。特に、パッドが薄くなるにつれて、基板と渦電流センサとの間の距離は減少することになる。これは、信号強度の増加を引き起こし、見かけ上の層の厚さを人為的に増加させ、研磨終点の不整合又はウエハ対ウエハベースでの不均一性をもたらす可能性がある。ニューラルネットワークを用いても、信号がパッドの厚さにも依存する場合には、システムは基板エッジでの歪みを適切に補償しないことがある。しかしながら、異なるパッド厚さに対応する層厚さ測定値を用いてニューラルネットワークをトレーニングすることにより、研磨パッドの測定された厚さ値は、ニューラルネットワークで変更された信号を生成する際の入力として使用することができる。
【0018】
図1A及び図1Bは、研磨装置100の一例を示す。研磨装置100は、回転可能なディスク形状のプラテン120を含み、その上に研磨パッド110が位置する。プラテンは、軸125を中心として回転するように動作可能である。例えば、モータ121は、駆動軸124を回してプラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側研磨層112と、より柔らかいバッキング層114とを有する二層研磨パッドでありうる。
【0019】
研磨装置100は、スラリなどの研磨液132を研磨パッド110上に分配するためのポート130を含むことができる。研磨装置は、研磨パッド110を一貫した砥粒研磨状態(consistent abrasive state)に維持するために研磨パッド110を砥粒研磨する(abrade)研磨パッドコンディショナも含むことができる。
【0020】
研磨装置100は、少なくとも1つのキャリアヘッド140を含む。キャリアヘッド140は、基板10を研磨パッド110に当てて保持するように動作可能である。キャリアヘッド140は、研磨パラメータ、例えば、それぞれの基板に関連する圧力の独立した制御を有することができる。
【0021】
特に、キャリアヘッド140は、基板10を可撓性の膜144の下に保持するための保持リング142を含むことができる。キャリアヘッド140はまた、膜によって画定される複数の独立制御可能で加圧可能なチャンバ、例えば3つのチャンバ146a-146cを含んでおり、このチャンバは、可撓性の膜144、ひいては基板10上の関連するゾーンに独立して制御可能な圧力を印加することができる。説明を簡略化するために、図1には3つのチャンバのみを図示したが、1つ若しくは2つのチャンバ、又は4つ以上のチャンバ、例えば、5つのチャンバがあってもよい。
【0022】
キャリアヘッド140は、支持構造150、例えばカルーセル又はトラックから懸架され、キャリアヘッドが軸155の周りを回転できるように、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に接続される。オプションで、キャリアヘッド140は、例えば、カルーセル150又はトラック上のスライダ上で、又はカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる。動作中、プラテンはその中心軸125を中心に回転し、キャリアヘッドはその中心軸155を中心に回転さし、研磨パッドの上面にわたって横方向に平行移動する。
【0023】
1つのキャリアヘッド140のみが示されているが、研磨パッド110の表面積を効率的に使用できるように、追加の基板を保持するために、より多くのキャリアヘッドを設けることができる。
【0024】
研磨装置100は、インシトゥモニタシステム160も含む。インシトゥモニタシステム160は、基板上の層の厚さに依存する時間で変動する一連の値を生成する。インシトゥモニタシステム160は、測定値が生成されるセンサヘッドを含み、基板とセンサヘッドとの間の相対運動のため、測定値は、基板上の異なる場所でとられることになる。
【0025】
インシトゥモニタシステム160は、渦電流モニタシステムとすることができる。渦電流モニタシステム160は、基板上の導電層に渦電流を誘導するための駆動システムと、駆動システムによって導電層に誘導された渦電流を検出するためのセンシングシステムとを含む。モニタシステム160は、プラテンと共に回転するように凹部128内に位置決めされたコア162と、コア162の一部の周囲に巻かれた少なくとも1つのコイル164と、配線168によってコイル164に接続された駆動及び感知回路166とを含む。コア162とコイル164の組み合わせで、センサヘッドが提供されうる。いくつかの実施態様では、コア162は、プラテン120の上面の上方に、例えば、研磨パッド110の底部の凹部118内に突出する。
【0026】
駆動及び感知回路166は、振動電気信号をコイル164に印加し、発生する渦電流を測定するように構成される。駆動及び感知回路、並びに1つ又は複数のコイルの構成及び位置については、例えば、米国特許第6,924,641号、第7,112,960号及び第8,284,560号、並びに米国特許公開第2011-0189925号及び第2012-0276661号に記載されているように、様々な構成が可能である。駆動及び感知回路166は、プラテン120の同じ凹部128又は異なる部分に配置することができ、又はプラテン120の外側に配置することもでき、回転電気ユニオン129を通してプラテン内の構成要素に結合することもできるだろう。
【0027】
動作において、駆動及び感知回路166は、コイル164を駆動して、振動磁場を生成する。磁場の少なくとも一部は、研磨パッド110を通って基板10内に延びる。導電層が基板10上に存在する場合、振動磁場は、導電層内に渦電流を発生させる。渦電流によって、導電層は、駆動及び感知回路166に結合されるインピーダンス源として作用する。導電層の厚さが変化すると、センサヘッドからの生信号が変化し、これは駆動及び感知回路166によって検出することができる。
【0028】
加えて、上述のように、コンディショニングプロセスのために、研磨パッド110の厚さは、ウエハ間で減らすことができる。コア162及びコイル164が研磨パッド110の凹部128内に位置することができ、磁場が外側研磨層112を通って基板10内に延びることができるので、コア162と基板10との間の距離は、研磨パッド110の厚さが減少するにつれて減少する。その結果、駆動及び感知回路166によって読み取られるインピーダンスも、研磨パッド110の厚さが変化するにつれて変化しうる。
【0029】
概して、駆動及び感知回路166は、センサヘッドからの生信号についての利得パラメータを含むことによって、コア162からの正規化された信号を維持する。コントローラ190に出力するための信号をスケーリングするために、利得パラメータを使用することができる。研磨パッド110の外側研磨層112が最大である場合、例えば、研磨パッド110が新しい場合、利得パラメータは最大値でありうる。外側研磨層112の厚さが減少すると、センサが基板に近づくため増加した信号強度を補償するために、利得パラメータを減少させることができる。
【0030】
代替的に又は追加的に、反射計又は干渉計として機能しうる光学モニタシステムを、凹部128内のプラテン120に固定することができる。両方のシステムが使用される場合、光学モニタシステム及び渦電流モニタシステムは、基板の同じ部分をモニタすることができる。
【0031】
CMP装置100はまた、コア162が基板10の下にあるときを感知するために、光インタラプタのような位置センサ180を含むことができる。例えば、光インタラプタは、キャリアヘッド140の反対側にある固定点に取り付けることができるだろう。フラッグ182は、プラテンの周囲に取り付けられる。フラグ182の取り付け点及び長さは、コア162が基板10の下を掃引する間に、センサ180の光信号を中断するように選択される。代替的に又は追加的に、CMP装置は、プラテンの角度位置を決定するためのエンコーダを含むことができる。
【0032】
汎用のプログラマブルデジタルコンピュータなどのコントローラ190は、渦電流モニタシステム160から強度信号を受信する。コントローラ190は、プロセッサ、メモリ、及びI/O装置、並びに出力装置192、例えばモニタ、及び入力装置194(例えばキーボード)を含むことができる。
【0033】
信号は、渦電流モニタシステム160から回転電気ユニオン129を通してコントローラ190に渡すことができる。あるいは、回路166は、無線信号によってコントローラ190と通信することができるだろう。
【0034】
コア162は、プラテンの回転毎に基板の下を掃引するので、導電層の厚さに関する情報は、インシトゥで、かつ連続的なリアルタイムベースで(プラテン1回転につき1回)蓄積される。コントローラ190は、基板が概してコア162の上にあるときに(位置センサによって決定されるように)、モニタシステムから測定値をサンプリングするようにプログラムすることができる。研磨が進行すると、導電層の厚さが変化し、サンプリングされた信号は時間とともに変化する。時間とともに変化するサンプリングされた信号は、トレースと呼ばれることがある。装置のオペレータが研磨動作の進行を視覚的にモニタできるようにするために、モニタシステムからの測定値を研磨中に出力装置192上に表示することができる。
【0035】
動作中に、CMP装置100は、充填層のバルクがいつ除去されたかを判定し、及び/又は下にある停止層がいつ実質的に露出されたかを判定するために、渦電流モニタシステム160を使用することができる。検出器ロジックのための可能なプロセス制御及び終点基準は、極小値又は極大値、傾斜の変化、振幅又は傾斜の閾値、又はこれらの組み合わせを含む。
【0036】
コントローラ190はまた、研磨パッドに供給されるスラリ組成物を制御するために、キャリアヘッド140によって印加される圧力を制御する圧力機構、キャリアヘッド回転速度を制御するためのキャリアヘッド回転モータ154、プラテン回転速度を制御するためのプラテン回転モータ121、又はスラリ分配システム130に接続されうる。加えて、コンピュータ190は、米国特許第6,399,501号で論じられているように、基板下の掃引毎の渦電流モニタシステム160からの測定値を複数のサンプリングゾーンに分割し、各サンプリングゾーンの半径方向の位置を計算し、振幅測定値を半径方向の範囲に分類する(sort)ようにプログラムすることができる。測定値を半径方向の範囲に分類した後に、フィルム厚さに関する情報をリアルタイムで閉ループコントローラに供給して、改善された研磨均一性を提供するために、キャリアヘッドによって適用される研磨圧力プロファイルを周期的に又は連続的に変更することができる。
【0037】
コントローラ190は、研磨されている層の厚さの推定寸法を生成するために、インシトゥモニタシステム160によって測定された信号を基板10上で研磨されている層の厚さに関連付ける相関曲線を使用することができる。相関曲線303の一例を図3Aに示す。図3Aに描かれた座標系では、横軸は、インシトゥモニタシステム160から受信された信号の値を表し、一方、縦軸は、基板10の層の厚さに対する値を表す。所与の信号値に対して、コントローラ190は、対応する厚さ値を生成するために、相関曲線303を使用することができる。相関曲線303は、センサヘッドが信号を取得した時刻又は位置にかかわらず、各信号値に対する厚さ値を予測するという点で、「静的」な公式とみなすことができる。相関曲線は、多項式関数、又は線形補間と組み合わせたルックアップテーブル(LUT)など、様々な関数で表すことができる。
【0038】
また、コントローラ190は、基板10の厚さの推定寸法を生成するために、インシトゥモニタシステム160によって測定された信号を研磨パッド110の厚さに関連付ける利得関数を使用することもできる。
【0039】
利得関数は、コア162からの「生(raw)」信号を、異なる研磨パッド厚さに対する標準導電性の本体を用いて測定することによって生成することができる。本体の例は、インピーダンス浸透深さよりも厚い基板、又は4点プローブによって測定される既知の均一な厚さの基板を含みうる。こうして、本体からの標準的な期待導電性測定値が保証される。これにより、種々のパッド厚さで測定されたコア162からの信号が、標準本体の確立された導電性に関連する一定の信号値にスケーリングできるようになる。所与のパッド厚さでコア162信号を正規化するために必要なスケーリング値が、利得パラメータである。
【0040】
例えば、大きなパッド厚さ及び標準基板本体について測定されたコア162信号は、小さなパッド厚さ及び同じ基板について測定されたコア162信号よりも低くすることができる。より大きなパッド厚さは、標準本体内のより低いインピーダンス浸透のために、標準本体内の測定されたコア162信号を減少させるだろう。この減少を修正するために、利得パラメータを使用して、測定されたコア162信号を、上述のように正規化された値にスケーリングすることができる。あるいは、より小さなパッド厚さは、コア162信号を確立された正規化値にスケーリングするために必要なより低い利得パラメータをもたらすことができるだろう。各パッド厚さ及び相関利得値は、相関点を構成することができ、複数の相関点は、利得関数を確立することができる。
【0041】
あるいは、基板10の導電層厚さは、キャリアヘッド140内に載置され、研磨パッド110の上を移動させる前に、別個の計測ステーション、例えば4点プローブによって正確に測定することができる。研磨が始まると、センサを基板10の下で掃引して、コア162から生信号を得ることができる。この信号を、測定された導電層の厚さに基づいて期待信号と比較すると、所与の信号と期待信号との間の比率が確立される。この比率は、駆動及び感知回路166によって利得パラメータとして使用することができる。
【0042】
図3Bは、例示的な利得関数304を示す。図3Bに描かれた座標系では、縦軸は、インシトゥモニタシステム160から受信した利得パラメータの値を表し、横軸は、外側研磨層112の厚さに対する値を表しうる。上述のパッド厚さ及び相関利得値は、チャート上の利得関数点305であり、利得関数304は、相関点305から決定される。
【0043】
利得関数304は、標準本体の対応するコア162信号測定値と相関する研磨パッド110の厚さのグラウンドトゥルース測定値の線形回帰に基づいて決定することができる。図3Bは、駆動及び感知回路166によって測定される利得に研磨パッド110の厚さを相関させる4つの較正測定値305から生成される例示的な利得関数304を示す。概して、利得関数304は、少なくとも2つの厚さ測定点305から構築することができる。
【0044】
概して、較正測定値305を生成するために、研磨パッド110の厚さのグラウンドトゥルース測定値は、システムの外部の正確な計測器、例えば、プロフィロメータを使用して決定することができる。次いで、既知の厚さのこの研磨パッド110は、較正基板と組み合わせて研磨装置100内に載置される。較正基板は、一貫した厚さの導電層を有する本体であり、同じ較正基板を、複数の研磨ツールの較正に使用することができる。較正基板は、研磨システム100に搬入され、センサヘッド上の研磨パッド110上の位置に移動される。研磨が行われないように、インシトゥモニタシステムによって較正基板の測定中に研磨パッド表面に研磨粒子を含まない液体を供給することができる。次いで、駆動及び感知回路166は、信号強度を決定し、それを研磨パッド厚さのグラウンドトゥルース測定値と相関させて、較正測定値305を作成することができる。追加の厚さで複数の研磨パッド110についてこの相関を繰り返すことによって、より多くの較正測定値305を作成することができる。
【0045】
概して、利得パラメータ及び研磨パッド110の厚さに関する利得関数304は、較正測定値305を使用して回帰により決定することができる。いくつかの実施態様では、相関曲線303は、線形回帰でありうる。いくつかの実施態様では、相関曲線303は、重み付けされた又は重み付けされていない線形回帰でありうる。例えば、重み付けされた又は重み付けされていない線形回帰は、Deming、Theil-Sen、又はPassing-Bablock線形回帰でありうる。しかしながら、いくつかの実施態様では、相関曲線は非線形関数でありうる。次いで、利得関数304を使用して、既知の利得パラメータ及びパッド厚さの2つの較正測定値305間の推定厚さ値を補間することができる。
【0046】
利得関数304がいったん確立されると、コントローラ190は、利得関数304を使用して、コア162信号をスケーリングするための所与のパッド厚さに対する利得パラメータ値を生成することができる。利得関数304は、センサヘッドが信号を取得した時刻又は位置にかかわらず、各信号値に対する厚さ値を予測するという点で、「静的」公式(a “static” formula)とみなすことができる。利得関数は、線形補間と組み合わせたLUTなど、様々な関数で表すことができる。
【0047】
図1B及び図2を参照すると、基板10に対するセンサヘッドの位置の変化は、インシトゥモニタシステム160からの信号の変化をもたらす可能性がある。すなわち、センサヘッドが基板10にわたり走査を行うと、インシトゥモニタシステム160は、基板10上の異なる場所において、例えば測定スポットなどの複数の領域94について測定を行うことになる。領域94は、部分的に重なり合うことがある(図2参照)。
【0048】
図4は、センサヘッドが基板10の下方を単独で通過する間のインシトゥモニタシステム160からの信号プロファイル401を示すグラフ420を示す。信号プロファイル401は、基板の下を掃引するときに、センサヘッドからの一連の個々の測定値から構成される。グラフ420は、測定時間又は基板上の測定の位置、例えば半径方向の位置の関数でありうる。いずれの場合も、信号プロファイル401の異なる部分は、センサヘッドによって走査される基板10上の異なる場所の測定スポット94に対応する。したがって、グラフ420は、センサヘッドによって走査された基板の所与の場所について、信号プロファイル401からの対応する測定信号値を示す。
【0049】
図2及び図4を参照すると、信号プロファイル401は、センサヘッドが基板10の前方エッジを横切るときに基板10のエッジ領域203内の場所に対応する第1の部分422と、基板10の中央領域201内の場所に対応する第2の部分424と、センサヘッドが基板10の後方エッジを横切るときにエッジ領域203内の場所に対応する第3の部分426とを含む。また、信号は、基板外測定値(off-substrate measurements)に対応する部分428、すなわち、センサヘッドが図2の基板10のエッジ204を越える領域を走査するときに生成される信号を含むことができる。
【0050】
エッジ領域203は、センサヘッドの測定スポット94が基板エッジ204と重なる基板の一部分に対応することができる。中央領域201は、エッジ領域203に隣接する環状アンカー領域202と、アンカー領域202によって囲まれる内部領域205とを含むことができる。センサヘッドは、その経路210上でこれらの領域を走査し、経路210に沿った場所のシーケンスに対応する測定値のシーケンスを生成しうる。
【0051】
第1の部分422では、信号強度は、初期強度(通常、基板とキャリアヘッドが存在しないときに得られる信号)からより高い強度まで上昇する。これは、基板のエッジ204で最初は基板と僅かに重なり合うだけのところ(初期の低い値を生成する)から、基板にほぼ全体的に重なり合うモニタリング場所(高い値を生成する)まで、モニタリング場所を遷移することによって生じる。同様に、第3の部分426では、モニタ場所が基板のエッジ204に遷移すると、信号強度が下がる。
【0052】
第2の部分424が平坦として示されているが、これは、単純化するためであり、第2の部分424内の実際の信号は、ノイズ及び層厚さの変動の両方による変動を含む可能性が高いだろう。第2の部分424は、中央領域201を走査するモニタ場所に対応する。第2の部分424は、モニタ場所が中央領域201のアンカー領域202を走査することによって生じるサブ部分421及び423と、モニタ場所が中央領域201の内部領域205を走査することによって生じるサブ部分427とを含む。
【0053】
上述のように、領域422、426における信号強度の変動は、モニタされている層の厚さ又は導電性の固有の変動ではなく、部分的には、基板エッジと重なるセンサの測定領域によって生じる。その結果、信号プロファイル401におけるこの歪みは、基板エッジ近傍の基板、例えば、層の厚さに対する特性値の計算に誤差を生じさせる可能性がある。この問題に対処するために、コントローラ190は、ニューラルネットワーク、例えば、図5のニューラルネットワーク500を含むことができ、これらの場所に対応する算出された厚さ値に基づいて、基板10の1つ又は複数の場所に対応する変更された厚さ値を生成する。
【0054】
次に、図5を参照すると、ニューラルネットワーク500は、適切にトレーニングされると、基板エッジ付近で算出された厚さ値の歪みを低減及び/又は除去する変更された厚さ値を生成するように構成される。ニューラルネットワーク500は、入力504のグループを受信し、1つ又は複数のニューラルネットワーク層を介して入力504を処理して、出力550のグループを生成する。ニューラルネットワーク500の層は、入力層510、出力層530、及び1つ又は複数の隠れ層520を含む。
【0055】
ニューラルネットワーク500の各層は、1つ又は複数のニューラルネットワークノードを含む。ニューラルネットワーク層内の各ニューラルネットワークノードは、(ニューラルネットワーク500への入力504から、又は先行するニューラルネットワーク層の1つ又は複数のノードの出力から)1つ又は複数のノード入力値を受信し、1つ又は複数のパラメータ値に従ってノード入力値を処理して活性化値を生成し、オプションで、非線形変換関数(たとえば、シグモイド関数又は双曲線正接関数)を活性化値に適用して、ニューラルネットワークノードの出力を生成する。
【0056】
入力層510内の各ノードは、ノード入力値として、ニューラルネットワーク500への入力504のうちの1つを受信する。
【0057】
ニューラルネットワークへの入力504は、第1の厚さ値501、第2の厚さ値502など、基板10上の複数の異なる場所についてのインシトゥモニタシステム160から、第n番目の厚さ値503を通した初期厚さ値を含む。初期厚さ値は、相関曲線を使用して信号401内の信号値のシーケンスから計算される個々の値でありうる。
【0058】
ニューラルネットワーク500の入力ノード504はまた、1つ又は複数のプロセス状態信号516を受信する1つ又は複数の状態入力ノード546を含むことができる。特に、研磨パッド110の厚さの寸法は、状態入力ノード546においてプロセス状態信号516として受信することができる。
【0059】
パッドの厚さは、例えば、研磨ステーションでの接触センサなどによる、研磨パッド110の厚さの直接測定値でありうる。あるいは、厚さは、上述の利得関数304から生成することができる。特に、導電層の厚さは、例えば、インライン又は独立型の計測システムなどによって、研磨前に測定することができる。この厚さは、較正曲線303を使用して期待信号値に変換することができる。次いで、期待信号値を、基板の研磨開始時の実際の信号値と比較することができ、この比率は、利得を提供し、これを使用して、利得関数304に従ってパッドの厚さを決定することができる。
【0060】
ニューラルネットワークがパッドの厚さを入力としてトレーニングされたと仮定すると、「パッド摩耗」利得関数304は、パッドの厚さをスケーリングするために適用することができる。適用されると、パッドの厚さ及び厚さプロファイル(パッド摩耗調整後の適切な利得を含む)は、いずれも、リアルタイムでその特定のパッド厚さで再構成されたエッジプロファイルを出力するために、ネットワークの入力として使用される。
【0061】
概して、複数の異なる場所は、基板10のエッジ領域203及びアンカー領域202内の場所を含む。いくつかの実施態様では、複数の異なる場所は、エッジ領域203及びアンカー領域202内のみにある。他の実施態様では、複数の異なる場所は、基板のすべての領域にわたる。
【0062】
隠れ層520及び出力層530のノードは、先行する層のすべてのノードからの入力を受信するものとして示されている。これは、完全に接続されたフィードフォワードニューラルネットワークの場合である。しかしながら、ニューラルネットワーク500は、完全に接続されていないフィードフォワードニューラルネットワーク又はフィードフォワードでないニューラルネットワークであってもよい。更に、ニューラルネットワーク500は、1つ又は複数の完全に接続されたフィードフォワード層、1つ又は複数の完全に接続されていないフィードフォワード層、及び1つ又は複数のフィードフォワードでない層のうちの少なくとも1つを含みうる。
【0063】
ニューラルネットワークは、出力層530のノード、すなわち「出力ノード」550において、修正された厚さ値550のグループを生成する。いくつかの実施態様では、ニューラルネットワーク500に供給されるインシトゥモニタシステムからの各入力厚さ値についての出力ノード550が存在する。この場合、出力ノード550の数は、入力層510の信号入力ノード504の数に対応しうる。
【0064】
例えば、信号入力ノード544の数は、エッジ領域203及びアンカー領域202における測定値の数に等しくすることができ、等しい数の出力ノード550が存在しうる。したがって、各出力ノード550は、信号入力ノード544への入力として供給されるそれぞれの初期厚さ値、例えば、第1の初期厚さ値501に対する第1の変更された厚さ値551、第2の初期厚さ値502に対する第2の変更された厚さ値552、及び第n番目の初期厚さ値503に対する第n番目の変更された厚さ値553に対応する変更された厚さ値を生成することができる。
【0065】
いくつかの実施態様では、出力ノード550の数は、入力ノード504の数よりも少ない。いくつかの実施態様では、出力ノード550の数は、信号入力ノード544の数よりも少ない。例えば、信号入力ノード544の数は、エッジ領域203及びアンカー領域202における測定値の数と等しくすることができるが、出力ノード550の数は、エッジ領域203における測定値の数に等しくすることができる。ここでも、出力層530の各出力ノード550は、信号入力ノード504としてのそれぞれの初期厚さ値、例えば、第1の初期厚さ値501に対する第1の変更された厚さ値551に対応する変更された厚さ値を生成するが、エッジ領域203から厚さ値を受信する信号入力ノード554のみに対してである。
【0066】
いくつかの実施態様では、隠れ層520の1つ又は複数の中の1つ又は複数のノード、例えば、第1の隠れ層の中の1つ又は複数のノード572は、研磨パッド110の厚さなどの1つ又は複数の状態入力ノード516を直接受信することができる。研磨装置100は、ニューラルネットワーク500を使用して、変更された厚さ値を生成することができる。次いで、変更された厚さ値は、基板の第1のグループの場所内の各場所、例えば、エッジ領域(及び場合によってはアンカー領域)内の場所についての決定された厚さとして使用することができる。例えば、再び図4を参照すると、エッジ領域についての変更された厚さ値は、信号プロファイル401の変更された部分430を提供することができる。
【0067】
いくつかの実施態様では、所与の測定場所に対応する変更された厚さ値について、ニューラルネットワーク500は、その所与の場所の所定の距離内の測定場所からの入力厚さ値のみが変更された厚さ値を決定する際に使用されるように構成されうる。例えば、厚さ値S,S,..,S,…Sが受信され、経路210上のN個の連続する場所における測定値に対応する場合、第M番目の場所(Rで示す)の変更された厚さ値S’は、変更された厚さ値S’を計算するために厚さ値SM-L(min1),…S,…SM+L(maxN)のみを使用することができる。Lの値は、最大約2-4mm離れた測定値を使用して、所与の変更された厚さ値S’を生成するように選択することができ、測定値Sの場所の約1-2mm、例えば1.5mm内の測定値を使用することができる。例えば、Lは、0-4の範囲の数、例えば1又は2でありうる。例えば、3mm以内の測定が使用され、測定値間の間隔が1mmである場合、Lは1でありうる。間隔が0.5mmである場合、Lは2でありうる。間隔が0.25である場合、Lは4でありうる。しかしながら、これは、研磨装置の構成及び処理条件に依存しうる。変更された厚さ値S’を計算する際に、例えばパッド摩耗などの他のパラメータの値を依然として使用することができるだろう。
【0068】
例えば、1つ又は複数の隠れ層520のいくつかの隠れノード570、すなわち、「隠れノード」570が存在し、その数は信号入力ノード544の数に等しく、各隠れノード570がそれぞれの信号入力ノード544に対応しうる。各隠れノード570は、対応する入力ノードの測定の場所からの所定の距離よりも大きい場所の測定値に対応する入力ノード544から切り離されうる(又は、入力ノード544についてのパラメータ値0を有しうる)。例えば、第M番目の隠れノードは、第1から第(M-L-1)番目の入力ノード544及び第(M+L+1)番目から第N番目の入力ノードから切り離されうる(又はパラメータ値0を有しうる)。同様に、各出力ノード560は、出力ノードの測定値の場所からの所定の距離よりも大きい場所のための変更された信号に対応する隠れノード570から切断されうる(又は、隠れノード570のためのパラメータ値0を有しうる)。例えば、第M番目の出力ノードは、第1から第(M-L-1)番目の隠れノード570及び第(M+L+1)番目から第N番目の隠れノードから切り離されうる(又は隠れノードについてのパラメータ値0を有しうる)。
【0069】
いくつかの実施形態では、研磨装置100は、基板の第1のグループの複数の場所、例えば、エッジ領域内の場所の厚さを決定するために、静的公式を使用することができる。これらの基板は、ニューラルネットワークをトレーニングするために使用されるトレーニングデータを生成するために使用することができる。
【0070】
図6は、基板10を研磨するための一例のプロセス600のフロー図である。プロセス600は、研磨装置100によって実行することができる。
【0071】
研磨装置100は、基板10上の層を研磨し(602)、研磨中に層をモニタして(604)、層上の異なる場所についての測定された信号値を生成する。層上の場所は、(信号401の領域422/426に対応する)基板のエッジ領域203内の1つ又は複数の場所と、(信号の領域421/423に対応する)基板上のアンカー領域202内の1つ又は複数の場所とを含むことができる。アンカー領域202は、基板エッジ204から離れて、基板の中央領域201内に間隔を置いて配置されており、従って、基板エッジ204によって作り出される歪みに影響されない。しかしながら、アンカー領域202は、エッジ領域203に隣接しうる。アンカー領域202はまた、中央領域201の内部領域205を取り囲むことができる。アンカーの場所の数は、インシトゥモニタシステム160による測定スポットサイズ及び測定周波数に依存しうる。いくつかの実施形態では、アンカーの場所の数は、最大値(最大値4など)を超えることができない。
【0072】
研磨装置100は、静的公式を用いて、測定された信号値から異なる場所の各場所についての初期厚さ値を生成する(606)。第一の近似として(To a first approximation)、測定された信号値は、単に静的公式に入力され、厚さ値を出力する。しかしながら、他の処理、例えば、アンカー領域に基づく信号の正規化、又は特定の材料のコンダクタンスに対する補償もまた、初期厚さ値の生成の一部として信号に対して実行されうる。
【0073】
研磨装置100は、ニューラルネットワークを使用して調整された厚さ値を生成する(608)。ニューラルネットワーク500への入力は、異なる場所についてのインシトゥモニタシステム160によって生成される初期厚さ値であり、状態信号としての研磨パッドの厚さである。ニューラルネットワーク500の出力は、入力され算出された厚さ値にそれぞれ対応する変更された厚さ値である。
【0074】
研磨装置100は、変更された厚さ値に基づいて、研磨終点を検出し及び/又は研磨パラメータを修正する(610)。
【0075】
図7は、修正された厚さ値を生成するためにニューラルネットワーク500をトレーニングするための例示的なプロセス700のフロー図である。異なる厚さプロファイルを含む層を有する複数の基板は、複数の異なる厚さの研磨パッド上に載置されながら、インシトゥモニタシステムによって走査される。インシトゥモニタシステムは、較正曲線(702)に基づいて厚さの推定寸法を生成する。各基板について、システムはまた、場所のグループ内の各場所についての厚さのグラウンドトゥルース寸法を取得する(704)。このシステムは、電気インピーダンス測定法、例えば4点プローブを用いて、厚さのグラウンドトゥルース測定値を生成することができる。また、このシステムは、例えば、プロフィロメータなどを用いて、研磨パッドの厚さのグラウンドトゥルース測定値を取得する。
【0076】
収集されたトレーニングデータは、ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間にニューラルネットワークに適用される(706)。特に、各基板プロファイルについて、基板層厚さと研磨パッド厚さの推定測定値が入力ノードに適用され、基板層厚さのグラウンドトゥルース測定値が出力ノードに適用される。トレーニングは、厚さの推定寸法と厚さのグラウンドトゥルース寸法との間の誤差の寸法の算出を含むことができ、誤差の寸法に基づいてニューラルネットワーク500の1つ又は複数のパラメータを更新する。これを行うために、システムは、逆伝播を伴う勾配降下を用いるトレーニングアルゴリズムを使用することができる。
【0077】
上述の議論は、厚さ測定値に焦点を当ててきたが、本技術は、他の特性値、例えば、導電性にも適用可能である。
【0078】
モニタシステムは、様々な研磨システムで使用することができる。研磨パッド又はキャリアヘッドのいずれか、又はこれら両方が移動して、研磨面と基板との間の相対運動を提供することができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(又は他の何らかの形状)のパッド、供給ローラーと巻き取りローラーとの間を延びるテープ、又は連続ベルトでありうる。研磨パッドは、プラテン上に固定し、研磨動作間にプラテン上で漸進的に前進させ、研磨中にプラテン上で連続的に駆動させることができる。パッドが、研磨中にプラテンに固定され、研磨中にプラテンと研磨パッドとの間に流体ベアリングが存在することもある。研磨パッドは、標準的な(例えば、充填剤を含む又は含まないポリウレタンの)粗いパッド、軟質パッド、又は固定砥粒研磨パッドでありうる。
【0079】
上述の議論は、渦電流モニタシステムに焦点を当てているが、修正技術は、基板のエッジ上を走査する他の種類のモニタシステム、例えば、光モニタシステムに適用することができる。加えて、上述の議論は、研磨システムに焦点を当てているが、修正技術は、基板のエッジ上を走査するインシトゥモニタシステムを含む、他の種類の基板処理システム、例えば、堆積又はエッチングシステムに適用することができる。
【0080】
本発明の多くの実施形態が記載されてきた。それにもかかわらず、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われることが理解されるだろう。したがって、その他の実施形態も下記の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨システムであって、
研磨パッドを支持するためのプラテンと、
基板を保持し、前記基板を前記研磨パッドと接触させるためのキャリアヘッドと、
導電層が前記研磨パッドによって研磨されている間に、前記基板上の前記導電層の厚さに依存する信号を生成するためのインシトゥモニタシステムと、
コントローラと
を備え、前記コントローラは、
研磨パッド厚さ値を受信することと、
前記導電層上の複数の異なる場所についての複数の測定信号を生成するために、前記導電層の研磨中に前記インシトゥモニタシステムから信号を受信することと、
前記複数の測定信号から前記導電層上の前記複数の異なる場所について複数の厚さ値を決定することと、
ニューラルネットワークを通して前記複数の厚さ値の少なくともいくつかを処理することによって、複数の修正された厚さ値を提供するために、前記複数の異なる場所の少なくともいくつかの各場所について、前記場所についての修正された厚さ値を生成することであって、前記ニューラルネットワークは、複数の入力ノードと、複数の出力ノードと、複数の中間ノードとを含み、前記複数の厚さ値のうちの前記少なくともいくつかは、前記入力ノードのうちの少なくともいくつかに適用され、前記研磨パッド厚さを表す値は、前記複数の中間ノードから1つの中間ノードに直接適用され、前記複数の出力ノードのうちの少なくともいくつかは、前記複数の修正された厚さ値を出力する、前記場所についての修正された厚さ値を生成することと、
前記複数の修正された厚さ値に基づいて研磨終点を検出すること又は研磨パラメータを変更することのうちの少なくとも1つを行うことと
を実行するように構成される、研磨システム。
【請求項2】
前記インシトゥモニタシステムは、渦電流モニタシステムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、多数の場所についての厚さ値が、当該多数の場所からの特定の場所についての修正された厚さ値の入力として機能するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記複数の厚さ値のすべてが前記入力ノードに適用されるわけではないように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記導電層の研磨前の厚さの寸法を受信することと、
前記導電層の研磨開始時に前記インシトゥモニタシステムから初期信号値を取得することと、
前記研磨前の厚さに基づいて前記導電層についての期待信号値を決定することと、
前記初期信号値と前記期待信号値に基づいて利得を計算することと、
利得関数を用いて前記利得から研磨パッド厚さ値を決定すること
を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
ニューラルネットワークをトレーニングする方法であって、
異なる厚さプロファイルを有する複数の試験基板の各試験基板について、グラウンドトゥルース厚さプロファイルを取得することと、
第1の厚さ値を取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、第1の厚さ値に対応する第1の厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定されている試験基板に対応する測定された第1の厚さプロファイルを取得することと、
第2の厚さ値を取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、第2の厚さ値に対応する第2の厚さの研磨パッド上にある間に、インシトゥモニタシステムによって測定されている試験基板に対応する測定された第2の厚さプロファイルを取得することと、
前記複数の試験基板の各試験基板について、前記第1の厚さプロファイルと前記第2の厚さプロファイルとの間を補間することによって、前記第1の厚さ値と前記第2の厚さ値との間にある第3の厚さ値についての推定された第3の厚さプロファイルを生成することと、
各試験基板について、複数の入力ノードと複数の出力ノードを有するニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、前記推定された第3の厚さプロファイルを前記複数の入力ノードから多数の入力ノードに適用し、前記第3の厚さ値を前記ニューラルネットワーク内の中間ノード又は前記複数の入力ノードから入力ノードに適用し、及び前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することによって、ニューラルネットワークをトレーニングすることと
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1の厚さ値及び前記第2の厚さ値を取得することは、前記第1の厚さの前記研磨パッドの厚さを測定することと、前記第2の厚さの前記研磨パッドの厚さを測定することをと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の厚さの前記研磨パッドの厚さを測定することと、前記第2の厚さの前記研磨パッドの厚さを測定することは、プロフィロメータで測定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の厚さプロファイル又は前記第2の厚さプロファイルを取得することは、前記第1の厚さ又は前記第2の厚さの研磨パッド上に前記試験基板を載置し、前記インシトゥモニタシステムで前記試験基板を走査することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ニューラルネットワークをトレーニングすることは、前記ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、前記第1の厚さ又は前記第2の厚さ、及び測定された前記第1の厚さプロファイル又は測定された前記第2の厚さプロファイルを前記複数の入力ノードに適用し、前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ニューラルネットワークをトレーニングすることは、前記ニューラルネットワークがトレーニングモードにある間に、第4の厚さ、及び推定された第4のプロファイルを複数の入力ノードに適用し、前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを複数の出力ノードに適用することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記補間は線形補間である、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の厚さ値を、複数の中間ノードから前記中間ノードに直接適用することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記第3の厚さ値を、前記複数の入力ノードから前記入力ノードに適用することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
測定された前記第1の厚さプロファイル及び測定された前記第2の厚さプロファイルは、前記基板上の導電層の厚さである、請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記インシトゥモニタシステムは、渦電流モニタシステムを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項17】
前記グラウンドトゥルース厚さプロファイルを取得することは、電気インピーダンス測定法を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電気インピーダンス測定法は、4点プローブを用いて測定することを含む、請求項17に記載の方法。
【外国語明細書】